JP2010147742A - 放音装置の指向性制御支援装置、およびプログラム - Google Patents

放音装置の指向性制御支援装置、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】サービスエリアの内側では十分な強さの音圧で、その外側で音が十分に減衰している状態となるように放音装置の指向性制御を支援する技術であって、汎用性が高く、かつ、多大な計算時間を要しないものを提供する。
【解決手段】矩形状のサービスエリアに向けて放音装置に音波を放射させる際に、その指向性制御のためのターゲットエリアをサービスエリアに一致させて設定する。このターゲットエリアに向う波面の音波を放射するように指向性制御がされた放音装置から放射される音波に関し、サービスエリアの内と外を区画する辺毎にその辺を跨いでその内側から外側へ至る方向の音圧勾配を演算し、音圧の減衰が急峻すぎる場合には、ターゲットエリアを外側に広げ、音圧の減衰は緩やかすぎる場合には、ターゲットエリアを内側に狭める修正を施す。そして、この修正後のターゲットエリアを用いて再度指向性制御を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、音響空間内に定められる目標到達領域(以下、サービスエリア)に向けて音波を放射する放音装置の指向性制御を支援する技術に関する。
音響サービスの提供(例えば、コンサートホールなどの音響空間内に区画されるサービスエリア(コンサートホールであれば、客席全体)に向けて演奏音等の音を放射すること)の際には、そのサービスエリア内では何れの場所においても十分な大きさの音を聴けるようにすることが好ましい一方、そのサービスエリアの外側では音が十分に減衰していることが好ましい。このようなことの実現に好適な放音装置の一例としては、スピーカアレイが挙げられる。スピーカアレイでは、音の放射方向や広がり具合(以下、指向性)を任意に調整することができるからである。例えば、特許文献1に開示されたスピーカアレイは、所謂遅延アレイ方式のスピーカアレイであり、複数のスピーカユニットの各々に与えるオーディオ信号の遅延時間差(すなわち、スピーカアレイがオーディオ信号を受け取ってから各スピーカユニットにそのオーディオ信号を与えて放音を開始させるまでの時間差)を適宜調整することで、指向性制御が実現される。
特許文献2には、サービスエリアに対するスピーカアレイの設置方向の最適化などその指向性制御の最適化に関する技術が開示されている。この特許文献2に開示された技術では、まず、スピーカアレイを構成する各スピーカユニットの設置角度の組み合わせ(以下、設置角度パターン)を予め複数用意しておき、これら設置角度パターンの各々についてその設置角度パターンにて各スピーカユニットが向いている方向とサービスエリアとの交点(以下、軸点)の位置を算出し、その軸点での周波数特性が最適となるイコライザを選択する。そして、このようにして選択されるイコライザをスピーカユニット毎に設定した状態において、サービスエリア内の各点における周波数ゲインの標準偏差を計算し、その標準偏差が最小になる設置角度パターンを探し出すことで各スピーカユニットの設置角度を最適化するのである。
特開2006−211230号公報 特開2007−25380号公報 特願2007−283567
しかし、特許文献2に開示された技術では、サービスエリア内の多数の点でのゲイン(音圧)計算を行う必要があるため、計算量が多く、計算時間が非常に長くなるといった問題がある。また、特許文献2に開示された技術は、スピーカアレイを構成する各スピーカユニットの設置角度の調整により指向性制御を行うことを前提としており、特許文献1に開示された指向性制御可能な遅延アレイ方式のスピーカアレイには適用できないといった問題もある。
本発明は上記課題に鑑みて為されたものであり、その目的は、サービスエリアの内側では何れの場所においても十分な大きさで音を聴き取ることができ、そのサービスエリアの外側では音が十分に減衰している状態が実現されるように放音装置の指向性制御を行うことを支援する技術であって、計算量が少なく、かつ、汎用性が高いものを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、1または複数のスピーカユニットを有する放音装置から放射される音波の目標到達領域である矩形状のサービスエリアを規定する情報を受け取り、前記放音装置の指向性制御のための矩形状領域であるターゲットエリアを前記情報に基づいて設定するターゲットエリア設定手段と、前記放音装置から放射される音波の波面が前記ターゲットエリアに向うように前記放音装置の指向性制御が行われた状態において、前記サービスエリアの内と外を区画する辺毎に前記サービスエリアの内側と外側の音圧勾配を演算する音圧勾配演算手段と、前記サービスエリアの内と外を区画する辺の各々について前記音圧勾配演算手段により算出される音圧勾配を参照し、音圧勾配が急峻すぎる方向については前記ターゲットエリアを外側に広げ、音圧勾配が緩やかすぎる方向については前記ターゲットエリアを内側に狭めるターゲットエリア修正手段とを有することを特徴とする放音装置の指向性制御支援装置、およびコンピュータ装置を上記各手段として機能させることを特徴とするプログラム、を提供する。
