JP2010147781A - 受信装置、制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】様々な使用環境においても不具合が生じることのないようにLNB用電源のオン/オフを制御することができるようにする。
【解決手段】LNB用電源のオン/オフを制御する制御信号と、それをミラー積分回路等により約1秒間だけ反転遅延させた信号を用いてAND演算が行われ、AND演算の結果と、ショート状態の有無の検出結果を表す検出信号を用いてOR演算が行われる。その遅延時間だけは、ショート状態が検出されたことを検出信号が表している場合であっても、ショート状態が検出されていないことを表すものになるように作り替えられた信号が制御マイコン16に供給され、これにより、ショート警告の表示が行われない。本発明は、衛星放送の受信に対応した装置に適用することができる。
【選択図】図5
【解決手段】LNB用電源のオン/オフを制御する制御信号と、それをミラー積分回路等により約1秒間だけ反転遅延させた信号を用いてAND演算が行われ、AND演算の結果と、ショート状態の有無の検出結果を表す検出信号を用いてOR演算が行われる。その遅延時間だけは、ショート状態が検出されたことを検出信号が表している場合であっても、ショート状態が検出されていないことを表すものになるように作り替えられた信号が制御マイコン16に供給され、これにより、ショート警告の表示が行われない。本発明は、衛星放送の受信に対応した装置に適用することができる。
【選択図】図5
Description
本発明は、受信装置、制御方法に関し、特に、様々な使用環境においても不具合が生じることのないようにLNB用電源のオン/オフを制御することができるようにした受信装置、制御方法に関する。
静止衛星から一般家庭に向けて放送を行う衛星放送システムが普及期に入ってきている。そこで、衛星放送受信用チューナを搭載した薄型テレビジョン受像機や、ハードディスク、Blu-ray(商標)ディスク等の記録媒体に番組を録画する録画機器などが広く使用されるようになってきている。
図1は、従来の受信システムの構成例を示す図である。
この受信システムは、衛星放送受信用チューナ12を搭載した受信装置1に対して、衛星アンテナ2がケーブルを介して接続されることによって構成される。図1に示すように、受信装置1には衛星放送受信用チューナ12の他に、制御マイコン16、DC電源回路17などが設けられる。ここでは主な構成について説明する。
衛星アンテナ2は、12〜13GHz帯のBS(Broadcasting Satellite)、CS(Communications Satellite)の衛星放送信号を受信し、先端部に固定されたLNB3において1〜2GHz帯の衛星IF信号に変換する。LNB(Low Noise Block Down-Converter)3において得られた衛星IF信号は、ケーブルを介して受信装置1の入力端子11に供給される。入力端子11には、LNB3用のDC電源がチョークコイル21を介してDC電源回路17から供給されるようになっている。
入力端子11には衛星放送受信用チューナ12も接続される。衛星放送受信用チューナ12は、チョークコイル21、DCカットコンデンサ22、RF信号増幅回路23、ゼロIF変換回路24、およびPSK復調回路25から構成される。
チョークコイル21は、LNB用のDC電源を入力端子11に供給するとともに、入力端子11に入力された衛星IF信号がDC電源回路17側に漏れて減衰しないように遮断する。
DCカットコンデンサ22は、衛星IF信号をRF信号増幅回路23に通過させる。
RF信号増幅回路23は、衛星IF信号を増幅させた後、ゼロIF変換回路24に出力する。
ゼロIF変換回路24は、PLL(Phase Lock Loop)シンセサイザよりなる選局用のデジタルチューニング回路を用いて、RF信号増幅回路23から供給された衛星IF信号をベースバンドのIQ信号に周波数変換し、出力する。
PSK復調回路25は、PLL回路によって再生されたキャリア信号を用いてIQ信号に対して復調処理を施し、伝送系で生じた誤り符号訂正を行うことによってMPEG-2フォーマットのTS(Transport Stream)を生成する。また、PSK復調回路25は、PLL回路において同期が確保されているか否かを表すロック判別信号を制御マイコン(マイクロコンピュータ)16に出力する。
DC電源回路17は、15.5V電源回路31、上側分圧抵抗32、下側分圧抵抗33、電流検出抵抗34、およびコンパレータ35から構成される。図1のDC電源回路17においては、ショート状態の検出がコンパレータ35を用いて行われるようになされている。
15.5V電源回路31は、スイッチング方式のDC-DCコンバータ電源等を用いて、例えば右旋方式の衛星放送用の電源としての15.5Vを生成する。15.5V電源回路31は、上側分圧抵抗32と下側分圧抵抗33において分圧して15.45Vをコンパレータ35の正側入力に印加する。
また、15.5V電源回路31は、電流検出抵抗34を介して、衛星放送受信用チューナ12のチョークコイル21に15.45VのLNB用電源を供給するとともに、15.45Vをコンパレータ35の負側入力に印加する。
コンパレータ35は、正側入力に印加された電圧と負側入力に印加された電圧を比較することによってショート状態の有無を検出し、検出結果を表す検出信号を制御マイコン16に出力する。例えば、検出信号がハイである場合、それはショート状態を検出していないことを表し、ローである場合、それはショート状態を検出したことを表す。
図2は、電流検出抵抗34を流れる電流とLNB用電源の出力電圧の関係を示す図である。
例えば0.1Ωの電流検出抵抗34に0.5A以上の電流が流れた場合、それにより電流検出抵抗34で電圧が降下し、0.05V以上の電圧差が生じる。コンパレータ35においてこの0.05V以上の電圧差が検出された場合、ショート状態を検出したことを表す検出信号が出力される。図2に示す31Ω負荷は、ショート状態になったときにDC電源回路17から見たLNB3側の負荷である。
制御マイコン16は、入力ポートに供給されるコンパレータ35からの検出信号に基づいて制御信号を15.5V電源回路31に出力し、LNB用電源のオン/オフ(供給する/供給しない)を制御する。
例えば、制御マイコン16は、コンパレータ35からの検出信号がハイからローに変化した場合、LNB用電源をオフにすることを指示する制御信号を15.5V電源回路31に出力し、LNB用電源をオフにする。これによりDC電源回路17の異常発熱を防止することが可能になる。
また、制御マイコン16は、LNB用電源をオフにするのと同時に、OSD(On Screen Display)回路を制御するなどして、ショート状態になっていることを視聴者に通知するための警告であるショート警告を表示パネル15に表示させる。
図3のフローチャートを参照して、制御マイコン16により行われるLNB用電源の制御処理について説明する。
