以下、図面を参照しながら本発明に係る電力増幅装置の実施の形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電力増幅装置の機能構成を示すブロック図である。図1において、電力増幅装置は、信号処理部101、フィルタ102、電源電圧制御部103及び電力増幅器104を具備する。なお、電力増幅器104の増幅利得は、線形性が低いものであっても構わない。
信号処理部101は、まず、分離部1011で入力信号を、入力信号の振幅成分を表す振幅信号と、入力信号の位相成分を表す位相信号とに分離する。信号処理部101は、振幅信号を電源電圧制御部103へ出力し、位相信号をデジタル−アナログ変換部(D/A)1012へ出力する。
信号処理部101は、位相信号をデジタル−アナログ変換部1012でアナログ形式の位相信号に変換し、位相補正部1013へ出力する。このアナログ変換により、位相信号には、位相信号の周波数のn倍(nは整数)の高調波歪みが発生する。
信号処理部101は、位相補正部1013でアナログ変換された位相信号の位相を補正し、フィルタ102へ出力する。これは、後述するフィルタ102により入力信号の高調波成分が帯域通過されるため、フィルタ102通過後の信号の位相が元信号の位相に対してn倍になってしまうからである。例えば、フィルタ102により、入力信号の周波数の2倍の高調波が帯域通過される場合、その位相は元信号の位相と比較して2倍となる。そこで、位相補正部1013は、図2に示す回路により、
cos(ωt)cos(φt/2)-sin(ωt)sin(φt/2)
の演算処理を行い、信号処理部101から出力される位相信号の位相が予め1/2倍となるようにしている。
フィルタ102は、受け取った信号から予め設定された周波数帯の信号を帯域通過させるバンドパスフィルタである。ここでは、アナログ信号への変換により位相信号に発生した高調波のうち、予め設定した周波数の高調波を帯域通過させるように通過帯域が設定されている。
電源電圧制御部103は、信号処理部101から振幅信号を受け取る。電源電圧制御部103は、振幅信号の振幅に応じて電力増幅器104の電源供給端子に供給する電源電圧の電圧を制御する。
電力増幅器104は、フィルタ102で帯域通過された位相信号の高調波成分を受け取り、この位相信号の高調波成分を電源供給端子から供給される電源電圧に基づいて増幅して出力する。
以上の構成により、本実施形態に係る電力増幅装置では、アナログ変換の際に発生した位相信号の高調波のうち所定の周波数の高調波をフィルタ102により抽出し、電力増幅器104へ出力する。そして、この位相信号の高調波は、電源電圧制御部103から振幅信号に基づいて供給される電源電圧により電力増幅器104で増幅される。このように、EERでは、入力信号が位相成分と振幅成分とに分離されるため、位相信号に発生した高調波を利用して位相信号の周波数変換を行うことが可能となる。すなわち、従来の電力増幅装置において周波数変換をする際に必要であった局部発振器、ミキサ回路が不要となる。このため、装置の大型化、高価格化及び電力消費量の増加を抑制することが可能となる。
したがって、本発明に係る電力増幅装置は、装置の大型化、高価格化及び電力消費量の増加を抑えて信号の周波数変換を行うことができる。
(第2の実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態に係る電力増幅装置の機能構成を示すブロック図である。図3において、電力増幅装置は、信号処理部201、第1のフィルタ202、逓倍器205、第2のフィルタ206、電源電圧制御部203及び電力増幅器204を具備する。
信号処理部201は、まず、分離部2011で入力信号を、入力信号の振幅成分を表す振幅信号と、入力信号の位相成分を表す位相信号とに分離する。信号処理部201は、振幅信号を電源電圧制御部203へ出力し、位相信号をデジタル−アナログ変換部2012へ出力する。
信号処理部201は、位相信号をデジタル−アナログ変換部2012でアナログ形式の位相信号に変換し、位相補正部2013へ出力する。このアナログ変換により、位相信号には、位相信号の周波数のn倍(nは整数)の高調波歪みが発生する。
信号処理部201は、位相補正部2013でアナログ変換された位相信号の位相を補正し、フィルタ202へ出力する。これは、後述するフィルタ202,206により入力信号の高調波成分が帯域通過されるため、帯域通過された信号の位相が元信号の位相に対してn倍になってしまうからである。
フィルタ202は、受け取った信号から予め設定された周波数帯の信号を帯域通過させるバンドパスフィルタである。ここでは、アナログ信号への変換により位相信号に発生した高調波のうち、予め設定した周波数の高調波を帯域通過させるように通過帯域が設定されている。
逓倍器205は、例えばダイオード、FET又はトランジスタ等であり、フィルタ202で帯域通過された位相信号の高調波を受け取り、この信号を逓倍してさらに高調波を発生させる。
フィルタ206は、受け取った信号から予め設定された周波数帯の信号を帯域通過させるバンドパスフィルタである。ここでは、逓倍器205の逓倍処理により位相信号に発生した高調波のうち、予め設定した周波数の高調波を帯域通過させるように通過帯域が設定されている。
電源電圧制御部203は、信号処理部201から振幅信号を受け取る。電源電圧制御部203は、振幅信号の振幅に応じて電力増幅器204の電源供給端子に供給する電源電圧の電圧を制御する。
電力増幅器204は、フィルタ206で帯域通過された位相信号の高調波を電源供給端子から供給される電源電圧に基づいて増幅して出力する。
以上の構成により、本実施形態に係る電力増幅装置は、フィルタ202により位相信号をアナログ変換した際に発生する高調波を抽出する。また、電力増幅器は、フィルタ206により逓倍処理の際に発生する高調波を抽出する。そして、フィルタ206により抽出された位相信号の高調波を電力増幅器204へ出力する。位相信号の高調波は、電源電圧制御部203から振幅信号に基づいて供給される電源電圧により電力増幅器204で増幅される。このように、EERでは、入力信号が位相成分と振幅成分とに分離されるため、位相信号をアナログ変換した際に発生する高調波及び逓倍処理により発生する高調波を利用して、周波数変換を行うことが可能となる。すなわち、EERを用いた電力増幅装置では、デジタル−アナログ変換部2011及び逓倍器205を用いることで容易に信号を周波数変換することが可能となるため、従来の電力増幅装置において周波数変換をする際に必要であった局部発振器、ミキサ回路が不要となる。このため、装置の大型化、高価格化及び電力消費量の増加を抑制することが可能となる。
したがって、本発明に係る電力増幅装置は、装置の大型化、高価格化及び電力消費量の増加を抑えて信号の周波数変換を行うことができる。
(第3の実施形態)
図4は、本発明の第3の実施形態に係る電力増幅装置の機能構成を示すブロック図である。図4において、電力増幅装置は、信号処理部301、第1のフィルタ302、局部発振器307、ミキサ308、第2のフィルタ306、電源電圧制御部303及び電力増幅器304を具備する。