このような指向性制御支援装置やプログラムによれば、サービスエリアの内と外を区画する各辺の周辺(すなわち、サービスエリアの境界周辺)の音圧勾配が急峻になりすぎず、かつ、緩やかに成りすぎないように、放音装置の指向性制御を行う際に用いるターゲットエリアが定められる。これにより、サービスエリア内外の音圧分布が最適な状態(すなわち、サービスエリアの内側では何れの場所においても十分な大きさで音を聴き取ることができ、そのサービスエリアの外側では音が十分に減衰している状態)となるように上記ターゲットエリアを介して放音装置の指向性制御を行うことが可能になる。加えて、本発明に係る指向性制御支援装置やプログラムでは、ターゲットエリアの修正を行う際の指標として、サービスエリアの境界周辺の音圧勾配を用いるため、サービスエリア全体に亘る音圧分布の計算を要する従来技術に比較して少ない計算量で指向性制御の支援を行うことができる。さらに、本発明に係る指向性制御支援装置やプログラムでは、ターゲットエリアを介して指向性制御を行う放音装置であれば、その指向性制御の方法を問わずに適用することができ、従来技術に比較して汎用性が高くなる。
より好ましい態様においては、前記指向性制御支援装置は、前記ターゲットエリア設定手段により設定されるターゲットエリア、または前記ターゲットエリア修正手段による修正後のターゲットエリアに向う音波を放射するように前記放音装置の指向性制御を行う指向性制御手段を更に有することを特徴とする。このような態様によれば、当該指向性制御支援装置を用いて直接的に放音装置の指向性制御を行うことができる。このような指向性制御手段の一例としては、例えば指向性制御の対象である放音装置が遅延アレイ方式のスピーカアレイである場合、ターゲットエリアに重ね合わせてその放音装置のアレイ面を投影し、各スピーカユニットとアレイ面の投影像にて各スピーカユニットに対応する投影点との距離に応じて各スピーカユニットにオーディオ信号を与える際の遅延時間差を計算し、その遅延時間差を表す遅延量を上記放音装置に設定するものが考えられる。
また、別の好ましい態様においては、前記指向性制御支援装置は、前記音圧勾配演算手段により演算される音圧勾配が予め定められた目標範囲に収まるまで、前記音圧勾配演算手段による音圧勾配の演算、前記ターゲットエリア修正手段によるターゲットエリアの修正、および、当該修正後のターゲットエリアを利用した前記指向性制御手段による指向性制御を繰り返し実行することを特徴とする。このような態様によれば、サービスエリアの境界周辺での音圧勾配が予め定められた目標範囲に収まるような指向性を放音装置に自動設定することが可能になる。なお、このような態様においては、上記繰り返し演算の収束性を速めるために、音圧勾配演算手段により演算される音圧勾配と上記目標範囲を代表する値(例えば、目標範囲の中央値)との差が大きいほど、前記ターゲットエリアを広げる幅または狭める幅を大きくするようにしても良い。また、音圧勾配演算手段により演算される音圧勾配が上記目標範囲の上限値を上回っている場合には、その上限値をその目標範囲を代表する値として用いても良く、逆に、上記目標範囲の下限値を下回っている場合には、その下限値をその目標範囲を代表する値としても良い。
また別の好ましい態様においては、前記指向性制御支援装置の音圧勾配演算手段は、前記ターゲットエリアに向う音波のうちの予め定められた周波数帯域に属する周波数成分について前記音圧勾配を演算することを特徴とする。上記周波数帯域としては、上限周波数と下限周波数との差がちょうど1オクターブとなる1オクターブバンドを用いることや、上限周波数と下限周波数との差が複数オクターブに亘る複数オクターブバンドを用いることが考えられる。なお、上記周波数帯域として1オクターブバンドを採用する場合には、2キロヘルツを中心周波数とするオクターブバンドを用いることが好ましい。何故ならば、このような周波数帯域に属する音は、所謂可聴域(人間が聴き取ることができる周波数帯域)のうちの高音域に属する音であり、指向性の制御がし易いことに加えて、音響サービスの提供が適切に実行されているか否かについて聴感に与える影響が大きいからである。また、複数のオクターブバンドについての音圧勾配を用いる場合には、各オクターブバンドの音圧勾配を、ターゲットエリアを修正する際の指標として用いても良く、また、それら音圧勾配の平均値(相加平均や相乗平均、重み付け平均など)を上記指標として用いても良い。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
(A:構成)
図1は、本発明の一実施形態にかかる指向性制御支援装置10の構成例を示すブロック図である。この指向性制御支援装置10は、図2に示すように、コンサートホールなどの音響空間内に区画される矩形状(図2では、長方形状)のサービスエリアに向けて音波を放射する放音装置(本実施形態では、遅延アレイ方式のスピーカアレイ)20の指向性制御を支援するためのものである。
