JP2010149983A - 接圧ローラおよびウェブロール体の製造方法 - Google Patents

接圧ローラおよびウェブロール体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】紙管やプラスチックコアといった撓みやすいコアを使用した場合でも、均一ニップを得ることができ、巻取欠点を発生しない接圧ローラを得る。
【解決手段】中空円筒形状の外筒部材と該外筒部材と同軸に配置された中心軸とを備え、前記外筒部材の軸方向中央部において前記外筒部材と前記中心軸が連結された接圧ローラであって、前記外筒部材の縦弾性係数が、60GPa以上100GPa以下であり、かつ前記中心軸の縦弾性係数が190GPa以上470GPa以下とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、接圧ローラおよびウェブロール体の製造方法に関する。
ウェブロール体の代表例である一般的なプラスチックフィルムロール体の製造装置の一例であるスリッターの概略断面図を図5に示す。
図5に示すように、プラスチックフィルムロール体の製造装置は4つの部位から構成される。すなわち、原反18からフィルムウェブ10を巻き出す巻出部14、フィルムウェブ10をスリットするスリッター部16、スリッター部の前後に配置されフィルムウェブ10を搬送するガイドローラ部15、スリットされたフィルムウェブ10を巻き取る巻取部17である。
このうち、例えば巻出部14とスリッター部16の間においては、巻出部14の張力をスリッター部16に影響させないために張力分断用のニップローラ21が備えられている。このニップローラ21に使用される接圧ローラは、ガイドローラ26に対し幅方向均一にニップし、フィルムウェブ10を把持するという機能が要求される。すなわち、均一ニップがなされなければ、スリット時にフィルムウェブ幅方向における張力分布が不均一になり、スリットされたフィルムウェブ10のエッジが幅方向(図5において紙面に垂直な方向)に蛇行したり、スリット部で破れが発生したりするおそれがあるからである。
また、巻取部17においては、コンタクトローラ23をフィルムロール体6に接圧し、巻き込み空気を抑制しつつ、フィルムウェブ10を巻き取る。
このコンタクトローラ23に用いられる接圧ローラには、通常以下に述べるような四つの点が要求されている。
まず、第一には、接圧ローラはフィルム幅方向の全ての範囲にわたって密着すると共に、均一なニップ力で接圧することである。すなわち、接圧ローラの軸方向のいずれかの場所で均一ニップがなされていないと、ウェブ層間に巻き込まれる空気量に斑が生じ、種々の巻取欠点につながるからである。
第二には、接圧ローラの外径は極力小径化することである。巻き取られたウェブ層間に巻き込まれる噛み込み空気量は、接圧ローラの外径が大きいほど増加するからである。しかし、小径化によって接圧ローラ自身の剛性も低下するので、従来のように軸のジャーナル部を巻取ロール方向に押圧すると接圧ローラの中央部近傍が押圧方向とは反対方向に撓み、ますます中央部近傍の面圧が低下するという矛盾が新たに生じる。
第三には接圧ローラの高速性能が優れていること、すなわちローラの固有振動数(許容速度)が高いことである。これは接圧ローラ自身が回転中に振動しないために必要である。
第四には極力低コストで製作出来ることである。通常、接圧ローラは最終製品の幅に合わせた長さのものを使用するため、顧客が要求する製品幅の種類すべてに対応した長さのローラを用意する必要がある。さらに、ゴム巻き換えや修理のための予備ローラも当然必要になってくるため、他のローラに比べ非常に多くの数を製作せざるを得ない。そのため、接圧ローラは極力低コストで製作できなければならない。
すなわち、上述した均一ニップ、小径化、高速性能、製作コストの四点が、コンタクトローラに用いられる接圧ローラに要求される点である。
