JP2005184140A - 立体音響記録方法ならびに立体音響再生方法、立体音響再生装置 - Google Patents

立体音響記録方法ならびに立体音響再生方法、立体音響再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 実際に配置したスピーカの位置より聴取者に近い場所の音像を提示することができ、従来の立体音響再生方式と互換性がある立体音響記録方法ならびに立体音響再生方法、装置を提供する。
【解決手段】 立体音響再生装置11は、再生する際に聴取者の位置から予め設定した設定範囲内にある近距離の音像を再現する近信号および当該設定範囲外にある遠距離の音像を再現する遠信号として、記録されたステレオ音響、または、サラウンド音響となる各チャンネルの音声信号を、指向特性の異なる複数の指向性スピーカからなるスピーカシステム17に入力して、立体音響を再生する立体音響再生装置11であって、入出力手段13と、スピーカシステム17と、を備えた。
【選択図】 図3

Description

本発明は、立体音響をなす音声信号の記録を行う立体音響記録方法ならびに再生を行う立体音響再生方法、立体音響再生装置に関する。
従来、入力した複数チャンネルの音声信号から、聴取者に立体感のある音響を感じさせる方式、いわゆる立体音響再生方式として、例えば、(1)2チャンネルヘッドホン再生方式、(2)2スピーカ再生方式、(3)多数スピーカ再生方式、(4)遠近感制御方式(特許文献1参照)がある。
(1)2チャンネルヘッドホン再生方式は、聴取者が装着する2チャンネル(RL)のヘッドホンにR用音声信号、L用音声信号を入力して再生するものである。
(2)2スピーカ再生方式は、聴取者の位置から左右前方向に配置した2台のスピーカそれぞれに、R用音声信号、L用音声信号を入力して再生するものである。
なお、(1)、(2)は、標準的なステレオ方式(2チャンネルステレオ)であり、このステレオ方式は、通常、チャンネル間にレベル差若しくは時間差をつけることにより、スピーカ間に音を定位させる方式である。また、このステレオ方式は、聴取者の外耳道入り口の音圧を頭部伝達関数を模擬したフィルタによって制御し、出力される音を任意の方向に定位させる方式に拡張される場合がある。
(3)多数スピーカ再生方式は、一般的に5つのスピーカで構成することから5チャンネルステレオ(サラウンド方式)と呼ばれ、2スピーカ再生方式の2台のスピーカに、聴取者のほぼ正面に配置したセンタースピーカと、当該聴取者の左右後方向に配置した2台のサラウンドスピーカとを加え、それぞれに、R用音声信号、L用音声信号、C用音声信号、SR用音声信号およびSL用音声信号を入力して再生するものである。
(4)遠近感制御方式(特許文献1参照)は、スピーカアレイ(指向性スピーカ)、または、複数のスピーカによる放射パターンを利用して、音源から発せられた音を直に収音した直接音(ドライソース)に基づいて、当該音源から発せられた音が反射する間接音を求め、当該直接音と当該間接音との比を制御して、音像の距離を合成するもので、実際に配置したスピーカの位置よりも、聴取者に近い場所に音像を提示することができるものである。
特開平9−121400号公報(段落0022〜0030、図1)
しかしながら、従来の立体音響再生方式(1)から(3)では、当該音の原信号である音声信号に、響きの成分(例えば、反射音、残響音)を与えることによって、音の距離感を制御していたが、響き成分(量)の調整だけでは、音の距離感の制御に限界があり、実際に配置したスピーカの位置より聴取者に近い場所の音像を提示することができないという問題がある。
また、従来の立体音響再生方式(4)では、実際に配置したスピーカの位置より聴取者に近い場所の音像を提示することが可能であるが、現在最も普及している従来の立体音響方式((1)〜(3))との間で、互換性が無いという問題がある。つまり、従来の立体音響再生方式(4)である遠近感制御方式では、音声信号が間接音を含まない直接音(ドライソース)を基本としているため、当該音声信号を、通常のステレオ方式、または、サラウンド方式に対応した再生装置で再生するためには、残響付加装置およびミキシング装置を用いて、音声信号を加工する必要がある。
そこで、本発明では、前記した問題を解決し、実際に配置したスピーカの位置より聴取者に近い場所の音像を提示することができ、従来の立体音響再生方式と互換性がある立体音響記録方法ならびに立体音響再生方法、立体音響再生装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、請求項1記載の立体音響記録方法は、ステレオ音響、または、サラウンド音響となる各チャンネルの音声信号を、再生する際に聴取者の位置から予め設定した設定範囲内にある近距離の音像を再現する近信号および当該設定範囲外にある遠距離の音像を再現する遠信号として、記録装置に記録する立体音響記録方法であって、近信号・遠信号記録ステップと、を含む手順とした。
