JP2010151026A - 圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧縮機において、構造を複雑にすることなく、シリンダ室から排出された冷媒を所望の方向に流す。
【解決手段】フロントヘッド63の凹部77の上面及びリアヘッド65の凹部79の下面には、それぞれ、一端部が排出流路76、78を覆う閉塞部81aであり、他端部が凹部77、79に固定された固定部81bである弁部材81と、弁部材81の凹部77、79と反対側に配置された弁押さえ部材82とを有する弁機構80が配置されている。弁部材81及び弁押さえ部材82は、それぞれ、対称軸A1及び対称軸A2に関して対称な形状を有している。対称軸A1、A2は直線Lと平行であるとともに、直線Lと直交する方向に関して互いにずれて配置されており、弁部材81の直線Lと直交する方向に関する両側に弁押さえ部材82よりも外側にはみ出した部分の形状が互いに異なっている。
【選択図】図3
【解決手段】フロントヘッド63の凹部77の上面及びリアヘッド65の凹部79の下面には、それぞれ、一端部が排出流路76、78を覆う閉塞部81aであり、他端部が凹部77、79に固定された固定部81bである弁部材81と、弁部材81の凹部77、79と反対側に配置された弁押さえ部材82とを有する弁機構80が配置されている。弁部材81及び弁押さえ部材82は、それぞれ、対称軸A1及び対称軸A2に関して対称な形状を有している。対称軸A1、A2は直線Lと平行であるとともに、直線Lと直交する方向に関して互いにずれて配置されており、弁部材81の直線Lと直交する方向に関する両側に弁押さえ部材82よりも外側にはみ出した部分の形状が互いに異なっている。
【選択図】図3
Description
本発明は、冷媒を圧縮する圧縮機に関する。
特許文献1に記載の圧縮機においては、シリンダ(シリンダ室)に連通する吐出孔を塞ぐように弁板(弁部材)が配置されており、弁板の上面に弁押さえが配置されている。弁押さえは、吐出孔と反対側の端部において弁板とともに弁板部材に固定されているとともに、弁板に対してその幅方向(長手方向と直交する方向)に傾斜するように配置されており、弁板が、シリンダ内の冷媒の圧力により上方に押圧されたときには、弁押さえの上記傾斜に沿うように弾性変形する。そして、吐出孔から排出された冷媒は、弁板の上記傾斜に沿った方向の一方に他方よりも多く流れる。これにより、弁押さえの上記傾斜の方向を変えれば、吐出孔から排出された冷媒を所望の方向に流すことが可能となる。
しかしながら、特許文献1に記載の圧縮機では、弁押さえ部材を、吐出孔と反対側の端部において弁板とともに弁板部材に固定されているとともに、弁板に対してその幅方向(長手方向と直交する方向)に傾斜した複雑な構造にする必要があるので、製造時の弁押さえ部材の加工が困難なものとなってしまう。
本発明の目的は、構造を複雑にすることなく、シリンダ室から排出された冷媒を所望の方向に流すことが可能な圧縮機を提供することである。
第1の発明に係る圧縮機は、冷媒を圧縮するためのシリンダ室が形成されたシリンダと、前記シリンダ室に連通した排出流路を有する隔壁部材とを備え、前記隔壁部材には、前記排出流路の開閉を行うための弁機構が設けられ、前記弁機構は、前記排出流路の開口を塞ぐ閉塞部、及び、前記隔壁部材に固定される固定部を有する、前記排出流路から排出される冷媒の圧力により弾性変形する弁部材と、前記弁部材の変形を制限する弁押さえ部材とを備え、前記閉塞部は、平面視において、前記排出流路の開口と前記固定部とを結ぶ直線に対して両側に、前記弁押さえ部材よりも外側まではみ出しているとともに、前記排出流路から冷媒が排出されている状態で、前記排出流路から前記両側に流れ出る冷媒の量が互いに異なるように、一方側と他方側にはみ出した部分の形状が互いに異なっていることを特徴とするものである。
この圧縮機では、弁部材の閉塞部における、弁部材の固定部と排出流路の開口とを結ぶ直線に対して両側にはみ出した部分の形状を互いに異ならせることにより、弁部材及び弁押さえ部材の構造を複雑にすることなく、排出流路から上記両側に流れ出る冷媒の量を異ならせることができる。これにより、排出流路からの冷媒の排出先の状況に応じて、冷媒の流れの方向を適切に調整し、排出流路から排出された冷媒の圧力損失を低減することができる。
