JP2010155802A - 5−ht2b受容体拮抗活性を有する新規5−エチニルピラゾール−3−カルボキサミド誘導体 - Google Patents

5−ht2b受容体拮抗活性を有する新規5−エチニルピラゾール−3−カルボキサミド誘導体 Download PDF

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竜也 山岸
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Abstract

【課題】5−HT2B受容体拮抗作用を有する化合物を有効成分として含有する医薬または医薬組成物を提供する。また、同受容体に対して高い選択的親和性を示し、さらに拮抗化合物として他の受容体への関与を低減させることで、当該受容体が関与する様々な好ましくない作用やQT延長などの毒性を軽減する医薬または医薬組成物を提供する。
【解決手段】下記、一般式(I)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩。
Figure 2010155802

【選択図】なし

Description

本発明は、5−HT2B受容体拮抗活性を有する新規5−エチニルピラゾール−3−カルボキサミド誘導体に関する。本発明の化合物は、5−HT2B受容体の選択的拮抗剤として有用な化合物であり、本受容体が関与する多種な疾患の予防または治療に有用である。また、本発明は、前記化合物を含む医薬組成物にも関する。
セロトニン(5−hydroxytryptamine)は1948年に最初に発見された神経伝達物質の一種で、視床下部や大脳基底核、延髄の縫線核などに高濃度に分布しているトリプタミン誘導体の一種である。セロトニンは、ヒトを含む動植物に一般的に含まれる化学物質で、トリプトファンから生合成される。人体中には約10ミリグラムのセロトニンが存在しており、そのうちの大部分は小腸の粘膜にあるクロム親和細胞に存在する。ここで合成されたセロトニンは腸などの筋肉に作用し、消化管の運動に大きく関係している。また、セロトニンは中枢神経系にも存在し、人間の精神活動にも大きく影響している。日常生活から、うつ病や神経症などの精神疾患に至るまでセロトニンの影響が注目されている。近年、セロトニンに作用する薬物を用いることで、これらの疾病の治療薬が開発されている。
一方、セロトニン受容体とは主に中枢神経系にあるGタンパク質結合受容体の一種である。セロトニン(5−HT)受容体は、5−HTから5−HTの7つのファミリーに分類され、合計14個のサブタイプが認知されている。それぞれのサブタイプについて薬理学的研究が進められている(非特許文献1)が、中でも、5−HTファミリーには、5−HT2A、5−HT2B、5−HT2Cの三種類のサブタイプが存在することが知られている。さらに、5−HT2B受容体に関しては、様々な薬理作用が報告され、多種の疾患治療または予防に有用であることが報告されている。
すなわち、5−HT2B受容体拮抗化合物は偏頭痛、炎症性痛覚、侵害受容性疼痛、線維筋痛症、慢性腰痛、内臓痛、胃食道逆流性疾患(GERD)、便秘、下痢、機能性胃腸疾患、過敏性腸症候群(以下、IBSと略す)、喘息、変形性関節炎、リウマチ性関節炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、糸球体腎炎、腎炎、皮膚炎、肝臓炎、血管炎、腎虚血、脳卒中、心筋梗塞、脳虚血、アルツハイマー症、可逆的気道閉塞、成人呼吸器系統症候群、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺高血圧症(PH)、突発性間質性肺炎、気管支炎、肝線維症、多肺線維症、発性硬化症、抑うつ症、不安神経症、悪性腫瘍、もしくは肥満を含む、多種の疾患の治療または予防に有用であることが知られている(非特許文献2〜6)。
また、5−HT2B受容体に関しては、5−HT2B選択的拮抗化合物を用いた実験から、当該受容体と消化器、肺動脈血管との関係が知られている。
消化器での役割に関しては、電気刺激によるヒト腸管組織の収縮を抑制したことから、5−HT2B拮抗化合物が過敏性腸症候群に有用であることが示されている(特許文献1)。セロトニン刺激によるラット腸管組織の収縮を抑制したことから、5−HT2B拮抗化合物が機能性腸障害の治療に有効であるとの記載がある(特許文献2)。また、2,4,6−トリニトロベンゼンスルホン酸(以下TNBSと略す)処置ラットでは、結腸伸展刺激に対する痛覚閾値が低下することが報告されており、IBSにおける内臓知覚過敏モデルとされている。(非特許文献7)。
その他、一般的にIBSモデルと考えられているラットストレス誘発排便モデルにおいて、ストレス負荷による排便重量の増加を5−HT2B拮抗化合物が抑制し、下痢型IBSに有用であることが確認できる。さらに、ラットにストレス負荷を与えると、結腸伸展刺激に対する痛覚反応が増加し、5−HT2B拮抗化合物はその痛覚反応の増加を抑制する。
また、肺動脈血管での役割に関しては、肺性高血圧の慢性低酸素マウスモデルの改善に5−HT2B受容体が関与し、5−HT2B拮抗化合物が肺性高血圧症の治療に有効であるとの記載がある(非特許文献8)また、5−HT2B選択的拮抗化合物は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)に伴う肺高血圧を有する患者を対象にしたプラセボ対照二重盲検初期第2相試験で有意な血圧低下作用を示したとの報告があり(非特許文献9)、ヒトでの安全性と有用性が確認されている。
国際公開第02/056010号パンフレット 特表平9−510216号公報 Phamacol.Rev.1994,46,157-203 Johnson KWCephalalgia23(2):117-23(2003) Allman JM et al, TRENDS In Cognitive Sciences9(8):367-373(2005) Borman RA et al, Br J Pharmacol. 135 (5):1144-51(2002) Beattie DT et al,Br J Pharmacol.143(5):549-60(2004) Kubera M et al, Psychiatry Res.30;134(3):251-8(2005) The Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics, Vol.302, No.3, 1013-1022 (2002); 2) Pharmacology (2008), 81(2), 144-150)) Nature Medicine, 8(10):1129-1135,2002 PRX-08066:EPIX Pharmaceuticals
本発明の課題は、5−HT2B受容体刺激によって介在される疾病状態の治療または予防のために有用な5−HT2B受容体拮抗作用を有する化合物を有効成分として含有する医薬または医薬組成物を提供することである。また、5−HT2B受容体に対して高い選択的親和性を示し、さらに拮抗化合物として他の受容体への関与を低減させることで、当該受容体が関与する様々な好ましくない作用を軽減することも課題とする。
本発明の発明者らは、前記の課題を解決すべく鋭意研究を重ね、特定のユニークな化学構造を有する新規5−エチニルピラゾール−3−カルボキサミド誘導体が、セロトニン受容体サブタイプの内、5−HT2B受容体に選択的かつ強い拮抗作用を有することを見出した。加えて、本発明の新規5−エチニルピラゾール−3−カルボキサミド誘導体が、ラットTNBS誘発IBSモデルにおいて内臓痛閾値を有意に改善することを確認した。したがって、本発明の新規5−エチニルピラゾール−3−カルボキサミド誘導体は、前述の5−HT2B受容体刺激によって介在される偏頭痛、炎症性痛覚、侵害受容性疼痛、線維筋痛症、慢性腰痛、内臓痛、胃食道逆流性疾患(GERD)、便秘、下痢、機能性胃腸疾患、過敏性腸症候群(IBS)、喘息、変形性関節炎、リウマチ性関節炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、糸球体腎炎、腎炎、皮膚炎、肝臓炎、血管炎、腎虚血、脳卒中、心筋梗塞、脳虚血、アルツハイマー症、可逆的気道閉塞、成人呼吸器系統症候群、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺高血圧症(PH)、突発性間質性肺炎および気管支炎、肝線維症、多発性硬化症、抑うつ症、不安神経症、悪性腫瘍、および肥満のような疾病状態の治療または予防に有用である。
本発明は、上記知見に基づき完成されたものであり、以下の化合物、またはその薬学的に許容される塩、当該化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分とする5−HT2B受容体に関係する疾患の治療または予防剤、当該化合物またはその薬理学的に許容される塩を含む医薬組成物、または当該化合物またはその薬理学的に許容される塩の使用方法を提供する。また、吸収、分布、代謝、排泄、など優れた薬物動態特性を有する5−HT2B受容体拮抗作用を有する化合物を提供する。すなわち、本発明は5−HT2B受容体拮抗活性を有する新規5−エチニルピラゾール−3−カルボキサミド誘導体に関し、以下の発明を包含する。
[1]下記、一般式(I)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩。
Figure 2010155802
[式中、
、R1A、R1Bは、それぞれ独立に炭素数1から6の直鎖状、分岐状、もしくは環状の低級アルキル基、または炭素数1から6の直鎖状、分岐状、もしくは環状のハロアルキル基;
は炭素数1から6の直鎖状、分岐状、もしくは環状の低級アルキル基、炭素数1から6の直鎖状、分岐状、もしくは環状のハロアルキル基、OH、OR1A、ハロゲン、−(CHOH、COH、CONH、CONHR1A、CONR1A1A、CN、COR1A、NH、NHR1A、NR1A1A、NHCOR1A、SR1A、SOR1A、SO1A、SONH、SONHR1A、SONR1A1A、またはNHSO1Aであり、mが複数の場合、Rは同一でも異なってもよい。また、RがR1Aを2個有する場合、それらは同一でも異なってもよく、場合によってはR1Aと他のR1Aとの間での結合も可能である;
は水素原子またはハロゲン原子;
、Rは炭素数1から6の直鎖状、分岐状、もしくは環状の低級アルキル基であり、RとRは互いに結合して、1つまたは2つ以上のヘテロ原子を含む飽和複素環を形成してもよく、当該飽和複素環はp個のRで置換されてもよい;
は−(CHOH、−(CHOR1B、ハロゲン、CONH、CONR1B1B、COR1B、SO1B、−OCHCHNR1B1Bであり、pが複数の場合、Rは同一でも異なってもよく、Rと他のRとの間での結合も可能である;
aは0、1、または2;
mは0、1、2、または3;
nは1、または2;
pは0、1、2、3、4、または5;
Cyは、ヘテロ原子を含んでもよい単環または二環性の飽和もしくは不飽和の環状構造を表す。]
[2]Rが炭素数1から6の直鎖状、分岐状、もしくは環状の低級アルキル基、OH、OR1A(R1Aは前述と同意義、以下同じ)、SO1A、ハロゲン、CONH、CONHR1A、CONR1A1A、NHR1A、または、NR1A1Aを表す前記[1]に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
[3]一般式(I)で示される化合物が、
5−[2−(2−クロロフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
5−[2−(3−メトキシフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
5−[2−(2−シアノフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
5−[2−(3−シアノフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
5−[2−(2−エチルフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−5−{2−[2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]エチニル}−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
5−{2−[2−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチニル}−1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
5−{2−[2−(ジメチルカルバモイル)フェニル]エチニル}−1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
1−メチル−5−[2−(6−メチルピリジン−2−イル)エチニル]−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
1−メチル−5−[2−(5−メチルピリジン−2−イル)エチニル]−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
1−メチル−5−[2−(4−メチルピリジン−2−イル)エチニル]−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
1−メチル−5−[2−(3−メチルピリジン−2−イル)エチニル]−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
5−[2−(6−メトキシピリジン−2−イル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−5−[2−(チオフェン−2−イル)エチニル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−5−[2−(1,3−チアゾール−2−イル)エチニル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
1−メチル−5−[2−(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
