JP2010153612A - 金属ドットの製造方法およびそれを用いた半導体メモリの製造方法 - Google Patents

金属ドットの製造方法およびそれを用いた半導体メモリの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属薄膜をリモートプラズマによって処理するときのガスの種類によってドットの密度を制御可能な金属ドットの製造方法を提供する。
【解決手段】SiO膜502がSiからなる半導体基板501上に形成され(工程(b))、金属薄膜504がSiO膜502上に形成される(工程(c))。その後、水素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、窒素ガス、アンモニアガス、水素ガスとヘリウムガスとの混合ガス、水素ガスとアルゴンガスとの混合ガスおよび水素ガスと窒素ガスとの混合ガスの中から選択したガスを用いたリモートプラズマによって金属薄膜504を処理する(工程(d))。これによって、金属ドット503がSiO膜502上に形成される(工程(e))。
【選択図】図1

Description

この発明は、金属ドットの製造方法およびそれを用いた半導体メモリの製造方法に関するものである。
従来、金属量子ドットの製造方法として、リモート水素プラズマを用いる方法が知られている(特許文献1)。
この製造方法は、半導体基板の表面にシリコン酸化膜(SiO膜)を形成する工程と、SiO膜上に金属薄膜を形成する工程と、リモート水素プラズマによって金属薄膜を処理する工程とからなる。
そして、この製造方法を用いる場合、金属量子ドットの密度は、金属薄膜をリモート水素プラズマによって処理するときの高周波電力または圧力によって制御される。
特開2008−270705号公報
しかし、特許文献1においては、金属薄膜をリモートプラズマによって処理するときのガスの種類によって金属量子ドットの密度を制御することは困難である。
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、金属薄膜をリモートプラズマによって処理するときのガスの種類によってドットの密度を制御可能な金属ドットの製造方法を提供することである。
また、この発明の別の目的は、金属薄膜をリモートプラズマによって処理するときのガスの種類によってドットの密度を制御可能な金属ドットの製造方法を用いた半導体メモリの製造方法を提供することである。
この発明によれば、金属ドットの製造方法は、金属薄膜を基板上に形成する第1のステップと、水素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、窒素ガス、アンモニアガス、水素ガスとヘリウムガスとの第1の混合ガス、水素ガスとアルゴンガスとの第2の混合ガスおよび水素ガスと窒素ガスとの第3の混合ガスの中から金属ドットの密度に応じて選択されたガスを用いたリモートプラズマによって金属薄膜を処理する第2のステップとを備える。
好ましくは、金属ドットの密度を第1の密度に設定するとき、第2のステップにおいて、ヘリウムガスを用いたリモートプラズマによって金属薄膜を処理し、金属ドットの密度を第1の密度よりも高い第2の密度に設定するとき、第2のステップにおいて、アルゴンガスを用いたリモートプラズマによって金属薄膜を処理し、金属ドットの密度を第1の密度よりも低い第3の密度に設定するとき、第2のステップにおいて、水素ガスを用いたリモートプラズマによって金属薄膜を処理する。
好ましくは、金属ドットの密度を第1の密度に設定するとき、第2のステップにおいて、第1の混合ガスにおけるヘリウムガスの濃度を第1の濃度に設定して第1の混合ガスを用いたリモートプラズマによって金属薄膜を処理し、金属ドットの密度を第1の密度よりも高い第2の密度に設定するとき、第2のステップにおいて、第1の混合ガスにおけるヘリウムガスの濃度を第1の濃度よりも高い第2の濃度に設定して第1の混合ガスを用いたリモートプラズマによって金属薄膜を処理し、金属ドットの密度を第1の密度よりも低い第3の密度に設定するとき、第2のステップにおいて、第1の混合ガスにおけるヘリウムガスの濃度を第1の濃度よりも低い第3の濃度に設定して第1の混合ガスを用いたリモートプラズマによって金属薄膜を処理する。
好ましくは、金属ドットの密度を第1の密度に設定するとき、第2のステップにおいて、第2の混合ガスにおけるアルゴンガスの濃度を第1の濃度に設定して第2の混合ガスを用いたリモートプラズマによって金属薄膜を処理し、金属ドットの密度を第1の密度よりも高い第2の密度に設定するとき、第2のステップにおいて、第2の混合ガスにおけるアルゴンガスの濃度を第1の濃度よりも高い第2の濃度に設定して第2の混合ガスを用いたリモートプラズマによって金属薄膜を処理し、金属ドットの密度を第1の密度よりも低い第3の密度に設定するとき、第2のステップにおいて、第2の混合ガスにおけるアルゴンガスの濃度を第1の濃度よりも低い第3の濃度に設定して第2の混合ガスを用いたリモートプラズマによって金属薄膜を処理する。
好ましくは、金属ドットの密度を第1の密度に設定するとき、第2のステップにおいて、第3の混合ガスにおける窒素ガスの濃度を第1の濃度に設定して第3の混合ガスを用いたリモートプラズマによって金属薄膜を処理し、金属ドットの密度を第1の密度よりも高い第2の密度に設定するとき、第2のステップにおいて、第3の混合ガスにおける窒素ガスの濃度を第1の濃度よりも高い第2の濃度に設定して第3の混合ガスを用いたリモートプラズマによって金属薄膜を処理する。
好ましくは、金属ドットの密度を第1の密度に設定するとき、第2のステップにおいて、圧力を第1の圧力に設定してアンモニアガスを用いたリモートプラズマによって金属薄膜を処理し、金属ドットの密度を第1の密度よりも高い第2の密度に設定するとき、第2のステップにおいて、圧力を第1の圧力よりも低い第2の圧力に設定してアンモニアガスを用いたリモートプラズマによって金属薄膜を処理し、金属ドットの密度を第1の密度よりも低い第3の密度に設定するとき、第2のステップにおいて、圧力を第1の圧力よりも高い第3の圧力に設定してアンモニアガスを用いたリモートプラズマによって金属薄膜を処理する。
好ましくは、金属ドットの密度を第1の密度に設定するとき、第2のステップにおいて、ヘリウムガスを用いたリモートプラズマによって金属薄膜を直接処理し、金属ドットの密度を第1の密度よりも低い第2の密度に設定するとき、第2のステップにおいて、ヘリウムガスを用いたリモートプラズマによって金属メッシュを介して金属薄膜を処理する。
好ましくは、金属ドットの密度を第1の密度に設定するとき、第2のステップにおいて、水素ガスおよびアルゴンガスのいずれかのガスを用いたリモートプラズマによって金属薄膜を直接処理し、金属ドットの密度を第1の密度よりも高い第2の密度に設定するとき、第2のステップにおいて、水素ガスおよびアルゴンガスのいずれかのガスを用いたリモートプラズマによって金属メッシュを介して金属薄膜を処理する。
好ましくは、第1のステップにおいて、白金薄膜またはニッケル薄膜が金属薄膜として基板上に形成される。
また、この発明によれば、半導体メモリの製造方法は、半導体基板の一主面にソース電極およびドレイン電極を形成する第1のステップと、ソース電極とドレイン電極との間の半導体基板の一主面に絶縁膜を形成する第2のステップと、絶縁膜上に半導体ドットを形成する第3のステップと、半導体ドットを酸化して半導体ドットを覆うように酸化膜を形成する第4のステップと、酸化膜上に金属薄膜を形成する第5のステップと、水素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、窒素ガス、アンモニアガス、水素ガスとヘリウムガスとの第1の混合ガス、水素ガスとアルゴンガスとの第2の混合ガスおよび水素ガスと窒素ガスとの第3の混合ガスの中から金属ドットの密度に応じて選択されたガスを用いたリモートプラズマによって金属薄膜を処理する第6のステップとを備える。
この発明によれば、水素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、窒素ガス、アンモニアガス、水素ガスとヘリウムガスとの第1の混合ガス、水素ガスとアルゴンガスとの第2の混合ガスおよび水素ガスと窒素ガスとの第3の混合ガスの中から選択したガスを用いたリモートプラズマによって金属薄膜を処理することによって密度の異なる金属ドットが製造される。
したがって、この発明によれば、リモートプラズマ処理に用いるガスの種類によって金属ドットの密度を制御できる。