図3の処理は、LNB用電源の制御モードの設定が「オート」になっているときに、所定のソフトウエアが制御マイコン16により実行されることによって実現される。LNB用電源の制御モードには、LNB用電源を常に供給する設定である「オン」、常に供給しない設定である「オフ」の他に、制御マイコン16がLNB用電源のオン/オフを状況に応じて切り替える設定である「オート」が用意されている。
LNB用電源の制御モードの設定が「オート」になっているときの制御ループには、図3の左側に示す、LNB用電源がオフの状態を初期状態として開始するループと、LNB用電源がオンの状態を初期状態として開始するループが存在する。
はじめに、LNB用電源がオフの状態を初期状態として開始するループについて説明する。
ステップS1において、制御マイコン16は、衛星放送受信用チューナ12を制御し、BS放送のチャンネルとCS放送のチャンネルのうちの1つのチャンネルを選局対象として衛星放送の選局を開始させる。選局対象とするチャンネルは、リモートコントローラを操作するなどしてユーザにより明示的に指示されることもあるし、BS放送、CS放送の番組表のデータを受信するために受信装置1により自動的に選択されることもある。
ステップS2において、制御マイコン16は、LNB用電源がオフであっても衛星放送を受信することが可能であるか否かを判定する。いま選局している衛星放送のチャンネルを受信することが可能であるとき、PSK復調回路25から制御マイコン16に対して、PSK復調回路25のPLL回路がロック状態にあることを表すロック判別信号が供給される。
衛星放送が受信可能であるとステップS2において判定した場合、ステップS3において、制御マイコン16は、LNB用電源をオフにしたまま、衛星放送の受信を継続させる。
受信装置1の設置されている環境が、集合住宅の一室などのLNB用電源が不要な共聴システムの環境である場合、このように、LNB用電源がオフであっても衛星放送が受信可能となる。共聴システムにおいては、通常、衛星アンテナに対するLNB用電源は、それぞれの受信装置から供給されるのではなく、共有スペースに設置されているブースタ機器から供給される。
LNB用電源がオフである場合、後述するショート検出処理は行われない。その後、選局対象となるチャンネルが選択された場合、ステップS1以降の処理が繰り返される。
一方、衛星放送を受信することができないとステップS2において判定した場合、ステップS4において、制御マイコン16は、自己の動作モードとして外部アンテナ探索モードを設定する。
受信装置1の設置されている環境が、一戸建て家屋等の、個別に設置された衛星アンテナを使用している環境である場合、LNB用電源を受信装置1から衛星アンテナに供給する必要がある。この場合、LNB用電源がオフの状態では衛星放送を受信することができず、外部アンテナ探索モードが設定されることになる。以下、適宜、一戸建て家屋等の、個別に設置された衛星アンテナを外部アンテナという。
外部アンテナ探索モードは、LNB用電源を供給してから約1秒間待機し、約1秒間経過後に、衛星放送のチャンネルが受信可能であるか否かを再度判定するモードである。制御マイコン16は、LNB用電源をオンとし、約1秒間だけ待機する。
ステップS5において、制御マイコン16は、衛星放送が受信可能であるか否かを判定する。
衛星放送が受信可能であるとステップS5において判定した場合、ステップS6において、制御マイコン16は、LNB用電源をオンにしたまま、衛星放送の受信を継続させる。選局対象となるチャンネルが選択された場合、ステップS8以降の処理が行われる。
一方、衛星放送を受信することができないとステップS5において判定した場合、ステップS7において、制御マイコン16はLNB用電源をオフにする。また、制御マイコン16は、無信号であることを視聴者に通知する警告である無信号警告を表示パネル15などから出力する。
例えば、外部アンテナが受信装置1に接続されていない場合や、外部アンテナの方向が正しい方向でなかったり豪雨が降っていたりする場合には、ステップS7においてLNB用電源がオフになるとともに無信号警告が出力される。その後、選局対象となるチャンネルが選択された場合、ステップS1以降の処理が行われる。
次に、LNB用電源がオンの状態を初期状態として開始されるループについて説明する。
ステップS8において、制御マイコン16は、選局対象のチャンネルの選局を衛星放送受信用チューナ12に開始させ、ステップS5以降の処理を行う。衛星放送が受信可能であるとステップS5において判定された場合にはステップS6においてLNB用電源の供給が継続され、その後、ステップS8以降の処理が行われる。
一方、衛星放送が受信できないとステップS5において判定された場合、ステップS7においてLNB用電源をオフにするとともに無信号警告を表示することが行われる。その後、ステップS1に戻り、LNB用電源がオフの状態を初期状態として開始されるループが、選局対象となるチャンネルが選択されたタイミングで開始される。
次に、図4のフローチャートを参照して、制御マイコン16により行われるショート検出処理について説明する。
図4のショート検出処理は、LNB用電源がオンになっている場合にのみ、100msなどの所定の周期で繰り返し、割り込み処理として行われる。すなわち、外部アンテナを使用している場合だけでなく、共聴システムにおいても、外部アンテナ探索モードが設定され、LNB用電源が供給されている間などにショート検出処理が行われる。
ステップS11において、制御マイコン16は、コンパレータ35からの出力に基づいてショート検出を行う。
ステップS12において、制御マイコン16は、ショート状態が検出されたか否かを判定する。
コンパレータ35から供給された検出信号がハイであり、ショート状態が検出されていないとステップS12において判定した場合、制御マイコン16はステップS11以降の処理を繰り返す。
一方、コンパレータ35から供給された検出信号がハイからローに切り替わり、ショート状態を検出したとステップS12において判定した場合、ステップS13において、制御マイコン16は、15.5V電源回路31を制御し、LNB用電源をオフにする。
ステップS14において、制御マイコン16はショート警告を出力し、処理を終了させる。ショート警告には、ショート状態を解消させ、装置の電源を入れ直すことを視聴者に要求する旨のメッセージなども含まれる。
受信装置のLNB用電源は、外部アンテナに取り付けられたケーブルだけでなく、集合住宅等の共聴システム用のケーブルに接続される可能性もある。
共聴システムにおいては、上述したようにブースタ機器からLNB用電源が供給され、衛星IF信号を増幅して同一建物内の他の受信装置に分配するようになされている。また、地上放送の信号であるUHF/VHF(以下、UVという)信号が、衛星IF信号に重畳して同一のケーブルによって供給されることがある。
