JP2010145289A - 探知測距装置および探知測距装置の設計方法 - Google Patents

探知測距装置および探知測距装置の設計方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数のセンサ素子を備える探知測距装置の設計を容易にする。
【解決手段】K個の受信素子が等間隔で配置されたセンサアレイのアレイファクタ多項式を、第1および第2の多項式に分解する。第1の多項式に基づいて、M個の送信素子の配置が決定される。第2の多項式に基づいて、N個の受信素子の配置が決定される。K=M×Nである。
【選択図】図18

Description

本発明は、探知測距装置および探知測距装置の設計方法に係わり、例えば、複数のセンサ素子を利用して対象物が位置する方向を推定する探知測距装置にも適用可能である。
従来より、電波(例えば、ミリ波)、音波、或いは光を利用して、装置と対象物との視線方向相対距離、視線方向相対速度、及び方向(以下、単に距離、速度、方向、或いは一括して、対象物諸元、と記す)を推定する探知測距装置が知られている。この種の探知測距装置は、装置のカバーする探知領域にプローブ信号を放射し、領域内に対象物が存在した場合、先のプローブ信号が対象物に反射されてエコー信号が生成されるので、このエコー信号を解析することによって対象物の方向、距離、速度などを推定する。このうち、対象物の方向については、複数のセンサ素子を適切な間隔を隔てて配置しておき、各センサ素子で受信されるエコー信号の位相、およびセンサ素子の配置間隔などに基づいて推定を行う探知測距装置がある。
一般に、上記の様な機能を持つ探知測距装置で対象物を精度良く探知するためには、多数のセンサ素子を備えた装置を用いる事が望ましいが、例えばこの装置が自動車などに搭載される場合、多数のセンサの実装と背反する条件(即ち、装置サイズの小型化)が要求される。そして、この矛盾する要求に答えるための構成が下記の文献により提案されている。
特許文献1に記載のホログラフィックレーダにおいては、発振器で生成された高周波信号は、複数の送信アンテナを介してプローブ信号として送信され、これらが対象物で反射されることで生じたエコー信号が複数の受信アンテナで受信される。そして、得られた複数の受信信号に対して信号処理を行うことにより、対象物を探知する。上記構成においては、複数の送信アンテナおよび複数の受信アンテナを、それぞれ時間分割多重方式で適切に切り替えることにより、受信アンテナの個数を増やした構成と同等の特性が得られる。
特許文献2には、N個のアンテナ素子を備えたレーダ装置が記載されているが、このレーダ装置は、アンテナアレイの最外縁に配置されているアンテナ素子1、Nが交互に送信アンテナとして使用され、残りのN−1個のアンテナ素子が受信アンテナとして使用される。これにより、実効的な受信アンテナの個数が、物理的な個数(即ち、実際の個数)の2倍に拡大する。
特開2000−155171号公報 特開2006−98181号公報
探知測距装置の性能およびサイズは、センサ素子(または、アンテナ素子)の個数および配置に依存する。しかし、従来技術においては、要求される性能および/またはサイズを満たすような設計を理論的な一貫性をもって行う方法は知られていなかった。すなわち、従来は、送信センサおよび受信センサの個数および配置を、個別のケース毎に具体的に考えて試行錯誤的に決定していた。その結果、実験装置を試作した後になって、期待した特性が実現できていないことが明らかになる場合も散見され、適切な設計を行う迄に大きな労力を要していた。
また、上述の特許文献1、2に記載の構成は、送信アンテナおよび/または受信アンテ
ナを切り替えるためのスイッチ回路を備えており、このスイッチ回路において信号が減衰するので、対象物諸元の推定精度、即ち、探知精度が劣化するおそれがある。
本発明の課題は、複数のセンサ素子を備える探知測距装置の設計を容易にすることである。また、本発明の他の課題は、対象物諸元の推定精度(以下、単に探知精度と記す)の高い探知測距装置の小型化を図ることである。
開示の方法は、M個の送信素子およびN個の受信素子を備える探知測距装置を設計する方法であって、K素子センサアレイのアレイファクタを表す希望多項式を、M素子センサアレイのアレイファクタを表す第1の多項式およびN素子センサアレイのアレイファクタを表す第2の多項式に分解し、前記第1の多項式に基づいて前記M個の送信素子の配置を決定し、前記第2の多項式に基づいて前記N個の受信素子の配置を決定する(K=M×N)。
