JP2010150926A - スクロール膨張機及びそれを備えた冷凍空調装置 - Google Patents

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英彰 永田
Masayuki Tsunoda
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Toshihide Koda
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Abstract

【課題】冷媒として二酸化炭素を使用する冷凍空調装置に搭載するモータ等の駆動源を持たない構成とした補助圧縮機一体化膨張機の運転安定性を確保する。
【解決手段】主圧縮機の冷媒吐出側に接続された補助圧縮機と、補助圧縮機の吐出側に接続され冷却された冷媒を膨張機へ送出する放熱器と、膨張機の冷媒吐出側に接続され、主圧縮機に冷媒を送出する蒸発器とを備えた冷凍空調装置において、補助圧縮機と膨張機とが駆動軸で連係されて、密閉容器に収納されてスクロール膨張機を構成し、密閉容器の下部に設けられた油溜め部と前記膨張機の冷媒吸入口とを結ぶ油通路中に油通路調整弁を設けた。これにより、放熱器の圧力損失を利用して、膨張機の漏れ隙間を油でシールし、漏れ損失低減によって回収膨張動力を増加して運転安定性を確保する。
【選択図】図2

Description

本発明は、冷媒の膨張時に発生する膨張動力を回収し、その膨張動力を用いて冷媒の圧縮に利用するスクロール膨張機を備える冷凍空調装置に関するもので、特に冷媒に二酸化炭素を用い、補助圧縮機を同軸一体とした膨張機を備えた冷凍空調装置に関するものである。
冷凍空調装置に使用する冷媒として、自然冷媒である二酸化炭素の適用が進められており、効率の向上を目的とした膨張過程における膨張動力を機械的に回収する膨張機の導入が検討されている。
二酸化炭素を冷媒に用いたスクロール膨張機の例として、圧縮機構と膨張機構を同軸で連結し、この圧縮機構を電動機構で駆動される主圧縮機の補助圧縮機構とした構成のスクロール膨張機が開示されている(例えば特許文献1)。このようなスクロール膨張機の構成においては、主圧縮機構を電動機構で駆動することで低圧のガスを圧縮し、吐出した後、補助圧縮機構で更に高圧まで圧縮する。高圧まで圧縮されたガスは、熱交換した後に、膨張機構により低圧まで膨張される。低圧まで膨張されたガスは、熱交換された後、再び主圧縮機に流入される。
これら膨張機においては、揺動スクロールと固定スクロールとの間の潤滑を維持し、軸方向密封による冷媒漏れを防ぐことが効率面で重要である。
これに対し、従来の膨張機では、膨張機吸入空間内にある油溜め部の潤滑油を吸入管を介して膨張機に吸入させることで、揺動スクロールと固定スクロール間を潤滑し、冷媒漏れすき間をシールしていた(例えば特許文献2)。
また、膨張機への吸い込み通路中に油溜め部を設け、高圧ガスと一緒に膨張機構へ送りこむ構造、及び膨張機構部に設けられたオイル供給部の油を密閉ケースの外から油溜め部に戻すバイパスを設けた例がある(例えば特許文献3)。
特許4031849号(〔0018〕〜〔0023〕、図1、2) 特開2003−166402(〔0029〕〜〔0031〕、図1) 特開平10−37706(〔0043〕〜〔0046〕、〔0050〕〜〔0052〕図1、8)
しかしながら、特許文献2のように構成された膨張機では、膨張機に連結される放熱器(熱交換器)における圧力損失によって、膨張機吸入圧力が低下した場合、膨張機の入口と出口の圧力差が減少し、回収可能な膨張動力が低下するため、膨張機の効率が低下する問題があった。特許文献では駆動源を有するが、モータ等の駆動源を持たない構成とした膨張機においては、回収膨張動力が低下することにより、膨張機が停止するおそれがあった。また、膨張機から熱交換器へ油が流入することで熱交換器性能が低下する問題があった。
特許文献3においては、冷媒は必ず油溜め部を通過していくため、供給量の調整ができない、回収膨張動力が低下した場合、膨張機が停止し、膨張器から熱交換器へ油が流入してしまうという問題があった。また、密閉ケース外のバイパスは油戻り用にすぎない。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、簡便な構成で膨張機を安定して運転させることを目的とする。