また、この発明によれば、水素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、窒素ガス、アンモニアガス、水素ガスとヘリウムガスとの第1の混合ガス、水素ガスとアルゴンガスとの第2の混合ガスおよび水素ガスと窒素ガスとの第3の混合ガスの中から選択したガスを用いたリモートプラズマによって金属薄膜を処理することによって製造された密度の異なる金属ドットを備えた半導体メモリが製造される。
したがって、この発明によれば、リモートプラズマ処理に用いるガスの種類によって半導体メモリに用いる金属ドットの密度を制御できる。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態による金属ドットの製造方法を示す工程図である。図1を参照して、一連の動作が開始されると、(100)面を有するSiからなる半導体基板501がRCA洗浄によって洗浄される(図1の工程(a)参照)。
その後、半導体基板501は、酸化装置にセットされ、2%の酸素(O)ガスを用いて1000℃の温度で熱酸化される。これによって、半導体基板501の表面にSiO膜502が形成される(図1の工程(b)参照)。
そして、金属薄膜504がSiO膜502上に堆積される(図1の工程(c)参照)。この場合、金属薄膜504の膜厚は、1〜2nmである。金属薄膜504は、ニッケル(Ni)薄膜または白金(Pt)薄膜からなる。そして、Ni薄膜は、電子線蒸着法を用いてSiO膜502上に堆積される。また、Pt薄膜は、スパッタリング法によってSiO膜502上に堆積される。
その後、金属薄膜504/SiO膜502/半導体基板501からなるサンプルは、目的とする金属ドットの密度に応じて選択されたガスを用いたリモートプラズマによって処理される(図1の工程(d)参照)。
そして、一定時間、リモートプラズマ処理が行われると、金属ドット503がSiO膜502上に形成される(図1の工程(e)参照)。これによって、一連の動作が終了する。
図2は、リモートプラズマ処理を行なうプラズマ処理装置の概略図である。図2を参照して、プラズマ処理装置600は、石英管610と、反応室620と、基板ホルダー630と、ヒーター640と、配管650と、バルブ660と、アンテナ670と、マッチング回路680と、高周波電源690とを備える。
石英管610は、10cmφの直径を有し、その一方端が反応室620内に挿入されるように固定される。反応室620は、中空の円筒形状からなり、上面620Aに石英管610の一方端を挿入するための開口部621を有し、側面620Bに排気口622を有する。そして、反応室620は、開口部621から石英管610の一方端が挿入されることによって、内部空間が石英管610の内部空間と連通する。従って、ポンプ(図示せず)によって反応室620および石英管610の内部の気体を排気口622を介して排気できる。
基板ホルダー630は、反応室620の下面620C上に配置される。ヒーター640は、シリコンカーバイド(SiC)からなり、基板ホルダー630内に配置される。
配管650は、バルブ660を介して石英管610の他方端に連結される。バルブ660は、配管650に装着される。アンテナ670は、基板ホルダー630上に設置された基板800から23cmの位置で石英管610の周囲を取り巻くように配置される。そして、アンテナ670は、その一方端がマッチング回路680に接続され、他方端が接地される。
マッチング回路680は、アンテナ670の一方端と高周波電源690との間に接続される。高周波電源690は、マッチング回路680と、接地ノードとの間に接続される。
ヒーター640は、基板ホルダー630を介して基板800を所定の温度に加熱する。配管650は、水素(H)ガス、ヘリウム(He)ガス、アルゴン(Ar)ガス、窒素(N)ガス、アンモニア(NH)ガス、HガスとHeガスとの混合ガス、HガスとArガスとの混合ガス、およびHガスとNガスとの混合ガスのいずれかをボンベ(図示せず)から石英管610内に導く。この場合、配管650は、HガスとHeガスとの混合ガスを石英管610内に導くとき、HガスのボンベおよびHeガスのボンベからそれぞれHガスおよびHeガスを受け、その受けたHガスおよびHeガスを石英管610内に導く。また、配管650は、同様にして、HガスとArガスとの混合ガス、およびHガスとNガスとの混合ガスを石英管610内に導く。
バルブ660は、Hガス、Heガス、Arガス、Nガス、NHガス、HガスとHeガスとの混合ガス、HガスとArガスとの混合ガス、およびHガスとNガスとの混合ガスを石英管610内へ供給し、またはHガス、Heガス、Arガス、Nガス、NHガス、HガスとHeガスとの混合ガス、HガスとArガスとの混合ガス、およびHガスとNガスとの混合ガスの石英管610内への供給を遮断する。
マッチング回路680は、高周波電源690から供給された高周波電力の高周波電源690側への反射を低くして高周波電力をアンテナ670へ供給する。高周波電源690は、60MHzの高周波電力をマッチング回路680を介してアンテナ670へ供給する。
プラズマ処理装置600における処理動作について説明する。基板800が基板ホルダー630上に配置され、排気口622から反応室620および石英管610の真空引きが行なわれる。
その後、バルブ660が開けられ、ボンベ(図示せず)から所定量のHガス等が配管650を介して石英管610内へ導入される。そして、石英管610内の圧力が所定の圧力に達すると、高周波電源690は、60MHzの高周波電力をマッチング回路680を介してアンテナ670に供給する。この場合、マッチング回路680は、高周波電源690から供給された高周波電力の高周波電源690側への反射が最も低くなるように調整される。
そうすると、石英管610内でプラズマ730が発生し、主に原子状水素等がプラズマ730の発生領域から基板800の方向へ石英管610内を拡散し、基板800表面に到達する。そして、原子状水素等は、基板800表面を処理する。
所定の処理時間が経過すると、高周波電源690がオフされ、バルブ660が閉じられて処理動作が終了する。
なお、プラズマ処理装置600を用いてリモートプラズマ処理を行なう場合、基板800は、電気的にフローティングされた状態でリモートプラズマによって処理される。
図1に示す工程(a)〜(e)に従って金属ドットが形成される場合、半導体基板501/SiO膜502/金属薄膜504からなるサンプルは、工程(d)において、プラズマ処理装置600の基板ホルダー630上に載置され、Hガス、Heガス、Arガス、Nガス、NHガス、HガスとHeガスとの混合ガス、HガスとArガスとの混合ガス、およびHガスとNガスとの混合ガスの中から選択されたガスを用いたリモートプラズマによって処理される。そして、金属ドット503がSiO膜502上に形成される。
図3は、図1に示す工程(a)〜(e)に従って製造されたNiドットの表面状態を示す図である。
図3の(a)は、図1に示す工程(c)において形成されたNi薄膜の表面状態を示し、図3の(b)は、図1に示す工程(d)においてHガスを用いたリモートプラズマによって処理されたNi薄膜の表面状態を示し、図3の(c)は、工程(d)においてHeガスを用いたリモートプラズマによって処理されたNi薄膜の表面状態を示し、図3の(d)は、工程(d)においてArガスを用いたリモートプラズマによって処理されたNi薄膜の表面状態を示す。
なお、工程(d)においてリモートプラズマ処理を行なうときの温度、高周波電力(VHFパワー)、ガス圧および処理時間は、それぞれ、室温、400W、13.3Paおよび5分に保持された。また、形成されたNi薄膜の膜厚は、1nmである。
図3を参照して、Ni薄膜がSiO膜上に形成された状態では、Niドットは、形成されていない(図3の(a)参照)。この場合、Ni薄膜の表面粗さ(RMS)は、0.18nmである。
そして、Ni薄膜をHガス、HeガスおよびArガスのいずれかを用いたリモートプラズマによって処理することによってNiドットがSiO膜上に形成される(図3の(b)〜(d)参照)。
Ni薄膜をHガスを用いたリモートプラズマによって処理した場合、Niドットの密度は、2.4×1011cm−2であり、表面粗さ(RMS)は、1.08nmである。また、Ni薄膜をHeガスを用いたリモートプラズマによって処理した場合、Niドットの密度は、6.9×1011cm−2であり、表面粗さ(RMS)は、0.30nmである。さらに、Ni薄膜をArガスを用いたリモートプラズマによって処理した場合、Niドットの密度は、9.4×1011cm−2であり、表面粗さ(RMS)は、0.32nmである。
したがって、Niドットの密度は、Ni薄膜をArガスを用いたリモートプラズマによって処理した場合が最も高く、Ni薄膜をHeガスを用いたリモートプラズマによって処理した場合が2番目に高く、Ni薄膜をHガスを用いたリモートプラズマによって処理した場合が最も低い。また、Niドットの大きさは、Ni薄膜をHガスを用いたリモートプラズマによって処理した場合が最も大きく、Ni薄膜をHeガスを用いたリモートプラズマによって処理した場合が2番目に大きく、Ni薄膜をArガスを用いたリモートプラズマによって処理した場合が最も小さい。