この方法によれば、所望の特性を表す希望多項式が入力されると、その希望多項式を分解することにより、M個の送信素子の配置およびN個の受信素子の配置が決まる。
開示の探知測距装置は、プローブ信号を送信するM個の送信素子と、対象物からのエコー信号を受信するN個の受信素子と、前記N個の受信素子の出力信号を利用して前記対象物の諸元(距離、速度、方向)の少なくとも1つを算出する算出手段、とを備え、前記M個の送信素子の中の第1の送信素子と前記N個の受信素子の中のいずれか1つの受信素子との間の間隔がαdであり、前記M個の送信素子の中の第2の送信素子と前記N個の受信素子の中のいずれか1つの受信素子との間の間隔がβdであり、他の互いに隣接する素子間の間隔は、dまたはdの整数倍である(α+β=1)。
開示の他の探知測距装置は、プローブ信号を送信するM個の送信素子と、対象物からのエコー信号を受信するN個の受信素子と、前記N個の受信素子の出力信号を利用して前記対象物の諸元(距離、速度、方向)の少なくとも1つを算出する算出手段、とを備え、前記N個の受信素子の中の第1の受信素子と前記M個の送信素子の中のいずれか1つの送信素子との間の間隔がαdであり、前記N個の受信素子の中の第2の受信素子と前記M個の送信素子の中のいずれか1つの送信素子との間の間隔がβdであり、他の互いに隣接する素子間の間隔は、dまたはdの整数倍である(α+β=1)。
これらの構成においては、M+N個(送信/受信共用の素子を用いて良い場合の素子数は、max(M、N)個であるが、以下、誤解が無い場合には特に断らない。)の素子を用いることで、等価的にM×N個の受信素子を備えたセンサアレイが実現される。また、センサ素子間隔の1つがαdであり、センサ素子間隔の1つがβdであるので(α+β=1)、探知測距装置のサイズを小さくすることができる。特に、センサを同一直線上に配置した場合、M×N個の等価的受信センサアレイは、応用上重要な等間隔センサアレイとなる。
開示の方法によれば、複数のセンサ素子を備える探知測距装置の設計が容易になる。また、開示の構成によれば、探知精度の高い探知測距装置の小型化が実現される。
図1は、実施形態の探知測距装置に於ける回路部分の具体的構成例として、レーダ装置を示した図である。この探知測距装置は、複数の送信素子VT1、VT2、および複数の受信素子VR1〜VRNを備える。なお、図1では、2個の送信素子を備える構成を示すが、実施形態の探知測距装置は、3個以上の送信素子を備えるようにしてもよい。
発振モジュール11は、電圧制御高周波発振器(RF−VCO)12、および電圧制御高周波発振器12へ印加する変調入力信号生成器(BB−OCS)13を備える。電圧制御高周波発振器12からの出力信号は、変調入力信号生成器13からの入力信号によって制御される瞬時周波数を持つ高周波信号である。なお、変調入力信号生成器13からの出力が直流値であれば、瞬時周波数は固定値となる。変調入力信号生成器13により生成される変調入力信号は、例えば図2に示すように、周期TFMで周期的に変化する波形である。そして、発振モジュール11は、変調入力信号によって、例えば周波数変調方式で一次変調された発振信号を出力する(以下、システム源振と呼ぶことがある)。
コード生成器14は、互いに直交する拡散コード1、2を生成する。変調器(MOD)21−1、21−2は、それぞれ、対応する拡散コードを用いて直接スペクトラム拡散方式でシステム源振に二次変調を掛ける。このようにして生成された信号(以下、レーダ信号と呼ぶことがある。)は、パワーアンプ(PWA)により電力増幅され、送信素子(アンテナ)VT1、VT2を介して放射される。以下の説明では、送信素子を介して放射される電波を、プローブ信号と呼ぶことがある。
各受信素子(アンテナ)VR1〜VRNは、それぞれエコー信号を受信する。エコー信号は、各送信素子を介して送信されたプローブ信号が、対象物によって反射されることによって生成された電波である。各受信素子によって受信されたエコー信号は、それぞれ、低雑音アンプ(LNA)で増幅された後、ミキサ(MIX)31−1〜31−Nにおいてシステム源振を掛け合わせ、RF復調(一次復調)される。さらに、復調器(DEM)32−1、32−2において拡散コード1、2を用いて逆拡散(二次復調)を行うことにより、受信素子ごとに、各送信素子に対応するベースバンド成分が抽出される。抽出されるエコー信号のベースバンド成分は、デジタル信号に変換される。