このような技術的課題の改善を目的とした従来の接圧ローラとしては、外筒部材と中心軸を、外筒部材の軸方向中央部のみで連結固定し、外筒部材と中心軸の撓みを分離することで、外筒部材の撓みを巻取ロールまたはガイドローラの撓みに沿わせ、均一ニップしようとしたものがある。(例えば特許文献1参照)
また、別の従来の接圧ローラとしては、外筒部材内側に軸方向に一定の間隔を隔てて設けられた軸受によって外筒部材と中心軸を連結し外筒部材と中心軸の撓みを分離させ、その外筒部材全体を巻取ロールまたはガイドローラの撓みに沿わせ均一ニップしようとしたものもある。(例えば特許文献2参照)
この2種類の接圧ローラは、図6に示すように中心軸と外筒部材のそれぞれの撓みを分離させて、外筒部材を巻取ロールまたはガイドローラといった筒体の撓みと同じ方向に撓ませてこれに沿わせ、均一ニップを得ようとするという点において類似した技術的思想であるといえる。
実公平2−29076号公報 特公平6−45410号公報
ところで、巻取時にフィルムを巻取る巻芯はコアと呼ばれ、種々の材料、およびサイズから作られている。その中でもプラスチックフィルムの巻取に用いられるコアは鉄、アルミ、FRP(繊維強化樹脂)、プラスチック、紙からなり、内径が3インチ(=76.2mm)または6インチ(=152.4mm)のものがよく使用される。中でもFRP、プラスチック、紙で出来たコアは軽量で扱いやすいことから最終製品のコアに用いられることが多いが、これらは鉄やアルミといった金属製のものに比べ、縦弾性係数が圧倒的に低い。そのため、特にフィルムの巻き始めや3インチ(=76.2mm)のコアを使用した場合において、接圧ロールをニップした際にコアが大きくたわんでしまい、従来の接圧ローラでは撓みに追従しきれないために、均一ニップ性が悪化し、スタートシワなどの巻取欠点を発生させてしまうという課題があった。
本発明はこのような課題に鑑みて想到されたものである。すなわち、プラスチックや紙といった低弾性素材製のコアを用いた場合でも、均一ニップ性を確保することの出来る接圧ローラを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明によれば、中空円筒形状の外筒部材とその内側にあって外筒部材と同軸に配置された中心軸とを備え、外筒部材の軸方向中央部において外筒部材と中心軸が連結された接圧ローラであって、外筒部材の縦弾性係数が、60GPa以上100GPa以下であり、かつ中心軸の縦弾性係数が190GPa以上470GPa以下であることを特徴とする接圧ローラが提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記外筒部材がアルミニウム合金からなり、前記中心軸が鋼からなる接圧ローラが提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記外筒部材と前記中心軸の少なくとも一方が炭素繊維強化樹脂からなる接圧ローラが提供される。
また、本発明の別の形態によれば、上記接圧ローラをコンタクトローラおよびニップローラの少なくとも一方の用途に使用するウェブロール体の製造方法が提供される。
本発明によれば、以下に説明するとおり、プラスチックや紙といった低弾性素材製のコアを用いた場合でも、均一ニップ性を確保することの出来る接圧ローラを得ることができる。
すなわち、中空円筒形状の外筒部材とその内側にあって同軸に配置された中心軸とを備え、外筒部材の軸方向中央部において外筒部材と中心軸が連結された接圧ローラにおいて、外筒部材の縦弾性係数が、60GPa以上100GPa以下であるので、低弾性素材からなるコアの撓みに充分追従することが出来る。また、中心軸の縦弾性係数が190GPa以上470GPa以下であるため、中心軸の撓みが低減され、中央部の面圧低下を抑制出来る。
また、外筒部材をアルミニウム合金、中心軸を鋼で製作することにより安価に高性能な接圧ローラを得ることが出来る。