このようにUV信号が重畳された衛星IF信号を、誤ってUV信号専用の分配器を用いて各部屋に供給するようにした場合、UV信号とBS信号は受信できるのにCS信号は受信できないといった状況になることがある。CS信号は高い周波数の信号であるからそのようなUV信号専用の分配器によって大きな損失が生じてしまうが、BS信号は低い周波数の信号であるためにUV信号専用の分配器を通過したとしても十分に受信可能な信号レベルにあることがある。CS放送の受信契約をしていない視聴者の中に、そのような誤った使用環境に気付かない人が多い。
また、CS放送が開始される以前に構築されたような共聴システムでは、CS信号を殆ど通過させないようなケーブルが用いられていることも多い。
さらに、UV信号専用の分配器は、LNB用電源を供給できるようなDC貫通型の構成を有していない。UV信号専用の分配器は、バルン・トランスによるインピーダンス変換回路、およびLとCによるインピーダンス整合回路で構成され、雷対策を考慮してGNDに対してDC的に約0Ωのショート状態になっていることが多い。
このような共聴システムではLNB用電源の供給は不要であるため、最初からショートした接続環境になっている可能性と、ショートの発生を防止することを考慮して、LNB用電源の制御モードの設定を常に「オフ」として固定にしておくのが望ましい。もしくは、ショートが発生したらLNB用電源の制御モードの設定を強制的に、かつ、その後常に「オフ」にしておくのが望ましい。
しかし、共聴システムでの使用を優先させて、このような設定にした状態で受信装置を出荷した場合、一戸建て家屋等において外部アンテナと接続させて使用したときには、視聴者が自ら設定を変更しない限りLNBに電源が供給されないことになる。従って、LNB用電源の制御モードの設定を常に「オフ」にしておくような方式では、衛星放送を受信できないといったクレームが視聴者から寄せられる可能性がある。
通電中のケーブルの芯線曲がり等により一時的なショートが発生した時にLNB用電源の制御モードを視聴者の知らない間に「オン」から「オフ」にするような方式の場合も同様の結果になる。
一方、外部アンテナに接続して使用する場合には、LNB用電源の制御モードの設定が常に「オン」になっていることが望ましい。
この場合、特に、録画機器とテレビジョン受像機が接続されていて1つの衛星アンテナに複数の機器からLNB用電源が供給されるようになっているときには、1つの機器の電源がオフになっても衛星放送の視聴が途切れることは無く、都合がよい。電源がオンになっている機器が一台でもあればその機器から供給されるLNB用電源によって衛星アンテナの動作は継続可能となる。
しかし、一戸建てでの使用を優先させて、LNB用電源の制御モードの設定を「オン」にした状態で出荷した場合、その受信装置を共聴システムで用いたときにはLNB用電源が供給された時点で過電流が流れてしまい、ショート警告が直ちに表示されてしまう。
このように、LNB用電源の制御モードの設定を常に「オン」にする方式も、「オフ」にする方式も、いずれの方式にも問題がある。
次に、LNB用電源の制御モードの設定を「オート」にした場合の得失について説明する。「オート」は、本来、このような「オン」、「オフ」の問題を解消するために採用されたものである。
共聴システムの環境下で衛星IF信号が正しく受信装置まで供給されている場合、図3を参照して説明したように、不要と判断されてLNB用電源を供給しないのでショートの問題は起きない(図3のステップS3)。また、CS信号は大きく減衰しているがBS信号は受信可能なレベルで供給されており、BS放送のチャンネルが選局対象として選択されている場合にも不要と判断されてLNB用電源を供給しないのでショートの問題は起きない。
この点は、LNB用電源の制御モードの設定を「オート」にしておくことのメリットといえる。
しかし、衛星放送の番組が視聴されていないときに自動的にCS放送の選局が行われることがあり、共聴システムにおいて供給されるCS信号が大きく減衰したものである場合、受信不可として判定され、外部アンテナ探索モードに入ってしまう(ステップS4)。視聴者が気付かないところでCS放送の番組表を自動的に更新することがあり、この場合、受信装置によりCS放送の選局が適宜行われる。ショートしている分配器が用いられているときにはCS信号が大きく減衰するから受信不可として判定される。視聴者が番組を視聴しようとしてCS放送の選局を指示した場合も同様のことが起こる。
この時、LNB用電源が約1秒間だけオンになってしまうので、この間に図4を参照して説明したショート検出処理が行われることによってショート警告が表示されてしまう。例えば視聴者が衛星放送ではなく地上波放送の番組を視聴している場合、ショート警告が表示されることによってその視聴が邪魔されてしまう。
この場合、UV信号専用の分配器を衛星放送受信用のDC貫通型の分配器に交換するか、受信装置のアンテナ電源の設定メニューから、LNB用電源を常にオフにするように設定し直さなければショート警告が消えることはない。このため、受信装置が故障しているものと判断され、視聴者からクレームが寄せられる可能性がある。
すなわち、LNB用電源の制御モードの設定を「オート」にした場合であっても、減衰した衛星IF信号しか供給されないような共聴システム環境下で受信装置が用いられるときには問題がある。この点は、LNB用電源の制御モードの設定を「オート」にしておくことのデメリットとなる。
また、一戸建てにおいて録画機器とテレビジョン受像機が外部アンテナに接続されており、録画機器の電源がテレビジョン受像機の電源よりも先に入れられた場合を想定する。この場合、録画機器からLNB用電源が供給されているため(図3のステップS6)、電源がオンになったときには衛星IF信号が外部アンテナから供給されているためにテレビジョン受像機からはLNB用電源が供給されない(ステップS3)。
ここで、例えば衛星放送の番組の録画終了と同時に録画機器の電源がオフになった場合、それまでのLNB用電源の供給が停止することからテレビジョン受像機が無信号状態になるとも考えられる。しかし、テレビジョン受像機のLNB用電源の制御モードの設定が「オート」であれば、直ちに外部アンテナ探索モード(ステップS4)に入り、そのままLNB用電源の供給が継続されるので(ステップS6)、衛星放送を受信できなくなるという問題は起きない。この点は、LNB用電源の制御モードの設定を「オート」にしておくことのメリットとなる。
以上のように、LNB用電源の制御モードの「オフ」、「オン」、「オート」のいずれの設定も、様々な使用環境を想定すると、現状の制御シーケンスのままではそれぞれ固有の問題が生じる可能性が残る。
例えば共聴システムへの対応を考えた場合、衛星放送が受信可能であればLNB用電源をオンにしないだけでなく、CS放送が受信不可と判定されたときであっても、ショート警告を出力しないような動作の「オート」設定が強く望まれている。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、様々な使用環境においても不具合が生じることのないようにLNB用電源のオン/オフを制御することができるようにするものである。
