JP2010153483A - 成膜装置、及び、成膜方法 - Google Patents

成膜装置、及び、成膜方法 Download PDF

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孝浩 伊藤
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Abstract

【課題】 ウエハを安定して載置可能であるとともに、ウエハがサセプタに貼り付くことを防止可能な成膜装置及び成膜方法を提供する。
【解決手段】 ウエハの表面に膜を成長させる成膜装置であって、チャンバと、チャンバ内に設置されており、ウエハが載置される載置部を備えるサセプタと、載置部に載置されるウエハを加熱するヒータと、加熱されることによって反応して固体を生成する原料ガスをチャンバ内に導入する原料ガス導入手段と、サセプタ内に形成されており、下流端が載置部の周囲のサセプタ外周部に開口している阻害ガス流路と、原料ガスの反応を阻害する阻害ガスを阻害ガス流路に供給する阻害ガス供給手段を有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、ウエハの表面に膜を成長させる成膜技術に関する。
成膜装置は、チャンバと、チャンバ内に設置されているサセプタと、サセプタの載置部上に載置されるウエハを加熱するヒータと、チャンバ内に原料ガスを導入する原料ガス導入手段を備えている。原料ガスは、加熱されることによって反応して固体を生成する。ヒータによってウエハが加熱され、原料ガス導入手段によってチャンバ内に原料ガスが導入されると、原料ガスがウエハの表面近傍で加熱される。これによって、原料ガスがウエハの表面近傍で反応し、ウエハの表面に固着する固体が生成される。このように、原料ガスから生成された固体がウエハの表面に固着することで、ウエハの表面に膜が成長する。
上述した成膜装置では、ウエハを加熱する際に、ウエハが載置されているサセプタも加熱される。このため、サセプタの表面にも膜が成長する。サセプタのうちのウエハが載置されている載置部よりも外周側の部分(以下では、サセプタ外周部という)の近傍では、サセプタ外周部とウエハの外周面に跨るように膜が成長する。このため、ウエハがサセプタに貼り付いてしまう。すると、サセプタに貼り付いている部分で、ウエハとサセプタとの間で熱が伝わり易くなる。このため、ウエハのうち、サセプタに貼り付いている部分とサセプタに貼り付いていない部分との間で温度差が生じる。このように、ウエハに温度の不均衡が生じると、ウエハにスリップ(結晶格子のずれ)やノジュール(局所的な膜の異常成長)等の欠陥が形成されてしまうという問題が生じる。特に、近年では、大電流を扱うパワー半導体装置等の製造に厚い膜が必要とされる。ウエハの表面に厚い膜を成長させると、サセプタの表面にも膜が厚く成長し、ウエハがサセプタに貼り付き易い。このため、ウエハに欠陥が形成され易い。
上記の問題を解決する成膜装置が、特許文献1に開示されている。特許文献1の成膜装置では、サセプタの載置部にウエハが載置されたときに、ウエハの下面とサセプタとの間に隙間が形成されるように、サセプタの形状が形成されている。また、ウエハの下面とサセプタの間の隙間に不活性ガスが供給可能とされている。成膜処理時には、前記隙間に不活性ガスを供給する。隙間に供給された不活性ガスは、隙間を通ってサセプタ外周部上に導入される。このように、サセプタ外周部上に不活性ガスを導入することで、サセプタ外周部上に原料ガスが流入することを抑制している。このため、サセプタ外周部近傍で原料ガスが反応することが阻害され、サセプタ外周部とウエハの外周面に跨って膜が成長することが防止される。すなわち、ウエハがサセプタに貼り付くことが防止される。これによって、ウエハに温度の不均衡が生じることが抑制され、ウエハに結晶欠陥が生じることが抑制される。
特開2007−522681号公報
