JP2010146523A - 画像形成システム、プリンタ装置、および命令生成装置 - Google Patents

画像形成システム、プリンタ装置、および命令生成装置 Download PDF

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明子 望月
Seigo Makita
聖吾 蒔田
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健児 黒石
Hidefumi Saikai
秀文 西海
Toshiharu Hayashida
俊治 林田
Maho Ikeda
真歩 池田
Yuji Murata
裕治 村田
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Abstract

【課題】ユーザからのプリンタ装置に対する要求を、プリンタ装置の動作状態の如何に拘わらずプリンタ装置に接続された外部装置にて受け付ける。
【解決手段】命令生成装置は、プリンタ装置に対するユーザ要求の入力を受け付け、ユーザ要求を記憶装置に記憶させ、プリンタ装置は、通信部を稼動状態に設定した場合にユーザ要求を記憶装置から取得し、取得したユーザ要求をプリンタ装置にて反映させる。
【選択図】図8

Description

本発明は、画像形成システム、プリンタ装置、および命令生成装置に関する。
一般に、端末装置と例えばプリンタ装置とがネットワーク等の通信手段を介して接続された画像形成システムにおいては、プリンタ装置は、通信手段からの印刷命令の受信状況等に応じて消費電力を低く抑える省電力状態が設定される。しかし、通信手段から印刷命令等が送信されるタイミングをプリンタ装置側から予測することは困難である。そのため、プリンタ装置が省電力状態に移行しても、通信手段から印刷命令を受信する通信機能部は稼働状態が維持されるように構成される。
例えば特許文献1には、ネットワークインターフェース等の制御部としてメインCPUよりも消費電力の小さなサブCPUを設け、省エネモード(省電力状態)ではメインCPUへの通電をオフしてサブCPUのみに通電し、ネットワークインターフェース等からのデータ受信に応じてサブCPUからメインCPUに復帰トリガーを発行する技術が記載されている。
特開2004−5029号公報
ここで一般に、省電力状態の設定中に通信手段から印刷命令を受信する通信機能部も停止状態に遷移させる期間を設けると、省電力状態にてプリンタ装置で消費される電力は低減される。しかし、ユーザが外部装置からプリンタ装置に対して設定変更要求等の各種要求を行っても、通信機能部が停止状態に遷移した期間においては、プリンタ装置はこれらの要求を受け付けることができない。そのため、外部装置からプリンタ装置にて印刷命令を実行させる際に支障が生じる場合がある。
本発明は、ユーザからのプリンタ装置に対する要求を、プリンタ装置の動作状態の如何に拘わらずプリンタ装置に接続された外部装置にて受け付けることを目的とする。
請求項1に記載の発明は、画像形成命令を生成する命令生成装置と、前記命令生成装置との通信を行う通信部を稼動状態と停止状態とに設定し、当該通信部を稼動状態に設定した場合に当該命令生成装置から前記画像形成命令を取得して当該画像形成命令を実行するプリンタ装置と、前記プリンタ装置の外部に配置され、当該プリンタ装置の設定に対するユーザからの変更要求または当該プリンタ装置の状態に関するユーザからの参照要求を当該プリンタ装置に対するユーザ要求として記憶する記憶装置とを有し、前記命令生成装置は、前記プリンタ装置に対する前記ユーザ要求の入力を受け付け、当該ユーザ要求を前記記憶装置に記憶させ、前記プリンタ装置は、前記通信部を稼動状態に設定した場合に前記ユーザ要求を前記記憶装置から取得し、取得した当該ユーザ要求を当該プリンタ装置にて反映させることを特徴とする画像形成システムである。
請求項2に記載の発明は、前記プリンタ装置は、前記画像形成命令を実行して画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部での画像形成を指示するユーザからの指示入力を受け付ける受付部と、前記受付部にて前記指示入力を受け付けた場合に前記通信部を稼働状態に設定し、当該通信部から前記命令生成装置に対して前記画像形成命令の送信を要求する要求部とを備えたことを特徴とする請求項1記載の画像形成システムである。
請求項3に記載の発明は、前記プリンタ装置は、前記通信部から受信した前記画像形成命令を処理する情報処理部と、前記通信部および前記情報処理部に電力を供給する電力供給部と、前記電力供給部が前記情報処理部への電力供給を停止した場合に、当該電力供給部から前記通信部への電力を供給と停止とに交互に切換制御して当該通信部に稼動状態と停止状態とを設定する電力制御部とを備えたことを特徴とする請求項1記載の画像形成システムである。
請求項4に記載の発明は、前記命令生成装置は、前記プリンタ装置の設定に関する禁則事項を保持し、受け付けた前記ユーザ要求が当該禁則事項に反する場合には、当該ユーザ要求を受け付けないことを特徴とする請求項1記載の画像形成システムである。
請求項5に記載の発明は、前記プリンタ装置は、前記ユーザ要求を当該プリンタ装置に反映させた場合に、その旨を前記命令生成装置に通知することを特徴とする請求項1記載の画像形成システムである。
請求項6に記載の発明は、稼動状態と停止状態とが設定され、当該稼動状態が設定された場合に外部装置との通信を行う通信部と、前記通信部にて取得された画像形成命令に従って当該画像形成命令を実行する画像形成部と、前記通信部が稼動状態に設定された場合に当該装置の設定に対するユーザからの変更要求または当該装置の状態に関するユーザからの参照要求を前記外部装置から取得し、取得した当該ユーザ要求を当該装置にて反映させる反映部とを備えたことを特徴とするプリンタ装置である。
請求項7に記載の発明は、前記画像形成部での画像形成を指示するユーザからの指示入力を受け付ける受付部と、当該受付部にて当該指示入力を受け付けた場合に前記通信部を稼動状態に設定し、当該通信部を介して当該画像形成部にて実行される前記画像形成命令の送信を要求する要求部とをさらに備えたことを特徴とする請求項6記載のプリンタ装置である。
請求項8に記載の発明は、前記通信部にて取得された前記画像形成命令を処理する情報処理部と、当該通信部および当該情報処理部に電力を供給する電力供給部と、当該電力供給部が当該情報処理部への電力供給を停止した場合に当該電力供給部から前記通信部への電力を供給と停止とに交互に切換制御して当該通信部にて稼動状態と停止状態とを設定する電力制御部とをさらに備えたことを特徴とする請求項6記載のプリンタ装置である。
請求項9に記載の発明は、画像形成命令を生成する命令生成部と、前記命令生成部にて生成された前記画像形成命令を実行するプリンタ装置との通信を行う通信部と、前記プリンタ装置の設定に対するユーザからの変更要求または当該プリンタ装置の状態に関するユーザからの参照要求を当該プリンタに対するユーザ要求として受け付ける受付部と、前記受付部にて受け付けた前記ユーザ要求を記憶装置に記憶させる記憶制御手段とを備え、前記通信部は、前記プリンタ装置との通信が可能状態となった場合に、前記記憶装置に記憶された前記ユーザ要求を当該プリンタ装置に送信することを特徴とする命令生成装置である。
請求項10に記載の発明は、前記受付部は、受け付けた前記ユーザ要求が前記プリンタ装置の設定に関する禁則事項に反する場合には、当該ユーザ要求を受け付けないことを特徴とする請求項9記載の命令生成装置である。
本発明の請求項1によれば、ユーザからのプリンタ装置に対する要求をプリンタ装置の動作状態の如何に拘わらずプリンタ装置に接続された命令生成装置にて受け付けることができる。
本発明の請求項2によれば、本発明を採用しない場合に比べ、画像形成システムを構成するプリンタ装置にて消費される電力を低減することができる。
本発明の請求項3によれば、本発明を採用しない場合に比べ、画像形成システムを構成するプリンタ装置にて通信手段からの信号に起因する消費電力の増加を抑制することができる。
本発明の請求項4によれば、命令生成装置からの設定変更指示がプリンタ装置に反映されないという事態の発生を回避することができる。
本発明の請求項5によれば、ユーザ要求がプリンタ装置に反映されたことをユーザが確認することができる。
本発明の請求項6によれば、ユーザからのプリンタ装置に対する要求をプリンタ装置の動作状態の如何に拘わらずプリンタ装置に接続された外部装置にて受け付けることができる。
本発明の請求項7によれば、本発明を採用しない場合に比べ、画像形成システムを構成するプリンタ装置にて消費される電力を低減することができる。
本発明の請求項8によれば、本発明を採用しない場合に比べ、画像形成システムを構成するプリンタ装置にて通信手段からの信号に起因する消費電力の増加を抑制することができる。
本発明の請求項9によれば、ユーザからのプリンタ装置に対する要求をプリンタ装置の動作状態の如何に拘わらずプリンタ装置に接続された命令生成装置にて受け付けることができる。
本発明の請求項10によれば、命令生成装置からの設定変更指示がプリンタ装置に反映されないという事態の発生を回避することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[実施の形態1]
<画像形成システムの説明>
図1は、本実施の形態の画像形成システム1の構成例を示す図である。図1に例示した画像形成システム1では、例えばユーザの作業スペース(例えば、デスク)等に設置された命令生成装置および外部装置の一例としての端末装置2と、端末装置2にて作成・保存等された画像データに基づき用紙上に画像を形成するプリンタ装置の一例としての画像形成装置3とが、通信手段の一例であるLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット等のネットワーク4を介して双方向に通信可能に接続されている。通信手段としては、電話回線や衛星通信回線(例えば、デジタル衛星放送における空間伝送路)等の通信回線を含んでもよい。
なお、ネットワーク4上には通常、複数の端末装置2と複数の画像形成装置3とが接続可能であるが、図1では、その一部として、それぞれ1台の端末装置2と1台の画像形成装置3とが接続された構成を示している。
<端末装置の説明>
まず、本実施の形態の端末装置2について説明する。
ネットワーク4に接続される端末装置2は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)が用いられ、文書や図形、グラフィック、写真等からなる画像データを作成・保存する。
図2は、本実施の形態の端末装置2の構成を説明するブロック図である。図2に示したように、端末装置2は、端末装置2全体の動作を制御する制御部20、予め定めたアプリケーションソフトに従って画像データ(情報)を作成する情報作成部の一例としての画像データ作成部24、ユーザからの指示入力の受付やユーザへの各種情報の表示を行うユーザインタフェース(UI)部22を備えている。また、端末装置2は、画像データやプログラム等が記憶される外部記憶部23、ネットワーク4との通信を行い、画像形成装置3から送信される情報を取得し、印刷命令等の情報を画像形成装置3に送信する通信部の一例としての通信部21を備えている。さらに、端末装置2は、端末装置2の各構成部に対し電力線27を介して電力を供給する電力供給部25を備えている。