信号処理部41は、各受信素子により得られるエコー信号(のベースバンド成分)を利用して、対象物の諸元(装置から対象物までの視線方向相対距離、装置に対する対象物の視線方向相対速度、及び装置に対して適切に設定した基準から測定した角度:θ、)のうちの少なくとも1つを算出する。CPU42は、探知測距装置の動作を制御する。なお、距離、速度、角度は、信号処理部41およびCPU42が協働して算出するようにしてもよい。以下、特に混乱のない場合、エコー信号とそれを復調して得られるベースバンド信号(成分)とを同義として扱う。
図3は、本発明の関わる探知測距装置の第1の実施例を示す図である。この実施例の探知測距装置は、2個の送信素子VT1、VT2、および3個の受信素子VR1〜VR3を備える。各センサ素子(送信素子VT1、VT2、および受信素子VR1〜VR3)は、直交座標のX軸に沿って配置されている。すなわち、送信素子VT1、VT2および受信素子VR1〜VR3によりセンサアレイが構成されている。なお、2個の送信素子VT1、VT2によりTXセンサアレイが構成され、3個の受信素子VR1〜VR3によりRXセンサアレイが構成されている(M=1、或いは、N=1の場合もセンサアレイの特殊な例と考えて良い)。
先ず、探知測距装置がレーダであるものとすると、各センサ素子は、それぞれアンテナ素子である。そして、送信素子として使用されるアンテナ素子には、それぞれトランシーバ回路が接続されている。また、受信素子として使用されるアンテナ素子には、それぞれレシーバ回路が接続されている。トランシーバ/レシーバ回路の具体的構成としては、例えば、図1に於いてN=3とした場合を考えれば良い。
図3に於いて、受信素子VR1〜VR3は等しい間隔:dずつ隔てて順番に配置されている。「d」の値は、例えば、プローブ信号/エコー信号を搬送するキャリア信号の波長:λ、送信/受信双方のセンサアレイによって構成される合成センサアレイの等価的全センサ数、及び、合成センサアレイによってカバーしたい最大の測角範囲、に応じて決められる(UWB方式の様な超広帯域信号の波長:λに関しては、利用帯域の中心周波数に対する波長等と考えれば良い)。
送信素子VT1は、RXセンサアレイの外側であって、受信素子VR1からαdだけ隔てられて配置されている。また、送信素子VT2は、RXセンサアレイの外側であって、受信素子VR3からβdだけ隔てられて配置されている。ここで、パラメータ:α、βは、拘束条件:「α+β=1」を満たすものとする。なお、パラメータα、βは、特に限定されるものではないが、「α=β=0.5」であってもよい。また、パラメータ:α、βは、互いに異なる値であってもよい。
次に、上記構成の探知測距装置を利用して対象物が位置する方向を推定する方法を説明する。ここでは、探知範囲内に互いに独立したI個の対象物(被探知目標)が存在するものとする。そして、対象物i(=1,2,...,I)が、角度:θiの方向に位置しているものとする。なお、角度:θは、図3に於いてY軸の正方向をゼロ度とし、時計回り方向の角度を正方向とする。また、対象物からのエコー信号(反射波)が各受信素子VR1〜VR3により受信されるとき、受信素子VR1〜VR3に到来するエコー信号の伝搬方向は、互いに平行であるものとする(即ち、各対象物と装置との間の相対距離が、波長:λに対して十分に大きく、平面波近似が成り立つものとする)。
ここで、対象物iから受信素子VR1までの伝搬距離は、対象物iから受信素子VR2までの伝搬距離よりも、dsinθiだけ大きい。また、受信素子VR1を配置した位置を基準とすると、受信素子VR2は、X軸上の正方向に距離:dだけ離れて配置されている。すなわち、受信素子VR1で受信された対象物i(∈∀I)からのエコー信号の空間位相(以下、単に受信素子VR1の空間位相等と記す)を空間位相のゼロ基準とすると、受信素子VR2の空間位相は「−2π(d/λ)sinθi」となる。よって、下記(1)式を用いて位相:φを定義すると、受信素子VR2の空間位相は、この「φ」に他ならない。なお、位相関係の説明を簡単にするため、誤解の無い場合にはφに関する対象物の識別子iを省略する。
Figure 2010145289
同様に、受信素子VR3の空間位相は「2φ」である。ここで前記同様、受信素子VR1を基準位置とすると、送信素子VT1は、X軸上の負方向に距離:αdだけ離れて配置されており、したがって、送信素子VT1から対象物i(∈∀I)に向けて放射されたプローブ信号空間位相(以下、単に送信素子VT1の空間位相等と記す)は「−αφ」となる。