1−メチル−5−{2−[2−(メチルスルファニル)フェニル]エチニル}−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
5−[2−(2−メタンスルホニルフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−5−[2−(ナフタレン−1−イル)エチニル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
1−メチル−5−[2−(2−メチルフェニル)エチニル]−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
1−メチル−5−[2−(3−メチルフェニル)エチニル]−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
1−メチル−5−[2−(4−メチルフェニル)エチニル]−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
5−[2−(2−フルオロフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
5−[2−(3−フルオロフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
5−[2−(2,4−ジフルオロフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
5−[2−(3−クロロフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
5−[2−(4−クロロフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
5−[2−(2−メトキシフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
5−[2−(3,5−ジフルオロフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
5−[2−(4−フルオロ−3−メチルフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−5−{2−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチニル}−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−5−{2−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]エチニル}−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
5−(2−シクロヘキシルエチニル)−1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
5−[2−(4−フルオロフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
5−[2−(4−フルオロフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(ピペリジン−1−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
5−[2−(2−メトキシフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(ピペリジン−1−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
5−[2−(4−フルオロフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(ピロリジン−1−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−5−[2−(4−フルオロフェニル)エチニル]−1−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
5−[2−(2−メトキシフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(ピロリジン−1−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
および
N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−5−[2−(2−メトキシフェニル)エチニル]−1−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
からなる群より選択される前記[1]に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
[4]一般式(IX)で示される前記[1]に記載の化合物の中間体。
Figure 2010155802
[式中、R、R、Rは、一般式(I)で定義されたものと同じであり、カルボン酸のOHは、離脱可能な置換基で置き換えてもよい。]

[5]一般式(V)で示される前記[1]に記載の化合物の中間体。
Figure 2010155802
[式中、R、R、R、Rは、一般式(I)で定義されたものと同じである。]
[6]前記[1]に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分とする、5−HT2B受容体に関係する疾患の治療または予防剤。
[7]前記[1]から[3]のいずれかに記載の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
[8]哺乳類対象において5−HT2B受容体によって媒介される疾患状態の治療または予防のための医薬組成物であって、有効量の前記[1]から[3]のいずれかに記載の化合物、またはその薬学的に許容できる塩、および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
[9]前記[1]から[3]のいずれかに記載の化合物と別異の薬理学的活性剤との組合せを含む医薬組成物。
[10]5−HT2B受容体によって媒介される疾患状態の予防または治療における使用のための、前記[1]に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用。
[11]5−HT2B受容体によって媒介される疾患状態の予防または治療のための医薬を製造するための、前記[1]に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用。
[12]前記[1]に記載の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、またはそれを含む医薬組成物の有効量をヒトまたは哺乳動物に投与することを特徴とする偏頭痛、炎症性痛覚、侵害受容性疼痛、線維筋痛症、慢性腰痛、内臓痛、胃食道逆流性疾患(GERD)、便秘、下痢、機能性胃腸疾患、過敏性腸症候群(IBS)、喘息、変形性関節炎、リウマチ性関節炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、糸球体腎炎、腎炎、皮膚炎、肝臓炎、血管炎、腎虚血、脳卒中、心筋梗塞、脳虚血、アルツハイマー症、可逆的気道閉塞、成人呼吸器系統症候群、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺高血圧症(PH)、突発性間質性肺炎、気管支炎、肝線維症、多肺線維症、発性硬化症、抑うつ症、不安神経症、悪性腫瘍、もしくは肥満の予防または治療方法。
本発明医薬の有効成分である5−エチニルピラゾール−3−カルボキサミド誘導体は、新規骨格を有し、強力かつ選択的に5−HT2B受容体の機能を阻害する。本発明医薬の強い5−HT2B受容体拮抗作用は、優れた薬理効果に基づく治療効果を示すものである。また、本発明医薬の高い選択性は、5−HT2B受容体以外の他の受容体への作用に起因する広範な副作用も軽減することから、安全性の高い治療薬または予防薬として有用である。
本発明の化合物は5−HT2B受容体への特異的な結合活性を有することを特徴とする。本発明の化合物は5−HT2B受容体へ拮抗的に結合することにより、5−HT2Bの拮抗剤として5−HT2B受容体の活性を選択的に阻害し、当該受容体が関わる哺乳動物の疾患の治療または予防に有用である。
「拮抗剤」とはアンタゴニストとも呼ばれ、作動薬(アゴニスト)に対して拮抗的に作用してその作用を減弱させる薬剤を言う。これらの拮抗剤や作動薬が受容体の一部に結合することができる能力は結合親和性と呼ばれ、この結合親和性の評価は、後述の実施例のようにin vitroにおける受容体への結合試験により算出されるK値、場合により同じ条件下で行われた受容体への結合試験におけるIC50値を比較することにより行われる。なお、受容体への結合試験において、一定の濃度で十分な阻害作用を示さずIC50値を算出できない場合には、その化合物のIC50値を当該濃度以上とみなすことがある。
本発明の化合物は、5−HT2B受容体への結合親和性を有し、セロトニンが5−HT2B受容体へ結合する作用を阻害する活性(阻害活性)を表すIC50値が、好ましくは1000nM以下、より好ましくは100nM以下、さらにより好ましくは10nM以下、もっとも好ましくは1nM以下である。
本発明の化合物またはその薬理学的に許容される塩は受容体への阻害活性が他の受容体と比較して「選択的」であるのが好ましい。選択的であるとは、当該受容体への阻害活性が「他の受容体」への阻害活性と比較して高いことを意味する。本発明において「選択的」とは、当該受容体への阻害活性を示すIC50値が、「他の受容体」のIC50値と比較して10分の1以下である場合、好ましくはこの値が100分の1以下、より好ましくは1000分の1以下であることを意味する。
ここで、「他の受容体」とは、既存の非選択的セロトニン拮抗剤において報告される他の受容体であって、ことに好ましくない作用に関与する受容体である。特に、5−HT2B選択的拮抗化合物として5−HT2A、5−HT2Cに対しての選択性を評価した後、代表的な化合物について、既存受容体および酵素への影響を評価することが好ましい。
本発明における5−HT2B選択的拮抗化合物の受容体阻害活性、若しくは受容体拮抗作用は後述に示す公知技術によって容易に評価が可能である。
本明細書中の一般式の定義において「低級アルキル」なる用語は、特に断らない限り、炭素数が1〜6(以下、C1−6と略す)の直鎖、分岐、または環状の炭素鎖を意味する。従って「低級アルキル」とは炭素数C1−6のアルキルであり、中でもメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、またはtert−ブチルが好ましい。「ハロゲン」とは周期表の第17族元素を意味し、中でもフッ素、塩素、臭素またはヨウ素が好ましい。「ハロアルキル」とは、ハロゲン数1〜5で置換された低級アルキルを意味する。「(ヘテロ)アリール」とは芳香族炭化水素の芳香環から水素をひとつ取り去った部位から結合する置換基を意味し、一般式(Ar)で示されるものが好ましい。
「R1Aと他のR1Aとの間での結合も可能」とは、当該結合によってNR1A1AやCONR1A1AおよびSONR1A1AなどのNR1A1Aが炭素数3から13員環状基(rは1から12)を示すことが可能であることを意味する。中でも、炭素数3から8員環基(rは1から6)が好ましい。具体的にはRに含まれるCONR1A1AまたはNR1A1Aは、下記式(IIa)のように表記可能である。しかしながら、結合様式は下記式に限定するものではない。「R1Bと他のR1Bとの間での結合も可能」とは、上記と同意義で、R1AをR1Bと読み替える。
離脱可能な置換基とは、例えば、エトキシ、フェノキシ、ハロゲン、アルコキシカルボニルオキシ、アリルオキシカルボニルオキシ、イミダゾール-1−イル、4−ニトロフェノキシ基等をさすが、これらに限定されるものではない。
Figure 2010155802
「RとRは互いに結合して、1つまたは2つ以上のヘテロ原子を含む飽和複素環を形成してもよく、当該飽和複素環はp個のRで置換されてもよい」における飽和複素環とは、4員環から7員環までの飽和複素環を表す。例えば、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、アゼパンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
「Cyは、ヘテロ原子を含んでもよい単環または二環性の飽和もしくは不飽和の環状構造」における環状構造とは、5個から6個の構成原子からなる単環構造、もしくは、9個から10個の構成原子からなる縮環構造を表す。単環構造としては、例えば、ベンゼン、ピリジン、チアゾール、チオフェン、フランなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。縮環構造としては、例えば、ナフタレン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、インドール、ベンズイミダゾール、ベンゾチアゾールなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一般式(I)で示される化合物の塩としては、製薬学的に許容される塩であり、それらの酸付加塩および塩基付加塩(2酸化付加塩、2塩基付加塩を含む)を含む。
通常、酸付加塩は、非毒性塩を形成する酸から形成される。酸付加塩として具体的には、例えば酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩もしくは炭酸塩、重硫酸塩もしくは硫酸塩、ホウ酸塩、カンシル酸塩、クエン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グリコヘプトン酸塩、グルコン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸、塩酸塩、臭化水素塩、ヨウ化水素塩、イセチオン酸塩、乳酸、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフチル酸塩、2−ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロチン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩もしくはリン酸二水素塩、糖酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、トリフルオロ酢酸塩等が挙げられる。