特許文献1の成膜装置は、不活性ガスをウエハの下面とサセプタの間の隙間を通してサセプタ外周部上に供給している。サセプタ上に不活性ガスを供給するためには、チャンバ内の圧力より隙間内の圧力(すなわち、不活性ガスの供給圧力)を高くする必要がある。このように、隙間内の圧力を高くすると、ウエハの下面に作用する不活性ガスの圧力が高くなり、ウエハが浮き上がり易くなる。成膜中のウエハに浮きが生じると、成長する膜の均質性が低下する等の問題が生じる。このため、特許文献1の成膜装置では、ウエハの浮きを防止するために不活性ガスの供給圧力を制限する必要があり、サセプタ外周部上に十分な量の不活性ガスを導入することができない場合があった。
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたものであり、ウエハを安定して載置可能であるとともに、ウエハがサセプタに貼り付くことを防止可能な成膜装置及び成膜方法を提供することを目的とする。
本発明の成膜装置は、ウエハの表面に膜を成長させる。この成膜装置は、チャンバと、サセプタと、ヒータと、ガス導入手段と、阻害ガス流路と、阻害ガス供給手段を有している。サセプタは、チャンバ内に設置されており、ウエハが載置される載置部を備えている。ヒータは、載置部に載置されるウエハを加熱する。原料ガス導入手段は、加熱されることによって反応して固体を生成する原料ガスをチャンバ内に導入する。阻害ガス流路は、サセプタ内に形成されており、下流端が載置部の周囲のサセプタ外周部に開口している。阻害ガス供給手段は、原料ガスの反応を阻害する阻害ガスを阻害ガス流路に供給する。
この成膜装置によってウエハの表面に膜を成長させる際には、ヒータによってウエハを加熱し、原料ガス導入手段によってチャンバ内に原料ガスを導入する。これによって、ウエハの表面近傍で原料ガスが加熱され、ウエハの表面に膜が成長する。また、この成膜装置では、成膜時に、阻害ガス供給手段によってサセプタ内に形成されている阻害ガス流路に阻害ガスを供給する。阻害ガス流路に供給された阻害ガスは、阻害ガス流路内を通ってサセプタ外周部上に導入される。したがって、サセプタ外周部上に原料ガスが流入することが抑制される。これによって、サセプタ外周部近傍で原料ガスが反応することが阻害され、サセプタ外周部とウエハの外周面に跨って膜が成長することが防止される。すなわち、ウエハがサセプタに貼り付くことが防止される。また、この成膜装置では、阻害ガス流路がサセプタの内部に形成されているので、阻害ガス流路内を流れる阻害ガスが載置部に載置されるウエハと接触しない。したがって、ウエハの下面に阻害ガスの供給圧力が加わらない。これによって、ウエハが浮き上がることが防止されている。すなわち、この成膜装置では、ウエハをサセプタに安定して載置した状態で膜を成長させることができる。
サセプタ外周部で原料ガスの反応を阻害しても、サセプタ外周部に微量ながら膜が成長する場合がある。サセプタ外周部に成長した膜は、パーティクル(ウエハの表面に異物が付着する欠陥)の原因となるため好ましくない。
このため、上述した成膜装置においては、阻害ガスを、原料ガスの反応によって生成される固体をエッチングするガスとすることができる。
このような構成によれば、膜の成長が阻害ガスのエッチング反応によっても抑制される。したがって、サセプタ外周部に膜が成長することをより効果的に抑制することができる。また、この成膜装置は、阻害ガス流路内を流れる阻害ガスがウエハと接触しないので、阻害ガス流路内の阻害ガスによってウエハがエッチングされてしまうこともない。
上述した成膜装置は、サセプタ外周部に、ウエハ載置部より上方に突出する凸部が、ウエハ載置部を囲むように形成されていることが好ましい。そして、阻害ガス流路の下流端が、ウエハ載置部と凸部の間に開口していることが好ましい。
この成膜装置では、ウエハと凸部との間の空間に阻害ガスが導入される。したがって、前記空間内で阻害ガスの濃度が上昇し、前記空間内に原料ガスが流入することを効率的に抑制することができる。
上述した成膜装置は、阻害ガス流路の下流端が、凸部の内周面に開口していることが好ましい。
このような構成によれば、阻害ガスが前記空間内をウエハの外周面に向かって流れる。このため、ウエハの外周面近傍に原料ガスが流入することをより効率的に抑制することができる。このため、ウエハとサセプタとの貼りつきをより効果的に防止することができる。