各素子の空間位相を上述のように定義すると、送信素子VT1および受信素子VR1の組合せにより得られる合成位相は「(0−α)φ」となる。また、送信素子VT1および受信素子VR2の組合せにより得られる合成位相は「(1−α)φ」、送信素子VT1および受信素子VR3の組合せにより得られる合成位相は「(2−α)φ」となる。なお、以下の説明では、送信素子VT1および受信素子VR1の組合せにより得られる合成位相を「合成位相VT1/VR1」と表記することにする。他の組合せについても同様である。
一方、送信素子VT2と受信素子VR3との間の間隔はβdであるから、受信素子VR1の位置を基準とすると、送信素子VT2は、X軸上の正方向に距離:(2+β)dだけ離れて配置されていることになる。したがって、送信素子VT2の空間位相は「(2+β)φ」となる。ここで、拘束条件:「α+β=1」を導入すると、送信素子VT2の空間位相は「(2
+(1−α))φ=(3−α)φ」と表されるから、合成位相VT2/VR1は「(3−α)φ」となる。同様に、合成位相VT2/VR2は「(4−α)φ」、合成位相VT2/VR3は「(5−α)φ」となる。
図4は、上に詳細に示した様に、送信素子VT1、VT2および受信素子VR1〜VR3の組合せによって得られる合成位相を表にしたものである。このように、実施形態の探知測距装置においては、2個の送信素子および3個の受信素子を用いる事で、対象物毎に、互いに空間位相が異なる6個のエコー信号を受信することができる。すなわち、一般に、M個の送信素子およびN個の受信素子を備える構成においては、1個の対象物につき、互いに異なるM×N個の位相情報を取得することが可能となる。
ここで、先述の拘束条件:「α+β=1」を付与した構成を採用すれば、図3の例において「φ」ずつシフトした6個の空間位相:「(0−α)φ」〜「(5−α)φ」が得られたように、一般に、アンテナ間隔がdであるM×N素子等間隔アンテナアレイを受信アンテナとして備える構成と等価な探知測距装置が実現される。
また、図3に示す探知測距装置においては、センサアレイの物理開口(最外縁に配置されている素子、この場合はVT1、VT2間の距離)は、3dであるが、実効的開口は(2×3)d=6dであり、装置の小型化が実現されている。
さらに、実施形態の探知測距装置は、センサ素子を時間分割多重方式で切り替えるためのスイッチを備えていない。したがって、上述した特許文献1、2に記載の構成と比較して、回路内での信号の減衰が少なく、探知精度が向上する。
なお、複数のエコー信号の空間位相(図3に示す例では、6個の位相)に基づいて対象物の角度:θを算出する方法は、適切な公知技術を用いる。例えば、ビームフォーマ法により、エコー信号の到来方向(即ち、対象物の角度:θ)を推定する。エコー信号の到来方向は、例えば、図1に示す信号処理部41(信号処理部41およびCPU42)に於いて推定される。また、一般に、探知可能な対象物の個数は、センサアレイを構成する実効的な素子数に依存する。すなわち、実施形態の探知測距装置によれば、装置のサイズを大きくすることなく、探知可能な対象物の個数を増やすことができる。
上述の動作を数式で表現する。まず、装置の探知範囲内に互いに独立したI個の対象物が存在するものとすると、送信素子VT1(送信アンテナ1)から放射されたプローブ信号はi番目の対象物(対象物i)で反射され、エコー信号となってk番目の受信素子(受信アンテナk)で受信される。このエコー信号を、システムの変調方式に応じて適切に復調すると、対象物iに対する観測信号として(2)式で表される空間位相:φi 1,kを持つベースバンド信号:xi(t)が得られる。
Figure 2010145289
ここで、装置の探知範囲内にはI個の対象物が存在すると仮定しておいたので、結局、送信アンテナ1と受信アンテナkとの組み合わせから得られるベースバンド信号:v1 Rk(t)は、(3)式の様になる。なお、n(t)は、受信アンテナkの信号成分に加算される雑音成分である。
Figure 2010145289
同様に、送信素子VT2(送信アンテナ2)から放射されたプローブ信号の、対象物iによるエコー信号を受信アンテナkで受信し、これを復調してベースバンド信号:xi(t)を求めると、その空間位相:φi 2,kは、(4)式で表される。
Figure 2010145289
よって、送信アンテナ2と受信アンテナkとの組み合わせから得られるベースバンド信号:v2 Rk(t)は、(5)式の様になる。
Figure 2010145289