本発明の一側面の受信装置は、LNB用電源を生成する電源回路と、制御信号を出力することによって前記電源回路からのLNB用電源の供給を制御し、LNB用電源を供給させていない状態において衛星放送を受信できるか否かを判定し、受信できないと判定した場合、前記電源回路からLNB用電源を供給させて所定の時間経過後に衛星放送を受信できるか否かを再度判定する制御回路と、前記電源回路からLNB用電源の供給が行われている間、LNB用電源の供給に用いられる経路上を流れる電流を検出することによってショート状態の有無を検出することを繰り返し行い、検出結果を表す検出信号を出力する検出回路と、前記検出回路から出力されたショート状態を検出したことを表す前記検出信号を、その信号が供給されてから前記所定の時間と同じ時間だけ、ショート状態を検出していないことを表す信号にして前記制御回路に出力する信号処理回路とを備える。
前記信号処理回路を、前記制御回路から供給された前記制御信号の値を反転させるとともに、前記所定の時間と同じ時間だけ遅延させた信号を出力する反転遅延回路と、前記反転遅延回路から出力された信号と、前記反転遅延回路に入力される前記制御信号に基づいてAND演算を行い、演算結果を出力するAND回路と、前記AND回路の出力と、前記検出回路の出力に基づいてOR演算を行い、演算結果を表す信号を前記制御回路に出力するOR回路とから構成することができる。
前記信号処理回路を、前記制御回路から供給された前記制御信号の値を反転させるとともに、前記所定の時間と同じ時間だけ遅延させた信号を出力する反転遅延回路と、前記反転遅延回路から出力された信号の値を反転させて前記制御回路に出力するNOT回路とから構成することができる。
本発明の一側面の制御方法は、LNB用電源を電源回路によって生成し、制御回路から制御信号を出力することによって前記電源回路からのLNB用電源の供給を制御し、LNB用電源を供給させていない状態において衛星放送を受信できるか否かを判定し、受信できないと判定した場合、前記電源回路からLNB用電源を供給させて所定の時間経過後に衛星放送を受信できるか否かを再度判定し、前記電源回路からLNB用電源の供給が行われている間、LNB用電源の供給に用いられる経路上を流れる電流を検出することによってショート状態の有無を検出することを繰り返し検出回路において行い、検出結果を表す検出信号を出力し、前記検出回路から出力されたショート状態を検出したことを表す前記検出信号を、その信号が供給されてから前記所定の時間と同じ時間だけ、ショート状態を検出していないことを表す信号にして信号処理回路から前記制御回路に出力するステップを含む。
本発明の他の側面の受信装置は、LNB用電源を生成する電源回路と、制御信号を出力することによって前記電源回路からのLNB用電源の供給を制御し、LNB用電源を供給させていない状態において衛星放送を受信できるか否かを判定し、受信できないと判定した場合、前記電源回路からLNB用電源を供給させて所定の時間経過後に衛星放送を受信できるか否かを再度判定する制御回路と、前記電源回路からLNB用電源の供給が行われている間、LNB用電源の供給に用いられる経路上を流れる電流を検出することによってショート状態の有無を検出することを繰り返し行い、検出結果を表す検出信号を出力する検出回路とを備える。前記制御回路は、前記検出回路によりショート状態が検出されたタイミングが、前記電源回路からLNB用電源を供給させて前記所定の時間経過後に衛星放送を受信できるか否かを再度判定することを行っている期間内のタイミングである場合、LNB用電源の供給を停止させ、ショート状態を検出したことを通知する警告を出力させない。
本発明の他の側面の制御方法は、LNB用電源を電源回路によって生成し、制御回路から制御信号を出力することによって前記電源回路からのLNB用電源の供給を制御し、LNB用電源を供給させていない状態において衛星放送を受信できるか否かを判定し、受信できないと判定した場合、前記電源回路からLNB用電源を供給させて所定の時間経過後に衛星放送を受信できるか否かを再度判定し、前記電源回路からLNB用電源の供給が行われている間、LNB用電源の供給に用いられる経路上を流れる電流を検出することによってショート状態の有無を検出することを繰り返し検出回路において行い、検出結果を表す検出信号を出力し、前記検出回路によりショート状態が検出されたタイミングが、前記電源回路からLNB用電源を供給させて前記所定の時間経過後に衛星放送を受信できるか否かを再度判定することを行っている期間内のタイミングである場合、LNB用電源の供給を停止させ、ショート状態を検出したことを通知する警告を出力しないステップを含む。
本発明の一側面においては、検出回路から出力されたショート状態を検出したことを表す検出信号が、その信号が供給されてから所定の時間だけ、ショート状態を検出していないことを表す信号にして信号処理回路から制御回路に出力される。
本発明の他の側面においては、ショート状態が検出されたタイミングが、電源回路からLNB用電源を供給させて所定の時間経過後に衛星放送を受信できるか否かを再度判定することを行っている期間内のタイミングである場合、LNB用電源の供給が停止され、ショート状態を検出したことを通知する警告が出力されない。
本発明によれば、様々な使用環境においても不具合が生じることのないようにLNB用電源のオン/オフを制御することができる。
以下、発明を実施するための最良の形態について説明する。説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(ショート状態の検出結果を表す検出信号とLNB用電源の制御信号に基づいて新たな検出信号をハードウエア的に生成する例)。
2.第2の実施の形態(検出信号に基づいて新たな検出信号をハードウエア的に生成する例)。
3.第3の実施の形態(警告の出力をソフトウエア的に制御する例)。
1.第1の実施の形態(ショート状態の検出結果を表す検出信号とLNB用電源の制御信号に基づいて新たな検出信号をハードウエア的に生成する例)。
2.第2の実施の形態(検出信号に基づいて新たな検出信号をハードウエア的に生成する例)。
3.第3の実施の形態(警告の出力をソフトウエア的に制御する例)。
<第1の実施の形態>
図5は、本発明の一実施形態に係る受信装置1の構成例を示すブロック図である。
図5は、本発明の一実施形態に係る受信装置1の構成例を示すブロック図である。
図5において、図1に示す構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
受信装置1は、テレビジョン受像機、録画機器、パーソナルコンピュータなどの、衛星放送の受信に対応した装置である。図5の例においては外部アンテナである衛星アンテナ2がケーブルを介して接続されているが、受信装置1は、共聴システムにおいて用いられる、各部屋に衛星放送信号を供給するケーブルに接続されることもある。
図5に示す受信装置1の構成は、信号処理回路51が追加して設けられている点で図1に示す受信装置1の構成と異なる。図5の受信装置1においても、図3を参照して説明した「オート」設定時の処理が行われるとともに、LNB用電源がオンである場合、図4を参照して説明したショート検出処理が所定の周期で行われる。