第2の発明に係る圧縮機は、冷媒を圧縮するためのシリンダ室が形成されたシリンダと、前記シリンダ室に連通した排出流路を有する隔壁部材とを備え、前記隔壁部材には、前記排出流路の開閉を行うための弁機構が設けられ、前記弁機構は、前記排出流路の開口を塞ぐ閉塞部、及び、前記隔壁部材に固定される固定部を有する、前記排出流路から排出される冷媒の圧力によって弾性変形する弁部材と、
前記弁部材の変形を制限する弁押さえ部材とを備え、
前記閉塞部は、平面視において、前記排出流路の開口と前記固定部とを結んだ直線に対して片側にのみ前記弁押さえ部材よりも外側まではみ出していることを特徴とするものである。
前記弁部材の変形を制限する弁押さえ部材とを備え、
前記閉塞部は、平面視において、前記排出流路の開口と前記固定部とを結んだ直線に対して片側にのみ前記弁押さえ部材よりも外側まではみ出していることを特徴とするものである。
この圧縮機では、閉塞部を、排出流路の開口と固定部とを結んだ直線に対して片側にのみ弁押さえ部材よりも外側まではみ出させることにより、弁部材及び弁押さえ部材の構造を複雑にすることなく、排出流路から上記直線に対して両側に流れ出る冷媒の量を異ならせることができる。これにより、排出流路からの冷媒の排出先の状況に応じて、冷媒の流れの方向を適切に調整し、排出流路から排出された冷媒の圧力損失を低減することができる。
第3の発明に係る圧縮機は、第1又は第2の発明に係る圧縮機であって、前記弁部材及び前記弁押さえ部材が、それぞれ、前記直線と平行な対称軸に関して対称な形状を有しており、前記弁部材及び前記弁押さえ部材の対称軸同士が、前記直線と直交する方向に関して互いにずれていることを特徴とするものである。
この圧縮機では、弁部材及び弁押さえ部材が上記直線と平行な対称軸に関して対称な形状を有している場合、これらの対称軸同士が上記直線と直交する方向に関して互いにずれるように、弁部材及び弁押さえ部材を配置することにより、弁部材及び弁押さえ部材の構造を複雑にすることなく、排出流路から上記直線に対して両側に排出される冷媒の量を異ならせることができる。
以上に説明したように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
第1の発明では、弁部材の閉塞部における、弁部材の固定部と排出流路の開口とを結ぶ直線に対して両側にはみ出した部分の形状を互いに異ならせることにより、弁部材及び弁押さえ部材の構造を複雑にすることなく、排出流路から上記両側に流れ出る冷媒の量を異ならせることができる。これにより、排出流路からの冷媒の排出先の状況に応じて、冷媒の流れの方向を適切に調整し、排出流路から排出された冷媒の圧力損失を低減することができる。
第2の発明では、閉塞部を排出流路の開口と固定部とを結んだ直線に対して片側にのみ弁押さえ部材よりも外側まではみ出させることにより、弁部材及び弁押さえ部材の構造を複雑にすることなく、排出流路から上記直線に対して両側に流れ出る冷媒の量を異ならせることができる。これにより、排出流路からの冷媒の排出先の状況に応じて、冷媒の流れの方向を適切に調整し、排出流路から排出された冷媒の圧力損失を低減することができる。
第3の発明では、弁部材及び弁押さえ部材が上記直線と平行な対称軸に関して対称な形状を有している場合、これらの対称軸同士が上記直線と直交する方向に関して互いにずれるように、弁部材及び弁押さえ部材を配置することにより、弁部材及び弁押さえ部材の構造を複雑にすることなく、排出流路から上記直線に対して両側に排出される冷媒の量を容易に異ならせることができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
図1は本実施の形態に係る圧縮機の概略構成図である。図2は図1のシリンダ61上面の平面図である。図3は図1のフロントヘッド63の上面及びリアヘッド65の下面を示す平面図である。図4は図3のIV−IV線断面図である。図5は図3のV−V線断面図である。なお、フロントヘッド63及びリアヘッド65を同じ図面で示した図4、図5において、フロントヘッド63についてはその上下が図示した通りになっており、リアヘッド65についてはその上下が図示したのとは逆になっている。
