JP2010155574A - 乗員保護装置、及び車両 - Google Patents

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良二 加藤
Makoto Sekizuka
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Abstract

【課題】シートバック後方の保護エリアにエアバッグを迅速かつ確実に展開させることのできる車両用エアバッグ装置を提供する。
【解決手段】シートバック背面側上方に向けて展開可能なエアバッグ袋体30を、車両後方に向けてロール折りで折り畳んでシートバック26に格納する。このため、格納時から展開終了までの間において、ロール折り部分が常に車両後方へ向いて展開することになる。展開途中のエアバッグ袋体30は、車両後面側にロール折り部分が向くが、車両前面側には向かないため、車両前面側は車両後面側に比較して平坦となる。このため、ヘッドレスト40とバックウインドガラス20との間の寸法に余裕が少なく、かつシートバック26の上端とヘッドレスト40の下端との間に隙間が形成された状態であっても、展開途中のエアバッグ袋体30は該隙間に潜り込み難くなり、エアバッグ袋体30はスムーズに展開する。
【選択図】図6

Description

本発明は、乗員保護装置、及び車両に係り、特に、後突時に乗員を保護可能とする乗員保護装置、及び車両に関する。
近年、後突時の乗員保護を目的として、エアバッグ装置が車室内後部に設置されるようになっている。
車室内後部に設置されるこのエアバッグ装置は、ステアリングホイール、ダッシュボード等に設置される他のエアバッグ装置と同様、インフレータ及びエアバッグ袋体を備えて構成されており、例えば、特許文献1に記載の車両では、車両のルーフの後端部内であってリヤウインドウガラスよりも上側の格納空間に、エアバッグ袋体が折り畳まれた状態で格納されている。そして、車両に後方から衝撃が加わると、インフレータが作動してガスがエアバッグ袋体内部に噴出され、エアバッグ袋体が上記格納空間から、斜め後ろ下方に位置するリヤウインドウガラスの車両前方側へ向けて展開膨張し、主に乗員の頭部を上記衝撃から保護するようになっている。
しかしながら、ハイルーフ車両等の乗員頭部から天井までのヘッドクリアランスが十分にあり、天井から乗員の頭部後方の保護エリアまでの距離が遠い車両では、天井から保護エリアが近い車両に比較して、エアバッグ袋体が保護エリアに到達するまでの時間が長くなる。
また、特許文献2の図4に示す車両の例では、最後部座席のシートバックに格納されたエアバッグ袋体が、最後部座席の後側でバックウインドウに沿って展開することで、乗員への衝撃を緩和するようになっており、エアバッグ格納部分から保護エリアまでの距離が短く、エアバッグ袋体が保護エリアに到達するまでの時間を短くできる利点がある。
特開2006―103660号公報。 特開平11―198699号公報。
ところで、シートバックに格納したエアバッグ袋体を、ヘッドレストとバックウインドガラスとの間に展開する方式を採用した車両において、ヘッドレストとバックウインドガラスとの間の寸法に余裕が少ない場合、例えば、ヘッドレストを上方に移動してシートバックの上端とヘッドレストの下端との間に隙間が形成された状態で、エアバッグ袋体を展開すると、エアバッグ袋体の一部分がヘッドレストとシートバックとの間に形成された隙間に潜り込み、展開途中のエアバッグ袋体がヘッドレストに引っ掛かる虞があり、エアバッグ袋体をスムーズに展開させる点で改善の余地がある。
本発明は上記事実を考慮し、シートバックからシートバック背面側上方に向けて展開するエアバッグ袋体のヘッドレストへ引っ掛かりを抑えることのできる乗員保護装置、及び車両の提供を目的とする。
請求項1に記載の乗員保護装置は、車両後方に向けてロール折りで折り畳まれ、ヘッドレストを備えた座席のシートバックに軸心を略水平に向けて格納され、膨張用の気体の供給を受けてシートバック背面側上方に向けて展開可能なエアバッグ袋体と、前記エアバッグ袋体を膨張させて展開させるための気体を発生させるガス噴出手段と、を有する。
次に、請求項1に記載の乗員保護装置の作用を説明する。
後突時または後突予知時等に、ガス噴出手段から座席のシートバックに格納されたエアバッグ袋体に気体が供給されると、エアバッグ袋体は、膨張し、ロール折り状態が解かれてシートバック背面側上方に向けて展開する。