上述した成膜装置は、サセプタ外周部を多孔質材料により形成することもできる。そして、多孔質材料内の空孔によって、阻害ガス流路の一部を形成することができる。
このような構成によれば、多孔質材料によって形成されているサセプタ外周部の表面から略均一に阻害ガスが噴出する。このため、サセプタ外周部の表面全体において、膜が成長することを抑制することができる。これによって、パーティクルの発生をより抑制することができる。
また、サセプタの外周部の阻害ガス流路の開口は、サセプタの周方向に沿って均等間隔で形成されていることが好ましい。
これによって、ウエハの全周においてサセプタへの貼り付きを防止することができる。
本発明は、チャンバ内に設置されているサセプタの載置部に載置されたウエハの表面に膜を成長させる成膜方法を提供する。この成膜方法では、ウエハを加熱するステップと、加熱されることによって反応して固体を生成する原料ガスをチャンバ内に導入するステップと、原料ガスの反応を阻害する阻害ガスを、ウエハの下面に接触させることなく、載置部の周囲のサセプタ外周部上に供給するステップを同時に実行する。
この成膜方法によれば、ウエハのサセプタへの貼り付きを防止することができる。また、ウエハをサセプタに安定して載置した状態で膜を成長させることができる。
本発明の成膜装置及び成膜方法では、サセプタ外周部、及び、ウエハの外周面に膜が成長することを抑制することができる。したがって、サセプタ外周部とウエハの外周面に跨って膜が成長することを防止することができる。すなわち、ウエハがサセプタに貼り付くことを防止することができる。このため、ウエハに欠陥が生じることを抑制することができる。
下記に詳細に説明する実施例の主要な特徴を最初に列記する。
(特徴1)ガス導入手段は、ウエハの表面に向けて原料ガスを導入する。また、成膜装置は、サセプタを回転させる回転装置と、チャンバ内からガスを排気する排気手段を備えている。
(特徴2)ウエハは、シリコンウエハである。
(特徴3)原料ガスは、水素ガスからなる第1原料ガスと、塩化シリコンガス(SiHCl、SiHCl、SiCl等)からなる第2原料ガスとの混合ガスである。また、原料ガスとともに、ドーパントガスをチャンバ内に導入する。
(特徴4)阻害ガスは、不活性ガス(H、He、Ar等)またはエッチングガス(HCl等)である。
実施例に係る成膜装置について説明する。図1は、実施例の成膜装置10の概略断面図を示している。成膜装置10は、シリコンウエハ50の表面にシリコンのエピタキシャル層を成長させる。図1に示すように、成膜装置10は、第1筐体12と、第1筐体12内に設置された第2筐体14を備えている。第2筐体14の内部空間によって、チャンバ15が形成されている。チャンバ15の内面は、高純度石英またはSiCにより覆われている。チャンバ15内には、サセプタ16が設置されている。
サセプタ16は、筒状の部材であり、直径が大きいホルダ部17と、直径が小さい軸部18を備えている。
筐体12の底部には、軸受部20が形成されている。サセプタ16の軸部18は軸受部20に挿入されている。これによって、サセプタ16は、図1の矢印60に示すように回転可能に軸受部20に取り付けられている。サセプタ16は、図示しない駆動装置によって回転させることができる。
ホルダ部17は、チャンバ15内に位置している。ホルダ部17の上面には、シリコンウエハ50を載置する載置面17aが形成されている。載置面17aは、シリコンウエハ50の下面の全域と接触するように形成されている。ホルダ部17の載置面17aの周囲(すなわち、サセプタ外周部)には、載置面17aから上方に突出する凸部17bが形成されている。図2は、シリコンウエハ50が載置されている状態のサセプタ16の上面図を示している。図2に示すように、凸部17bは、ホルダ部17の外周に沿って、載置面17aを囲むように形成されている。図3は、凸部17bの拡大断面図を示している。図3に示すように、凸部17bの高さは、載置面17aに載置されるシリコンウエハ50の厚さと略等しい高さとされている。また、図3に示すように、凸部17bには、一端がサセプタ16の内部空間16aに接続されており、他端が凸部17bの内周面17cに開口するガス流路17dが形成されている。図2に示すように、サセプタ16には、8個のガス流路17dが、ホルダ部17の周方向に沿って均等間隔に形成されている。図1に示すように、ホルダ部17の内部空間16aには、抵抗加熱型のヒータ22が設置されている。ヒータ22は、載置面17aの直下に設置されている。ヒータ22によって、載置面17a上に載置されたシリコンウエハ50を加熱することができる。