信号処理部301は、まず、分離部3011で入力信号を、入力信号の振幅成分を表す振幅信号と、入力信号の位相成分を表す位相信号とに分離する。信号処理部301は、振幅信号を電源電圧制御部303へ出力し、位相信号をデジタル−アナログ変換部3012へ出力する。
信号処理部301は、位相信号をデジタル−アナログ変換部3012でアナログ形式の位相信号に変換し、位相補正部3013へ出力する。このアナログ変換により、位相信号には、位相信号の周波数のn倍(nは整数)の高調波歪みが発生する。
信号処理部301は、位相補正部3013でアナログ変換された位相信号の位相を補正し、フィルタ302へ出力する。これは、後述するフィルタ302,306により入力信号の高調波成分が帯域通過されるため、帯域通過された信号の位相が元信号の位相に対してn倍になってしまうからである。
フィルタ302は、受け取った信号から予め設定された周波数帯の信号を帯域通過させるバンドパスフィルタである。ここでは、アナログ信号への変換により位相信号に発生した高調波のうち、予め設定した周波数の高調波を帯域通過させるように通過帯域が設定されている。
ミキサ308は、フィルタ302で帯域通過された位相信号の高調波に対して、局部発振器307から出力された局部発振信号を掛け合わせて周波数変換を行う。
フィルタ306は、受け取った信号から予め設定された周波数帯の信号を帯域通過させるバンドパスフィルタである。ここでは、ミキサ308の周波数変換により発生したローカルリークを除去し、周波数変換が行われた位相信号のみを帯域通過させるように通過帯域が設定されている。
図5は、従来の電力増幅装置のミキサの後段に設置されるフィルタによる帯域通過処理と、フィルタ306による帯域通過処理とを比較した模式図である。従来の電力増幅装置では、位相信号に対してミキサにより局部発振信号を掛け合わせることで、位相信号の周波数を目標値へ変換する。これに対し、本実施形態に係る電力増幅装置では、フィルタ302で抽出した位相信号の高調波に対して局部発振信号を掛け合わせることで、位相信号の周波数を目標値へ変換するようにしている。このため、ミキサ308による周波数変換量は、従来の電力増幅装置におけるミキサよりも小さくてすむようになる。これにより、従来では主信号の周波数とローカルリークの周波数との差はΔf1であるのに対し、本実施形態では主信号の周波数とローカルリークの周波数との差はΔf2(>Δf1)となる。
電源電圧制御部303は、信号処理部301から振幅信号を受け取る。電源電圧制御部303は、振幅信号の振幅に応じて電力増幅器304の電源供給端子に供給する電源電圧の電圧を制御する。
電力増幅器304は、フィルタ306で帯域通過された位相信号を電源供給端子から供給される電源電圧に基づいて増幅して出力する。
以上の構成により、本実施形態に係る電力増幅装置は、フィルタ302により抽出された高調波に対して周波数変換を行い、周波数変換後の位相信号をフィルタ306を介して電力増幅器304へ出力する。位相信号は、電源電圧制御部303から振幅信号に基づいて供給される電源電圧により電力増幅器304で増幅される。このように、EERでは、入力信号が位相成分と振幅成分とに分離されるため、位相信号に発生した高調波を周波数変換に利用することで、高周波数への周波数変換を容易に行うことが可能となる。
また、本実施形態に係る電力増幅装置では、位相信号の高調波に対してミキサ308で周波数変換を行うため、目標周波数への周波数変換量は、従来の電力増幅装置のミキサで行われる周波数変換量と比較して小さくてよい。このため、局部発信器307及びミキサ308は、位相信号を目標周波数に変換するために従来用いられていた局部発振器及びミキサ程の性能が要求されない。すなわち、電力増幅装置において、局部発振器及びミキサの小型化、低価格化及び省電力化が可能となる。
さらに、本実施形態に係る電力増幅装置では、主信号の周波数とローカルリークの周波数との差が従来と比較して減少する。このため、フィルタ306は、従来の電力増幅装置においてミキサの後段に設置されていたフィルタに求められる程のフィルタ特性が要求されない。すなわち、電力増幅装置において、フィルタ306の小型化及び低価格化が可能となる。
したがって、本発明に係る電力増幅装置は、装置の大型化、高価格化及び電力消費量の増加を抑えて信号の周波数変換を行うことができる。
(第4の実施形態)
図6は、本発明の第4の実施形態に係る電力増幅装置の機能構成を示すブロック図である。図6において、電力増幅装置は、信号処理部401、第1のフィルタ402、シンセサイザ407、ミキサ408、第2のフィルタ406、逓倍器405、第3のフィルタ409、電源電圧制御部403及び電力増幅器404を具備する。
信号処理部401は、まず、分離部4011で入力信号を、入力信号の振幅成分を表す振幅信号と、入力信号の位相成分を表す位相信号とに分離する。信号処理部401は、振幅信号を電源電圧制御部403へ出力し、位相信号をデジタル−アナログ変換部4012へ出力する。
信号処理部401は、位相信号をデジタル−アナログ変換部4012でアナログ形式の位相信号に変換し、位相補正部4013へ出力する。このアナログ変換により、位相信号には、位相信号の周波数のn倍(nは整数)の高調波歪みが発生する。
信号処理部401は、位相補正部4013でアナログ変換された位相信号の位相を補正し、フィルタ402へ出力する。これは、後述するフィルタ402,409により入力信号の高調波成分が帯域通過されるため、帯域通過した信号の位相が元信号の位相に対してn倍になってしまうからである。
フィルタ402は、受け取った信号から予め設定された周波数帯の信号を帯域通過させるバンドパスフィルタである。ここでは、アナログ信号への変換により位相信号に発生した高調波のうち、予め設定した周波数の高調波を帯域通過させるように通過帯域が設定されている。
ミキサ408は、フィルタ402で帯域通過された位相信号の高調波に対して、シンセサイザ407から出力された局部発振信号を掛け合わせて周波数変換を行う。ここで、シンセサイザ407は、周波数f1〜fmのΔf3の範囲で選択的に局部発振信号を出力することが可能である。
フィルタ406は、受け取った信号から予め設定された周波数帯の信号を帯域通過させるバンドパスフィルタである。ここでは、ミキサ408の周波数変換により発生したローカルリークを除去し、周波数変換が行われた主信号のみを帯域通過させるように通過帯域が設定されている。
逓倍器405は、フィルタ406で帯域通過された位相信号を受け取り、この信号を逓倍してさらに高調波を発生させる。
フィルタ409は、受け取った信号から予め設定された周波数帯の信号を帯域通過させるバンドパスフィルタである。ここでは、逓倍器405の逓倍処理により位相信号に発生した高調波のうち、予め設定した周波数の高調波を帯域通過させるように通過帯域が設定されている。
電源電圧制御部403は、信号処理部401から振幅信号を受け取る。電源電圧制御部403は、振幅信号の振幅に応じて電力増幅器404の電源供給端子に供給する電源電圧の電圧を制御する。
電力増幅器404は、フィルタ409で帯域通過された位相信号の高調波を電源供給端子から供給される電源電圧に基づいて増幅して出力する。