したがって、(6)式で定める拡張信号ベクトルを用いて開口合成を行うことにより、N素子受信センサアレイが、実質的に、M×N素子受信センサアレイに拡張される。なお、(6)式では、M=2である。
Figure 2010145289
送信用センサアレイおよび受信用センサアレイを組み合わせて受信センサアレイの実効素子数を増やす手法は、ホログラフィックと呼ばれることがある。すなわち、実施形態の構成によれば、時間分割多重を使用することなく、且つ、探知測距装置の小型化を実現しながら、ホログラフィックが実現される。ただし、実施形態の探知方法において、探知測距装置を時分割多重として動作させる構成を導入することも可能である。
なお、実施形態の探知測距装置において、対象物までの距離および対象物の速度は、公知の技術、例えば、プローブ信号の持つ周波数変調成分をフーリエ変換処理する方法を利用して算出される。この周波数変調成分は、図1の実施例では、発振モジュール11により生成される。
図5は、本発明に関わる探知測距離装置の第2の実施例を示す図である。この実施例の探知測距装置は、4個の送信素子VT1〜VT4、および3個の受信素子VR1〜VR3を備える。図中に示した座標等の意味は第1の実施例と同様である。
図5に於いて、受信素子VR1〜VR3は、等しい間隔:2dずつ隔てられて配置されている。送信素子VT1〜VT4に関しては、(VT1、VT2)と(VT3、VT4)との2つのグループに分かれており、送信素子(VT1、VT2)のグループは、受信素子VR1〜VR3に対してX軸上の負側に配置されている。そして、送信素子VT1とVT2との間隔はdであり、送信素子VT2と受信素子VR1との間の間隔はαdである。また、送信素子(VT3、VT4)のグループは、受信素子VR1〜VR3に対してX軸上の正側に配置されている。そして、送信素子VT3とVT4との間隔はdであり、送信素子VT3と受信素子VR3との間の間隔はβdである。
先ず、(VT1、VT2)を送信素子とした場合の位相関係を考えると、送信素子VT1と受信素子VR1との間の間隔は(1+α)dであるから、受信素子VR1を基準(空間位相のゼロ基準)とすると、送信素子VT1の空間位相は「−(1+α)φ」、従って、合成位相VT1/VR1は「(−1−α)φ」となる。また、受信素子VR2の空間位相は「2φ」、受信素子VR3の空間位相は「4φ」であるから、合成位相VT1/VR2は「(1−α)φ」、合成位相VT1/VR3は「(3−α)φ」となる。
同様に、送信素子VT2と受信素子VR1との間の間隔はαdであるから、受信素子VR1を基準とした、送信素子VT2の空間位相は「−αφ」である。よって、合成位相VT2/VR1は「(0−α)φ」、合成位相VT2/VR2は「(2−α)φ」、合成位相VT2/VR3は「(4−α)φ」となる。
次に、(VT3、VT4)を送信素子とした場合の位相関係を考えると、送信素子VT3と受信素子VR1との間の間隔は(4+β)dである。ここで、拘束条件:「α+β=1」を導入すると、送信素子VT3と受信素子VR1との間の間隔は(5−α)dと表せるから、送信素子VT3の空間位相は「(5−α)φ」となる。即ち、合成位相VT3/VR1は「(5−α)φ」、合成位相VT3/VR2は「(7−α)φ」、合成位相VT3/VR3は「(9−α)φ」となる。同様に、送信素子VT4と受信素子VR1、VR2、VR3との組合せにより、合成位相:「(6−α)φ」、「(8−α)φ」、「(10−α)φ」が得られる。
図6は、図5に示す第2の実施例において実現される合成位相を表にしたものである。このように、第2の実施例では、4個の送信素子および3個の受信素子を用いることで、対象物毎に、互いに空間位相が異なるなる3×4=12個のエコー信号を受信することができる。ここで、この12個のエコー信号の空間位相:「(−1−α)φ」〜「(10−α)φ」は、等しい位相量:φずつシフトしている。したがって、12個の受信素子が等間隔dで配置された構成と等価な探知測距装置が実現される。また、本実施例に於けるセンサの物理開口は7dである。
図7は、本発明に関わる探知測距装置の第3の実施例を示す図である。この実施例の探知測距装置は、3個の送信素子VT1〜VT3、および4個の受信素子VR1〜VR4を備える。