この制御部20、画像データ作成部24、UI部22、外部記憶部23、通信部21、および電力供給部25は、PCI(Peripheral Components Interconnect bus)バス26に接続されている。それにより、これらの各構成部は、PCIバス26を介して相互に信号の送受信を行う。
ここで、端末装置2の上記した構成部は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。具体的には、端末装置2の図示しないCPUが、予め定めたプログラムを外部記憶部23から主記憶装置(例えば、RAM)に読み込み、制御部20、画像データ作成部24、および通信部21等の各機能を実現する処理を行う。
端末装置2の外部記憶部23には、端末装置2の各構成部を制御するためのオペレーティングシステム、オペレーティングシステムと協働して特定の機能を実行するアプリケーションソフト、画像データ作成部24にて作成された画像データや外部記憶部23に記憶された画像データ等に関する画像形成装置3への画像形成命令(印刷命令:以下、「印刷ジョブ」)を生成するプリンタドライバプログラム、さらには、画像形成装置3に構成された画像形成装置3の設定を管理するウェブサーバと情報の送受信を行うためのウェブブラウザ等が含まれる。
そして、命令生成部としても機能する制御部20は、ユーザによりUI部22に印刷指示が入力されると、外部記憶部23からプリンタドライバプログラムを読み込む。そして、制御部20は、プリンタドライバプログラムを起動させて印刷ジョブの生成処理を実行する。生成された印刷ジョブは、通信部21に送られ、通信部21がネットワーク4を介して画像形成装置3に送信する。
また、制御部20は、UI部22にてユーザから画像形成装置3に対するユーザ要求の一例として設定変更要求や状態参照要求が入力されると、ユーザによる設定変更指示や状態参照指示の入力を受け付ける設定画面をUI部22に表示する。そして、設定画面にてユーザからの画像形成装置3に対する設定変更指示や状態参照指示の入力を受け付ける。引き続き、制御部20は、画像形成装置3に構成されたウェブサーバとの通信が可能な状態にある場合には、制御部20は、外部記憶部23からウェブブラウザを読み込み、起動させる。そして、設定画面にて受け付けた設定変更指示や状態参照指示をウェブブラウザを用いて通信部21から画像形成装置3に送信する。一方、ウェブサーバとの通信が不能な状態にある場合には、制御部20は、記憶制御手段の一例として機能し、設定画面にて受け付けた設定変更指示や状態参照指示を通信部21に設けられた記憶装置の一例としての情報記憶部215に記憶する。
<端末装置の通信部の説明>
端末装置2の通信部21は、制御部20とネットワーク4との間のデータ通信を制御する通信制御部211、通信制御部211とネットワーク4との間のデータの送受信を行うネットワークインターフェース(NET_I/F)部212、通信制御部211とPCIバス26との間のデータの送受信を行うPCIインターフェース(PCI_I/F)部213を備えている。
また、通信部21は、ネットワーク4を介して画像形成装置3から通知される画像形成装置3の通信部31(後段の図3参照)の電源状態に関する情報に基づいて、画像形成装置3が通信可能状態にあるか否かを判定する通信状態判定部214、制御部20にて生成された印刷ジョブやUI部22にて受け付けたユーザからの画像形成装置3に対する設定変更要求や状態参照要求等のユーザ要求を記憶する記憶装置の一例としての情報記憶部215を備えている。
なお、ここでの画像形成装置3の通信部31の「電源状態」とは、通信部31が通信可能となるように通信部31に電力が供給された状態と、通信部31が通信不能となるように通信部31への電力供給が停止された状態との何れかの状態をいう。以下の記載においても同様である。
端末装置2では、例えばネットワーク4に画像形成装置3が接続された際に、またはネットワーク4に端末装置2自身が接続された際に、登録部としても機能する制御部20が通信部21を介して画像形成装置3に対し、画像形成装置3の通信部31(後段の図3参照)の電源状態が変動した際の通知要求を行う。それにより、画像形成装置3は、自身の通信部31の電源状態の変動を通知する対象装置として、通知要求を行った端末装置2の識別情報の一例としてのアドレス情報を通知先記憶部315(後段の図3参照)に予め記憶(登録)する。そして、画像形成装置3は、自身の通信部31の電源状態に変動が生じた場合には、通知先記憶部315に記憶した端末装置2に対して、通信部31の電源状態に変動が生じたことを通知する切換情報の一例としての「電源状態に関する情報(電源状態情報)」を送信する。
端末装置2の通信部21においては、画像形成装置3から電源状態情報を取得すると、通信制御部211は取得した電源状態情報を通信状態判定部214に送る。通信状態判定部214は、取得した電源状態情報に基づいて送信元の画像形成装置3の通信部31の電源状態を判定し、通信制御部211にその判定結果を通知する。通信制御部211は、通信状態判定部214での判定結果に応じて、制御部20にて生成された印刷ジョブや外部記憶部23に記憶された印刷ジョブをNET_I/F部212から画像形成装置3に送信するか、または情報記憶部215に一旦記憶するように制御する。また、通信制御部211は、UI部22にて受け付けたユーザからの画像形成装置3に対する設定変更要求や状態参照要求等のユーザ要求を、画像形成装置3に送信するか、または情報記憶部215に一旦記憶するように制御する。
すなわち、通信制御部211は、通信状態判定部214が画像形成装置3の通信部31が通信可能な状態にあると判定した場合には、制御部20にて生成された印刷ジョブや外部記憶部23に記憶された印刷ジョブ、さらにはUI部22にて受け付けた画像形成装置3に対するユーザ要求をNET_I/F部212から画像形成装置3に送信する。
一方、通信制御部211は、通信状態判定部214が画像形成装置3の通信部31が通信不能な状態にあると判定した場合には、印刷ジョブや画像形成装置3に対するユーザ要求を記憶装置の一例としての情報記憶部215に一旦記憶する。そして、通信制御部211は、その後に通信状態判定部214が画像形成装置3の通信部31が通信可能な状態にあると判定した際に、印刷ジョブや画像形成装置3に対するユーザ要求を情報記憶部215から読み出し、NET_I/F部212から画像形成装置3に印刷ジョブを送信する。
なお、送信対象が外部記憶部23に記憶された印刷ジョブや画像形成装置3に対するユーザ要求である場合には、通信状態判定部214が画像形成装置3の通信部31が通信不能な状態にあると判定した場合に、印刷ジョブや画像形成装置3に対するユーザ要求をそのまま外部記憶部23に記憶しておくように設定してもよい。
<画像形成装置の説明>
次に、本実施の形態の画像形成装置3について説明する。
図3は、本実施の形態の画像形成装置3の構成を説明するブロック図である。図3に示したように、画像形成装置3は、画像形成装置3全体の動作制御や画像処理を含む各種の情報処理を行う情報処理部の一例としての制御部30、ネットワーク4との通信を行って情報を送受信する通信部31を備えている。また画像形成装置3は、ユーザからの指示入力を受け付け、ユーザへの各種情報の表示を行うユーザインタフェース(UI)部33を備えている。
さらに、画像形成装置3は、ネットワーク4を介して端末装置2から送信される印刷ジョブに含まれる画像データに基づき、用紙上に画像を形成する画像形成部の一例としての画像出力部36を備えている。画像出力部36としては、例えば電子写真方式の画像形成エンジンが用いられる。
加えて、画像形成装置3は、画像形成装置3の各構成部を制御するためのオペレーティングシステム、オペレーティングシステムと協働して各構成部の特定の機能を実行するアプリケーションソフト等や画像形成装置3の設定を管理するウェブサーバ機能を実現させるサーバソフトウェア等の各種のプログラム、画像データ等の各種のデータが記憶される外部記憶部39を備えている。
また、画像形成装置3は、商用電源から供給される例えば100Vの電力を予め定めた電圧(例えば、24V,12V,5V,3V)に変換して各構成部に供給する電力供給部の一例としての電力供給部38を備えている。電力供給部38には、制御部30等への例えば電圧5Vや3Vの制御系電力を供給する第1電力線381と、画像出力部36等への例えば電圧24Vや12Vの駆動系電力を供給する第2電力線382と、通信部31への制御系電力を供給する第3電力線383と、電源状態制御部32への制御系電力を供給する第4電力線384とが接続されている。また、第3電力線383には第3電力線383での制御系電力の供給をオンオフ切換するスイッチSWが配置されている。
そして、電力供給部38は、制御部30にて設定される画像形成装置3の動作モード(動作状態)に応じて、第1電力線381への制御系電力の供給や停止を行い、第2電力線382への駆動系電力の供給や停止を行う。
一方、電力供給部38は、第3電力線383および第4電力線384への制御系電力は常時供給する。それにより、電源状態制御部32には制御系電力が常時供給される。また、通信部31に対しては、第3電力線383に配置されたスイッチSWがオンに設定された場合に制御系電力が供給される。
また、本実施の形態の画像形成装置3は、画像形成装置3の動作モードがスリープモード(後段参照)に設定された状態において通信部31の電源状態を時間により制御する電力制御部の一例としての電源状態制御部32を備えている。すなわち、電源状態制御部32は、内部に時間計測手段の一例としてのタイマ321を備えている。そして、電源状態制御部32は、第3電力線383に配置されたスイッチSWをタイマ321により計測された予め定めた時間間隔毎にオン(供給)、オフ(停止)することで、電力供給部38から通信部31への制御系電力の供給状態(電源状態)を切換制御する。それにより、電源状態制御部32は、通信部31を予め定めた時間間隔毎に通信可能な状態(稼動状態)と通信不能な状態(停止状態)とを交互に設定する。
ところで、画像形成装置3に配置された上記の制御部30、通信部31、電源状態制御部32、UI部33、および外部記憶部39は、PCIバス37に接続されている。それにより、これらの各構成部は、PCIバス37を介して相互に信号の送受信を行う。
また、画像形成装置3の上記した構成部は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。具体的には、画像形成装置3の図示しないCPUが、予め定めたプログラムを外部記憶部39から主記憶装置(例えば、RAM)に読み込み、制御部30、通信部31、および電源状態制御部32等の各機能を実現する処理を行う。
<画像形成装置の制御部の機能の説明>
次に、画像形成装置3の制御部30の機能について説明する。