本発明のスクロール膨張機は、冷媒の減圧時の膨張動力を回収する膨張機及びその膨張動力を用いて冷媒を圧縮する補助圧縮機を有するスクロール膨張機であって、駆動軸で連係された前記補助圧縮機と前記膨張機とが収納され、前記補助圧縮機部、前記膨張機部それぞれに冷媒吸入口および吐出口が設けられた密閉容器と、前記密閉容器の下部に設けられた油溜め部と前記膨張機の冷媒吸入口とを結ぶ油通路と、前記油通路に油通路調整弁を設けたものである。
また、本発明の冷凍空調装置は、主圧縮機の冷媒吐出側に接続された補助圧縮機と、前記補助圧縮機の吐出側に接続された放熱器と、前記放熱器で冷却された冷媒の吸入口を有する膨張機と、前記膨張機の冷媒吐出側に接続され、前記主圧縮機に冷媒を送出する蒸発器とを備え、前記補助圧縮機と前記膨張機とが駆動軸で連係されて、密閉容器に収納されてスクロール膨張機を構成し、前記密閉容器の下部に設けられた油溜め部と前記膨張機の冷媒吸入口とを結ぶ油通路と、前記油通路に油通路調整弁を設けたものである。
この発明により、放熱器で冷却される前の高温・高圧油を膨張機に供給することができ、油シールによる漏れ損失低減および放熱器圧損低減による膨張機吸入圧力上昇、高温油供給による理論膨張動力の増加により回収膨張動力を増加することで、膨張機の効率を向上し、安定した運転をすることができる。また、放熱器へ流入する油を低減できるので、放熱器の熱交換性能を向上することができる。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1によるスクロール膨張機を備えた冷凍空調装置の回路構成を模式的に示す回路図である。このサイクルに冷媒を循環させることで冷房運転または暖房運転を実行できるものである。本発明の冷凍空調装置は冷媒に二酸化炭素を用い、補助圧縮機5を同軸一体とした膨張機6を密閉容器8に備えてスクロール膨張機100を構成し、補助圧縮機5を二段圧縮の高段側配置としたことを特徴とする。
図において、モータ4によって駆動される主圧縮機1は、その吐出側で膨張機6と同軸一体とした補助圧縮機5に接続されており、その吸入側で冷媒を加熱する蒸発器3と接続されている。
一方、補助圧縮機5の吐出側には、冷媒を冷却する放熱器2が接続されており、放熱器の出口側には、スクロール膨張機100の膨張機6が接続されている。
主圧縮機1は、モータ4の駆動により冷媒を吸入し、その冷媒を圧縮して高温・高圧の状態にするものであり、たとえば容量制御可能なインバータ圧縮機などで構成できる。放熱器2は、ファン等の送風機(図示せず)から強制的に供給される空気と冷媒との間で熱交換を行なうものである。蒸発器3は、ファン等の送風機(図示せず)から強制的に供給される空気と冷媒との間で熱交換を行なうものである。
図1に基いて、冷媒回路全体の動作について説明する。
モータ4によって主圧縮機1が駆動されると、主圧縮機1で冷媒が昇圧される。昇圧された冷媒は、主圧縮機1から吐出され、補助圧縮機吸入口101を介してスクロール膨張機100の補助圧縮機5に流入し、補助圧縮機5によってさらに昇圧される。補助圧縮機5で昇圧された冷媒は、補助圧縮機吐出口102から吐出され、放熱器2に流入する。放熱器2に流入した冷媒は、放熱器2で冷却された後、膨張機吸入口103からスクロール膨張機100の膨張機6に送られ、膨張減圧される。
膨張機6において、冷媒が等エントロピ的に膨張することによって、軸7を介して膨張機6から補助圧縮機5に膨張動力が伝えられ、補助圧縮仕事として用いられることになる。そのため、補助圧縮機5の吸入圧力である主圧縮機1の吐出圧力が低下し、主圧縮機1に必要な圧縮動力が低減して、サイクル効率を向上することができる。膨張機6で膨張した冷媒は、膨張機6の吐出口104から吐出され、蒸発器3で加熱された後、再び主圧縮機1に戻る。
図2は本発明の実施の形態1によるスクロール膨張機100である、補助圧縮機一体化膨張機の縦断面構造図である。補助圧縮機5および膨張機6の形式は図に示すように補助圧縮機5と膨張機6の揺動スクロール12を背面あわせとした両面スクロール形である。両面にスクロールを持つ揺動スクロール12の上側に補助圧縮機固定スクロール13、下側に膨張機固定スクロール14を配置し、それらは密閉容器8に固定されている。密閉容器8は、補助圧縮機の吐出圧力に保たれている。