圧縮機1は、例えば、エアコンなどの空調装置に用いられる圧縮機であり、図示しないアキュムレータから導入される冷媒を圧縮して、その上端部に配置された排出流路25から圧縮した冷媒を排出する。図1〜図3に示すように、圧縮機1は、ケーシング11、モータ12及び圧縮機構13を備えている。
ケーシング11は、胴体21、トップ22及びボトム23によって構成されている。胴体21は、上下方向に延びた略円筒状の部材であり、その上下端が開口している。また、胴体21の側面には右下端部に図示しないアキュムレータの、冷媒を排出する排出管2aが接続される接続口24が上下方向に沿って2つ形成されている。トップ22は、胴体21の上端の開口を塞ぐ部材である。また、トップ22には、前述した排出流路25が設けられている。ボトム23は胴体21の下端の開口を塞ぐ部材である。そして、ケーシング11には、胴体21、トップ22及びボトム23によって囲まれた密閉空間26が形成されている。
モータ12は、密閉空間26内に配置されており、固定子31と回転子32とを有している。固定子31は、胴体21の内壁面に固定されている。回転子32は、固定子31の径方向内側に配置されており、その略中央部には、上下方向に延びたシャフト60の上端部が固定されている。そして、モータ12においては、固定子31と回転子32との間に発生する磁力によって回転子32がシャフト60とともに回転する。なお、固定子31及び回転子32の構成は、従来のモータと同様であるので、ここではその詳細な説明を省略する。
圧縮機構13は、密閉空間26内において、モータ12の下方に位置している。圧縮機構13は、後述するように、ローラ62aとブレード62bとが一体的に形成されたピストン62を有するいわゆるロータリー型の圧縮機構であり、図1に示すように、2つのシリンダ61、2つのシリンダ61に対応して設けられた2つのピストン62、フロントヘッド63、ミドルプレート64、リアヘッド65、フロントマフラ66及びリアマフラ67を有している。そして、前述したシャフト60が、モータ12から下方に延びて、シリンダ61、ピストン62、フロントヘッド63、ミドルプレート64、リアヘッド65及びフロントマフラ66を貫通している。
2つのシリンダ61は、図1の上下方向に沿って配置されており、その略中央部にシリンダ61を上下方向に貫通する平面視で略円形のシリンダ室71が形成されている。
また、各シリンダ61には、シリンダ室71の図2における上方に、シリンダ室71に連通しているとともに図2の上下方向に延びた、ピストン62の後述するブレード62bが収納されるブレード収納室75が形成されている。
さらに、各シリンダ61には、シリンダ室71に接続されており、シリンダ室71からから図1の右方に延びた冷媒導入流路72が形成されており、接続口24に接続された図示しないアキュムレータの排出管2aが冷媒導入流路72に接続される。これにより、図示しないアキュムレータから圧縮機1に導入された冷媒は、冷媒導入流路72を介してシリンダ室71に流れ込むことになる。
ピストン62は、シリンダ室71の内部に配置されており、ローラ62a及びブレード62bを備えている。ローラ62aは、平面視で、略円環状に構成されている。また、円環状に構成されたローラ62aの略中央部は、略円形の貫通孔62cとなっており、貫通孔62cには、シャフト60の途中に設けられた、その中心軸がシャフト60の中心軸からずれた2つの偏心部60aがはめ込まれている。ここで、2つの偏心部60aは、平面視でシャフト60の中心軸に関して互いに180°ずれて配置されており、これら2つの偏心部60aがはめ込まれる2つのローラ62aも、シャフト60の中心軸に関して互いに180°ずれて配置されている。これにより、回転中のシャフト60の重心がシャフト60の中心軸上にくるようになっている。