このように、Ni薄膜をリモートプラズマによって処理するときのガスの種類をHガス、HeガスおよびArガス間で変えることによって、Niドットの密度および大きさを制御できる。
つまり、密度が最も高いNiドットを形成する場合には、Arガスを用いたリモートプラズマによってNi薄膜を処理すればよく、密度が2番目に高いNiドットを形成する場合には、Heガスを用いたリモートプラズマによってNi薄膜を処理すればよく、密度が最も低いNiドットを形成する場合には、Hガスを用いたリモートプラズマによってNi薄膜を処理すればよい。
図4は、図1に示す工程(a)〜(e)に従って製造されたPtドットの表面状態を示す図である。
図4の(a)は、図1に示す工程(c)において形成されたPt薄膜の表面状態を示し、図4の(b)は、図1に示す工程(d)においてHガスを用いたリモートプラズマによって処理されたPt薄膜の表面状態を示し、図4の(c)は、工程(d)においてHeガスを用いたリモートプラズマによって処理されたPt薄膜の表面状態を示し、図4の(d)は、工程(d)においてArガスを用いたリモートプラズマによって処理されたPt薄膜の表面状態を示す。
なお、工程(d)においてリモートプラズマ処理を行なうときの温度、高周波電力(VHFパワー)、ガス圧および処理時間は、それぞれ、室温、400W、13.3Paおよび5分に保持された。また、形成されたPt薄膜の膜厚は、2nmである。
図4を参照して、Pt薄膜がSiO膜上に形成された状態では、Ptドットは、形成されていない(図4の(a)参照)。この場合、Pt薄膜の表面粗さ(RMS)は、0.22nmである。
そして、Pt薄膜をHガス、HeガスおよびArガスのいずれかを用いたリモートプラズマによって処理することによってPtドットがSiO膜上に形成される(図4の(b)〜(d)参照)。
Pt薄膜をHガスを用いたリモートプラズマによって処理した場合、Ptドットの密度は、3.2×1011cm−2であり、表面粗さ(RMS)は、2.10nmである。また、Pt薄膜をHeガスを用いたリモートプラズマによって処理した場合、Ptドットの密度は、1.1×1012cm−2であり、表面粗さ(RMS)は、0.61nmである。さらに、Pt薄膜をArガスを用いたリモートプラズマによって処理した場合、Ptドットの密度は、1.5×1012cm−2であり、表面粗さ(RMS)は、0.59nmである。
したがって、Ptドットの密度は、Pt薄膜をArガスを用いたリモートプラズマによって処理した場合が最も高く、Pt薄膜をHeガスを用いたリモートプラズマによって処理した場合が2番目に高く、Pt薄膜をHガスを用いたリモートプラズマによって処理した場合が最も低い。また、Ptドットの大きさは、Pt薄膜をHガスを用いたリモートプラズマによって処理した場合が最も大きく、Pt薄膜をHeガスを用いたリモートプラズマによって処理した場合が2番目に大きく、Pt薄膜をArガスを用いたリモートプラズマによって処理した場合が最も小さい。
このように、Pt薄膜をリモートプラズマによって処理するときのガスの種類をHガス、HeガスおよびArガス間で変えることによって、Ptドットの密度および大きさを制御できる。
つまり、密度が最も高いPtドットを形成する場合には、Arガスを用いたリモートプラズマによってPt薄膜を処理すればよく、密度が2番目に高いPtドットを形成する場合には、Heガスを用いたリモートプラズマによってPt薄膜を処理すればよく、密度が最も低いPtドットを形成する場合には、Hガスを用いたリモートプラズマによってPt薄膜を処理すればよい。
上述したように、Hガス、HeガスおよびArガスを用いたリモートプラズマによってNi薄膜またはPt薄膜を処理して金属ドット(NiドットまたはPtドット)を形成した場合、金属ドット(NiドットまたはPtドット)の密度は、金属薄膜(Ni薄膜またはPt薄膜)をArガスを用いたリモートプラズマによって処理した場合が最も高く、金属薄膜(Ni薄膜またはPt薄膜)をHeガスを用いたリモートプラズマによって処理した場合が2番目に高く、金属薄膜(Ni薄膜またはPt薄膜)をHガスを用いたリモートプラズマによって処理した場合が最も低い。また、金属ドット(NiドットまたはPtドット)の大きさは、金属薄膜(Ni薄膜またはPt薄膜)をHガスを用いたリモートプラズマによって処理した場合が最も大きく、金属薄膜(Ni薄膜またはPt薄膜)をHeガスを用いたリモートプラズマによって処理した場合が2番目に大きく、金属薄膜(Ni薄膜またはPt薄膜)をArガスを用いたリモートプラズマによって処理した場合が最も小さい。
したがって、金属薄膜(Ni薄膜またはPt薄膜)をリモートプラズマによって処理するときのガスをHガス、HeガスおよびArガスの中から選択することによって金属ドット(NiドットまたはPtドット)の密度を制御できる。
図5は、HガスとHeガスとの混合ガス(H/He)を用いてPt薄膜をリモートプラズマによって処理したときの表面状態を示す図である。
図5の(a)〜(e)は、それぞれ、Heガスの濃度が0%、10%、50%、90%および100%であるときのPt薄膜の表面状態を示す。
なお、図1に示す工程(d)においてリモートプラズマ処理を行なうときの温度、高周波電力(VHFパワー)、ガス圧および処理時間は、それぞれ、室温、400W、13.3Paおよび5分に保持された。また、形成されたPt薄膜の膜厚は、2nmである。
図5を参照して、表面粗さ(RMS)は、Heガスの濃度が高くなるに従って2.10nmから0.61nmまで小さくなる。Heガスの濃度が0%であるとき、すなわち、Hガスのみを用いてリモートプラズマ処理を行なったときの表面粗さ(RMS)=2.10nmは、図4の(b)に示す表面粗さ(RMS)=2.10nmに一致している。また、Heガスの濃度が100%であるとき、すなわち、Heガスのみを用いてリモートプラズマ処理を行なったときの表面粗さ(RMS)=0.61nmは、図4の(c)に示す表面粗さ(RMS)=0.61nmに一致している。
図6は、Ptドットにおけるドット密度および表面粗さとHe/H比との関係を示す図である。図6において、縦軸は、ドット密度および表面粗さ(RMS)を表し、横軸は、HeガスとHガスとの比(He/H比)を表す。
また、曲線k1は、ドット密度とHe/H比との関係を示し、曲線k2は、表面粗さとHe/H比との関係を示す。
図6を参照して、ドット密度は、He/H比が大きくなるに従って高くなる。特に、ドット密度は、He/H比が50%を超えると、急激に高くなる(曲線k1参照)。
一方、表面粗さ(RMS)は、He/H比が大きくなるに従って小さくなる(曲線k2参照)。これは、He/H比が大きくなるに従ってドットの大きさが小さくなったために、表面粗さがHe/H比の増加に伴って小さくなったものと考えられる。
図7は、Ptドットにおけるドット密度とドット高さとの関係を示す図である。図7において、縦軸は、ドット密度を表し、横軸は、ドット高さを表す。
図7を参照して、Heガスの濃度が0%および10%であるとき、ドット密度は、約5×1010cm−2を中心に分布し、ドット高さは、約7.5nmを中心に分布する。また、Heガスの濃度が50%であるとき、ドット密度は、約8×1010cm−2を中心にして分布し、ドット高さは、約6.4nmを中心にして分布する。
そして、Heガスの濃度が50%を超えると、ドット密度は、1011cm−2台を中心にして分布し、ドット高さは、5nmよりも小さい値を中心にして分布する。Heガスの濃度が100%になると、ドット密度は、約4.8×1011cm−2を中心にして分布し、ドット高さは、約3.3nmを中心にして分布する。
このように、HeガスとHガスとの混合ガスにおけるHeガスの濃度を高くすることによって、ドット密度が高くなり、ドットの大きさが小さくなる。
したがって、HeガスとHガスとの混合ガスにおけるHeガスの濃度を変えることによって、Ptドットのドット密度およびドットの大きさを制御できる。
図8は、HガスとArガスとの混合ガス(H/Ar)を用いてPt薄膜をリモートプラズマによって処理したときの表面状態を示す図である。
図8の(a)〜(e)は、それぞれ、Arガスの濃度が0%、10%、50%、90%および100%であるときのPt薄膜の表面状態を示す。
なお、図1に示す工程(d)においてリモートプラズマ処理を行なうときの温度、高周波電力(VHFパワー)、ガス圧および処理時間は、それぞれ、室温、400W、13.3Paおよび5分に保持された。また、形成されたPt薄膜の膜厚は、2nmである。
