JP2010153690A - 固体電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサ及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010153690A
JP2010153690A JP2008331996A JP2008331996A JP2010153690A JP 2010153690 A JP2010153690 A JP 2010153690A JP 2008331996 A JP2008331996 A JP 2008331996A JP 2008331996 A JP2008331996 A JP 2008331996A JP 2010153690 A JP2010153690 A JP 2010153690A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
anode
lead
protrusion
capacitor element
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008331996A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuhiko Hayashi
伸彦 林
Takuji Umemoto
卓史 梅本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP2008331996A priority Critical patent/JP2010153690A/ja
Priority to US12/564,523 priority patent/US8169774B2/en
Publication of JP2010153690A publication Critical patent/JP2010153690A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G2/00Details of capacitors not covered by a single one of groups H01G4/00-H01G11/00
    • H01G2/02Mountings
    • H01G2/06Mountings specially adapted for mounting on a printed-circuit support
    • H01G2/065Mountings specially adapted for mounting on a printed-circuit support for surface mounting, e.g. chip capacitors
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G11/00Hybrid capacitors, i.e. capacitors having different positive and negative electrodes; Electric double-layer [EDL] capacitors; Processes for the manufacture thereof or of parts thereof
    • H01G11/22Electrodes
    • H01G11/30Electrodes characterised by their material
    • H01G11/48Conductive polymers
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G4/00Fixed capacitors; Processes of their manufacture
    • H01G4/002Details
    • H01G4/228Terminals
    • H01G4/236Terminals leading through the housing, i.e. lead-through

Abstract

【課題】漏れ電流が発生しにくい固体電解コンデンサを提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る固体電解コンデンサは、コンデンサ素子1と、コンデンサ素子1を被覆する外装樹脂2とを具え、コンデンサ素子1は、陽極リード12が引き出された陽極体11と、陽極体11の表面に形成された誘電体層13と、誘電体層13上に形成された陰極層15とを有している。該固体電解コンデンサにおいて、陽極リード12の内、陽極体11から引き出されている引出し部12aには、その側面に突起部16が形成されている。そして、コンデンサ素子1の外周面のうち陽極リード12の引出し部12aが引き出されている面1aと、突起部16との間には、外装樹脂2の一部が介在している。具体的構成において、突起部16は円柱状を呈し、該突起部16は、その外周面が陽極リード12の引出し部12aの側面に接触した状態で該陽極リード12に固定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、構造に特徴を有する固体電解コンデンサ及びその製造方法に関する。
図16は、従来の固体電解コンデンサを示す断面図である。従来の固体電解コンデンサは、図16に示される様に、コンデンサ素子100と、該コンデンサ素子100を被覆する外装樹脂106と、陽極端子107と、陰極端子108とを具える。コンデンサ素子100は、陽極リード102が引き出された陽極体101の表面に、誘電体層103、電解質層104及び陰極層105をこの順に形成することによって構成されている。陽極端子107は、陽極リード102の引出し部102aに直接接続され、陰極端子108は、コンデンサ素子100の陰極層105に導電性接着剤109を介して接続されている。
図17は、従来の固体電解コンデンサについて、陽極リード102の引出し部102aの根元部分を拡大して示した断面図である。コンデンサ素子100を外装樹脂106によって被覆するモールド工程では、外装樹脂106が硬化収縮することにより、陽極リード102に対して応力がかかる。従って、従来の固体電解コンデンサでは、陽極リード102の根元部分に応力が集中して、図17に示される様に誘電体層103にクラック等が生じ、その結果、漏れ電流が増大するという問題が生じ易かった。
そこで、陽極リード102の引出し部102aの根元部分を熱硬化性樹脂によって固定することにより、外装樹脂106の硬化収縮に対する陽極リード102の引出し部102aの根元部分の強度を高め、その結果としてクラックの発生を防止することが考えられる(特許文献1参照)。
特開2001−203128号公報
しかし、特許文献1に開示の固体電解コンデンサでは、陽極リード102に対して軸方向にかかる応力を十分に緩和することが出来なかった。このため、外装樹脂106の硬化収縮により、陽極リード102の引出し部102aがコンデンサ素子100に向けて押し込まれ、引出し部102aがコンデンサ素子100にめり込む虞がある。引出し部102aがコンデンサ素子100にめり込むと、コンデンサ素子100の誘電体層103にクラック等が生じて、漏れ電流が増大してしまう。