また、外筒部材と中心軸の少なくとも一方を炭素繊維強化樹脂とすることにより、より高性能、すなわち均一ニップ性が良好で、小径、かつ高速性能に優れた接圧ローラを得ることが出来る。
本発明の一実施形態を合成樹脂フィルムロール体の製造装置に適用した場合を例にとって、図面を参照しながら説明する。
図1は本実施形態の接圧ローラの概略断面図である。図2は本実施形態の接圧ローラを用いたフィルムロール体の製造装置の一例を示す概略縦断面図であり、図3は図2のA−A矢視断面図である。図4は本発明の接圧ローラの別の形態の概略縦断面図である。図6は撓み分離構造の接圧ローラの撓み状態の一例を示す概略断面図である。
図1に示すように、接圧ローラ1は中空円筒形状の外筒部材2と、外筒部材2の内側にあって、外筒部材2の軸方向中央部において外筒部材2と連結固定された中心軸4とを備えている。中心軸4は外筒部材2との接合部分(接合幅L)において最も大径となるよう、軸方向端部に向かって漸減するテーパ形状となっている。また、多くの場合外筒部材2の表面にゴムまたはゴム状弾性体3を被覆している。
また、図4に示すように中空円筒形状の外筒部材2と、外筒部材2の内側に軸方向に一定の間隔を隔てて設けられた軸受7によって連結された中心軸4とを備えた構造からなる接圧ローラによっても、図1に示す接圧ローラと同様の効果を得られるが、以下は図1の接圧ローラに関して説明する。
本実施形態において、外筒部材2の縦弾性係数は60GPa以上100GPa以下であり、かつ中心軸4の縦弾性係数は190GPa以上470GPa以下である。
図6に示すように、本実施形態において、中心軸4の両端には軸受5が嵌合されており、流体シリンダなどの押圧手段9によってフィルムロール体6の方向に押圧される。当然、中心軸4はフィルムロール体6とは反対方向に撓み、フィルムロール体6は接圧ローラ1からの押圧力によって接圧ローラ1とは反対方向に撓む。外筒部材2は中心軸4との接合部によって支持され、フィルムロール体6からの反力によって撓むため、フィルムロール体6と同じ方向に撓む。このように本実施形態においては外筒部材2がフィルムロール体6と同じ方向に撓むことによって均一ニップを得るため、外筒部材2の撓み量はコアの撓み量と同等かそれ以上であることが均一ニップに必要である。特にフィルムの巻き始めにおいては、外周に巻かれたフィルムによる剛性の補強効果がなく、コア9のみの剛性しかないために、撓みが大きくなる。このためフィルムの巻始めにはスタートシワと呼ばれる不均一ニップに起因したシワが発生しやすい。コアの材質は縦弾性係数の小さいものでは紙や各種樹脂およびGFRP、縦弾性係数の大きいものではアルミや鋼といった金属があり、内径は3インチ(=76.2mm)または6インチ(=152.4mm)が一般的である。これら種々のコアの撓みに無理なく追従し、均一ニップ性を確保するために外筒部材2の縦弾性係数は100GPa以下であればよいことが解析および実験から判った。しかしながら、縦弾性係数が小さすぎると製作時の切削加工においてビビリ振動が発生し、加工精度が著しく悪化するため加工速度を下げなければならず、大幅な製造コストアップとなるため縦弾性係数は60GPa以上を必要とする。
外筒部材2は中心軸4と軸方向中央部において連結されているため、外筒部材2は中心軸4の撓みを低減させる機能を有している。そのため外筒部材2の縦弾性係数を本実施形態の範囲とすると軸方向中央部の剛性が不足するので、中心軸4の撓みが大きくなる。したがって、中心軸4に連結された外筒部材2も中央部がコア9の撓み方向とは逆方向に大きく撓み、均一ニップ性が悪化する。また、中心軸4の縦弾性係数は外筒部材4に比べ接圧ローラの固有振動数に与える影響が大きく、縦弾性係数が低いと使用速度域内での共振のおそれがある。以上の理由から、中心軸4の縦弾性係数は190GPa以上を必要する。中心軸4の縦弾性係数は大きいほど均一ニップ性が良くなり固有振動数も上昇するが、縦弾性係数が470GPaを超える材料、たとえば超高弾性糸を使った炭素繊維強化樹脂などは非常に高価であるため、接圧ローラの材料としては現実的でないと言える。