図7に於いて送信素子VT1〜VT3は、等しい間隔:dずつ隔てられて配置されている。受信素子VR1〜VR4に関しては、(VR1、VR2)と(VR3、VR4)との2つのグループに分かれており、受信素子(VR1、VR2)のグループは、送信素子VT1〜VT3に対してX軸上の負側に配置されている。そして、受信素子VR1とVR2との間隔は3dであり、受信素子VR2と送信素子VT1との間の間隔はαdである。また、受信素子(VR3、VR4)のグループは、送信素子VT1〜VT3に対してX軸上の正側に配置されている。そして、受信素子VR3とVR4との間隔は3dであり、受信素子VR3と送信素子VT3との間の間隔はβdである。なお、受信素子VR2とVR3との間隔は3dである。
最初に、送信素子VT1に注目すると、VT1と受信素子VR1、VR2、VR3、VR4との間の間隔は、それぞれ(3+α)d、αd、(2+β)d、(5+β)dであるが、拘束条件:「α+β=1」を導入すると、送信素子VT1と受信素子VR3、VR4との間の間隔は、それぞれ(3−α)d、(6−α)dと表せる。ここで、送信素子VT1の位置をX軸の座標基準(ゼロ)に設定すると、受信素子VR1、VR2はX軸の負側に、受信素子VR3、VR4はX軸の正側に配置されている事になる。したがって、送信素子VT1を基準(空間位相のゼロ基準)とすると、受信素子VR1、VR2、VR3、VR4の空間位相は、それぞれ「−(3+α)φ」、「−αφ」、「(3−α)φ」、「(6−α)φ」となるから、送信素子VT1と、受信素子VR1、VR2、VR3、VR4との組合せにより、合成位相:「(−3−α)φ」、「(0−α)φ」、「(3−α)φ」、「(6−α)φ」が得られる。
次に、送信素子VT2について考えると、VT2は送信素子VT1からdだけ隔てられて配置されているので、VT1を基準とした送信素子VT2の空間位相は「φ」である。したがって、送信素子VT2と、受信素子VR1、VR2、VR3、VR4との組合せにより、合成位相:「(−2−α)φ」、「(1−α)φ」、「(4−α)φ」、「(7−α)φ」が得られる。
最後に、送信素子VT3について考えると、VT3は送信素子VT1から2dだけ隔てられて配置されているので、VT1を基準とした送信素子VT3の空間位相は「2φ」である。したがって、送信素子VT3と、受信素子VR1、VR2、VR3、VR4との組合せにより、合成位相:「(−1−α)φ」、「(2−α)φ」、「(5−α)φ」、「(8−α)φ」が得られる。
図8は、図7に示す第3の実施例において実現される合成位相を表にしたものである。このように、第3の実施例では、3個の送信素子および4個の受信素子を用いる事で、対象物毎に、互いに空間位相が異なる3×4=12個のエコー信号を受信することができる。ここで、この12個のエコー信号の空間位相:「(−3−α)φ」〜「(8−α)φ」は、等しい位相量:φずつシフトしている。したがって、12個の受信素子が等間隔dで配置された構成と等価な探知測距装置が実現される。また、本実施例に於けるセンサの物理開口は9dである。
なお、図7に示す第3の実施例では、受信素子VR1と受信素子VR2との間、および受信素子VR3と受信素子VR4との間に大きく空いた空間を利用して、それぞれ補助センサ素子(SRR opt)が設けられている。これらの補助センサ素子は、単独、或いは受信素子VR1〜VR4と適宜組み合わせて、例えば、ショートレンジレーダの機能を装置に組み込む為に使用される。このように、センサ素子間の間隔が基準間隔dよりも大きい領域には、補助センサ素子を設けるようにしてもよい。なお、補助センサは送信センサであっても良く、その場合はセンサアレイのキャリブレーション用途等にも利用できる。
図9は、本発明に関わる探知測距装置の第4の実施例を示す図である。この実施例の探知測距装置は、3個の送信素子VT1〜VT3、および4個の受信素子VR1〜VR4を備える。
図9に於いて送信素子VT1〜VT3は、等しい間隔:dずつ隔てられて配置されており、受信素子VR1〜VR4は、等しい間隔:3dずつ隔てられて配置されている。ここで、受信素子VR2の位置をX軸の座標基準(ゼロ)に設定すると、受信素子VR1、送信素子VT1はX軸の負側に、送信素子VT2、VT3、及び、受信素子VR3、VR4はX軸の正側に配置されている事になる。そして、VR2から各素子までの距離は、それぞれ、VR1が3d、VR3が3d、VR4が6d、VT1がαd、VT2がβd、VT3が(1+β)d、であるから、受信素子VR2を基準(空間位相のゼロ基準)に設定して上述の各実施例と同様に考えれば、受信素子VR1、VR3、VR4の空間位相は、それぞれ「−3φ」、「3φ」、「6φ」となり、送信素子VT1、VT2、VT3の空間位相は、それぞれ「−αφ」、「βφ」、「(1+β)φ」となる。