そこで本発明の目的は、漏れ電流が発生しにくい固体電解コンデンサを提供することである。
本発明に係る固体電解コンデンサは、コンデンサ素子と、該コンデンサ素子を被覆する外装樹脂とを具え、前記コンデンサ素子は、陽極リードが引き出された陽極体と、該陽極体の表面に形成された誘電体層と、該誘電体層上に形成された陰極層とを有している。
前記陽極リードの内、前記陽極体から引き出されている引出し部には、その側面に突起部が形成され、該突起部は前記外装樹脂に埋設されている。
具体的構成において、前記コンデンサ素子の外周面のうち前記陽極リードの引出し部が引き出されている面と、前記突起部との間には、前記外装樹脂の一部及び該外装樹脂とは異なる樹脂層の少なくとも何れか一方が介在している。
上記固体電解コンデンサによれば、外装樹脂が硬化収縮することによって、陽極リードに対してその軸方向に応力がかかった場合、即ち、陽極リードの先端面がコンデンサ素子に向けて押圧された場合であっても、突起部が、該突起部とコンデンサ素子との間に介在する外装樹脂又は樹脂層によって受け止められるので、陽極リードの引出し部がコンデンサ素子にめり込むことが抑制される。よって、外装樹脂が硬化収縮した場合であっても、コンデンサ素子の誘電体層にクラック(欠陥)等が発生しにくい。
更に具体的な構成において、前記突起部は棒状を呈し、該突起部は、その外周面が前記陽極リードの引出し部の側面に接触した状態で該陽極リードに固定されている。
或いは、前記突起部は筒状を呈し、該突起部は、前記陽極リードの引出し部の側面に沿って嵌め込まれた状態で該引出し部に固定されている。
他の具体的な構成において、上記固体電解コンデンサは、前記陽極リードに電気的に接続される陽極端子を更に具え、該陽極端子と前記突起部には、これらを互いに電気的に接続するための金属ワイヤが接続されている。
前記突起部は、前記金属ワイヤとの半田付けが可能な金属から構成され、該突起部には、金属ワイヤが半田付けによって接続されている。
該具体的構成によれば、半田付けによって突起部に金属ワイヤを接続することが可能であるので、陽極リードの引出し部と陽極端子とを溶接によって電気的に接続する場合に比べて、陽極リードの引出し部に対して加わる力が抑制され、その結果、該引出し部の根元に加わる応力が低減されることとなる。よって、陽極リードと陽極端子とを電気的に接続する過程においても、誘電体層にクラック(欠陥)等が発生しにくい。
本発明に係る固体電解コンデンサの製造方法は、陽極体形成工程と、陽極部作製工程と、コンデンサ素子作製工程と、外装樹脂形成工程とを有する。
陽極部形成工程では、陽極リードが引き出された陽極体を形成する。
陽極部作製工程では、前記陽極リードの内、前記陽極体から引き出されている引出し部の側面に形成された突起部を有し、該陽極体の外周面の内、前記陽極リードの引出し部が引き出されている面から離間した位置に前記突起部が配置されている陽極部を作製する。
コンデンサ素子形成工程では、前記陽極部作製工程の後、前記陽極体の表面に誘電体層及び陰極層をこの順に形成してコンデンサ素子を作製する。
外装樹脂形成工程では、軟化した樹脂材を用いて、該樹脂材内に前記突起部が埋設される様に前記コンデンサ素子を被覆した後、該樹脂材を硬化させることによって該コンデンサ素子を被覆した外装樹脂を形成する。具体的に、この工程では、前記コンデンサ素子の外周面のうち前記陽極リードの引出し部が引き出されている面と、前記突起部と間に、軟化した樹脂材の一部を介在させる。
上記固体電解コンデンサの製造方法によれば、コンデンサ素子形成工程で誘電体層を形成する前に、突起部を陽極部作製工程において形成することにより、該突起部の形成が原因となって誘電体層にクラック(欠陥)等が発生することが防止されることとなる。
具体的構成において、上記固体電解コンデンサの製造方法は、樹脂層形成工程を更に有する。
樹脂層形成工程では、前記外装樹脂形成工程の前に、該外装樹脂形成工程で形成される外装樹脂とは異なる樹脂層を、前記陽極リードの引出し部の根元部分に形成することによって、陽極リードの引出し部の根元部分の周囲に生じた隙間を塞ぐ。
該具体的構成によれば、外装樹脂形成工程で用いられる軟化した樹脂材が、陽極リードの引出し部の根元部分の周囲に生じた隙間からコンデンサ素子の内部に浸み込むことが、樹脂層によって防止される。又、外装樹脂形成工程で用いた樹脂材が硬化した後においては、何らかの事情で陽極リードの引出し部に力が加わったとしても、根元部分への応力の集中が樹脂層によって緩和される。
更に、作製された固体電解コンデンサにおいては、樹脂層は、突起部とコンデンサ素子の前面との間に位置することとなるので、樹脂層を構成する材質として軟らかい樹脂材を用いた場合でも、該樹脂材が陽極リードの側面を伝って外装樹脂の表面に浸み出すことが、突起部によって抑制されることとなる。
本発明によれば、漏れ電流の発生を防止することが可能になる。
以下、本発明の実施の形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
1.固体電解コンデンサの構成
図1は、本発明の一実施形態に係る固体電解コンデンサを示す断面図である。図1に示される固体電解コンデンサは、コンデンサ素子1、突起部16、コンデンサ素子1と突起部16を被覆する外装樹脂2、陽極端子3、陰極端子4、及び樹脂層6によって構成されている。外装樹脂2には、エポキシ樹脂等の樹脂材が用いられる。尚、図1では、樹脂層6の図示が省略されている。
<コンデンサ素子及び突起部>
コンデンサ素子1は、図1に示される様に、陽極体11、陽極リード12、誘電体層13、電解質層14、及び陰極層15を具えている。陽極体11は、弁作用を有する金属から成る多孔質焼結体によって構成されている。
尚、弁作用を有する金属からなる多孔質焼結体に替えて、焼結プロセスに依存しないポーラス金属材や三元網状金属材等の多孔質体を、陽極体11として用いてもよい。
陽極リード12は、陽極体11から引き出されており、その一部12a(以下、引出し部12aという。)が陽極体11の1つの面11aから引き出されると共に、残りの部分12bが陽極体11内に埋設されている。そして、陽極リード12は、陽極体11を構成する金属と同種或いは異種の弁作用を有する金属によって構成されており、陽極体11と電気的に接続している。
弁作用を有する金属には、例えばチタン、タンタル、アルミニウム、ニオブ、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス、アンチモン等を用いることが出来る。特に、チタン、タンタル、アルミニウム、ニオブは、酸化物の誘電率が高く、且つ入手が容易な金属であるため、陽極体11及び陽極リード12を構成する材質として好ましい。但し、陽極体11及び陽極リード12を構成する材質は、例示した金属に限られるものではなく、酸化被膜を形成することが出来る金属であればよい。
