JP4928177B2 - 音像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、音像形成装置に係り、特に、奥行き方向の音像定位を改善することのできる音像形成装置に関する。
音像定位技術は、複数のスピーカにより構成される再生音場において、各スピーカの出力レベルを変更することにより音像の位置を制御する技術であり、既に種々の技術が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
図10は、非特許文献1に開示されているベクトル振幅パンニング法を説明する上面図であって、5つのスピーカSP1〜SP5が聴取位置Gを中心とする半径rの円の周上に配置されている場合を示す。
音像をスピーカSP1とスピーカSP2の間の位置Sに定位させる場合は、聴取位置Gを始点とし位置Sを指向するベクトルAを、聴取位置Gを始点としスピーカSP1を指向するベクトルP1と聴取位置Gを始点としスピーカSP2を指向するベクトルP2とに分解する。即ち、[数1]を満足するようにベクトルAを分解する。
Figure 0004928177
そして、ベクトルP1およびベクトルP2の大きさとベクトルAの大きさの比をg1およびg2とする。即ち、[数2]によりg1およびg2を算出する。
Figure 0004928177
音響信号が位置Sから放射されると仮定したときの音響信号の聴取位置Gにおける音響エネルギと、スピーカSP1およびスピーカSP2が放射し、位置Sに音像を形成する音像形成音響信号の聴取位置Gにおける音響エネルギを同一とするために、[数3]により補正係数kを求める。
Figure 0004928177
そして、[数4]によりスピーカSP1およびスピーカSP2の利得係数G1およびG2を決定する。
Figure 0004928177
即ち、スピーカSP1から音響信号の入力音量レベルに利得係数G1をかけた音量レベルで、スピーカSP2から音響信号の入力音量レベルに利得係数G2をかけた音量レベルで音像形成音響信号を出力することにより、音像を位置Sに定位させることが可能となる。
なお、非特許文献1には、ベクトル振幅パンニング法をスピーカが3次元空間に配置されている場合にも拡張できることが開示されている。
VILLE PULKKI "Virtual Sound Source Positioning Using Vector Base Amplitude Panning" Audio Engineering Society, Inc. 1977, pp456‐466
しかしながら、従来のベクトル振幅パンニング法は、円周上(3次元空間においては球面上)に配置されたスピーカを使用するものであり、音響信号の定位位置をスピーカの形成する円周上(もしくは球面上)で移動させることは可能であるものの、定位位置を奥行き方向に移動することは困難であるという課題があった。
本発明は、従来の課題を解決するためになされたものであって、奥行き方向の音像定位を改善することのできる音像形成装置および方法を提供することを目的とする。
本発明の音像形成装置は、聴取位置を中心とする球面に沿って配置された3個以上のスピーカにより構成されるスピーカ層を少なくとも2層含む音響信号出力手段と、音響信号の定位位置を指定する定位位置指定手段と、前記音響信号出力手段に含まれるスピーカの配置情報であるスピーカ配置情報を記憶するスピーカ配置情報記憶手段と、前記定位位置および前記スピーカ配置情報に基づいて前記定位位置に音像を形成する音像形成音響信号を生成して前記音響信号出力手段に出力する音像形成音響信号生成手段とを含み、前記音像形成音響信号生成手段が、前記音像形成音響信号を放射するスピーカを前記スピーカ層ごとに選択するスピーカ選択手段と、前記スピーカ選択手段により選択されたスピーカが出力する前記音像形成音響信号の出力レベルを決定する出力レベル決定手段と、前記スピーカ選択手段により選択されたスピーカが出力する前記音像形成音響信号の遅延時間を決定する遅延時間決定手段と、前記スピーカ選択手段により選択されたスピーカに、前記遅延時間遅延した前記出力レベルの前記音像形成音響信号を前記音響信号出力手段に出力する音像形成音響信号出力手段とを含む構成を有している。