エアバッグ袋体は、車両後方に向けてロール折りで折り畳まれて格納されているため、格納時から展開終了までの間において、ロール折り部分が常に車両後方へ向いて展開することになる。このように、展開途中のエアバッグ袋体は、車両後面側にロール折り部分が向くが、車両前面側には向かないため、車両前面側は車両後面側に比較して平坦となる。
このため、ヘッドレストとバックウインドガラスとの間の寸法に余裕が少なく、かつシートバックの上端とヘッドレストの下端との間に隙間が形成された状態であっても、展開途中のエアバッグ袋体は該隙間に潜り込み難くなり、エアバッグ袋体をスムーズに展開させることができる。
なお、エアバッグ袋体は、ロール折り部分の軸心を水平にすることが好ましいが、エアバッグ袋体がヘッドレスト後方へ展開できれば、軸芯は水平方向に対して多少傾斜しても良い。
請求項2に記載の車両は、請求項1に記載の乗員保護装置を備えている。
請求項2に記載の車両は、請求項1に記載の乗員保護装置を備えているため、ヘッドレストを上方に移動してヘッドレストとシートバックとの間に隙間が形成されても、エアバッグ袋体をスムーズに展開させることができる。
以上説明したように本発明の乗員保護装置、及び車両は上記構成としたので、シートバックからシートバック背面側上方に向けて展開するエアバッグ袋体のヘッドレストへ引っ掛かりを抑えることができ、エアバッグ袋体をスムーズに展開できる、という優れた効果を有する。
[第1の実施形態]
以下、図1〜図6を用いて、車両8に適用された本発明の第1の実施形態に係る乗員保護装置10について説明する。なお、図において、矢印FR方向は車両前方、矢印RE方向は車両後方、矢印OUT方向は車両幅方向外側方向、矢印IN方向は車両方向内側方向、矢印UP方向は車両上方を示している。
(ルーフ、及びバックドアの構成)
図1において、符号12は車室天井部を構成する、例えば、車両後縁部に車幅方向に沿って設けられた骨格部材としてのルーフヘッダであり、符号14は、ルーフヘッダ12に接合されたルーフパネルであり、符号16は、ルーフヘッダ12、及びルーフパネル14を覆う内装材としてのルーフヘッドライニングである。
車両8の後部には、バックドア18が開閉可能に設けられている。バックドア18にはバックウインドガラス20が図示しないシール部材を用いて取り付けられている。
(乗員保護装置10の構成)
本実施形態の乗員保護装置10は、主に車両の後面衝突(以下、後突と呼ぶ)を考慮して最後部座席24のシートバック26に設けられるエアバッグ装置であり、インフレータ28と、エアバッグ袋体30とを備えている。
図1〜3に示すように、最後部座席24のシートバック26は、シートバック26の骨格をなすシートバックフレーム32を内部に備えている。
シートバックフレーム32は、シートバックアッパーフレーム34、及び1対のシートバックサイドフレーム36を備えており、この1対のシートバックサイドフレーム36は各々シート高さ方向に延在されて、シートバック26における左右の側部を構成している。
シートバックアッパーフレーム34はシートバックサイドフレーム36の上側に設けられており、このシートバックアッパーフレーム34は、シート幅方向に延在されてシートバック26の上部を構成するアッパーフレーム部34Aと、アッパーフレーム部34Aにおけるシート幅方向両側に連結されてシート高さ方向下側に向けて湾曲されたサイドフレームショルダ部34Bと、サイドフレームショルダ部34Bにおけるシート高さ方向下側に連結されてシート高さ方向に延在されたサイドフレームアッパ部34Cとを有して構成されている。
アッパーフレーム部34Aには、1対のポールガイド38が設けられており、このポールガイド38に、ヘッドレスト40に設けられた1対のポール42がスライド可能に挿入されている。
シートバックフレーム32の車両後方側(背面側)には、バックパネル44が設けられており、バックパネル44の車両後方側にはバックボード46が設けられている。
バックパネル44には、車両後方側に、シート幅方向に沿って延びる第1の凹部48、及びシート高さ方向(縦方向)に沿って延びる第2の凹部50が形成されている。
第1の凹部48は、アッパーフレーム部34Aの下側に形成されている。一方、第2の凹部50は、シート幅方向中心線SLから車両幅方向外側へ偏倚した位置で、第1の凹部48の下部から下方に向けて形成されている。
第1の凹部48は後述するエアバッグ袋体30を格納するエアバッグ格納部とされ、第2の凹部50は後述するインフレータ28を格納するインフレータ格納部とされている。
(インフレータ、及びエアバッグ袋体)