また、塩基付加塩は、非毒性塩を形成する塩基から形成される。塩基付加塩として具体的には、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、カルシウム、コリン、ジエチルアミン、ジオールアミン、グリシン、リジン、マグネシウム、メグルミン、オラミン、カリウム、ナトリウム、トロメタミンおよび亜鉛塩等が挙げられる(必要であれば、StahlおよびWermuthによる「Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use」(Wiley−VCH,Weinheim,Germany,2002)を参照)。
一般式(I)の化合物の薬学的に許容できる塩は、一般式(I)の化合物およびそれぞれに見合った望ましい酸または塩基の溶液を混ぜ合わせることによって容易に調製することができる。塩は、溶液から沈殿させて濾過によって集めるか、あるいは溶媒の蒸発によって回収することができる。塩におけるイオン化の程度は、完全なイオン化からほぼ非イオン化まで変わることがある。
本発明の化合物は、非溶媒和と溶媒和の両形態で存在することができる。本明細書において、用語「溶媒和物」は、本発明の化合物および1種または複数の薬学的に許容できる溶媒分子、例えばエタノールを含む分子錯体について記載するために使用される。用語「水和物」は、前記溶媒が水である場合に用いられる。
本発明による薬学的に許容できる溶媒和物には、結晶化の溶媒が同位体置換されている、例えばDO、d−アセトン、d−ジメチルスルホキシドであってよい溶媒和物を含む。
前述の溶媒和物と対照的に、薬物およびホストが化学量論的または非化学量論的な量で存在するクラスレート、薬物−ホスト包接錯体などの錯体は、本発明の範囲内に含まれる。化学量論的または非化学量論的な量であってよい2種以上の有機および/または無機成分を含有する薬物の錯体も含まれる。得られる錯体は、イオン化、部分的イオン化、または非イオン化であってよい(必要であれば、HaleblianによるJ Pharm Sci,64(8),1269−1288(1975年8月号)を参照)。
以下、一般式(I)の化合物へのすべての言及は、それらの塩、溶媒和物および錯体ならびにそれらの塩の溶媒和物および錯体への言及を含む。
本発明の化合物には、本明細書において前に定義されている一般式(I)の化合物、多形体、プロドラッグ、ならびに本明細書において後で定義されるそれらの異性体(光学異性体、幾何異性体および互変異性体を含む)ならびに一般式(I)の同位体標識化合物を含む。
一般式(I)の化合物もしくはその塩のいわゆる「プロドラッグ」も本発明の範囲内にある。すなわち、それら自体が薬理学的活性をほとんど、またはまったく有さない一般式(I)の化合物の特定の誘導体は、体内または体表に投与された場合、例えば生理条件下で酵素や胃酸等での加水分解により、望ましい活性を有する一般式(I)の化合物もしくはその塩に変換されることがある。そのような誘導体は、「プロドラッグ」と呼ばれる。プロドラッグの使用に関するそれ以上の情報は、Pro−drugs as Novel Delivery Systems, Vol. 14, ACS Symposium Series (T.Higuchi and W.Stella) とBioreversible Carriers in Drug Design, Pergamon Press, 1987 (ed. E B Roche, American Pharmaceutical Association)中に見いだすことができる。
本発明によるプロドラッグは、例えば、一般式(I)の化合物中に存在する適切な官能基を、例えば、H.Bundgaardによる「Design of Prodrugs」(Elsevier,1985)に記載の「プロモエティ(pro−moieties)」として当業者に知られている特定の部分で置き換えることによって製造することができる。
本発明によるプロドラッグのいくつかの例には、一般式(I)の化合物もしくはその塩がカルボン酸官能基(−COOH)を含む場合はそのエステル化、アミド化された化合物(例えば、エチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチルエステル化、メチルアミド化された化合物)等;一般式(I)の化合物もしくはその塩がアルコール官能基(−OH)を含む場合は、水酸基がアシル化、アルキル化、リン酸化、ホウ酸化された化合物(たとえば、アセチル化、パルミトイル化、ポロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物等);一般式(I)の化合物もしくはその塩がアミノ官能基を含む場合は、アミノ基がアシル化、アルキル化、リン酸化された化合物(例えば、アミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、tert−ブチル化された化合物等)が挙げられる。また置換基の種類によっては、N−オキシドを形成する場合もあり、これらN−オキシドも包含される。
上記の例および他のプロドラッグタイプの例による置換基の他の例は、上述の参考文献中に見いだすことができる。最後に、一般式(I)の特定の化合物は、薬理作用は減弱されているが、それら自体で一般式(I)の他の化合物のプロドラッグとしての役割を果たすことができる場合がある。
1個または複数の不斉炭素原子を含む一般式(I)の化合物は、2種以上の立体異性体として存在することがある。一般式(I)の化合物がアルケニルまたはアルケニレン基を含む場合、幾何学的なシス/トランス(すなわちZ/E)異性体が可能である。化合物が、例えば、ケトもしくはオキシム基または芳香族部分を含む場合、互変異性の異性化(「互変異性」)が存在することがある。その結果、単一の化合物が2種以上のタイプの異性を示すことがある。
2種以上のタイプの異性を示す化合物、およびそれらの1個または複数の混合物を含む一般式(I)の化合物のすべての立体異性体、幾何異性体および互変異性体は、本発明の範囲内に含まれる。対イオンが光学活性である、例えば、D−乳酸塩またはL−リジン塩であるか、あるいはラセミである、例えば、DL−酒石酸塩またはDL−アルギニン塩である酸付加塩または塩基塩も本発明に含まれる。
シス/トランス異性体は、当業者によく知られている従来技法、例えば、クロマトグラフィーおよび分別結晶によって分離することができる。個々の鏡像異性体を調製/分離するための従来技法には、適当な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成、または、例えば、キラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いるラセミ化合物(または塩もしくは誘導体のラセミ化合物)の分割を含む。
あるいは、ラセミ化合物(またはラセミ前駆体)を、適当な光学活性化合物、例えばアルコール、または、一般式(I)の化合物が酸性または塩基性部分を含む場合には、酒石酸または1−フェニルエチルアミンなどの酸または塩基と反応させることができる。得られるジアステレオマー混合物は、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶によって分離することができ、ジアステレオ異性体の一方または双方は、当業者によく知られている手段によって対応する純粋な1個または複数の鏡像異性体に変換することができる。
本発明のキラル化合物(およびそのキラル前駆体)は、0〜50(w/w)%のイソプロパノール、通常は2〜20(w/w)%、および0〜5(w/w)%のアルキルアミン、通常は0.1(w/w)%のジエチルアミンを含有する炭化水素、通常はヘプタンまたはヘキサンからなる移動層による不斉樹脂上のクロマトグラフィー、通常はHPLCを用い、鏡像異性的に付加された形態で得ることができる。溶出液の濃縮により、付加された混合物が得られる。
立体異性の集合体は、当業者に知られている従来技法によって分離することができる(必要であれば、E L Elielによる「Stereochemistry of Organic Compounds」(Wiley, New York, 1994.)を参照)。
本発明には、1個または複数の原子が、同じ原子番号であるが、自然に通常見いだされる原子量または質量数と異なる原子量または質量数を有する原子によって置き換えられている薬学的に許容できる一般式(I)の同位体標識化合物がすべて含まれる。
本発明の化合物中に含めるのに適当な同位体の例には、HおよびHなどの水素、11C、13Cおよび14Cなどの炭素、36Clなどの塩素、18Fなどのフッ素、123Iおよび125Iなどのヨウ素、13Nおよび15Nなどの窒素、15O、17Oおよび18Oなどの酸素、32Pなどのリン、および35Sなどのイオウの同位体を含む。
重水素、すなわちHなどのより重い同位体による置換は、より大きな代謝安定性に由来する特定の治療上の利点、例えば、in vivo半減期の増加または用量要件の軽減を提供することがあるため、Hの通常化合物と目的によって使い分けることができる。
11C、18F、15Oおよび13Nなどのポジトロン放出同位体による置換は、基質受容体占有を調べるためのポジトロン放出断層撮影(PET)研究において有用である。
一般式(I)の特定の同位体標識化合物、例えば、放射性同位体を組み入れた同位体標識化合物は、薬物および/または基質の組織分布研究において有用である。放射性同位体であるトリチウム、すなわちH、および炭素−14、すなわち14Cは、組み入れの容易さおよび敏速な検出手段に鑑みてこの目的に特に有用である。
一般式(I)で表される化合物は、下記に示す一般法に記載された手段や、実施例項目等で記載された特定手段、それに関しての通常、常套、または所定の改善によって調製することができる。本発明は、さらに一般式(I)の化合物だけでなく、これらに関して使用される新規な中間体の調製のための一つ以上のプロセスを包含する。
本発明の一般式(I)の化合物は、自体公知の調製方法、または下記の反応スキームにおいて図示される一般的な手順もしくは調製方法に従って調製することができる。他に指示がない限り、続く反応スキームおよび考察におけるR1〜R5は、上記で定義されている通りである。以下に使用する用語「保護基」は、T.W. Greene他によって編集されたProtecting Grpoups in Organic Synthesis (John Wiley & Sons, 1999)に記載の典型的なヒドロキシ、アセチレンまたはアミノ保護基から選択されるヒドロキシまたはアミノ保護基を意味する。さらに一般反応式に記載された各化合物は、反応を阻害しないのであれば、塩を形成していてもよく、かかる塩としては化合物(I)の塩と同様の塩等である。また、本発明化合物のプロドラッグは上記保護基と同様、原料および中間体の段階で特定の基を導入、或いは得られた化合物を用いて反応を行うことで調製できる。反応は通常のエステル化、アミド化、脱水等、当業者により公知の方法を適用することにより行うことができる。
式IIから工程1〜5を経由する式Iの合成(方法1)、および式Vから工程6を経由する式Iの合成(方法2)を以下に示す。
Figure 2010155802
合成方法1
工程 1
このステップにおいて、カルボン酸化合物は、反応溶媒中での式IIのエステル化合物の加水分解によって調製することができる。
加水分解は、従来公知の手順によって行うことができる。典型的な手順において、加水分解は、塩基性条件下、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化リチウムの存在下で行うことができる。適当な溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−メトキシエタノール、またはエチレングリコールなどのアルコール;テトラヒドロフラン(THF)、1,2−ジメトキシエタン(DME)、または1,4−ジオキサンなどのエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)またはヘキサメチルリン酸トリアミドなどのアミド類;ならびにジメチルスルホキシド(DMSO)などのスルホキシド、または水などが挙げられる。この反応時間は、30分〜48時間程度であり、一般的に、60分〜30時間程度である。反応温度は、−20℃〜100℃程度であり、一般的に、20℃〜75℃程度である。
また、加水分解は、酸性条件下、例えば、塩化水素または臭化水素などのハロゲン化水素;p−トルエンスルホン酸またはベンゼンスルホン酸などのスルホン酸;P−トルエンスルホン酸ピリジウム;ならびに酢酸またはトリフルオロ酢酸などのカルボン酸の存在下で行うことができる。適当な溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−メトキシエタノール、またはエチレングリコールなどのアルコール;テトラヒドロフラン(THF)、1,2−ジメトキシエタン(DME)、または1,4−ジオキサンなどのエーテル類;ジクロロメタン、または1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)またはヘキサメチルリン酸トリアミドなどのアミド類;ならびにジメチルスルホキシド(DMSO)などのスルホキシド、または水などが挙げられる。この反応時間は、30分〜24時間程度であり、一般的には60分〜10時間程度である。反応温度は、−20℃〜100℃程度であり、一般的には0℃〜65℃程度である。上記の反応スキームにおいてMeはメチル基を意味する(以下も同じ)。
工程 2