受信装置1においては、LNB用電源のオン/オフを制御する制御信号と、それをミラー積分回路等により約1秒間だけ反転遅延させた信号を用いてAND演算を行うようになされている。ミラー積分回路は、ゲインA倍のOPアンプの帰還容量Cが等価的にA倍されることにより、大きな時定数を得るのに用いられる回路である。
制御信号を遅延させる約1秒間の時間は、図3を参照して説明したように、LNB用電源がオフであり、衛星放送を受信することができないときに設定される外部アンテナ探索モードによってLNB用電源が供給される時間と同じ時間である。
また、受信装置1においては、AND演算の結果と、ショート状態の有無の検出結果を表す検出信号を用いてOR演算を行うようになされている。
後に詳述するように、ショート状態の有無の検出結果を表す検出信号がハイからローに切り替わった場合であっても、ローに切り替わってから約1秒間はハイの検出信号が制御マイコン16に供給される。
これにより、外部アンテナ探索モードによってLNB用電源が供給され、ショート状態であることが検出された場合であっても、それをいわば無効なものとし、ショート警告を表示しないようにすることが可能になる。
図5の各構成について説明する。衛星アンテナ2は、12〜13GHz帯のBS、CSの衛星放送信号を受信し、LNB3において1〜2GHz帯の衛星IF信号に変換する。LNB3において得られた衛星IF信号はケーブルを介して受信装置1の入力端子11に供給される。
衛星放送受信用チューナ12のチョークコイル21は、LNB用のDC電源を入力端子11に供給するとともに、入力端子11に入力された衛星IF信号がDC電源回路17側に漏れて減衰しないように遮断する。チョークコイル21の端子21Aは、DC電源回路17の15.5V電源回路31の出力側に接続されている。
DCカットコンデンサ22は、衛星IF信号をRF信号増幅回路23に通過させる。
RF信号増幅回路23は、衛星IF信号を増幅させた後、ゼロIF変換回路24に出力する。
ゼロIF変換回路24は、RF信号増幅回路23から供給された衛星IF信号をベースバンドのIQ信号に周波数変換し、IQ信号をPSK復調回路25に出力する。
PSK復調回路25は、PLL回路によって再生されたキャリア信号を用いてIQ信号に対して復調処理を施すことによって得られたMPEG-2フォーマットのTSをMPEG-2復号回路13に出力する。また、PSK復調回路25は、PLL回路において同期が確保されているか否かを表すロック判別信号を制御マイコン16に出力する。
MPEG-2復号回路13は、TSをデコードすることによって得られた映像信号を映像信号処理回路14に出力する。
映像信号処理回路14は、MPEG-2復号回路13から供給された映像信号を、視聴者の好みに合わせた輝度やコントラストの映像信号に調整する。映像信号処理回路14は、調整後の映像信号をLED(Light Emitting Diode)やEL(Electroluminescence)などよりなる表示パネル15に出力して映像を表示させる。
また、映像信号処理回路14は、図示せぬ経路を介して制御マイコン16から供給されるOSD信号に基づいて、ショート警告や無信号警告を表示パネル15に表示させる。受信装置1が録画機器である場合、表示パネル15は外部のテレビジョン受像機に設けられる。
制御マイコン16は、信号処理回路51からの信号に基づいて制御信号を15.5V電源回路31に出力し、LNB用電源のオン/オフを制御する。例えば、制御マイコン16は、信号処理回路51からの信号がハイからローに変化した場合、ショート状態が検出されたと判断し、LNB用電源をオフにすることを指示する制御信号を出力する。
制御信号がハイである場合、それはLNB用電源をオンにすることを表し、ローである場合、それはLNB用電源をオフにすることを表す。LNB用電源の起動(供給の開始)は、制御信号がローからハイに切り替わった時点で行なわれる。制御マイコン16から出力された制御信号は信号処理回路51にも供給される。
DC電源回路17の15.5V電源回路31は、衛星放送用の電源としての15.5Vを生成し、上側分圧抵抗32と下側分圧抵抗33において分圧して15.45Vをコンパレータ35の正側入力に印加する。また、15.5V電源回路31は、電流検出抵抗34を介して、衛星放送受信用チューナ12のチョークコイル21に15.45VのLNB用電源を供給するとともに、15.45Vをコンパレータ35の負側入力に印加する。
コンパレータ35は、正側入力に印加された電圧と負側入力に印加された電圧を比較することによってショート状態の有無を検出し、検出信号を信号処理回路51に出力する。例えば、検出信号がハイである場合、それはショート状態を検出していないことを表し、ローである場合、それはショート状態を検出したことを表す。
信号処理回路51は、制御マイコン16から供給された制御信号と、コンパレータ35から供給された検出信号に基づいて、ショート状態の有無の検出結果を表す新たな信号を生成し、制御マイコン16に出力する。
図6は、信号処理回路51の構成例を示す回路図である。
図6に示すように、信号処理回路51は、反転遅延回路61、AND回路62、ダイオード63,64から構成される。制御マイコン16から供給された制御信号は反転遅延回路61とAND回路62に入力され、コンパレータ35から供給された検出信号はダイオード64のアノード側に入力される。
反転遅延回路61に入力された制御信号は、抵抗Rを介してミラー積分用のOPアンプ71の負側入力に入力される。OPアンプ71の正側入力には、電圧源72からのOPアンプ用の中点バイアス電圧が入力される。反転遅延回路61は、ハイ/ローを反転させるとともに、約1秒間だけ遅延させた制御信号をAND回路62に出力する。
AND回路62は、制御マイコン16から供給された制御信号と、反転遅延回路61から供給された制御信号に基づいてAND演算を行う。AND演算の結果はダイオード63のアノード側に入力される。
ダイオード63と64によりOR演算を行う回路が形成され、このOR回路において得られたOR演算の結果が、ショート状態の有無の検出結果を表す新たな検出信号として制御マイコン16に出力される。
図7は、信号処理回路51において処理される信号の例を示す図である。
図7の最上段に示す信号は制御マイコン16から出力された制御信号である。
この例においては時刻tにおいてローからハイに切り替わっている。時刻tにおいて外部アンテナ探索モードが設定された場合、このような制御信号が反転遅延回路61とAND回路62に入力される。15.5V電源回路31においては、このような制御信号が入力されることに応じてLNB用電源の供給が開始される。LNB用電源がオンになった場合、図4を参照して説明したショート検出処理が所定の周期で行われる。
図7の上から2段目に示す信号は反転遅延回路61から出力された信号である。