第2の凹部50には、略円柱状のインフレータ28が配置されている。インフレータ28は、バックパネル44にボルト52とナット54で固定された保持プレート56によって第2の凹部50の内部に縦に保持されている。
インフレータ28は、車両の後突時または後突予知時にガスを発生させるガス発生手段であり、図示しないエアバッグECUからの作動電流により作動し、上部に形成されたガス噴出口58からエアバッグ袋体30の内部へ膨張用のガスを供給するように構成されている。
図1、2に示すように、本実施形態のエアバッグ袋体30は、ガス導入部としての筒状の接続部30Aがインフレータ28のガス噴出口58側に接続され、インフレータ28の上側においては、本体部分30Bが展開時の上縁部分を軸芯として車両後方側へロール状に巻かれて折り畳まれた状態(車両左側から見て、本体部分30Bは、上端を軸芯として、右に回転させることで巻かれている)で第1の凹部48に格納されている。即ち、エアバッグ袋体30のロール状に巻かれて折り畳まれた部分(本体部分30B)は、車両後方側に向けられており、ロール状に巻かれて折り畳まれた本体部分30Bは、インフレータ28からガスの供給を受けることで巻き出されながら膨張展開する。
なお、ロール状に巻かれて折り畳まれた本体部分30Bの軸心は水平とすることが好ましいが、若干傾斜していても良い。
図4に示すように、本実施形態の車両では、最後部座席24が車両幅方向中心線BLの両側に各々設けられている。そして、バックウインドガラス20は、車両幅方向中心線BL上の点を曲率中心として略円弧状に湾曲しているために、最後部座席24のヘッドレスト40とバックウインドガラス20との間隔は、車両幅方向外側の方が車両幅方向内側よりも狭くなっている(車両幅方向外側の間隔t1>車両幅方向内の間隔t2)。
インフレータ28のガス噴出口58からガスが噴出すると、ガスはガス噴出口58を中心としてエアバッグ袋体内部で放射方向へ広がり、エアバッグ袋体30は、噴出するガスの圧力を受けてガス噴出口58の近傍、即ち接続部30A側から膨張を始め、膨張の進展により本体部分30Bのロール状態が順次解かれようになっている。
図4(A)の実線で示すように、エアバッグ袋体30は、展開状態において、ヘッドレスト40とバックウインドガラス20との間において、本体部分30Bがヘッドレスト40の幅方向両側、及びヘッドレスト40の上側へ配置され、シートバック26よりも上方側のバックウインドガラス20の略全体を覆うように形成されている。
図1、図5、及び図6に示すように、本実施形態のバックボード46は、例えば、樹脂板、パーチクルボード等で形成されており、シートバック高さ方向中間部より上側に位置するアッパボード46Aと、その下側に位置するロアボード46Bとの2つに分割されている。
図6に示すように、アッパボード46Aとロアボード46Bは、共に1枚の可撓性を有するシート材49によって車両後面側全体が覆われており、アッパボード46Aとロアボード46Bは可撓性のシート材49によって連結されている。
なお、本実施形態のシート材49は、座席に用いるレザー、皮革等の表皮材、カーペット、織物、樹脂フィルム等、可撓性を有するシート状のものであれば良い。
ここで、ロアボード46Bは、図示しないクリップ、ネジ等でバックパネル44に固定されている。
一方、アッパボード46Aは、図示しないクリップ等で、図1に示すように、バックパネル44に着脱可能に係止(即ち、仮止め)されており、エアバッグ袋体30が膨張する過程で、エアバッグ袋体30によってアッパボード46Aが内側から押圧されるとクリップがバックパネル44から外れ、バックパネル44からアッパボード46Aが外れ、第1の凹部48に格納されていたエアバッグ袋体30が露出する構成となっている。
ロアボード46Bとアッパボード46Aとの間でロアボード46Bとアッパボード46Aとを連結しているシート材49は、いわゆるヒンジ51の役目をしており、図5に示すようにアッパボード46Aがバックパネル44から外れると、アッパボード46Aはヒンジ51を中心としてヒンジ51の上側で揺動可能となる。
図1に示すように、ロール状に巻かれて折り畳まれたエアバッグ袋体30を格納した第1の凹部48は、アッパーフレーム部34Aとヒンジ51との中間部分に形成されている。このため、アッパボード46Aがバックボード46から外れて車両後方に傾斜すると、第1の凹部48に格納されたエアバッグ袋体30が後方斜め上方に向けて露出する。
本実施形態では、インフレータ28のガス噴出口58が、ヒンジ51の近傍に配置されている。