ブレード62bは、ローラ62aの図2における上端部から図中上方に延びており、ブレード収納室75内に配置されているとともに、後述するようにピストン62が移動することにより、その一部分がブレード収納室75とシリンダ室71とを出入りする。また、ブレード62bは、ブレード収納室75内に配置されたブッシュ73に摺動可能に支持されている。
そして、シャフト60が偏心部60aとともに回転すると、ローラ62aがシリンダ室71の側壁面に当接しながら、側壁面に沿って移動するとともに、ローラ62aと一体的に形成されたブレード62bが移動して、ブレード62bの一部分がブレード収納室75とシリンダ室71とを出入りする。そして、ピストン62(ローラ62a及びブレード62b)がこのように移動することにより、冷媒導入流路72からシリンダ室71に導入された冷媒が圧縮され、圧縮された冷媒が、後述する排出流路76、78から、それぞれ、後述するマフラ空間91、92を介して密閉空間26に排出される。なお、ピストン62が移動することによってシリンダ室71内の冷媒が圧縮される過程については、従来の圧縮機と同様であるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。
フロントヘッド63(隔壁部材)は、上側のシリンダ61の上面に接合されており、このシリンダ61に形成されたシリンダ室71の上面(一表面)を画定している。また、フロントヘッド63には、排出流路76、凹部77及び弁機構80が設けられている。
排出流路76は、フロントヘッド63を上下方向に貫通する略円形の貫通孔であり、シリンダ室71において圧縮された冷媒は、排出流路76から排出される。凹部77は、フロントヘッド63の上面の、排出流路76の開口を含む部分から図3の右方及び左下方に延びている。
弁機構80は、弁部材81及び弁押さえ部材82を有している。弁部材81は、弾性材料からなり、凹部77の底面(フロントヘッド63のシリンダ61と反対側)に配置されている。また、弁部材81は、対称軸A1に関して線対称な形状を有しており、その一端部(図3における右上端部)が排出流路76の開口を塞ぐ閉塞部81aとなっているとともに、他端部(図3における左下端部)が、リベット83により凹部77の底面に固定される固定部81bとなっている。ここで、弁部材81の対称軸A1は、排出流路76の開口の中心とリベット83の中心(固定部81b)とを結んだ直線L上に位置している。
そして、シリンダ室71内の冷媒が圧縮され、その圧力が所定以上になると、シリンダ室71(排出流路76)内の冷媒の圧力によって、閉塞部81aが、図4(a)、図5(a)に示すように、排出流路76を塞いでいる状態から、図4(b)、図5(b)に示すように上方に弾性変形し、排出流路76とフロントヘッド63の上方に位置する後述するマフラ空間91とが連通する。これにより、排出流路76から流れ出た冷媒が、凹部77を流れてマフラ空間91に流れ込む。
弁押さえ部材82は、対称軸A2に関して線対称な形状を有しており、弁部材81の上面(フロントヘッド63と反対側)に配置されているとともに、固定部81b側の端部が、弁部材81とともにリベット83により凹部77の底面に固定されている。ここで、対称軸A2は、直線Lと平行であり、直線Lから、直線Lと直交する図3の左上方にずれて配置されている。また、弁押さえ部材82は、閉塞部81aと重なる部分が、直線Lと直交する方向に関して閉塞部81aよりも短くなっている。
そして、弁部材81及び弁押さえ部材82がこのように配置されていることにより、弁部材81の閉塞部81aは、直線Lと直交する方向に関する両側(直線Lに対して両側)に、弁押さえ部材82よりも外側まではみ出しているとともに、上下方向から見たこれら両側にはみ出した部分の形状が互いに異なっている。より詳細には、閉塞部81aは、その全ての部分において、直線Lと直交する方向に関して、弁押さえ部材82の図3の右下方に、図3の左上方よりも大きくはみ出している。また、弁押さえ部材82は、閉塞部81a側の端部が上方に湾曲しており、弁部材81は、弾性変形して弁押さえ部材82に当接したときに、弁押さえ部材82によりそれ以上の変形が妨げられる。