画像形成装置3の制御部30は、まず、ネットワーク4を介して画像形成装置3自身に向けて送信された信号(以下、パケットという)を処理する機能を有する。すなわち、制御部30は、ネットワーク4を介して送信されたパケットが処理の必要があるものか否かを判別し、次のように処理する。例えば、通信部31にて受信したパケットが印刷ジョブである場合には、予め定めた画像処理を施した後、これを画像出力部36に送る処理を行う。また、受信したパケットが送信元に対する応答が必要なものである場合には、制御部30はそのパケットに対する応答パケットを生成して、通信部31から応答パケットを送信する処理を行う。また、受信したパケットが制御部30にて処理の必要のないものである場合には、制御部30はそのパケットを廃棄する等の処理を行う。
加えて、制御部30は、画像形成装置3の動作モード(動作状態)を制御する機能を有する。図4は、本実施の形態の画像形成装置3にて設定される動作モードを説明する図である。図4に示したように、各画像形成装置3には、省電力効果を高めるために、動作モードとして、稼働状態の一例である「画像形成動作モード」と「スタンバイモード」と「低電力モード」、および省電力状態の一例である「スリープモード」とが選択的に設定される。
画像形成動作モードは、画像出力部36にて画像データに関する用紙上への画像形成動作を実行している動作状態である。またスタンバイモードは、画像データの入力に対してオンデマンドに対応可能な動作状態であって、画像データの入力に応じて直ちに画像形成動作モードに移行する。画像形成動作モードやそれに準ずるスタンバイモードでは、電力供給部38から第2電力線382を介して画像形成装置3内の画像形成動作を行う構成部に駆動系電力が供給される。
低電力モードは、例えば第1の時間が経過しても印刷ジョブ等の入力がない場合に設定される動作状態である。低電力モードでは、電力供給部38から画像出力部36の少なくとも画像形成エンジン(例えば定着器等を含む画像形成動作を行う構成部)への駆動系電力の供給が停止される。その一方で、制御部30や通信部31等といった画像出力部36の画像形成エンジン以外の構成部への制御系電力の供給は継続される。それにより、画像形成装置3内での消費電力が低減される。
また、スリープモードは、第1の時間よりも長い時間である第2の時間が経過しても印刷ジョブ等の入力がない場合に設定される動作状態である。スリープモードでは、電力供給部38から制御系電力が常時供給される電源状態制御部32と、電源状態制御部32によりスイッチSWがオンされて制御系電力が供給された電源状態にある通信部31が動作(稼働)する。また、電力供給部38から制御系電力が供給される制御部30は低消費電力状態に移行する。それにより、スリープモードでは低電力モードよりも高い省電力効果が得られる。
制御部30は、上記の動作モードを移行(変動)させる場合には、動作モードを移行する制御信号(以下、「動作モード移行信号」)を生成する。特に、制御部30は、動作モードをスリープモードに移行させる場合には、動作モード移行信号としてスリープモードに移行することを指示するスリープモード移行信号を生成する。また、制御部30は、動作モードをスリープモードから画像形成動作モードやスタンバイモードや低電力モードに復帰させる場合には、動作モード移行信号としてスリープモードから復帰することを指示するスリープモード復帰信号を生成する。
そして、制御部30は、PCIバス37を介して電力供給部38および電源状態制御部32に動作モード移行信号を送信する。制御部30から動作モード移行信号を取得した電力供給部38は、設定された動作モードに応じて第1電力線381を介した制御系電力の供給や停止を設定し、第2電力線382を介した駆動系電力の供給や停止を設定する。また、制御部30から動作モード移行信号を取得した電源状態制御部32は、設定された動作モードに応じて後段で述べる通信部31の電源状態の制御処理を実行する。
また、制御部30は、画像形成装置3のメインスイッチ(不図示)がオンされると、ウェブサーバ機能を実現させるサーバソフトウェアを外部記憶部39から読み込み、サーバソフトウェアを起動させる。それにより、画像形成装置3に画像形成装置3の設定を管理するウェブサーバを構成する。制御部30は、画像形成装置3にスリープモードが設定され低消費電力状態に移行した場合においても、サーバソフトウェアの動作を持続させウェブサーバ機能を維持する。
制御部30は、通信部31を介してウェブブラウザにより端末装置2からウェブサーバへのアクセス(接続要求)があった場合には、低電力モードに移行する。そして、制御部30は、端末装置2から送信された設定変更指示や状態参照指示をウェブサーバを介して受け付ける。ウェブサーバを介して設定変更指示を受け付けた場合には、制御部30は、指示された設定を画像形成装置3に反映させる。また、ウェブサーバを介して状態参照指示を受け付けた場合には、制御部30は、画像形成装置3の現在の状態(ステータス)を通信部31を介して端末装置2に送信する。この場合には、制御部30は反映部として機能する。
<画像形成装置の通信部の説明>
続いて、画像形成装置3の通信部31について説明する。
画像形成装置3の通信部31は、ネットワーク4との間でデータ通信を行う。通信部31は、上記の図3に示したように、制御部30とネットワーク4との間のデータ通信を制御する通信制御部311、通信制御部311とネットワーク4との間のデータの送受信を行うネットワークインターフェース(NET_I/F)部312、通信制御部311とPCIバス37との間のデータの送受信を行うPCIインターフェース(PCI_I/F)部313を備えている。
また、通信部31は、ネットワーク4を介して送信される送信される信号(パケット)を判定するパケット判定部314、電源状態情報の通知要求を行った端末装置2の識別情報の一例であるアドレス情報を記憶する識別情報記憶部の一例としての通知先記憶部315を備えている。
パケット判定部314は、NET_I/F部312にて受信したパケットの例えばMAC(Media Access Control)ヘッダに含まれる宛先MACアドレス等のアドレス情報を判定する。そして、このアドレス情報の一例である宛先MACアドレスに基づき、受信したパケットが制御部30に転送する必要のあるパケットか否かを判定する。すなわち、パケット判定部314は、画像形成装置3自身の宛先MACアドレスが記述されたパケットか否かに基づいて、制御部30に転送する必要のあるパケットか否かを判定する。そして、制御部30に転送する必要のあるパケットか否かに関する判定結果を通信制御部311に送る。
通信制御部311は、パケット判定部314にて制御部30に転送する必要のあるパケットと判定されたパケットを、PCI_I/F部313からPCIバス37を介して制御部30に転送する。一方、通信制御部311は、パケット判定部314にて制御部30に転送する必要のないパケットと判定されたパケットを廃棄する。
通知先記憶部315は、電源状態情報の通知要求を行った端末装置2のアドレス情報を記憶する。そして、情報通知部としても機能する通信制御部311は、電源状態制御部32からの指示に基づき、通知先記憶部315に記憶されたアドレス情報を有する端末装置2に対して、通信部31の電源状態に変動が生じたことを通知する切換情報の一例としての電源状態情報を送信する。
<画像形成装置の電源状態制御部の説明>
次に、画像形成装置3の電源状態制御部32の動作について説明する。
電源状態制御部32は、上記したように、画像形成装置3の動作モードがスリープモードに設定された場合に通信部31の電源状態を時間により制御する。すなわち、電源状態制御部32は、第3電力線383に配置されたスイッチSWをタイマ321により計測された予め定めた時間間隔毎にオンオフする。それにより、電源状態制御部32は、通信部31において予め定めた時間間隔毎に通信可能な状態と通信不能な状態とを交互に設定する。
画像形成装置3には、スリープモードが設定された場合においても、ネットワーク4から画像形成装置3自身への印刷ジョブ以外の様々なパケットも送信される。例えば、SNMP(Simple Network Management Protocol)を用いて画像形成装置3に通信をしたいか否かの問い合わせメッセージを順番に送り、返答があれば送信権を与えて送信させるポーリングパケットや、PING(Packet INternet Groper)を用いてネットワーク疎通を確認したい画像形成装置3から返答が行われるかを確認するためのパケット等が送信される。
そのため、従来は、画像形成装置3にスリープモードが設定された場合においても、制御部30内のCPUが印刷ジョブ以外の処理の必要のないポーリングパケット等が送られる度に起動されていた。そのため、処理の必要のないパケットの送信頻度が高いネットワーク環境下では、スリープモードを設定しても画像形成装置3での消費電力の削減量が限定的なものとなり、消費電力の削減が促進されにくい状況にある。
そこで、本実施の形態の画像形成装置3では、画像形成装置3の動作モードがスリープモードに設定された場合には予め定めた時間間隔毎に通信部31への電力供給状態と電力停止状態とを交互に設定する電源状態制御部32を設け、通信部31がネットワーク4と通信可能な時間と通信不能な時間とを交互に設定している。
そして、画像形成装置3は、通信部31がネットワーク4と通信可能な状態に設定された場合には、通信部31が通信可能な状態に設定されたことを上記した電源状態情報として通知先記憶部315に予め記憶(登録)された端末装置2に通知する。それにより、端末装置2は、画像形成装置3が通信可能状態にあることを認識し、画像形成装置3へ送信する印刷ジョブやユーザ要求等があれば、通信部31が通信可能な状態に設定された時間内に印刷ジョブを画像形成装置3に送信する。また、通信部31が通信不能な状態に設定された場合には、通信部31が通信不能な状態に設定されたことを電源状態情報として通知先記憶部315に予め記憶された端末装置2に通知する。それにより、端末装置2は、画像形成装置3が通信不能状態にあることを認識し、画像形成装置3へ送信する印刷ジョブやユーザ要求等があれば、印刷ジョブやユーザ要求を一旦記憶し、画像形成装置3への送信を行わない。そして、その後に、通信部31が通信可能な状態に設定された旨の電源状態情報を取得した際に、記憶された印刷ジョブやユーザ要求、さらにはその他の送信が必要な印刷ジョブやユーザ要求を画像形成装置3に送信する。
そのため、画像形成装置3にスリープモードが設定された場合には、画像形成装置3がネットワーク4からパケットを受信する時間が限定される。すなわち、スリープモード設定時の通信部31が通信不能な状態に設定された期間においては、通信部31はネットワーク4上を送信されるパケットを受信しない。それにより、制御部30内のCPUが起動される頻度が減り、スリープモード設定時の画像形成装置3の消費電力が低減される。また、端末装置2は、スリープモード設定時の通信部31が通信可能な状態に設定された期間を認識するので、その通信可能な期間に印刷ジョブやユーザ要求等を送信することとなり、印刷ジョブ等の処理が円滑に行われる。
<通信部の電源状態の制御処理を実行する際の処理の説明>
次の図5は、電源状態制御部32が通信部31の電源状態を制御する際の処理内容の一例を示したフローチャートである。