この構成により、音響信号の音像を奥行き方向に定位させることができることとなる。
本発明の音像形成装置は、前記スピーカ選択手段が、前記定位位置の直前方のスピーカ層である前方スピーカ層および前記定位位置の直後方のスピーカ層である後方スピーカ層を選択するスピーカ層選択手段と、前記前方スピーカ層を構成するスピーカの中から、前記聴取位置と前記定位位置とを結ぶ直線と前記前方スピーカ層との交点を囲む少なくとも3つのスピーカである前方スピーカを特定する前方スピーカ特定手段と、前記後方スピーカ層を構成するスピーカの中から、前記直線と前記後方スピーカ層との交点を囲む少なくとも3つのスピーカである後方スピーカを特定する後方スピーカ特定手段とを含む構成を有している。
この構成により、最外殻のスピーカ層が囲んだ空間内の任意の点に音像を定位することができることとなる。
本発明の音像形成装置は、前記出力レベル決定手段が、前記聴取位置を始点とし前記直線と前記前方スピーカ層との交点を終点とする前方スピーカ層ベクトルを、前記聴取位置を始点とし、前記前方スピーカを指向する少なくとも3つの前方スピーカベクトルに分解する前方スピーカ層ベクトル分解手段と、前記聴取位置を始点とし前記直線と前記後方スピーカ層との交点を終点とする後方スピーカ層ベクトルを、前記聴取位置を始点とし、前記後方スピーカを指向する少なくとも3つの後方スピーカベクトルに分解する後方スピーカ層ベクトル分解手段と、前記前方スピーカ層ベクトルの長さに対する前記前方スピーカベクトルの長さの比である前方スピーカベクトル長比を算出する前方スピーカベクトル長比算出手段と、前記後方スピーカ層ベクトルの長さに対する前記後方スピーカベクトルの長さの比である後方スピーカベクトル長比を算出する後方スピーカベクトル長比算出手段と、前記前方スピーカ層と前記後方スピーカ層の間隔を前記定位位置で内分した内分比を算出する内分比算出手段と、前記前方スピーカおよび前記後方スピーカが放射する前記音像形成音響信号の前記聴取位置におけるエネルギの和と、前記音響信号が前記定位位置から放射されると仮定したときの前記音響信号の前記聴取位置におけるエネルギとを等しくする補正係数を算出する補正係数算出手段と、前記補正係数、前記内分比および前記前方スピーカベクトル長比に基づいて前方スピーカ出力レベルを決定する前方スピーカ出力レベル決定手段と、前記補正係数、前記内分比および前記後方スピーカベクトル長比に基づいて後方スピーカ出力レベルを決定する後方スピーカ出力レベル決定手段とを含む構成を有している。
この構成により、スピーカ選択手段により選択されたスピーカごとに音像形成音響信号の出力レベルを決定することができることとなる。
本発明の音像形成装置は、前記遅延時間決定手段が、前記聴取位置から前記定位位置までの距離と前記聴取位置から前記前方スピーカ層までの距離の差を音速で除した値を前方スピーカ遅延時間として決定する前方スピーカ遅延時間決定手段と、前記聴取位置から前記定位位置までの距離と前記聴取位置から前記後方スピーカ層までの距離の差を音速で除した値を後方スピーカ遅延時間として決定する後方スピーカ遅延時間決定手段とを含む構成を有している。
この構成により、スピーカ選択手段により選択されたスピーカごとに音像形成音響信号の遅延時間を決定することができることとなる。
本発明の音像形成装置は、前記音像形成音響信号出力手段が、前記前方スピーカに、前記前方スピーカ遅延時間遅延した前記前方スピーカ出力レベルの前記音像形成音響信号を前方スピーカ音像形成信号として出力する前方スピーカ音像形成音響信号出力手段と、前記後方スピーカに、前記後方スピーカ遅延時間遅延した前記後方スピーカ出力レベルの前記音像形成音響信号を後方スピーカ音像形成信号として出力する後方スピーカ音像形成音響信号出力手段とを含む構成を有している。