図8を参照して、表面粗さ(RMS)は、Arガスの濃度が高くなるに従って2.10nmから0.59nmまで小さくなる。Arガスの濃度が0%であるとき、すなわち、Hガスのみを用いてリモートプラズマ処理を行なったときの表面粗さ(RMS)=2.10nmは、図4の(b)に示す表面粗さ(RMS)=2.10nmに一致している。また、Arガスの濃度が100%であるとき、すなわち、Arガスのみを用いてリモートプラズマ処理を行なったときの表面粗さ(RMS)=0.59nmは、図4の(d)に示す表面粗さ(RMS)=0.59nmに一致している。
図9は、Ptドットにおけるドット密度および表面粗さとAr/H比との関係を示す図である。図9において、縦軸は、ドット密度および表面粗さ(RMS)を表し、横軸は、ArガスとHガスとの比(Ar/H比)を表す。
また、曲線k3は、ドット密度とAr/H比との関係を示し、曲線k4は、表面粗さとAr/H比との関係を示す。
図9を参照して、ドット密度は、Ar/H比が大きくなるに従って3×1011cm−2から1.4×1012cm−2まで高くなる(曲線k3参照)。
一方、表面粗さ(RMS)は、Ar/H比が大きくなるに従って2.4nmから0.6nmまで小さくなる(曲線k4参照)。これは、Ar/H比が大きくなるに従ってドットの大きさが小さくなったために、表面粗さがAr/H比の増加に伴って小さくなったものと考えられる。
このように、ArガスとHガスとの混合ガスにおけるArガスの濃度を高くすることによって、ドット密度が高くなり、ドットの大きさが小さくなる。
したがって、ArガスとHガスとの混合ガスにおけるArガスの濃度を変えることによって、Ptドットのドット密度およびドットの大きさを制御できる。
図10は、Ptドットにおけるドット密度とHe/H比またはAr/H比との関係を示す図である。図10において、縦軸は、ドット密度を表し、横軸は、He/H比またはAr/H比を表す。
また、曲線k1は、ドット密度とHe/H比との関係を示し、曲線k3は、ドット密度とAr/H比との関係を示す。
図10を参照して、ドット密度は、ArガスとHガスとの混合ガスを用いた方がHeガスとHガスとの混合ガスを用いるよりも高くなる(曲線k1,k3参照)。
したがって、ドット密度を相対的に高く設定する場合、ArガスとHガスとの混合ガスを用いたリモートプラズマ処理によってPtドットを形成する。また、ドット密度を相対的に低く設定する場合、HeガスとHガスとの混合ガスを用いたリモートプラズマ処理によってPtドットを形成する。
このように、混合ガスの種類によっても金属ドットのドット密度を制御できる。
図11は、Ptドットにおけるドット密度およびHβ/Hα比とAr/H比との関係を示す図である。図11において、縦軸は、ドット密度およびHβ/Hα比を表し、横軸は、Ar/H比を表す。また、曲線k3は、ドット密度とAr/H比との関係を示し、曲線k5は、Hβ/Hα比とAr/H比との関係を示す。
図11を参照して、ドット密度は、上述したようにAr/H比の増加に伴って高くなる(曲線k3参照)。一方、Hβ/Hα比は、Ar/H比の増加に伴って徐々に低下する(曲線k5参照)。
β/Hα比が低下すると、リモートプラズマ処理においてPt薄膜の表面に到達する原子状水素の量が少なくなり、Pt薄膜におけるPt原子の移動が少なくなる。その結果、Ptドットの核が多く発生し、ドット密度が高くなるとともに、ドットの大きさが小さくなるものと考えられる。
図11に示す結果は、ArガスとHガスとの混合ガスを用いたときの実験結果であるが、HeガスとHガスとの混合ガスにおいても、He/H比が大きくなると、Hβ/Hα比が減少するので、HeガスとHガスとの混合ガスを用いた場合も、図11に示す結果に似た結果が得られるものと考えられる。
したがって、リモートプラズマによってHガスから生成された原子状水素は、金属薄膜(Ni薄膜またはPt薄膜)における金属原子(NiまたはPt)の移動を促進する機能を果たしているものと考えられる。これは、Hガスのみを用いたリモートプラズマによってNi薄膜またはPt薄膜を処理した場合、金属ドットのドット密度が最も低くなり、ドットの大きさが最も大きくなること(図3および図4参照)によってサポートされている。
その結果、ドット密度が低く、かつ、ドットサイズが大きい金属ドットを作成する場合、金属薄膜における金属原子の移動を促進すればよく、ドット密度が高く、かつ、ドットサイズが小さい金属ドットを作成する場合、金属薄膜における金属原子の移動を抑制すればよい。
図12は、Pt薄膜を窒素(N)ガスまたは酸素(O)ガスを用いたリモートプラズマによって処理したときの表面状態を示す図である。図12の(a)は、Pt薄膜をNガスを用いたリモートプラズマによって処理した場合の表面状態を示し、図12の(b)は、Pt薄膜をOガスを用いたリモートプラズマによって処理した場合の表面状態を示す。
なお、図1に示す工程(d)においてリモートプラズマ処理を行なうときの温度、高周波電力(VHFパワー)、ガス圧および処理時間は、それぞれ、室温、400W、13.3Paおよび5分に保持された。
図12を参照して、表面粗さ(RMS)は、Pt薄膜をNガスを用いたリモートプラズマによって処理した場合、0.49nmであり、Pt薄膜をOガスを用いたリモートプラズマによって処理した場合、0.22nmである。
そして、Pt薄膜をNガスを用いたリモートプラズマによって処理した場合、Ptドットが形成されるが、Pt薄膜をOガスを用いたリモートプラズマによって処理した場合、Ptドットが形成されない。
このように、Pt薄膜をNガスを用いたリモートプラズマによって処理しても、Ptドットを形成することができる。
図13は、Pt薄膜をNガスとHガスとの混合ガスを用いたリモートプラズマによって処理したときの表面状態を示す図である。図13の(a)は、HガスとNガスとの比が2:8であるときの表面状態を示す図であり、図13の(b)は、HガスとNガスとの比が1:1であるときの表面状態を示す図であり、図13の(c)は、HガスとNガスとの比が8:2であるときの表面状態を示す図である。
なお、図1に示す工程(d)においてリモートプラズマ処理を行なうときの温度、高周波電力(VHFパワー)、ガス圧および処理時間は、それぞれ、室温、400W、13.3Paおよび5分に保持された。
図13を参照して、HガスとNガスとの比を2:8に設定してPt薄膜をHガスとNガスとの混合ガスを用いたリモートプラズマによって処理した場合、Ptドットは、形成されない(図13の(a)参照)。
一方、HガスとNガスとの比を1:1または8:2に設定してPt薄膜をHガスとNガスとの混合ガスを用いたリモートプラズマによって処理した場合、Ptドットは、形成される(図13の(b),(c)参照)。そして、ドット密度は、HガスとNガスとの比を8:2に設定した場合の方が高くなる。
また、HガスとNガスとの混合ガスを用いた場合、HガスとNガスとの比を1:1から8:2に変えることによって、Ptドットの大きさは、殆ど変わらない。
したがって、HガスとNガスとの混合ガスを用いた場合、Ptドットの大きさを殆ど変えずにドット密度を制御できる。
図14は、Pt薄膜をアンモニア(NH)ガスを用いたリモートプラズマによって処理した場合の表面状態を示す図である。
図14の(a)は、リモートプラズマによる処理を行なう前の表面状態を示す図である。また、図14の(b)〜(e)は、NHガスを用いたリモートプラズマによる処理時の圧力がそれぞれ66.5Pa、39.9Pa、13.3Paおよび6.65Paであるときの表面状態を示す図である。
なお、図1に示す工程(d)においてリモートプラズマ処理を行なうときの温度、高周波電力(VHFパワー)、および処理時間は、それぞれ、室温、400W、および5分に保持された。また、Pt薄膜の膜厚は、2nmである。
図14を参照して、表面粗さ(RMS)は、リモートプラズマによる処理を行なう前、0.24nmである(図14の(a)参照)。そして、表面粗さ(RMS)は、NHガスを用いたリモートプラズマによる処理時の圧力が低くなるに従って大きくなる(図14の(b)〜(e)参照)。
NHガスを用いたリモートプラズマによる処理時の圧力が66.6Paである場合、Ptドットが形成されないが、NHガスを用いたリモートプラズマによる処理時の圧力が39.9Pa、13.3Paおよび6.65Paである場合、Ptドットが形成される。
そして、ドット密度は、NHガスを用いたリモートプラズマによる処理時の圧力が39.9Paから6.65Paへと低くなるに従って高くなる。この場合、Ptドットの大きさは、殆ど変わらない。
したがって、NHガスを用いたリモートプラズマによってPtドットを形成する場合、リモートプラズマによる処理時の圧力を相対的に高くすれば、ドット密度が相対的に低くなり、リモートプラズマによる処理時の圧力を相対的に低くすれば、ドット密度が相対的に高くなる。
このように、NHガスを用いたリモートプラズマによる処理時の圧力を制御することによって、Ptドットのドット密度を独立に制御できる。