図1に示すように、指向性制御支援装置10は、制御部110、表示部120、操作部130、記憶部140、外部インタフェース部150、および、これら各構成要素間のデータ授受を仲介するバス160を有している。制御部110は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。この制御部110は、記憶部140に記憶されている制御プログラムを実行することにより、指向性制御支援装置10の制御中枢の役割を担う。この制御プログラムにしたがって制御部110が実行する処理の詳細については後に明らかにする。
表示部120は、例えば液晶ディスプレイとその駆動回路である。この表示部120は、制御部110による制御下で、指向性制御支援装置10の利用を促すユーザインタフェース画面の画像を表示する。このユーザインタフェース画面の一例としては、放音装置情報やサービスエリア情報の入力を促す画面が挙げられる。ここで、放音装置情報とは、図2に示すように音響空間内に3次元座標を想定した場合における、放音装置20の配置位置を示す情報(たとえば、アレイ面の中心の座標値)や、その向きを示す情報(例えば、アレイ面の法線ベクトルの成分)、そのアレイ面における各スピーカユニットの配置位置を示す情報(アレイ面の中心から見た相対位置を示す情報)などである。一方、サービスエリア情報とは、上記3次元座標におけるサービスリアSAの4つの頂点の座標値など、そのサービスエリアSAを規定する情報である。
操作部130は、例えばマウスなどのポインティングデバイスやキーボードである。この操作部130は、利用者の操作(例えば、マウスによるドラッグアンドドロップやキーの押下など)を検出し、その検出内容に応じたデータを制御部110に引渡す。これにより、操作部130に対して為された利用者の操作の内容が制御部110に伝達される。この操作部130は、上記制御プログラムの実行指示や、放音装置情報やサービスエリア情報などの各種情報を入力する際に利用される。
外部インタフェース部150は、例えばUSBインタフェースやパラレルインタフェースなどであり、この外部インタフェース部150には他の電子機器が接続される。本実施形態では、USBケーブルなどの通信線を介して放音装置20が接続され、この通信線を介した通信により放音装置20の指向性制御(各スピーカユニットの遅延時間差の設定)が行われる。本実施形態では、表示部120や操作部130を指向性制御支援装置10の構成要素としたが、表示部120の役割を担う表示装置や操作部130の役割を担う入力装置を外部インタフェース部150に接続しても良い。
記憶部140は、図1に示すように揮発性記憶部141と不揮発性記憶部142を含んでいる。揮発性記憶部141は、例えばRAM(Random Access Memory)である。この揮発性記憶部141は、上記制御プログラムを実行する際のワークエリアとして制御部110によって利用される。不揮発性記憶部142は、例えばハードディスクである。この不揮発性記憶部142には、上記制御プログラムが格納されている。この制御プログラムにしたがって制御部110が実行する処理のうち、本実施形態の特徴を顕著に示すものとしては、ターゲットエリア設定処理142a、音圧勾配演算処理142b、およびターゲットエリア修正処理142cの3つが挙げられる。
これら3つの処理の内容は以下の通りである。
ターゲットエリア設定処理142aは、放音装置20の指向性制御に用いる矩形状領域であるターゲットエリアをサービスエリア情報に基づいて設定する処理である。ここで、ターゲットエリアの設定方法としては種々の態様が考えられる。具体的には、図3(A)に示すように、サービスエリアSAと一致するようにターゲットエリアTAを設定する態様や、図3(B)または図3(C)に示すようにサービスエリアSAよりも一回り大きく(或いは小さく)ターゲットエリアTAを設定する態様、図3(D)に示すように、サービスエリアSAのサービスエリアSAの長手方向や短手方向に若干平行移動させてターゲットエリアTAを設定する態様、図3(B)または図3(C)に示す態様の何れかと図3(D)に示す態様との組み合わせなどが考えられる。これらの態様のうち、本実施形態では、図3(A)に示す態様でターゲットエリアTAが設定される。
前述したように、このターゲットエリア設定処理142aにより設定されるターゲットエリアTAは、放音装置20の指向性制御を行う際に利用される。放音装置20は遅延アレイ方式のスピーカアレイであるから、そのアレイ面を形成する各スピーカユニットから放射される音波の合成波面が上記ターゲットエリアTAに向うものとなるように、各スピーカユニットにオーディオ信号を与える際の遅延時間差を定めることで指向性制御が実現される。詳細については後述するが、ターゲットエリアTAは上記遅延時間差を算出する際に利用される。従来の遅延アレイ方式のスピーカアレイの指向性制御では、そのスピーカアレイから放射される音波の目標到達領域であるサービスエリアを用いて遅延時間差の演算を行っていた。これに対して、本実施形態では、サービスエリアSAとは別個のターゲットエリアTAを設定し、そのターゲットエリアTAに拡大や縮小などの修正を施し、その修正後のターゲットエリアTAを用いて遅延時間差の演算を行うようにしたことに特徴がある。