かかる手順によれば、立体音響記録方法は、近信号・遠信号記録ステップにおいて、音声信号を、近信号および遠信号として記録装置に記録させる。この近信号(近距離用音声信号)は、予め想定した聴取者の位置から一定範囲内の位置に音源を感じさせる音声信号である。逆に、遠信号(遠距離用音声信号)は、予め想定した聴取者の位置から一定範囲外の位置に音源を感じさせる音声信号である。なお、音の距離感は、近信号と遠信号とのレベル差によって感じ取ることができる。
なお、この立体音響記録方法では、音声信号を何らかの手法で近信号と遠信号として記録しているが、例えば、音声信号を、所望の距離感を再現する予め設定した比率に分岐する手法が挙げられる。この手法は、ステレオ音響、または、サラウンド音響として再生される、各チャンネルに入力される音声信号を、予め設定した比率に基づいて、2つに分岐する。各チャンネルに対し、1系統の音声信号を2系統の音声信号とするものである。また、この比率は、近くから聞こえる音、遠くから聞こえる音等、音の距離感(聴取者の聴取した音から自身と音源との間の距離を感じること)を調整するためのもので、例えば、音の距離感を当該聴取者の近くの場所にしたい場合(近くに定位させたい場合)、聴取者から近距離に定位する音声信号の比率を、遠距離に定位する音声信号の比率よりも増加させる。
さらに、立体音響記録方法では、音声信号を収音(収音)する際に、チャンネル毎に音声信号の音源から予め設定した位置(聴取者から近距離を想定)に設置した近信号収音手段と、チャンネル毎に前記音源から予め設定した位置(聴取者から遠距離を想定)に設置した遠信号収音手段とを、聴取者からほぼ同一線上に配置して、近信号収音手段および遠信号収音手段によって収音した音を、同一のチャンネルの近信号および遠信号として取得する手法もある。近信号収音手段と遠信号収音手段は、例えば、マイクロフォンによって構成し、これらのマイクロフォンをほぼ同一線上(完全に一直線でなくてもよい。一定の幅を有していてもよい)に配置して、聴取者から予め設定した距離内にあるマイクロフォンで収音した音を近信号、当該音源から予め設定した距離外にあるマイクロフォンで収音した音を遠信号として取得し、この取得した近信号および遠信号を記録装置に記録させる。
請求項2記載の立体音響再生方法は、再生する際に聴取者の位置から予め設定した設定範囲内にある近距離の音像を再現する近信号および当該設定範囲外にある遠距離の音像を再現する遠信号として、記録されたステレオ音響、または、サラウンド音響となる各チャンネルの音声信号を、指向特性の異なる複数の指向性スピーカからなるスピーカシステムに入力して、立体音響を再生する立体音響再生方法であって、出力ステップを含む手順とした。
かかる手順によれば、立体音響再生方法は、出力ステップにおいて、近信号と遠信号とを、スピーカシステムを構成する指向性スピーカそれぞれに出力する。このスピーカシステムの指向性スピーカは、指向特性が異なっており、近信号を出力させる近信号用指向性スピーカと、遠信号を出力させる遠信号用指向性スピーカとがある。また、スピーカシステムは、例えば、配置された位置が異なった複数の指向性スピーカからなり、出力された音が聴取者に到来する到来方向の異なることになり、様々な方向感を生じさせる音が出力されることとなる(様々な方向および距離に位置する音像が再現されることとなる)。なお、この立体音響再生方法は、近信号および遠信号を出力する装置を、各スピーカに入力する際に当該近信号および当該遠信号を遅延させる必要のないスピーカシステムに特定したものである。
請求項3記載の立体音響再生方法は、再生する際に聴取者の位置から予め設定した設定範囲内にある近距離の音像を再現する近信号および当該設定範囲外にある遠距離の音像を再現する遠信号として、記録されたステレオ音響、または、サラウンド音響となる各チャンネルの音声信号を、スピーカアレイに入力して、立体音響を再生する立体音響再生方法であって、近信号・遠信号遅延ステップと、出力ステップと、を含む手順とした。
かかる手順によれば、立体音響再生方法は、近信号・遠信号遅延ステップにおいて、近信号および遠信号それぞれを、予め設定した時間ずつ遅延させ、出力ステップにおいて、遅延させた遅延近信号と遅延遠信号とを、スピーカアレイに出力する。スピーカアレイは、ほぼ同平面に設けた複数のスピーカユニットから構成されており、空間上のある点(焦点)付近の音圧を局所的に上昇させるために、平面の中心(アレイの中心)から当該焦点までの経路と、各スピーカユニットから焦点までの経路との差に応じた遅延量を、入力された音声信号の内、近信号に与え、音像を近く(焦点付近)に定位させることができ、この遅延量が与えられた遅延音声信号(遅延近信号)によって駆動する。また、スピーカアレイは、焦点が生成されないような遅延量を、音声信号の内、遠信号に与え、音像を遠く(遠方)に定位させることができ、この遅延量が与えられた遅延音声信号(遅延遠信号)によって駆動する。
なお、このスピーカアレイを使用すると、音像が焦点付近に定位し、あたかもその位置(焦点)に音源があるかのような印象を聴取者に与えることができる。また、この立体音響再生方法は、近信号および遠信号を出力する装置を、当該近信号および当該遠信号を遅延させて出力させるスピーカアレイに特定したものである。
