JP2010153273A - 固体酸化物型燃料電池 - Google Patents

固体酸化物型燃料電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2010153273A
JP2010153273A JP2008331759A JP2008331759A JP2010153273A JP 2010153273 A JP2010153273 A JP 2010153273A JP 2008331759 A JP2008331759 A JP 2008331759A JP 2008331759 A JP2008331759 A JP 2008331759A JP 2010153273 A JP2010153273 A JP 2010153273A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductive layer
electrode conductive
fuel electrode
lead portion
solid oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008331759A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5281390B2 (ja
Inventor
Shigeru Okuma
滋 大隈
Kazuo Tomita
和男 冨田
Makoto Izumida
誠 泉田
Akihiro Yamashita
晃弘 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2008331759A priority Critical patent/JP5281390B2/ja
Publication of JP2010153273A publication Critical patent/JP2010153273A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5281390B2 publication Critical patent/JP5281390B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Inert Electrodes (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】燃料極導電層でのNiの粒成長に起因する界面量の変化を抑制して、燃料極導電層の耐久性を確保するとともに、リード部における導電性を十分に確保することができる固体酸化物型燃料電池を提供する。
【解決手段】基体管上に形成される燃料極導電層、該燃料極導電層上に形成される電解質、及び該電解質上に形成される空気極導電層とを含む複数のセルと、該複数のセルのうち隣接するセル同士を電気的に接続するインターコネクタとを備えた固体酸化物型燃料電池において、前記セルで発電した電力を集電するリード部を有し、前記燃料極導電層とリード部は、何れもニッケル(Ni)を含有する材料であり、それぞれ組成又は組織の少なくとも1が異なる材料を使用して、燃料極導電層の耐久性とリード部の導電性を確保した。
【選択図】図2