揺動スクロール12は、揺動軸受け24によって支持され、オルダムリング19によって自転が防止される。また、揺動スクロール12には駆動軸7が貫通しており、駆動軸7の両端にバランスウェイト15が設置され揺動スクロール12の遠心力によるアンバランスを相殺する。
駆動軸7は、補助圧縮機固定スクロール13の上軸受け部22と膨張機固定スクロール14の下軸受け部23によって回転自在に支持されている。
また、揺動スクロール12の軸受け部12aは駆動軸7に嵌合されたスライダ11によって貫通支持され、軸8の回転動作に伴って揺動運動可能となるとともに、このスライダ11により、揺動スクロール12を補助圧縮機固定スクロール13及び膨張機固定スクロール14の半径方向側に押付け、スクロール側面隙間の低減を図っている。
揺動スクロール12は補助圧縮機固定スクロール13及び膨張機固定スクロール14に対面する面にそれぞれスクロール形状を形成するための渦巻き歯12b、12cが渦巻状突起として立設されている。また、補助圧縮機固定スクロール13及び膨張機固定スクロール14の揺動スクロール12に対向する面にもそれぞれスクロール形状を形成するための渦巻き歯13a、14aが渦巻状突起として立設されている。揺動スクロール12の渦巻き歯12bと補助圧縮機固定スクロール13の渦巻き歯13aとは互いに咬合ように、揺動スクロール12の渦巻き歯12cと膨張機固定スクロール14の渦巻き歯14aとは互いに咬合ように配置されている。この揺動スクロール12の渦巻き歯12cと膨張機固定スクロール14の渦巻き歯14aとによって、相対的に容積が変化する膨張室6aが形成されている。揺動スクロール12の渦巻き歯12bと補助圧縮機固定スクロール13の渦巻き歯13aとによって、相対的に容積が変化する補助圧縮室5aが形成されている。
揺動スクロール12の渦巻き歯12bの外周に外周シールリング20を設けて、補助圧縮機5の吸入口101と膨張機6の吐出口102をシールする。また、揺動スクロール12の渦巻き歯12cの内側には内周シールリング21を設けて、膨張機6の入口103と密閉容器8内をシールしている。
揺動スクロール12の渦巻き歯12c及び膨張機固定スクロール14の渦巻き歯14aの先端には膨張室6aが仕切られるようにチップシール18を設けられている。また、揺動スクロール12の渦巻き歯12b及び補助圧縮機固定スクロール13の渦巻き歯13aの先端には補助圧縮室5aが仕切られるようにチップシール18が設けられている。
補助圧縮機5には吐出弁16を取付けられ、上部空間27と補助圧縮室5aとの連通・遮断を行い、この吐出弁16により、補助圧縮機5の吸入口101から吸入され、補助圧縮室5aで圧縮された冷媒が上部空間25へ放出される。
密閉容器8下部の油溜め部26の潤滑油27は、膨張機回転中には常に駆動軸7の下端に取付けた油ポンプ17によって、図示しない軸内部の給油孔を介して潤滑油を吸上げ、上軸受け22、下軸受け23及び揺動軸受け24に給油し、潤滑作用を得る。上部空間25にある潤滑油27は油戻し孔28を介して、下部の油溜め部26に戻るようになっている。
また、密閉容器8下部の油溜め部26と膨張機吸入口103を結ぶ油通路9と油通路9上に油通路調整弁10を設け、冷媒の導入時に潤滑油27が供給できるようになっている。
次に、補助圧縮機一体化膨張機の定常運転中の冷媒及び油の流れを説明する。
膨張機固定スクロール14と揺動スクロール12で形成される膨張室6aに放熱器2で冷却した高圧の冷媒を膨張機吸入口103より供給し、減圧膨張することによって動力を回収する。減圧膨張した冷媒は、膨張機吐出口104を介して密閉容器8外へ吐出される。膨張機6で回収した動力によって、補助圧縮機固定スクロール13と揺動スクロール12で形成される補助圧縮室5a内に主圧縮機1から吐出された冷媒を補助圧縮機吸入口101を介して吸入し昇圧する。補助圧縮機5で昇圧された冷媒は、吐出弁16を介して一旦密閉容器8内の上部空間25に吐出され、上部空間25内で油分離された後、補助圧縮機吐出口102を介して密閉容器8外に吐出される。分離された潤滑油27は、油戻し孔28を介して密閉容器8下部の油溜め部26に戻され、貯留される。
油通路調整弁10の前後である密閉容器8と膨張機吸入口103には放熱器2で生じる圧力損失によって、圧力差が生じている。油通路調整弁10を開けることで、この圧力差を利用して密閉容器8内に貯留されている油を膨張機6へ供給することができる。膨張機6の揺動・固定スクロール間に生じる冷媒漏れすき間をシールすることができる。このすき間をシールすることで冷媒漏れによる膨張機漏れ損失を低減することが可能になり、回収する膨張動力が増加し膨張機を安定して運転することが出来る。