音圧勾配演算処理142bは、放音装置20から放射される音波の波面がターゲットエリアTAに向うようにその放音装置20の指向性制御が行われた状態において、放音装置20から放射される音波のうちの2キロヘルツを中心とする1オクターブバンドに属する周波数成分に関し、サービスエリアSAの内と外を区画する辺毎にそのサービスエリアSAの内側と外側の音圧勾配(より詳細には、その辺を跨いでサービスエリアSAの内側から外側へ至る方向の音圧勾配)を演算する処理である。ここで、音圧勾配の演算対象を上記周波数成分とするのは、このような周波数成分は、所謂可聴域(人間が聴き取ることができる周波数帯域)のうちの高音域に属する音であり、指向性の制御がし易いことに加えて、音響サービスの提供が適切に実行されているか否かについて聴感に与える影響が大きいからである。
サービスエリアSAの内と外を区画する各辺(すなわち、サービスエリアSAの境界をなす各辺)周辺の音圧勾配の演算は以下の要領で行われる。サービスエリアSAの境界をなす4つの辺が図4(A)に示す辺b1、b2、b3およびb4である場合、まず、サービスエリアSAの中心SACから上記各辺を跨いでその外側に至る方向に上記各辺を跨ぐ評価ラインL1、L2、L3およびL4を設定する。次いで、これら各評価ラインLn(n=1〜4)上でサービスエリアSAの内側および外側に各々同一の距離Dだけ離れた評価点(図4(A)では、評価点PI1、PO1、PI2、PO2、PI3、PO3、PI4およびPO4)を設定し、これら評価点の各々における上記周波数成分の音圧を計測する。ここで、上記各評価点における音圧の計測は、例えば数値シミュレーションにより行っても良く、また、実際に放音装置20に音を放射させ、マイクロホンなどを用いて上記各評価点の音圧を実測する態様であっても良い。評価点PIn(n=1〜4)の各々における音圧の計測値が各々SPIn(n=1〜4)であり、評価点POn(n=1〜4)の各々における音圧の計測値がSPOn(n=1〜4)である場合、辺bn(n=1〜4)周辺の音圧勾配dSPnは、以下の式(1)で演算される。
dSPn=(SPOn−SPIn)/(2×D)・・・(1)
サービスエリアSAの内側およびその外側の音圧分布を推定するには、本来的には、サービスエリアSAの境界(本実施形態では、サービスエリアSAの内と外を区画する4つの辺)周辺の音圧勾配と音圧レベルとが必要になる。しかし、本実施形態では、式(1)で算出される音圧勾配dSPnのみを用いて、サービスエリアSAの内側およびその外側の音圧分布が適正であるか否か(すなわち、サービスエリアSA内では何れの場所においても一定以上の音圧で、かつ、サービスエリアSAの外側では十分に音圧が低くなっているか否か)の判断がされる。このようにサービスエリアSAの境界周辺の音圧勾配のみを用いて音圧分布の適否の判断を行う理由は以下の通りである。
本実施形態では、サービスエリアSAに基づいて設定されるターゲットエリアTAに向って伝播する合成波面が放射されるように放音装置20の指向性の初期設定(遅延時間差の初期設定)がされる。このため、上記初期設定が為された状態の放音装置から放射される音波についてのサービスエリアSA内外での音圧分布は、上記適正なものから大きく乖離してはいないと考えられる。図4(B)に示すようにサービスエリアSAの長手方向の音圧分布として適正なもの(点線で描画)と、上記初期設定がされた放音装置20から放射される音波の音圧分布(一点鎖線で描画)とがさほど乖離していない場合には、サービスエリアSAの境界周辺の音圧勾配のみを参照して指向性の微調整を行うことで、放音装置20から放射される音波の音圧分布を上記適正なものに近付けることができると考えられる。つまり、本実施形態によれば、サービスエリアSAの境界周辺の音圧勾配を算出するといった少ない演算量で指向性の微調整を行うことができると考えられる。これが、サービスエリアSAの境界周辺の音圧勾配のみを用いて音圧分布の適否を判断する理由である。
ターゲットエリア修正処理142cは、サービスエリアSAの内と外を区画する辺毎に、その辺について音圧勾配演算処理142bで演算された音圧勾配を参照し、音圧勾配が急峻すぎる方向(すなわち、サービスエリアSAの内側から外側へ向うにつれての音圧の減衰が急峻すぎる方向)については、ターゲットエリアTAを外側へ広げる一方、音圧勾配が緩やかすぎる方向(上記音圧の減衰が緩やかすぎる方向)については、ターゲットエリアTAを内側へ狭める処理である。
ここで、音圧勾配が急峻すぎるか否か(或いは、音圧勾配が緩やか過ぎるか否か)の判定態様については、種々のものが考えられる。例えば、音圧勾配についての閾値を予め定めておき、音圧勾配が当該閾値よりも大きい場合には、音圧勾配が急峻すぎると判定し、逆に、当該閾値よりも小さい場合には、音圧勾配が緩やかすぎると判定する態様が考えられる。ただし、この判定態様を採用する場合には、サービスエリアSAの内と外を区画する辺毎にその辺周辺の音圧勾配として好適な値を示す閾値を定めておく必要がある。音源たる放音装置20に近い側の辺と遠い側の辺では、好適な音圧勾配が異なるからである。また、音圧勾配についての目標範囲を予め定めておき、音圧勾配演算処理142bで演算される音圧勾配が上記目標範囲の上限値を上回っている場合には、急峻すぎると判定し、逆に、上記範囲の下限値を下回っている場合には、緩やか過ぎると判定しても良い。なお、この目標範囲についてもサービスエリアSAの内と外を区画する辺毎に適正な範囲を定めておく必要がある。本実施形態では、これら判定態様のうち、後者の態様(目標範囲に収まっているか否かを判定する態様)が採用されている。