Description

本発明は、固体酸化物型燃料電池に関するものであり、特に、セルの燃料極導電層におけるNiの粒成長に起因する界面量変化を抑制するとともに、集電を目的とするリード部の導電性を確保することができる固体酸化物型燃料電池に関するものである。
電気化学反応による発電方式を利用した発電装置である燃料電池は、優れた発電効率、環境対応といった特性を有するため様々な分野で注目されている。
燃料電池の1つとして、作動温度が約700〜1000℃である固体酸化物型燃料電池が知られている。
固体酸化物型燃料電池は、発電を行う素子部と、該素子部で発電された電力を集電し、固体酸化物型燃料電池の外部へ取り出すリード部から構成されている。
素子部は、円筒状の基体管と、該基体管の外表面に設けられた複数のセルと、隣接するセル同士を電気的に接続するインターコネクタとを備えている。セルは、基体管の外表面側から順に、燃料極導電層、電解質、空気極導電層の順で積層され、必要に応じて燃料極導電層と電解質との間に燃料極反応層、電解質と空気極導電層との間に空気極反応層が介装されて形成されている。インターコネクタは、1のセルの空気極導電層と隣接するセルの燃料極導電層とを電気的に接続している。
基体管はカルシア安定化ジルコニア(CSZ)、燃料極導電層はニッケル(Ni)とイットリア安定化ジルコニア(YSZ)との複合材料、電解質はイットリア安定化ジルコニア(YSZ)、空気極導電層はランタン(La)系化合物などが材料の一例として挙げることができる。
また、基体管は、素子部だけでなくリード部まで延びており、リード部は基体管の外表面に形成されている。
固体酸化物型燃料電池の基体管の内側に水素等の燃料を供給し、基体管の外側の空気極導電層側に空気、酸素等の酸化剤を供給すると、作動温度約700〜1000℃において、酸素イオン(O2−)が電解質中を移動して電気を取り出すことができる。取り出された電気はリード部に集電され、外部に取り出される。
このようにして構成される固体酸化物型燃料電池では、従来、セルの燃料極導電層と、リード部とは同一材料で構成していた。
前記燃料極導電層とリード部とを構成する材料として、前述のように例えばNiとYSZとの複合材料が用いられている。
燃料極導電層は、3層界面で反応した電子の通電を目的とした膜であるが、長時間にわたって作動温度約700℃〜1000℃という高温を保持すると、Niの粒成長という組成変化が生じ、界面量が変化する、即ち耐久性で問題があることが分かっている。前記界面量変化への対応として、例えば導電パスを担うNi含有量を低減する、Niを高分散させてNiの連続性を低下させる、などの方法が考えられるが、このような方法をとると、導電性が低下し、同一材料で形成されているリード部の導電性が十分に確保できなくなる。
即ち、反応を伴う燃料極導電層の耐久性の観点では、燃料極導電層の導電性を低下させた物質を使用することが好ましいが、このような物質を使用すると燃料極導電層とリード部で同一物質を使用しているため反応を伴わないリード部の導電性も低下し、固体酸化物型燃料電池全体の出力が低下してしまう。
特許文献1には、基体管上に電解質として安定化ジルコニア系の材料を用い900〜1000℃の温度範囲で運転される第1燃料電池と、前記基体管上に電解質としてセリア系又はランタンガレート系の何れかの材料を用い600〜900℃の温度範囲で運転される第2燃料電池とを具備した固体酸化物型燃料電池が開示されている。
特開2005−79060号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、温度範囲によって電解質の材料を変えることで、燃料電池管の端部などの発電部と大幅な温度差が生じるスペースを有効にすることができ、さらに、600〜900℃と低温の温度範囲で運転される第2燃料電池の領域では、燃料極導電層における界面量の変化が低減される可能性があるが、900〜1000℃と高温の温度範囲で運転される第1燃料電池の領域では燃料極導電層における界面量の変化を低減することはできない。
従って、本発明はかかる従来技術の問題に鑑み、燃料極導電層でのNiの粒成長に起因する界面量の変化を抑制して、燃料極導電層の耐久性を確保するとともに、リード部における導電性を十分に確保することができる固体酸化物型燃料電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明においては、基体管上に形成される燃料極導電層、該燃料極導電層上に形成される電解質、及び該電解質上に形成される空気極導電層とを含む複数のセルと、
該複数のセルのうち隣接するセル同士を電気的に接続するインターコネクタとを備えた固体酸化物型燃料電池において、前記セルで発電した電力を集電するリード部を有し、前記燃料極導電層とリード部は、何れもニッケル(Ni)を含有する材料であり、それぞれ組成又は組織の少なくとも1が異なる材料を使用して、燃料極導電層の耐久性とリード部の導電性を確保したことを特徴とする。
このようにして、燃料極導電層とリード部とで異なる材料、詳しくは、反応を伴う燃料極導電層には一定以上の導電性を確保した上で前記反応に対する耐久性の高い材料、反応を伴わないリード部には導電性の高い材料を使用することにより、燃料極導電層でのNiの粒成長に起因する界面量の変化を抑制するとともに、リード部における導電性を十分に確保することができる固体酸化物型燃料電池を提供することができる。
また、前記燃料極導電層とリード部には、Ni又はNi系合金と、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)を含む材料を使用し、前記燃料極導電層には、前記材料を微粉化して得られた高分散組織体を使用し、前記リード部には、前記材料を焼結させて得られた低分散組織体を使用することを特徴とする。
燃料極導電層に使用される材料は、微粉化することでNiの分散性が向上し、Niの連続性が低下する。そのため、燃料極導電層におけるNiの粒成長を抑制し、界面量の変化を抑制することができ、耐久性を確保することができる。前記微粉化は、例えばボールミルで混合を行って実施する。
また、リード部に使用される材料は、焼結を行うことで、粒径の大きなNiを組織内に入れることができ、これによりNiの連続性が向上する。そのため、リード部においては導電性を十分に確保することができる。
これにより、燃料極導電層に使用する材料とリード部に使用する材料とを、同じ材料、配合比としたNi又はNi系合金とYSZとの複合材料に対して異なる前処理を施すことによって異なる材料とすることができる。即ち、前処理を施す前のNi又はNi系合金とYSZとの複合材料は、燃料極導電層用とリード部用とを共通とすることができ、材料の管理が容易である。