また、密閉容器8内の油を供給することは、放熱器2の入口と出口を迂回するバイパス通路を設けることと同じであるため,放熱器2の圧力損失を低減し,膨張機入口圧力を上昇させることができる。さらに本来膨張機6へ供給される冷媒よりも高温の油が供給されるため、理論膨張動力が増加し、膨張機6の安定運転にさらに寄与する。
膨張機6へは、膨張機6の吸入直前で油を膨張機へ供給するため、放熱器2への油流入量を低減することができ、放熱器2の熱交換性能を向上させることができる。なお、運転状態に応じて給油量は適宜油通路調整弁10にて調整する。
次に膨張機起動時の運転状態を説明する。
主圧縮機1の運転開始後、補助圧縮機5と膨張機6は停止しているため、主圧縮機1と補助圧縮機5間は徐々に昇圧し、膨張機6と主圧縮機1との間は徐々に減圧する。補助圧縮機5と膨張機6間は、メイン圧縮機1の運転開始前の圧力である。補助圧縮機5の吸入口101が徐々に昇圧されることで、補助圧縮機固定スクロール13と揺動スクロール12間のすき間を通じて僅かに冷媒が流れ、サブ圧縮機5の吐出である密閉容器8上部空間25内も徐々に昇圧される。また、膨張機5の吐出口104が徐々に減圧されることで,膨張機固定スクロール14と揺動スクロール12間のすき間を通じて,膨張機6の吸入口103と吐出口104間を僅かに冷媒が流れ、僅かな冷媒が回路を循環する。ここで、油通路調整弁10を開くことで、放熱器2の圧力損失によって油溜め部26に貯留されている潤滑油27を膨張機6へ供給することができる。膨張機漏れすき間を油でシールすることで。膨張機6の起動に必要な動力が得られ、補助圧縮機一体化膨張機を起動することができる。
なお、上記実施の形態においては図中で、油通路9が密閉容器8底部に設けた例について示したが、油溜め部26の深さによっては、すなわち、油溜め部26が十分深く潤滑油27が十分ある場合は、密閉容器8の下方側部に設けると通路9を短くすることができる。
実施の形態2.
図3は本発明の実施の形態2による冷凍サイクル装置の回路構成を模式的に示す回路図である。
なお、本実施の形態において、実施の形態1と同一の構成要素は同符号で示す。
本実施の形態では、補助圧縮機5の吸入と吐出を迂回する補助圧縮機バイパス通路31とその通路上に補助圧縮機バイパス弁32と、膨張機6の入口と出口を迂回する膨張機バイパス通路33と膨張機バイパス調整弁34を備えている。
補助圧縮機一体型膨張機であるスクロール膨張機100は、実施の形態1で説明した、密閉容器8の油溜め部の底部または下方と膨張機吸入口を接続する油通路9とその通路上に油通路調整弁10を設けた構成のものである。
次に、本実施の形態による膨張機6起動時の運転状態を説明する。補助圧縮機バイパス弁32を開、膨張機バイパス調整弁34を全開の状態で、主圧縮機1の運転を開始して、冷媒を循環させる。すなわち、スクロール膨張機100を通過しないサイクルを形成する。この状態で、膨張機バイパス調整弁34の開度を小さくすることで、回路中に高低圧力差ができる。主圧縮機1で昇圧された冷媒は、補助圧縮機バイパス通路31を通り、放熱器2で冷却され、膨張機バイパス調整弁34を通り減圧され、蒸発器3で加熱された後、主圧縮機1に吸入される。
また、補助圧縮機5の吸入口と吐出口は高圧であるため、密閉容器8内も高圧となり、実施の形態1で説明したように、放熱器2の圧力損失によって、油通路調整弁10の前後には圧力差が生じる。ここで、油通路調整弁10を開き、膨張機5に油を供給することで、漏れすき間がシールされて膨張機5の起動に必要な初期動力が得られ、膨張機6を起動することができる。膨張機6の起動後は、補助圧縮機バイパス弁32を閉じ、補助圧縮機5で昇圧動作を得て、定常運転に移行する。
膨張機バイパス調整弁34は運転状態に応じて、適宜開度を調整することで、膨張機6を通過する冷媒の流量調整ならびに、膨張機バイパス通路33を通過する冷媒を膨張減圧する。
本実施の形態の構成により、運転始動時、圧縮機の駆動前においては、冷媒がバイパス管に流れるように構成されているので、補助圧縮機が冷媒流通抵抗となることがなく、膨張機構を駆動するのに十分な圧力差を取ることができ、速やか補助圧縮機を駆動する過程に移行することができるという効果を奏する。
実施の形態3.