誘電体層13は、陽極体11の表面、即ち陽極体11を構成する多孔質焼結体の外周面と該多孔質焼結体に形成されている孔(以下、多孔質焼結体の孔という。)の内壁とに形成されている。具体的には、陽極体11を酸化することにより、陽極体11を構成する多孔質焼結体の外周面と該多孔質焼結体の孔の内壁とに、誘電体層13となる酸化被膜が形成される。尚、図1では、誘電体層13の内、陽極体11の外周面に存在する部分だけが示されている。
陽極体11を構成する金属がニオブである場合には、誘電体層13の誘電率は、該金属がタンタルである場合に比べて1.5倍程度まで大きくなる。又、陽極体11を構成する金属がチタンである場合には、誘電体層13の誘電率は、該金属がタンタルである場合に比べて2〜3倍程度まで大きくなる。
誘電体層13の厚みは、10nm以上500nm以下であることが好ましい。誘電体層13の厚みが500nmよりも大きいと、静電容量が低下したり、誘電体層13が陽極体11の表面から剥離したりする虞がある。又、誘電体層13の厚みが10nmよりも小さいと、耐電圧が低下したり、漏れ電流が増大したりする虞がある。
電解質層14は、誘電体層13の表面、即ち陽極体11を構成する多孔質焼結体の外周面及び該多孔質焼結体の孔の内壁に形成されている誘電体層13の表面に形成されている。尚、図1では、電解質層14の内、陽極体11の外周面上に存在する部分だけが示されている。
電解質層14を構成する材質には、導電性無機材料、TCNQ(Tetracyano-quinodimethane)錯塩、導電性ポリマー等が用いられる。又、導電性無機材料には二酸化マンガン等が用いられ、導電性ポリマーには、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン等が用いられる。
陰極層15は、カーボン層と銀ペースト層から構成されており、カーボン層は、電解質層14の表面に形成され、銀ペースト層はカーボン層の表面に形成されている。これにより、陰極層15は、電解質層14と電気的に接続している。
本実施の形態では、図1に示される様に陰極層15は、コンデンサ素子1の外周面の内、陽極リード12が引き出されている面1aとは異なる領域に形成されており、コンデンサ素子1の面1aには電解質層14の一部が露出している。
図2は、図1に示される固体電解コンデンサについて、陽極リード12の引出し部12a近傍の部分を拡大して示した斜視図である。尚、図2では、外装樹脂2の図示が省略されている。
図2に示される様に、陽極リード12の引出し部12aには、その側面に突起部16が形成されている。具体的には、突起部16は、円柱状を呈する金属片によって構成されており、該突起部16は、その外周面が陽極リード12の引出し部12aの側面に横方から接触すると共に、その軸方向92が陽極リード12の軸方向91と略垂直な方向を向く様に、陽極リード12に固定されている。
そして、コンデンサ素子1の外周面のうち陽極リード12が引き出されている面1aと、突起部16との間には、図1に示される様に、外装樹脂2の一部が介在している。斯くして突起部16は、コンデンサ素子1との間に隙間を生じる様に陽極リード12に配置され、外装樹脂2に埋設されている。
尚、突起部16は、円柱状に限らず他の形状であってもよい。突起部16の形状が円柱状である場合、陽極リード12への突起部16の取り付けが容易となる。突起部16の他の形状として、棒状、球状、円錐状、四角錐状、楕円体等、種々の形状を採用することが可能である。つまり、突起部16は、コンデンサ素子1との間に隙間を生じる様に配置することが出来、且つ外装樹脂2に埋設することが出来るものであればよい。
図3は、図1に示される固体電解コンデンサについて、陽極リード12の引出し部12a近傍の部分を横方から見た平面図である。尚、図3では、外装樹脂2の図示が省略されている。
陽極リード12の引出し部12aの根元部分と陽極体11との間には、陽極体11及び陽極リード12の焼成時に隙間が生じ易く、生じた隙間は、誘電体層13や電解質層14を形成した後も、誘電体層13や電解質層14によって埋められることなく残存する場合がある。
そこで、図3に示される様に樹脂層6を、陽極リード12の引出し部12aの根元部分に形成することにより、該根元部分の周囲に生じた隙間(図示せず)は、樹脂層6によって塞がれることとなる。樹脂層6を構成する材質には、シリコン樹脂やエポキシ樹脂等の樹脂材が用いられる。
<陽極端子及び陰極端子>
陽極端子3及び陰極端子4はそれぞれ、図1に示される様に外装樹脂2に埋設され、外装樹脂の下面2bに露出した陽極端子面31及び陰極端子面41を有している。尚、陽極端子3及び陰極端子4の材質には、ニッケル等の導電性材料が用いられる。
具体的には、陽極端子3は、その一端32が陽極リード12の引出し部12aに電気的に接続されると共に、外装樹脂2の表面の内、コンデンサ素子1の面1aと対向する面2aに引き出されている。そして、陽極端子3は、外装樹脂の面2aを通って外装樹脂2の下面2bに引き回されており、陽極端子面31を外装樹脂2の下面2bから露出させている。
一方、陰極端子4は、その一端42がコンデンサ素子1の陰極層15に導電性接着剤8を介して電気的に接続されると共に、外装樹脂2の表面の内、面2aとは反対側の面2cに引き出されている。そして、陰極端子4は、外装樹脂2の面2cを通って外装樹脂2の下面2bに引き回されており、陰極端子面41を外装樹脂2の下面2bから露出させている。
2.固体電解コンデンサの製造方法
次に、上記固体電解コンデンサの製造方法について説明する。該製造方法では、陽極体形成工程、陽極部作製工程、コンデンサ素子作製工程、端子接続工程、樹脂層形成工程及び外装樹脂形成工程がこの順に実行される。
陽極体形成工程では、弁作用を有する金属粉を直方体に成型して成型体を形成する。その後、陽極リード12の一部(引出し部12a)が成型体から引き出される様に、陽極リード12の残りの部分12bを成型体に埋設し、その状態で成型体を焼結させる。これにより、成型体から多孔質焼結体が形成され、該多孔質焼結体によって、面11aから陽極リード12が引き出された陽極体11が構成されることとなる。
陽極部作製工程では、陽極リード12の引出し部12aの側面に、突起部16となる円柱状の金属片を溶接によって固定することにより、陽極体11、陽極リード12及び突起部16から構成される陽極部を作製する。
このとき、突起部16は、その外周面が陽極リード12の引出し部12aの側面に横方から接触すると共に、その軸方向92が陽極リード12の軸方向91と垂直な方向を向く様に配置される。又、突起部16は、次の様な位置に配置される。即ち、後述するコンデンサ素子形成工程においてコンデンサ素子1を作製したときに、コンデンサ素子1の外周面のうち引出し部12aが引き出されている面1aから突起部16が離間する様に、突起部16は引出し部12aの側面に配置される。
例えば、陽極リード12の直径が0.3mmである場合には、突起部16には、直径が陽極リード12と同じ0.3mmで、長さが0.8mmの円柱状の金属片が用いられ、突起部16は、突起部16の中心を通る軸とコンデンサ素子1の面1aとの距離が0.4mmとなる様に配置される。この場合、突起部16とコンデンサ素子1の面1aとの間にはスペースが形成され、該スペースの幅d(図1参照)は0.25mmとなる。
陽極リード12の直径と同じ直径を有する突起部16を用いることにより、陽極リード12に突起部16を溶接し易くなる。