請求項4記載の立体音響再生装置は、再生する際に聴取者の位置から予め設定した設定範囲内にある近距離の音像を再現する近信号および当該設定範囲外にある遠距離の音像を再現する遠信号として、記録されたステレオ音響、または、サラウンド音響となる各チャンネルの音声信号を、指向特性の異なる複数の指向性スピーカからなるスピーカシステムに入力して、立体音響を再生する立体音響再生装置であって、前記スピーカシステムと、出力手段と、を備える構成とした。
かかる構成によれば、立体音響再生装置は、出力手段で、近信号と遠信号とを、スピーカシステムを構成する指向性スピーカそれぞれに出力する。スピーカシステムが指向特性の異なる複数の指向性スピーカから構成されているので、様々な方向からの様々な距離感のある立体音響を体感することができる。
請求項5記載の立体音響再生装置は、再生する際に聴取者の位置から予め設定した設定範囲内にある近距離の音像を再現する近信号および当該設定範囲外にある遠距離の音像を再現する遠信号として、記録されたステレオ音響、または、サラウンド音響となる各チャンネルの音声信号を、スピーカアレイに入力して、立体音響を再生する立体音響再生装置であって、前記スピーカアレイと、近信号遅延手段と、遠信号遅延手段と、出力手段と、を備える構成とした。
かかる構成によれば、立体音響再生装置は、近信号遅延手段によって遅延された遅延近信号と、遠信号遅延手段によって遅延された遅延遠信号とを、出力手段によって、スピーカアレイに出力する。このスピーカアレイによって、近信号は焦点付近に、遠信号は遠方に定位した音像を備えた立体音響を体感することができる。
請求項1に記載の発明によれば、音声信号を、所望の距離感を再現するため、当該音声信号を近信号および遠信号として記録する。この近信号および遠信号を、指向特性の異なる複数の指向性スピーカによって構成されるスピーカシステムやスピーカアレイから出力すれば、従来の立体音響再生方式と互換性を維持しつつ、実際に配置したスピーカの位置より聴取者に近い場所の音像をも提示することができる。
請求項2、4に記載の発明によれば、音声信号をなす近信号および遠信号を、スピーカシステムの指向性スピーカそれぞれに出力することにより、従来の立体音響再生方式と互換性を維持しつつ、聴取者から近い場所に近信号を、聴取者から遠い場所に遠信号を提示することができ、聴取者は立体感のある立体音響を体感することができる。
請求項3、5に記載の発明によれば、音声信号をなす近信号および遠信号を、遅延させた遅延近信号および遅延遠信号を、スピーカアレイに出力することにより、従来の立体音響再生方式と互換性を維持しつつ、近信号については、実際に配置したスピーカの位置より聴取者に近い場所の音像を提示することができ、聴取者は立体感のある立体音響を体感することができる。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
(立体音響記録装置の構成、第一実施形態)
図1は立体音響記録装置のブロック図を示す。この図1に示すように、立体音響記録装置1(1A)は、再生する際に音の距離感、立体感を聴取者に感じさせる立体音響(ステレオ音響、サラウンド音響)となる音声信号を、当該聴取者の近距離に音像を生じさせる近信号(近距離音用音声信号)および当該聴取者の遠距離に音像を生じさせる遠信号(遠距離音用音声信号)とに分岐して(割り振って)記録するもので、音声信号分岐手段3と、近信号・遠信号記録手段5とを備えている。
音声信号は、再生された際にステレオ音響(2チャンネルステレオ)となる場合、2つのチャンネル、すなわち、R用音声信号およびL用音声信号から構成されており、再生された際にサラウンド音響(5チャンネルステレオ)となる場合、5つのチャンネル、すなわち、R用音声信号、L用音声信号、C用音声信号、SR用音声信号およびSL用音声信号から構成されている。
音声信号分岐手段3は、定位させるべき方向に基づいて、特定のチャンネルに割り振る、または、複数のチャンネルに分岐し、さらに、予め設定した設定比率に基づいて、入力された音声信号を、近信号(近距離音用音声信号)と遠信号(遠距離音用音声信号)とに分岐する(割り振る)ものである。つまり、入力された音声信号が割り振られたチャンネル毎に、近距離用および遠距離用の2系統の音声信号を生成することとなる。
なお、設定比率は、再生された際に生じる音像によって、所望の距離感を再現するために、予め設定したものであり、例えば、聴取者の周囲数メートルの範囲に音源が恰も存在するようにした場合、近信号と遠信号との設定比率は、4:1とし、また、逆に、聴取者から数十メートル離れた位置に音源が恰も存在するようにした場合、近信号と遠信号との設定比率は、1:4とする。
ここで例示した設定比率は、あくまでも一例に過ぎず、音声信号が、楽器等によって奏でられた楽音、俳優等が発声した音声、車輌や航空機等の移動体が移動する際に生じる騒音である場合、それぞれの音声信号に適した設定比率とすればよい。
近信号(近距離音用音声信号)は、再生された際に聴取者の位置から近距離に音像を生じさせるものであり、ステレオ音響(2チャンネルステレオ)の場合、右近距離用音声信号および左近距離用音声信号であり、サラウンド音響(5チャンネルステレオ)の場合、右近距離用音声信号、左近距離用音声信号、センター近距離用音声信号、右後方近距離用音声信号および左後方近距離用音声信号である。