この構成により、前方スピーカおよび後方スピーカに音像形成音響信号を出力することができることとなる。
本発明の音像形成装置は、前記音像形成音響信号出力手段が、前記前方スピーカ遅延時間および前記後方スピーカ遅延時間に一律に所定時間を加算補正して、前記後方スピーカ遅延時間を正の値とする手段と、前記前方スピーカに、前記加算補正された前方スピーカ遅延時間遅延した前記前方スピーカ出力レベルの前記音像形成音響信号を前方スピーカ音像形成信号として出力する前方スピーカ音像形成音響信号出力手段と、前記後方スピーカに、前記加算補正された後方スピーカ遅延時間遅延した前記後方スピーカ出力レベルの前記音像形成音響信号を後方スピーカ音像形成信号として出力する後方スピーカ音像形成音響信号出力手段とを含む構成を有している。
本発明は、聴取位置を中心とする半径riの球面に沿って配置された3個以上のスピーカにより構成される少なくとも2層のスピーカ層を設けることにより、奥行き方向の音像定位を改善することができるという効果を有する音像形成装置を提供することができるものである。
以下、本発明に係る音像形成装置の実施形態について、図面を用いて説明する。
本発明に係る音像形成装置1は、図1のブロック図に示すように、聴取位置Gを中心とする半径riの球面に沿って配置された3個以上のスピーカにより構成されるスピーカ層111、112・・・を少なくとも2層含む音響信号出力手段11と、音響信号の定位位置Sを指定する定位位置指定手段12と、音響信号出力手段11に含まれるスピーカの配置情報であるスピーカ配置情報を記憶するスピーカ配置情報記憶手段13と、定位位置Sおよびスピーカ配置情報に基づいて定位位置Sに音像を形成する音像形成音響信号を生成して音響信号出力手段11に出力する音像形成音響信号生成手段14とを含む。
音像形成音響信号生成手段14は、音像形成音響信号を放射するスピーカをスピーカ層ごとに選択するスピーカ選択手段141と、スピーカ選択手段141により選択されたスピーカが出力する音像形成音響信号の出力レベルを決定する出力レベル決定手段142と、スピーカ選択手段141により選択されたスピーカが出力する音像形成音響信号の遅延時間を決定する遅延時間決定手段143と、スピーカ選択手段141により選択されたスピーカに遅延時間遅延した出力レベルの音像形成音響信号を音響信号出力手段11に出力する音像形成音響信号出力手段144とを含む。
本発明に係る音像形成装置1は、図2のハードウエア構成を表すブロック図に示すように、音響信号出力手段11のスピーカ層111、112として機能する前方スピーカ層Snおよび後方スピーカ層Sfと、定位位置指定手段12として機能するパンポッド121およびトラックボール122などのインターフェースと、音像形成音響信号生成手段14として機能するパーソナルコンピュータ2などの演算装置とを含む。
前方スピーカ層Snおよび後方スピーカ層Sfは、それぞれ、聴取位置Gを中心とする半径r1および半径r2の半球面上に配置された3つ以上のスピーカを含む。
前方スピーカ層Snおよび後方スピーカ層Sfのスピーカの配置は特に規定されないが、図3に示すように、隣接する3つのスピーカを頂点とする三角形により半球面が覆われるように配置することが望ましい。
図3(a)は前方スピーカ層Snおよび後方スピーカ層Sfの斜視図であって、図3(b)は図3(a)に示すレベルh0、h1、h2、h3、h4の水平断面図であって、□はスピーカの配置位置を示す。
定位位置指定手段12のうち、パンポッド121は定位位置Sの奥行き方向を指定するために使用し、トラックボール122は定位位置Sの上下左右方向を指定するために使用する。
パーソナルコンピュータ2は、入力インターフェイス(I/F)21、CPU22、メモリ23、ハードディスク(HDD)24、出力I/F25および周辺機器I/F26がバス27を介して相互に結合された構成を有する。