図1に示すように、通常時(エアバッグ不作動時)は、アッパボード46Aとロアボード46Bとでバックパネル44の背面全体が覆い隠されている。
図5に示すように、バックパネル44の上部には、1対のストラップ固定金具59がシート幅方向に間隔を開けて配置され、ネジ等で固定されている。そして、帯状のストラップ55がループを形成するように、ストラップ55の一端が一方のストラップ固定金具59へ、ストラップ55の他端が他方のストラップ固定金具59に係止されている。
このようにしてバックパネル44に取り付けられたストラップ55は、アッパボード46Aの揺動(開き)角度を制限する役目を有しており、バックパネル44から外れたアッパボード46Aは、ストラップ55が図5の様に緊張するまでヒンジ51を中心にして車両後方へ傾斜することができる。なお、バックパネル44を基準としたアッパボード46Aの最大揺動(開き)角度は、このストラップ55によりθ1に制限されている。
図6に示すように、シートバック26を縦断面で見ると、バックパネル44と、バックパネル44から外れて最大限傾斜したアッパボード46Aとの間から、エアバッグ袋体30が容易に膨張し、かつ巻き出される様に、バックパネル44と、バックパネル44から外れて最大限傾斜したアッパボード46Aとの最小の間隔Tが設定されている。
なお、アッパボード46Aがバックパネル44に固定されている状態では、ストラップ55は、アッパボード46Aとバックパネル44との間で弛んだ状態で配置されている。
図3に示すように、シートバック26では、バックパネル44の車両前側に、シートクッション60が設けられている。水平方向断面で見たシートクッション60の車両前側の表面形状は、乗員62の背中の形状に合わせて幅方向中央側が凹んだ形状とされている。
(作用)
エアバッグECUが車両の後突を判定、または後突を予知すると、該エアバッグECUからインフレータ28に電流が流されてインフレータ28が作動する。
インフレータ28が作動すると、ロール状に折り畳まれて格納されたエアバッグ袋体30に多量のガスが瞬時に供給されて、エアバッグ袋体30が膨張展開し始める。
バックボード46に対して、エアバッグ袋体30からの所定以上の膨張圧(アッパボード46Aを仮留めているクリップがバックパネル44から外れる圧力)が作用すると、アッパボード46Aを仮留めているクリップがバックパネル44から外れ、アッパボード46Aがヒンジ51を中心として車両後方へ傾斜し、エアバッグ袋体30が上方へ展開可能な開口がバックパネル44とアッパボード46Aの上端との間に形成されることになる。
図4(A)には、車両前方側から見たエアバッグ袋体30の展開挙動の概略が示されている。インフレータ28のガス噴出口58から噴出したガスにより、エアバッグ袋体30はガス噴出口58側から膨張を始め、エアバッグ袋体30は上方に向けて膨張が進行し、ロール状に巻かれて折り畳まれた部分が上方に押されながら、図4(A)の1点鎖線、2点鎖線、実線の順で示すように展開する。
側面視すると、先ず、図6(A)に示すように、展開当初は、アッパボード46Aの内面に案内されながら斜め上方に向けて展開し、その後、図6(B)の実線で示す様に展開途中のエアバッグ袋体30の上部がバックウインドガラス20に接触し、その後、エアバッグ袋体30はバックウインドガラス20に沿って上方に向けて展開し、最終的には、2点鎖線で示すようにエアバッグ袋体30の上縁部分がバックウインドガラス20の上端付近に到達し、エアバッグ袋体30が保護エリア64に配置されることになる。
そして、本実施形態の乗員保護装置10では、以下のような効果が得られる。
(1) シートバック26の背面側の上部に設けた第1の凹部48にエアバッグ袋体30を格納したので、エアバッグ格納部である第1の凹部48から、ヘッドレスト後方の保護エリア64までの距離が短くすることができ、エアバッグ袋体30がヘッドレスト後方の保護エリア64で展開完了するまでの時間を短くすることができる。したがって、特に、天井から保護エリア64までの距離が長い車両には、本実施形態の乗員保護装置10が好適である。
(2) シートバックの後側へエアバッグ袋体を展開させる場合、シートバックが後傾すればするほど、エアバッグ袋体の展開方向を上方に向けて保護エリアに到達させることが難しくなるが、本実施形態の乗員保護装置10では、バックウインドガラス20に到達する前のエアバッグ袋体30の膨張初期段階において、バックボード46によってエアバッグ袋体30の展開方向を上方に近づけることができるため、ヘッドレスト後方の保護エリア64にエアバッグ袋体30を迅速かつ確実に展開させることができるようになる。