中心軸4および外筒部材2の材質は、上述した縦弾性係数の範囲内で適宜決定するものであるが、外筒部材2にアルミニウム合金、中心軸4に炭素鋼やステンレス鋼といった鋼材を用いるとコストパフォーマンスが非常に高く、好ましい。特にスリッターのコンタクトロールはフィルム生産機1系列に対して複数本製作する必要があるため、大きなコストダウンとなる。
また、外筒部材2および中心軸4の少なくとも一方に炭素繊維強化樹脂を用いると、固有振動数を高め、小径化することが可能となり、さらにはローラ重量が軽量となりハンドリング性が向上するため好ましい。また、炭素繊維の縦弾性係数と積層構成を適宜設計することにより所望の縦弾性係数を得ることができるため、フィルムロールの巻取条件に応じ、最適な縦弾性係数をもった接圧ローラを製作することが可能となるため、好ましい。また、外筒部材2の長さが1mを超えるような接圧ローラの場合、外筒部材2はアルミニウム合金製のパイプを加工して製作するよりも、低弾性糸を用いた炭素繊維強化樹脂を使用した方が安価である場合が多いため好ましい。
外筒部材2と中心軸4の連結支持方法は、中心軸4を軸方向中央の連結部を太径としたテーパ状または段付き形状とし、嵌合、接着してもよいし、中心軸4をストレート状とし、円筒状の支持部材を外筒部材2と中心軸4の間に嵌め込み、接着してもよい。接着する場合は接着剤が外筒部材2と中心軸4との間にあって弾性変形しうる緩衝剤の役割を果たすことが出来るので好ましい。
外筒部材2と中心軸4の連結支持長さLは外筒部材2の長さの5〜50%であることが好ましい。連結支持長さLは短いほど外筒部材2と中心軸4の撓みを分離し易くなるため均一ニップ性が良くなるが、5%を下回ると連結支持部の強度不足のために寿命が短くなったり、固有振動数が低下したりするため好ましくない。逆に、連結支持長さLが50%を超えると外筒部材2と中心軸4の撓みが分離できなくなるために均一ニップ性が低下してしまうため、好ましくない。
接圧ローラの外径は、回転する接触した2本の円筒体間に巻き込まれる空気の量は外径が大きいほど増加するため、極力小径であることが望ましく、また、ローラ(ウェブ幅)が長いほど、巻取後に製品ロール端部からの空気抜けが悪く、巻取時の空気の巻き込み量を少なくする必要があるため、小径であることが好ましい。
外筒部材2の外周上に被覆されるゴム5の種類は特に限定されず、たとえば天然ゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、シリコーンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、ウレタンゴム、フッ素ゴム、およびこれらの混合物より使用目的、使用環境により適宜用いることが出来る。
また、ゴム5のゴム硬度は30〜85Hs JIS A(JIS K 6301:1995改正)の硬度を有することが好ましい。硬度が30Hs未満であると軟らかいために摩耗が激しく、85Hsを超えると均一ニップ性と振動吸収性が低下するため好ましくない。
また、被覆されるゴムの厚みは任意に選択可能であるが、接圧ローラの小径化と均一ニップおよび振動吸収性の観点から1〜5mmの範囲であることが好ましい。すなわち、ゴム厚みが1mmより薄ければ、見かけ上ゴムの硬度が上がるために均一ニップ性と振動吸収性が低下し、5mm以上であれば接圧ローラの径を太くせざるを得なくなってしまうからである。
本実施形態のウェブロール体の製造方法の好ましい形態においては、上述した接圧ローラをコンタクトローラとして巻取ロールに接圧しつつウェブを巻き取る。また、ウェブ搬送における張力分断のためのニップローラやコーティング工程における塗布液のかき取り用ニップローラなど、均一ニップを要する他の用途に本実施形態の接圧ローラを用いても優れた効果を得られる。以下はその中から、巻取部に利用してフィルムウェブを巻き取る形態の一例について説明する。