遠信号(遠距離音用音声信号)は、再生された際に聴取者の位置から遠距離に音像を生じさせるものであり、ステレオ音響(2チャンネルステレオ)の場合、右遠距離用音声信号および左遠距離用音声信号であり、サラウンド音響(5チャンネルステレオ)の場合、右遠距離用音声信号、左遠距離用音声信号、センター遠距離用音声信号、右後方遠距離用音声信号および左後方遠距離用音声信号である。
近信号・遠信号記録手段5は、ハードディスク等の磁気記録媒体や光ディスク等の光学記録媒体等によって構成されており、音声信号分岐手段3で分岐された近信号(近距離用音声信号)および遠信号(遠距離用音声信号)を記録するものである。なお、この近信号・遠信号記録手段5を単体の装置で構成した場合、総信号数が8から10(サラウンドスピーカに供給する音声信号を近信号および遠信号に分岐した場合に10)であるので、従来の録音機(図示せず)をそのまま転用することができる。
この立体音響記録装置1(1A)によれば、音声信号分岐手段3によって、音声信号が所望の距離感を再現するため、予め設定した設定比率に分岐される。そして、近信号・遠信号記録手段5に、この音声信号分岐手段3で分岐された近信号(近距離用音声信号)および遠信号(遠距離用音声信号)が記録される。このため、これらの近信号(近距離用音声信号)および遠信号(遠距離用音声信号)が再生される際に合成されれば、従来の立体音響再生方式との互換性を維持することができ、設定比率を調整して分岐させた近信号(近距離用音声信号)および遠信号(遠距離用音声信号)によって、実際に配置したスピーカの位置より聴取者に近い場所の音像を提示することができる。
ここで、立体音響記録装置1(1A)で記録される音声信号について説明を加えておく。
ここで取り扱っている音声信号は、ドライソースと呼ばれる響き(響き信号、間接音)を含まない信号であるので、当該音声信号を分岐した(割り振った)近信号(近距離用音声信号)および遠信号(遠距離用音声信号)には、当然のことながら、響き信号、間接音は含まれていない。
そこで、この実施形態では、遠信号(遠距離用音声信号)のみに、電気的な残響、収音場所における響き(間接音、反射音)を含むこととしている。
(立体音響記録装置の構成、第二実施形態)
次に、立体音響記録装置(第二実施形態)のブロック図を図2に示す。この図2に示したように、立体音響記録装置1(1B)は、“音源(遠音源、近音源)”から発生された音声信号を記録した後、聴取者が聴取した際にサラウンド音響となるように、各チャンネルに対応した位置に、近信号収音手段7aと、遠信号収音手段7bとを設け、これら近信号収音手段7aおよび遠信号収音手段7bで収音された近信号、遠信号を記録するもので、近信号・遠信号受信出力手段9と、近信号・遠信号記録手段5とを備えている。なお、図1を参照して説明した立体音響記録装置1(1A)と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明は省略する。なお、音源(遠音源、近音源)は、単数または複数の楽器や人物等、何らかの音を発生するものである。また、聴取者(仮想)から一定距離外にある音源を“遠音源”、聴取者(仮想)から一定距離内にある音源を“近音源”として表示している。
近信号収音手段7aは、一般的なマイクロフォンで構成されており、仮想の聴取者位置から一定距離範囲内に配置したもので、音源から発せられた音声信号を近信号(近距離用音声信号)として収音するものである。この近信号収音手段7aは、サラウンド音響(5チャンネル)の各チャンネルに対応する位置にそれぞれ配置されている。つまり、仮想の聴取者位置を中心に放射状に、当該仮想の聴取者位置の12時方向にセンタースピーカ用の近信号収音手段7aが、当該仮想の聴取者位置の右45度の方向に右スピーカ用の近信号収音手段7aが、当該仮想の聴取者位置の左45度の方向に左スピーカ用の近信号収音手段7aが、当該仮想の聴取者位置の右後方45度の方向に右側サラウンドスピーカ用の近信号収音手段7aが、当該仮想の聴取者位置の左後方45度の方向に左側サラウンドスピーカ用の近信号収音手段7aが配置されている。
遠信号収音手段7bは、一般的なマイクロフォンで構成されており、仮想の聴取者位置から一定距離範囲外に配置したもので、音源から発せられた音声信号を遠信号(遠距離用音声信号)として収音するものである。この遠信号収音手段7bは、サラウンド音響(5チャンネル)の各チャンネルに対応する位置にそれぞれ配置されている。つまり、仮想の聴取者位置の位置を中心に放射状に、当該仮想の聴取者位置の12時方向にセンタースピーカ用の遠信号収音手段7bが、当該仮想の聴取者位置の右45度の方向に右スピーカ用の遠信号収音手段7bが、当該仮想の聴取者位置の左45度の方向に左スピーカ用の遠信号収音手段7bが、当該音源の右後方45度の方向に右側サラウンドスピーカ用の遠信号収音手段7bが、当該仮想の聴取者位置の左後方45度の方向に左側サラウンドスピーカ用の遠信号収音手段7bが配置されている。なお、現行のサラウンド音響の収音でも公知のように、近信号収音手段7aおよび遠信号収音手段7bの配置方向(仮想の聴取者位置からの配置角度)は、おおよその目安であり、この方向、角度に限定されるものではない。