音圧勾配演算処理142bで演算される音圧勾配dSPn(n=1〜4)に応じてターゲットエリアTAを広げる(或いは、狭める)処理は、その音圧勾配dSPnが算出された辺bnに対応するターゲットエリアTAの辺を外側(或いは、内側)へ移動することで実現される。音圧勾配dSPn(n=1〜4)に応じてターゲットエリアTAの辺を移動させる際に、どの程度の移動量とするのかについては種々の態様が考えられる。例えば、常に一定量だけ移動させる態様や、音圧勾配dSPnとその目標範囲を代表する値(例えば、目標範囲の中央の値、或いは上限値や下限値)との差が大きいほど移動量dWnを大きくする態様などである。後者の具体例としては、音圧勾配dSPnとその目標範囲を代表する値との差がSnである場合、以下の式(2)にしたがって移動量dWnを算出する態様が考えられる。以下の式(2)において、pおよびqは聴感との対応で適宜定められる定数である。この式(2)の右辺第1項は、移動量dWnのうち差分Snの大きさに依存する成分を表し、同第2項は差分Snとは無関係な固定成分を表す。
dWn=p×Sn+q(n=1〜4)・・・(2)
図5に示すように、修正前のターゲットエリアTAの4つの頂点P1、P2、P3およびP4の位置が、位置ベクトルVP1、VP2、VP3およびVP4で表され、図5に示すx方向(ターゲットエリアTAの短手方向)およびy方向(同長手方向)の単位ベクトルが各々VeおよびVeyである場合、修正後のターゲットエリアTA´の4つの頂点P1´、P2´、P3´およびP4´の各々の位置を表す位置ベクトルVP1´、VP2´、VP3´およびVP4´は、各々以下の式(3)〜(6)で算出される。
VP1´= VP1−Ve×dW1+Ve×dW2・・・(3)
VP2´= VP2−Ve×dW3+Ve×dW2・・・(4)
VP3´= VP3−Ve×dW3−Ve×dW4・・・(5)
VP4´= VP4−Ve×dW1+Ve×dW4・・・(6)
この後、ターゲットエリア修正処理142cによる修正後のターゲットエリアTA´を用いて、再度、放音装置20の指向性制御を行えば、サービスエリアSAの境界周辺の音圧勾配が予め定められた目標範囲に収まり、サービスエリアSA内およびその外側の音圧分布がそれら音圧勾配に応じたものになる。したがって、上記目標範囲を適正に定めておけば、サービスエリアSA内では何れの場所においても一定以上の音圧で、かつ、サービスエリアSAの外側では十分に音圧が減衰している音圧分布を実現させるような指向性を放音装置20に与えることができるのである。
以上説明したように本実施形態に係る指向性制御支援装置10の構成は、パーソナルコンピュータなどの一般的なコンピュータ装置の構成と同一であり、本実施形態に係る指向性制御支援装置10の特徴を顕著に示す機能は、ソフトウェアで実現されている。しかし、ターゲットエリア設定処理142aを実行するターゲットエリア設定手段、音圧勾配演算処理142bを実行する音圧勾配演算手段、および、ターゲットエリア修正処理142cを実行するターゲットエリア修正手段の各々を電子回路で構成し、これら各手段を組み合わせて指向性制御支援装置10を構成しても勿論良い。
以上が指向性制御支援装置10の構成である。
(B:指向性制御支援装置10の動作)
次いで、指向性制御支援装置10が実行する動作について説明する。
制御部110は、操作部130に対する操作により制御プログラムの実行を指示されると、この制御プログラムを不揮発性記憶部142から揮発性記憶部141へ読み出し、その実行を開始する。図6は、制御プログラムにしたがって制御部110が実行する指向性制御支援処理の流れを示すフローチャートである。図6に示すように、この指向性制御支援処理では、まず、放音装置情報、サービスエリア情報、音圧勾配の目標範囲を規定する情報(目標範囲の上限値および下限値)などの各種情報を利用者に入力させる(ステップSA010)。具体的には、制御部110は、まず、上記各種情報の入力を促すユーザインタフェース画面を表示部120に表示させ、これら情報の入力を促すのである。そして、操作部130に対する操作により上記各種情報が入力されると、制御部110は、それら情報を揮発性記憶部141に書き込む。
ステップSA020では、前述したターゲットエリア設定処理142aが実行される。このステップSA020では、制御部110は、ステップSA010にて揮発性記憶部141に書き込んだサービスエリア情報(サービスエリアの4つの頂点の位置を表す情報)のコピーを生成し、このコピーをターゲットエリアを示すターゲットエリア情報として揮発性記憶部141に書き込む。前述したように本実施形態では、サービスエリアSAと一致するターゲットエリアTAが設定されるからである。