このステップにおいて、式Vのアミド化合物は、不活性溶媒中、カップリング剤の存在下または非存在下でのアミン化合物(式IV)とカルボン酸化合物(式III)とのカップリング反応によって調製することができる。また、この反応は、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)または1−ヒドロキシアザベンゾトリアゾールなどの添加剤の存在下または非存在下でも行うことができる。適当な溶媒の例としては、例えばアセトン、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、スルホラン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、1−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、2−ブタノン、アセトニトリル;ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類;ならびにテトラヒドロフランおよび1,4−ジオキサンなどのエーテル類が挙げられる。この反応時間は、5分〜1週間程度であり、一般的には30分〜24時間程度である。反応温度は、−20℃〜100℃程度であり、一般的には0℃〜60℃程度である。適当なカップリング試薬としては、ペプチド合成で通常使用される試薬であれば制限されないが、例えば、ジイミド(例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、水溶性カルボジイミド(WSC)、ヘキサフルオロリン酸O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム(HBTU)、2−エトキシ−N−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン、テトラフルオロホウ酸2−ブロモ−1−エチルピリジニウム(BEP)、塩化2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム(BOP)、アゾジカルボン酸ジエチル−トリフェニルホスフィン、シアノリン酸ジエチル、ジエチルホスホリルアジド、ヨウ化 2−クロロ−1−メチルピリジニウム、N,N’−カルボニルジイミダゾール、ベンゾトリアゾール−1−イルジエチルホスフェート、クロロギ酸エチルまたはクロロギ酸イソブチルが挙げられる。また、反応は、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、4−(ジメチルアミノ)ピリジンまたはトリエチルアミンなどの塩基の存在下で行うことが望ましい。式Vのアミド化合物は、塩化オキサリル、オキシ塩化リンまたは塩化チオニルなどのハロゲン化剤との反応によって得ることができるハロゲン化アシルを介して調製することもできる。得られるハロゲン化アシルで、このステップに記載の縮合剤試薬を用いることなく、式IVのアミン化合物を処理することにより、対応するアミド化合物(式V)に変換することができる。
工程 3
このステップにおいて、式VIの化合物は、上記の工程2で調製された化合物(式V)と適当な遷移金属触媒と塩基の存在下(または塩基の非存在下)、トリメチルシリルアセチレンとのカップリング反応を用いて調製することができる。より具体的には、式VIの化合物は、触媒量のパラジウム試薬と銅(I)塩または、触媒量のパラジウム試薬とホスフィンリガンドの存在下で、塩基を含む適当な反応溶液中、または塩基のみを反応溶媒として用いた条件下で、上記の工程2で調製された化合物(式V)と、トリメチルシリルアセチレンとのクロスカップリング反応を用いて調製することができる。パラジウム試薬の例としては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムとビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロライドなどが好ましく挙げられる。銅(I)塩の例としては、ヨウ化銅(I)と臭化銅(I)などが好ましく挙げられる。ホスフィンリガンドとしては、ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(DPPB)などが好ましく挙げられる。塩基の例としては、例えば、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、炭酸カリウムまたは炭酸ナトリウムなどが挙げられる。また、反応溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル、酢酸エチル、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素、ジエチルエーテルなどが挙げられる。反応時間は、5分〜96時間程度であり、一般的には30分〜24時間程度である。反応温度は、−78℃〜200℃程度であり、一般的には−20℃〜80℃程度である。また、反応時に、マイクロ波反応装置を用いて反応を行う場合もある。
工程 4
このステップにおいて、式VIIのカルボン酸化合物は、反応溶媒中での式VIのトリメチルシリル基の脱保護によって調製することができる。
脱保護は、従来公知の手順によって行うことができる。式VIの化合物は、John Wiley&Sons著のProtecting Grpoups in Organic Synthesis(1999)に記載されている方法など、一般的に知られている通常の方法を用いて、トリアルキルシリル基を脱保護することによって調製することができる。通常の方法として、脱保護は炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどの塩基存在下で、メチルアルコールやエチルアルコールなどのアルコール溶媒中にて脱保護することができる。この反応時間は、30分〜48時間程度であり、一般的に、60分〜30時間程度である。反応温度は、−20℃〜100℃程度であり、一般的に、20℃〜75℃程度である。
工程 5
このステップにおいて、式Iの化合物は、触媒量のパラジウム試薬と銅(I)塩または、触媒量のパラジウム試薬とホスフィンリガンドの存在下で、塩基を含む適当な反応溶液中、または塩基のみを反応溶媒として用いた条件下で、式VIIIと、VIIの式で示されるアセチレンとのクロスカップリング反応を用いて調製することができる。パラジウム試薬の例としては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムとビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロライドなどが好ましく挙げられる。銅(I)塩の例としては、ヨウ化銅(I)と臭化銅(I)などが好ましく挙げられる。ホスフィンリガンドとしては、ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(DPPB)などが好ましく挙げられる。塩基の例としては、例えば、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、炭酸カリウムまたは炭酸ナトリウムなどが挙げられる。また、反応溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル、酢酸エチル、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素、ジエチルエーテルなどが挙げられる。反応時間は、5分〜96時間程度であり、一般的には30分〜24時間程度である。反応温度は、−78℃〜200℃程度であり、一般的には−20℃〜80℃程度である。また、反応時に、マイクロ波反応装置を用いて反応を行う場合もある。
合成方法2
工程 6
このステップにおいて、式Iの化合物は、工程3と同様の方法により、式Vの化合物と式IXの化合物のカップリングによって製造できる。
式IIから工程7〜9を経由する式Iの合成(方法3)を以下に示す。
Figure 2010155802
合成方法3
工程 7
このステップにおいて、式VIIIの化合物は、工程3と同様の方法により、式IIの化合物と式IXの化合物のカップリング反応によって製造できる。
工程 8
このステップにおいて、式IXの化合物は、工程1と同様の方法により、式VIIIの化合物の加水分解反応によって製造できる。
工程 9
このステップにおいて、式Iの化合物は、工程2と同様の方法により、式IXの化合物と式IVの化合物とのアミド化反応によって製造できる。
一般式(V)で示される中間体は、本発明の化合物を製造するために有用である。例えば、上記合成方法1のVで示される中間体であり、本発明の化合物を製造するために有効に利用される。
一般式(IX)で示される中間体は、本発明の化合物を製造するために有用である。たとえば、上記合成方法3のIXで示される中間体であり、本発明の化合物を製造するために有効に利用される。
本発明の化合物の5−HT2B拮抗薬としての薬理効果を、慢性低酸素暴露動物(ラット・マウス)モデルを用いて、肺の血圧上昇に対する改善効果を測定することで評価できる。比較対照化合物としては、既存の肺性高血圧治療薬(シルデナフィル、プロスタグランジン製剤など)や、5−HT2B選択的拮抗薬として既知であるRS−127445を用いることができる。
また、本発明の化合物の5−HT2B拮抗薬としての他の薬理効果を、薬物やストレス処置した動物(ラット・マウス)モデルを用いて、下痢に対する改善効果を測定することで評価できる。比較対照化合物としては、既存の下痢治療薬(ロペラミド、ベルベリンなど)5−HT2B選択的拮抗薬として既知であるRS−127445を用いることができる。
このようにして製造された化合物は、遊離なまま、または常法による塩形成処理を施し、その塩として単離、精製することができる。単離または精製方法は特に限定されないが、例えば、抽出、濃縮、留去、結晶化、ろ過、再結晶、または各種クロマトグラフィー等の通常の化学操作が挙げられる。
製造された化合物の各種の異性体は異性体間の物理化学的な性質の差を利用して常法により単離できる。例えば、光学異性体は、ラセミ化合物を光学活性な酒石酸等の有機酸とのジアステレオマー塩に導いた後に分別再結晶する方法、或いは、キラル充填材を用いたカラムクロマトグラフィー等の手法により、各々分離または精製することができる。また、光学活性化合物は適当な光学活性化合物を原料として用いることにより製造することもできる。なお、ジアステレオマーの混合物は、分別再結晶化またはクロマトグラフィー等によりそれぞれの異性体に分離することができる。
経口投与
本発明の化合物は、経口的に投与することができる。経口投与とは、化合物が胃腸管に入るように嚥下することを意味し、口腔内または舌下投与を用いた場合には、化合物は口から直接血流に入る。
経口投与に適している製剤には、錠剤、微粒子を含有するカプセル剤、液剤、散剤、トローチ剤(液体入りを含む)、咀嚼剤(chews)多粒子、ナノ粒子、ゲル剤、固溶体、リポソーム、フィルム剤(粘膜付着剤を含む)、噴霧剤などの固形製剤ならびに液状製剤を含む。
液状製剤としては、例えば、懸濁剤、液剤、シロップ剤およびエリキシル剤などが挙げられる。このような製剤は、軟質または硬質カプセル剤における充填剤として用いることができ、一般的には、担体として、例えば、水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロース、または適当な油、ならびに1種または複数の乳化剤および/または懸濁化剤などが用いられる。また、液状製剤は、固体状の、例えば、分包された薬剤を水等に溶かすことによっても調製することができる。
本発明の化合物は、LiangおよびChenによるExpert Opinion in Therapeutic Patents, 11(6), 981−986(2001)に記載された剤形など、速溶または速崩壊剤形においても使用することができる。
錠剤の場合、有効成分としての薬物の含有量は、投与対象の年齢や性別、症状の度合いによっても異なるが、錠剤全体に対して1重量%〜80重量%程度が好ましく、5重量%〜60重量%程度がより好ましい。
錠剤は、有効成分としての薬物の他に崩壊剤を含有することができる。崩壊剤としては、例えば、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶性セルロース、低級アルキル置換ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、アルファ化デンプンおよびアルギン酸ナトリウム等が挙げられる。崩壊剤の含有量は、錠剤全体に対して1重量%〜25重量%程度が好ましく、5重量%〜20重量%程度がより好ましい。
錠剤は、有効成分としての薬物の他に結合剤を含有することができる。結合剤としては、例えば、微結晶性セルロース、ゼラチン、ラクトース(一水和物、噴霧乾燥一水和物、無水など)、マンニトール、キシリトール、ブドウ糖、スクロース、ソルビトール、、ポリエチレングリコール、天然または合成ゴム、ポリビニルピロリドン、デンプン、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、第二リン酸カルシウム二水和物等、またはヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。
また、錠剤は、ラウリル硫酸ナトリウムおよびポリソルベート80などの界面活性剤、ならびに二酸化ケイ素およびタルクなどの流動促進剤を含んでいてもよい。界面活性剤の含有量は、錠剤全体に対して0.2重量%〜5重量%程度が好ましく、流動促進剤の含有量は、錠剤全体に対して0.2重量%〜1重量%程度が好ましい。
また、錠剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリルフマル酸ナトリウム、およびステアリン酸マグネシウムとラウリル硫酸ナトリウムとの混合物などの滑沢剤を含有しても良い。滑沢剤の含有量は、錠剤全体に対して0.25重量%〜10重量%程度が好ましく、0.5重量%〜3重量%程度がより好ましい。
他の配合可能な成分としては、例えば、抗酸化剤、着色剤、矯味剤、保存剤または味覚マスキング剤等が挙げられる。
例示的錠剤としては、有効成分としての薬物が約80重量%まで、結合剤約10重量%〜約90重量%、希釈剤約0重量%〜約85重量%、崩壊剤約2重量%〜約10重量%、および滑沢剤約0.25重量%〜約10重量%を含有する錠剤が挙げられる。
錠剤の製造方法としては、特に制限されないが、一般的な錠剤の製造方法を適宜使用して製造することが出来る。例えば、錠剤ブレンドを直接、またはローラーにより圧縮し、錠剤を作製することができる。あるいは、錠剤ブレンドまたはブレンドの一部を、打錠前に湿式、乾式、または融解式造粒するか、あるいは融解式凝結させるか、あるいは押し出すことによっても製造できる。最終製剤は、1つまたは複数の層を含み、コーティングされていてもされていなくてもよく、カプセル化されてもよい。