近信号・遠信号受信出力手段9は、近信号収音手段7aおよび遠信号収音手段7bで収音した近信号(近距離用音声信号)および遠信号(遠距離用音声信号)を受信して、近信号・遠信号記録手段5に伝送すると共に、外部に出力するものである。
(立体音響再生装置の構成、第一実施形態)
次に、立体音響再生装置(第一実施形態)のブロック図を図3に示す。この図3に示したように、立体音響再生装置11(11A)は、立体音響記録装置1(1A、1B)で記録された近信号(近距離用音声信号)および遠信号(遠距離用音声信号)が入力された際に、聴取者に立体音響(ステレオ音響、サラウンド音響)を生じさせるもので、入出力手段13と、蓄積手段15と、スピーカシステム17とを備えている。
入出力手段13は、音声信号が分岐された近信号(近距離用音声信号)および遠信号(遠距離用音声信号)を入力するためのインターフェースである共に、蓄積手段15およびスピーカシステム19(近スピーカ、遠スピーカ)に、近信号(近距離用音声信号)および遠信号(遠距離用音声信号)を出力するためのインターフェースである。なお、この入出力手段13に入力される近信号および遠信号の総信号数は8であり、この数であれば、従来の一般的なマルチチャンネル録音機(図示せず)に記録させることができ、従来の立体音響再生方式と互換性を維持することができる。
蓄積手段15は、ハードディスク等の磁気記録媒体や光ディスク等の光学記録媒体等によって構成されており、入出力手段13に入力された近信号(近距離用音声信号)および遠信号(遠距離用音声信号)を蓄積しておくものである。
スピーカシステム17は、左(左側スピーカ)、センター(センタースピーカ)、右(右側スピーカ)のスピーカと、左(左側サラウンドスピーカ(LS))、右(右側サラウンドスピーカ(RS))のサラウンドスピーカとからなり、左側スピーカ、センタースピーカおよび右側スピーカは、指向特性の異なる複数の指向性スピーカを1個の筐体に収め、且つ、独立に駆動できるように構成したものである。
それゆえ、この図3では、左側スピーカについて、近信号に対応した指向性スピーカ(近信号ユニット)をまとめてL1とし、遠信号に対応した指向性スピーカ(遠信号ユニット)をまとめてL2として図示しており、センタースピーカについて、近信号に対応した指向性スピーカ(近信号ユニット)をまとめてC1とし、遠信号に対応した指向性スピーカ(遠信号ユニット)をまとめてC2として図示しており、右側スピーカについて、近信号に対応した指向性スピーカ(近信号ユニット)をまとめてR1とし、遠信号に対応した指向性スピーカ(遠信号ユニット)をまとめてR2として図示している。以下、左側スピーカ(L1、L2)、センタースピーカ(C1、C2)、右側スピーカ(R1、R2)と記述することとする。
なお、この実施形態では、サラウンド音響の場合に、聴取者の右後方および左後方に配置されるスピーカそれぞれに供給される音声信号は、明確な距離感を聴取者に与える必要性が少ないので、装置簡略化のために近信号および遠信号に分岐させないこととしている。つまり、右側サラウンドスピーカには右後方用音声信号として、左側サラウンドスピーカには左後方用音声信号として供給している。
また、左側スピーカ(L1、L2)、センタースピーカ(C1、C2)および右側スピーカ(R1、R2)は、聴取者の前方に配置され、左側サラウンドスピーカ(LS)および右側サラウンドスピーカ(RS)は、当該聴取者の後方に配置される。
なお、一般には、近信号用に鋭い指向性を持つスピーカ、遠信号用に逆の指向性を持つスピーカを用いることによって、それぞれの信号(近信号、遠信号)が別の距離に定位する。
この立体音響再生装置11(11A)によれば、入力手段13に入力された近信号(近距離用音声信号)および遠信号(遠距離用音声信号)が、スピーカシステム17の左側スピーカ(L1、L2)、センタースピーカ(C1、C2)および右側スピーカ(R1、R2)から再生されることで、それぞれが空間的に加算される。また、近信号(近距離用音声信号)と遠信号(遠距離用音声信号)との2系統の音声信号を予め加算すれば、従来の立体音響再生方式と互換性を維持することができる。
(立体音響再生装置の構成、第二実施形態)
次に、立体音響再生装置(第二実施形態)のブロック図を図4に示す。この図4に示したように、立体音響再生装置11(11B)は、立体音響記録装置1(1A、1B)で記録された近信号(近距離用音声信号)および遠信号(遠距離用音声信号)が入力された際に、聴取者に立体音響(ステレオ音響、サラウンド音響)を生じさせるもので、入出力手段13と、蓄積手段15と、遅延手段19(近信号遅延手段、遠信号遅延手段)と、加算手段21と、スピーカアレイ23と、サラウンドスピーカ25とを備えている。なお、図3を参照して説明した立体音響再生装置11(11A)と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明は省略する。