以上の構成により、本実施形態に係る電力増幅装置は、フィルタ402により抽出された高調波に対して周波数変換を行う。また、電力増幅装置は、フィルタ409により周波数変換後の位相信号に対する逓倍処理の際に発生する高調波を抽出する。そして、フィルタ409により抽出された位相信号の高調波を電力増幅器404へ出力する。位相信号の高調波は、電源電圧制御部403から振幅信号に基づいて供給される電源電圧により電力増幅器404で増幅される。このように、アナログ変換の際の高調波及び逓倍処理の際の高調波を利用して周波数変換を行うことにより、高周波への周波数変換を容易に行うことが可能となる。
また、本実施形態に係る電力増幅装置では、位相信号の高調波に対してミキサ408で周波数変換を行うため、目標周波数への周波数変換量は、従来の電力増幅装置のミキサで行われる周波数変換量と比較して小さくてよい。このため、シンセサイザ407及びミキサ408は、位相信号を目標周波数に変換するために従来用いられていたシンセサイザ及びミキサ程の性能が要求されない。すなわち、電力増幅装置において、シンセサイザ及びミキサの小型化、低価格化及び省電力化が可能となる。
また、本実施形態に係る電力増幅装置では、主信号の周波数とローカルリークの周波数との差が従来と比較して減少する。このため、フィルタ406は、従来の電力増幅装置においてミキサの後段に設置されていたフィルタに求められる程のフィルタ特性が要求されない。すなわち、電力増幅装置において、フィルタ406の小型化及び低価格化が可能となる。
さらに、本実施形態に係る電力増幅装置では、ミキサ408で周波数変換された位相信号を逓倍し、位相信号の高調波をさらに生成している。これにより、シンセサイザ407の周波数可変範囲f1〜fm(Δf3)が、f1×n〜fm×nのΔf3×nへ実質的に拡大されることとなる。すなわち、電力増幅装置において、シンセサイザ407の小型化、低価格化及び省電力化が可能となる。
以上のことから、本発明に係る電力増幅装置は、装置の大型化、高価格化及び電力消費量の増加を抑えて信号の周波数変換を行うことができる。
(第5の実施形態)
図7は、本発明の第5の実施形態に係る電力増幅装置の機能構成を示すブロック図である。図7において、電力増幅装置は、信号処理部501、第1のフィルタ502、逓倍器505、第2のフィルタ506、局部発振器507、ミキサ508、第3のフィルタ509、電源電圧制御部503及び電力増幅器504を具備する。
信号処理部501は、まず、分離部5011で入力信号を、入力信号の振幅成分を表す振幅信号と、入力信号の位相成分を表す位相信号とに分離する。信号処理部501は、振幅信号を電源電圧制御部503へ出力し、位相信号をデジタル−アナログ変換部5012へ出力する。
信号処理部501は、位相信号をデジタル−アナログ変換部5012でアナログ形式の位相信号に変換し、位相補正部5013へ出力する。このアナログ変換により、位相信号には、位相信号の周波数のn倍(nは整数)の高調波歪みが発生する。
信号処理部501は、位相補正部5013でアナログ変換された位相信号の位相を補正し、フィルタ502へ出力する。これは、後述するフィルタ502,506により入力信号の高調波成分が帯域通過されるため、帯域通過された信号の位相が元信号の位相に対してn倍になってしまうからである。
フィルタ502は、受け取った信号から予め設定された周波数帯の信号を帯域通過させるバンドパスフィルタである。ここでは、アナログ信号への変換により位相信号に発生した高調波のうち、予め設定した周波数の高調波を帯域通過させるように通過帯域が設定されている。
逓倍器505は、フィルタ502で帯域通過された位相信号の高調波を受け取り、この信号を逓倍してさらに高調波を発生させる。
フィルタ506は、受け取った信号から予め設定された周波数帯の信号を帯域通過させるバンドパスフィルタである。ここでは、逓倍器505の逓倍処理により位相信号に発生した高調波のうち、予め設定した周波数の高調波を帯域通過させるように通過帯域が設定されている。
ミキサ508は、フィルタ506で帯域通過された位相信号の高調波に対して、局部発振器507から出力された局部発振信号を掛け合わせて周波数変換を行う。
フィルタ509は、受け取った信号から予め設定された周波数帯の信号を帯域通過させるバンドパスフィルタである。ここでは、ミキサ508の周波数変換により発生したローカルリークを除去し、周波数変換が行われた主信号のみを帯域通過させるように通過帯域が設定されている。
電源電圧制御部503は、信号処理部501から振幅信号を受け取る。電源電圧制御部503は、振幅信号の振幅に応じて電力増幅器504の電源供給端子に供給する電源電圧の電圧を制御する。
電力増幅器504は、フィルタ509で帯域通過された位相信号を電源供給端子から供給される電源電圧に基づいて増幅して出力する。
以上の構成により、本実施形態に係る電力増幅装置は、フィルタ502によりアナログ変換の際に発生した高調波を抽出し、フィルタ506により逓倍処理の際に発生した高調波を抽出する。また、電力増幅装置は、フィルタ506により抽出された位相信号の高調波に対して周波数変換行い、周波数変換後の位相信号を電力増幅器504へ出力する。位相信号は、電源電圧制御部503から振幅信号に基づいて供給される電源電圧により電力増幅器504で増幅される。このように、アナログ変換の際の高調波及び逓倍処理の際の高調波を利用して周波数変換を行うことにより、高周波への周波数変換を容易に行うことが可能となる。
また、本実施形態に係る電力増幅装置では、位相信号の高調波に対してミキサ508で周波数変換を行うため、目標周波数への周波数変換量は、従来の電力増幅装置のミキサで行われる周波数変換量と比較して小さくてよい。このため、局部発振器507及びミキサ508は、位相信号を目標周波数に変換するために従来用いられていた局部発振器及びミキサ程の性能が要求されない。すなわち、電力増幅装置において、局部発振器及びミキサの小型化、低価格化及び省電力化が可能となる。
また、本実施形態に係る電力増幅装置では、主信号の周波数とローカルリークの周波数との差が従来と比較して減少する。このため、フィルタ509は、従来の電力増幅装置においてミキサの後段に設置されていたフィルタに求められる程のフィルタ特性が要求されない。すなわち、電力増幅装置において、フィルタ509の小型化及び低価格化が可能となる。
以上のことから、本発明に係る電力増幅装置は、装置の大型化、高価格化及び電力消費量の増加を抑えて信号の周波数変換を行うことができる。
(第6の実施形態)
図8は、本発明の第6の実施形態に係る電力増幅装置の機能構成を示すブロック図である。図8において、電力増幅装置は、信号処理部601、第1のフィルタ602、局部発振器607、位相器610、ミキサ608、第2のフィルタ606、電源電圧制御部603、電力増幅器604、カプラ611及び検波器612を具備する。
信号処理部601は、まず、分離部6011で入力信号を、入力信号の振幅成分を表す振幅信号と、入力信号の位相成分を表す位相信号とに分離する。信号処理部601は、振幅信号を電源電圧制御部603へ出力し、位相信号をデジタル−アナログ変換部6012へ出力する。
信号処理部601は、位相信号をデジタル−アナログ変換部6012でアナログ形式の位相信号に変換し、位相補正部6013へ出力する。このアナログ変換により、位相信号には、位相信号の周波数のn倍(nは整数)の高調波歪みが発生する。