図4は本発明の実施の形態3による冷凍サイクル装置の回路構成を模式的に示す回路図である。
なお、本実施の形態において、実施の形態1と同一の構成要素は同符号で示す。
本実施の形態では、放熱器2の入口と出口を迂回する放熱器バイパス通路41とその通路上に放熱器バイパス調整弁42を備えている。
定常運転時に、運転状態に応じ開度を調整しながら放熱器バイパス調整弁42を開き、膨張機6入口へ、放熱器2を介さない高温冷媒を供給する。これにより、膨張機6で理論膨張動力が増加し、また、放熱器圧力損失低減するので、膨張機6入口圧力上昇によって膨張機をさらに安定して運転することが可能となる。
上記実施の形態2、及び3は別々に説明したが、組み合わせてもよい。組み合わせることで、より高精度な制御が可能となり一層スクロール膨張機の安定運転が可能となる。
本発明の実施の形態1による冷凍空調装置の回路構成を模式的に示す回路図である。 補助圧縮機を同軸一体とした膨張機の縦断面構造図を示す。 本発明の実施の形態2による冷凍空調装置の回路構成を模式的に示す回路図である。 本発明の実施の形態3による冷凍空調装置の回路構成を模式的に示す回路図である。
符号の説明
1 主圧縮機、 2 放熱器、 3 蒸発器、 4 モータ、 5 補助圧縮機、
5a 補助圧縮室、 6 膨張機、 6a 膨張室、 7 駆動軸、 8 密閉容器、
9 油通路、 10 油通路調整弁、 11 スライダ、 12 揺動スクロール、
12a 軸受け部、 12b、12c 渦巻き歯、
13 補助圧縮機固定スクロール、 13a 渦巻き歯、
14 膨張機固定スクロール、 14a 渦巻き歯、 15 バランスウェイト、
16 吐出弁、 17 油ポンプ、 18 チップシール、 19 オルダムリング、
20 外周シールリング、 21 内周シールリング、 22 上軸受け、
23 下軸受け、 24 揺動軸受け、 25 上部空間、 26 油溜め部、
27 潤滑油、 28 油戻し孔、 31 補助圧縮機バイパス通路、
32 補助圧縮機バイパス弁、 33 膨張機バイパス通路、
34 膨張機バイパス調整弁、 41 放熱器バイパス通路、
42 放熱器バイパス調整弁、 100 スクロール膨張機、
101 補助圧縮機吸入口、 102 補助圧縮機吐出口、
103 膨張機吸入口 104 膨張機吐出口。

Claims (4)

  1. 冷媒の減圧時の膨張動力を回収する膨張機及びその膨張動力を用いて冷媒を圧縮する
    補助圧縮機を有するスクロール膨張機であって、
    駆動軸で連係された前記補助圧縮機と前記膨張機とが収納され、前記補助圧縮機部、前記膨張機部それぞれに冷媒吸入口および吐出口が設けられた密閉容器と、
    前記密閉容器の下部に設けられた油溜め部と前記膨張機の冷媒吸入口とを結ぶ油通路と、
    前記油通路に油通路調整弁を設けたことを特徴とするスクロール膨張機。
  2. 主圧縮機の冷媒吐出側に接続された補助圧縮機と、
    前記補助圧縮機の吐出側に接続された放熱器と、
    前記放熱器で冷却された冷媒の吸入口を有する膨張機と、
    前記膨張機の冷媒吐出側に接続され、前記主圧縮機に冷媒を送出する蒸発器とを備え、
    前記補助圧縮機と前記膨張機とが駆動軸で連係されて、密閉容器に収納されてスクロール膨張機を構成し、
    前記密閉容器の下部に設けられた油溜め部と前記膨張機の冷媒吸入口とを結ぶ油通路と、
    前記油通路に油通路調整弁を設けたことを特徴とする冷凍空調装置。
  3. 補助圧縮機の冷媒吸入口と冷媒吐出口とを接続するバイパス通路と、該バイパス通路に設けられた補助圧縮機バイパス調整弁と、
    膨張機の冷媒吸入口と冷媒吐出口とを接続するバイパス通路と、該バイパス通路に設けられた膨張機バイパス調整弁とを備えたことを特徴とする請求項2に記載の冷凍空調装置。
  4. 放熱器を迂回する放熱器バイパス通路と、該バイパス通路に放熱器バイパス調整弁を設けたことを特徴とする請求項2または3に記載の冷凍空調装置。
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