このとき、閉塞部81aは、その全ての部分において、直線Lと直交する方向に関して、弁押さえ部材82の図3の右下方に、図3の左上方よりも大きくはみ出しているため、弁部材81は、シリンダ室71内の冷媒の圧力によって弾性変形したときに、図5における右半分(図3における右下半分)が、図5における左半分(図3における左上半分)よりも大きく変形することになる。これにより、排出流路76から流れ出た冷媒は、凹部77が大きく延びている図5の右方(図3の右下方)に、凹部77が大きく延びていない図5の左方(図3の左上方)よりも多く流れ出る。すなわち、直線Lに対して両側に流れ出る冷媒の量が互いに異なる。
ここで、本実施の形態とは異なり、排出流路76から流れ出た冷媒が、凹部77が延びていない図5の左方(図3の左上方)に多く流れ出ると、冷媒がスムーズに流れず、冷媒の圧力損失が大きくなってしまう虞がある。
しかしながら、本実施の形態では、排出流路76から流れ出た冷媒は、凹部77が大きく延びている図5の右方(図3の右下方)に、凹部77が大きく延びていない図5の左方(図3の左上方)よりも多く流れ出るため、排出された冷媒はスムーズに凹部77を流れてマフラ空間91に流れ込む。これにより、排出流路76から流れ出た冷媒の圧力損失が低減される。
すなわち、対称軸A1に関して対称な弁部材81及び対称軸A2に関して対称な弁押さえ部材82を、対称軸A1と対称軸A2とが互いにずれるように配置することにより、弁部材81及び弁押さえ部材82の構造を複雑にすることなく、排出流路76から排出された冷媒を、凹部77の形状(排出先)に応じて適切に調整し、排出流路76から排出された冷媒の圧力損失を低減することができる。
ミドルプレート64は、2つのシリンダ61の間に配置されており、上側のシリンダ室71の下面、及び、下側のシリンダ室71の上面を画定している。
リアヘッド65(隔壁部材)は、下側のシリンダ61の上面に接合されており、このシリンダ61に形成されたシリンダ室71の下面(一表面)を画定している。また、リアヘッド65には、排出流路78、凹部79及び弁機構80が設けられている。
排出流路78は、リアヘッド65を上下方向に貫通する、排出流路76と同様の貫通孔であり、下側のシリンダ室71において圧縮された冷媒は、排出流路78から排出される。凹部79は、リアヘッド65の下面に形成されており、凹部77と同様の形状を有している。
弁機構80は、フロントヘッド63に設けられているものと同様、凹部79の底面(リアヘッド65のシリンダ61と反対側)に配置された弁部材81、及び、弁部材81の下面(リアヘッド65と反対側)に配置された弁押さえ部材82を有するものであり、弁部材81の一端部に設けられた閉塞部81aが排出流路78の開口を塞いでいるとともに、弁部材81の他端部に設けられた固定部81b及び弁押さえ部材82の固定部81b側の端部が、ともにリベット83によって凹部79の底面に固定されている。
そして、下側のシリンダ室71内の冷媒が圧縮されてその圧力が所定以上になると、シリンダ室71(排出流路78)内の冷媒の圧力によって、弁部材81が弾性変形し、排出流路76とリアヘッド65の下方に位置する後述するマフラ空間92とが連通する。これにより、排出流路78から流れ出た冷媒が、凹部79を流れてマフラ空間92に流れ込む。
さらに、凹部79の下面に配置された弁機構80においても、前述したように、閉塞部81aは、その全ての部分において、直線Lと直交する方向に関して、弁押さえ部材82の図3の右下方に、図3の左上方よりも大きくはみ出しているため、弁部材81は、図5における右半分が、左半分よりも大きく変形することになる。これにより、排出流路78から流れ出た冷媒は、凹部79が大きく延びている図5の右方(図3の右下方)に、凹部79が大きく延びていない図5の左方(図3の左上方)よりも多く流れ出る。したがって、排出された冷媒はスムーズに凹部79を流れてマフラ空間92に流れ込み、排出流路78から流れ出た冷媒の圧力損失が低減される。
すなわち、対称軸A1に関して対称な弁部材81及び対称軸A2に関して対称な弁押さえ部材82を、対称軸A1と対称軸A2とが互いにずれるように配置することにより、弁部材81及び弁押さえ部材82の構造を複雑にすることなく、排出流路78から排出された冷媒の流れる方向を、凹部79の形状(排出先)に応じて適切に調整し、排出流路78から排出された冷媒の圧力損失を低減することができる。