また、前記燃料極導電層とリード部には、Ni又はNi系合金と、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)からなる複合材料を含む材料を使用し、前記燃料極導電層に使用する材料は、材料中のNiOの含有量を30〜60vol%とし、前記リード部に使用する材料は、材料中のNiOの含有量を50〜70vol%とすることを特徴とする。
これにより、組織制御を行うことなく、Ni又はNi系合金とYSZとの配合比の調整のみで燃料極導電層でのNiの粒成長に起因する界面量の変化を抑制して、燃料極導電層の耐久性を確保するとともに、リード部における導電性を十分に確保することができ、材料の管理が容易であるとともに、固体酸化物型燃料電池の製造が容易である。
また、前記燃料極導電層は、Ni又はNi系合金と、YSZからなる複合材料を含む材料を使用し、前記リード部は、Niを含有し、前記燃料極導電層に使用する材料よりも導電性が高い材料を使用することを特徴とする。
前記燃料極導電層に使用する材料よりも導電性が高い材料として、例えばNi/MgAl、Ni/YSZ/Al、Ni/SDC(サマリウムドープドセリア)、Ni/GDC(ガドリニウムドープドセリア)などが挙げられる。
これにより、燃料極導電層でのNiの粒成長に起因する界面量の変化を抑制して、燃料極導電層の耐久性を確保するとともに、リード部における導電性を十分に確保することができることに加えて、材料の自由度が高いため、材料を製造上、コスト面に応じて選定することができる。
以上記載のごとく本発明によれば、燃料極導電層でのNiの粒成長に起因する界面量の変化を抑制して、燃料極導電層の耐久性を確保するとともに、リード部における導電性を十分に確保することができる固体酸化物型燃料電池を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は、実施例1における固体酸化物型燃料電池2の外観図である。
固体酸化物型燃料電池2は、発電を行う素子部(電池部分)4と、該素子部4で発電された電力を集電し、固体酸化物型燃料電池2の外部へ取り出すリード部(通電部)6とから構成されている。
図2は、固体酸化物型燃料電池における素子部4の一部断面図である。
素子部4は、円筒状の基体管22と、基体管22の外表面に設けられた複数のセル8と、隣接するセル8同士を電気的に接続するインターコネクタ10とを備えている。それぞれのセル8は、基体管22の外表面側から順に、燃料極導電層12、電解質16、空気極導電層20の順で積層され、燃料極導電層12と電解質16との間に燃料極反応層14、電解質16と空気極導電層20との間に空気極反応層18が介装されて形成されている。インターコネクタ10は、1のセル8の空気極導電層20と他のセル8の燃料極導電層14とを電気的に接続している。
また、基体管22は円筒状であり、図1に示した素子部4だけでなくリード部6まで延びており、リード部6は基体管22の外表面に形成されている。
また、前記各部の材料の一例として、基体管22はカルシア安定化ジルコニア(CSZ)、電解質16はイットリア安定化ジルコニア(YSZ)、空気極導電層はランタン(La)系化合物などが挙げられる。
固体酸化物型燃料電池2の基体管22の内側に水素等の燃料を供給し、基体管22の外側の空気極導電層20側に空気、酸素等の酸化剤を供給すると、作動温度約700〜1000℃にて酸素イオン(O2−)が電解質16中を移動して電気を取り出すことができる。
固体酸化物型燃料電池の運転時の電流の流れについて説明する。前記酸化剤の供給により空気極導電層20で電子を得た酸素イオンは、電解質16を通過し、燃料極導電層12で水素と反応し水(HO)を生成して電子を放出する。このとき、電流は、燃料極導電層12、電解質16、空気極導電層20を流れ、インターコネクタ10を流れて隣接するセルの燃料極導電層12へと流れる。
なお、空気極反応層18は、空気極導電層20と電解質16との界面に設けられるものであり、燃料電池の発電反応における反応性を向上させるために設けられている。
このように構成される固体酸化物型燃料電池2におけるリード部6の材料を以下のようにして作成した。
まず、NiOとYSZの粉体それぞれを50vol%ずつ混合して、粉砕、焼結及び造粒のうち1種類又は2種類以上を1回又は複数回組み合わせて行い、所望の粒径を含んだ組織体を作成した。ここで、前記所望の粒径とは、後述する燃料極導電層を形成する組織の粒径よりも大きな粒径をいう。
また、焼結とは、高温での粒子同士の接合のことであり、固体粉末の集合体を融点よりも低い温度で加熱することで固まって焼結体と呼ばれる緻密な物体を得ることができる。
また、造粒とは、微粉を付着凝集させたり圧縮して、前記微粉より大径の粒をつくることをいう。
そして、前記粉砕、焼結及び造粒のうち1種類又は2種類以上を1回又は複数回組み合わせて行うことで得られた組織体に対して、前処理として焼結又は造粒を行い、所定の粒径のものを混合し、さらに焼結させることでリード部6に使用する低分散組織体を得た。
また、燃料極導電層12の材料を以下のようにして作成した。
まず、NiOとYSZの粉体それぞれを50vol%ずつ混合して、粗砕、粉砕を行って微粒化して混合することで高分散組織体を得た。より詳しくは、前記NiとYSZの粉体それぞれを50vol%ずつ混合した混合物をポールミルで混合し、粒径を微細化してから焼成して高分散組織体を得た。
以上のようにして得られた低分散組織体及び高分散組織体のイメージを図3に示す。
図3(A)は低分散組織体のイメージ図であり、図3(B)は高分散組織体のイメージ図である。図3(A)においては、Ni及びYSZの粒径がともに大きく、材料の分散性が低い状態であることが分かる。また、図3(B)においては、Ni及びYSZの粒径が細かく、材料の分散性が高いことが分かる。
このようにして、燃料極導電層12では高分散組織体を使用することにより、Niの連続性が低下し、そのため燃料極導電層におけるNiの粒成長を抑制することができる。Niの粒成長を抑制することによって、発電によるNiの反応に伴う燃料極導電層の界面量の変化を抑制することができ、燃料極導電層の耐久性を確保することができる。
また、リード部6では低分散組織体を使用することにより、Niの連続性が向上し、そのためリード部における導電性を十分に確保することができる。