図1に示すように、サセプタ16の軸部18には、エッチングガス供給装置30が接続されている。エッチングガス供給装置30は、サセプタ16の内部空間16a内にHClガスを供給する。エッチングガス供給装置30によって供給されたHClガスは、内部空間16aとガス流路17dを通って、ホルダ部17上(サセプタ外周部上)に導入される。すなわち、サセプタ16とガス流路17dによって、HClガスの流路が形成されている。
チャンバ15の上部には、原料ガス供給路24a、24bが接続されている。原料ガス供給路24a、24bは筐体12の外部に引き出されており、その上流端は原料ガス供給装置25に接続されている。原料ガス供給装置25は、Hガス(水素ガス)とSiHClガス(トリクロロシランガス)とPHガス(リン化水素ガス)との混合ガス(以下では、この混合ガスを、原料混合ガスという)を原料ガス供給路24a、24b内に供給する。HガスとSiHClガスは、互いに反応してシリコンウエハ50の表面にシリコンのエピタキシャル層を成長させるガスである。PHガスは、エピタキシャル層中にリンをドーピングして、エピタキシャル層をN型化するためのドーパントガスである。チャンバ15の上部には、原料ガス供給路24a、24bとチャンバ15を分離するように、シャワープレート26が設置されている。シャワープレート26は、表裏を連通する多数の連通孔を備えている。したがって、原料ガス供給装置25から供給される原料混合ガスは、原料ガス供給路24a、24bとシャワープレート26を通過してチャンバ15内に供給される。
チャンバ15の底面15aには、排気通路28a、28bが接続されている。排気通路28a、28bの下流端は、排気ポンプ29に接続されている。排気ポンプ29は、排気通路28a、28b内のガスを排出する。排気ポンプ29を作動させることによって、チャンバ15内を減圧することができる。
筐体14の外周壁14a(すなわち、チャンバ15の外周壁)と筐体12の外周壁12aとの間には、水冷管32が配設されている。水冷管32内には、冷水を流通させることができる。水冷管32によって、筐体14の外周壁14aを冷却することができる。これによって、チャンバ15内のガスが外周壁14aの表面で反応することが防止される。
次に、成膜装置10によって、シリコンウエハ50の表面にエピタキシャル層を成長させる処理(成膜処理)について説明する。
成膜処理を行うときには、サセプタ16の載置面17a上にシリコンウエハ50を載置する。そして、以下のように、成膜装置10の各部を制御する。すなわち、排気ポンプ29を作動させて、チャンバ15内の圧力を760Torr以下に保持する。水冷管32内に冷水を流通させて、筐体14の外周壁14aを冷却する。サセプタ16を、約1000rpmの回転速度で回転させる。ヒータ22を作動させて、シリコンウエハ50の温度を約1100℃に保持する。原料ガス供給装置25を作動させて、チャンバ15内に原料混合ガスを供給する。エッチングガス供給装置30を作動させて、サセプタ16の内部空間16aにHClガスを供給する。
チャンバ15に供給された原料混合ガスは、図1の矢印70に示すようにシャワープレート26からシリコンウエハ50に向かって流れる。原料混合ガスは、シリコンウエハ50の表面近傍に到達すると、矢印72に示すようにサセプタ16の外周側に向かって流れる。サセプタ16の外周部まで流れたガスは、矢印74に示すように、排気通路28a、28bからチャンバ15外に排出される。矢印72に示すようにシリコンウエハ50近傍を流れるガスは、高速回転するシリコンウエハ50の遠心力の影響を受けて、高速で流れる。このため、シャワープレート26から供給されるガスがシリコンウエハ50に引き寄せられ、矢印70に示すようにシリコンウエハ50に向かうガスの流れが安定する。また、チャンバ15内を流れるガスの流量とサセプタ16の回転速度は、チャンバ15内でのガスの対流が抑制されるように調整されている。したがって、チャンバ15内を矢印70、72、74に示すように安定してガスが流れる。