信号処理部601は、位相補正部6013でアナログ変換された位相信号の位相を補正し、フィルタ602へ出力する。これは、後述するフィルタ602により入力信号の高調波成分が帯域通過されるため、帯域通過された信号の位相が元信号の位相に対してn倍になってしまうからである。
また、信号処理部601は、誤差補正部6014により後述する検波器612からのフィードバック信号に基づいて位相誤差の補正を行う。これは、後述するフィルタ602,606の帯域通過処理により信号の位相がずれて誤差が生じてしまうからである。誤差補正部6014は、フィードバック信号を受け取り、位相補正部6013からの位相信号の位相と、フィードバック信号の位相とを比較し、位相誤差を補正するように位相器610へ指示を出す。
フィルタ602は、受け取った信号から予め設定された周波数帯の信号を帯域通過させるバンドパスフィルタである。ここでは、アナログ信号への変換により位相信号に発生した高調波のうち、予め設定した周波数の高調波を帯域通過させるように通過帯域が設定されている。
ミキサ608は、フィルタ602で帯域通過された位相信号の高調波に対して、局部発振信号を掛け合わせて周波数変換を行う。ここで、局部発振信号は、局部発振器607から出力され、位相器610で誤差補正部6014からの指示に基づいてその位相が補正されてミキサ608へ供給される。
フィルタ606は、受け取った信号から予め設定された周波数帯の信号を帯域通過させるバンドパスフィルタである。ここでは、ミキサ608の周波数変換により発生したローカルリークを除去し、周波数変換が行われた主信号のみを帯域通過させるように通過帯域が設定されている。
電源電圧制御部603は、信号処理部601から振幅信号を受け取る。電源電圧制御部603は、振幅信号の振幅に応じて電力増幅器604の電源供給端子に供給する電源電圧の電圧を制御する。
電力増幅器604は、フィルタ606で帯域通過された位相信号を電源供給端子から供給される電源電圧に基づいて増幅して出力する。
カプラ611は、電力増幅器604で増幅された信号を分岐し、検波器612へ出力する。検波器612は、分岐された信号からこの信号の位相成分を検波し、フィードバック信号として誤差補正部6014へ出力する。
以上の構成により、本実施形態に係る電力増幅装置は、フィルタ602により抽出された高調波に対して周波数変換を行い、周波数変換後の位相信号をフィルタ606を介して電力増幅器604へ出力する。位相信号は、電源電圧制御部603から振幅信号に基づいて供給される電源電圧により電力増幅器604で増幅される。このように、EERでは、入力信号が位相成分と振幅成分とに分離されるため、位相信号に発生した高調波を周波数変換に利用することで、容易に高周波数変換を行うことが可能となる。
また、本実施形態に係る電力増幅装置では、位相信号の高調波に対してミキサ608で周波数変換を行うため、目標周波数への周波数変換量は、従来の電力増幅装置のミキサで行われる周波数変換量と比較して小さくてよい。このため、局部発振器607及びミキサ608は、位相信号を目標周波数に変換するために従来用いられていた局部発振器及びミキサ程の性能が要求されない。すなわち、電力増幅装置において、局部発振器及びミキサの小型化、低価格化及び省電力化が可能となる。
また、本実施形態に係る電力増幅装置では、主信号の周波数とローカルリークの周波数との差が従来と比較して減少する。このため、フィルタ606は、従来の電力増幅装置においてミキサの後段に設置されていたフィルタに求められる程のフィルタ特性が要求されない。すなわち、電力増幅装置において、フィルタ606の小型化及び低価格化が可能となる。
さらに、本実施形態に係る電力増幅装置は、フィードバック信号に基づいて、フィルタ602,606での帯域通過処理による位相誤差を補正するようにしている。これにより、信号処理部601への入力信号を、電力増幅器604から精度良く増幅再生することが可能となる。
以上のことから、本発明に係る電力増幅装置は、装置の大型化、高価格化及び電力消費量の増加を抑えて信号の周波数変換を行うことができる。
(第7の実施形態)
図9は、本発明の第7の実施形態に係る電力増幅装置の機能構成を示すブロック図である。図9において、電力増幅装置は、信号処理部701、第1のフィルタ702、シンセサイザ707、位相器710、ミキサ708、第2のフィルタ706、逓倍器705、第3のフィルタ709、電源電圧制御部703、電力増幅器704、カプラ711及び検波器712を具備する。
信号処理部701は、まず、分離部7011で入力信号を、入力信号の振幅成分を表す振幅信号と、入力信号の位相成分を表す位相信号とに分離する。信号処理部701は、振幅信号を電源電圧制御部703へ出力し、位相信号をデジタル−アナログ変換部7012へ出力する。
信号処理部701は、位相信号をデジタル−アナログ変換部7012でアナログ形式の位相信号に変換し、位相補正部7013へ出力する。このアナログ変換により、位相信号には、位相信号の周波数のn倍(nは整数)の高調波歪みが発生する。
信号処理部701は、位相補正部7013でアナログ変換された位相信号の位相を補正し、フィルタ702へ出力する。これは、後述するフィルタ702,709により入力信号の高調波成分が帯域通過されるため、帯域通過された信号の位相が元信号の位相に対してn倍になってしまうからである。
また、信号処理部701は、誤差補正部7014により後述する検波器712からのフィードバック信号に基づいて位相誤差の補正を行う。これは、後述するフィルタ702,706,709の帯域通過処理により信号の位相がずれて誤差が生じてしまうからである。誤差補正部7014は、フィードバック信号を受け取り、位相補正部7013からの位相信号の位相と、フィードバック信号の位相とを比較し、位相誤差を補正するように位相器710へ指示を出す。
フィルタ702は、受け取った信号から予め設定された周波数帯の信号を帯域通過させるバンドパスフィルタである。ここでは、アナログ信号への変換により位相信号に発生した高調波のうち、予め設定した周波数の高調波を帯域通過させるように通過帯域が設定されている。
ミキサ708は、フィルタ702で帯域通過された位相信号の高調波に対して、局部発振信号を掛け合わせて周波数変換を行う。ここで、局部発振信号は、シンセサイザ707から出力され、位相器710で誤差補正部7014からの指示に基づいてその位相が補正されてミキサ708へ供給される。
フィルタ706は、受け取った信号から予め設定された周波数帯の信号を帯域通過させるバンドパスフィルタである。ここでは、ミキサ708の周波数変換により発生したローカルリークを除去し、周波数変換が行われた主信号のみを帯域通過させるように通過帯域が設定されている。
逓倍器705は、フィルタ706で帯域通過された位相信号を受け取り、この信号を逓倍してさらに高調波を発生させる。
フィルタ709は、受け取った信号から予め設定された周波数帯の信号を帯域通過させるバンドパスフィルタである。ここでは、逓倍器705の逓倍処理により位相信号に発生した高調波のうち、予め設定した周波数の高調波を帯域通過させるように通過帯域が設定されている。
電源電圧制御部703は、信号処理部701から振幅信号を受け取る。電源電圧制御部703は、振幅信号の振幅に応じて電力増幅器704の電源供給端子に供給する電源電圧の電圧を制御する。