錠剤の製剤化については、H.LiebermanおよびL.Lachmanによる「Pharmaceutical Dosage Forms:T Tablets,Vol.1」、Marcel Dekker,N.Y.,1980(ISBN0−8247−6918−X).に記載の内容を参考にすることができる。
経口投与のための固形製剤は、即時放出および/または改良制御放出であるように製剤化することができる。改良放出製剤としては、例えば、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出またはプログラム放出等が挙げられる。
本発明の目的に適している改良放出製剤については、米国特許第6,106,864号に記載されている。高エネルギー分散および浸透圧およびコーティングした粒子などの他の適当な放出技術の詳細は、Verma他、Pharmaceutical Technology On−line,25(2),1−14(2001)に記載されている。制御放出を実現するためのチューインガムの使用については、国際公開第00/35298号に記載されている。
非経口投与
本発明の化合物は、血流中、筋肉中、または内臓中に直接投与することもできる。非経口投与に適している手段としては、例えば、静脈内、動脈内、腹腔内、くも膜下腔内、脳室内、尿道内、膣内、肛門内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内または皮下投与等が挙げられる。非経口投与に適している装置としては、例えば、針(極微針を含む)注射器、無針注射器または注入技法等が挙げられる。
非経口投与製剤は、塩、炭水化物または緩衝剤(pH3〜9が好ましい)などの添加剤を含有してもよい。非経口投与製剤は生理食塩水等の適当な溶媒に薬剤等を溶解させた水溶液でもよいが、滅菌非水溶液として、または乾燥形態の粉末として製剤化して、用時に滅菌した発熱物質を含まない水などの適当なビヒクルと併せて使用することがより好ましい。
非経口投与製剤の調製は、当業者によく知られている標準的製薬技法、例えば、無菌条件下での凍結乾燥等を用いて容易に行うことができる。
非経口投与液剤の調製において使用される一般式(I)の化合物の溶解性は、溶解性促進剤の組み入れなどの適切な製剤技法の使用によって高めることができる。
非経口投与製剤は、即時放出および/または改良制御放出であるように製剤化することができる。改良放出製剤としては、例えば、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出またはプログラム放出等が挙げられる。また、本発明の化合物は、活性化合物の改良放出を提供する埋込型デポー剤として投与するための固体、半固体、またはチクソトロピックな液体として製剤化することも可能である。そのような製剤としては、例えば、薬物をコーティングしたステントまたはPGLAミクロスフェアなどが含まれる。
局所投与
本発明の化合物は、皮膚または粘膜へ、すなわち経皮的(dermally)あるいは経皮的(transdermally)に、局所的に投与することもできる。局所投与製剤としては、例えば、座剤、ゲル剤、ヒドロゲル剤、ローション剤、液剤、クリーム剤、軟膏剤、散布剤、包帯剤、フォーム剤、フィルム剤、皮膚用パッチ剤、ウエハー剤、埋込剤、スポンジ剤、ファイバー剤、絆創膏剤、またはマイクロエマルジョン剤等が挙げられ、また、リポソームも使用することができる。担体としては、例えば、アルコール、水、鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、または水等が挙げられる。局所投与製剤には、例えば、FinninおよびMorganによるJ.Pharm.Sci.,88(10),955−958(Oct.1999)に記載の透過促進剤を組み入れることもできる。
局所投与に用いられる手段としては、例えば、エレクトロポレーション、イオントフォレーシス、フォノフォレーシス、ソノフォレーシスおよび極微針または無針(例えば、Powderject(商標)、Bioject(商標)など)注射による送達等が挙げられる。
局所投与のための製剤は、即時放出および/または改良制御放出であるように製剤化することができる。改良放出製剤としては、例えば、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御二重放出、標的放出およびプログラム放出等が挙げられる。
その他の技術
本発明の化合物は、シクロデキストリンおよび適当なその誘導体またはポリエチレングリコール含有ポリマーなどの可溶性高分子と混ぜ合わせ、前述の投与方法等において使用するために、それらの溶解性、溶出速度、味覚マスキング、生物学的利用能および/または安定性を改善することができる。
例えば、薬物−シクロデキストリン錯体は、大部分の剤形および投与経路にとって一般的に有用であることが判明している。包接錯体と非包接錯体の双方を使用することができる。薬物との直接錯体化の代替法としては、シクロデキストリンを補助的な添加剤、すなわち担体、希釈剤、または可溶化剤として使用することができる。これらの目的のためにα−、β−およびγ−シクロデキストリンが最も一般的に使用され、その例は、国際公開第91/11172号、国際公開第94/02518号、および国際公開第98/55148号に記載されている。
複数の構成部材からなるキット
本発明による化合物を含有する2つ以上の医薬組成物を、例えば、組成物の同時投与用など、組合せて投与する場合に適しているキットの形態で組み合わせることも、本発明の範囲に含まれる。
すなわち、本発明によるキットは、少なくとも1つは本発明による一般式(I)の化合物を含有する2つ以上の別々の医薬組成物および容器、分かれたボトル、または分かれたホイルパケットなどの前記組成物を別々に保持するための手段を含む。そのようなキットとしては、例えば、錠剤、カプセル剤などの包装に使用されるブリスターパック等が挙げられる。
本発明のキットは、様々な剤形を、例えば、経口および非経口で投与するのに、様々な投与間隔で別々の組成物を投与するのに、または、お互いに対して別々の組成物を増量するのに特に適している。コンプライアンスを補助するため、通常、キットは投与説明書を含み、いわゆる記憶補助が提供されている。
用量
ヒト患者への投与の場合、本発明の化合物の1日当たりの総投与量は、約65〜70kgの体重を有する平均的なヒトを対象とした場合で、0.05mg〜1000mg程度が好ましく、0.1mg〜100mg程度がより好ましく、0.5mg〜20mg程度がさらに好ましい。投与方法に左右されることは言うまでもなく、例えば、経口投与の場合は、1日当たりの総投与量が1mg〜500mg程度が好ましく、静脈内投与の場合は0.5mg〜250mg程度が好ましい。1日当たりの総投与量は、単一投与量であっても分割投与量であってもよい。これらの用量は、対象となるヒトの性別や年齢、または、症状の程度によって適宜変更することが可能である。
上記で記述されたように、本発明の化合物は5−HT2B拮抗活性を示す。本発明の5−HT2B拮抗化合物は、特に、癌、炎症疾患、免疫調節疾患と胃腸障害において(例えば、消化管での運動異常や感覚過敏、または肺動脈での血圧調整および動脈修復など)一種または二種以上の薬理学的活性剤と組み合わせて使用することも出来る。
例えば、5−HT2B拮抗剤、特に一般式(I)の化合物、または、上記で定義されている薬学的に許容できる塩は、以下のリスト1から選ばれる1つまたはそれ以上の薬剤と組み合わせて使用することが可能であり、同時、連続的、または別々に投与することができる。
[リスト1]
緩化薬:Regulan(登録商標)、Celevac(登録商標)などが挙げられる。
抗痙攣因子:平滑筋弛緩作用を有するメベベリン、ピナベリウム、otilonium bromide、トリメブチン;抗ムスカリン様作用を有するジシクロベリン、ヒヨスチアミン、シメトロピウムなどが挙げられる。
オピオイド/中枢性作動薬:MOR作動薬であるロペラミド、ナルトレキソン、メチルナルトレキソン、modulon(登録商標)、アルビモパン;KOR作動薬であるfedotozine、アシマドリン;低用量三環性抗うつ薬であるイミプラミン、アミトリプチンクロミプラミン、デシプラミン、ロフェプラミン;選択的セロトニン再吸収阻害剤であるセルトラリン、パロキセチン、フルオキセチン、シタロプラム、エスシタロプラム;セロトニン−ノルアドレナリン再吸収阻害剤であるベンラファキシン、デュロキセチン;可逆的モノアミンオキシダーゼ阻害剤であるモクロベミド;ベンゾジアゼピン作動薬であるジアゼパム、プラゼパム、クロナゼパム、dextofisopam;中枢作用性鎮痛剤であるオキシモルフォンER、トラマゾール;モノアミンオキシダーゼ阻害剤であるイソカルボキサジド、フェネルジン、tranycypromain、セレジリンなどが挙げられる。
セロトニン作動性受容体調節因子:5−HT3アンタゴニストであるアロセトロン、オンダンセトロン、トロピセトロン、パロノセトロン、ラモセトロン、ミルタザピン、インジセトロン、シランセトロン、グラニセトロン、ドラセトロン;5−HT4作動薬であるテガセロッド、モサプリド;5−HT3作動薬であるMKC−733;5−HT4作動薬/5−HT3アンタゴニストであるレンザプリド;5−HT3/5−HT4アンタゴニストであるインジセトロン;5−HT7アンタゴニストであるDR−4004、SB−269970、SB−258719、SB−258741;5−HT1A作動薬またはアンタゴニストであるブスピロン、ゲピロン;5−HT1A/1B/D作動薬であるブスピロン;片頭痛薬であるエルゴタミン、スマトリプタン、リザトリプタンなどが挙げられる。
消化器運動因子:NK1アンタゴニストであるマロピタント、アプレピタント、エズロピタント;NK2アンタゴニストであるnepadutant、saredutant;NK3アンタゴニストであるタルネタント;CRF1受容体アンタゴニストであるCP−154526、NBI−35965、CRA−1000;CCK−A受容体アンタゴニストであるdexioxigilumide、デクスロキシグルミド;モチリン作動薬であるミナムシナール、PF−4548043;クロライドチャンネル作動薬(タイプ2)であるルビプロストン;グアニル酸シクラーゼ作動薬であるリナクロチド;グルカゴン様ペプタイド−1作動薬であるGTP−010;グレリン受容体作動薬であるイブタモレン、カプロモレリンなどが挙げられる。
抗生物質:スルファセタミド、エリスロマイシン、リファキシミン、トブラマイシン、シプロフロキサシンなどが挙げられる。
プロバイオティクス細菌:bifidobacterium、Nonpathogenic、infantis 35624、E.coliなどが挙げられる。
抗鎮痛因子:α2−アドレナリン作動薬であるクロニジン、メデトミジン、lofexidine、デクスメデトミジン、AGN−2−3818;β3−アドレナリン作動薬であるsolabegron;カンナビノイド1または2作動薬であるGRC−10622、GW842166、S−777469;選択的COX−2阻害剤であるセレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、エトリコキシブ、ルミラコキシブ;非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)であるピロキシカム、ナプロキセン、イブプロフェン、ジクロフェナック、インドメタシン;NMDAアンタゴニストであるジゾシルピン;TRPs mogulators(V1、V3、V4、M8、A1 subtypes)であるレジニフェラトキシン、カプサゼピン;α−2−δリガンドであるガバペンチン、プレガバリン、3−メチルガバペンチン;GABA作動薬であるトピラマート、cinolazepam、クロナゼパムなどが挙げられる。
抗炎症因子:合成副腎皮質ホルモンであるデキサメタゾン、プレゾニドロン、シクレソニド、ブデソニド;インターロイキン由来治療剤であるアナキンラ、アトリズマブ、メポリズマブなどが挙げられる。
抗アレルギー因子:ロイコトリエンアンタゴニストであるモンテルカスト、ザフィルルカスト、プランルカスト;β2作動薬であるアルブテロール、レバルブテロール、サルメテロール、ホルモテロール、アルホルモテロール1;喘息及び/又は慢性閉塞性肺疾患薬であるロフルミラスト、チオトロピウム、イスラパファントなどが挙げられる。
その他の薬剤として:ポリフル(登録商標)、Metamucil(登録商標)、クロフェレマー、サイリウムーハスクなどが挙げられる。
肺性高血圧症関連:プロスタグランジン誘導隊であるベラプロスト、PDE5阻害剤であるシルデナフィル、エンドセリン−1アンタゴニストであるボセンタンなどが挙げられる。
以下、実施例によって本発明を更に詳述するが、下記実施例は本発明を制限するものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更したものも本発明の技術範囲に包含される。
本発明の試験化合物の製造方法を下記の非限定的実施例で説明する。特に明記しない限り、すべての操作は、室温または周囲温度、すなわち18〜25℃の範囲で行い、溶媒の蒸発は、60℃までの浴温で減圧下、ロータリーエバポレーターを用いて行い、反応は、薄層クロマトグラフィー(TLC)によりモニターし、示される融点(m.p.)は未補正であり(結晶多形では、異なる融点を生じるかもしれない)、すべての単離した試験化合物の構造および純度は、下記の技法、すなわち、TLC(Merckシリカゲル60F254プレコートTLCプレートまたはMerck NHプレコートHTLCプレート)、質量分析法、核磁気共鳴スペクトル(NMR)、赤外吸収スペクトル(IR)、または微量分析のうちの少なくとも1つによって保証した。収率は、例示的目的のためにのみ示す。フラッシュカラムクロマトグラフィーは、和光シリカゲル300HG(40〜60μm、Fuji Silysia Chromatorex(登録商標):DU3050(アミンタイプ、30〜50μm)、Biotageシリカゲル(32−63mm、KP−Sil)またはBiotage amino bounded silica(アミンをコーティングしたシリカゲル、35−75μm、KP−NH)を用いて行った。