次いで、制御部110は、揮発性記憶部141に格納されているターゲットエリア情報と放音装置情報とを用いて、そのターゲットエリア情報の示すターゲットエリアTAに向う波面の音波を放射するように放音装置20の指向性制御を行う(ステップSA030)。このステップSA030で実行される指向性制御では、まず、放音装置20のアレイ面をターゲットエリアTAに重ね合わせて投影した場合における各スピーカユニットに対応する投影点の位置が算出される。これら投影点は、対応するスピーカユニットから放射される音波の目標到達点とされる。例えば、放音装置20の複数のスピーカユニットの各々から放射される音波の同時刻における合成波面が、1の音響中心(仮想音源の位置)から広がる球面波状になるようにする場合には、スピーカユニット毎にその音響中心からそのスピーカユニットを経てそのスピーカユニットに対応する目標到達点へと至る経路を求め、それら経路の差に応じて遅延時間差を算出し、その遅延時間差を表す遅延量を放音装置20に設定すれば良い。また、上記複数のスピーカユニットの各々から放射される音波の同時刻における合成波面が、ターゲットエリアTAに向って進行する非球面波状(特許文献3参照)になるようにする場合も、上記目標到達点を利用して遅延時間差の算出を行うことができる。このように非球面波状の合成波面を形成させる場合の遅延時間差の算出方法については、特許文献3にて詳細に説明されている。
ステップSA040では、前述した音圧勾配演算処理142bが実行される。これにより、サービスエリアSAの内と外を区画する4つの辺の各々の周辺の音圧勾配が前掲式(1)にしたがって算出される。次いで、制御部110は、上記4箇所の音圧勾配の全てが目標範囲情報の示す目標範囲に収まっているか否かを判定し(ステップSA050)、その判定結果が“No”である場合には、前述したターゲットエリア修正処理(ステップSA060)を実行してターゲットエリア情報を修正した後、ステップSA030以降の処理を繰り返し実行する。逆に、ステップSA050の判定結果が“Yes”である場合には、制御部110は、本指向性制御支援処理を終了する。
以上が、指向性制御支援装置10が実行する指向性制御支援処理である。
(C:本実施形態の効果)
図7は、遅延アレイ方式のスピーカアレイについての従来の指向性制御により実現される音圧分布を表す図であり、図8は、本実施形態により実現される音圧分布を表す図である。図8では、ターゲットエリア修正処理142cによってターゲットエリアTAが放音装置の手前側に移動していることが判る。図7に示す音圧分布では、サービスエリアSA内の放音装置に近い側の領域で高周波成分(8キロヘルツ)の音圧が部分的に落ち込む乱れが生じている。これに対して、図8に示す音圧分布では、上記乱れが改善されている。このように、本実施形態によれば、サービスエリアSA内の放音装置に近い領域における高周波成分の音圧分布を改善することができるのである。
以上説明したように本実施形態によれば、サービスエリアSAの内側では何れの場所においても一定以上の音圧で、その外側では十分に音が減衰するようにそのサービスエリアSAに向けて音を放射する放音装置の指向性制御を行うことができる。また、本実施形態では、サービスエリアSAの内と外を区画する4辺周辺の音圧勾配を用いて指向性の調整が行われるため、サービスエリアSA全体に亘っての音圧分布を求めて指向性の調整を行う従来技術に比較して少ない計算量で指向性の調整を行うことが可能になる。
さらに、上述した実施形態では、放音装置が遅延アレイ方式のスピーカアレイである場合について説明したが、ベッセル関数等を利用した重み付けにより指向性制御が可能なスピーカアレイであっても良く、また、単一のスピーカ(例えば、コーンスピーカなど)であっても勿論良い。ここで、ベッセル関数等を利用した重み付けにより指向性制御が可能なスピーカアレイの場合には、ターゲットエリアTAの修正に応じて重み係数を再計算することで指向性の調整が実現され、単一のスピーカである場合には、そのスピーカの指向軸方向にターゲットエリアTAの中心点が位置するようにそのスピーカの位置および向きを変更することで指向性の調整が実現される。このように本発明に係る指向性制御支援装置は、放音装置の指向性制御の方法とは無関係にその指向性制御の支援を行うことができ、特許文献1に開示された従来技術に比較して適用範囲が広く、高い汎用性を有する。
(D:変形)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、かかる実施形態に以下に述べる変形を加えても勿論良い。
(1)上述した実施形態では、指向性制御支援装置10に放音装置20の指向性制御(各スピーカユニットの遅延時間差の算出およびその算出結果の設定)を行わせたが、このような指向性制御そのものは他の装置(例えば、放音装置20)に行わせ、指向性制御支援装置10には、その指向性制御の結果を利用した音圧勾配の演算およびその音圧勾配に基づくターゲットエリアTAの修正のみを行わせるようにしても良い。