電力増幅器704は、フィルタ709で帯域通過された位相信号を電源供給端子から供給される電源電圧に基づいて増幅して出力する。
カプラ711は、電力増幅器704で増幅された信号を分岐し、検波器712へ出力する。検波器712は、分岐された信号から、この信号の位相成分を検波し、フィードバック信号として誤差補正部7014へ出力する。
以上の構成により、本実施形態に係る電力増幅装置は、フィルタ702により抽出された高調波に対して周波数変換を行う。また、電力増幅装置は、フィルタ709により周波数変換後の位相信号に対する逓倍処理の際に発生する高調波を抽出する。そして、フィルタ709により抽出された位相信号の高調波を電力増幅器704へ出力する。位相信号の高調波は、電源電圧制御部703から振幅信号に基づいて供給される電源電圧により電力増幅器704で増幅される。このように、アナログ変換の際の高調波及び逓倍処理の際の高調波を利用して周波数変換を行うことにより、容易に高周波数変換を行うことが可能となる。
また、本実施形態に係る電力増幅装置では、位相信号の高調波に対してミキサ708で周波数変換を行うため、目標周波数への周波数変換量は、従来の電力増幅装置のミキサで行われる周波数変換量と比較して小さくてよい。このため、シンセサイザ707及びミキサ708は、位相信号を目標周波数に変換するために従来用いられていたシンセサイザ及びミキサ程の性能が要求されない。すなわち、電力増幅装置において、シンセサイザ及びミキサの小型化、低価格化及び省電力化が可能となる。
また、本実施形態に係る電力増幅装置では、主信号の周波数とローカルリークの周波数との差が従来と比較して減少する。このため、フィルタ706は、従来の電力増幅装置においてミキサの後段に設置されていたフィルタに求められる程のフィルタ特性が要求されない。すなわち、電力増幅装置において、フィルタ706の小型化及び低価格化が可能となる。
また、本実施形態に係る電力増幅装置では、ミキサ708で周波数変換された位相信号を逓倍し、位相信号の高調波をさらに生成している。これにより、シンセサイザ707の周波数可変範囲f1〜fm(Δf3)が、f1×n〜fm×nのΔf3×nへ実質的に拡大されることとなる。すなわち、電力増幅装置において、シンセサイザ707の小型化、低価格化及び省電力化が可能となる。
さらに、本実施形態に係る電力増幅装置は、フィードバック信号に基づいて、フィルタ702,706,709での帯域通過処理による位相誤差を補正するようにしている。これにより、信号処理部701への入力信号を、電力増幅器704から精度良く増幅再生することが可能となる。
以上のことから、本発明に係る電力増幅装置は、装置の大型化、高価格化及び電力消費量の増加を抑えて信号の周波数変換を行うことができる。
(第8の実施形態)
図10は、本発明の第8の実施形態に係る電力増幅装置の機能構成を示すブロック図である。図10において、電力増幅装置は、信号処理部801、第1のフィルタ802、逓倍器805、第2のフィルタ806、局部発振器807、位相器810、ミキサ808、第3のフィルタ809、電源電圧制御部803、電力増幅器804、カプラ811及び検波器812を具備する。
信号処理部801は、まず、分離部8011で入力信号を、入力信号の振幅成分を表す振幅信号と、入力信号の位相成分を表す位相信号とに分離する。信号処理部801は、振幅信号を電源電圧制御部803へ出力し、位相信号をデジタル−アナログ変換部8012へ出力する。
信号処理部801は、位相信号をデジタル−アナログ変換部8012でアナログ形式の位相信号に変換し、位相補正部8013へ出力する。このアナログ変換により、位相信号には、位相信号の周波数のn倍(nは整数)の高調波歪みが発生する。
信号処理部801は、位相補正部8013でアナログ変換された位相信号の位相を補正し、フィルタ802へ出力する。これは、後述するフィルタ802,806により入力信号の高調波成分が帯域通過されるため、帯域通過された信号の位相が元信号の位相に対してn倍になってしまうからである。
また、信号処理部801は、誤差補正部8014により後述する検波器812からのフィードバック信号に基づいて位相誤差の補正を行う。これは、後述するフィルタ802,806,809の帯域通過処理により信号の位相がずれて誤差が生じてしまうからである。誤差補正部8014は、フィードバック信号を受け取り、位相補正部8013からの位相信号の位相と、フィードバック信号の位相とを比較し、位相誤差を補正するように位相器810へ指示を出す。
フィルタ802は、受け取った信号から予め設定された周波数帯の信号を帯域通過させるバンドパスフィルタである。ここでは、アナログ信号への変換により位相信号に発生した高調波のうち、予め設定した周波数の高調波を帯域通過させるように通過帯域が設定されている。
逓倍器805は、フィルタ802で帯域通過された位相信号の高調波を受け取り、この信号を逓倍してさらに高調波を発生させる。
フィルタ806は、受け取った信号から予め設定された周波数帯の信号を帯域通過させるバンドパスフィルタである。ここでは、逓倍器805の逓倍処理により位相信号に発生した高調波のうち、予め設定した周波数の高調波を帯域通過させるように通過帯域が設定されている。
ミキサ808は、フィルタ806で帯域通過された位相信号の高調波に対して、局部発振信号を掛け合わせて周波数変換を行う。ここで、局部発振信号は、局部発振器807から出力され、位相器810で誤差補正部8014からの指示に基づいてその位相が補正されてミキサ808へ供給される。
フィルタ809は、受け取った信号から予め設定された周波数帯の信号を帯域通過させるバンドパスフィルタである。ここでは、ミキサ808の周波数変換により発生したローカルリークを除去し、周波数変換が行われた主信号のみを帯域通過させるように通過帯域が設定されている。
電源電圧制御部803は、信号処理部801から振幅信号を受け取る。電源電圧制御部803は、振幅信号の振幅に応じて電力増幅器804の電源供給端子に供給する電源電圧の電圧を制御する。
電力増幅器804は、フィルタ809で帯域通過された位相信号の高調波を電源供給端子から供給される電源電圧に基づいて増幅して出力する。
カプラ811は、電力増幅器804で増幅された信号を分岐し、検波器812へ出力する。検波器812は、分岐された信号から、この信号の位相成分を検波し、フィードバック信号として誤差補正部8014へ出力する。
以上の構成により、本実施形態に係る電力増幅装置は、フィルタ802によりアナログ変換の際に発生した高調波を抽出し、フィルタ806により逓倍処理の際に発生した高調波を抽出する。また、電力増幅装置は、フィルタ806により抽出された位相信号の高調波に対して周波数変換行い、周波数変換後の位相信号を電力増幅器804へ出力する。位相信号は、電源電圧制御部803から振幅信号に基づいて供給される電源電圧により電力増幅器804で増幅される。このように、アナログ変換の際の高調波及び逓倍処理の際の高調波を利用して周波数変換を行うことにより、容易に高周波数変換を行うことが可能となる。