よって、拘束条件:「α+β=1」を導入すると、送信素子VT1、VT2、VT3の空間位相は、それぞれ「−αφ」、「(1−α)φ」、「(2−α)φ」と表せるから、3個の送信素子VT1〜VT3、および4個の受信素子VR1〜VR4を組み合わせることで、1個の対象物につき、図10に示す様な3×4=12個の合成位相が実現される。
このように、第4の実施例では、3個の送信素子および4個の受信素子を用いる事で、1個の対象物毎に、互いに空間位相が異なるなる12つのエコー信号を受信することができる。ここで、この12個のエコー信号の空間位相:「(−3−α)φ」〜「(8−α)φ」は、等しい位相量:φずつシフトしている。したがって、12個の受信素子が等間隔dで配置された構成と等価な探知測距装置が実現される。また、本実施例に於けるセンサ
の物理開口は9dである。
このように、実施形態の探知測距装置においては、図3〜図10を参照しながら説明したように、M個の送信素子およびN個の受信素子を配置する際に、拘束条件を導入することにより、M×N素子等間隔センサアレイが実現される。
次に、上述の探知測距装置が備えるセンサアレイの設計方法について説明する。ここでは、下記(7)式で表される合成アレイファクタ:hを実現するためのセンサ素子の配置を設計するものとする。このアレイファクタ:hは、最大K個の受信素子から構成されるセンサアレイのアレイファクタを表しており、zの多項式である。
Figure 2010145289
zは、キャリア信号の波長:λ、合成センサアレイによってカバーしたい最大の視野角(F.O.V:Field Of View)、および、これら2つの量と装置のサイズによって定まる規格化素子間隔:d、に対してパラメータとして振る舞い、下記(8)式で表される。同式に於いて、jは虚数単位である。また、多項式の係数ベクトル:uは、下記(9)式で定義され、その値によって探知測距装置の特性(各センサ素子に関わる電流分布等の物理量に対応しており、例えば、利得、サイドローブの形状など)を指定する為のパラメータである。この係数ベクトルは、設計を実施する際、一般的なセンサアレイの設計プログラム等を利用して事前に所望の値を求めておく。なお、Kを受信素子の個数の最大値であると記した意図は、uの要素にゼロがあっても良い事を示す為である。
Figure 2010145289
送信アレイのアレイファクタ:fは、zの多項式であり、下記(10)式で表されるものとする。(10)式に現れるベクトル:rは、多項式:fの係数列であり、(11)式で定義される。また、ベクトル:p(z)は、zを底とする多項式:fの指数関数列であり、(12)式で定義される。なお、(12)式に現れるp(m=1〜M−1)は、規格化素子間隔:dと整数値の指数:mに対して、実際の素子間隔を指定するパラメータである。
Figure 2010145289
また、受信アレイのアレイファクタ:gは、zの多項式であり、下記(13)式で表されるものとする。(13)式に現れるベクトル:sは、多項式:gの係数列であり、(14)式で定義される。また、ベクトル:q(z)は、zを底とする多項式:gの指数関数列であり、(15)式で定義される。なお、(15)式に現れるq(n=1〜N−1)は、基準素子間隔:dと整数値の指数:nに対して、実際の素子間隔を指定するパラメータである。
Figure 2010145289
ここで、M個の素子を備える送信用センサアレイとN個の素子を備える受信用センサアレイをホログラフィック合成することによって、K個の素子を備える受信用センサアレイの特性を実現する
一般的原理を示すならば、「アレイファクタ:fとアレイファクタ:gとの積がホログラフィック合成後のアレイファクタ:hと等しくなる様に因数分解する事である、」と言える。すなわち、∀k∈[0,K−1]について、下記(16)式を満たすm∈[0,M−1]、n∈[0,N−1]の組合せが、少なくとも1組以上存在するようにセンサ素子を配置すれば良い。このとき可能であれば、式(17)に示す様に多項式:f、gのそれぞれを、更に複数の多項式の積に分解してもよい。なお、パラメータ:r、p、sn、qの定め方については後述する。
Figure 2010145289
ただし、K、M、Nのそれぞれの基準点(すなわち、アレイファクタの総和指標であるk、m、nの上限と下限の取り方)は任意に変更することができる。よって、アレイファクタの合成を考える場合、送信アレイおよび受信アレイを表す多項式を、実際のセンサの配置(送信/受信アレイの相対的位置関係)と無関係にそれぞれ独立に扱ってもよい。この際、例えば、送信アレイおよび受信アレイを表す多項式を、それぞれ初項「1」の多項式として表すと、演算が簡単になる。