図5に示したように、電源状態制御部32は、制御部30からPCIバス37を介して送信される動作モード移行信号を監視する(S101)。そして、電源状態制御部32は動作モード移行信号を受信すると(S101でYes)、受信した動作モード移行信号がスリープモード移行信号であるか否かを判定する(S102)。そして、動作モード移行信号がスリープモード移行信号である場合には(S102でYes)、電源状態制御部32は、通信部31に対して、通信部31が通信不能な状態に設定されることを示す電源状態情報を通知先記憶部315に記憶された端末装置2に送信するように指示する(S103)。そして、その後、電源状態制御部32は、通信部31の電源状態の制御処理を実行する(S104)。
一方、電源状態制御部32は、送信された動作モード移行信号がスリープモード復帰信号である場合には(S105でYes)、電源状態制御部32は、通信部31の電源状態の制御処理を終了する(S106)。そして、電源状態制御部32は、スイッチSWがオンに設定されているか否かを判定し(S107)、スイッチSWがオフに設定されている場合には(S107でNo)、スイッチSWをオンに設定する(S108)。その後、電源状態制御部32は、通信部31に対して、通信部31が通信可能な状態に設定されたことを示す電源状態情報を通知先記憶部315に記憶された端末装置2に送信するように指示する(S109)。
また、ステップ107において、スイッチSWがオンに設定されている場合には(S107でYes)、ステップ101に戻り、動作モード移行信号を監視する。この場合には、電源状態制御部32は、ステップ104にて実行された通信部31の電源状態の制御処理にて、ステップ109における通信部31に対する電源状態情報の端末装置2への送信指示がすでに行われているので、直ちにステップ101の動作モード移行信号の監視を開始する。
また、ステップ105において、送信された動作モード移行信号がスリープモード復帰信号でもない場合には(S105でNo)、ステップ101に戻り、動作モード移行信号を監視する。
<通信部の電源状態の制御処理の説明>
次の図6は、図5のステップ104にて電源状態制御部32が実行する通信部31の電源状態の制御処理の内容の一例を示したフローチャートである。
図6に示したように、電源状態制御部32は、通信部31の電源状態の制御を開始すると、まず、タイマ321による時間計測を開始する(S201)。それとともに、電源状態制御部32は、電力供給部38に接続された第3電力線383に配置されたスイッチSWをオフする(S202)。それにより、通信部31の通信機能を停止させる。
電源状態制御部32は、タイマ321で計測される時間を監視する(S203)。そして、タイマ321での計測時間が予め定めた第1の時間に到達した時点で(S203でYes)、スイッチSWをオンする(S204)。それにより、通信部31は、通信機能を再開させる。
そして、電源状態制御部32は、通信部31に対して、通信部31が通信可能な状態に設定されることを示す電源状態情報を通知先記憶部315に記憶された端末装置2に送信するように指示する(S205)。それにより、通信部31の通信制御部311は、通信部31が通信可能な状態に設定されることを示す電源状態情報をNET_I/F部312から通知先記憶部315に記憶された端末装置2に送信する。
さらには、電源状態制御部32は、タイマ321をリセットして、新たに時間計測を開始する(S206)。
その後引き続いて、電源状態制御部32は、タイマ321で計測される時間を監視する(S207)。そして、タイマ321での計測時間が予め定めた第2の時間に到達した時点で(S207でYes)、電源状態制御部32は、通信部31に対して通信部31が通信不能な状態に設定されることを示す電源状態情報を通知先記憶部315に記憶された端末装置2に送信するように指示する(S208)。それにより、通信部31の通信制御部311は、通信部31が通信不能な状態に設定されることを示す電源状態情報をNET_I/F部312から通知先記憶部315に記憶された端末装置2に送信する。
それに続いて、電源状態制御部32は、スイッチSWをオフする(S209)。それにより、通信部31の通信機能を停止させる。それとともに、タイマ321をリセットして、新たに時間計測を開始する(S210)。
ステップ210の後は、図5のステップ106にて電源状態制御部32が通信部31の電源状態の制御処理を終了するまで、電源状態制御部32は、ステップ203からステップ210までの処理を繰り返し実行する。
このように、本実施の形態の画像形成装置3においては、スリープモードが設定された場合には、端末装置2から画像形成装置3に印刷ジョブやユーザ要求等が送信される時間が限定して設定される。そのため、画像形成装置3でのスリープモード設定時の通信部31が通信不能な状態に設定された期間においては、通信部31はネットワーク4上を送信されるパケットを受信しない。それにより、制御部30内のCPUが起動される頻度が減り、スリープモード設定時の画像形成装置3の消費電力が低減される。
<端末装置による印刷ジョブ送信処理の説明>
次に、画像形成装置3から電源状態情報を取得した端末装置2での印刷ジョブの送信処理について述べる。図7は、端末装置2の通信部21が行う印刷ジョブの送信処理の内容の一例を示したフローチャートである。
図7に示したように、端末装置2の通信部21は、画像形成装置3から電源状態情報を取得すると(S301)、通信制御部211がこの電源状態情報を通信状態判定部214に送る。通信状態判定部214は、取得した電源状態情報に基づいて送信元の画像形成装置3の通信部31の電源状態を判定する(S302)。そして、通信状態判定部214は、通信制御部211にその判定結果を通知する。通信制御部211は、通信状態判定部214での判定結果が画像形成装置3の通信部31の電源状態が通信可能な状態にあることを示すものであった場合には(S303でYes)、制御部20にて生成された印刷ジョブ、さらには、記憶装置の一例としての情報記憶部215に記憶された印刷ジョブが存在すれば情報記憶部215に記憶された印刷ジョブをNET_I/F部212から画像形成装置3に送信する(S304)。
一方、通信制御部211は、通信状態判定部214での判定結果が画像形成装置3の通信部31の電源状態が通信不能な状態にあることを示すものであった場合には(S303でNo)、印刷ジョブを情報記憶部215に一旦記憶する(S305)。
そして、通信部21は、ステップ301からステップ305の処理を繰り返し実行する。
このように、本実施の形態の端末装置2においては、画像形成装置3にスリープモードが設定された場合には、画像形成装置3に印刷ジョブ等を送信できる時間を認識する。そのため、画像形成装置3にスリープモードが設定された期間においては、端末装置2は、画像形成装置3の通信部31が通信可能な状態に設定された期間に印刷ジョブ等を送信するので、印刷ジョブ等の処理が円滑に行われる。
<端末装置による画像形成装置に対する設定変更処理の説明>
次に、端末装置2が行う画像形成装置3に対する設定変更処理について述べる。図8は、端末装置2の制御部20が行う設定変更処理の内容の一例を示したフローチャートである。
図8に示したように、端末装置2の制御部20は、UI部22にて画像形成装置3に対するユーザ要求の一例として設定変更要求が入力されると(S401)、設定変更指示の入力を受け付ける設定画面(設定管理ページ)をUI部22に表示する(S402)。そして、設定画面にて画像形成装置3に対する設定変更指示の入力を受け付ける(S403)。
次に、制御部20は、通信部21(通信制御部211)から画像形成装置3の通信部31の電源状態に関する情報を取得する(S404)。画像形成装置3の通信部31の電源状態が通信可能な状態にある場合には(S405でYes)、制御部20は、外部記憶部23からウェブブラウザを読み込み、ウェブブラウザを起動させる(S406)。そして、制御部20は、画像形成装置3に構成されたウェブサーバに対し、設定画面にて受け付けた設定変更指示をウェブブラウザを用いて通信部21から送信させる(S407)。
一方、画像形成装置3の通信部31の電源状態が通信不能な状態にある場合には(S405でNo)、制御部20は、設定画面にて受け付けた設定変更指示を通信部21の情報記憶部215に記憶させる(S408)。
設定変更指示を情報記憶部215に記憶させた場合には、制御部20は、ステップ404に戻る。そして、画像形成装置3の通信部31の電源状態が通信可能な状態になるまで、ステップ404以降の処理を繰り返し実行する。
また、設定変更指示を情報記憶部215に記憶させた場合には、ユーザに例えばメールを用いて通知するように構成してもよい。
なお、状態参照指示を処理する際にも、同様である。
このように、本実施の形態の端末装置2においては、画像形成装置3に対して設定変更や状態参照等のユーザ要求を行う場合には、画像形成装置3に対して設定変更指示や状態参照指示を送信できる時間を認識する。そのため、画像形成装置3にスリープモードが設定された期間においては、端末装置2は、画像形成装置3の通信部31が通信可能な状態に設定された期間に設定変更や状態参照を行うので、設定変更や状態参照の処理が円滑に行われる。
また、画像形成装置3は、端末装置2から設定変更や状態参照等のユーザ要求を受け付けた場合には、受け付けたユーザ要求を画像形成装置3に反映させる。その際に、画像形成装置3は、ユーザ要求を画像形成装置3に反映させたことを端末装置2に通知してもよい。その場合には、通知を受けた端末装置2は、画像形成装置3に送信したユーザ要求が画像形成装置3に反映させたことを、例えばUI部22にユーザに対するメッセージとして表示してもよい。
ここで、上記図8のステップ403にて画像形成装置3に対する設定変更指示の入力を受け付ける場合に、端末装置2が画像形成装置3から予め画像形成装置3の設定に関する禁則事項を取得しておくように構成してもよい。それにより、ユーザが設定画面にて画像形成装置3に対する設定変更指示の入力を行った場合に、入力された設定変更指示が画像形成装置3にて受け入れ可能か否かを端末装置2側において判定する。そして、入力された設定変更指示が禁則事項に反する場合には、設定変更指示を受け付けない。それによって、ステップ407にて設定変更指示を画像形成装置3に送信した際に、画像形成装置3にて設定変更指示が反映されないという事態が回避される。この場合の「禁則事項」には、例えば、画像形成装置3におけるポート番号の指定に関する禁則事項や、タイムアウト時間の上限値や下限値に関する禁則事項等といった、端末装置2と画像形成装置3との間の情報の送受信に関連する規則に関する禁則事項が含まれる。
また、本実施の形態では、端末装置2が画像形成装置3に構成されたウェブサーバと情報の送受信を行う際にウェブブラウザを用いる構成について説明した。この構成では、例えば、ウェブサーバと送受信される情報がウェブブラウザにより参照できる例えばHTML(HyperText Markup Language)ファイルとして作成され、ウェブサーバ内部には端末装置2で実行されるスクリプト(Script)が保持された構成が採用される。
一方、画像形成装置3に構成されたウェブサーバと情報の送受信を行う他の構成としては、上記の他に、例えば端末装置2が画像形成装置3に構成されたウェブサーバと情報の送受信を行う専用のソフトウェアを保持する構成を用いてもよい。