また、本実施形態に係る電力増幅装置では、位相信号の高調波に対してミキサ808で周波数変換を行うため、目標周波数への周波数変換量は、従来の電力増幅装置のミキサで行われる周波数変換量と比較して小さくてよい。このため、局部発振器807及びミキサ808は、位相信号を目標周波数に変換するために従来用いられていた局部発振器及びミキサ程の性能が要求されない。すなわち、電力増幅装置において、局部発振器及びミキサの小型化、低価格化及び省電力化が可能となる。
また、本実施形態に係る電力増幅装置では、主信号の周波数とローカルリークの周波数との差が従来と比較して減少する。このため、フィルタ809は、従来の電力増幅装置においてミキサの後段に設置されていたフィルタに求められる程のフィルタ特性が要求されない。すなわち、電力増幅装置において、フィルタ809の小型化及び低価格化が可能となる。
さらに、本実施形態に係る電力増幅装置は、フィードバック信号に基づいて、フィルタ802,806,809での帯域通過処理による位相誤差を補正するようにしている。これにより、信号処理部801への入力信号を、電力増幅器804から精度良く増幅再生することが可能となる。
以上のことから、本発明に係る電力増幅装置は、装置の大型化、高価格化及び電力消費量の増加を抑えて信号の周波数変換を行うことができる。
(第9の実施形態)
図11は、本発明の第9の実施形態に係る電力増幅装置の機能構成を示すブロック図である。図11において、電力増幅装置は、信号処理部901、逓倍器905、フィルタ902、電源電圧制御部903及び電力増幅器904を具備する。
信号処理部901は、まず、分離部9011で入力信号を、入力信号の振幅成分を表す振幅信号と、入力信号の位相成分を表す位相信号とに分離する。信号処理部901は、振幅信号を電源電圧制御部903へ出力し、位相信号をデジタル−アナログ変換部9012へ出力する。
信号処理部901は、位相信号をデジタル−アナログ変換部9012でアナログ形式の位相信号に変換し、位相補正部9013へ出力する。
信号処理部901は、位相補正部9013でアナログ変換された位相信号の位相を補正し、逓倍器905へ出力する。これは、後述するフィルタ902により入力信号の高調波成分が帯域通過されるため、帯域通過された信号の位相が元信号の位相に対してn倍になってしまうからである。
逓倍器905は、信号処理部901から出力された位相信号を受け取り、この信号を逓倍して位相信号に高調波を発生させる。
フィルタ902は、受け取った信号から予め設定された周波数帯の信号を帯域通過させるバンドパスフィルタである。ここでは、逓倍器905の逓倍処理により位相信号に発生した高調波のうち、予め設定した周波数の高調波を帯域通過させるように通過帯域が設定されている。
電源電圧制御部903は、信号処理部901から振幅信号を受け取る。電源電圧制御部903は、振幅信号の振幅に応じて電力増幅器904の電源供給端子に供給する電源電圧の電圧を制御する。
電力増幅器904は、フィルタ902で帯域通過された位相信号の高調波成分を受け取り、この位相信号の高調波成分を電源供給端子から供給される電源電圧に基づいて増幅して出力する。
以上の構成により、本実施形態に係る電力増幅装置では、信号処理部901から出力された位相信号を逓倍した際に発生する高調波のうち所定の周波数の高調波をフィルタ902により抽出し、電力増幅器904へ出力する。そして、この位相信号の高調波は、電源電圧制御部903から振幅信号に基づいて供給される電源電圧により電力増幅器904で増幅される。このように、EERでは、入力信号が位相成分と振幅成分とに分離されるため、位相信号に発生した高調波を利用して位相信号の周波数変換を行い、周波数変換後の位相信号を電力増幅器904により増幅することが可能となる。すなわち、従来の電力増幅装置において周波数変換をする際に必要であった局部発振器、ミキサ回路が不要となる。このため、装置の大型化、高価格化及び電力消費量の増加を抑制することが可能となる。
したがって、本発明に係る電力増幅装置は、装置の大型化、高価格化及び電力消費量の増加を抑えて信号の周波数変換を行うことができる。
(第10の実施形態)
図12は、本発明の第10の実施形態に係る電力増幅装置の機能構成を示すブロック図である。図12において、電力増幅装置は、信号処理部1001、シンセサイザ1007、ミキサ1008、第1のフィルタ1002、逓倍器1005、第2のフィルタ1006、電源電圧制御部1003及び電力増幅器1004を具備する。
信号処理部1001は、まず、分離部10011で入力信号を、入力信号の振幅成分を表す振幅信号と、入力信号の位相成分を表す位相信号とに分離する。信号処理部1001は、振幅信号を電源電圧制御部1003へ出力し、位相信号をデジタル−アナログ変換部10012へ出力する。
信号処理部1001は、位相信号をデジタル−アナログ変換部10012でアナログ形式の位相信号に変換し、位相補正部10013へ出力する。
信号処理部1001は、位相補正部10013でアナログ変換された位相信号の位相を補正し、ミキサ1008へ出力する。これは、後述するフィルタ1006により入力信号の高調波成分が帯域通過されるため、帯域通過後の信号の位相が元信号の位相に対してn倍になってしまうからである。
ミキサ1008は、信号処理部1001から出力された位相信号に対して、シンセサイザ407から出力された局部発振信号を掛け合わせて周波数変換を行う。ここで、シンセサイザ407は、周波数f1〜fmのΔf3の範囲で選択的に局部発振信号を出力することが可能である。
フィルタ1002は、受け取った信号から予め設定された周波数帯の信号を帯域通過させるバンドパスフィルタである。ここでは、ミキサ1008の周波数変換により発生したローカルリークを除去し、周波数変換が行われた主信号のみを帯域通過させるように通過帯域が設定されている。
逓倍器1005は、フィルタ1002で帯域通過された位相信号を受け取り、この信号を逓倍してさらに高調波を発生させる。
フィルタ1006は、受け取った信号から予め設定された周波数帯の信号を帯域通過させるバンドパスフィルタである。ここでは、逓倍器1005の逓倍処理により位相信号に発生した高調波のうち、予め設定した周波数の高調波を帯域通過させるように通過帯域が設定されている。
電源電圧制御部1003は、信号処理部1001から振幅信号を受け取る。電源電圧制御部1003は、振幅信号の振幅に応じて電力増幅器1004の電源供給端子に供給する電源電圧の電圧を制御する。
電力増幅器1004は、フィルタ1006で帯域通過された位相信号の高調波を電源供給端子から供給される電源電圧に基づいて増幅して出力する。
以上の構成により、本実施形態に係る電力増幅装置は、ミキサ1008で周波数変換した位相信号に対して逓倍し、この逓倍処理により発生した高調波を、フィルタ1006により抽出する。そして、フィルタ1006により抽出された位相信号の高調波を電力増幅器1004で、電源電圧制御部1003から振幅信号に基づいて供給される電源電圧により増幅する。このように、逓倍処理により発生する高調波を利用して周波数変換を行うことにより、高周波への周波数変換を容易に行うことが可能となる。
また、本実施形態に係る電力増幅装置では、ミキサ1008で周波数変換された位相信号を逓倍し、位相信号の高調波をさらに生成している。これにより、シンセサイザ1007の周波数可変範囲f1〜fm(Δf3)が、f1×n〜fm×nのΔf3×nへ実質的に拡大されることとなる。すなわち、電力増幅装置において、シンセサイザ1007の小型化、低価格化及び省電力化が可能となる。