コンデンサ素子作製工程は、上記陽極部作製工程の後に実行される工程であり、誘電体層形成工程、電解質層形成工程、及び陰極層形成工程を有する。
誘電体層形成工程では、陽極体11を、リン酸水溶液等の電解溶液に浸して電気化学的に酸化させる(陽極酸化)。このとき、電解溶液は、陽極体11を構成する多孔質焼結体の孔の内部にまで浸透するので、多孔質焼結体の外周面だけでなく、多孔質焼結体の孔の内壁にも酸化被膜が形成され、該酸化被膜によって誘電体層13が構成されることとなる。
電解質層形成工程では、陽極体11の表面に形成されている誘電体層13の表面に、導電性無機材料、TCNQ錯塩、導電性ポリマー等の電解質を塗布することにより、陽極体11の外周面上に電解質層14が形成される。
塗布された電解質の一部は、多孔質焼結体の孔の内部に浸透し、該孔の内壁に形成されている誘電体層13の表面をも覆うので、多孔質焼結体の内部においても、誘電体層13の表面に電解質層14が形成されることとなる。
陰極層形成工程では、電解質層14上にカーボンペーストを塗布して乾燥することにより、カーボン粒子を含んだカーボン層を形成する。尚、本実施の形態ではカーボン層は、電解質層14の外周面の内、引出し部12aが引き出されている面とは異なる領域に形成される。
その後、カーボン層の表面に銀ペーストを塗布して乾燥することによって、銀粒子を含んだ銀ペースト層を形成する。これにより、陰極層15が形成される。
端子接続工程では、陽極端子3の一端32を、陽極リード12の引出し部12aに溶接によって電気的に接続する。尚、陽極端子3を陽極リード12に溶接する前に、コンデンサ素子1の面1aからの引出し部12aの長さが1.4〜1.5mmとなる様に、陽極リード12の先端部を切断する。
又、陰極端子4の一端42を、コンデンサ素子1の陰極層15に導電性接着材8によって電気的に接続する。
樹脂層形成工程では、例えばシリコン樹脂やエポキシ樹脂等の樹脂材を、陽極リード12の引出し部12aの根元部分に塗布することにより、外装樹脂2とは異なる樹脂層6を形成する。これにより、該根元部分の周囲に生じた隙間が、樹脂層6によって塞がれる。
外装樹脂形成工程では、予備加熱により軟化したエポキシ樹脂等の樹脂材によってコンデンサ素子1を被覆すると共に、コンデンサ素子1の内、陽極リード12の引出し部12aが引き出されている面1aと、突起部16との間に形成されているスペースを、軟化した樹脂材の一部によって充填した後、樹脂材を160℃で90秒間保持して熱硬化させることにより、外装樹脂2を形成する。
その後、陽極端子3を外装樹脂2の面2aと下面2bに沿って折り曲げ、陰極端子4を外装樹脂2の面2cと下面2bに沿って折り曲げる。これにより、外装樹脂2の下面2bに、陽極端子3の陽極端子面31及び陰極端子4の陰極端子面41が形成されることとなる。斯くして、図1に示される固体電解コンデンサが作製される。
3.効果及びその検証
3−1.効果
上記固体電解コンデンサによれば、外装樹脂2が硬化収縮することによって、陽極リード12に対してその軸方向91に応力がかかった場合、即ち、陽極リード12の先端面12c(図1参照)がコンデンサ素子1に向けて押圧された場合であっても、突起部16が、該突起部16とコンデンサ素子1との間に介在する外装樹脂2によって受け止められるので、陽極リード12の引出し部12aがコンデンサ素子1にめり込むことが抑制される。よって、外装樹脂2が硬化収縮した場合であっても、コンデンサ素子1の誘電体層13にクラック(欠陥)等が発生しにくい。
但し、コンデンサ素子1の面1aと突起部16との間に介在する樹脂材も硬化収縮するため、陽極リード12の引出し部12aは、該樹脂材の収縮量分だけコンデンサ素子1にめり込むこととなる。このため、コンデンサ素子1の面1aと突起部16との間のスペースの幅dは小さい方が良い。即ち、スペースの幅dが小さい程、該スペースに充填された樹脂材の収縮量は小さくなり、コンデンサ素子1の誘電体層13にクラック(欠陥)等が発生しにくくなる。
好ましくは、スペースに充填された樹脂材の収縮量を0.2mm以下とすべきである。外装樹脂2に用いられる樹脂材の収縮率は0.2〜0.5%程度であるので、例えばスペースの幅dが0.25mmである場合には、該スペースに充填された樹脂材の収縮量は、0.5〜1.25μm程度である。又、スペースの幅dが0.4mmである場合には、該スペースに充填された樹脂材の収縮量は、0.8〜2μm程度である。
しかし、スペースの幅dを小さくし過ぎると、突起部16のサイズや固定される位置にバラツキが生じた場合に、突起部16が陰極層15に接触してショートする虞がある。
このため、上記固体電解コンデンサにおいては、コンデンサ素子1の面1aと突起部16との間にスペースを設けることにより、突起部16のサイズや固定される位置にバラツキが生じた場合でも、突起部16が陰極層15に接触することがないようにしている。
突起部16と陰極層15との接触を確実に防止するためには、スペースの幅dを0.1mm以上にしておくことが好ましい。
よって、誘電体層13へのクラック(欠陥)等の発生と、突起部16と陰極層15との接触の両方を防止するためには、スペースの幅dを0.1〜0.4mmにすることが好ましい。
本実施の形態においては、コンデンサ素子形成工程で誘電体層13を形成する前に、突起部16が、陽極部作製工程において溶接によって陽極リード12に固定されているので、陽極リード12への突起部16の固定が原因となって誘電体層13にクラック(欠陥)等が発生することが防止されることとなる。
又、誘電体層13にクラック等を発生させずに突起部16を陽極リード12に溶接することができるので、突起部16と陽極リード12との溶接強度を高めることが出来る。よって、外装樹脂2が硬化収縮することにより突起部16に応力がかかっても、突起部16が陽極リード12から外れてしまうことがない。
更に本実施の形態においては、外装樹脂形成工程が実行される前に、樹脂層形成工程において樹脂層6が形成され、該樹脂層6によって、陽極リード12の引出し部12aの根元部分の周囲に生じた隙間が塞がれている。従って、外装樹脂形成工程で用いられる軟化した樹脂材が、該隙間からコンデンサ素子1の内部に浸み込むことがない。
又、外装樹脂形成工程で用いた樹脂材が硬化した後においては、何らかの事情で陽極リード12の引出し部12aに力が加わったとしても、根元部分への応力の集中が樹脂層6によって緩和される。
尚、外装樹脂形成工程において軟化した樹脂材がコンデンサ素子1の内部に隙間から浸み込む虞がない場合や、浸み込んだとしてもコンデンサ素子1の特性に影響がない場合、更には樹脂材が硬化した後においては引出し部12aの根本部分に応力が殆ど集中しない場合には、上述した樹脂層6を形成しなくてもよく、従って製造方法において樹脂層形成工程を設けなくてもよい。
樹脂層6を形成しなかった場合でも、突起部16を設けたことによる効果、即ち陽極リード12の引出し部12aがコンデンサ素子1にめり込むことが抑制されるという効果が妨げられることはない。