遅延手段19は、入出力手段13に入力された近信号(近距離用音声信号)および遠信号(遠距離用音声信号)を遅延させる複数の遅延素子からなるもので、左側スピーカアレイ(L)の近信号用の遅延素子19aと、左側スピーカアレイ(L)の遠信号用の遅延素子19bと、センタースピーカアレイ(C)の近信号用の遅延素子19cと、センタースピーカアレイ(C)の遠信号用の遅延素子19dと、右側スピーカアレイ(R)の近信号用の遅延素子19eと、右側スピーカアレイ(R)の遠信号用の遅延装子19fとを備えている。この実施の形態では、遅延手段19は、6ラインの近信号(近距離用音声信号)および6ラインの遠信号(遠距離用音声信号)のそれぞれを遅延させている。
なお、これらの遅延素子19a〜19fで遅延された近信号(近距離用音声信号)および遠信号(遠距離用音声信号)を、総括して遅延近信号(遅延近距離用音声信号)および遅延遠信号(遅延遠距離用音声信号)とする。
左側スピーカアレイ(L)の近信号用の遅延素子19aは、左近距離用音声信号を遅延させるもので、この遅延素子19aによって、当該左近距離音声信号は、スピーカアレイ23の左側スピーカアレイ(L)から出力される際に、当該左側スピーカアレイ(L)に鋭い指向性を与え、聴取者から左側の近距離に定位する、もしくは、焦点を形成する。この遅延素子19aで遅延された左近距離用音声信号を、遅延左近距離用音声信号とする。
左側スピーカアレイ(L)の遠信号用の遅延素子19bは、左遠距離用音声信号を遅延させるもので、この遅延素子19bによって、当該左遠距離音声信号は、スピーカアレイ23の左側スピーカアレイ(L)から出力される際に、当該左側スピーカアレイ(L)に拡散する指向性を与え、聴取者から左側の遠距離(遠方)に定位する。この遅延素子19bで遅延された左遠距離用音声信号を、遅延左遠距離用音声信号とする。
センタースピーカアレイの近信号用の遅延素子19cは、センター近距離用音声信号を遅延させるもので、この遅延素子19cによって、当該センター近距離用音声信号は、スピーカアレイ23のセンタースピーカアレイ(C)から出力される際に、当該センタースピーカアレイ(C)に鋭い指向性を与え、聴取者からほぼ正面の近距離に定位する、もしくは、焦点を形成する。この遅延素子19cで遅延されたセンター近距離用音声信号を、遅延センター近距離用音声信号とする。
センタースピーカアレイの遠信号用の遅延素子19dは、センター遠距離用音声信号を遅延させるもので、この遅延素子19dによって、当該センター遠距離音声信号は、スピーカアレイ23のセンタースピーカアレイ(C)から出力される際に、当該センタースピーカアレイ(C)に拡散する指向性を与え、聴取者からはぼ正面の遠距離(遠方)に定位する。この遅延素子19dで遅延されたセンター遠距離用音声信号を、遅延センター遠距離用音声信号とする。
右側スピーカアレイの近信号用の遅延素子19eは、右近距離用音声信号を遅延させるもので、この遅延素子19eによって、当該右近距離音声信号は、スピーカアレイ23の右側スピーカアレイ(R)から出力される際に、当該右側スピーカアレイ(R)に鋭い指向性を与え、聴取者から右側の近距離に定位する、もしくは、焦点を形成する。この遅延素子19eで遅延された右近距離用音声信号を、遅延右近距離用音声信号とする。
右側スピーカアレイの遠信号用の遅延素子19fは、右遠距離用音声信号を遅延させるもので、この遅延素子19fによって、当該右遠距離音声信号は、スピーカアレイ23の右側スピーカアレイ(R)から出力される際に、当該右側スピーカアレイ(R)に拡散する指向性を与え、聴取者から右側の遠距離(遠方)に定位する。この遅延素子19fで遅延された右遠距離用音声信号を、遅延右遠距離用音声信号とする。
これら遅延手段19の遅延素子19a〜19fで遅延されたそれぞれの遅延近信号、遅延遠信号が加算手段21の加算器21a〜21cで加算され、スピーカアレイ23の左側スピーカアレイ(L)、センタースピーカアレイ(C)および右側スピーカアレイ(R)に出力される。
また、近信号用の遅延素子19a、19c、19eは、空間上のある点(焦点)付近の音圧を局所的に上昇させるために、平面の中心(アレイの中心)から当該焦点までの経路と、各スピーカユニットから焦点までの経路との差に応じた遅延量を与えている。
加算手段21は、遅延手段19から出力された6ライン分の信号を加算する加算器21a、21b、21cから構成されており、加算器21aは左側スピーカアレイ(L)用に、加算器21bはセンタースピーカアレイ(C)用に、加算器21cは右側スピーカアレイ(R)用に設けられている。
スピーカアレイ23は、複数のスピーカユニット(図示せず)が放射状若しくはライン状に配置されることによって形成されているもので、左側スピーカアレイ(L)、センタースピーカアレイ(C)、右側スピーカアレイ(R)から構成されている。なお、この実施形態では、それぞれの左側スピーカアレイ(L)、センタースピーカアレイ(C)、右側スピーカアレイ(R)には6個のスピーカユニットが備えられている。つまり、加算手段21からそれぞれの左側スピーカアレイ(L)、センタースピーカアレイ(C)、右側スピーカアレイ(R)には、6個の配線がなされており、スピーカユニットそれぞれに遅延近信号、遅延遠信号が供給される。