以上のことから、本発明に係る電力増幅装置は、装置の大型化、高価格化及び電力消費量の増加を抑えて信号の周波数変換を行うことができる。
(第11の実施形態)
図13は、本発明の第11の実施形態に係る電力増幅装置の機能構成を示すブロック図である。図13において、電力増幅装置は、信号処理部1101、逓倍器1105、第1のフィルタ1102、局部発振器1107、ミキサ1108、第2のフィルタ1106、電源電圧制御部1103及び電力増幅器1104を具備する。
信号処理部1101は、まず、分離部11011で入力信号を、入力信号の振幅成分を表す振幅信号と、入力信号の位相成分を表す位相信号とに分離する。信号処理部1101は、振幅信号を電源電圧制御部1103へ出力し、位相信号をデジタル−アナログ変換部11012へ出力する。
信号処理部1101は、位相信号をデジタル−アナログ変換部11012でアナログ形式の位相信号に変換し、位相補正部11013へ出力する。
信号処理部1101は、位相補正部11013でアナログ変換された位相信号の位相を補正し、逓倍器1105へ出力する。これは、後述するフィルタ1102により入力信号の高調波成分が帯域通過されるため、高調波成分の位相が元信号の位相に対してn倍になってしまうからである。
逓倍器1105は、信号処理部1101から出力された位相信号を受け取り、この信号を逓倍して高調波を発生させる。
フィルタ1102は、受け取った信号から予め設定された周波数帯の信号を帯域通過させるバンドパスフィルタである。ここでは、逓倍器1105の逓倍処理により位相信号に発生した高調波のうち、予め設定した周波数の高調波を帯域通過させるように通過帯域が設定されている。
ミキサ1108は、フィルタ1102で帯域通過された位相信号の高調波に対して、局部発振器1107から出力された局部発振信号を掛け合わせて周波数変換を行う。
フィルタ1106は、受け取った信号から予め設定された周波数帯の信号を帯域通過させるバンドパスフィルタである。ここでは、ミキサ1108の周波数変換により発生したローカルリークを除去し、周波数変換が行われた主信号のみを帯域通過させるように通過帯域が設定されている。
電源電圧制御部1103は、信号処理部1101から振幅信号を受け取る。電源電圧制御部1103は、振幅信号の振幅に応じて電力増幅器1104の電源供給端子に供給する電源電圧の電圧を制御する。
電力増幅器1104は、フィルタ1109で帯域通過された位相信号を電源供給端子から供給される電源電圧に基づいて増幅して出力する。
以上の構成により、本実施形態に係る電力増幅装置は、信号処理部1101から出力された位相信号を逓倍し、この逓倍処理により発生した高調波をフィルタ1102により抽出する。また、電力増幅装置は、抽出した位相信号の高調波をミキサ1108で周波数変換し、周波数変換後の位相信号を電力増幅器1104へ出力する。位相信号は、電源電圧制御部1103から振幅信号に基づいて供給される電源電圧により電力増幅器1104で増幅される。このように、位相信号を逓倍した際に発生する高調波を利用して周波数変換を行うことにより、高周波数への周波数変換を容易に行うことが可能となる。
また、本実施形態に係る電力増幅装置では、位相信号の高調波に対してミキサ1108で周波数変換を行うため、目標周波数への周波数変換量は、従来の電力増幅装置のミキサで行われる周波数変換量と比較して小さくてよい。このため、局部発振器1107及びミキサ1108は、位相信号を目標周波数に変換するために従来用いられていた局部発振器及びミキサ程の性能が要求されない。すなわち、電力増幅装置において、局部発振器及びミキサの小型化、低価格化及び省電力化が可能となる。
また、本実施形態に係る電力増幅装置では、主信号の周波数とローカルリークの周波数との差が従来と比較して減少する。このため、フィルタ1106は、従来の電力増幅装置においてミキサの後段に設置されていたフィルタに求められる程のフィルタ特性が要求されない。すなわち、電力増幅装置において、フィルタ1106の小型化及び低価格化が可能となる。
以上のことから、本発明に係る電力増幅装置は、装置の大型化、高価格化及び電力消費量の増加を抑えて信号の周波数変換を行うことができる。
(第12の実施形態)
図14は、本発明の第12の実施形態に係る電力増幅装置の機能構成を示すブロック図である。図14において、電力増幅装置は、信号処理部1201、シンセサイザ1207、位相器1210、ミキサ1208、第1のフィルタ1202、逓倍器1205、第2のフィルタ1206、電源電圧制御部1203、電力増幅器1204、カプラ1211及び検波器1212を具備する。
信号処理部1201は、まず、分離部12011で入力信号を、入力信号の振幅成分を表す振幅信号と、入力信号の位相成分を表す位相信号とに分離する。信号処理部1201は、振幅信号を電源電圧制御部1203へ出力し、位相信号をデジタル−アナログ変換部12012へ出力する。
信号処理部1201は、位相信号をデジタル−アナログ変換部12012でアナログ形式の位相信号に変換し、位相補正部12013へ出力する。
信号処理部1201は、位相補正部12013でアナログ変換された位相信号の位相を補正し、ミキサ1208へ出力する。これは、後述するフィルタ1206により入力信号の高調波成分が帯域通過されるため、帯域通過された信号の位相が元信号の位相に対してn倍になってしまうからである。
また、信号処理部1201は、誤差補正部12014により後述する検波器1212からのフィードバック信号に基づいて位相誤差の補正を行う。これは、後述するフィルタ1202,1206の帯域通過処理により信号の位相がずれて誤差が生じてしまうからである。誤差補正部12014は、フィードバック信号を受け取り、位相補正部12013からの位相信号の位相と、フィードバック信号の位相とを比較し、位相誤差を補正するように位相器1210へ指示を出す。
ミキサ1208は、信号処理部1201から出力された位相信号に対して、局部発振信号を掛け合わせて周波数変換を行う。ここで、局部発振信号は、シンセサイザ1207から出力され、位相器1210で誤差補正部12014からの指示に基づいてその位相が補正されてミキサ1208へ供給される。
フィルタ1202は、受け取った信号から予め設定された周波数帯の信号を帯域通過させるバンドパスフィルタである。ここでは、ミキサ1208の周波数変換により発生したローカルリークを除去し、周波数変換が行われた主信号のみを帯域通過させるように通過帯域が設定されている。
逓倍器1205は、フィルタ1202で帯域通過された位相信号を受け取り、この信号を逓倍してさらに高調波を発生させる。
フィルタ1206は、受け取った信号から予め設定された周波数帯の信号を帯域通過させるバンドパスフィルタである。ここでは、逓倍器1205の逓倍処理により位相信号に発生した高調波のうち、予め設定した周波数の高調波を帯域通過させるように通過帯域が設定されている。
電源電圧制御部1203は、信号処理部1201から振幅信号を受け取る。電源電圧制御部1203は、振幅信号の振幅に応じて電力増幅器1204の電源供給端子に供給する電源電圧の電圧を制御する。