入力I/F21には、定位位置指定手段12を構成するパンポッド121およびトラックボール122が接続される。
出力I/F25には、前方スピーカ層Snおよび後方スピーカ層Sfを構成するスピーカが増幅器251を介して接続される。
また、周辺機器I/F26には、表示パネル261、キーボード262およびマウス263が接続される。なお、表示パネル261、キーボード262およびマウス263に代えて専用の操作パネルを使用してもよい。
そして、スピーカ配置情報記憶手段13、ならびに音像形成音響信号生成手段14に含まれるスピーカ選択手段141、出力レベル決定手段142、遅延時間決定手段143および音像形成音響信号出力手段144は、パーソナルコンピュータ2に音像形成音響信号生成プログラムをインストールすることにより、パーソナルコンピュータ2内にソフトウエア的に構成される。
図4はパーソナルコンピュータ2にインストールされる音像形成音響信号生成プログラムのフローチャートであって、予め定められた所定時間間隔ごとに割り込みにより実行される。
CPU22は、まず、パンポッド121およびトラックボール122により設定された定位位置Sを読み込む(ステップS41)。
CPU22は、次に、ハードディスク24に予め記録されている音響信号を読み込む(ステップS42)。
続いて、CPU22は、スピーカ選択処理(ステップS43)、出力レベル決定処理(ステップS44)、遅延時間決定処理(ステップS45)および音像形成音響信号出力処理(ステップS46)を実行するが、各処理の詳細は後述する。
図5は、CPU22がステップS43で実行するスピーカ選択処理の詳細フローチャートであって、CPU22は、まず、定位位置Sの直前方のスピーカ層である前方スピーカ層Snおよび定位位置Sの直後方のスピーカ層である後方スピーカ層Sfを選択する(ステップS431)。
次に、CPU22は、前方スピーカ層Snを構成するスピーカの中から、聴取位置Gと定位位置Sとを結ぶ直線と前方スピーカ層Snとの交点Xnを囲む少なくとも3つのスピーカである前方スピーカSPn1、SPn2、…SPnM(Mはスピーカ数)を特定する(ステップS432)。
その後、CPU22は、後方スピーカ層Sfを構成するスピーカの中から、聴取位置Gと定位位置Sとを結ぶ直線と後方スピーカ層Sfとの交点Xfを囲む少なくとも3つのスピーカである後方スピーカSPf1、SPf2、…SPfL(Lはスピーカ数)を特定する(ステップS433)。
なお、以降の説明では、前方スピーカおよび後方スピーカはそれぞれ3つのスピーカからなるものとする。
図6は、CPU22がステップS44で実行する出力レベル決定処理の詳細フローチャートであって、CPU22は、図7に示すように、聴取位置Gを始点とし交点Xnを終点とする前方スピーカ層ベクトルVnを、聴取位置Gを始点とし、前方スピーカSPn1、SPn2およびSPn3を指向する3つの前方スピーカベクトルVSPn1、VSPn2およびVSPn3に[数5]を満たすように分解する(ステップS441)。
Figure 0004928177
CPU22は、聴取位置Gを始点とし交点Xfを終点とする後方スピーカ層ベクトルVfを、聴取位置Gを始点とし、後方スピーカSPf1、SPf2およびSPf3を指向する3つの後方スピーカベクトルVSPf1、VSPf2およびVSPf3に[数6]を満たすように分解する(ステップS442)。
Figure 0004928177
CPU22は、前方スピーカ層ベクトルVnの大きさを示す前方スピーカ層ベクトル長|Vn|に対する前方スピーカベクトルVSPn1、VSPn2およびVSPn3の大きさを示す前方スピーカベクトル長|VSPn1|、|VSPn2|および|VSPn3|の比である前方スピーカベクトル長比gSPn1、gSPn2およびgSPn3を算出する(ステップS443)。
Figure 0004928177