図15は、リモートプラズマ処理を行なう他のプラズマ処理装置の概略図である。図15を参照して、プラズマ処理装置600Aは、図2に示すプラズマ処理装置600にメッシュ740を追加したものであり、その他は、プラズマ処理装置600と同じである。
メッシュ740は、たとえば、ステンレスからなり、1mm間隔の格子構造を有する。そして、メッシュ740は、石英管610内ではなく、反応室620内に配置される。より具体的には、メッシュ740は、基板ホルダー630から10mmの位置に基板ホルダー630に略平行に配置される。また、メッシュ740は、電気的に接地されている。
プラズマ処理装置600Aを用いてリモートプラズマ処理を行なった場合、メッシュ740が接地されているので、プラズマ730中で発生した各種のイオンは、メッシュ740によって基板800の表面へ到達することが抑制される。その結果、各種のイオンによるダメージを抑制してリモートプラズマ処理を行なうことができる。
図16は、Pt薄膜をHガス、ArガスおよびHeガスを用いたリモートプラズマによって処理した場合のメッシュの有無による表面状態の違いを示す図である。
図16の(a)は、Pt薄膜をHガスを用いたリモートプラズマによってメッシュを用いずに処理した場合の表面状態を示す。図16の(b)は、Pt薄膜をHeガスを用いたリモートプラズマによってメッシュを用いずに処理した場合の表面状態を示す。図16の(c)は、Pt薄膜をArガスを用いたリモートプラズマによってメッシュを用いずに処理した場合の表面状態を示す。
図16の(d)は、Pt薄膜をHガスを用いたリモートプラズマによってメッシュを用いて処理した場合の表面状態を示す。図16の(e)は、Pt薄膜をHeガスを用いたリモートプラズマによってメッシュを用いて処理した場合の表面状態を示す。図16の(f)は、Pt薄膜をArガスを用いたリモートプラズマによってメッシュを用いて処理した場合の表面状態を示す。
なお、図1に示す工程(d)においてリモートプラズマ処理を行なうときの温度、高周波電力(VHFパワー)、圧力および処理時間は、それぞれ、室温、400W、13.3Paおよび5分に保持された。また、Pt薄膜の膜厚は、3.8nmである。
Pt薄膜をHガスを用いたリモートプラズマによって処理した場合、メッシュを用いることによって、Ptドットのドット密度が高くなる(図16の(a),(d)参照)。
また、Pt薄膜をHeガスを用いたリモートプラズマによって処理した場合、メッシュを用いることによって、Ptドットのドット密度が低くなる(図16の(b),(e)参照)。
さらに、Pt薄膜をArガスを用いたリモートプラズマによって処理した場合、メッシュを用いることによって、Ptドットのドット密度が高くなる(図16の(c),(f)参照)。
このように、メッシュ740を用いることによってPtドットの密度を制御することができる。
上述したように、Hガス、Heガス、Arガス、Nガス、NHガス、HガスとHeガスとの混合ガス、HガスとArガスとの混合ガス、およびHガスとNガスとの混合ガスの各種のガスを用いたリモートプラズマによって金属薄膜(Ni薄膜またはPt薄膜)を処理することによって金属ドット(NiドットまたはPtドット)の密度を制御できる。
したがって、この発明の実施の形態においては、Hガス、Heガス、Arガス、Nガス、NHガス、HガスとHeガスとの混合ガス、HガスとArガスとの混合ガス、およびHガスとNガスとの混合ガスの中から金属ドットの密度に応じて1つのガスを選択し、その選択したガスを用いたリモートプラズマによって金属薄膜(Ni薄膜またはPt薄膜)を処理して金属ドットを製造することを特徴とする。
これによって、ドット密度を制御することができる。
なお、上記においては、金属薄膜は、Ni薄膜またはPt薄膜であると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、金属薄膜は、Ni薄膜またはPt薄膜以外の金属薄膜であってもよい。
次に、金属ドットの応用例について説明する。
図17は、金属ドットを用いた半導体メモリの断面図である。図17を参照して、半導体メモリ100は、半導体基板101と、ソース電極102と、ドレイン電極103と、絶縁膜105と、複合フローティングゲート300と、ゲート電極104と、サイドウォール106とを備える。
半導体メモリ100は、絶縁膜105とゲート電極104とに挟まれる部分に複合フローティングゲート300を配置した構造からなる。そして、複合フローティングゲート300は、制御ノード310および電荷蓄積ノード320の積層により構成される。制御ノード310は、シリコン(Si)量子ドット311と、それを被覆するSi酸化膜312とによって構成され、電荷蓄積ノード320は、金属量子ドット321と、それを被覆する高誘電率絶縁膜322とによって構成され、それぞれの材料の組み合わせと、ノードの積層の組み合わせにより、半導体メモリ100の作用が異なる。
半導体基板101は、(100)の面方位を有するn型単結晶シリコン(Si)基板からなる。ソース電極102およびドレイン電極103は、半導体基板101の一主面側に形成される。そして、ソース電極102およびドレイン電極103は、p型Siからなる。
絶縁膜105は、SiOからなり、半導体基板1の一主面に接して形成される。そして、絶縁膜105は、約2nm〜4nmの膜厚を有する。この2nm〜4nmの膜厚は、電子が絶縁膜105をトンネル可能な膜厚である。
複合フローティングゲート300は、絶縁膜105に接して形成される。ゲート電極104は、複合フローティングゲート300に接して形成される。そして、ゲート電極104は、不純物半導体または半透明導電体からなる。より具体的には、ゲート電極104は、タンタル(Ta)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)およびモリブデン(Mo)等の純金属あるいはそれらの合金、ITO(Indium Tin Oxide)およびIZO(Indium Zinc Oxide)等の透明導電体または不純物を高濃度にドープして低抵抗化した半導体等からなる。
サイドウォール106は、シリコン酸化膜を含む絶縁膜からなり、複合フローティングゲート300およびゲート電極104を両側から挟むように絶縁膜105上に形成される。
複合フローティングゲート300は、制御ノード310と、電荷蓄積ノード320とからなる。制御ノード310は、絶縁膜105に接して形成される。電荷蓄積ノード320は、制御ノード310に接して形成される。このように、複合フローティングゲート300は、電荷蓄積ノード320を制御ノード310上に積層した2層構造からなる。
制御ノード310は、複数のSi量子ドット311と、Si酸化膜312とからなる。複数のSi量子ドット311は、絶縁膜105上に二次元的に形成される。そして、複数のSi量子ドット311の各々は、略半球状のSi結晶からなり、10nm以下の直径および8nm以下の高さを有する。Si酸化膜312は、複数のSi量子ドット311を覆うように形成される。
電荷蓄積ノード320は、複数の金属量子ドット321と、高誘電率絶縁膜322とからなる。複数の金属量子ドット321は、制御ノード310のSi酸化膜312上に二次元的に形成される。そして、複数の金属量子ドット321の各々は、略球状のNiまたはPtからなり、約6nmの平均的な高さを有する。
高誘電率絶縁膜322は、複数の金属量子ドット321を覆うように形成される。そして、高誘電率絶縁膜322は、タンタル酸化膜(Ta酸化膜)またはジルコニウム酸化膜(Zr酸化膜)からなる。
なお、高誘電率絶縁膜322としてTa酸化膜またはZr酸化膜を用いるのは、次の理由による。データ通信に広く使われている赤外域の光で電子を励起し、量子ドットへ注入することが可能となり、高速通信ネットワークから半導体メモリ100を用いて作成した集積回路からのデータ出力が実現できるからである。
絶縁膜105は、正の電圧がゲート電極104に印加されると、半導体基板101中の電子をトンネルによってSi量子ドット311中へ通過させ、またはSi量子ドット311中の電子をトンネルによって半導体基板101へ通過させる。
制御ノード310は、電子の半導体基板101から電荷蓄積ノード320への注入および電子の電荷蓄積ノード320から半導体基板101への放出を制御する機能を有する。電荷蓄積ノード320は、半導体基板101から制御ノード310を介して注入された電子を保持する機能を有する。
半導体メモリ100の製造方法について説明する。図18は、図17に示す半導体メモリ100の製造方法を説明するためのフローチャートである。図18を参照して、半導体メモリ100を製造する動作が開始されると、n型Siからなる半導体基板101の一主面にBを高濃度にドープすることによってソース電極102およびドレイン電極103を形成する(ステップS1)。