更に、作製された固体電解コンデンサにおいては、樹脂層6は、コンデンサ素子1の面1aと突起部16との間に位置することとなる。従って、樹脂層6を構成する材質として軟らかい樹脂材を用いた場合でも、該樹脂材が陽極リード12の側面を伝って外装樹脂2の表面に浸み出すことが、突起部16によって抑制されることとなる。
3−2.効果の検証
下掲の表1は、上記効果を検証するための実験の結果を示したものである。該検証実験では、図1に示される固体電解コンデンサであってスペースの幅dがそれぞれ0.25mm及び0.65mmであるサンプルS1及びサンプルS2と、突起部16がない比較サンプルXをそれぞれ10個ずつ用意した。そして、各サンプルに対して10Vの電圧を印加して、印加開始から300秒後の時点における漏れ電流を測定した。尚、表1では、10個のサンプルに対する漏れ電流の平均値が示されている。
<サンプルS1,S2の作製>
サンプルS1,S2のいずれについても、上述した固体電解コンデンサの製造方法と同じ方法で作製した。具体的には、まず陽極体形成工程において、1次粒子の粒径が約0.5μmのニオブ金属粉を直方体に成型し、この成型体から陽極リード12の一部(引出し部)12aを引き出した状態で、該成型体を真空中で焼結させた。これにより、陽極体11となる多孔質焼結体を形成した。
尚、本実験では、多孔質焼結体の高さを約4.4mm、幅を約1.0mm、長さを約3.3mmとした。又、陽極リード12には、ニオブから形成された直径0.3mmのリードを用いた。
陽極部作製工程では、陽極リード12の引出し部12aの側面に、突起部16となる円柱状の金属片を溶接によって固定した。このとき、該突起部16を、その外周面が陽極リード12の引出し部12aの側面に横方から接触すると共に、その軸方向92が陽極リード12の軸方向91と略垂直な方向を向く様に配置した。
尚、突起部16には、直径が0.3mm、長さが0.8mmであって、ニオブから成る円柱状の金属片を用いた。尚、突起部16の直径は、陽極リード12の直径と同じである。
そして、サンプルS1については、突起部16を、突起部16の中心を通る軸とコンデンサ素子1の面1aとの距離が0.4mmとなる様に配置した。つまり、突起部16とコンデンサ素子1の面1aとの間に形成されるスペースの幅d(図1参照)を0.25mmとした。
又、サンプルS2については、突起部16を、突起部16の中心を通る軸とコンデンサ素子1の面1aとの距離が0.8mmとなる様に配置した。つまり、突起部16とコンデンサ素子1の面1aとの間に形成されるスペースの幅d(図1参照)を0.65mmとした。
コンデンサ素子作製工程では、誘電体層形成工程において、陽極体11である多孔質焼結体を、約30℃に保たれたリン酸水溶液(約0.4wt%)に浸漬させて、50Vの電圧を10時間印加することによって、誘電体層13を多孔質焼結体の表面に形成した。
そして、電解質層形成工程において、化学重合法によって、ポリピロールを誘電体層13の表面に塗布することによって、誘電体層13の表面に電解質層14を形成した。
その後、陰極層形成工程において、カーボンペースト及び銀ペーストを順に塗布・乾燥させることによって、陰極層15を構成するカーボン層及び銀ペースト層を形成した。
コンデンサ素子作製工程で作製されたコンデンサ素子1を用いて、端子接続工程では、陽極端子3を、溶接によって陽極リード12の引出し部12aに電気的に接続し、陰極端子4を、コンデンサ素子1の陰極層15に導電性接着材8によって電気的に接続した。
樹脂層形成工程では、95℃で予備加熱(30分間)したモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ製のシリコン樹脂TSE3051Lを、ディスペンサを用いて、陽極リード12の引出し部12aの根元部分に塗布した。そして、シリコン樹脂TSE3051Lを100℃で硬化(30分間)させることによって、樹脂層6を形成した。尚、硬化したTSE3051Lの針入度は65である。
尚、サンプルS1については、樹脂層6を、陽極リード12の側面に沿って、コンデンサ素子1の面1aから突起部16まで形成した。一方、サンプルS2については、樹脂層6を、陽極リード12の側面に沿って、コンデンサ素子1の面1aから0.6mm離れた位置まで形成した。
外装樹脂形成工程では、トランスファーモールド法を用いて、エポキシ樹脂及びイミダゾール化合物を含む封止材によってコンデンサ素子1を被覆することにより、外装樹脂2を形成した。具体的には、160℃に予備加熱した封止材を80kg/cmの圧力で金型内に注入することにより、コンデンサ素子1を封止材によって被覆した。そして、金型内において封止材を160℃で硬化(90秒)させた。
<比較サンプルXの作製>
比較サンプルXは、上述したサンプルS2の製造方法と同じ方法で作製した。但し、比較サンプルXの作製においては、陽極部作製工程は省略した。つまり、比較サンプルXは、従来の固体電解コンデンサであり、陽極リード12に突起部16がない形態のものである(図16参照。図16では陽極リードに符号102が付されている)。
<実験結果>
サンプルS1,S2及び比較サンプルXの漏れ電流を測定した結果、漏れ電流は、表1に示されるようにサンプルS1で32μA、サンプルS2で83μA、サンプルXで91μAとなった。
サンプルS1,S2を比較サンプルXと比較すると、サンプルS1,S2において漏れ電流の発生が防止されていることがわかる。これは、サンプルS1,S2において、突起部16が、該突起部16とコンデンサ素子1との間に介在する外装樹脂2によって受け止められ、コンデンサ素子1の誘電体層13にクラック(欠陥)等が発生しにくくなっているからであると考えられる。
更に、サンプルS1とサンプルS2と比較すると、サンプルS1において漏れ電流が顕著に低減されていることがわかる。これは、サンプルS1において、コンデンサ素子1の面1aと突起部16との間のスペースの幅dを小さくすることにより、該スペースに充填された樹脂材の収縮量が小さくなったため、誘電体層13に発生するクラック(欠陥)等の数が顕著に低減されたからであると考えられる。
Figure 2010153690
4.変形例
4−1.変形例1
図4(a)は、本変形例に係る固体電解コンデンサの一例を横方から見た平面図であり、図4(b)は、該固体電解コンデンサの斜視図である。
図4(a)及び図4(b)に示される様に、円柱状を呈する突起部16は、その外周面が陽極リード12の引出し部12aの側面に上方から接触すると共に、その軸方向92が陽極リード12の軸方向91と略垂直な方向を向く様に、陽極リード12に固定されてもよい。
図5(a)は、本変形例に係る固体電解コンデンサの他の例を横方から見た平面図であり、図5(b)は、該固体電解コンデンサの斜視図である。
図5(a)及び図5(b)に示される様に、円柱状を呈する2つの突起部16が陽極リード12の側面に固定されてもよい。本変形例においては、一方の突起部16は、その外周面が陽極リード12の引出し部12aの側面に上方から接触し、他方の突起部16は、その外周面が陽極リード12の引出し部12aの側面に下方から接触している。そして、2つの突起部16,16の何れについても、それらの軸方向92は、陽極リード12の軸方向91と略垂直な方向を向いている。