図2および図3においてコア9は軸受12によって支持されたチャック13によって把持され、図示しない駆動源によって回転駆動され、表面にフィルムウェブ10を巻き上げ、フィルムロール体6を形成している。このフィルムロール体6に対し接圧ローラ1が接圧し、フィルムウェブ10が均一な巻取層を形成するようになっている。
接圧ローラ1は本実施形態の接圧ローラで中心軸4の両端の軸受7に設けられた流体シリンダからなる押圧手段8によって巻取ローラ9側に押圧され、この押圧によって接圧ローラ1の外筒部材2とフィルムロール体6とが凹状に撓む。このとき外筒部材2の撓み量がフィルムロール体6の撓み量と同等かそれ以上であれば均一ニップ性が高いと言える。すなわち、軸方向中央部の面圧が端部の面圧に比べ同等かそれ以上であれば、中央部の空気の噛み込みが過大になることがないので、空気の噛み込みに起因するシワを防止することが出来る。
フィルムウェブ10を巻取る際の条件としては、接圧力、巻取張力、巻取速度が挙げられ、巻取るフィルムウェブ10の材質、厚み、幅、表面粗さなどに応じて適宜決定される。
接圧力は接圧ローラ1をフィルムロール体6に接圧する力の大きさで、大きいほどフィルム層間に噛み込まれる空気の量が少なくなるため、巻取欠点が発生しにくくなる。しかしながら、接圧力を大きくするとコア9の撓みも大きくなるため均一ニップ性が悪化したり、フィルムウェブ10を帯電させてしまったりする。よって、コア9の剛性や径に応じて調整することが好ましい。また、フィルムロール体6が巻太るに連れて、噛み込み空気量が増加し、フィルムロール体6の曲げ剛性がフィルムウェブ10によって補強されるため、フィルムロール体6の巻径に応じて徐々に接圧力を増加させると、良好な巻姿を得られる場合が多い。
巻取対象となるフィルムウェブ10の種類は特に制限されないが、ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリプロピレンフィルムといったプラスチックフィルムに好適に用いることが出来る。厚みについても特に制限されないが、40μm以下のプラスチックフィルム、特に10μm以下のプラスチックフィルムなど、ウェブ層間の空気噛み込みに起因するシワが発生しやすいウェブに好適に用いることが出来る。また、ウェブの幅についても特に制限されるものではないが、本実施形態の効果は700mm以上の幅を持つウェブにおいて顕著である。
一般に巻き取るウェブの幅が広くなればなるほど、コア9が撓みやすくなるため、均一ニップが難しくなり良好な巻姿を得ることが難しくなるが、本実施形態によれば3mを超えるような広幅ウェブの巻取においても均一にニップすることが可能となり、良好な巻姿を得ることが出来る。
本実施形態においては、上述した接圧ローラを用いて、接圧範囲内における接圧力の最小値/最大値が0.5以上になる条件で巻き取ることが好ましく、10μm以下の薄いフィルムウェブでは最小値/最大値が0.7以上になる条件で巻き取ることがより好ましい。接圧力は感圧フィルムや歪みゲージを用いた測定のほか、解析によっても得ることが出来る。また、巻き上がった製品ロールの硬度斑を測定することでも接圧力の均一性を得ることが出来る。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
[実施例1]
図2に示す装置において、図1に示す本発明の接圧ローラをコンタクトローラとして用いて厚さ9μm、幅1400mmのポリエチレンテレフタレートフィルムを巻取った。外筒部材の外径は82mmとし、その上に4mmの厚さでゴムを被覆し、外径90mmの接圧ローラとした。外筒部材の材質はA6063アルミニウム合金(縦弾性係数=69GPa)とし、中心軸の材質はS45C炭素鋼(縦弾性係数=202GPa)とした。ゴムはクロロプレンゴムを使用し、ゴム硬度は50Hs JIS A(JIS K6301:1995改正)とした。