反応で使用されたマイクロ波装置は、Personal chemistry社製Emrys optimzeかBiotage社製のInitiator(登録商標):Sixtyである。反応で使用された超音波装置は、アズワン社製Ultra Sonic Cleaner SINGLE Frequencyである。反応溶媒に関する略語は以下のように示す。テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)。
実施例化合物最終体におけるHPLCを用いる精製は、次の装置と条件で実施した。
装置:Waters MS−trigger AutoPurificationTMsystem(以下、精製装置Aと略す)
カラム:Waters XTerra C18,19×50mm,5μm particle
方法A:メタノールまたはアセトニトリル/0.05%(v/v)ギ酸水溶液
方法B:メタノールまたはアセトニトリル/0.01%(v/v)アンモニア水
上記精製装置Aを用いた精製法での化合物の化学純度確認は以下の装置と条件で実施した。
装置:Waters Acquity Ultra Parformance LC on TUV Detector and ZQ mass spectrometer
カラム:Waters ACQUITY C18, 2.1×50mm, 1.7μm particle
カラム温度:60℃、流速:1.0mL/分、UV検出:210nm
MS検出:ESI posiモード、メソッド名:QC_neutral_full_1pt5min
溶離液:アセトニトリル/10mM酢酸アンモニウム水溶液
勾配:5%(0−0.1分)、5−95%(0.1−0.8分)、95%(0.8−1分)、分析時間:1.5分
HPLCを用いる精製は、次の装置と条件で実施することもできる。
装置:UV−trigger preparative HPLC system(Waters社製)(以下、精製装置Bと略す)
カラム:XTerra MS C18.5μm、19×50mmもしくは30×50mm
検出器:UV 254nm
条件:アセトニトリル/0.05%(v/v)ギ酸水溶液、または、アセトニトリル/0.01%(v/v)アンモニア水溶液を用いて、室温で流速20mL/分(19×50mm)か40mL/分(30×50mm)
低分解能マススペクトルデーター(EI)は、Integrityマススペクトル(Waters社製)か、Automass120マススペクトル(日本電子社製)か、6890GC/5793MSD(GC−MS Agilent Technologies社製)で得た。
低分解能マススペクトルデーター(ESI)は、次の装置と条件で得た。
装置:ZQまたはZMDマススペクトロメーターとUV検出器付きWaters Alliance HPLC system
カラム:Waters XTerra C18、2.1×30mm、3.5μm粒子
勾配:4−96%(0−2分)、96%(2−4分)、流速;0.5mL/分
UV検出:254nm、MS検出:ESI posi/negaモード
溶離液:アセトニトリル/0.025%(v/v)ギ酸アンモニウム水溶液(Neutral full range)、アセトニトリル/0.05%(v/v)ギ酸水溶液(Acidic full range)、アセトニトリル/0.01%(v/v)アンモニア水溶液(Basic full range)
NMRデータは、特に明示しない限り、溶媒として重水素化クロロホルム(99.8%D)またはジメチルスルホキシド(99.9%D)を用いて270MHz(JEOL JNM−LA 270分光計)、300MHz(JEOL JNM−LA300分光計)で測定し、データは、内部標準としてのテトラメチルシラン(TMS)からのppm(parts per million)で示した。
使用する慣用略語は、s=一重線、d=二重線、t=三重線、q=四重線、m=多重線、br.=幅広などである。IRスペクトルは、赤外分光計(IR−470:島津製作所製)により測定した。旋光度は、JASCO DIP−370デジタル偏光計(日本分光社製)を用いて測定した。化学記号は、通常の意味、すなわち、b.p.(沸点)、m.p.(融点)、L(リットル)、mL(ミリリットル)、g(グラム)、mg(ミリグラム)、mol(モル)、mmol(ミリモル)である。
実施例化合物1
5−[2−(2−クロロフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミドの合成
Figure 2010155802
中間体2:メチル 3−シアノ−2−ナトリウムオキシ−2−プロペノエートの合成
Figure 2010155802
金属ナトリウム(75.87g、2.79mol)を、氷冷下メタノ−ル(1.2L)に小片を数回に分けて加えた。金属ナトリウム片の消失後、シュウ酸ジメチル(300g、2.541mol)とアセトニトリル(114.72g、2.79mol)のメタノール混合液を、上記調製されたナトリウムメトキシドのメタノ−ル溶液へ滴下した。生じた反応混合液を6時間還流した。その後、混合物を減圧下で濃縮して、黄色固体状の中間体2(377.4g、収率99.5%)を得た。この中間体は、さらに精製することなく次の反応で直接使用した。
中間体3:メチルヒドラジン硫酸塩の合成
Figure 2010155802
40(w/w)%メチルヒドラジン水溶液(25g、0.217mol)に、氷冷下で硫酸(23.4g,0.238mol)を滴下で加えた。全て加えた後、反応混合物を4時間、室温で攪拌した。混合物を凍結乾燥によって乾燥させて中間体3(30.5g、収率96%)を得た。
中間体4:メチル 5−アミノ−1−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキシレートの合成
Figure 2010155802
中間体2(263.39g、1.77mol)のメタノ−ル懸濁液(1.5L)に、室温で中間体3(280g、1.94 mol)を加えた。生じた混合物を48時間、室温で攪拌した。その後、反応液に2M水酸化ナトリウム水溶液(200mL)とジクロロメタン(1L)を加え、有機層を分離した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤をろ過後、得られたろ液を、減圧下で濃縮して、黄色結晶状の粗中間体4(82.20g、収率30%)を得た。
この中間体は、さらに精製することなく次の反応で直接使用した。
中間体5:メチル 5−ヨード−1−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキシレートの合成
Figure 2010155802
0℃に冷やした中間体4(32.0g、0.206mol)とヨウ化カリウム(342.4g、2.06mol)の酢酸−水混合溶液(3/1(v/v)、300mL)に、亜硝酸ナトリウム(17.06g、0.247mol)水溶液(50mL)を注意深く滴下で加えた。滴下終了後、反応溶液を、0℃で3時間攪拌した。中間体4が完全に消費されたことをTLC(酢酸エチル:ヘキサン=1:4(v/v))で確認した後、生じた混合液を、固体重曹を加えながら徐々に、pH10〜11に調整した。水溶液層は、酢酸エチル100mLで3回抽出し、集められた有機層は、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過後、減圧下で濃縮して茶色シロップ状の粗中間体5を得た。さらに、得られた粗中間体5を、シリカゲルを用いるカラムクロマトグラフィー(酢酸―石油エ−テル(0〜30(v/v)%))により精製して、白色結晶の中間体5(16.4g、収率30%)を得た。
H−NMR(270MHz,CDCl)δ6.98(s,1H),4.01(s,3H),3.92(s,3H).
MS(ESI)m/z:[M+H]266.94
中間体6:5−ヨ−ド−1−メチル−1H−ピラゾ−ル−3−カルボン酸の合成
Figure 2010155802
中間体5(6.0g、22.6mmol)のメタノ−ル溶液(100mL)に、2M水酸化ナトリウム水溶液(56.4mmol、28.2mL)を加えて50℃まで加温した。2時間後、メタノ−ル溶媒を減圧下留去し、残った水溶液を氷冷しながら2M塩酸水溶液を用いてpH2〜3に調整した。得られた析出結晶は酢酸エチルで溶解後、有機層を分離、さらに水溶液層は酢酸エチルで抽出操作を2度繰り返した。合わせた有機抽出層を、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過後、減圧下で濃縮して淡黄色固体状の粗中間体6(5.68g、定量的)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ12.81(br.s,1H),6.89(s,1H),3.92(s,3H)
MS(ESI)m/z;[M+H]252.97,[M+H]250.99
中間体7:5−ヨ−ド−1−メチル−N−[2−(モルホリン4−イル)エチル]−1H−ピラゾ−ル−3−カルボキサミドの合成
Figure 2010155802
中間体6(7.3g、29.0mmol)のジクロロメタン溶液(150mL)に、4−(2−アミノエチル)モルホリン(4.15g、31.9mmol)、トリエチルアミン(12.1mL、86.9mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール・1水和物(8.9g、57.9mmol)とN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(11.1g、57.9mmol)を室温で順次加えた。室温で20時間攪拌後、反応溶液に飽和重曹水溶液を添加し、続いて水溶液層をジクロロメタンで抽出した。得られた有機抽出層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過後、減圧下で濃縮を行い粗中間体7を単離した。シリカゲルを用いるカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノ−ル=9/1(v/v))で精製し、白色結晶状の中間体17(9.8g、収率93%)を得た。
H−NMR(270MHz,CDCl)δ:6.95(s,1H),3.95(s,3H),3.80−3.64(m,4H),3.62−3.40(m,2H),2.57(t,J=6.26Hz,2H),2.54−2.37(m,4H).NHに起因するシグナルは観察されなかった。
MS(ESI)m/z;[M+H]+364.91.
中間体8:1−メチル−N−[2−(モルホリン4−イル)エチル]−5−[2−(トリメチルシリル)エチニル]−1H−ピラゾ−ル−3−カルボキサミドの合成
Figure 2010155802
中間体7(4.00g、10.98mmol)、ヨウ化銅(I)(209mg、1.10mmol)、トリメチルシリルアセチレン(2.33mL、16.5mmol)とビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロライド(770mg、1.10mmol)のTHF溶液(45mL)にトリエチルアミン(6.12mL、43.9mmol)を窒素雰囲気下で加え、反応溶液を室温で2時間攪拌した。その後、混合液をセライトでろ過し、得られたろ液を減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルを用いるカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノ−ル=30/1(v/v))により精製して、黄褐色の固体である中間体8(3.67g、収率100%)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ:7.22−7.14(brs、1H),6.90(s,1H),3.93(s,3H),3.78−3.70(m,4H),3.58−3.48(m,2H),2.62−2.45(m,6H),0.28(s,9H).MS(ESI)m/z;[M+H]335.27.?
中間体9:5−エチニル1−メチル−N−[2−(モルホリン4−イル)エチル]−1H−ピラゾ−ル−3−カルボキサミドの合成
Figure 2010155802
中間体8(3.43g、10.3mmol)と炭酸カリウム(2.13g、15.4mmol)のメタノール溶液(60mL)を、室温で1.5時間攪拌した。その後、反応混合液をセライトでろ過し、得られたろ液を減圧下で濃縮した。残渣を、飽和食塩水−水(1/1(v/v))(40mL)とジクロロメタン(200mL)で希釈し、抽出操作後に有機層を分離した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤をろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール(30/1−20/1)(v/v))により精製して、淡褐色な固体の中間体9(2.23g、収率83%)を得た。
H−NMR(270MHz,CDCl)δ7.20(brs,1H),6.96(s,1H),3.96(s,3H),3.77−3.70(m、4H),3.58−3.48(m,3H),2.62−2.46(m,6H).
MS(ESI)m/z;[M+H]263.22.
実施例化合物1:5−[2−(2−クロロフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミドの合成
Figure 2010155802
中間体9(30mg、0.11mmol),1−クロロ−2−ヨードベンゼン(31mg、0.13mmol),ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロライド(7.7mg、0.011mmol)とヨウ化銅(I)(2.1mg、0.011mmol)のテトラヒドロロフラン溶液(1mL)にトリエチルアミン(44mg、0.44mmol)を窒素雰囲気下で加え、その後、反応溶液を60℃で2時間攪拌した。反応溶液をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で粗精製した。さらにSCX(BAKERBOND speTM 7121−06)に充填後、メタノール(10mL)で洗浄し、最後にアンモニア−メタノール(1M、8mL)で溶出した。濃縮して得られた粗生成物は、分取HPLC(〔実施例〕冒頭説明に記載の精製装置A)を用いて精製した。
MS(ESI)m/z:[M+H]373.