時刻tにおいて制御信号がローからハイに切り替わった場合、約1秒間の区間である時刻tから時刻t+1までの区間の信号は、ハイからローに切り替わる微分形成された信号となる。図7の上から2段目に示す水平方向の点線は、ハイとして判断するかローとして判断するかの閾値となる信号レベルを表す。時刻t+1まではハイとして判断され、時刻t+1以降はローとして判断される。
図7の上から3段目に示す信号はAND回路62から出力された信号である。
1段目に示す制御信号と、それを反転遅延させた2段目の信号がともにハイである場合にハイの信号がAND演算の結果として出力される。AND回路62の出力は、時刻tから時刻t+1までの区間においてハイの信号となる。
図7の上から4段目に示す信号はコンパレータ35から出力された検出信号である。
時刻tにおいて制御信号がローからハイに切り替わり、LNB用電源の供給が開始されたタイミングでショート検出処理が行われることによってショート状態であることが検出された場合、検出信号は時刻tにおいてハイからローに切り替わる。ここでは、ショート検出処理にかかる時間等は無視して説明している。
図7の上から5段目に示す信号は、ダイオード63と64により構成されるOR回路から出力された信号である。
3段目に示すAND回路62の出力と、4段目に示す検出信号のうちのいずれか一方がハイであればハイの信号がOR演算の結果として出力される。OR回路の出力は、検出信号がハイからローに切り替わってから約1秒後の時刻t+1においてハイからローに切り替わる信号になる。
すなわち、OR回路の出力は、コンパレータ35からの検出信号を約1秒間だけ遅延させた信号になる。
このようなOR回路の出力が、新たな検出信号として制御マイコン16に供給され、LNB用電源の制御に用いられる。新たな検出信号がハイからローに切り替わったタイミングで、LNB用電源をオフにすることを指示する制御信号が制御マイコン16から出力される。
このように、制御信号がローからハイに切り替わってLNB用電源の供給が開始されてから約1秒間は、コンパレータ35からの検出信号がショート状態を検出したことを表すものであっても、ショート状態を検出していないことを表すように作り替えられる。
これにより、外部アンテナ探索モードによってLNB用電源が供給されたときに図4の処理が行われ、ショート状態であることが検出された場合であっても、その検出結果を無効なものとし、ショート警告を表示しないようにすることが可能になる。外部アンテナ探索モードによってLNB用電源を供給したが衛星放送を受信することができない場合には無信号警告だけが出力されることになる(図3のステップS7)。
以上においては、外部アンテナ探索モードが設定されたときにLNB用電源が供給される時間は約1秒間であるとしたが、違う時間であってもよい。この場合、反転遅延回路61における遅延時間は、外部アンテナ探索モードが設定されたときにLNB用電源が供給される時間と同じ時間になるように調整される。
<第2の実施の形態>
図8は、本発明の他の実施形態に係る受信装置1の構成例を示すブロック図である。
図8は、本発明の他の実施形態に係る受信装置1の構成例を示すブロック図である。
図8において、図5に示す構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
図8に示す受信装置1の構成は、制御マイコン16から出力された制御信号が15.5V電源回路31にだけ供給され、信号処理回路51には供給されない点で図5に示す受信装置1の構成と異なる。
信号処理回路51は、DC電源回路17のコンパレータ35から供給された検出信号に基づいて、ショート状態の有無の検出結果を表す新たな信号を生成し、制御マイコン16に出力する。
図9は、図8の信号処理回路51の構成例を示す回路図である。
図9に示すように、信号処理回路51は、反転遅延回路81とNOT回路82から構成される。コンパレータ35から供給された検出信号は反転遅延回路81に入力される。反転遅延回路81の構成は図6に示す反転遅延回路61の構成と同じ構成である。
反転遅延回路81は、ハイ/ローを反転させるとともに約1秒間だけ遅延させた、コンパレータ35からの検出信号をNOT回路82に出力する。
NOT回路82は、反転遅延回路81から供給された信号のハイ/ローを反転させ、反転させた信号を、ショート状態の有無を表す新たな検出信号として制御マイコン16に出力する。
図10は、制御マイコン16から出力される制御信号と、図9の信号処理回路51において処理される信号の例を示す図である。
図10の最上段に示す信号は制御マイコン16から出力された制御信号である。
この例においては時刻tにおいてローからハイに切り替わっている。時刻tにおいて外部アンテナ探索モードが設定された場合、このような制御信号が15.5V電源回路31に入力され、LNB用電源の供給が開始される。
図10の上から2段目に示す信号はコンパレータ35から出力された検出信号である。
時刻tにおいて制御信号がローからハイに切り替わり、LNB用電源の供給が開始されたタイミングでショート検出処理が行われることによってショート状態であることが検出された場合、検出信号は時刻tにおいてハイからローに切り替わる。このような検出信号が反転遅延回路81に入力される。
図10の上から3段目に示す信号は反転遅延回路81から出力された信号である。
時刻tにおいて検出信号がハイからローに切り替わった場合、約1秒間の区間である時刻tから時刻t+1までの区間の信号は、ローからハイに切り替わる微分形成された信号となる。図10の上から3段目に示す水平方向の点線は、ハイとして判断するかローとして判断するかの閾値となる信号レベルを表す。時刻t+1まではローとして判断され、時刻t+1以降はハイとして判断される。
図10の上から4段目に示す信号はNOT回路82から出力された信号である。
反転遅延回路81から出力された信号は時刻t+1まではロー、時刻t+1以降はハイの信号であるから、NOT回路82から出力される信号は、それを反転させた形で、時刻t+1まではハイ、時刻t+1以降はローの信号になる。
すなわち、NOT回路82の出力は、2段目に示すコンパレータ35からの検出信号を約1秒間だけ遅延させた信号になる。
このようなNOT回路82の出力が、新たな検出信号として制御マイコン16に供給され、LNB用電源の制御に用いられる。新たな検出信号がハイからローに切り替わったタイミングで、LNB用電源をオフにすることを表す制御信号が制御マイコン16から出力される。
このような構成によっても、外部アンテナ探索モードによってLNB用電源が供給されたときに図4の処理が行われ、ショート状態であることが検出された場合、その検出結果を無効なものとし、ショート警告を表示しないようにすることが可能になる。
<第3の実施の形態>
外部アンテナ探索モードによってLNB用電源が供給されたときにショート検出処理が行われ、ショート状態であることが検出された場合に、その検出結果を無効なものにすることをソフトウエア的に行うようにすることも可能である。
外部アンテナ探索モードによってLNB用電源が供給されたときにショート検出処理が行われ、ショート状態であることが検出された場合に、その検出結果を無効なものにすることをソフトウエア的に行うようにすることも可能である。