その後、半導体基板101の一主面を2%の酸素雰囲気中において約1000℃で酸化することにより半導体基板101の一主面の全面にSiO膜を形成し、その形成したSiO膜をフォトリソグラフィーによってパターンニングして絶縁膜105を形成する(ステップS2)。
そして、絶縁膜105の表面を0.1%のフッ酸で洗浄する(ステップS3)。これによって、絶縁膜105の表面がOHによって終端される。
その後、シラン(SiH)ガスを原料として、減圧化学気相堆積法(LPCVD:Low Pressure Chemical Vapour Deposition)によってSi結晶からなるSi量子ドット311を自己組織的に絶縁膜105上に形成する(ステップS4)。
引き続いて、Si量子ドット311を酸素雰囲気中で酸化し、2nm程度の膜厚を有するSi酸化膜312を形成する(ステップS5)。
そして、金属薄膜(Ni薄膜またはPt薄膜)をSi酸化膜312上に形成する(ステップS6)。
その後、試料を半導体製造装置600の基板ホルダー630上に設置し、Hガス、Heガス、Arガス、Nガス、NHガス、H/Heガス、H/Arガス、およびH/Nガスから金属ドットの密度に応じて1つのガスを選択し、その選択した1つのガスを用いたリモートプラズマによって金属薄膜(Ni薄膜またはPt薄膜)を処理して金属量子ドット321を形成する(ステップS7)。
引き続いて、高誘電体絶縁膜322を金属量子ドット321上に形成し(ステップS8)、ゲート電極104を高誘電体絶縁膜322上に形成する(ステップS9)。
その後、フォトリソグラフィーによってSi量子ドット311、Si酸化膜312、金属量子ドット321、高誘電体絶縁膜322およびゲート電極104を所定の寸法にパターンニングし(ステップS10)、Si量子ドット311、Si酸化膜312、金属量子ドット321、高誘電体絶縁膜322およびゲート電極104の両側にサイドウォール106を形成する(ステップS11)。これによって、半導体メモリ100が完成する。
図19は、金属ドットを用いた他の半導体メモリの断面図である。図19を参照して、半導体メモリ110は、図17に示す半導体メモリ100の複合フローティングゲート300を複合フローティングゲート400に代えたものであり、その他は、半導体メモリ100と同じである。
複合フローティングゲート400は、図17に示す複合フローティングゲート300に制御ノード410を追加したものであり、その他は、複合フローティングゲート300と同じである。
制御ノード410は、電荷蓄積ノード320上に形成される。このように、複合フローティングゲート400は、上述した2層構造からなる複合フローティングゲート300上に制御ノード410を積層した3層構造を有する。そして、複合フローティングゲート400は、絶縁膜105とゲート電極104との間に配置される。
制御ノード410は、半導体メモリ110のメモリ消去における電子の放出を制御する機能を有する。そして、制御ノード410は、複数のSi量子ドット411と、高誘電率絶縁膜412とからなる。複数のSi量子ドット411は、電荷蓄積ノード320の高誘電率絶縁膜322上に二次元的に形成される。そして、複数のSi量子ドット411の各々は、略球状のSi結晶からなり、10nm以下の高さを有する。高誘電率絶縁膜412は、複数のSi量子ドット411を覆うように形成される。そして、高誘電率絶縁膜412は、Ta酸化膜またはZr酸化膜からなる。
なお、高誘電率絶縁膜412がTa酸化膜またはZr酸化膜からなる理由は、上述した高誘電率絶縁膜322がTa酸化膜またはZr酸化膜からなる理由と同じである。
半導体メモリ110の製造方法について説明する。半導体メモリ110は、上述した半導体メモリ100の製造方法において、電荷蓄積ノード320を形成した後、ゲート電極104を形成する前に、すなわち、図18に示すステップS8とステップS9との間に、Si量子ドット311と同じ方法によってSi量子ドット411を形成し、その形成したSi量子ドット411上に高誘電率絶縁膜322と同じ方法によって高誘電率絶縁膜412を形成する工程を挿入すればよい。
その他は、半導体メモリ100と同じである。
上述した図17および図19において、各ノードの境界は、説明のために略水平面で区切って図示しているが、実際は、膜の上に量子ドットを2次元に配置している。そのため、絶縁膜105と制御ノード310との境界は、略水平面に近いが、制御ノード310と電荷蓄積ノード320との境界、電荷蓄積ノード320と制御ノード410との境界は、量子ドットの形状によって凹凸が存在する。
半導体メモリ100,110におけるメモリ書込動作とメモリ消去動作とについて説明する。
図20〜図25は、それぞれ、半導体メモリ100,110におけるメモリ書込動作とメモリ消去動作とを説明するための第1から第6のエネルギーバンド図である。
以下の説明では、半導体メモリ110におけるトランジスタキャパシタ部のエネルギーバンド図を参照してメモリ書き込み動作およびメモリ消去動作を説明する。
まず、図20を参照して、半導体メモリ110のゲート電極104に正の電圧が印加されていないときのエネルギーバンド図について説明する。制御ゲート310のSi量子ドット311は、絶縁膜105とSi酸化膜312とによって挟まれており、ナノサイズを有するため、離散的なエネルギー準位LV1がSi量子ドット311の伝導帯中に存在する。同様に、離散的なエネルギー準位LV2が金属量子ドット321の伝導帯中に存在し、離散的なエネルギー準位LV3がSi量子ドット411の伝導帯中に存在する。これらのエネルギー準位LV1〜LV3は、電子に対するエネルギー準位である。
そして、Si量子ドット311は、Si量子ドット411と同じSi結晶からなっているので、エネルギー準位LV1は、エネルギー準位LV3と同じである。また、金属量子ドット321は、Si量子ドット311,411と異なる材料からなっているので、エネルギー準位LV2は、エネルギー準位LV1,LV3よりも低い。更に、金属量子ドット321は、半導体基板101とも異なる材料からなっているので、エネルギー準位LV2は、半導体基板101の伝導帯よりも低い。
このように、半導体メモリ110においては、電荷蓄積ノード320における金属量子ドット321の電子に対するエネルギー準位LV2は、電荷蓄積ノード320の両側に存在する制御ノード310,410におけるSi量子ドット311,411の電子に対するエネルギー準位LV1,LV3よりも低い。したがって、電荷蓄積ノード320は、金属量子ドット321の電子に対するエネルギー準位LV2がSi量子ドット311,411の電子に対するエネルギー準位LV1,LV3よりも低くなるように制御ノード310,410と異なる材料からなる。
次に、図21を参照して、図20に示すエネルギーバンド図を有する半導体メモリ110におけるメモリの書き込み動作は、ゲート電極104に正の電圧を印加し、半導体基板101から電子をSi量子ドット311や金属量子ドット321に注入することにより行われる。
ゲート電極104に正の電圧を印加すると、半導体基板101の電子600が絶縁膜105をトンネルして制御ノード310のSi量子ドット311へと注入される。Si量子ドット311へ電子が注入されると、Si量子ドット311の静電エネルギーが上昇するため、Si量子ドット311中の電子保持によって半導体基板101のバンドは、下側に曲げられる。この状態は、論理上の「1」と判定される。
正の電圧をゲート電極104に更に印加すると、さらに、半導体基板101の電子が絶縁膜105をトンネルして制御ノード310のSi量子ドット311へと注入される。これによって、Si量子ドット311へ2個目の電子700が注入される(図22参照)。この状態は、論理上の「2」と判定される。
このように、ゲート電極104に正電圧を印加することによって、半導体基板101の電子600が1個ずつ絶縁膜105をトンネルして制御ノード310のSi量子ドット311へと注入される。この状態をもって多値表現が可能となる。
Si量子ドット311に注入された数個の電子は、光入力または電子放出操作のない間はSi量子ドット311に保持される。
また、半導体メモリ110のゲート電極104に正電圧を更に印加すると、上記同様に、半導体基板101から電子801がSi量子ドット311内に注入される(図23参照)。そしてSi量子ドット311に蓄積されている電子の量が一定基準を超すと、Si量子ドット311内に保持されている電子802は、Si酸化膜312をトンネルして金属量子ドット321内に注入される(図23参照)。