従って、燃料極導電層12でのNiの粒成長に起因する界面量の変化を抑制して、燃料極導電層12の耐久性を確保するとともに、リード部6における導電性を十分に確保することができる。
さらに、燃料極導電層12に使用する材料とリード部6に使用する材料とを、同じ材料、配合比としたNiとYSZとの複合材料に対して異なる処理を施すことによって燃料極導電層12とリード部6の材料を得ることができる。即ち、処理を施す前のNiとYSZとの複合材料は、燃料極導電層用とリード部用とを共通とすることができるため、材料の管理が容易である。
実施例2における固体酸化物型燃料電池は、図1及び図2に示した固体酸化物型燃料電池と、燃料極導電層12とリード部6との材料以外は全て同じであるため、その説明を省略し、同一符号は同一物を表すものとする。
このように構成される固体酸化物型燃料電池2における燃料極導電層12及びリード部6の材料について検討を行った。
NiOとYSZとの複合材料におけるNiOとYSZの体積比と、YSZ中のZrOの粒径を変化させ、表1に示す11サンプルを作成した。
Figure 2010153273
前記11サンプルそれぞれについて、温度600℃、700℃、800℃、900℃、1000℃における導電率(S/cm)を測定した。結果を図4に示す。図4における凡例中のプロット記号は上から順にサンプル名FCR−1〜11を順番に表している。
図4に示したように、測定を実施した何れの温度においてもNiOの含有量が少なくなるにつれ誘電率が小さくなった。このことから、燃料極導電層12内に含まれるNiOの含有量を少なくすることで、Niの粒成長速度を低下させることができるといえる。
そこで、燃料極導電層12を、NiOとYSZからなる複合材料を使用し、該複合材料中のNiOの含有量を30〜60vol%に設定した。NiOの含有量が30vol%よりも小さいと、図4から分かるように誘電率が小さすぎて燃料極導電層12の導電性を確保することができない。また、NiOの含有量が60vol%よりも大きいと、Niの粒成長速度を低下させる効果が十分ではない。
また、リード部6を、NiOとYSZからなる複合材料を使用し、該複合材料中のNiOの含有量の下限を50vol%に設定した。図4及び後述する図5からわかるように、NiOの含有量が50vol%以上であれば、固体酸化物型燃料電池2の作動温度である700〜1000℃の範囲において誘電率が約500S/cm以上となる。誘電率500S/cm以上を達成できれば、固体酸化物型燃料電池を形成する他材料の誘電率の兼ね合いから、リード部6の導電性が固体酸化物型燃料電池の性能律速にはならず、電池性能の低下を防止することができる。即ち、リード部6が十分な導電性を確保できるということである。
図5は、NiO/YSZの配合比(vol%)を変化させた場合の熱膨張率をまとめた表である。図5から分かるように、NiOの含有量が75vol%以上では、熱膨張率が14.0×10−6−1を超える可能性があり、実用上使用できない。そのため、最大でも熱膨張率が14.0×10−6−1を超えないNiOの含有量70vol%をリード部6のNiO含有量の上限とした。
まとめると、リード部6を、NiとYSZからなる複合材料を使用し、該複合材料中のNiOの含有量を50〜70vol%に設定した。
このようにして設定した値に基づき、燃料極導電層12に、NiOの含有量が30〜60vol%であるNiOとYSZからなる複合材料を使用し、リード部6に、NiOの含有量が50〜70vol%であるNiOとYSZからなる複合材料を使用した。
これにより、燃料極導電層12でのNiOの粒成長に起因する界面量の変化を抑制して、燃料極導電層12の耐久性を確保するとともに、リード部6における導電性を十分に確保することができる。
さらに、組織制御を行うことなく、NiOとYSZとの配合比の調整で課題を解決することができ、材料の管理が容易であるとともに、固体酸化物型燃料電池の製造が容易である。
実施例3における固体酸化物型燃料電池2は、図1及び図2に示した固体酸化物型燃料電池2と、燃料極導電層12とリード部6との材料以外は全て同じであるため、その説明を省略し、同一符号は同一物を表すものとする。
燃料極導電層12の材料として、NiとYSZからなる複合材料を使用した。これにより、Niの粒成長速度を抑制することができる。
リード部6の材料として、燃料極導電層12よりも導電性の高い材料を使用した。具体的には、Ni/MgAlを使用した。Ni/MgAlは900℃における誘電率が約2000〜3000S/cmであり、900℃における誘電率が500S/cm程度であるNi/YSZよりも導電性が高い。
また、Ni/MgAlのほかにNi/YSZ/Al、NiO/MgAl、NiO/SDC、NiO/GDCなどを使用することができる。例えばNi/YSZ/Alは900℃における誘電率が約1000〜2000S/cmである。
また、前記それぞれの物質の熱膨張率は、
Ni/YSZ(50/50) 12.0〜13.0×10−6−1
Ni/YSZ/Al(63/21/14) 11.0〜12.0×10−6−1
NiO/MgAl(60/40) 10.5〜11.0×10−6−1
であり、実用できる範囲である。
但し前記カッコ内の数値は各成分の体積比である。
このようにして燃料極導電層12に、NiとYSZからなる複合材料を使用し、リード部6に、Ni/MgAlなどの燃料極導電層よりも導電性の高い材料を使用した。
これにより、燃料極導電層12でのNiの粒成長に起因する界面量の変化を抑制して、燃料極導電層12の耐久性を確保するとともに、リード部6における導電性を十分に確保することができる。
さらに、これにより、材料の自由度が高いため、材料を製造上、コスト面に応じて選定することができる。
燃料極導電層でのNiの粒成長に起因する界面量の変化を抑制して、燃料極導電層の耐久性を確保するとともに、リード部における導電性を十分に確保することができる固体酸化物型燃料電池として使用することができる。
固体酸化物型燃料電池の外観図である。 固体酸化物型燃料電池における素子部の一部断面図である。 図3(A)は低分散組織体のイメージ図であり、図3(B)は高分散組織体のイメージ図である。 NiOとYSZの体積比を変化させたときの、誘電率と温度の関係を示したグラフである。 NiO/YSZの配合比(vol%)を変化させた場合の熱膨張率をまとめた表である。
符号の説明
2 固体酸化物型燃料電池
4 素子部
6 リード部
8 セル
10 インターコネクタ
12 燃料極導電層
14 燃料極反応層
16 電解質
18 空気極反応層
20 空気極導電層
22 基体管