(2)上述した実施形態では、音圧勾配演算処理142bにより算出される音圧勾配と予め定められた閾値(或いは、予め定められた目標範囲を代表する値)との差Snから式(1)で算出される連続的な値をターゲットエリアTAの辺の移動量dWnとしたが、移動量dWnを段階的な値(例えば、上記差Snが0.1〜0.2未満である場合は、dWn=0.5、上記差Snが0.2〜0.5未満である場合は、dWn=1.0とするなど)としても良い。また、上述した実施形態では、サービスエリアSAの内と外を区画する辺毎に予め定められた目標範囲に音圧勾配が収まるよう逐次演算を行ったが、音圧勾配演算処理142bにより算出される音圧勾配に基づいて、図4(b)にて点線で示すような音圧分布を表す曲線を推定し、この曲線に基づいてターゲットエリアTAの内と外を区画する各辺の移動量を算出しても良く、このような態様によれば、逐次演算を行う必要はない。
(3)上述した実施形態では、2キロヘルツを中心周波数とする1オクターブバンドに属する周波数成分についての音圧勾配を求めたが、1キロヘルツ、あるいは4キロヘルツなど他の周波数を中心周波数とする1オクターブバンドの周波数成分について音圧勾配を求めても良く、また、上限周波数と下限周波数との差が複数オクターブに亘る周波数帯域に属する音についての音圧勾配を求めるようにしても良い。そして、上限周波数と下限周波数との差が複数オクターブに亘る周波数帯域の音について音圧勾配を求める場合には、各オクターブの音圧計算結果に以下の式(7)で示すような重み付けを施して音圧勾配を求めても良い。
{a×(1キロヘルツを中心周波数とする1オクターブバンドの音圧勾配)+
b×(2キロヘルツを中心周波数とする1オクターブバンドの音圧勾配)+
c×(4キロヘルツを中心周波数とする1オクターブバンドの音圧勾配)}/(a+b+c)・・・(7)
(4)上述した実施形態では、サービスエリアSAの内と外を区画する4つの辺の各々に対して1本の評価ラインを設定し、その評価ラインに沿った音圧勾配を求めたが、1つの辺あたり複数の評価ラインを設定し、それら複数の評価ラインの各々に沿って算出される音圧勾配を平均(相加平均や相乗平均、中央の評価ラインほど重みを大きくした重み付け平均など)してその辺周辺の音圧勾配としても良い。また、上述した実施形態では、1本の評価ライン上にサービスエリアSAの境界を挟んで等距離に2つの評価点を設け、それら2つの評価点における音圧の線形補間により音圧勾配を求めたが、1本の評価ラインあたり3つ以上の評価点を設け、それら複数の評価点の音圧を二次式或いは三次式により補間し、最小二乗法により音圧勾配を求めても良い。
(5)上述した実施形態では、ターゲットエリアTAに修正を施すか否かを決定する際の指標として、サービスエリアSAの境界周辺の音圧勾配を用いたが、これら音圧勾配に加えて、サービスエリアSAの境界周辺での音圧レベルを用いても良い。例えば、サービスエリアSAの境界周辺の音圧レベルが予め定められた値となるようにターゲットエリアTAを修正した後に、サービスエリアSAの境界周辺での音圧勾配が予め定められた値となるようにさらにターゲットエリアTAを修正するといった処理を繰り返し実行させるのである。このような態様によれば、上述した実施形態に比較して演算処理量は増加するものの、サービスエリアSAの内側および外側の音圧分布を、そのサービスエリアSAの境界周辺での音圧レベルを含めて、予め定められた音圧分布に一致させるようにすることが可能になる。
(6)上述した実施形態では、ターゲットエリアTAに修正を施すか否かを決定する際の指標として、サービスエリアSAの境界周辺の音圧勾配を用いたが、これに加えて、サービスエリアSAの中心SACにおける音圧と上記境界における音圧との差を指標とし、これら2つの指標の組み合わせにより図9に示すようにターゲットエリアTAの修正を行っても良い。図9には、サービスエリアSAの中心SACにおける音圧と上記境界における音圧との差が大きい場合には、その境界における音圧勾配が急峻であるか緩やかであるかに拘らず、ターゲットエリアTAを広げることが例示されている。この図9に示す態様によれば、音圧分布がサービスエリアSAの中心付近に極端に偏っているような状態を是正することができると期待される。他にも、高低音のバランスを見るため、低音域に対する高音域の音圧の比(或いは、差)をターゲットエリアTAに修正を施すか否かを決定する際の指標として用いても良い。低音域では指向性制御がされにくく、高音域ではより指向性が制御される。つまり、サービスされない場所では高音域に比べ低音域の音圧が高くなる傾向があり、サービスされている場所では高音域が低音域と同様の音圧になる傾向がある。このことを利用して、上記SACにおける音圧レベルと境界における音圧レベルとの差の代わりに、低音域の音圧レベルに対する高音域の音圧レベルの比(或いは、差)の大小を指標としても良い。これにより、周波数特性上、高音域が落ちて適切にサービスされていないにも拘らずスピーカからの距離が近く音圧が高くなっているエリアを、サービスされるエリアの偏りとして判断することが可能になる。