サラウンドスピーカ25は、聴取者の背後(周囲)に配置されるもので、左側サラウンドスピーカ(LS)、右側サラウンドスピーカ(RS)から構成されている。
この立体音響再生装置11(11B)によれば、入出力手段13に入力された近信号(近距離用音声信号)および遠信号(遠距離用音声信号)が、遅延手段19の遅延素子19a〜19fで遅延され、スピーカアレイ23のスピーカアレイ(L、C、R)の各スピーカユニットで出力され、それぞれが空間的に加算される。また、この実施の形態において、近信号(近距離用音声信号)と遠信号(遠距離用音声信号)との2系統の音声信号を、入力手段13の出力の段階で加算した信号を直接、通常のスピーカに供給すれば、従来の立体音響再生方式と互換性を維持することができる。
(立体音響記録装置(第一実施形態)の動作)
次に、図5に示すフローチャートを参照して、立体音響記録装置1(1A)の動作について説明する(適宜、図1参照)。
まず、立体音響記録装置1(1A)を利用する利用者は、当該装置1(1A)の音声信号分岐手段3に設定比率を入力する(S1)。続いて、利用者は、立体音響記録装置1(1A)の音声信号分岐手段3に音声信号(サラウンド音響をなす複数チャンネルの音声信号)を入力する(S2)。
すると、立体音響記録装置1(1A)は、入力された設定比率に基づいて、サラウンド音響をなす各チャンネルの音声信号を分岐(割り振り)して(S3)、近信号(近距離用音声信号)および遠信号(遠距離用音声信号)として、近信号・遠信号記録手段5に記録する(S4)。
(立体音響記録装置(第二実施形態)の動作)
次に、図6に示すフローチャートを参照して、立体音響記録装置1(1B)の動作について説明する(適宜、図2参照)。
まず、立体音響記録装置1(1B)を利用する利用者は、音源から近距離にある場所に、各チャンネル用の近信号収音手段7aを、音源から遠距離にある場所に、各チャンネル用の遠信号収音手段7bとを配置する。そして、音源から発せられる音声信号を、近信号収音手段7aおよび遠信号収音手段7bによって収音し、近信号、遠信号を取得する(S11)。
続いて、立体音響記録装置1(1B)は、近信号・遠信号受信出力手段9によって、収音された近信号、遠信号を受信し(S12)、近信号(近距離用音声信号)および遠信号(遠距離用音声信号)として、近信号・遠信号記録手段5に記録する(S13)。
なお、立体音響記録装置1(1A、1B)による近信号(近距離用音声信号)および遠信号(遠距離用音声信号)の記録の仕方は、択一的なものではなく、両者の記録の仕方を併用して行うことは可能である。
(立体音響再生装置(第一実施形態)の動作)
次に、図7に示すフローチャートを参照して、立体音響再生装置11(11A)の動作について説明する(適宜、図3参照)。
まず、立体音響再生装置11(11A)を利用する利用者(聴取者)は、当該装置11(11A)の入出力手段13に近信号(近距離用音声信号)および遠信号(遠距離用音声信号)を入力する(S21)。
すると、立体音響再生装置11(11A)は、蓄積手段15に入力手段13に入力された近信号(近距離用音声信号)および遠信号(遠距離用音声信号)を蓄積する(S22)。続いて、立体音響再生装置11(11A)は、スピーカシステム17の左側スピーカ(L1、L2)、センタースピーカ(C1、C2)、右側スピーカ(R1、R2)、左側サラウンドスピーカ(LS)および右側サラウンドスピーカ(LR)に出力する(S23)。
つまり、左側スピーカ(L1、L2)の近信号ユニットL1に左チャンネルの近信号が、遠信号ユニットL2に左チャンネルの遠信号が、センタースピーカ(C1、C2)の近信号ユニットC1にセンターチャンネルの近信号が、遠信号ユニットC2にセンターチャンネルの遠信号が、右側スピーカ(R1、R2)の近信号ユニットR1に右チャンネルの近信号が、遠信号ユニットR2に右チャンネルの遠信号が入力される。なお、スピーカシステム17の左側サラウンドスピーカ(LS)と右側サラウンドスピーカ(RS)とには、入出力手段13から直接、左後方用音声信号と右後方用音声信号とがそれぞれ入力される。
(立体音響再生装置(第二実施形態)の動作)
次に、図8に示すフローチャートを参照して、立体音響再生装置11(11B)の動作について説明する(適宜、図4参照)。
まず、立体音響再生装置11(11B)を利用する利用者(聴取者)は、当該装置11(11B)の入出力手段13に近信号(近距離用音声信号)および遠信号(遠距離用音声信号)を入力する(S31)。
すると、立体音響再生装置11(11B)は、蓄積手段15に入出力手段13に入力された近信号(近距離用音声信号)および遠信号(遠距離用音声信号)を蓄積する(S32)。続いて、立体音響再生装置11(11B)は、遅延手段19によって、近信号(近距離用音声信号)および遠信号(遠距離用音声信号)を遅延させて、遅延近信号および遅延遠信号として加算手段21に出力する(S33)。なお、サラウンドスピーカ25の左側サラウンドスピーカ(LS)と右側サラウンドスピーカ(RS)とには、遅延手段19から直接、遅延左後方用音声信号と遅延右後方用音声信号とがそれぞれ入力される。