コアは内径76.2mm、厚み10mmの紙管を使用した。
巻取条件はコンタクトロールの面圧を400N/m、巻取速度を180m/min、巻取張力を110N/mとした。
[実施例2]
外筒部材の材質を炭素繊維強化エポキシ樹脂(縦弾性係数=70GPa)とした以外は実施例1と同一条件とした。
[実施例3]
外筒部材の材質を炭素繊維強化エポキシ樹脂(縦弾性係数=97GPa)とした以外は実施例1と同一条件とした。
[実施例4]
中心軸の材質を炭素繊維強化エポキシ樹脂(縦弾性係数=420GPa)とした以外は実施例1と同一条件とした。[比較例1]
外筒部材の材質をSTKM13A炭素鋼管(縦弾性係数=203GPa)とした以外は実施例1と同一条件とした。
[比較例2]
外筒部材の材質を炭素繊維強化エポキシ樹脂(縦弾性係数=110GPa)とした以外は実施例1と同一条件とした。
[比較例3]
外筒部材の材質を炭素繊維強化エポキシ樹脂(縦弾性係数=70GPa)、中心軸の材質を炭素繊維強化エポキシ樹脂(縦弾性係数=180GPa)とした以外は実施例1と同一条件とした。
上記実施例および比較例の実施結果を表1に示す。
Figure 2010149983
表に示すように、本発明による実施例1〜4はコアに剛性の低い紙管を用いているにも関わらず、均一ニップ性が高いためにスタートシワの発生がなかった。また、比較例3に比べ実施例1および2では製作費用を40%以上削減することが出来た。
本発明は、ウェブロール体の製造方法に限らず、カレンダー装置やラミネート装置などにも応用することができるが、その応用範囲が、これらに限られるものではない。
本発明接圧ローラの概略断面図である。 本発明の接圧ローラを用いたフィルムロール体の製造装置の一例を示す概略断面図である。 図2のA−A矢視断面図である。 本発明の接圧ローラの一態様を示す概略断面図である。 一般的なフィルムロール体の製造装置の一例を示す概略図である。 撓み分離構造の接圧ローラの撓み状態の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 接圧ローラ
2 外筒部材
3 ゴム(ゴム状弾性体)
4 中心軸
5 軸受
6 フィルムロール体
7 軸受
8 押圧手段
9 コア
10 フィルムウェブ
12 軸受け
13 チャック
14 巻出部
15 ガイドローラ部
16 スリッター部
17 巻取部
18 原反
19 ガイドローラ
20 下刃ローラ
21 ニップローラ
22 上刃
23 コンタクトローラ
24 シワ伸ばしローラ
25 ダンサーローラ
26 ガイドローラ
L 接合幅

Claims (4)

  1. 中空円筒形状の外筒部材と該外筒部材の内側にあって前記外筒部材と同軸に配置された中心軸とを備え、前記外筒部材の軸方向中央部において前記外筒部材と前記中心軸が連結された接圧ローラであって、前記外筒部材の縦弾性係数が、60GPa以上100GPa以下であり、かつ前記中心軸の縦弾性係数が190GPa以上470GPa以下であることを特徴とする接圧ローラ。
  2. 前記外筒部材がアルミニウム合金からなり、前記中心軸が鋼からなることを特徴とする請求項1に記載の接圧ローラ。
  3. 前記外筒部材と前記中心軸の少なくとも一方が炭素繊維強化樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の接圧ローラ。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の接圧ローラをコンタクトローラおよびニップローラの少なくとも一方の用途に使用することを特徴とするウェブロール体の製造方法。
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