金属量子ドット321は、ナノ(量子)構造であるため、離散化したエネルギー準位LV2が存在し、このエネルギー準位LV2は、制御ノード310,410中のSi量子ドット311,411のエネルギー準位LV1,LV3よりも低い。その結果、金属量子ドット321は、電子保持によるしきい値シフトの検知が可能であり、さらには、金属材料を用いているため、保持電子数の制限がなく、多数の電子を安定に保持できる。そのため、電子保持時間が長くなり、結果として情報の保持時間が長くなる。さらには、電荷保持ノードとして金属量子ドット321を用いることで、電子の注入に必要な時間、すなわち情報書き込み時間に大きく影響を及ぼす絶縁膜105を極めて薄膜化することが可能となるため、書き込み速度も同時に効率良く改善できる。
以上説明した半導体メモリ110によれば、ゲート電極104である不純物半導体または半透明金属からの電気的パルスまたは光パルスによりSi量子ドット311、および金属量子ドット321へ電子の注入を高速で効率的に行なうことが可能となる。
また、半導体メモリ110は、絶縁膜105と半導体基板101との境界面がSiOとSi界面なので、閾値電圧の増加や電界効果移動度の低下を招くことなく、良好なトランジスタ特性が実現できる。
次に、半導体メモリ110におけるメモリの消去動作について説明する。半導体メモリ110におけるメモリの消去は、ゲート電極104に光を照射したり、負の電圧を印加したりして、Si量子ドット311や金属量子ドット321に注入された電子を半導体基板101へ放出することによって行なわれる。
以下、図24および図25を参照して、半導体メモリ110の消去動作を説明する。なお、半導体メモリ100の構造と、半導体メモリ110の構造とがあるが、同様の動作を示す段階があるので、半導体メモリ110の構造におけるトランジスタキャパシタ部の構造で説明を行う。
一旦、書き込んだ情報を消去する場合、ゲート電極104から微弱な光900を入射する。微弱な光900がゲート電極104に入射されると、内部光電効果によって、電荷蓄積ノード320の金属量子ドット321に保持された電子が励起される。その結果、半導体メモリ100では、金属量子ドット321に保持された電子は、制御ノード310のSi量子ドット311中へ当該電子901が放出される(図24参照)。
そして、ゲート電極104に負電圧をさらに印加することでSi量子ドット311中の電子902は、半導体基板101へ放出される(図24参照)。
また、半導体メモリ110では、金属量子ドット321に保持された電子901,903がそれぞれ制御ノード310のSi量子ドット311中、および制御ノード410のSi量子ドット411中へ分散して放出される。(図24参照)。
そして、ゲート電極104に負電圧をさらに印加することでSi量子ドット311中の電子902のみが半導体基板101へ放出される(図24参照)。
即ち、半導体メモリ110では、電荷蓄積ノード320の金属量子ドット321に保持された電子を放出する際、制御ノード310のSi量子ドット311中と、制御ノード410のSi量子ドット411中とへ分散されることにより、一斉に保持電子を全部放出することなく、制御ノード310のSi量子ドット311中に放出された電子のみをゲート電圧で制御しながら放出するようにしている(図25参照)。
その結果、多値メモリの部分的な消去動作が可能となるので、メモリ消去動作の制御をより確実化させることができる。
また、一度に全ての電子を放出する場合は、ゲート電極104に負電圧を印加した状態でゲート電極104に微弱な光900を照射する。これにより、内部光電効果によって金属量子ドット321内の保持電子を一挙に制御ノード310のSi量子ドット311中に放出でき、さらに電圧を印加することで、Si量子ドット311中に保持されていた電子が半導体基板101に放出され、保持電子がなくなるため、データは消去されたことになる。
なお、金属量子ドット321に対する制御ノード310のSi量子ドット311および制御ノード410のSi量子ドット411のバリアは、低いために赤外域の光でも容易に電子を放出できるので、現在、光データ通信に広く使われている赤外域の光で半導体メモリ110からのデータ出力が可能であるという利点を有する。
なお、微弱な光900の光源として、メモリパッケージ内部に有機EL材料を塗布することで実現してもよい。
以上、説明したような複合フローティングゲート(300,400)および、電子の注入および放出手段をとることによって、半導体メモリ100,110において、多値記憶動作を実現できる。
また、Si量子ドットに比べ電子系に対する深いポテンシャル井戸が実現できる金属量子ドットに電子を注入することにより、注入された電子は、金属量子ドット内に安定して蓄積可能となり、電子を放出しにくくなる。その結果、絶縁膜105の薄膜化による書き込み・消去時間の低減が改善できるため、多値記憶動作を安定かつ高速に実現可能となる。
さらに、図1に示す工程(a)〜(e)に従って電荷蓄積ノード320を構成する金属量子ドット321を形成することによって、金属量子ドット321の密度を制御した半導体メモリ100,110を製造できる。
図26は、金属ドットを用いたさらに他の半導体メモリの断面図である。金属ドットを用いた半導体メモリは、図26に示す半導体メモリ120であってもよい。図26を参照して、半導体メモリ120は、図17に示す半導体メモリ100の複合フローティングゲート300をフローティングゲート500に代えたものであり、その他は、半導体メモリ100と同じである。
フローティングゲート500は、絶縁膜105とゲート電極104とに接して絶縁膜105とゲート電極104との間に形成される。そして、フローティングゲート500は、金属ドット511と、高誘電率絶縁膜512とからなる。
金属ドット511は、PtドットまたはNiドットからなり、絶縁膜105に接して絶縁膜105上に形成される。
高誘電率絶縁膜512は、上述した高誘電率絶縁膜322と同じ材料からなり、金属ドット511を覆うように金属ドット511上に形成される。
半導体メモリ120においては、フローティングゲート500は、電荷蓄積ノードとして機能し、情報を記憶する。
図27は、図26に示す半導体メモリ120の製造方法を説明するためのフローチャートである。
図27に示すフローチャートは、図18に示すフローチャートのステップS4,S5を削除し、ステップS6,S10,S11をそれぞれステップS6A,S10A,S11Aに代えたものであり、その他は、図18に示すフローチャートと同じである。
図27を参照して、半導体メモリ120の製造が開始されると、上述したステップS1〜ステップS3が順次実行された後、金属薄膜(Pt薄膜またはNi薄膜)が絶縁膜105上に形成される(ステップS6A)。
その後、上述したステップS7〜ステップS9が順次実行される。そして、フォトリソグラフィーによって金属量子ドット511、高誘電体絶縁膜512およびゲート電極104を所定の寸法にパターンニングし(ステップS10A)、金属量子ドット511、高誘電体絶縁膜512およびゲート電極104の両側にサイドウォール106を形成する(ステップS11A)。これによって、半導体メモリ120が完成する。
半導体メモリ120においても、Si量子ドットに比べ電子系に対する深いポテンシャル井戸が実現できる金属量子ドットに電子を注入することにより、注入された電子は、金属量子ドット内に安定して蓄積可能となり、電子を放出しにくくなる。その結果、絶縁膜105の薄膜化による書き込み・消去時間の低減が改善できるため、多値記憶動作を安定かつ高速に実現可能となる。
また、図1に示す工程(a)〜(e)に従ってフローティングゲート500(電荷蓄積ノード)を構成する金属量子ドット511を形成することによって、金属量子ドット511の密度を制御した半導体メモリ120を製造できる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、金属薄膜をリモートプラズマによって処理するときのガスの種類によってドットの密度を制御可能な金属ドットの製造方法に適用される。また、この発明は、金属薄膜をリモートプラズマによって処理するときのガスの種類によってドットの密度を制御可能な金属ドットの製造方法を用いた半導体メモリの製造方法に適用される。