電力増幅器1204は、フィルタ1206で帯域通過された位相信号を電源供給端子から供給される電源電圧に基づいて増幅して出力する。
カプラ1211は、電力増幅器1204で増幅された信号を分岐し、検波器1212へ出力する。検波器1212は、分岐された信号から、この信号の位相成分を検波し、フィードバック信号として誤差補正部12014へ出力する。
以上の構成により、本実施形態に係る電力増幅装置は、ミキサ1208で周波数変換した位相信号に対して逓倍し、この逓倍処理により発生した高調波を、フィルタ1206により抽出する。そして、フィルタ1206により抽出された位相信号の高調波を電力増幅器1204へ出力する。位相信号の高調波は、電源電圧制御部1203から振幅信号に基づいて供給される電源電圧により電力増幅器1204で増幅される。このように、逓倍処理により発生する高調波を利用して周波数変換を行うことにより、高周波への周波数変換を容易に行うことが可能となる。
また、本実施形態に係る電力増幅装置では、ミキサ1208で周波数変換された位相信号を逓倍し、位相信号の高調波をさらに生成している。これにより、シンセサイザ1207の周波数可変範囲f1〜fm(Δf3)が、f1×n〜fm×nのΔf3×nへ実質的に拡大されることとなる。すなわち、電力増幅装置において、シンセサイザ1207の小型化、低価格化及び省電力化が可能となる。
さらに、本実施形態に係る電力増幅装置は、フィードバック信号に基づいて、フィルタ1202,1206での帯域通過処理による位相誤差を補正するようにしている。これにより、信号処理部1201への入力信号を、電力増幅器1204から精度良く増幅再生することが可能となる。
以上のことから、本発明に係る電力増幅装置は、装置の大型化、高価格化及び電力消費量の増加を抑えて信号の周波数変換を行うことができる。
(第13の実施形態)
図15は、本発明の第13の実施形態に係る電力増幅装置の機能構成を示すブロック図である。図15において、電力増幅装置は、信号処理部1301、逓倍器1305、第1のフィルタ1302、局部発振器1307、位相器1310、ミキサ1308、第2のフィルタ1306、電源電圧制御部1303、電力増幅器1304、カプラ1311及び検波器1312を具備する。
信号処理部1301は、まず、分離部13011で入力信号を、入力信号の振幅成分を表す振幅信号と、入力信号の位相成分を表す位相信号とに分離する。信号処理部1301は、振幅信号を電源電圧制御部1303へ出力し、位相信号をデジタル−アナログ変換部13012へ出力する。
信号処理部1301は、位相信号をデジタル−アナログ変換部13012でアナログ形式の位相信号に変換し、位相補正部13013へ出力する。
信号処理部1301は、位相補正部13013でアナログ変換された位相信号の位相を補正し、逓倍器1305へ出力する。これは、後述するフィルタ1302により入力信号の高調波成分が帯域通過されるため、帯域通過された信号の位相が元信号の位相に対してn倍になってしまうからである。
また、信号処理部1301は、誤差補正部13014により後述する検波器1312からのフィードバック信号に基づいて位相誤差の補正を行う。これは、後述するフィルタ1302,1306の帯域通過処理により信号の位相がずれて誤差が生じてしまうからである。誤差補正部13014は、フィードバック信号を受け取り、位相補正部13013からの位相信号の位相と、フィードバック信号の位相とを比較し、位相誤差を補正するように位相器1310へ指示を出す。
逓倍器1305は、信号処理部1301から出力された位相信号を受け取り、この信号を逓倍して高調波を発生させる。
フィルタ1302は、受け取った信号から予め設定された周波数帯の信号を帯域通過させるバンドパスフィルタである。ここでは、逓倍器1305の逓倍処理により位相信号に発生した高調波のうち、予め設定した周波数の高調波を帯域通過させるように通過帯域が設定されている。
ミキサ1308は、フィルタ1302で帯域通過された位相信号の高調波に対して、局部発振信号を掛け合わせて周波数変換を行う。ここで、局部発振信号は、局部発振器1307から出力され、位相器1310で誤差補正部13014からの指示に基づいてその位相が補正されてミキサ1308へ供給される。
フィルタ1306は、受け取った信号から予め設定された周波数帯の信号を帯域通過させるバンドパスフィルタである。ここでは、ミキサ1308の周波数変換により発生したローカルリークを除去し、周波数変換が行われた主信号のみを帯域通過させるように通過帯域が設定されている。
電源電圧制御部1303は、信号処理部1301から振幅信号を受け取る。電源電圧制御部1303は、振幅信号の振幅に応じて電力増幅器1304の電源供給端子に供給する電源電圧の電圧を制御する。
電力増幅器1304は、フィルタ1306で帯域通過された位相信号の高調波を電源供給端子から供給される電源電圧に基づいて増幅して出力する。
カプラ1311は、電力増幅器1304で増幅された信号を分岐し、検波器1312へ出力する。検波器1312は、分岐された信号から、この信号の位相成分を検波し、フィードバック信号として誤差補正部13014へ出力する。
以上の構成により、本実施形態に係る電力増幅装置は、信号処理部1301から出力された位相信号を逓倍し、この逓倍処理により発生した高調波をフィルタ1302により抽出する。また、電力増幅装置は、抽出した位相信号の高調波をミキサ1308で周波数変換し、周波数変換後の位相信号を電力増幅器1304へ出力する。位相信号は、電源電圧制御部1303から振幅信号に基づいて供給される電源電圧により電力増幅器1304で増幅される。このように、位相信号を逓倍した際に発生する高調波を利用して周波数変換を行うことにより、高周波数への周波数変換を容易に行うことが可能となる。
また、本実施形態に係る電力増幅装置では、位相信号の高調波に対してミキサ1308で周波数変換を行うため、目標周波数への周波数変換量は、従来の電力増幅装置のミキサで行われる周波数変換量と比較して小さくてよい。このため、局部発振器1307及びミキサ1308は、位相信号を目標周波数に変換するために従来用いられていた局部発振器及びミキサ程の性能が要求されない。すなわち、電力増幅装置において、局部発振器及びミキサの小型化、低価格化及び省電力化が可能となる。
また、本実施形態に係る電力増幅装置では、主信号の周波数とローカルリークの周波数との差が従来と比較して減少する。このため、フィルタ1306は、従来の電力増幅装置においてミキサの後段に設置されていたフィルタに求められる程のフィルタ特性が要求されない。すなわち、電力増幅装置において、フィルタ1306の小型化及び低価格化が可能となる。
さらに、本実施形態に係る電力増幅装置は、フィードバック信号に基づいて、フィルタ1302,1306での帯域通過処理による位相誤差を補正するようにしている。これにより、信号処理部1301への入力信号を、電力増幅器1304から精度良く増幅再生することが可能となる。
以上のことから、本発明に係る電力増幅装置は、装置の大型化、高価格化及び電力消費量の増加を抑えて信号の周波数変換を行うことができる。
(その他の実施形態)
なお、この発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。