この場合、受信装置1の構成は図1の構成と同じ構成になる。受信装置1においては、図3を参照して説明した「オート」設定時の処理が行われるとともに、LNB用電源がオンである場合、図11に示すショート検出処理が所定の周期で行われる。
なお、「オート」設定時の図3の処理において、そのステップS4において外部アンテナ探索モードが設定された場合、外部アンテナ探索モードが設定されていることを表す、1ビットのフラグが制御マイコン16により記録される。このフラグが記録されている間、ショート検出処理によってショート状態が検出された場合であってもショート警告は表示されない。約1秒間の時間が経過し、外部アンテナ探索モードでの動作が終了した場合、フラグも消去される。
図11のフローチャートを参照して、ショート検出処理について説明する。
図11のショート検出処理も、LNB用電源がオンになっている場合にのみ、100msなどの所定の周期で繰り返し、割り込み処理として行われる。
ステップS31において、制御マイコン16は、コンパレータ35からの出力に基づいてショート検出を行う。
ステップS32において、制御マイコン16は、ショート状態が検出されたか否かを判定する。
ショート状態が検出されていないとステップS32において判定した場合、制御マイコン16はステップS31以降の処理を繰り返す。
一方、ショート状態を検出したとステップS32において判定した場合、ステップS33において、制御マイコン16は、衛星放送が受信可能であるか否かを判定する。
衛星放送が受信可能であるとステップS33において判定した場合、ステップS34において、制御マイコン16は、LNB用電源をオフとし、衛星放送の受信を継続させる。例えば、アンテナの切り替えスイッチが操作されることにより、外部アンテナに接続されていた状態から、DC的にショートした、LNB用電源が不要の共聴システムに接続されるように切り替えられた場合などにステップS34の処理が行われる。アンテナの切り替えについては後述する。
また、制御マイコン16は、ステップS34において、ショート状態であることが検出されているもののショート警告を出力しない。その後、ステップS31以降の処理が所定のタイミングで行われる。
一方、衛星放送を受信することができないとステップS33において判定した場合、ステップS35において、制御マイコン16は、フラグを参照し、いまの受信装置1の状態が、外部アンテナ探索モードが設定されている状態であるか否かを判定する。
外部アンテナ探索モードが設定されている状態であるとステップS35において判定した場合、ステップS36において、制御マイコン16はLNB用電源をオフにする。また、制御マイコン16は、ショート状態であることが検出されているもののショート警告を出力しない。その後、ステップS31以降の処理が所定のタイミングで行われる。
一方、外部アンテナ探索モードが設定されている状態ではないとステップS35において判定した場合、ステップS37において、制御マイコン16はLNB用電源をオフにする。また、制御マイコン16は、ショート警告を出力するとともに無信号警告を出力する。
例えば、外部アンテナに受信装置1が接続されている状態で衛星放送を通常どおり視聴していたが、その視聴中にショートが実際に発生し、外部アンテナにLNB用電源が供給されなくなった場合、ステップS37の処理が行われる。その後、ステップS31以降の処理が所定のタイミングで行われる。
以上の処理により、外部アンテナ探索モードによってLNB用電源が供給されたときにショート状態であることが検出された場合であっても、ショート警告を表示しないようにすることが可能になる。視聴者はショート警告に煩わされることなく、次の選局操作等を継続して行なうことができる。
また、ショートを検出した瞬間にLNB用電源をオフにすることによって不要な発熱を抑えることも可能になる。
ステップS34の処理において説明したアンテナの切り替えスイッチを用いた構成について説明する。
衛星アンテナの特殊な使用法として、外部アンテナと、DC的にショートした共聴システムのアンテナを切り替えスイッチで切り替えて使うといった方法がある。例えば欧州においては各国の衛星放送がそれぞれ行われており、あるときは共聴システムを使って番組を視聴し、またあるときは特定の国の衛星放送の番組のみを、視聴者が個別に用意した専用の外部アンテナで受信し、視聴するようなことが行われている。
この状況で、外部アンテナに接続して番組を視聴していた状態から共聴用システムに接続した状態に切り替えたときにショート検出処理が行われた場合、ショート状態が検出され、ショート警告が瞬時に出力されてしまうことになる。
そこで、ステップS34の処理は、共聴用システムに接続した状態に切り替えたときにショート状態が検出された場合であっても、衛星放送が受信可能であるならばショート警告が出力されないようになっている。これにより、ショート警告を表示することなく、衛星放送の番組の視聴を継続させることが可能になる。
以上の各構成により、様々な使用環境においても不具合が生じることのないようにLNB用電源のオン/オフを制御することが可能になる。
例えば、ショートしたUV分配器を使用している共聴システムの環境下で、表示する映像を外部ビデオ信号の映像等に切り替えた直後に受信装置が衛星放送の番組表を裏側で更新しようとした場合を考える。
この場合、CS信号が大きく減衰しているために外部アンテナ探索モードに入ることになるが、ここでショート状態が検出されたとしてもLNB用電源を直ちにオフにするのみでショート警告は出力されない。
従って、視聴者は外部ビデオ信号の映像の視聴等を継続することができる。また、BS信号が受信可能なレベルで供給されている場合、BS放送の番組表については、最新のものに更新することが可能になる。
また、豪雨等により衛星IF信号が無信号状態になったり、外部の録画機器からLNB用電源が供給されていたが、その供給がテレビジョン受像機において衛星放送の番組を視聴している最中に停止したりした場合を考える。
この場合、テレビジョン受像機において外部アンテナ探索モードが設定され、ショート検出処理が行われることによってショート状態が検出されることになるがショート警告は表示されず、正常な受信状態を継続することが可能になる。
また、検出信号を約1秒間遅延させることによって短時間のショート状態は検出されなくなるので、短時間のミスであれば、不注意によるケーブルの接続ミスを気にしなくても良いというメリットも生まれる。LNB用電源を供給するケーブルの芯線を誤ってGNDにショートさせたとしてもそれが約1秒以内であればショート警告が表示されることはない。
図11の処理を制御マイコン16に実行させるためのソフトウエアを構成するプログラムは、光ディスクなどよりなるリムーバブルメディアに記録して提供される。また、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供されるようにしてもよい。プログラムは、受信装置1内のROMやハードディスクに、あらかじめインストールしておくことができる。