上記と同様の反応を利用して合成した実施例化合物を以下の表1に示す。
Figure 2010155802
Figure 2010155802
Figure 2010155802
実施例化合物20:1−メチル−5−[2−(2−メチルフェニル)エチニル]−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミドの合成
Figure 2010155802
中間体7(30mg、0.082mmol)、2−エチニルトルエン(12mg、0.099mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロライド(5.8mg、0.0082mmol)とヨウ化銅(I)(1.6mg、0.0082mmol)のテトラヒドロロフラン溶液(1mL)にトリエチルアミン(33mg、0.33mmol)を窒素雰囲気下で加え、反応溶液を室温で1時間攪拌した。反応溶液を、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で粗精製した。さらにSCX(BAKERBOND speTM 7121−06)に充填後、メタノール(10mL)で洗浄し、最後にアンモニア−メタノール(1M、8mL)で溶出した。濃縮して得られた粗生成物は、分取HPLC(〔実施例〕冒頭説明に記載の精製装置A)を用いて精製した。
MS(ESI)m/z:[M+H]353.
上記と同様の反応条件を利用して合成した実施例化合物を以下の表2に示す。
Figure 2010155802
Figure 2010155802
実施例化合物34:5−[2−(4−フルオロフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミドの合成
Figure 2010155802
中間体7(300mg、0.824mmol),1−エチニル−4−フルオロベンゼン(99mg、0.824mmol),ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロライド(58mg、0.082mmol)とヨウ化銅(I)(16mg、0.082mmol)のテトラヒドロロフラン溶液(6mL)にトリエチルアミン(0.46mL、3.30mmol)を窒素雰囲気下で加え、反応溶液を室温で2時間攪拌した。反応溶液を減圧濃縮した後、残渣を、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール(20/1)(v/v))により精製し、粗生成物33を得た。その後、その粗生成物をイソプロピルエーテルで再結晶し、白色固体の実施例化合物33(178mg、収率61%)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ:7.55−7.51(m、2H),7.28−7.18(m、1H),7.12−7.06(m、2H),6.97(s,1H),4.00(s,3H),3.78−3.72(m,4H),3.57−3.51(m,2H),2.60−2.49(m,6H).
MS(ESI)m/z:[M+H]357.
実施例化合物35:5−[2−(4−フルオロフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(ピペリジン−1−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミドの合成
Figure 2010155802
中間体10:メチル 5−[2−(4−フルオロフェニル)エチニル]−1−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキシレートの合成
Figure 2010155802
中間体5(300mg、1.13mmol),1−エチニル−4−フルオロベンゼン(135mg、1.13mmol),ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロライド(79mg、0.113mmol)とヨウ化銅(I)(21mg、0.113mmol)のテトラヒドロロフラン溶液(6mL)にトリエチルアミン(456mg、4.51mmol)を窒素雰囲気下で加え、反応溶液を室温で3時間攪拌した。反応溶液を酢酸エチルで希釈した後、水で洗浄した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、乾燥剤をろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル(2/1)(v/v))により精製して、黄色な固体の中間体10(258mg、収率89%)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ:7.57−7.50(m、2H),7.13−7.05(m、2H),7.00and6.97(eachs、total 1H),4.05and4.01(eachs、total 3H),3.94and3.92(eachs、total 3H).
MS(ESI)m/z;[M+H]259.?
中間体11:5−[2−(4−フルオロフェニル)エチニル]−1−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸の合成
Figure 2010155802
中間体10(258mg、1.00mmol)のメタノ−ル(2mL)およびテトラヒドロフラン(1mL)の混合溶液に、2M水酸化ナトリウム水溶液(1mL)を加えて室温で2時間攪拌した。その後反応溶液を、0.5M塩酸水溶液を用いてpH2〜3に調整し、酢酸エチルで抽出した。その有機抽出層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過後、減圧下で濃縮して淡黄色固体状の中間体11(240mg、収率98%)を得た。
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ:7.75−7.70(m、2H),7.37−7.31(m、2H),7.02(s,1H),4.01(s,3H).
MS(ESI)m/z;[M+H]245,[M+H]243.カルボン酸に起因するシグナルは観測されなかった。
実施例化合物35:5−[2−(4−フルオロフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(ピペリジン−1−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミドの合成
Figure 2010155802
中間体化合物11(20mg)、アミン体(1.1等量)(2−(ピペリジン−1−イル)エタン−1−アミンとして11mg)、トリエチルアミン(35μL,3等量)のアセトニトリル溶液(0.5mL)に室温でHBTU(47mg、1.5等量)のアセトニトリル溶液(0.5mL)を加えた。反応溶液は50℃で2時間攪拌した。反応溶液に1M水酸化ナトリウム水溶液(0.5mL)を加え、酢酸エチル(1mL)で2度抽出操作を行った。合わせた有機層を減圧下で濃縮した後、残渣をSCX(BAKERBOND speTM 7121−06)に充填後、メタノール(10mL)で洗浄し、最後にアンモニア−メタノール(1M、8mL)で溶出した。濃縮して得られた粗生成物は、分取HPLC(〔実施例〕冒頭説明に記載の精製装置A)を用いて精製した。
MS(ESI)m/z:[M+H]355.
実施例化合物36:5−[2−(2−メトキシフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(ピペリジン−1−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミドの合成
Figure 2010155802
中間体12:メチル 5−[2−(2−メトキシフェニル)エチニル]−1−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキシレートの合成
Figure 2010155802
先に示した中間体10と同様の方法に従い、1−エチニル−2−メトキシベンゼンと中間体5(300mg,1.13mmol)から収率91%で中間体12(276mg、収率91%)を合成した。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ:7.50−7.47(m、1H),7.41−7.35(m、1H),6.99−6.92(m、3H),4.08(s,3H),3.93(s,3H),3.92(s,3H).
MS(ESI)m/z;[M+H]271.?
中間体13:5−[2−(2−メトキシフェニル)エチニル]−1−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸の合成
Figure 2010155802
先に示した中間体11と同様の方法に従い、中間体12(258mg,0.96mmol)から定量的にで中間体13(245mg、定量的)を合成した。
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ:7.57−7.44(m,2H),7.14(d,J=8.07Hz,1H),7.05−6.98(m,2H),4.01(s,3H), 3.88(s,3H). カルボン酸に起因するシグナルは観測されなかった。
MS(ESI)m/z;[M+H]257,[M+H]255.
実施例化合物36:5−[2−(2−メトキシフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(ピペリジン−1−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミドの合成
Figure 2010155802

先に示した実施例化合物34と同様の方法に従い、中間体13(20mg,0.078mmol)から粗生成物を得て、分取HPLC(〔実施例〕冒頭説明に記載の精製装置A)を用いて精製した。
MS(ESI)m/z:[M+H]367.
上記と同様の反応を利用して合成した実施例化合物を以下の表3に示す。
Figure 2010155802
実施例化合物を合成するための中間体リストを以下に示す。
Figure 2010155802
[ヒト5−HT2B受容体結合実験]
本発明化合物の5−HT2B受容体への結合親和性を次の方法によって決定した。
ヒトの5−HT2B受容体を導入したCHO−K1細胞を、ユーロスクリーン社(カタログ番号;ES−314−F)より購入し培養した。培養後、回収した細胞は、タンパク質分解酵素阻害剤カクテル(SIGMA社製、1:100の割合で倍希)、および1mM EDTAを添加した50mM HEPES(pH7.4)に懸濁し、氷中において、ポリトロン破砕機PT1200を用い、最高出力で30秒間ホモジナイズした。懸濁液は遠心処理(1,000rpm、4℃、5分)を行い、上清を−80℃で10分間冷凍した。凍結させた上清を50mM HEPES(pH7.4)に再び懸濁して、ホモジナイズし、同様な遠心処理を行った。得られた上清をさらに、遠心処理(25,000rpm、4℃、60分)して、沈殿を50mM HEPES(pH7.4)に再び懸濁し、ホモジナイズした後に小分けし、使用するまで−80℃で保存した。一部の膜標品は、タンパク質濃度を求めるために使用した(BCAタンパク質測定キット(PIERCE)およびプレートリーダー:Wallac ARVOsxを使用)。
受容体結合試験においては、前述で得られた全ての実施例化合物各20μLと100μLの[H]−mesulergine(GE healthcare、10nM)とを80μLの膜標品(20μgタンパク質含有)と共に室温で120分間インキュベーションした。非特異的結合は、最終濃度が10μLのmianserin(SIGMA社製)存在下で求めた。全てのインキュベーションは、Filtermate harvester(PerkinElmer社製)を用いて0.2(v/v)%のPEI溶液に浸したグラスフィルター上で急速減圧濾過することで終わらせ、続いて50mM HEPES(pH7.4)を用いて5回洗浄した。受容体に結合した放射活性は液体シンチレーションカウンター(TopCount:PerkinElmer社製)によって測定した。
実験の結果、全ての実施例化合物はヒトの5−HT2B受容体へ結合した。
[ヒト5−HT2B受容体導入CHO−K1細胞を使用したカルシウム流入試験]
本発明化合物の5−HT2B受容体への拮抗活性を次の方法によって決定した。
ヒト5−HT2B受容体を導入したCHO−K1細胞を、ユーロスクリーン社より購入し、培養した。細胞はG418(400μg/mL)、ゼオシン(250μg/mL)、ペニシリン(100U/mL)、ストレプトマイシン(100μg/mL)、および透析した1%(v/v)FBS(fetal bovine serum)を添加したUltraCHO培地(Cambrex社製)を用いて37℃、5%CO2の条件下で培養した。60−80%コンフルエントまで培養した後、細胞培養液を5μM Fura−2 AM(Invitrogen社製)を含有するKRH緩衝液(CaCl:1.8mM、MgSO:1mM、NaCl:115mM、KCl:5.4mM、D−glucose:11mM、NaHPO:0.96mM、HEPES:25mM、pHはNaOHでpH7.4に調整)と置換した。細胞は室温で120分間インキュベーションした。インキュベーション後、細胞を0.05%(w/w)Trypsin/1mM EDTAで剥がし、PBSで洗浄した。細胞は1.0×10cells/mLとなるように、KRH緩衝液に懸濁した。
本発明の試験化合物を384ウェルプレートにウェルあたり50μL分注した。次いで、34μLの細胞懸濁液(3.4×10cells)を透明な底を持つ384ウェル黒色アッセイプレート(透明ボトム)に分注した。アッセイプレートをFDSS6000(浜松ホトニクス(株)製)に固定し、シグナル測定を開始した。30秒後に6μLの希釈した試験化合物を自動的に各ウェルに添加し、さらに4分30秒間FDSS6000による測定を続けることで、試験化合物の拮抗活性を求めた。次に細胞を暗下にて10分間、室温でインキュベーションした。アッセイプレートを再びFDSS6000に固定してシグナル測定を開始した。30秒後に20μLの9nM 5−HTを自動的に各ウェルに添加し、さらに4分間半FDSS6000による測定を続けることで試験化合物のIC50値を求めた。この実験についてはBr.J.Pharmacol.,1999 September;128(1):13−20.を参考にした。
5−HT2B受容体拮抗活性に関しては、実施例1の化合物はIC50値0.9nMを示した。本明細書に記載する40種類の全ての試験化合物は、いずれもIC50値100nM以下の5−HT2B受容体拮抗活性を示した。
[ヒト5−HT2A受容体導入3T3細胞を使用したカルシウム流入試験]
本発明化合物の5−HT2A受容体への拮抗活性を次の方法によって決定した。
ヒト5−HT2A受容体を導入した3T3細胞を作製し培養した。細胞はG418(400μg/mL)、ペニシリン(100U/mL)、ストレプトマイシン(100μg/mL)、および10%(v/v)FBS(fetal bovine serum)を添加したDMEM培地(Invitrogen社製)を用いて37℃、5%COの条件下で培養した。60−80%コンフルエントまで培養した後、細胞培養液を5μM Fura−2 AM(Invitrogen社製)を含有するKRH緩衝液(CaCl:1.8mM、MgSO:1mM、NaCl:115mM、KCl:5.4mM、D−glucose:11mM、NaHPO:0.96mM、HEPES:25mM、pHはNaOHでpH7.4に調整)と置換した。細胞は室温で120分間インキュベーションした。インキュベーション後、細胞を0.05%Trypsin/1mM EDTAで剥がし、PBSで洗浄した。細胞は0.3×10cells/mLとなるように、KRH緩衝液に懸濁した。
本発明の試験化合物を384ウェルプレートにウェルあたり50μL分注した。次いで、34μLの細胞懸濁液(1.0×10cells)を透明な底を持つ384ウェル黒色アッセイプレート(透明ボトム)に分注した。アッセイプレートをFDSS6000(浜松ホトニクス(株)製)に固定し、シグナル測定を開始した。30秒後に6μLの希釈した試験化合物を自動的に各ウェルに添加し、さらに4分30秒間FDSS6000による測定を続けることで、試験化合物の拮抗活性を求めた。次に細胞を暗下にて10分間、室温でインキュベーションした。アッセイプレートを再びFDSS6000に固定してシグナル測定を開始した。30秒後に20μLの90nM 5−HTを自動的に各ウェルに添加し、さらに4分間半FDSS6000による測定を続けることで試験化合物のIC50値を求めた。この実験についてはBr.J.Pharmacol.,1999 September;128(1):13−20.を参考にした。
[ヒト5−HT2C受容体導入3T3細胞を使用したカルシウム流入試験]
本発明化合物の5−HT2c受容体への拮抗活性を次の方法によって決定した。
ヒト5−HT2c受容体を導入した3T3細胞を作製し培養した。細胞はG418(20μg/mL)、ペニシリン(100U/mL)、ストレプトマイシン(100μg/mL)、および10%(v/v)FBS(fetal bovine serum)を添加したDMEM培地(Invitrogen社製)を用いて37℃、5%COの条件下で培養した。60−80%コンフルエントまで培養した後、細胞培養液を5μM Fura−2 AM(Invitrogen社製)を含有するKRH緩衝液(CaCl:1.8mM、MgSO:1mM、NaCl:115mM、KCl:5.4mM、D−glucose:11mM、NaHPO:0.96mM、HEPES:25mM、pHはNaOHでpH7.4に調整)と置換した。細胞は室温で120分間インキュベーションした。インキュベーション後、細胞を0.05%Trypsin/1mM EDTAで剥がし、PBSで洗浄した。細胞は0.45×10cells/mLとなるように、KRH緩衝液に懸濁した。