シリコンウエハ50はヒータ22によって加熱されている。このため、矢印72に示すようにシリコンウエハ50の表面に沿って流れる原料混合ガスは、シリコンウエハ50によって加熱される。これによって、原料混合ガスがシリコンウエハ50の近傍で反応を起こす。より詳細には、SiHClガスとHガスとが、以下の反応式に示す成膜反応を起こす。
SiHCl+H→Si+3HCl
上記反応式に示す成膜反応により生成されるSi(シリコン)が、シリコンウエハ50の表面に固着するシリコンとなる。すなわち、上記の反応式に示す成膜反応によって、シリコンウエハ50の表面にエピタキシャル層(単結晶シリコン膜)が成長する。また、シリコンウエハ50の表面にシリコン膜が成長する際には、PHガスが含有するリン原子が成長するシリコン膜中に取り込まれる。このため、成長するシリコン膜はN型のシリコン膜となる。また、上記の反応式に示すように、反応後には副生成物としてHClガス(塩酸ガス)が生成される。
ヒータ22はサセプタ16の内部に設置されているので、ヒータ22によってサセプタ16も加熱される。このため、原料混合ガスは、サセプタ16の表面近傍においても成膜反応を起こす。したがって、成膜反応によってサセプタ16の表面にもシリコン膜(より詳細には、ポリシリコン膜)が成長する。シリコンウエハ50とサセプタ16に跨るようにシリコン膜が成長すれば、シリコンウエハ50はサセプタ16に貼り付いてしまう。特に、図3に示すように、シリコンウエハ50の外周部は、端部に向かうほど徐々に薄くなるベベル形状に形成されている。このため、シリコンウエハ50の下面側のベベル面50aとサセプタ16の上面との間の隙間50bにシリコン膜が成長すると、シリコンウエハ50はサセプタ16に貼りつく。
本実施例の成膜装置10では、エッチングガス供給装置30から供給されるHClガスによって、シリコンウエハ50の外周側のサセプタ16の表面にシリコン膜が成長することが抑制されている。エッチングガス供給装置30から供給されるHClガスの作用について以下に説明する。
エッチングガス供給装置30からサセプタ16の内部空間16a内に供給されたHClガスは、図3に示すように、ガス流路17dを通ってサセプタ16上に導入される。すなわち、HClガスは、シリコンウエハ50と凸部17bとの間の空間40に導入される。このため、空間40内のHClガスの濃度が高くなり、空間40内に原料混合ガスが流入することが抑制される。したがって、空間40の内面(すなわち、シリコンウエハ50の外周面とサセプタ16の表面)にシリコン膜が成長することが抑制される。特に、ガス流路17dが凸部17bの内周面17cに開口しているので、ガス流路17dから導入されるHClガスの一部が、図3の矢印76に示すようにシリコンウエハ50に向かって流れる。したがって、シリコンウエハ50のベベル面50aとサセプタ16の上面との間の隙間50bにHClガスが供給され、隙間50bでシリコン膜が成長し難くなる。このため、シリコンウエハ50がサセプタ16に貼り付くことが防止される。また、HClガスは、シリコンと接触すると、以下の反応を起こす。
Si+3HCl→SiHCl+H
この反応は、シリコンをエッチングする反応である。このため、空間40内で成膜反応が生じてシリコン膜が成長したとしても、HClガスが成長したシリコン膜をエッチングする。このため、空間40内でシリコン膜が成長することがより抑制される。