例えば、展開方向制御手段としてのアッパボード46Aが無い場合には、エアバッグ袋体30が車両後方側に向けて展開した際に、バックウインドガラス20に対するエアバッグ袋体30の展開方向の角度が大きくなるが(図6(B)の1点鎖線で示すエアバッグ袋体30参照)、アッパボード46Aがある場合には、エアバッグ袋体30の展開方向を上方に偏向させるため、バックウインドガラス20に対するエアバッグ袋体30の展開方向の角度が小さく(浅く)なり、バックウインドガラス20に沿ってエアバッグ袋体30をスムーズに展開させることが出来る。
(3) 例えば、ヘッドレストとバックウインドガラスとの間隔が狭く、エアバッグ袋体がジグザグ状に折り畳んで格納され、かつ、シートバックとヘッドレストとの間に隙間が形成されているような車両の場合、展開途中のエアバッグ袋体がシートバックとヘッドレストとの間の隙間にもぐり込んでヘッドレストに引っ掛かる虞があるが、本実施形態のエアバッグ袋体30は、展開時の上縁部分を軸芯として車両後方側へロール状に巻かれて折り畳まれて格納されているため、ロール状に巻かれて折り畳まれた部分が車両後方を向いた状態でアッパボード46Aに沿って上方に巻き出されるため、展開途中のエアバッグ袋体30がシートバック26とヘッドレスト40との間の隙間に潜り込んでヘッドレスト40に引っ掛かる虞が無くスムーズに展開される。
(4) 仮に、インフレータ28がシートバック26の幅方向中央部に縦に配置されていると、乗員62の背中とインフレータ28(第2の凹部50)との距離が少なくなり、乗員はインフレータ28を異物として感じ易くなるが、本実施形態の乗員保護装置10では、縦に向けたインフレータ28がシート幅方向中心からシート幅方向外側に配置されているため、インフレータ28がシートバック26の幅方向中央部に縦に配置された場合に比較して、乗員62の背中とインフレータ28との距離が長くなり、シートバック26に寄りかかった際に背中で感じるインフレータ28による異物感を低減することができる。
(5)エアバッグ袋体30は、シート幅方向中心線SLよりも車両幅方向外側からガスが供給される。即ち、エアバッグ袋体30の膨張開始位置が、シート幅方向中心線SLよりも車両幅方向外側にある。上方から見ると、エアバッグ袋体30の内部へは、ヘッドレスト40とバックウインドガラス20との間隔が狭い側(図4(B)の間隔t2側)からガスが供給されて、ヘッドレスト40とバックウインドガラス20との間隔が広い車両幅方向内側へ向けてガスが流れるため、エアバッグ袋体30もヘッドレスト40とバックウインドガラス20との間隔が狭い側から広い側へと膨張することとなり、上記間隔が一定の場合、又はエアバッグ袋体30が間隔が広い側から狭い側へ膨張する場合に比較して、膨張し易い構成となっている。
なお、シートバック26の傾斜角度が変更可能な座席の場合(所謂リクライニングシート)、シートバック26の後傾によりヘッドレスト40とバックウインドガラス20との間隔が狭くなってエアバッグ袋体30の展開が阻害されないように、シートバック26の最大傾斜角度を規制する構成とすることが好ましい。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態に係る乗員保護装置10を図7にしたがって説明する。なお、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
図7に示すように、本実施形態では、アッパボード46Aとロアボード46Bとの間で両者を連結しているシート材49が第1の実施形態よりも長く形成されており、通常時には、アッパボード46Aとロアボード46Bとの間からバックボード内側に弛んだ状態で保持されている。
ヒンジ51をこのように構成することで、エアバッグ袋体30が膨張してアッパボード46Aを押圧した際には、図7に示すように、ロアボード46Bの上端からアッパボード46Aの下端が距離L離れることとなり、第1の実施形態よりもアッパボード46Aが鉛直方向に向けられ、エアバッグ袋体30の展開方向を、第1の実施形態よりも更に上方に向けることが可能となる。
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態に係る乗員保護装置10を図8にしたがって説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
図8に示すように、本実施形態のバックボード46は上下に分割されておらず、上側には、エアバッグ袋体30が展開可能な大きさの開口66が形成されている。