フロントマフラ66は、フロントヘッド63の上面に配置されており、フロントヘッド63との間で、マフラ空間91を形成している。また、マフラ空間91は、密閉空間26とも連通しており、排出流路76から排出された冷媒は、マフラ空間91において排出の際の騒音が低減された上で、密閉空間26に排出される。
リアマフラ67は、リアヘッド65の上面に配置されており、リアヘッド65との間で、マフラ空間92を形成している。また、マフラ空間92は、密閉空間26とも連通しており、排出流路78から排出された冷媒は、マフラ空間92において排出の際の騒音が低減された上で、密閉空間26に排出される。
以上に説明したしたように、本発明に係る圧縮機1では、対称軸A1に関して対称な弁部材81及び対称軸A2に関して対称な弁押さえ部材82を、対称軸A1と対称軸A2とが互いにずれるように配置することにより、弁部材81及び弁押さえ部材82の構造を複雑にすることなく、排出流路76、78から直線Lに対して両側に流れ出る冷媒の量を異ならせることができる。すなわち、排出流路76、78から排出された冷媒が流れる方向を、凹部77、79の形状に応じて適切に調整することができる。そして、これにより、排出流路76、78から排出された冷媒の圧力損失を低減することができる。
以上、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施の形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
上述の実施の形態では、弁部材81及び弁押さえ部材82が、それぞれ、互いに平行な対称軸A1、A2に関して対称であり、対称軸A1と対称軸A2とが互いにずれて配置されていたがこれには限られない。一変形例では、図6に示すように、弁機構100において、弁押さえ部材101の、閉塞部81aと重なる部分の図中右下側端部に切り欠き101aが形成されており、これにより、直線Lと直交する方向に関して、閉塞部81aは、全ての部分において、弁押さえ部材101の図6の右下方に、図6の左上方よりも大きくはみ出している(弁部材81の、直線Lと直交する方向の両側にはみ出した部分の形状が互いに異なっている)(変形例1)。
この場合でも、シリンダ室71(排出流路76、78)内の冷媒の圧力により弁部材81が弾性変形したときに、弁部材81の図中右下半分が、図中左上半分よりも大きく変形するため、実施の形態と同様、排出流路76、78から排出された冷媒は、凹部77、79が大きく延びている図中右下方に、凹部77、79が大きく延びていない図中左上方よりも多く流れる。これにより、排出流路76、78から流れ出た冷媒は、スムーズにマフラ空間91、92に流れ、冷媒の圧力損失が低減される。
また、別の一変形例では、図7に示すように、弁機構110において、弁押さえ部材112が、排出流路76、78の中心とリベット83とを結ぶ直線L上にある対称軸A3に関して対称であり、弁部材111の閉塞部111aが、直線Lと直交する方向に関する図中右下方に、図中左上方よりも大きく延びており、これにより、閉塞部111aの図中右下方に延びた部分が、図中左上方に延びた部分よりも、弁押さえ部材112に対して大きくはみ出している(弁部材111の、直線Lと直交する方向の両側にはみ出した部分の形状が互いに異なっている)(変形例2)。
この場合でも、シリンダ室71(排出流路76、78)内の冷媒の圧力により弁部材111が弾性変形したときに、閉塞部111aの図中右下半分が、図中左上半分よりも大きく変形するため、実施の形態と同様、排出流路76、78から排出された冷媒は、凹部77、79が大きく延びている図中右下方に、凹部77、79が大きく延びていない図中左上方よりも多く流れる。これにより、排出流路76、78から流れ出た冷媒は、スムーズにマフラ空間91、92に流れ、冷媒の圧力損失が低減される。