また、空間40内に導入されたHClガスは、図3の矢印78に示すように、サセプタ16の外周側に向かって流れる。このため、凸部17bの上面においてもシリコン膜が成長することが抑制される。特に、矢印78に示すように流れるHClガスは、シリコンウエハ50上から流れてくるガス(図1の矢印72に示すように流れるガス)と合流するため、凸部17b近傍でガスの流れが乱れる。このため、原料混合ガスが凸部17bの表面に到達することが阻害され、凸部17bの表面でのシリコン膜の成長をより抑制することができる。
以上に説明したように、この成膜装置10によれば、シリコンウエハ50がサセプタ16に貼り付くことを防止しながら、シリコンウエハ50の表面にシリコン膜を成長させることができる。したがって、シリコンウエハ50にスリップやノジュール等の欠陥が生じることを抑制することができる。
また、この成膜装置10によれば、載置面17aの周囲のサセプタ外周部(すなわち、サセプタ16のうちの空間40内に露出している部分と凸部17b)にシリコン膜が成長することを抑制することができる。このため、サセプタ外周部に付着したシリコン膜を原因として、シリコンウエハ50にパーティクルが生じることを抑制することができる。また、成膜処理の終了後には、次の成膜処理においてパーティクルが生じることを抑制するために、サセプタ16を洗浄する必要がある。具体的には、チャンバ15内にHClガスを導入して、サセプタ16に付着するシリコンをエッチングにより除去する。成膜装置10では、最もシリコン膜が成長し易いサセプタ外周部におけるシリコン膜の成長が抑制されるので、成膜処理後のエッチングにおいて短時間でサセプタ16に付着しているシリコン膜を除去することができる。このため、短いサイクルタイムで成膜処理を繰り返し実行することができる。
また、この成膜装置10では、内部空間16aとガス流路17dによって形成されているHClガスの流路が、サセプタ16の内部に形成されている(すなわち、HClガスの流路がシリコンウエハ50から隔絶される位置に形成されている)。すなわち、流路内を流れるHClガスがシリコンウエハ50の下面に接触しない。このため、流路内のHClガスの圧力によってシリコンウエハ50が成膜処理中に浮き上がることがない。したがって、十分な供給圧力で流路内にHClガスを供給することができる。また、流路内のHClガスがシリコンウエハ50に接触しないので、流路内でHClガスがシリコンウエハ50と反応して、シリコンウエハ50がエッチングされることもない。
なお、上述した実施例では、ガス流路17dが凸部17bの内周面17cに開口していた。しかしながら、ガス流路17dは、図4に示すように、シリコンウエハ50と凸部17bの間の空間40の底面に開口していてもよい。このような構成によっても、空間40内でシリコン膜が成長することを抑制することができる。
また、上述した実施例では、8個のガス流路17dの開口が、サセプタ16の周方向に沿って均等間隔に配置されていた。しかしながら、載置面17aを囲むようにガス流路17dの開口部を多数配置してもよい。例えば、多数の貫通孔が形成されているメッシュ状の部材を載置面17aの周囲を囲むように配置し、そのメッシュ状の部材の貫通孔からHClガスが噴出するようにガス流路17dをメッシュ状の部材に接続することもできる。このように、載置面17aの周囲にガス流路17dの開口部を多数形成することで、シリコンウエハ50の周囲により均一にHClガスを導入することができる。
また、図5に示すように、サセプタ外周部を多孔質材料80によって形成し、サセプタ16の内部空間16a内のHClガスが、多孔質材料80中の空孔からチャンバ15内に噴出するようしてもよい。このような構成によれば、サセプタ外周部の表面全域からHClガスが噴出するので、その表面全域でシリコン膜の成長を抑制することができる。
また、上述した実施例では、載置面17aの周囲に凸部17bが形成されていた。しかしながら、図6に示すように、凸部17bを形成しなくてもよい。このような構成によっても、シリコンウエハ50の周囲にHClガスが導入されるので、シリコンウエハ50の貼り付きを防止することができる。