この発明の実施の形態による金属ドットの製造方法を示す工程図である。 リモートプラズマ処理を行なうプラズマ処理装置の概略図である。 図1に示す工程(a)〜(e)に従って製造されたNiドットの表面状態を示す図である。 図1に示す工程(a)〜(e)に従って製造されたPtドットの表面状態を示す図である。 ガスとHeガスとの混合ガス(H/He)を用いてPt薄膜をリモートプラズマによって処理したときの表面状態を示す図である。 Ptドットにおけるドット密度および表面粗さとHe/H比との関係を示す図である。 Ptドットにおけるドット密度とドット高さとの関係を示す図である。 ガスとArガスとの混合ガス(H/Ar)を用いてPt薄膜をリモートプラズマによって処理したときの表面状態を示す図である。 Ptドットにおけるドット密度および表面粗さとAr/H比との関係を示す図である。 Ptドットにおけるドット密度とHe/H比またはAr/H比との関係を示す図である。 Ptドットにおけるドット密度およびHβ/Hα比とAr/H比との関係を示す図である。 Pt薄膜を窒素(N)ガスまたは酸素(O)ガスを用いたリモートプラズマによって処理したときの表面状態を示す図である。 Pt薄膜をNガスとHガスとの混合ガスを用いたリモートプラズマによって処理したときの表面状態を示す図である。 Pt薄膜をアンモニア(NH)ガスを用いたリモートプラズマによって処理した場合の表面状態を示す図である。 リモートプラズマ処理を行なう他のプラズマ処理装置の概略図である。 Pt薄膜をHガス、ArガスおよびHeガスを用いたリモートプラズマによって処理した場合のメッシュの有無による表面状態の違いを示す図である。 金属ドットを用いた半導体メモリの断面図である。 図17に示す半導体メモリの製造方法を説明するためのフローチャートである。 金属ドットを用いた他の半導体メモリの断面図である。 半導体メモリにおけるメモリ書込動作とメモリ消去動作とを説明するための第1のエネルギーバンド図である。 半導体メモリにおけるメモリ書込動作とメモリ消去動作とを説明するための第2のエネルギーバンド図である。 半導体メモリにおけるメモリ書込動作とメモリ消去動作とを説明するための第3のエネルギーバンド図である。 半導体メモリにおけるメモリ書込動作とメモリ消去動作とを説明するための第4のエネルギーバンド図である。 半導体メモリにおけるメモリ書込動作とメモリ消去動作とを説明するための第5のエネルギーバンド図である。 半導体メモリにおけるメモリ書込動作とメモリ消去動作とを説明するための第6のエネルギーバンド図である。 金属ドットを用いたさらに他の半導体メモリの断面図である。 図26に示す半導体メモリの製造方法を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
501 半導体基板、502 SiO膜、503 金属ドット、504 金属薄膜。

Claims (10)

  1. 金属薄膜を基板上に形成する第1のステップと、
    水素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、窒素ガス、アンモニアガス、水素ガスとヘリウムガスとの第1の混合ガス、水素ガスとアルゴンガスとの第2の混合ガスおよび水素ガスと窒素ガスとの第3の混合ガスの中から金属ドットの密度に応じて選択されたガスを用いたリモートプラズマによって前記金属薄膜を処理する第2のステップとを備える金属ドットの製造方法。
  2. 前記金属ドットの密度を第1の密度に設定するとき、前記第2のステップにおいて、前記ヘリウムガスを用いたリモートプラズマによって前記金属薄膜を処理し、前記金属ドットの密度を前記第1の密度よりも高い第2の密度に設定するとき、前記第2のステップにおいて、前記アルゴンガスを用いたリモートプラズマによって前記金属薄膜を処理し、前記金属ドットの密度を前記第1の密度よりも低い第3の密度に設定するとき、前記第2のステップにおいて、前記水素ガスを用いたリモートプラズマによって前記金属薄膜を処理する、請求項1に記載の金属ドットの製造方法。
  3. 前記金属ドットの密度を第1の密度に設定するとき、前記第2のステップにおいて、前記第1の混合ガスにおける前記ヘリウムガスの濃度を第1の濃度に設定して前記第1の混合ガスを用いたリモートプラズマによって前記金属薄膜を処理し、前記金属ドットの密度を前記第1の密度よりも高い第2の密度に設定するとき、前記第2のステップにおいて、前記第1の混合ガスにおける前記ヘリウムガスの濃度を前記第1の濃度よりも高い第2の濃度に設定して前記第1の混合ガスを用いたリモートプラズマによって前記金属薄膜を処理し、前記金属ドットの密度を前記第1の密度よりも低い第3の密度に設定するとき、前記第2のステップにおいて、前記第1の混合ガスにおける前記ヘリウムガスの濃度を前記第1の濃度よりも低い第3の濃度に設定して前記第1の混合ガスを用いたリモートプラズマによって前記金属薄膜を処理する、請求項1に記載の金属ドットの製造方法。
  4. 前記金属ドットの密度を第1の密度に設定するとき、前記第2のステップにおいて、前記第2の混合ガスにおける前記アルゴンガスの濃度を第1の濃度に設定して前記第2の混合ガスを用いたリモートプラズマによって前記金属薄膜を処理し、前記金属ドットの密度を前記第1の密度よりも高い第2の密度に設定するとき、前記第2のステップにおいて、前記第2の混合ガスにおける前記アルゴンガスの濃度を前記第1の濃度よりも高い第2の濃度に設定して前記第2の混合ガスを用いたリモートプラズマによって前記金属薄膜を処理し、前記金属ドットの密度を前記第1の密度よりも低い第3の密度に設定するとき、前記第2のステップにおいて、前記第2の混合ガスにおける前記アルゴンガスの濃度を前記第1の濃度よりも低い第3の濃度に設定して前記第2の混合ガスを用いたリモートプラズマによって前記金属薄膜を処理する、請求項1に記載の金属ドットの製造方法。
  5. 前記金属ドットの密度を第1の密度に設定するとき、前記第2のステップにおいて、前記第3の混合ガスにおける前記窒素ガスの濃度を第1の濃度に設定して前記第3の混合ガスを用いたリモートプラズマによって前記金属薄膜を処理し、前記金属ドットの密度を前記第1の密度よりも高い第2の密度に設定するとき、前記第2のステップにおいて、前記第3の混合ガスにおける前記窒素ガスの濃度を前記第1の濃度よりも高い第2の濃度に設定して前記第3の混合ガスを用いたリモートプラズマによって前記金属薄膜を処理する、請求項1に記載の金属ドットの製造方法。
  6. 前記金属ドットの密度を第1の密度に設定するとき、前記第2のステップにおいて、圧力を第1の圧力に設定して前記アンモニアガスを用いたリモートプラズマによって前記金属薄膜を処理し、前記金属ドットの密度を前記第1の密度よりも高い第2の密度に設定するとき、前記第2のステップにおいて、前記圧力を前記第1の圧力よりも低い第2の圧力に設定して前記アンモニアガスを用いたリモートプラズマによって前記金属薄膜を処理し、前記金属ドットの密度を前記第1の密度よりも低い第3の密度に設定するとき、前記第2のステップにおいて、前記圧力を前記第1の圧力よりも高い第3の圧力に設定して前記アンモニアガスを用いたリモートプラズマによって前記金属薄膜を処理する、請求項1に記載の金属ドットの製造方法。
  7. 前記金属ドットの密度を第1の密度に設定するとき、前記第2のステップにおいて、前記ヘリウムガスを用いたリモートプラズマによって前記金属薄膜を直接処理し、前記金属ドットの密度を前記第1の密度よりも低い第2の密度に設定するとき、前記第2のステップにおいて、前記ヘリウムガスを用いたリモートプラズマによって金属メッシュを介して前記金属薄膜を処理する、請求項1に記載の金属ドットの製造方法。
  8. 前記金属ドットの密度を第1の密度に設定するとき、前記第2のステップにおいて、前記水素ガスおよび前記アルゴンガスのいずれかのガスを用いたリモートプラズマによって前記金属薄膜を直接処理し、前記金属ドットの密度を前記第1の密度よりも高い第2の密度に設定するとき、前記第2のステップにおいて、前記水素ガスおよび前記アルゴンガスのいずれかのガスを用いたリモートプラズマによって金属メッシュを介して前記金属薄膜を処理する、請求項1に記載の金属ドットの製造方法。
  9. 前記第1のステップにおいて、白金薄膜またはニッケル薄膜が前記金属薄膜として前記基板上に形成される、請求項1に記載の金属ドットの製造方法。
  10. 半導体基板の一主面にソース電極およびドレイン電極を形成する第1のステップと、
    前記ソース電極と前記ドレイン電極との間の前記半導体基板の一主面に絶縁膜を形成する第2のステップと、
    前記絶縁膜上に半導体ドットを形成する第3のステップと、
    前記半導体ドットを酸化して前記半導体ドットを覆うように酸化膜を形成する第4のステップと、
    前記酸化膜上に金属薄膜を形成する第5のステップと、
    水素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、窒素ガス、アンモニアガス、水素ガスとヘリウムガスとの第1の混合ガス、水素ガスとアルゴンガスとの第2の混合ガスおよび水素ガスと窒素ガスとの第3の混合ガスの中から金属ドットの密度に応じて選択されたガスを用いたリモートプラズマによって前記金属薄膜を処理する第6のステップとを備える半導体メモリの製造方法。
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