以上説明したように、本実施の形態の画像形成システム1に接続される画像形成装置3では、動作モードがスリープモードに設定された場合に、通信部31においてネットワーク4と通信可能な時間と通信不能な時間とを交互に設定する。それに対応させて、画像形成装置3に対して設定変更や状態参照等に関するユーザ要求を反映させる際には、端末装置2は、画像形成装置3との通信可能期間を認識し、通信可能な状態に設定された期間に設定変更や状態参照等のユーザ要求を送信する。それにより、画像形成装置3にスリープモードが設定された期間に端末装置2が画像形成装置3に対するユーザ要求を受け付けた場合においても、画像形成装置3に対する設定変更や状態参照の反映処理が円滑に行われる。
[実施の形態2]
実施の形態1では、省電力状態に設定された場合に通信部31がネットワーク4と通信可能な時間と通信不能な時間とを交互に設定する画像形成装置3に対して端末装置2が設定変更等のユーザ要求を反映させる構成について説明した。本実施の形態では、ユーザが画像形成装置3に印刷指示を行うことを契機として画像形成装置3が省電力状態から復帰し、画像形成装置3が端末装置2から印刷ジョブを取得して画像形成処理を実行する画像形成装置3に対し、端末装置2が設定変更等のユーザ要求を反映させる構成について説明する。なお、実施の形態1と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
<画像形成システムの説明>
本実施の形態の画像形成システム1の構成は、図1に例示した実施の形態1と同様である。
<端末装置の説明>
続いて、本実施の形態の端末装置2について説明する。
図9に示したネットワーク4に接続される端末装置2は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)が用いられ、文書や図形、グラフィック、写真等からなる画像データを作成・記憶する。
図9は、本実施の形態の端末装置2の構成を説明するブロック図である。図9に示したように、端末装置2は、命令生成装置および外部装置の一例であって、端末装置2全体の動作制御や各種の情報処理を行う制御部20、予め定めたアプリケーションソフトに従って画像データを作成する画像データ作成部24、ユーザからの指示入力の受付やユーザへの各種情報の表示を行う受付部の一例としてのユーザインタフェース(UI)部22を備えている。また、端末装置2は、プログラムや各種データ等が記憶される外部記憶部23、ネットワーク4との通信を行い、画像形成装置3から送信される情報を取得し、印刷命令等の情報を画像形成装置3に送信する通信部の一例としての通信部21を備えている。さらに、端末装置2は、端末装置2の各構成部に対し電力線27を介して電力を供給する電力供給部25を備えている。
この制御部20、画像データ作成部24、UI部22、外部記憶部23、通信部21、および電力供給部25は、PCIバス26に接続されている。それにより、これらの各構成部は、PCIバス26を介して相互に信号の送受信を行う。
通信部21は、制御部20とネットワーク4との間のデータ通信を制御する通信制御部211、通信制御部211とネットワーク4との間のデータの送受信を行うネットワークインターフェース(NET_I/F)部212、通信制御部211とPCIバス26との間のデータの送受信を行うPCIインターフェース(PCI_I/F)部213、画像形成命令(印刷命令:以下、「印刷ジョブ」)や画像形成装置3に対する各種ユーザ要求を記憶する記憶装置の一例としての情報記憶部215を備えている。情報記憶部215には識別情報の一例としてのアドレスが割り当てられている。
ここで、端末装置2の上記した構成部は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。具体的には、外部記憶部23に、端末装置2の各構成部を制御するためのオペレーティングシステム、オペレーティングシステムと協働して各構成部の特定の機能を実行するアプリケーションソフト、さらには、画像データ作成部24にて作成された画像データや外部記憶部23に記憶された画像データ等に関する画像形成装置3への印刷ジョブを生成するプリンタドライバプログラム等が記憶されている。そして、端末装置2の図示しないCPUが、これらのプログラムを外部記憶部23から主記憶装置(例えば、RAM)に読み込み、制御部20、画像データ作成部24、および通信部21等の各構成部の機能を実現する処理を行う。
そして、制御部20は、端末装置2においてユーザによりUI部22に印刷指示が入力されると、外部記憶部23からプリンタドライバプログラムを読み込み、起動させる。そして、画像形成命令(印刷ジョブ)を生成する命令生成部として機能する制御部20は、プリンタドライバプログラムに従って、画像データ作成部24にて作成された画像データや外部記憶部23に記憶された画像データ等に関する印刷ジョブの生成処理を実行する。本実施の形態の制御部20は、印刷ジョブを生成すると、生成した印刷ジョブを通信部21に設けられた情報記憶部215に転送する。
また、制御部20は、ユーザによりUI部22から画像形成装置3に対するユーザ要求の一例として設定変更要求や状態参照要求が入力されると、設定変更指示や状態参照指示の入力を受け付ける設定画面をUI部22に表示する。そして、設定画面にてユーザからの画像形成装置3に対する設定変更要求や状態参照要求等の入力を受け付ける。さらに、制御部20は、記憶制御手段の一例として機能し、設定画面にて受け付けた設定変更要求や状態参照要求等のユーザ要求を通信部21に設けられた情報記憶部215に転送して情報記憶部215に記憶させる。
この場合に、端末装置2が画像形成装置3から予め画像形成装置3の設定に関する禁則事項を取得しておくように構成してもよい。それにより、ユーザが設定画面にて画像形成装置3に対する設定変更要求の入力を行った場合に、入力された設定変更要求が画像形成装置3にて受け入れ可能か否かが端末装置2の制御部20において判定される。そして、入力された設定変更指示が禁則事項に反する場合には、制御部20は設定変更指示を受け付けない。また、例えば、入力された設定変更指示が画像形成装置3にて受け入れ不能である場合には、その旨をユーザに通知するように構成してもよい。
なお、この場合の「禁則事項」には、例えば、画像形成装置3におけるポート番号の指定に関する禁則事項や、タイムアウト時間の上限値や下限値に関する禁則事項等といった、端末装置2と画像形成装置3との間の情報の送受信に関連する規則に関する禁則事項が含まれる。
<端末装置の通信部での印刷ジョブや各種ユーザ要求の送信処理の説明>
端末装置2では、通信部21のNET_I/F部212が、画像形成装置3から印刷ジョブや各種ユーザ要求についての送信指示(以下、送信指示)を受信する。この場合に、画像形成装置3は、情報記憶部215に割り当てられたアドレスに基づき、端末装置2の情報記憶部215を特定する。送信指示を受信した通信制御部211は、画像形成装置3から送信指示された印刷ジョブや各種ユーザ要求が情報記憶部215に記憶されているか否かを判定する。そして、通信制御部211は、情報記憶部215に送信指示の対象となる印刷ジョブやユーザ要求が記憶されている場合には、画像形成装置3からの送信指示に応じて、情報記憶部215に記憶された印刷ジョブやユーザ要求をNET_I/F部212から画像形成装置3に送信するように制御する。一方、情報記憶部215に送信指示の対象となる印刷ジョブやユーザ要求が記憶されていない場合には、通信制御部211は、送信指示に対応する処理を終了する。
すなわち、通信制御部211は、印刷ジョブを生成した場合またはUI部22にて画像形成装置3に対する設定変更や状態参照等のユーザ要求を受け付けた場合には、印刷ジョブや各種ユーザ要求を一旦情報記憶部215に記憶しておく。そして、通信部21にて画像形成装置3から送信指示を受信した場合に、情報記憶部215に記憶された送信指示の対象とされた印刷ジョブやユーザ要求を画像形成装置3に送信する。
この場合に、画像形成装置3からは、端末装置2の通信制御部211を介して情報記憶部215に記憶された印刷ジョブや各種ユーザ要求がファイルとして認識される。そして、ユーザが画像形成装置3のUI部33(図10参照)からファイルとして認識される印刷ジョブや各種ユーザ要求を指定することで、印刷ジョブや各種ユーザ要求に関する「送信指示」が端末装置2に対して送信される。
なお、本実施の形態の端末装置2においては、印刷ジョブやユーザからの画像形成装置3に対する設定変更や状態参照等のユーザ要求を情報記憶部215に記憶するように設定したが、外部記憶部23に記憶しておくように設定してもよい。また、例えばネットワーク4に接続されたサーバ内に設けられた記憶装置に記憶しておくように構成してもよい。また、ネットワーク4に接続された他の端末装置に設けられた記憶装置に記憶しておくように構成してもよい。
<画像形成装置の説明>
次に、本実施の形態の画像形成装置3について説明する。
本実施の形態の画像形成装置3は、ユーザが画像形成装置3に印刷指示(画像形成指示)を行うことを契機として画像形成装置3が省電力状態から復帰し、端末装置2から画像形成の対象となる印刷ジョブを取得して、画像形成処理を実行する。すなわち、ユーザから画像形成装置3への印刷指示がない期間においては、画像形成装置3には消費電力が低減される省電力状態が設定される。それにより、端末装置2からの印刷ジョブを含むネットワーク4を介して送信される信号(パケット)の取得は停止される。その後、ユーザが画像形成装置3に印刷指示を行うと、画像形成装置3は省電力状態から動作可能状態(稼働状態)に復帰する。そして、画像形成装置3から印刷ジョブを保持(記憶)する端末装置2に印刷ジョブの送信指示を送信する。画像形成装置3は、端末装置2から印刷ジョブを取得した場合には、印刷ジョブに関する画像形成処理を実行する。画像形成処理が終了した場合、または、端末装置2から印刷ジョブが送信されない場合には、その後の予め定めた待機時間を経過してもユーザからの印刷指示が入力されなければ、再び省電力状態が設定される。それにより、画像形成装置3は、端末装置2からの印刷ジョブを含むネットワーク4を介したパケットの取得を停止する。
同様に、本実施の形態の画像形成装置3は、ユーザが画像形成装置3に各種ユーザ要求の送信指示を行うことを契機として画像形成装置3が省電力状態から復帰し、端末装置2からユーザからの画像形成装置3に対する設定変更や状態参照等のユーザ要求を取得して、画像形成装置3にユーザ要求を反映させる。
このように、本実施の形態の画像形成装置3においては、ユーザによる印刷指示や各種ユーザ要求の送信指示の入力を始点として動作可能状態が開始される。そして、端末装置2に対して印刷ジョブや各種ユーザ要求の送信指示を行う期間を経て、端末装置2から印刷ジョブを取得した場合には、取得した印刷ジョブについての画像形成処理の終了までの期間または画像形成処理の終了後の予め定めた時間が経過するまでの期間において動作可能状態が設定される。また、端末装置2から各種ユーザ要求を取得した場合には、画像形成装置3にユーザ要求を反映させる期間またはユーザ要求を反映した後の予め定めた時間が経過するまでの期間において動作可能状態が設定される。