また、上述した実施例では、シリコンをエッチングするHClガスをシリコンウエハ50の周囲に導入したが、例えばHガス、Heガス、Arガス等の不活性ガスをシリコンウエハ50の周囲に導入してもよい。不活性ガスを導入する場合には、サセプタ外周部に成長するシリコン膜をエッチングすることはできないが、サセプタ外周部の表面に原料混合ガスが到達することを阻害することができる。これによって、サセプタ外周部にシリコン膜が成長することを抑制し、シリコンウエハ50のサセプタ16への貼り付きを防止することができる。
また、上述した実施例では、シリコンウエハ50の表面にシリコン膜を形成する例について説明した。しかしながら、ウエハはシリコンウエハ50に限られず、また、成長させる膜もシリコンに限られない。種々の材質からなるウエハ(例えば、SiC等)に対して、種々の膜(例えば、SiC等)を成長させる装置に本発明を適用することができる。
また、上述した実施例では、シリコンウエハ50の加熱に抵抗加熱型のヒータを用いたが、加熱装置には種々の装置を用いることができ、例えば、ランプアニール装置等を用いることもできる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
成膜装置10の概略断面図。 サセプタ16の上面図。 サセプタ16の外周部の拡大断面図。 第1変形例の成膜装置10のサセプタ16の外周部の拡大断面図。 第2変形例の成膜装置10のサセプタ16の外周部の拡大断面図。 第3変形例の成膜装置10のサセプタ16の外周部の拡大断面図。
符号の説明
10:成膜装置
15:チャンバ
16:サセプタ
16a:内部空間
17:ホルダ部
17a:載置面
17b:凸部
17d:ガス流路
22:ヒータ
24a:原料ガス供給路
25:原料ガス供給装置
26:シャワープレート
28a:排気通路
29:排気ポンプ
30:エッチングガス供給装置
32:水冷管
40:空間
50:シリコンウエハ

Claims (7)

  1. ウエハの表面に膜を成長させる成膜装置であって、
    チャンバと、
    チャンバ内に設置されており、ウエハが載置される載置部を備えるサセプタと、
    載置部に載置されるウエハを加熱するヒータと、
    加熱されることによって反応して固体を生成する原料ガスをチャンバ内に導入する原料ガス導入手段と、
    サセプタ内に形成されており、下流端が載置部の周囲のサセプタ外周部に開口している阻害ガス流路と、
    原料ガスの反応を阻害する阻害ガスを阻害ガス流路に供給する阻害ガス供給手段、
    を有していることを特徴とする成膜装置。
  2. 阻害ガスが、原料ガスの反応によって生成される固体をエッチングするガスであることを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
  3. サセプタ外周部に、ウエハ載置部より上方に突出する凸部が、ウエハ載置部を囲むように形成されており、
    阻害ガス流路の下流端が、ウエハ載置部と凸部の間に開口していることを特徴とする請求項1または2に記載の成膜装置。
  4. 阻害ガス流路の下流端が、凸部の内周面に開口していることを特徴とする請求項3に記載の成膜装置。
  5. サセプタ外周部が、多孔質材料により形成されており、
    多孔質材料内の空孔が、阻害ガス流路の一部を形成していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の成膜装置。
  6. サセプタの外周部には、阻害ガス流路の開口がサセプタの周方向に沿って均等間隔で形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の成膜装置。
  7. チャンバ内に設置されているサセプタの載置部に載置されたウエハの表面に膜を成長させる成膜方法であって、
    ウエハを加熱するステップと
    加熱されることによって反応して固体を生成する原料ガスをチャンバ内に導入するステップと、
    原料ガスの反応を阻害する阻害ガスを、ウエハの下面に接触させることなく、載置部の周囲のサセプタ外周部上に供給するステップ、
    を同時に実行することを特徴とする成膜方法。
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