Claims (4)

  1. 基体管上に形成される燃料極導電層、該燃料極導電層上に形成される電解質、及び該電解質上に形成される空気極導電層とを含む複数のセルと、
    該複数のセルのうち隣接するセル同士を電気的に接続するインターコネクタとを備えた固体酸化物型燃料電池において、
    前記セルで発電した電力を集電するリード部を有し、
    前記燃料極導電層とリード部は、何れもニッケル(Ni)を含有する材料であり、それぞれ組成又は組織の少なくとも1が異なる材料を使用して、燃料極導電層の耐久性とリード部の導電性を確保したことを特徴とする固体酸化物型燃料電池。
  2. 前記燃料極導電層とリード部には、Ni又はNi系合金と、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)を含む材料を使用し、
    前記燃料極導電層には、前記材料を微粉化して得られた高分散組織体を使用し、
    前記リード部には、前記材料を焼結させて得られた低分散組織体を使用することを特徴とする請求項1記載の固体酸化物型燃料電池。
  3. 前記燃料極導電層とリード部には、Ni又はNi系合金と、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)からなる複合材料を含む材料を使用し、
    前記燃料極導電層に使用する材料は、材料中のNiO含有量を30〜60vol%とし、
    前記リード部に使用する材料は、材料中のNiO含有量を50〜70vol%とすることを特徴とする請求項1記載の固体酸化物型燃料電池。
  4. 前記燃料極導電層は、Ni又はNi系合金と、YSZからなる複合材料を含む材料を使用し、
    前記リード部は、Niを含有し、前記燃料極導電層に使用する材料よりも導電性が高い材料を使用することを特徴とする請求項1記載の固体酸化物型燃料電池。
JP2008331759A 2008-12-26 2008-12-26 固体酸化物型燃料電池 Active JP5281390B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008331759A JP5281390B2 (ja) 2008-12-26 2008-12-26 固体酸化物型燃料電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008331759A JP5281390B2 (ja) 2008-12-26 2008-12-26 固体酸化物型燃料電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010153273A true JP2010153273A (ja) 2010-07-08
JP5281390B2 JP5281390B2 (ja) 2013-09-04