本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
1 受信装置, 2 衛星アンテナ, 3 LNB, 12 衛星放送受信用チューナ, 16 制御マイコン, 17 DC電源回路, 31 15.5V電源回路, 35 コンパレータ, 51 信号処理回路, 61 反転遅延回路, 62 AND回路, 63,64 ダイオード, 81 反転遅延回路, 82 NOT回路
Claims (6)
- LNB用電源を生成する電源回路と、
制御信号を出力することによって前記電源回路からのLNB用電源の供給を制御し、LNB用電源を供給させていない状態において衛星放送を受信できるか否かを判定し、受信できないと判定した場合、前記電源回路からLNB用電源を供給させて所定の時間経過後に衛星放送を受信できるか否かを再度判定する制御回路と、
前記電源回路からLNB用電源の供給が行われている間、LNB用電源の供給に用いられる経路上を流れる電流を検出することによってショート状態の有無を検出することを繰り返し行い、検出結果を表す検出信号を出力する検出回路と、
前記検出回路から出力されたショート状態を検出したことを表す前記検出信号を、その信号が供給されてから前記所定の時間と同じ時間だけ、ショート状態を検出していないことを表す信号にして前記制御回路に出力する信号処理回路と
を備える受信装置。 - 前記信号処理回路が、
前記制御回路から供給された前記制御信号の値を反転させるとともに、前記所定の時間と同じ時間だけ遅延させた信号を出力する反転遅延回路と、
前記反転遅延回路から出力された信号と、前記反転遅延回路に入力される前記制御信号に基づいてAND演算を行い、演算結果を出力するAND回路と、
前記AND回路の出力と、前記検出回路の出力に基づいてOR演算を行い、演算結果を表す信号を前記制御回路に出力するOR回路と
から構成される
請求項1に記載の受信装置。 - 前記信号処理回路が、
前記制御回路から供給された前記制御信号の値を反転させるとともに、前記所定の時間と同じ時間だけ遅延させた信号を出力する反転遅延回路と、
前記反転遅延回路から出力された信号の値を反転させて前記制御回路に出力するNOT回路と
から構成される
請求項1に記載の受信装置。 - LNB用電源を電源回路によって生成し、
制御回路から制御信号を出力することによって前記電源回路からのLNB用電源の供給を制御し、
LNB用電源を供給させていない状態において衛星放送を受信できるか否かを判定し、受信できないと判定した場合、前記電源回路からLNB用電源を供給させて所定の時間経過後に衛星放送を受信できるか否かを再度判定し、
前記電源回路からLNB用電源の供給が行われている間、LNB用電源の供給に用いられる経路上を流れる電流を検出することによってショート状態の有無を検出することを繰り返し検出回路において行い、検出結果を表す検出信号を出力し、
前記検出回路から出力されたショート状態を検出したことを表す前記検出信号を、その信号が供給されてから前記所定の時間と同じ時間だけ、ショート状態を検出していないことを表す信号にして信号処理回路から前記制御回路に出力する
ステップを含む制御方法。 - LNB用電源を生成する電源回路と、
制御信号を出力することによって前記電源回路からのLNB用電源の供給を制御し、LNB用電源を供給させていない状態において衛星放送を受信できるか否かを判定し、受信できないと判定した場合、前記電源回路からLNB用電源を供給させて所定の時間経過後に衛星放送を受信できるか否かを再度判定する制御回路と、
前記電源回路からLNB用電源の供給が行われている間、LNB用電源の供給に用いられる経路上を流れる電流を検出することによってショート状態の有無を検出することを繰り返し行い、検出結果を表す検出信号を出力する検出回路と
を備え、
前記制御回路は、前記検出回路によりショート状態が検出されたタイミングが、前記電源回路からLNB用電源を供給させて前記所定の時間経過後に衛星放送を受信できるか否かを再度判定することを行っている期間内のタイミングである場合、LNB用電源の供給を停止させ、ショート状態を検出したことを通知する警告を出力しない
受信装置。 - LNB用電源を電源回路によって生成し、
制御回路から制御信号を出力することによって前記電源回路からのLNB用電源の供給を制御し、
LNB用電源を供給させていない状態において衛星放送を受信できるか否かを判定し、受信できないと判定した場合、前記電源回路からLNB用電源を供給させて所定の時間経過後に衛星放送を受信できるか否かを再度判定し、
前記電源回路からLNB用電源の供給が行われている間、LNB用電源の供給に用いられる経路上を流れる電流を検出することによってショート状態の有無を検出することを繰り返し検出回路において行い、検出結果を表す検出信号を出力し、
前記検出回路によりショート状態が検出されたタイミングが、前記電源回路からLNB用電源を供給させて前記所定の時間経過後に衛星放送を受信できるか否かを再度判定することを行っている期間内のタイミングである場合、LNB用電源の供給を停止させ、ショート状態を検出したことを通知する警告を出力しない
ステップを含む制御方法。
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JP2008322451A JP2010147781A (ja) | 2008-12-18 | 2008-12-18 | 受信装置、制御方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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RU223134U1 (ru) * | 2023-09-07 | 2024-02-02 | Акционерное общество "Научно-производственное объединение "Цифровые телевизионные системы" | Датчик контроля подключения антенны приемника системы спутникового вещания |
-
2008
- 2008-12-18 JP JP2008322451A patent/JP2010147781A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
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RU223135U1 (ru) * | 2023-09-29 | 2024-02-02 | Акционерное общество "Научно-производственное объединение "Цифровые телевизионные системы" | Приемник спутникового вещания |
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