CPU22は、後方スピーカ層ベクトルVfの大きさを示す後方スピーカ層ベクトル長|Vf|に対する後方スピーカベクトルVSPf1、VSPf2およびVSPf3の大きさを示す後方スピーカベクトル長|VSPf1|、|VSPf2|および|VSPf3|の比である後方スピーカベクトル長比gSPf1、gSPf2およびgSPf3を算出する(ステップS444)。
Figure 0004928177
CPU22は、前方スピーカ層Snと後方スピーカ層Sfの間隔を定位位置Sで内分した内分比wを算出する(ステップS445)。
Figure 0004928177
即ち、聴取位置Gと定位位置Sとを結ぶベクトルをVsとすると、Vsは[数10]のように表されることとなる。
Figure 0004928177
CPU22は、前方スピーカSPn1、SPn2およびSPn3および後方スピーカSPf1、SPf2およびSPf3が放射する音像形成音響信号の聴取位置Gにおけるエネルギの和と、音響信号が定位位置Sから放射されると仮定したときの音響信号の聴取位置Gにおけるエネルギとを等しくする補正係数kを算出する(ステップS446)。
即ち、音響信号の音像を正確に再生するためには、音源が放射する聴取位置Gにおける音響エネルギと、前方スピーカSPn1、SPn2およびSPn3および後方スピーカSPf1、SPf2およびSPf3の合計6個のスピーカが放射する聴取位置Gにおける音響エネルギとが等しいことが必要である。
本発明では、音響エネルギは音量レベルの2乗に比例することに基づいて、[数11]に基づいて補正係数kを算出する。
Figure 0004928177
そして、CPU22は、補正係数k、内分比w、前方スピーカベクトル長比gSPn1、gSPn2およびgSPn3を使用して[数12]に基づいて前方スピーカ出力利得係数GSPn1、GSPn2およびGSPn3を算出し、音響信号の入力音量レベルに前方スピーカ出力利得係数GSPn1、GSPn2およびGSPn3を乗算することにより前方スピーカ出力レベルを決定する(ステップS447)。
Figure 0004928177
最後に、CPU22は、補正係数k、内分比w、後方スピーカベクトル長比gSPf1、gSPf2およびgSPf3を使用して[数13]に基づいて後方スピーカ出力利得係数GSPf1、GSPf2およびGSPf3を算出し、音響信号の入力音量レベルに後方スピーカ出力利得係数GSPf1、GSPf2およびGSPf3を乗算することにより後方スピーカ出力レベルを決定する(ステップS448)。
Figure 0004928177
図8は、CPU22がステップS45で実行する遅延時間決定処理の詳細フローチャートであって、CPU22は、聴取位置Gから定位位置Sまでの距離rsと聴取位置Gから前方スピーカ層Snまでの距離rnの差を音速vsで除した値を前方スピーカ遅延時間dnとして[数14]により決定する(ステップS451)。
Figure 0004928177
次に、CPU22は聴取位置Gから定位位置Sまでの距離rsと聴取位置Gから後方スピーカ層Sfまでの距離rfの差を音速vsで除した値を後方スピーカ遅延時間dfとして[数15]により決定する(ステップS452)。
Figure 0004928177
聴取位置Gから定位位置Sまでの距離rsは聴取位置Gから後方スピーカ層Sfまでの距離rfより小であるので、後方スピーカ遅延時間dfは負の値となる。
なお、音響信号が逐次入力される実時間処理においては、実際に負の遅延時間を実現することは不可能であるので、後方スピーカ遅延時間dfが正の値となるように、例えば[数16]で定義される時間dを前方スピーカ遅延時間dnおよび後方スピーカ遅延時間dfに一律に加算補正することが必要である。
Figure 0004928177
図9は、CPU22がステップS46で実行する音像形成音響信号出力処理の詳細フローチャートであって、CPU22は、[数17]で表されるように、前方スピーカSPn1、SPn2、SPn3に、前方スピーカ遅延時間dn遅延し前方スピーカ出力利得係数GSPn1、GSPn2およびGSPn3が乗算された音響信号s(t)を前方スピーカ音像形成信号として出力する(ステップS461)。