本発明の試験化合物を384ウェルプレートにウェルあたり50μL分注した。次いで、34μLの細胞懸濁液(1.5×10cells)を透明な底を持つ384ウェル黒色アッセイプレート(透明ボトム)に分注した。アッセイプレートをFDSS6000(浜松ホトニクス(株)製)に固定し、シグナル測定を開始した。30秒後に6μLの希釈した試験化合物を自動的に各ウェルに添加し、さらに4分30秒間FDSS6000による測定を続けることで、試験化合物の拮抗活性を求めた。次に細胞を暗下にて10分間、室温でインキュベーションした。アッセイプレートを再びFDSS6000に固定してシグナル測定を開始した。30秒後に20μLの3nM 5−HTを自動的に各ウェルに添加し、さらに4分間半FDSS6000による測定を続けることで試験化合物のIC50値を求めた。この実験についてはBr.J.Pharmacol.,1999 September;128(1):13−20.を参考にした。
[ラットを使用したIBS治療効果の評価]
本発明における試験化合物の薬理効果を、ラットTNBS誘発IBSモデルを用いて、結腸伸展刺激時の痛覚閾値低下に対する改善効果を測定することで評価した。比較対照化合物としては、5−HT2B選択的拮抗薬として既知であるRS−127445を用いた。この評価についてはKatsuyo Ohashiら著作のPharmacology 81(2):144−150(2008)あるいは、大橋雅津代(2008),過敏性腸症候群モデル動物における内臓痛覚過敏に関する研究,博士論文,東京大学を参考にした。
試験法
動物(240〜270gで購入したSD系雄性ラット)を麻酔下で正中切開し、結腸起始部にTNBS溶液(50mg/kg:30%エタノール含有)を処置した。その後、盲腸を腹腔内に戻し切開部を縫合した。手術後の動物は通常環境で飼育し、術後7日目以降に薬物評価に使用した。試験化合物の評価は結腸伸展刺激法を用いた(Diop L.ら著作のJ Pharmacol Exp Ther.302(3):1013−22(2002))。大腸伸展刺激は長さ5cmのバルーンを肛門より挿入し、その先端が肛門から10cmのところに位置するよう留置して、バロスタット(Barostat DISTENDER II R,G&J,CANADA)を用いてバルーン内圧を0から5mmHgずつ最大で70mmHgまで段階的に負荷した。ラットが腹筋収縮(abdominal cramp:Wesselmann Uら著作のNeurosci Lett.24;246(2):73−6)を示したバルーン内圧(mmHg)を痛覚閾値として評価した。
5−HT2B選択的拮抗薬として既知であるRS−127445を本モデルに適用すると、TNBSで誘発した痛覚閾値の低下に対して、10mg/kgおよび30mg/kgの経口投与で有意な改善効果を示した。したがって、本発明の5−HT2B受容体拮抗活性を有する新規5−エチニルピラゾール−3−カルボキサミド誘導体もIBSの治療に有用であることが示された。

Claims (11)

  1. 下記、一般式(I)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩。
    Figure 2010155802
    [式中、
    、R1A、R1Bは、それぞれ独立に炭素数1から6の直鎖状、分岐状、もしくは環状の低級アルキル基、または炭素数1から6の直鎖状、分岐状、もしくは環状のハロアルキル基;
    は炭素数1から6の直鎖状、分岐状、もしくは環状の低級アルキル基、炭素数1から6の直鎖状、分岐状、もしくは環状のハロアルキル基、OH、OR1A、ハロゲン、−(CHOH、COH、CONH、CONHR1A、CONR1A1A、CN、COR1A、NH、NHR1A、NR1A1A、NHCOR1A、SR1A、SOR1A、SO1A、SONH、SONHR1A、SONR1A1A、またはNHSO1Aであり、mが複数の場合、Rは同一でも異なってもよい。また、RがR1Aを2個有する場合、それらは同一でも異なってもよく、場合によってはR1Aと他のR1Aとの間での結合も可能である;
    は水素原子またはハロゲン原子;
    、Rは炭素数1から6の直鎖状、分岐状、もしくは環状の低級アルキル基であり、RとRは互いに結合して、1つまたは2つ以上のヘテロ原子を含む飽和複素環を形成してもよく、当該飽和複素環はp個のRで置換されてもよい;
    は−(CHOH、−(CHOR1B、ハロゲン、CONH、CONR1B1B、COR1B、SO1B、−OCHCHNR1B1Bであり、pが複数の場合、Rは同一でも異なってもよく、Rと他のRとの間での結合も可能である;
    aは0、1、または2;
    mは0、1、2、または3;
    nは1、または2;
    pは0、1、2、3、4、または5;
    Cyは、ヘテロ原子を含んでもよい単環または二環性の飽和もしくは不飽和の環状構造を表す。]
  2. が炭素数1から6の直鎖状、分岐状、もしくは環状の低級アルキル基、OH、OR1A(R1Aは前述と同意義、以下同じ)、SO1A、ハロゲン、CONH、CONHR1A、CONR1A1A、NHR1A、または、NR1A1Aを表す請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  3. 一般式(I)で示される化合物が、
    5−[2−(2−クロロフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
    5−[2−(3−メトキシフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
    5−[2−(2−シアノフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
    5−[2−(3−シアノフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
    5−[2−(2−エチルフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
    1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−5−{2−[2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]エチニル}−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
    5−{2−[2−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチニル}−1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
    5−{2−[2−(ジメチルカルバモイル)フェニル]エチニル}−1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
    1−メチル−5−[2−(6−メチルピリジン−2−イル)エチニル]−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
    1−メチル−5−[2−(5−メチルピリジン−2−イル)エチニル]−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
    1−メチル−5−[2−(4−メチルピリジン−2−イル)エチニル]−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
    1−メチル−5−[2−(3−メチルピリジン−2−イル)エチニル]−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
    5−[2−(6−メトキシピリジン−2−イル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
    1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−5−[2−(チオフェン−2−イル)エチニル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
    1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−5−[2−(1,3−チアゾール−2−イル)エチニル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
    1−メチル−5−[2−(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
    1−メチル−5−{2−[2−(メチルスルファニル)フェニル]エチニル}−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
    5−[2−(2−メタンスルホニルフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
    1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−5−[2−(ナフタレン−1−イル)エチニル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
    1−メチル−5−[2−(2−メチルフェニル)エチニル]−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
    1−メチル−5−[2−(3−メチルフェニル)エチニル]−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
    1−メチル−5−[2−(4−メチルフェニル)エチニル]−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
    5−[2−(2−フルオロフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
    5−[2−(3−フルオロフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
    5−[2−(2,4−ジフルオロフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
    5−[2−(3−クロロフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
    5−[2−(4−クロロフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
    5−[2−(2−メトキシフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
    5−[2−(3,5−ジフルオロフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
    5−[2−(4−フルオロ−3−メチルフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
    1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−5−{2−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチニル}−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
    1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−5−{2−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]エチニル}−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
    5−(2−シクロヘキシルエチニル)−1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
    5−[2−(4−フルオロフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
    5−[2−(4−フルオロフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(ピペリジン−1−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
    5−[2−(2−メトキシフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(ピペリジン−1−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
    5−[2−(4−フルオロフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(ピロリジン−1−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
    N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−5−[2−(4−フルオロフェニル)エチニル]−1−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
    5−[2−(2−メトキシフェニル)エチニル]−1−メチル−N−[2−(ピロリジン−1−イル)エチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
    および
    N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−5−[2−(2−メトキシフェニル)エチニル]−1−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
    からなる群より選択される請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  4. 一般式(IX)で示される前記[1]に記載の化合物の中間体。
    Figure 2010155802

    [式中、R、R、Rは、一般式(I)で定義されたものと同じであり、カルボン酸のOHは、離脱可能な置換基で置き換えてもよい。]
  5. 請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分とする、5−HT2B受容体に関係する疾患の治療または予防剤。
  6. 請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
  7. 哺乳類対象において5−HT2B受容体によって媒介される疾患状態の治療または予防のための医薬組成物であって、有効量の請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容できる塩、および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
  8. 請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物と別異の薬理学的活性剤との組合せを含む医薬組成物。
  9. 5−HT2B受容体によって媒介される疾患状態の予防または治療における使用のための、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用。
  10. 5−HT2B受容体によって媒介される疾患状態の予防または治療のための医薬を製造するための、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用。
  11. 請求項1に記載の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、またはそれを含む医薬組成物の有効量をヒトまたは哺乳動物に投与することを特徴とする偏頭痛、炎症性痛覚、侵害受容性疼痛、線維筋痛症、慢性腰痛、内臓痛、胃食道逆流性疾患(GERD)、便秘、下痢、機能性胃腸疾患、過敏性腸症候群(IBS)、喘息、変形性関節炎、リウマチ性関節炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、糸球体腎炎、腎炎、皮膚炎、肝臓炎、血管炎、腎虚血、脳卒中、心筋梗塞、脳虚血、アルツハイマー症、可逆的気道閉塞、成人呼吸器系統症候群、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺高血圧症(PH)、突発性間質性肺炎、気管支炎、肝線維症、多肺線維症、発性硬化症、抑うつ症、不安神経症、悪性腫瘍、もしくは肥満の予防または治療方法。
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