本変形例に係る固体電解コンデンサによれば、上記一例及び他の例の何れにおいても、図1に示される固体電解コンデンサと同様に、コンデンサ素子1の誘電体層13にクラック(欠陥)等が発生しにくくなる。
図10及び図11はそれぞれ、上記一例及び他の例に係る固体電解コンデンサにおける樹脂層6の状態を示す平面図である。図10及び図11に示される様に、本変形例に係る固体電解コンデンサにおいても、樹脂層6を構成している樹脂材が陽極リード12の側面を伝って外装樹脂2の表面に浸み出すことが、突起部16によって防止される。
但し、上記他の例に係る固体電解コンデンサ(図5)の方が、上記一例に係る固定電解コンデンサ(図4)よりも多くの突起部16が陽極リード12に固定されているので、樹脂層6を構成している樹脂材が、図11に示す様にコンデンサ素子1の面1aと突起部16との間のスペースに留まりやすくなっている。
4−2.変形例2
図6(a)は、本変形例に係る固体電解コンデンサを横方から見た平面図であり、図6(b)は、該固体電解コンデンサの斜視図である。
図6(a)及び図6(b)に示される様に、円柱状を呈する突起部16は、その外周面が陽極リード12の引出し部12aの側面に上方から接触すると共に、その軸方向92が陽極リード12の軸方向91と略平行となる様に、陽極リード12に固定されてもよい。
本変形例に係る固体電解コンデンサにおいても、図1に示される固体電解コンデンサと同様に、コンデンサ素子1の誘電体層13にクラック(欠陥)等が発生しにくくなる。しかも、図1に示される固体電解コンデンサに比べて、突起部16と陽極リード12との接触面積が大きくなるので、突起部16と陽極リード12との溶接強度を高めることが出来る。よって、外装樹脂2が硬化収縮することにより突起部16に応力がかかっても、突起部16が陽極リード12から外れてしまうことがない。
図12は、本変形例に係る固体電解コンデンサにおける樹脂層6の状態を示す平面図である。図12に示される様に、本変形例に係る固体電解コンデンサにおいても、樹脂層6を構成している樹脂材が陽極リード12の側面を伝って外装樹脂2の表面に浸み出すことが、突起部16によって防止される。
4−3.変形例3
図7(a)は、本変形例に係る固体電解コンデンサを横方から見た平面図であり、図7(b)は、該固体電解コンデンサに係るコンデンサ素子1の面1aを、陽極リード12の軸方向91から見た平面図である。
図7(a)及び図7(b)に示される様に、突起部16は筒状を呈し、該突起部16は、陽極リード12の引出し部12aの側面に沿って嵌め込まれた状態で引出し部12aに固定されてもよい。この場合、陽極部作製工程においては、突起部16の内周面が引出し部12aの側面に溶接されることとなる。尚、筒状の突起部16は、かしめ加工によって引出し部12aの側面に固定されてもよい。
筒状の突起部16には、例えば真鍮チューブが用いられる。又、陽極リード12の直径が0.3mmである場合には、筒状を呈する突起部16には、例えば内径が0.4mm、外径が0.6mmのサイズのものが用いられる。
本変形例に係る固体電解コンデンサにおいても、図1に示される固体電解コンデンサと同様に、コンデンサ素子1の誘電体層13にクラック(欠陥)等が発生しにくくなる。
図13は、本変形例に係る固体電解コンデンサにおける樹脂層6の状態を示す平面図である。図13に示される様に、本変形例に係る固体電解コンデンサにおいては、突起部16が陽極リード12の軸周り全体に形成されることとなるので、樹脂層6を構成している樹脂材は、コンデンサ素子1の面1aと突起部16との間のスペースに留まることとなる。従って、樹脂層6を構成している樹脂材が陽極リード12の側面を伝って外装樹脂2の表面に浸み出すことが、突起部16によって抑制されることとなる。
4−4.変形例4
図8(a)は、本変形例に係る固体電解コンデンサの一例を横方から見た平面図であり、図8(b)は、該固体電解コンデンサに係るコンデンサ素子1の面1aを、陽極リード12の軸方向91から見た平面図である。
図8(a)及び図8(b)に示される様に、金属ワイヤ5によって陽極端子3と陽極リード12とが電気的に接続されてもよい。具体的には、突起部16は筒状を呈し、金属ワイヤ5との半田付けが可能な金属、例えば真鍮、鉄、鋼などから構成されている。突起部16には、金属ワイヤ5が半田付けによって接続されると共に、金属ワイヤ5を介して陽極端子3が電気的に接続されている。尚、図8(a)及び図8(b)には半田が符号51によって示されている。
金属ワイヤ5による陽極端子3と陽極リード12との接続には、半田付けに限らず、超音波接合などを用いることも可能である。
図9(a)は、本変形例に係る固体電解コンデンサの他の例を横方から見た平面図であり、図9(b)は、該固体電解コンデンサの斜視図である。金属ワイヤ5との半田付けが可能な金属から構成された突起部16は、図9(a)及び図9(b)に示される様に、円柱状を呈していてもよい。
陽極リード12にニオブやタンタルを用いた場合、陽極リード12に金属ワイヤ5を半田付けによって取り付けることが困難であった。しかし、本変形例によれば、突起部16に半田付けが可能な金属材料、例えば真鍮、鉄、鋼などを用いることにより、半田付けによって金属ワイヤ5を陽極リード12に接続することが可能となる。
従って、本変形例に係る固体電解コンデンサによれば、上記一例及び他の例の何れにおいても、半田付けによって突起部16に金属ワイヤ5を接続することが可能であるので、陽極リード12の引出し部12aと陽極端子3とを溶接によって電気的に接続する場合に比べて、陽極リード12の引出し部12aに対して加わる力が抑制され、その結果、該引出し部12aの根元に加わる応力が低減されることとなる。よって、陽極リード12と陽極端子3とを電気的に接続する過程においても、誘電体層13にクラック(欠陥)等が発生しにくい。
又、本変形例に係る固体電解コンデンサにおいても、図1に示される固体電解コンデンサと同様、外装樹脂2が硬化収縮した場合であってもコンデンサ素子1の誘電体層13にクラック(欠陥)等が発生しにくい。
図14及び図15はそれぞれ、上記一例及び他の例に係る固体電解コンデンサにおける樹脂層6の状態を示す平面図である。図14及び図15に示される様に、本変形例に係る固体電解コンデンサにおいても、樹脂層6を構成している樹脂材が陽極リード12の側面を伝って外装樹脂2の表面に浸み出すことが、突起部16によって防止される。
4−5.変形例5
上述した実施の形態では、陽極体形成工程で成型体を焼結させて多孔質焼結体を形成した後に、突起部16を、陽極部形成工程において溶接によって陽極リード12に固定したが、突起部16として金属片を用いる場合には、成型体を焼結させる前に、突起部16を溶接によって陽極リード12に固定することが可能である。なぜなら、成型体を焼結させる温度では、突起部16となる金属片は変形しないからである。
これにより、陽極リード12への突起部16の固定が原因となってコンデンサ素子1が損傷すること、特に陽極体11が損傷することが防止されることとなる。
又、成型体を焼結させる前に突起部16を陽極リード12に固定した場合、成型体の焼結時に加わる熱を利用して、陽極リード12と突起部16との接着強度を更に高めることが出来る。
尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。例えば、突起部16の形状及び陽極リード12への固定の態様は、上述したものに限られるものではなく、コンデンサ素子1の面1aと突起部16との間に介在した外装樹脂2によって突起部16を受け止めることが出来るものであれば、種々の形状及び固定の態様を採用することが出来る。
又、突起部16には、固体電解コンデンサの製造過程で発生する陽極リードの切れ端を利用することが出来る。これにより、資源を有効に活用することが出来、固体電解コンデンサの製造コストを低減することが出来る。
又、陽極リード12と突起部16とを一体に形成してもよい。
更には、突起部16が弁作用金属により構成されている場合、陽極酸化により、突起部16の露出表面にも誘電体層を形成することが出来る。このような場合、突起部16と陰極層15との接触を、突起部16に形成された誘電体層によって抑制することが出来る。又、突起部16に形成された誘電体層13の表面にも、電解質層14及び陰極層15を形成してもよい。
更に又、コンデンサ素子1の外周面のうち陽極リード12が引き出されている面1aと、突起部16との間には、樹脂層6のみを介在させてもよい。この場合、樹脂層6には、外装樹脂2と同程度又はそれよりも軟らかい材質が用いられる。これにより、コンデンサ素子1の面1aと突起部16との間に外装樹脂2の一部を介在させた場合と同様、突起部16は樹脂層6によって受け止められるので、陽極リード12の引出し部12aがコンデンサ素子1にめり込むことが抑制される。
本発明の一実施形態に係る固体電解コンデンサを示す断面図である。 該固体電解コンデンサについて、陽極リードの引出し部近傍の部分を拡大して示した斜視図である。 該固体電解コンデンサについて、陽極リードの引出し部近傍の部分を横方から見た平面図である。 (a)変形例1に係る固体電解コンデンサの一例を横方から見た平面図、及び(b)該固体電解コンデンサの斜視図である。 (a)変形例1に係る固体電解コンデンサの他の例を横方から見た平面図、及び(b)該固体電解コンデンサの斜視図である。 (a)変形例2に係る固体電解コンデンサを横方から見た平面図、及び(b)該固体電解コンデンサの斜視図である。 (a)変形例3に係る固体電解コンデンサを横方から見た平面図、及び(b)該固体電解コンデンサの斜視図である。 (a)変形例4に係る固体電解コンデンサの一例を横方から見た平面図、及び(b)該固体電解コンデンサの斜視図である。 (a)変形例4に係る固体電解コンデンサの他の例を横方から見た平面図、及び(b)該固体電解コンデンサの斜視図である。 上記変形例1に係る固体電解コンデンサの一例における樹脂層の状態を示す平面図である。 上記変形例1に係る固体電解コンデンサの他の例における樹脂層の状態を示す平面図である。 上記変形例2に係る固体電解コンデンサにおける樹脂層の状態を示す平面図である。 上記変形例3に係る固体電解コンデンサにおける樹脂層の状態を示す平面図である。 上記変形例4に係る固体電解コンデンサの一例における樹脂層の状態を示す平面図である。 上記変形例4に係る固体電解コンデンサの他の例における樹脂層の状態を示す平面図である。 従来の固体電解コンデンサを示す断面図である。 該固体電解コンデンサについて、陽極リードの引出し部の根元部分を拡大して示した断面図である。
符号の説明
1 コンデンサ素子
11 陽極体
12 陽極リード
12a 引出し部
13 誘電体層
14 電解質層
15 陰極層
16 突起部
2 外装樹脂
3 陽極端子
31 陽極端子面
4 陰極端子
41 陰極端子面
5 金属ワイヤ
6 樹脂層

Claims (6)

  1. コンデンサ素子と、該コンデンサ素子を被覆する外装樹脂とを具え、前記コンデンサ素子は、陽極リードが引き出された陽極体と、該陽極体の表面に形成された誘電体層と、該誘電体層上に形成された陰極層とを有している固体電解コンデンサにおいて、
    前記陽極リードの内、前記陽極体から引き出されている引出し部には、その側面に突起部が形成され、該突起部は前記外装樹脂に埋設されていることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 前記コンデンサ素子の外周面のうち前記陽極リードの引出し部が引き出されている面と、前記突起部との間には、前記外装樹脂の一部及び該外装樹脂とは異なる樹脂層の少なくとも何れか一方が介在している請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 前記突起部は棒状を呈し、該突起部は、その外周面が前記陽極リードの引出し部の側面に接触した状態で該陽極リードに固定されている請求項1又は請求項2に記載の固体電解コンデンサ。
  4. 前記突起部は筒状を呈し、該突起部は、前記陽極リードの引出し部の側面に沿って嵌め込まれた状態で該引出し部に固定されている請求項1又は請求項2に記載の固体電解コンデンサ。
  5. 前記陽極リードに電気的に接続される陽極端子を更に具え、該陽極端子と前記突起部には、これらを互いに電気的に接続するための金属ワイヤが接続されている請求項1乃至請求項4の何れかに記載の固体電解コンデンサ。
  6. 陽極リードが引き出された陽極体を形成する陽極体形成工程と、
    前記陽極リードの内、前記陽極体から引き出されている引出し部の側面に形成された突起部を有し、該陽極体の外周面の内、前記陽極リードの引出し部が引き出されている面から離間した位置に前記突起部が配置されている陽極部を作製する陽極部作製工程と、
    前記陽極部作製工程の後、前記陽極体の表面に誘電体層及び陰極層をこの順に形成してコンデンサ素子を作製するコンデンサ素子形成工程と、
    軟化した樹脂材を用いて、該樹脂材内に前記突起部が埋設される様に前記コンデンサ素子を被覆した後、前記樹脂材を硬化させることによって前記コンデンサ素子を被覆する外装樹脂を形成する外装樹脂形成工程と
    を有する固体電解コンデンサの製造方法。
JP2008331996A 2008-09-30 2008-12-26 固体電解コンデンサ及びその製造方法 Pending JP2010153690A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008331996A JP2010153690A (ja) 2008-12-26 2008-12-26 固体電解コンデンサ及びその製造方法
US12/564,523 US8169774B2 (en) 2008-09-30 2009-09-22 Solid electrolytic capacitor and a method for manufacturing same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008331996A JP2010153690A (ja) 2008-12-26 2008-12-26 固体電解コンデンサ及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010153690A true JP2010153690A (ja) 2010-07-08

Family

ID=42572448