Figure 0004928177
次に、CPU22は、[数18]で表されるように、後方スピーカSPf1、SPf2、SPf3に、後方スピーカ遅延時間df遅延し後方スピーカ出力利得係数GSPf1、GSPf2およびGSPf3が乗算された音響信号s(t)を後方スピーカ音像形成信号として出力する(ステップS462)。
Figure 0004928177
以上説明したように、本発明に係る音像形成装置によれば、奥行き方向の音像定位を改善することが可能となる。
なお、本実施の形態では、前方スピーカおよび後方スピーカをそれぞれ3つ特定する例を示したが、それぞれ4つ以上のスピーカを特定した場合においても同様の効果が得られることは言うまでもない。
以上のように、本発明に係る音像形成装置は、奥行き方向の音像定位を改善することができるという効果を有し、バーチャルリアリティシステム、音響データ製作支援システム等として有効である。
本発明に係る音像形成装置の機能構成を示すブロック図 本発明に係る音像形成装置のハードウエア構成を表すブロック図 前方スピーカ層Snおよび後方スピーカ層Sfの斜視図および水平断面図 本発明に係る音像形成装置で実行される音像形成音響信号生成プログラムのフローチャート 本発明に係る音像形成装置で実行されるスピーカ選択処理の詳細フローチャート 本発明に係る音像形成装置で実行される出力レベル決定処理の詳細フローチャート 前方スピーカ層ベクトルVnと前方スピーカベクトルVSPn1、VSPn2およびVSPn3の位置関係を示す図 本発明に係る音像形成装置で実行される遅延時間決定処理の詳細フローチャート 本発明に係る音像形成装置で実行される音像形成音響信号出力処理の詳細フローチャート 従来のベクトル振幅パンニング法を説明する上面図
符号の説明
1 音像形成装置
11 音響信号出力手段
12 定位位置指定手段
13 スピーカ配置情報記憶手段
14 音像形成音響信号生成手段
141 スピーカ選択手段
142 出力レベル決定手段
143 遅延時間決定手段
144 音像形成音響信号出力手段
111、112 スピーカ層

Claims (6)

  1. 聴取位置を中心とする球面に沿って配置された3個以上のスピーカにより構成されるスピーカ層を少なくとも2層含む音響信号出力手段と、
    音響信号の定位位置を指定する定位位置指定手段と、
    前記音響信号出力手段に含まれるスピーカの配置情報であるスピーカ配置情報を記憶するスピーカ配置情報記憶手段と、
    前記定位位置および前記スピーカ配置情報に基づいて前記定位位置に音像を形成する音像形成音響信号を生成して前記音響信号出力手段に出力する音像形成音響信号生成手段とを含み、
    前記音像形成音響信号生成手段が、
    前記音像形成音響信号を放射するスピーカを前記スピーカ層ごとに選択するスピーカ選択手段と、
    前記スピーカ選択手段により選択されたスピーカが出力する前記音像形成音響信号の出力レベルを決定する出力レベル決定手段と、
    前記スピーカ選択手段により選択されたスピーカが出力する前記音像形成音響信号の遅延時間を決定する遅延時間決定手段と、
    前記スピーカ選択手段により選択されたスピーカに、前記遅延時間遅延した前記出力レベルの前記音像形成音響信号を前記音響信号出力手段に出力する音像形成音響信号出力手段とを含む音像形成装置。
  2. 前記スピーカ選択手段が、
    前記定位位置の直前方のスピーカ層である前方スピーカ層および前記定位位置の直後方のスピーカ層である後方スピーカ層を選択するスピーカ層選択手段と、
    前記前方スピーカ層を構成するスピーカの中から、前記聴取位置と前記定位位置とを結ぶ直線と前記前方スピーカ層との交点を囲む少なくとも3つのスピーカである前方スピーカを特定する前方スピーカ特定手段と、