そして、立体音響再生装置11(11B)は、加算手段21によって、遅延近信号(遅延近距離用音声信号)と、遅延遠信号(遅延遠距離用音声信号)とを加算して、スピーカアレイ23のスピーカアレイ(L、C、R)の各スピーカユニット(図示せず)に出力する(S34)。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態には限定されない。例えば、本実施形態では、立体音響記録装置1(1A、1B)、立体音響再生装置11(11A、11B)として説明したが、各装置を構成する処理の一つずつを、音声信号(近信号、遠信号)を処理する一つずつの過程ととらえた立体音響記録方法、立体音響再生方法とみなすことができる。これらの場合、立体音響記録装置1(1A、1B)、立体音響再生装置11(11A、11B)と同様の効果を得ることができる。
実施形態に係る立体音響記録装置(第一実施形態)のブロック図である。 実施形態に係る立体音響記録装置(第二実施形態)のブロック図である。 実施形態に係る立体音響再生装置(第一実施形態)のブロック図である。 実施形態に係る立体音響再生装置(第二実施形態)のブロック図である。 図1に示した立体音響記録装置の動作を説明するフローチャートである。 図2に示した立体音響記録装置の動作を説明するフローチャートである。 図3に示した立体音響再生装置の動作を説明するフローチャートである。 図4に示した立体音響再生装置の動作を説明するフローチャートである。
符号の説明
1(1A、1B) 立体音響記録装置
3 音声信号分岐手段
5 近信号・遠信号記録手段
7a 近信号収音手段
7b 遠信号収音手段
9 近信号・遠信号受信出力手段
11(11A、11B) 立体音響再生装置
13 入出力手段
15 蓄積手段
17 スピーカシステム
19 遅延手段
21 加算手段
23 スピーカアレイ
25 サラウンドスピーカ

Claims (5)

  1. ステレオ音響、または、サラウンド音響となる各チャンネルの音声信号を、再生する際に聴取者の位置から予め設定した設定範囲内にある近距離の音像を再現する近信号および当該設定範囲外にある遠距離の音像を再現する遠信号として、記録装置に記録する立体音響記録方法であって、
    前記音声信号を、前記近信号および前記遠信号として、前記記録装置に記録する近信号・遠信号記録ステップと、
    を含むことを特徴とする立体音響記録方法。
  2. 再生する際に聴取者の位置から予め設定した設定範囲内にある近距離の音像を再現する近信号および当該設定範囲外にある遠距離の音像を再現する遠信号として記録された、ステレオ音響、または、サラウンド音響となる各チャンネルの音声信号を、指向特性の異なる複数の指向性スピーカからなるスピーカシステムに入力して、立体音響を再生する立体音響再生方法であって、
    前記近信号と前記遠信号とを、前記ステレオ音響、または、前記サラウンド音響に対応する前記スピーカシステムの指向性スピーカそれぞれに出力する出力ステップと、
    を含むことを特徴とする立体音響再生方法。
  3. 再生する際に聴取者の位置から予め設定した設定範囲内にある近距離の音像を再現する近信号および当該設定範囲外にある遠距離の音像を再現する遠信号として記録された、ステレオ音響、または、サラウンド音響となる各チャンネルの音声信号を、スピーカアレイに入力して、立体音響を再生する立体音響再生方法であって、
    前記近信号および前記遠信号それぞれを、予め設定した時間ずつ遅延させる近信号・遠信号遅延ステップと、
    この近信号・遠信号遅延ステップにて遅延された遅延近信号と遅延遠信号とを、前記ステレオ音響、または、前記サラウンド音響に対応する前記スピーカアレイに出力する加算出力ステップと、
    を含むことを特徴とする立体音響再生方法。
  4. 再生する際に聴取者の位置から予め設定した設定範囲内にある近距離の音像を再現する近信号および当該設定範囲外にある遠距離の音像を再現する遠信号として記録された、ステレオ音響、または、サラウンド音響となる各チャンネルの音声信号を、指向特性の異なる複数の指向性スピーカからなるスピーカシステムに入力して、立体音響を再生する立体音響再生装置であって、
    前記スピーカシステムと、
    前記近信号と前記遠信号とを、前記スピーカシステムの指向性スピーカそれぞれに出力する出力手段と、
    を備えることを特徴とする立体音響再生装置。
  5. 再生する際に聴取者の位置から予め設定した設定範囲内にある近距離の音像を再現する近信号および当該設定範囲外にある遠距離の音像を再現する遠信号として記録された、ステレオ音響、または、サラウンド音響となる各チャンネルの音声信号を、スピーカアレイに入力して、立体音響を再生する立体音響再生装置であって、
    前記スピーカアレイと、
    前記近信号を予め設定した時間遅延させる近信号遅延手段と、
    前記遠信号を予め設定した時間遅延させる遠信号遅延手段と、
    前記近信号遅延手段で遅延された遅延近信号と、前記遠信号遅延手段で遅延された遅延遠信号とを、前記スピーカアレイに出力する出力手段と、
    を備えることを特徴とする立体音響再生装置。
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