また、上述の実施の形態では、閉塞部81aが、その全ての部分において、直線Lと直交する方向に関して、弁押さえ部材82の図3の右下方に、図3の左上方よりも大きくはみ出していたが、これには限られず、排出流路76、78から排出された冷媒が、凹部77、79の大きく延びている図3の右下方に、凹部77、79が大きく延びていない図3の左上方よりも大きく流れ出るように構成されていれば、閉塞部の一部分が、弁押さえ82の図3の左上方に、図3の右下方よりも大きくはみ出していてもよい。
また、上述の実施の形態では、弁部材81が、直線Lと直交する方向に関する両側に弁押さえ部材82よりも外側まではみ出していたが、これには限られない。別の一変形例では、図8に示すように、弁機構120において、弁押さえ部材121が、弁部材81と同じ平面形状を有しているとともに、その対称軸A4が対称軸A1と平行であり、対称軸A1から直線Lと直交する図8の左上方にずれるように配置されている。そして、これにより、弁部材81は、直線Lと直交する方向に関して、図8の右下方(片側)にのみはみ出している(変形例3)。
この場合でも、シリンダ室71(排出流路76、78)内の冷媒の圧力により弁部材81が弾性変形したときに、弁部材81の図中右下半分が、図中左上半分よりも大きく変形するため、実施の形態と同様、排出流路76、78から排出された冷媒は、凹部77、79が大きく延びている図中右下方に、凹部77、79が大きく延びていない図中左上方よりも多く流れる。これにより、排出流路76、78から流れ出た冷媒は、スムーズにマフラ空間91、92に流れ、冷媒の圧力損失が低減される。
さらに、弁部材及び弁押さえ部材の形状及び配置は以上に説明したものには限られず、弁部材が、排出流路76、78の開口とリベット83(固定部81b)とを結ぶ直線Lに対して両側に弁押さえ部材の外側まではみ出しており、上記両側に流れ出る冷媒の量が互いに異なるように、これら両側にはみ出した部分の形状が互いに異なっているもの、あるいは、弁部材が、排出流路76、78の開口とリベット83(固定部81b)とを結ぶ直線Lに対して片側にのみ弁押さえ部材の外側まではみ出しているものであれば、他の形状及び配置であってもよい。
また、上述の実施の形態においては、フロントヘッド63の上面及びリアヘッド65の下面に、それぞれ、冷媒を流れやすくするための凹部77、79が形成されていたが、凹部77、79は形成されていなくてもよい。この場合でも、マフラ空間91、92が大きく広がっている方向に冷媒が流れるように、弁部材及び弁押さえ部材を配置することにより、冷媒の圧力損失を低減することができる。
本発明を利用すれば、排出流路から、弁部材の固定部と排出流路の開口とを結ぶ直線に対して両側に流れ出る冷媒の量を容易に異ならせることができる。これにより、排出流路からの冷媒の排出先の状況に応じて、冷媒の流れの方向を適切に調整し、排出流路から排出された冷媒の圧力損失を低減することができる。
1 圧縮機
26 密閉空間
61 シリンダ
62a ローラ
63 フロントヘッド
65 リアヘッド
71 シリンダ室
76 貫通孔
77 凹部
78 貫通孔
79 凹部
80 弁機構
81 弁部材
81a 閉塞部
81b 固定部
82 弁押さえ部材
100 弁機構
101 弁押さえ部材
110 弁機構
111 弁部材
120 弁機構
121 弁押さえ部材
26 密閉空間
61 シリンダ
62a ローラ
63 フロントヘッド
65 リアヘッド
71 シリンダ室
76 貫通孔
77 凹部
78 貫通孔
79 凹部
80 弁機構
81 弁部材
81a 閉塞部
81b 固定部
82 弁押さえ部材
100 弁機構
101 弁押さえ部材
110 弁機構
111 弁部材
120 弁機構
121 弁押さえ部材
Claims (3)
- 冷媒を圧縮するためのシリンダ室(71)が形成されたシリンダ(61)と、
前記シリンダ室(71)に連通した排出流路(76、78)を有する隔壁部材(63、65)とを備え、
前記隔壁部材(63、65)には、
前記排出流路(76、78)の開閉を行うための弁機構(80、100、110)が設けられ、
前記弁機構(80、100、110)は、
前記排出流路(76、78)の開口を塞ぐ閉塞部(81a、111a)、及び、前記隔壁部材(63、65)に固定される固定部(81b)を有する、前記排出流路(76、78)から排出される冷媒の圧力により弾性変形する弁部材(81、111)と、