    前記後方スピーカ層を構成するスピーカの中から、前記直線と前記後方スピーカ層との交点を囲む少なくとも3つのスピーカである後方スピーカを特定する後方スピーカ特定手段とを含む請求項1に記載の音像形成装置。
  3. 前記出力レベル決定手段が、
    前記聴取位置を始点とし前記直線と前記前方スピーカ層との交点を終点とする前方スピーカ層ベクトルを、前記聴取位置を始点とし、前記前方スピーカを指向する少なくとも3つの前方スピーカベクトルに分解する前方スピーカ層ベクトル分解手段と、
    前記聴取位置を始点とし前記直線と前記後方スピーカ層との交点を終点とする後方スピーカ層ベクトルを、前記聴取位置を始点とし、前記後方スピーカを指向する少なくとも3つの後方スピーカベクトルに分解する後方スピーカ層ベクトル分解手段と、
    前記前方スピーカ層ベクトルの長さに対する前記前方スピーカベクトルの長さの比である前方スピーカベクトル長比を算出する前方スピーカベクトル長比算出手段と、
    前記後方スピーカ層ベクトルの長さに対する前記後方スピーカベクトルの長さの比である後方スピーカベクトル長比を算出する後方スピーカベクトル長比算出手段と、
    前記前方スピーカ層と前記後方スピーカ層の間隔を前記定位位置で内分した内分比を算出する内分比算出手段と、
    前記前方スピーカおよび前記後方スピーカが放射する前記音像形成音響信号の前記聴取位置におけるエネルギの和と、前記音響信号が前記定位位置から放射されると仮定したときの前記音響信号の前記聴取位置におけるエネルギとを等しくする補正係数を算出する補正係数算出手段と、
    前記補正係数、前記内分比および前記前方スピーカベクトル長比に基づいて前方スピーカ出力レベルを決定する前方スピーカ出力レベル決定手段と、
    前記補正係数、前記内分比および前記後方スピーカベクトル長比に基づいて後方スピーカ出力レベルを決定する後方スピーカ出力レベル決定手段とを含む請求項2に記載の音像形成装置。
  4. 前記遅延時間決定手段が、
    前記聴取位置から前記定位位置までの距離と前記聴取位置から前記前方スピーカ層までの距離の差を音速で除した値を前方スピーカ遅延時間として決定する前方スピーカ遅延時間決定手段と、
    前記聴取位置から前記定位位置までの距離と前記聴取位置から前記後方スピーカ層までの距離の差を音速で除した値を後方スピーカ遅延時間として決定する後方スピーカ遅延時間決定手段とを含む請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の音像形成装置。
  5. 前記音像形成音響信号出力手段が、
    前記前方スピーカに、前記前方スピーカ遅延時間遅延した前記前方スピーカ出力レベルの前記音像形成音響信号を前方スピーカ音像形成信号として出力する前方スピーカ音像形成音響信号出力手段と、
    前記後方スピーカに、前記後方スピーカ遅延時間遅延した前記後方スピーカ出力レベルの前記音像形成音響信号を後方スピーカ音像形成信号として出力する後方スピーカ音像形成音響信号出力手段とを含む請求項4に記載の音像形成装置。
  6. 前記音像形成音響信号出力手段が、
    前記前方スピーカ遅延時間および前記後方スピーカ遅延時間に一律に所定時間を加算補正して、前記後方スピーカ遅延時間を正の値とする手段と、
    前記前方スピーカに、前記加算補正された前方スピーカ遅延時間遅延した前記前方スピーカ出力レベルの前記音像形成音響信号を前方スピーカ音像形成信号として出力する前方スピーカ音像形成音響信号出力手段と、
    前記後方スピーカに、前記加算補正された後方スピーカ遅延時間遅延した前記後方スピーカ出力レベルの前記音像形成音響信号を後方スピーカ音像形成信号として出力する後方スピーカ音像形成音響信号出力手段とを含む請求項4に記載の音像形成装置。
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