バックボード46を覆うシート材49には、コ字形状の切り込み68が形成されており、この切り込み68は、予め設定した所定値以上の荷重が作用することにより破断する図示しない第1の縫合糸によって縫合されており、この第1の縫合糸によって縫合されたラインが破断予定部となっている。
シート材49の裏面側には、図8に示すような形状とされた力布70が配設されている。力布70は、開口66の正面側に位置する矩形部分70Aと、その幅方向両側に位置する三角部分70Bと、コ字状のフランジ部分70Cを備えており、矩形部分70Aの上端部分は、切り込み68の水平部分と共に第1の縫合糸で縫合されている。なお、コ字状のフランジ部分70Cは、シート材49に図示しない第2の縫合糸で固定されている。
なお、通常時は、三角部分70はシート材49の裏面側に折り畳まれている。
本実施形態では、エアバッグ袋体30が膨張する際の圧力でもって、切り込み68を縫合している第1の縫合糸が破断し、図8の2点鎖線で示すようにシート材49の一部分が開くと共に、前述した実施形態のアッパボード46Aに相当する力布70の矩形部分70Aが傾斜してエアバッグ袋体30の展開方向を上方に近づけることができる。
[その他の実施形態]
前述した実施形態では、インフレータ28が縦に向けて配置されていたが、図9に示すように、インフレータ28を横(水平)に向けて配置しても良い。
インフレータ28を横に向けて配置した場合であっても、ガス噴出口58は、車室内壁面との距離が短い側に配置することが好ましい。
また、インフレータ28を横に向けて配置する場合、可能な限りシートバック26の上端側に配置することが好ましい。これは、座席に着座した乗員の背中の上端付近では、上方に向かうにしたがって背中がシートバック26から離れる方向、即ち、インフレータ28からも離れる方向となるからである。
上記実施形態では、乗員保護装置10を最後部座席24に適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、最後部座席24以外の座席に適用しても良い。
2シータータイプの車両では、運転席、及び助手席に乗員保護装置10が適用されることになる。
上記実施形態では、インフレータ28のガス噴出口58から、直接的にエアバッグ袋体30の内部にガスを噴出する構成としたが、インフレータ28のガス噴出口58とエアバッグ袋体30とを、ホース等を介して接続しても良い。この場合、ホースのエアバッグ側端部からエアバッグ袋体30の内部にガスが供給されることになるため、ホースのエアバッグ側端部(この場合、ガス噴出部となる。)を、ヘッドレスト40とバックウインドガラス20との間隔が狭い側に配置すれば良い。また、インフレータ28には、ディフューザー等が接続されていても良い。
乗員保護装置を備えた最後部座席付近を示す車両の断面図である。 シートバック内部を背面側から見た背面図である。 シートバックの水平断面図である。 (A)はエアバッグ袋体の展開過程を示すシートバック付近の正面図であり、(B)は最後部座席とバックウインドガラスとの位置関係を示す車両後部の水平断面図である。 バックパネル、及びバックボードを示す斜視図である。 (A)はエアバッグ袋体の展開初期状態を示すシートバックの縦断面図であり、(B)はさらにエアバッグ袋体の展開が進んだ状態を示すシートバックの縦断面図である。 第2の実施形態に係る乗員保護装置の通常時の状態を示すシートバックの縦断面図であり、(B)エアバッグ袋体の展開途中を示すシートバックの縦断面図である。 第3の実施形態に係る乗員保護装置のバックパネル、及びバックボードを示す斜視図である。 その他の実施形態に係る乗員保護装置のインフレータ、及びエアバッグ袋体の斜視図である。
符号の説明
8 車両
10 乗員保護装置
24 最後部座席
26 シートバック
28 インフレータ(ガス噴出手段)
30 エアバッグ袋体
40 ヘッドレスト

Claims (2)

  1. 車両後方に向けてロール折りで折り畳まれ、ヘッドレストを備えた座席のシートバックに軸心を略水平に向けて格納され、膨張用の気体の供給を受けてシートバック背面側上方に向けて展開可能なエアバッグ袋体と、
    前記エアバッグ袋体を膨張させて展開させるための気体を発生させるガス噴出手段と、
    を有する乗員保護装置。
  2. 請求項1に記載の乗員保護装置を備えた車両。
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