Family

ID=42572138

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008331759A Active JP5281390B2 (ja) 2008-12-26 2008-12-26 固体酸化物型燃料電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5281390B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012133438A1 (ja) * 2011-03-31 2012-10-04 独立行政法人産業技術総合研究所 中低温高効率電気化学セル及びそれらから構成される電気化学反応システム

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005149995A (ja) * 2003-11-18 2005-06-09 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 円筒型燃料電池

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005149995A (ja) * 2003-11-18 2005-06-09 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 円筒型燃料電池

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012133438A1 (ja) * 2011-03-31 2012-10-04 独立行政法人産業技術総合研究所 中低温高効率電気化学セル及びそれらから構成される電気化学反応システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP5281390B2 (ja) 2013-09-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2903067A1 (en) Half cell for solid oxide fuel cells, and solid oxide fuel cell
CN105409041B (zh) 固体氧化物燃料电池及其制造方法
JP5225336B2 (ja) 燃料電池セル及び燃料電池
JP5725449B2 (ja) 固体酸化物形燃料電池
JP2012043774A (ja) 電極材料及びそれを含む固体酸化物型燃料電池セル
JP4928642B1 (ja) 固体酸化物型燃料電池
JP6370696B2 (ja) セル構造体、電解質膜−電極接合体、および、燃料電池
Suda et al. Preparation of SOFC anode composites by spray pyrolysis
JP2010282772A (ja) 固体酸化物形燃料電池用電極材及び固体酸化物形燃料電池用電極
JP2007066813A (ja) 燃料電池用の電極およびこれを用いた固体電解質型燃料電池
JP5729572B2 (ja) 固体電解質材料およびこれを備えた固体酸化物形燃料電池
JP5097867B1 (ja) 燃料電池セル
JP2009140693A (ja) 固体酸化物形燃料電池
JP2004327278A (ja) 燃料電池用電極材料及びこれを用いた固体酸化物形燃料電池
JP4989774B2 (ja) 電極材料及びそれを含む固体酸化物型燃料電池セル
JP5502180B2 (ja) 固体酸化物型燃料電池
JP5281390B2 (ja) 固体酸化物型燃料電池
JP4739665B2 (ja) 燃料電池セル及び燃料電池
JP5117605B2 (ja) 電極材料及びそれを含む固体酸化物型燃料電池セル
JP4849774B2 (ja) 固体電解質形燃料電池セル及び固体電解質形燃料電池
JP4508592B2 (ja) 燃料電池セルの製法
JP5395295B1 (ja) 燃料電池セル
KR102105056B1 (ko) 삼중도핑 안정화 산화비스무트계 전해질 및 그 제조 방법
JP2012099322A (ja) 固体酸化物型燃料電池
JP5633409B2 (ja) 固体酸化物形燃料電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110120

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130205

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130405

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130430

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130524

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5281390

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350