一方、動作可能状態が設定された期間以外の期間においては省電力状態が設定される。そして、省電力状態では、ネットワーク4との通信を行う構成部も動作が停止され、ネットワーク4を介して送信される印刷ジョブを含む各種パケットの取得が停止される。
引き続いて、上記した動作を行う本実施の形態の画像形成装置3の構成について述べる。
図10は、本実施の形態の画像形成装置3の構成を説明するブロック図である。図10に示したように、画像形成装置3は、画像形成装置3全体の動作制御や画像処理を含む各種の情報処理を行う情報処理部の一例としての制御部30、ネットワーク4との通信を行って情報を送受信する通信部31を備えている。また画像形成装置3は、ユーザからの画像形成指示等の指示入力を受け付ける受付部の一例としての指示入力受付部331およびユーザへの各種情報の表示を行う表示部332を有するユーザインタフェース(UI)部33を備えている。
さらに、画像形成装置3は、ネットワーク4を介して端末装置2から送信される印刷ジョブに含まれる画像データに基づき、用紙上に画像を形成する画像形成部の一例としての画像出力部36を備えている。画像出力部36としては、例えば電子写真方式の画像形成エンジンが用いられる。
加えて、画像形成装置3は、画像形成装置3の各構成部を制御するためのオペレーティングシステム、オペレーティングシステムと協働して各構成部の特定の機能を実行するアプリケーションソフト等の各種のプログラムや、画像データ等の各種のデータが記憶される外部記憶部39を備えている。
また、画像形成装置3は、商用電源から供給される例えば100Vの電力を予め定めた電圧(例えば、24V,12V,5V,3V)に変換して各構成部に供給する電力供給部の一例としての電力供給部38を備えている。電力供給部38には、制御部30や通信部31等への例えば電圧5Vや3Vの制御系電力を供給する第1電力線351と、画像出力部36等への例えば電圧24Vや12Vの駆動系電力を供給する第2電力線352と、UI部33の指示入力受付部331への制御系電力を供給する第3電力線353とが接続されている。
そして、電力供給部38は、制御部30にて設定される画像形成装置3の動作モード(動作状態)に応じて、第1電力線351への制御系電力の供給や停止を設定し、第2電力線352への駆動系電力の供給や停止を設定する。それに対し、電力供給部38は、第3電力線353への制御系電力は常時供給する。
ところで、画像形成装置3に配置された上記の制御部30、通信部31、画像出力部36、UI部33、外部記憶部39、および電力供給部38は、PCIバス37に接続されている。それにより、これらの各構成部は、PCIバス37を介して相互に信号の送受信を行う。
また、画像形成装置3の上記した構成部は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。具体的には、画像形成装置3の図示しないCPUが、オペレーティングシステムやアプリケーションソフト等の各種のプログラムを外部記憶部39から主記憶装置(例えば、RAM)に読み込み、制御部30、通信部31、およびUI部33等の各構成部の機能を実現する処理を行う。
<画像形成装置の制御部の機能の説明>
次に、画像形成装置3の制御部30の機能について説明する。
画像形成装置3の制御部30は、まず、ネットワーク4を介して取得した印刷ジョブを処理する機能を有する。すなわち、制御部30は、ネットワーク4を介して例えば端末装置2から取得した印刷ジョブに従って印刷ジョブに含まれる画像データに処理(画像処理)を施し、処理済みの画像データを画像出力部36に転送する。
また、制御部30は、ユーザによるUI部33からの印刷指示の入力状況に応じて、画像形成装置3の動作モード(動作状態)を制御する機能を有する。図11は、本実施の形態の画像形成装置3にて設定される動作モードを説明する図である。図11に示したように、各画像形成装置3には、動作モードとして、稼働状態の一例である「画像形成動作モード」および「スタンバイモード」と、省電力状態の一例である「スリープモード」とが設定される。
画像形成動作モードは、UI部33にてユーザから印刷指示入力があった場合に設定され、画像出力部36にて画像データに関する用紙上への画像形成動作を実行している動作状態である。またスタンバイモードは、UI部33にてユーザから入力される印刷指示入力に応じて直ちに画像形成動作モードに移行する動作状態である。画像形成動作モードやそれに準ずるスタンバイモードでは、電力供給部38から第1電力線351を介して画像形成装置3内の制御・処理に関する動作を行う構成部に制御系電力が供給され、第2電力線352を介して画像形成装置3内の画像形成に関する動作を行う構成部に駆動系電力が供給される。
スリープモードは、例えばスタンバイモードが設定された後の予め定めた時間長の待機時間Tを経過してもUI部33からの印刷指示入力がない場合に設定される動作状態である。スリープモードでは、UI部33の指示入力受付部331だけが動作を継続し、制御部30や通信部31、UI部33の表示部332、さらには画像出力部36等の構成部は動作を停止する。すなわち、スリープモードにおいては、電力供給部38から第3電力線353を介した指示入力受付部331への制御系電力の供給が行われる。また、電力供給部38から第1電力線351を介した画像形成装置3内の制御・処理に関する動作を行う構成部への制御系電力が停止され、第2電力線352を介した画像形成装置3内の画像形成に関する動作を行う構成部への駆動系電力が停止される。それにより、スリープモードでは高い省電力効果が得られる。
制御部30は、例えばスタンバイモードが設定された後の待機時間Tを経過しても指示入力受付部331から印刷指示が入力されない場合には、スリープモードへの移行を指示するスリープモード移行信号を生成する。なお、ここでの待機時間Tは“0”も含み、スタンバイモードが設定された直後にスリープモード移行信号を生成してもよい。
一方、スリープモードが設定された状態で指示入力受付部331から印刷指示が入力された場合には、制御部30に対して電力供給部38が第1電力線351から制御系電力の供給を開始する。それにより、制御部30が停止状態から復帰する。そして、復帰した制御部30は、指示入力受付部331からのユーザによる印刷指示や各種ユーザ要求に関する送信指示の入力に対応して、スリープモードからの復帰を指示するスリープモード復帰信号を生成する。
そして、制御部30は、生成したスリープモード移行信号またはスリープモード復帰信号をPCIバス37を介して電力供給部38に送信する。電力供給部38が制御部30からスリープモード移行信号を取得した場合には、第1電力線351からの制御系電力の供給を停止し、第2電力線352からの駆動系電力の供給を停止する。それにより、指示入力受付部331以外の構成部は動作を停止する。
また、電力供給部38が制御部30からスリープモード復帰信号を取得した場合には、第1電力線351からの制御系電力の供給を開始し、第2電力線352からの駆動系電力の供給を開始する。それにより、制御部30や通信部31、さらには画像出力部36等といった画像形成処理に関連する構成部が動作可能状態(稼動状態)に設定される。
<画像形成装置の通信部の説明>
続いて、画像形成装置3の通信部31について説明する。
画像形成装置3の通信部31は、画像形成動作モードおよびスタンバイモードの設定時においてネットワーク4との間でデータ通信を行う。通信部31は、上記の図10に示したように、制御部30とネットワーク4との間のデータ通信を制御する通信制御部311、通信制御部311とネットワーク4との間のデータの送受信を行うネットワークインターフェース(NET_I/F)部312、通信制御部311とPCIバス37との間のデータの送受信を行うPCIインターフェース(PCI_I/F)部313を備えている。
また、通信部31は、指示入力受付部331にてユーザから印刷指示や各種ユーザ要求に関する送信指示の入力があった場合に、印刷ジョブや各種ユーザ要求を取得する取得先対象となる端末装置2の情報記憶部215のアドレスを記憶するアドレス記憶部316を備えている。
アドレス記憶部316は、印刷ジョブや各種ユーザ要求の送信を要求する対象(取得先)となる例えばネットワーク4に接続された1または複数の端末装置2に備えられた情報記憶部215のアドレスを記憶する。アドレス記憶部316へのアドレスの設定方法の具体例としては、ユーザが指示入力受付部331を用いてアドレス記憶部316に入力する方法がある。また、通信制御部311が例えばネットワーク4に接続された1または複数の端末装置2から情報記憶部215のアドレスを取得し、アドレス記憶部316に記憶する方法がある。また、端末装置2がネットワーク4を介してアドレス記憶部316に登録する方法がある。その他にも、例えばネットワーク4に接続されたサーバ(不図示)に端末装置2の情報記憶部215のアドレスを記憶しておき、サーバから一括してアドレス記憶部316に端末装置2の情報記憶部215のアドレスを設定する方法等、様々な設定方法等が用いられる。
<画像形成システムでの画像形成処理の手順の説明>
本実施の形態の画像形成システム1での画像形成処理の手順を説明する。
本実施の形態の画像形成システム1において、端末装置2にて生成された印刷ジョブを画像形成装置3にて画像形成処理する場合には、ユーザがUI部33(指示入力受付部331)から印刷指示を入力する。それにより、画像形成装置3はスリープモードからスタンバイモードに復帰する。そして、スタンバイモードに復帰した画像形成装置3は端末装置2の情報記憶部215に割り当てられたアドレスを指定して、端末装置2に対して印刷ジョブの送信を要求する。画像形成装置3から印刷ジョブの送信指示を受けた端末装置2は、画像形成装置3に対して情報記憶部215に記憶された印刷ジョブを送信する。画像形成装置3は端末装置2から印刷ジョブを受け取ると、スタンバイモードから画像形成動作モードに移行して、印刷ジョブに関する画像形成処理を実行する。その後、画像形成処理を終了すると、画像形成装置3は画像形成動作モードからスタンバイモードに移行する。そして、スタンバイモードの移行後に待機時間Tを経過しても印刷指示入力がない場合には、画像形成装置3に再びスリープモードが設定される。
それにより、画像形成装置3では、印刷ジョブの送信を要求している期間および印刷ジョブに関する画像形成処理を実行する期間、さらに場合によっては画像形成処理の終了後の予め定められた期間を除いた期間においては、UI部33の指示入力受付部331を除き、画像出力部36等の画像形成機能部、制御部30や通信部31等の構成部の動作が停止されるスリープモードが設定される。そのため、スリープモードの設定期間中の画像形成装置3での消費電力は、主として指示入力受付部331にて消費される電力だけとなる。また、通信部31の動作が停止されるので、ネットワーク4を介して送信される印刷ジョブを含む各種パケットの取得が停止される。
次の図12は、本実施の形態の画像形成システム1にて行われる画像形成処理の手順の一例を説明するシーケンス図である。