(7)上述した実施形態では、本発明に特徴的な各処理を制御部110に実行させる制御プログラムが不揮発性記憶部142に予め格納されていた。しかしながら、例えばCD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)などコンピュータ装置読取可能な記録媒体に上記制御プログラムを書き込んで配布しても良く、また、インターネットなどの電気通信回線経由のダウンロードにより上記制御プログラムを配布しても良い。このようにして配布される制御プログラムにしたがって、一般的なコンピュータ装置(例えば、パーソナルコンピュータなど)を作動させることにより、そのコンピュータ装置に指向性制御支援装置10と同一の機能を付与することができる。
この発明の一実施形態に係る指向性制御支援装置10の構成を示す図である。 同指向性制御支援装置10による支援を受けて指向性制御が為される放音装置、この放音装置が配置される音響空間、およびその音響空間内に区画されるサービスエリアSAの関係を示す図である。 同指向性制御支援装置10の制御部110が制御プログラムにしたがって実行するターゲットエリア設定処理142aの処理概要を説明するための図である。 同制御部110が制御プログラムにしたがって実行する音圧勾配演算処理142bの処理概要を説明するための図である。 同制御部110が制御プログラムにしたがって実行するターゲットエリア修正処理142cの処理概要を説明するための図である。 同制御部110が制御プログラムにしたがって実行する指向性制御支援処理の流れを示すフローチャートである。 本実施形態の効果を説明するための図である。 本実施形態の効果を説明するための図である。 変形例(5)を説明するための図である。
符号の説明
10…指向性制御支援装置、110…制御部、120…表示部、130…操作部、140…記憶部、141…揮発性記憶部、142…不揮発性記憶部、150…外部インタフェース部、160…バス。

Claims (5)

  1. 1または複数のスピーカユニットを有する放音装置から放射される音波の目標到達領域である矩形状のサービスエリアを規定する情報を受け取り、前記放音装置の指向性制御のための矩形状領域であるターゲットエリアを前記情報に基づいて設定するターゲットエリア設定手段と、
    前記放音装置から放射される音波の波面が前記ターゲットエリアに向うように前記放音装置の指向性制御が行われた状態において、前記サービスエリアの内と外を区画する辺毎に前記サービスエリアの内側と外側の音圧勾配を演算する音圧勾配演算手段と、
    前記サービスエリアの内と外を区画する辺の各々について前記音圧勾配演算手段により算出される音圧勾配を参照し、音圧勾配が急峻すぎる方向については前記ターゲットエリアを外側に広げ、音圧勾配が緩やかすぎる方向については前記ターゲットエリアを内側に狭めるターゲットエリア修正手段と、
    を有することを特徴とする放音装置の指向性制御支援装置。
  2. 前記ターゲットエリア設定手段により設定されるターゲットエリア、または前記ターゲットエリア修正手段による修正後のターゲットエリアに向う波面の音波を放射するように前記放音装置の指向性制御を行う指向性制御手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載の放音装置の指向性制御支援装置。
  3. 前記音圧勾配演算手段により演算される音圧勾配が予め定められた目標範囲に収まるまで、前記音圧勾配演算手段による音圧勾配の演算、前記ターゲットエリア修正手段によるターゲットエリアの修正、および、当該修正後のターゲットエリアを利用した前記指向性制御手段による指向性制御を繰り返し実行する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の放音装置の指向性制御支援装置。
  4. 前記音圧勾配演算手段は、前記ターゲットエリアに向う波面の音波のうちの予め定められた周波数帯域に属する周波数成分について前記音圧勾配を演算することを特徴とする請求項1から3の何れか1に記載の放音装置の指向性制御支援装置。
  5. コンピュータ装置を、
    1または複数のスピーカユニットを有する放音装置から放射される音波の目標到達領域である矩形状のサービスエリアを規定する情報を受け取り、前記放音装置の指向性制御のための矩形状領域であるターゲットエリアを前記情報に基づいて設定するターゲットエリア設定手段と、
    前記放音装置から放射される音波の波面が前記ターゲットエリアに向うように前記放音装置の指向性制御が行われた状態において、前記サービスエリアの内と外を区画する辺毎に前記サービスエリアの内側と外側の音圧勾配を演算する音圧勾配演算手段と、
    前記サービスエリアの内と外を区画する辺の各々について前記音圧勾配演算手段により算出される音圧勾配を参照し、音圧勾配が急峻すぎる方向については前記ターゲットエリアを外側に広げ、音圧勾配が緩やかすぎる方向については前記ターゲットエリアを内側に狭めるターゲットエリア修正手段
    として機能させることを特徴とするプログラム。
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