前記弁部材(81、111)の変形を制限する弁押さえ部材(82、101、112)とを備え、
前記閉塞部(81a、111a)は、平面視において、前記排出流路(76、78)の開口と前記固定部(81b)とを結ぶ直線(L)に対して両側に、前記弁押さえ部材(82、101、112)よりも外側まではみ出しているとともに、前記排出流路(76、78)から冷媒が排出されている状態で、前記排出流路(76、78)から前記両側に流れ出る冷媒の量が互いに異なるように、一方側と他方側にはみ出した部分の形状が互いに異なっていることを特徴とする圧縮機(1)。 - 冷媒を圧縮するためのシリンダ室(71)が形成されたシリンダ(61)と、
前記シリンダ室(71)に連通した排出流路(76、78)を有する隔壁部材(63、65)とを備え、
前記隔壁部材(63、65)には、
前記排出流路(76、78)の開閉を行うための弁機構(120)が設けられ、
前記弁機構(120)は、
前記排出流路(76、78)の開口を塞ぐ閉塞部(81a)、及び、前記隔壁部材(63、65)に固定される固定部(81b)を有する、前記排出流路(76、78)から排出される冷媒の圧力によって弾性変形する弁部材(81)と、
前記弁部材(81)の変形を制限する弁押さえ部材(121)とを備え、
前記閉塞部(81a)は、平面視において、前記排出流路(76、78)の開口と前記固定部(81b)とを結んだ直線(L)に対して片側にのみ前記弁押さえ部材(121)よりも外側まではみ出していることを特徴とする圧縮機(1)。 - 前記弁部材(81)及び前記弁押さえ部材(82、121)が、それぞれ、前記直線(L)と平行な対称軸(A1、A2、A3、A4)に関して対称な形状を有しており、
前記弁部材(81)及び前記弁押さえ部材(82、121)の対称軸(A1、A2、A3、A4)同士が、前記直線(L)と直交する方向に関して互いにずれていることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧縮機(1)。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008330015A JP2010151026A (ja) | 2008-12-25 | 2008-12-25 | 圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008330015A JP2010151026A (ja) | 2008-12-25 | 2008-12-25 | 圧縮機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010151026A true JP2010151026A (ja) | 2010-07-08 |
Family
ID=42570386
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008330015A Pending JP2010151026A (ja) | 2008-12-25 | 2008-12-25 | 圧縮機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010151026A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016139796A1 (ja) * | 2015-03-05 | 2016-09-09 | 三菱電機株式会社 | 圧縮機 |
-
2008
- 2008-12-25 JP JP2008330015A patent/JP2010151026A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016139796A1 (ja) * | 2015-03-05 | 2016-09-09 | 三菱電機株式会社 | 圧縮機 |
CN105937496A (zh) * | 2015-03-05 | 2016-09-14 | 三菱电机株式会社 | 压缩机 |
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