図12に示したように、ユーザが画像形成装置3のUI部33(指示入力受付部331)から、端末装置2の情報記憶部215に割り当てられたアドレスを指定して印刷指示入力を行うと(A)、スリープモード(停止状態)に設定された画像形成装置3は、スリープモードからスタンバイモード(稼動状態)に復帰する(B)。そして、スタンバイモードが設定された画像形成装置3は、指定されたアドレスの情報記憶部215を備えた端末装置2に対して印刷ジョブの送信を指示する(C)。なおこの場合に、ユーザが画像形成装置3のUI部33からファイルとして認識される情報記憶部215内の印刷ジョブを指定することで、印刷ジョブに関する送信指示が端末装置2に対して送信される構成を採用してもよい。
画像形成装置3から印刷ジョブの送信指示を受けた端末装置2は、送信指示対象となる印刷ジョブを情報記憶部215から画像形成装置3に対して送信する(D)。
端末装置2から印刷ジョブの送信を受けた画像形成装置3は、画像形成動作モード(稼動状態)に移行し(E)、印刷ジョブに関する画像形成処理を開始する(F)。そして、画像形成装置3は、画像形成処理を終了すると(G)、動作モードをスタンバイモードに移行させる(H)。その後、予め定めた待機時間Tを経過してもUI部33からの印刷指示入力がない場合には、画像形成装置3は、動作モードをスリープモードに移行させる(I)。
ただし、(D)にて画像形成装置3に印刷ジョブが送信されない場合には、(E)〜(H)は実行されず、その後、予め定めた待機時間Tを経過してもUI部33からの印刷指示入力がない場合には、画像形成装置3は、動作モードをスリープモードに移行させる(J)。
<画像形成装置に対する設定変更処理の手順の説明>
次の図13は、本実施の形態の画像形成システム1にて行われる画像形成装置に対する設定変更処理の手順の一例を説明するシーケンス図である。
図13に示したように、ユーザが画像形成装置3のUI部33(指示入力受付部331)から、端末装置2の情報記憶部215に割り当てられたアドレスを指定してユーザ要求の送信指示の入力を行うと(A)、スリープモード(停止状態)に設定された画像形成装置3は、スリープモードからスタンバイモード(稼動状態)に復帰する(B)。そして、スタンバイモードが設定された画像形成装置3は、指定されたアドレスの情報記憶部215を備えた端末装置2に対してユーザ要求の送信を指示する(C)。なおこの場合に、ユーザが画像形成装置3のUI部33からファイルとして認識される情報記憶部215内のユーザ要求を指定することで、ユーザ要求に関する送信指示が端末装置2に対して送信される構成を採用してもよい。
画像形成装置3からユーザ要求の送信指示を受けた端末装置2は、画像形成装置3に対して送信指示対象のユーザ要求を送信する(D)。
端末装置2からユーザ要求の送信を受けた画像形成装置3は、端末装置2から取得したユーザ要求を画像形成装置3に反映させる(F)。この場合には、制御部30は反映部として機能する。その際に、画像形成装置3は、ユーザ要求を画像形成装置3に反映させたことを端末装置2に通知してもよい。その場合には、通知を受けた端末装置2は、画像形成装置3に送信したユーザ要求が画像形成装置3に反映させたことを、例えばUI部22にユーザに対するメッセージとして表示してもよい。
そして、画像形成装置3は、画像形成装置3へのユーザ要求の反映を終了すると(G)、予め定めた待機時間Tを経過してもUI部33からの印刷指示入力やユーザ要求に関する送信指示の入力がない場合には、画像形成装置3は、動作モードをスリープモードに移行させる(I)。
ただし、(D)にて画像形成装置3にユーザ要求が送信されない場合には、(F)〜(G)は実行されず、その後、予め定めた待機時間Tを経過してもUI部33からの印刷指示入力やユーザ要求に関する送信指示入力がない場合には、画像形成装置3は、動作モードをスリープモードに移行させる(J)。
なお、状態参照に関するユーザ要求を処理する際の手順も、同様である。
<画像形成装置での画像形成処理の説明>
図14は、本実施の形態の画像形成装置3が画像形成処理を実行する際の処理内容の一例を示すフローチャートである。
図14に示したように、画像形成装置3では、UI部33(指示入力受付部331)がユーザからの印刷指示の入力を監視する(ステップ501)。ユーザからの印刷指示入力が無い場合には、そのまま印刷指示の入力の監視を継続する(ステップ501でNo)。
一方、UI部33(指示入力受付部331)がユーザからの印刷指示入力を受け付けると(ステップ501でYes)、画像形成装置3にスリープモードが設定されている場合には(ステップ502でYes)、電力供給部38は制御部30への制御系電力の供給を開始する(ステップ503)。それにより、制御部30は停止状態から復帰して、画像形成装置3をスタンバイモードに移行させる(ステップ504)。
制御部30は、スタンバイモードへの移行の後、通信部31のアドレス記憶部316にアドレスが記憶された端末装置2の情報記憶部215に向けて、印刷ジョブ送信指示を要求部として機能する通信部31から送信する(ステップ505)。
一方、画像形成装置3にスリープモードが設定されていない場合(ステップ502でNo)、すなわち、画像形成装置3に既にスタンバイモードまたは画像形成動作モードが設定されている場合には、制御部30は、通信部31のアドレス記憶部316にアドレスが記憶された端末装置2の情報記憶部215に向けて、直ちに通信部31から印刷ジョブ送信指示を送信する(ステップ505)。
端末装置2が画像形成装置3からの印刷ジョブ送信指示に応じて印刷ジョブを送信すると(ステップ506でYes)、通信部31が端末装置2からの印刷ジョブを取得して、取得した印刷ジョブを制御部30に転送する(ステップ507)。
制御部30は、画像形成装置3を画像形成動作モードに移行させる(ステップ508)。さらに、制御部30は、転送された印刷ジョブに画像処理を施し、これを画像出力部36に転送する(ステップ509)。それにより、画像出力部36は、印刷ジョブに関する画像形成処理を実行する(ステップ510)。
画像出力部36での印刷ジョブに関する画像形成処理が終了すると、制御部30は、画像形成装置3をスタンバイモードに移行させる(ステップ511)。また、スタンバイモードに移行させると同時に、制御部30は時間の計測を開始する(ステップ512)。
一方、印刷ジョブが情報記憶部215に記憶されていない等の理由で、端末装置2が画像形成装置3からの印刷ジョブ送信指示に応じて印刷ジョブを送信しない場合には(ステップ506でNo)、ステップ512に移り、制御部30は時間の計測を開始する。
計測された時間が予め定めた待機時間を経過すると(ステップ513でYes)、制御部30は、画像形成装置3をスリープモードに移行させる(ステップ514)。
一方、計測された時間が予め定めた待機時間を経過するまでは(ステップ513でNo)、ステップ501に戻って、UI部33(指示入力受付部331)にて印刷指示の入力の監視を継続することとなる。
このように、本実施の形態の画像形成装置3においては、ユーザが画像形成装置3に印刷指示を行うことを契機として動作可能状態(稼動状態)が設定される。そして、端末装置2から画像形成の対象となる印刷ジョブを取得し、画像形成処理を実行する。また、画像形成装置3は、画像形成処理が終了した場合、または、端末装置2から印刷ジョブが取得されない場合には、再び省電力状態が設定される。省電力状態では、通信部31の動作が停止するので、制御部30内のCPUがネットワーク4を介して送信される処理の必要のないパケットにより起動されることが抑制される。加えて、省電力状態での消費電力は、主として指示入力受付部331にて消費される電力だけとなる。それによって、画像形成装置3での高い省電力効果が得られる。
<画像形成装置での設定変更の反映処理の説明>
図15は、本実施の形態の画像形成装置3が端末装置2からの設定変更を反映させる処理を実行する際の処理内容の一例を示すフローチャートである。
図15に示したように、画像形成装置3では、UI部33(指示入力受付部331)がユーザからの設定変更に関する画像形成装置3への反映指示の入力を監視する(ステップ601)。設定変更に関するユーザからの反映指示の入力が無い場合には、そのままユーザからの反映指示の入力の監視を継続する(ステップ601でNo)。
一方、UI部33(指示入力受付部331)が設定変更に関するユーザからの反映指示を受け付けると(ステップ601でYes)、画像形成装置3にスリープモードが設定されている場合には(ステップ602でYes)、電力供給部38は制御部30への制御系電力の供給を開始する(ステップ603)。それにより、制御部30は停止状態から復帰して、画像形成装置3をスタンバイモードに移行させる(ステップ604)。
制御部30は、スタンバイモードへの移行の後、通信部31のアドレス記憶部316にアドレスが記憶された端末装置2の情報記憶部215に向けて、設定変更に関するユーザ要求の送信指示を要求部として機能する通信部31から送信する(ステップ605)。
一方、画像形成装置3にスリープモードが設定されていない場合(ステップ602でNo)、すなわち、画像形成装置3に既にスタンバイモードまたは画像形成動作モードが設定されている場合には、制御部30は、通信部31のアドレス記憶部316にアドレスが記憶された端末装置2の情報記憶部215に向けて、直ちに通信部31から設定変更に関するユーザ要求の送信指示を送信する(ステップ605)。
端末装置2が画像形成装置3からのユーザ要求送信指示に応じてユーザ要求を送信すると(ステップ606でYes)、通信部31が端末装置2からのユーザ要求を取得して、取得したユーザ要求を制御部30に転送する(ステップ607)。そして、制御部30は、設定変更に関するユーザ要求を画像形成装置3に反映させる(ステップ608)。この場合には、制御部30は反映部として機能する。
設定変更に関する画像形成装置3への反映が終了すると、制御部30は時間の計測を開始する(ステップ609)。
一方、指定されたファイル名の設定変更に関するユーザ要求が情報記憶部215に記憶されていない等の理由で、端末装置2が画像形成装置3からのユーザ要求送信指示に応じて印刷ジョブを送信しない場合には(ステップ606でNo)、ステップ609に移り、制御部30は時間の計測を開始する。
計測された時間が予め定めた待機時間を経過すると(ステップ610でYes)、制御部30は、画像形成装置3をスリープモードに移行させる(ステップ611)。
一方、計測された時間が予め定めた待機時間を経過するまでは(ステップ610でNo)、ステップ601に戻って、UI部33(指示入力受付部331)にてユーザからの設定変更に関する画像形成装置3への反映指示の入力の監視を継続することとなる。
なお、画像形成装置3が端末装置2からの状態参照に関するユーザ要求を取得した場合にも、上記図15と同様の手順で処理される。この場合には、上記のステップ608において、制御部30は、端末装置2に画像形成装置3の状態(ステータス)を送信する処理を行うこととなる。
<端末装置での印刷ジョブの送信処理の説明>
図16は、本実施の形態の端末装置2が画像形成装置3に印刷ジョブを送信する際の処理内容の一例を示すフローチャートである。
図16に示したように、本実施の形態の端末装置2は、通信部21が画像形成装置3から送信される印刷ジョブ送信指示を監視する(ステップ701)。画像形成装置3からの印刷ジョブ送信指示が無い場合には、そのまま印刷ジョブ送信指示の監視を継続する(ステップ701でNo)。