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008331996A Pending JP2010153690A (ja) 2008-09-30 2008-12-26 固体電解コンデンサ及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010153690A (ja)

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5282046U (ja) * 1975-12-17 1977-06-18
JPH0493012A (ja) * 1990-08-08 1992-03-25 Nec Corp 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JPH0518028U (ja) * 1991-08-13 1993-03-05 関西日本電気株式会社 チツプ型固体電解コンデンサ
JPH05291086A (ja) * 1992-04-14 1993-11-05 Matsushita Electric Ind Co Ltd チップ状固体電解コンデンサ
JPH08115852A (ja) * 1994-08-25 1996-05-07 Rohm Co Ltd 固体電解コンデンサにおけるコンデンサ素子の製造方法
JP2000243665A (ja) * 1999-02-17 2000-09-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd 固体電解コンデンサおよびその製造方法
JP2005216953A (ja) * 2004-01-27 2005-08-11 Tdk Corp 電解コンデンサ素子、電解コンデンサ及びこれらの製造方法
JP2006147738A (ja) * 2004-11-18 2006-06-08 Gunma Univ 固体電解コンデンサの電極接合方法およびその方法を使用して製造した固体電解コンデンサ
JP2008108931A (ja) * 2006-10-26 2008-05-08 Rohm Co Ltd 固体電解コンデンサおよびその製造方法

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5282046U (ja) * 1975-12-17 1977-06-18
JPH0493012A (ja) * 1990-08-08 1992-03-25 Nec Corp 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JPH0518028U (ja) * 1991-08-13 1993-03-05 関西日本電気株式会社 チツプ型固体電解コンデンサ
JPH05291086A (ja) * 1992-04-14 1993-11-05 Matsushita Electric Ind Co Ltd チップ状固体電解コンデンサ
JPH08115852A (ja) * 1994-08-25 1996-05-07 Rohm Co Ltd 固体電解コンデンサにおけるコンデンサ素子の製造方法
JP2000243665A (ja) * 1999-02-17 2000-09-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd 固体電解コンデンサおよびその製造方法
JP2005216953A (ja) * 2004-01-27 2005-08-11 Tdk Corp 電解コンデンサ素子、電解コンデンサ及びこれらの製造方法
JP2006147738A (ja) * 2004-11-18 2006-06-08 Gunma Univ 固体電解コンデンサの電極接合方法およびその方法を使用して製造した固体電解コンデンサ
JP2008108931A (ja) * 2006-10-26 2008-05-08 Rohm Co Ltd 固体電解コンデンサおよびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5114264B2 (ja) 固体電解コンデンサおよびその製造方法
JP6295433B2 (ja) 固体電解コンデンサ
JP2009182157A (ja) 固体電解コンデンサ
JP2015109329A (ja) 固体電解コンデンサの形成方法
JP5020120B2 (ja) 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JP5623214B2 (ja) 固体電解コンデンサ
JP4776522B2 (ja) 固体電解コンデンサ
JP2019145582A (ja) 固体電解コンデンサおよび固体電解コンデンサの製造方法
JP2011193035A (ja) 固体電解コンデンサ素子、その製造方法および固体電解コンデンサ
JP2011193035A5 (ja)
JP5611745B2 (ja) 固体電解コンデンサの製造方法および固体電解コンデンサ
US8882857B2 (en) Solid electrolytic capacitor and method for manufacturing the same
JP2007227485A (ja) 固体電解コンデンサおよびその製造方法
JP4748726B2 (ja) 固体電解コンデンサ
US20110310531A1 (en) Solid electrolytic capacitor and method of manufacturing the same
JP2010153690A (ja) 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JP5816839B2 (ja) 電解コンデンサの製造方法
JP4767479B2 (ja) 固体電解コンデンサおよびその製造方法
JP2010003772A (ja) 固体電解コンデンサ
WO2005098882A1 (ja) 固体電解コンデンサ製造方法
JP2010087241A (ja) 固体電解コンデンサ
JP2020167267A (ja) 電解コンデンサおよびその製造方法
JP4818006B2 (ja) 固体電解コンデンサ素子、その製造方法および固体電解コンデンサ
JP2011003699A (ja) 固体電解コンデンサおよびその製造方法
JP4574544B2 (ja) 固体電解コンデンサ

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20110328

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20110607

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121017

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121023

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130305