一方、通信部21が画像形成装置3から印刷ジョブ送信指示を取得すると(ステップ701でYes)、通信制御部211は、印刷ジョブが情報記憶部215に記憶されているか否かを判定する(ステップ702)。
通信制御部211は、印刷ジョブ記憶部26に印刷ジョブが記憶されていると判定した場合には(ステップ702でYes)、情報記憶部215に記憶された印刷ジョブをNET_I/F部212から画像形成装置3に送信する(ステップ703)。
一方、通信制御部211は、情報記憶部215に印刷ジョブが記憶されていないと判定した場合には(ステップ702でNo)、印刷ジョブ送信指示に応じた処理を終了し、ステップ701に戻って、印刷ジョブ送信指示の監視を継続する。
このように、本実施の形態の端末装置2においては、画像形成装置3から印刷ジョブの送信指示があったことを契機として、情報記憶部215に記憶された印刷ジョブを画像形成装置3に送信する。一方、画像形成装置3から印刷ジョブの送信指示が無い場合には、情報記憶部215に印刷ジョブを記憶していても、印刷ジョブを画像形成装置3に送信しない。それにより、画像形成装置3は、ユーザからの印刷指示があった際にだけ端末装置2から印刷ジョブを受け取るため、通信部31を常時動作させておく必要が無くなり、消費電力が低減される。
<端末装置での設定変更に関するユーザ要求の送信処理の説明>
図17は、本実施の形態の端末装置2が画像形成装置3に設定変更に関するユーザ要求を送信する際の処理内容の一例を示すフローチャートである。
図17に示したように、本実施の形態の端末装置2は、通信部21が画像形成装置3から送信される設定変更に関するユーザ要求の送信指示を監視する(ステップ801)。画像形成装置3からの設定変更に関するユーザ要求の送信指示が無い場合には、そのままユーザ要求の送信指示の監視を継続する(ステップ801でNo)。
一方、通信部21が画像形成装置3から設定変更に関するユーザ要求の送信指示を取得すると(ステップ801でYes)、通信制御部211は、ユーザ要求が情報記憶部215に記憶されているか否かを判定する(ステップ802)。
通信制御部211は、情報記憶部215にユーザ要求が記憶されていると判定した場合には(ステップ802でYes)、情報記憶部215に記憶された設定変更に関するユーザ要求をNET_I/F部212から画像形成装置3に送信する(ステップ803)。
一方、通信制御部211は、情報記憶部215にユーザ要求が記憶されていないと判定した場合には(ステップ802でNo)、印刷ジョブ送信指示に応じた処理を終了し、ステップ801に戻って、印刷ジョブ送信指示の監視を継続する。
なお、状態参照に関するユーザ要求を送信処理する際の手順も、同様である。
このように、本実施の形態の端末装置2においては、画像形成装置3からユーザからの画像形成装置3に対する設定変更や状態参照等のユーザ要求の送信指示があったことを契機として、情報記憶部215に記憶されたユーザ要求を画像形成装置3に送信する。一方、画像形成装置3からユーザ要求の送信指示が無い場合には、情報記憶部215にユーザ要求を記憶していても、ユーザ要求を画像形成装置3に送信しない。それにより、画像形成装置3は、通信部31を常時動作させておく必要が無くなり、消費電力が低減される。
なお、端末装置2の情報記憶部215に複数の異なるユーザ要求が記憶されている場合には、通信制御部211は、予め定めた規則に従って画像形成装置3に送信する1のユーザ要求を選択するように構成してもよい。例えば、ユーザ要求が作成された日時順に選択する方法がある。また、ユーザ要求が作成された日時が最も早いものまたは最も遅いものを選択する方法がある。また、作成者の重要度の高いものだけを選択する方法もある。
上記したように、本実施の形態の画像形成システム1に接続される画像形成装置3では、画像形成装置3に対する設定変更や状態参照等に関するユーザ要求を反映させる指示があったことを契機として、端末装置2の情報記憶部215に記憶されたユーザ要求を画像形成装置3に送信する。そのため、画像形成装置3にスリープモードが設定された期間においても、端末装置2は画像形成装置3に対するユーザ要求を受け付け、画像形成装置3に対する設定変更や状態参照の処理を円滑に行う。
本実施の形態の画像形成システムの構成例を示す図である。 実施の形態1の端末装置の構成を説明するブロック図である。 実施の形態1の画像形成装置の構成を説明するブロック図である。 実施の形態1の画像形成装置にて設定される動作モードを説明する図である。 実施の形態1の電源状態制御部が通信部の電源状態を制御する際の処理内容の一例を示したフローチャートである。 実施の形態1の電源状態制御部が実行する通信部の電源状態の制御処理の内容の一例を示したフローチャートである。 実施の形態1の端末装置の通信部が行う印刷ジョブの送信処理の内容の一例を示したフローチャートである。 実施の形態1の端末装置の制御部が行う設定変更処理の内容の一例を示したフローチャートである。 実施の形態2の端末装置の構成を説明するブロック図である。 実施の形態2の画像形成装置の構成を説明するブロック図である。 実施の形態2の画像形成装置にて設定される動作モードを説明する図である。 実施の形態2の画像形成システムにて行われる画像形成処理の手順の一例を説明するシーケンス図である。 実施の形態2の画像形成システムにて行われる画像形成装置に対する設定変更処理の手順の一例を説明するシーケンス図である。 実施の形態2の画像形成装置が画像形成処理を実行する際の処理内容の一例を示すフローチャートである。 実施の形態2の画像形成装置が端末装置からの設定変更を反映させる処理を実行する際の処理内容の一例を示すフローチャートである。 実施の形態2の端末装置が画像形成装置に印刷ジョブを送信する際の処理内容の一例を示すフローチャートである。 実施の形態2の端末装置が画像形成装置に設定変更に関するユーザ要求を送信する際の処理内容の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
1…画像形成システム、2…端末装置、3…画像形成装置、4…ネットワーク、20…制御部、21…通信部、22…ユーザインタフェース(UI)部、24…画像データ作成部、30…制御部、31…通信部、32…電源状態制御部、36…画像出力部、38…電力供給部、211,311…通信制御部、214…通信状態判定部、215…情報記憶部、316…アドレス記憶部、321…タイマ

Claims (10)

  1. 画像形成命令を生成する命令生成装置と、
    前記命令生成装置との通信を行う通信部を稼動状態と停止状態とに設定し、当該通信部を稼動状態に設定した場合に当該命令生成装置から前記画像形成命令を取得して当該画像形成命令を実行するプリンタ装置と、
    前記プリンタ装置の外部に配置され、当該プリンタ装置の設定に対するユーザからの変更要求または当該プリンタ装置の状態に関するユーザからの参照要求を当該プリンタ装置に対するユーザ要求として記憶する記憶装置とを有し、
    前記命令生成装置は、前記プリンタ装置に対する前記ユーザ要求の入力を受け付け、当該ユーザ要求を前記記憶装置に記憶させ、
    前記プリンタ装置は、前記通信部を稼動状態に設定した場合に前記ユーザ要求を前記記憶装置から取得し、取得した当該ユーザ要求を当該プリンタ装置にて反映させることを特徴とする画像形成システム。
  2. 前記プリンタ装置は、
    前記画像形成命令を実行して画像を形成する画像形成部と、
    前記画像形成部での画像形成を指示するユーザからの指示入力を受け付ける受付部と、
    前記受付部にて前記指示入力を受け付けた場合に前記通信部を稼働状態に設定し、当該通信部から前記命令生成装置に対して前記画像形成命令の送信を要求する要求部と
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
  3. 前記プリンタ装置は、
    前記通信部から受信した前記画像形成命令を処理する情報処理部と、
    前記通信部および前記情報処理部に電力を供給する電力供給部と、
    前記電力供給部が前記情報処理部への電力供給を停止した場合に、当該電力供給部から前記通信部への電力を供給と停止とに交互に切換制御して当該通信部に稼動状態と停止状態とを設定する電力制御部と
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
  4. 前記命令生成装置は、前記プリンタ装置の設定に関する禁則事項を保持し、受け付けた前記ユーザ要求が当該禁則事項に反する場合には、当該ユーザ要求を受け付けないことを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
  5. 前記プリンタ装置は、前記ユーザ要求を当該プリンタ装置に反映させた場合に、その旨を前記命令生成装置に通知することを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
  6. 稼動状態と停止状態とが設定され、当該稼動状態が設定された場合に外部装置との通信を行う通信部と、
    前記通信部にて取得された画像形成命令に従って当該画像形成命令を実行する画像形成部と、
    前記通信部が稼動状態に設定された場合に当該装置の設定に対するユーザからの変更要求または当該装置の状態に関するユーザからの参照要求を前記外部装置から取得し、取得した当該ユーザ要求を当該装置にて反映させる反映部と
    を備えたことを特徴とするプリンタ装置。
  7. 前記画像形成部での画像形成を指示するユーザからの指示入力を受け付ける受付部と、当該受付部にて当該指示入力を受け付けた場合に前記通信部を稼動状態に設定し、当該通信部を介して当該画像形成部にて実行される前記画像形成命令の送信を要求する要求部とをさらに備えたことを特徴とする請求項6記載のプリンタ装置。
  8. 前記通信部にて取得された前記画像形成命令を処理する情報処理部と、当該通信部および当該情報処理部に電力を供給する電力供給部と、当該電力供給部が当該情報処理部への電力供給を停止した場合に当該電力供給部から前記通信部への電力を供給と停止とに交互に切換制御して当該通信部にて稼動状態と停止状態とを設定する電力制御部とをさらに備えたことを特徴とする請求項6記載のプリンタ装置。
  9. 画像形成命令を生成する命令生成部と、
    前記命令生成部にて生成された前記画像形成命令を実行するプリンタ装置との通信を行う通信部と、
    前記プリンタ装置の設定に対するユーザからの変更要求または当該プリンタ装置の状態に関するユーザからの参照要求を当該プリンタに対するユーザ要求として受け付ける受付部と、
    前記受付部にて受け付けた前記ユーザ要求を記憶装置に記憶させる記憶制御手段とを備え、
    前記通信部は、前記プリンタ装置との通信が可能状態となった場合に、前記記憶装置に記憶された前記ユーザ要求を当該プリンタ装置に送信することを特徴とする命令生成装置。
  10. 前記受付部は、受け付けた前記ユーザ要求が前記プリンタ装置の設定に関する禁則事項に反する場合には、当該ユーザ要求を受け付けないことを特徴とする請求項9記載の命令生成装置。
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