上述の原理を基にして、所望の特性(合成アレイファクタ)を持つセンサアレイをホログラフィック合成によって構成するために必要な、適切な送信/受信センサアレイの具体的設計法(素子配置法)を示してゆく。
先ず、最初の例として、図3に示す構成を参照して設計方法を説明する。図3の構成で
は、6素子等間隔センサアレイを、2個の送信素子と3個の受信素子とのホログラフィック合成によって実現している。すなわち、K=6、M=2、N=3であり、(18)式に示す通り、合成アレイファクタ:hを、送信アレイのアレイファクタ:「1+z3」(以下、送信アレイ:「1+z3」等と略記する)と、受信アレイのアレイファクタ:「1+z+z2」(以下、受信アレイ:「1+z+z2」等と略記する)との積に因数分解している。(19)式は、送信/受信の各アレイファクタを(10)〜(15)式に倣ってベクトル表記したものである。
Figure 2010145289
Figure 2010145289
さて、送信アレイ:「1+z3」に於いて多項式の初項:「1(=z0)」を送信アレイの基準位置に配置された素子(送信素子VT1)を表すものと解釈すれば、「z3」は送信アレイの基準位置から3dだけ離れた位置にもう1個の送信素子を配置する事として解釈される。これが、図3に於ける送信素子VT2である。
一方、受信アレイ:「1+z+z2」においても、多項式の初項:「1(=z0)」を受信アレイの基準位置に配置された素子(受信素子VR1)を表すものと解釈すれば、「z(=z1)」、「z2」の各項は、受信アレイの基準位置から、それぞれd、2dだけ離れた位置に受信素子を1個ずつ配置する事として解釈される。これらが、図3に於ける受信素子VR2、VR3である。ここで、送信アレイ:「1+z3」および受信アレイ:「1+z+z2」の基準位置は、それぞれ任意に定めて良い。これは、例えば、送信アレイ:「1+z3」を多項式:「z-1+z2」で表しても、送信素子VT1とVT2との間の位相関係は不変だからである。この物理的な意味は、「送信アレイと受信アレイとの相対的配置関係を任意に設定して良い。」ということである。例えば、図11(a)に示す例では、図3示す構成と比較し、送信アレイが正方向にd(図3のX座標換算)だけ移動している。また、図11(b)に示す例では、図3示す構成と比較し、送信アレイが正方向に2d(図3のX座標換算)だけ移動している。しかし、合成アレイファクタは、送信/受信アレイの相対的な位相関係によって定まるので、何れの配置でも等価なものとなる。
送信アレイおよび受信アレイの基準位置は、例えば、探知測距装置のサイズを考慮して決めることができる。すなわち、図3に示す構成は、図11(a)および図11(b)に示す構成よりも、探知測距装置のサイズが小さくなる。
また、上述の説明では、(18)式において「1+z3」および「1+z+z2」が得られ、「1+z3」が送信アレイに割り当てられ、「1+z+z2」が受信アレイに割り当てられている。しかし、「1+z3」が受信アレイに割り当てられ、「1+z+z2」が送信アレイに割り当てられるようにしてもよい。この場合、2個の受信素子が3dだけ隔てられて配置され、3個の送信素子がdずつ隔てられて配置される。
次の例として、図7に示す構成を参照して設計方法を説明する。図7の構成では、12素子等間隔センサアレイを3個の送信素子と4個の受信素子によって実現している。すなわち、K=12、M=3、N=4であり、(20)式に示す通り、合成アレイファクタ:
hを送信アレイ:「1+z+z2」と、受信アレイ:「1+z3+z6+z9」との積に因数分解している。なお、(21)式は、送信/受信の各アレイファクタを(10)〜(15)式に倣ってベクトル表記したものである。
Figure 2010145289
さて、送信アレイ:「1+z+z2」の初項:「1」を送信アレイの基準位置に配置された送信素子VT1を表すものと解釈すれば、「z」、「z2」の各項は、送信アレイの基準位置から、それぞれd、2dだけ離れた位置に送信素子を1個ずつ配置する事として解釈される。これらが、図7に於ける送信素子VT2、VT3である。
一方、受信アレイ:「1+z3+z6+z9」の初項:「1」を受信アレイの基準位置に配置された受信素子VR1を表すものと解釈すれば、「z3」、「z6」、「z9」の各項は、受信アレイの基準位置から、それぞれ3d、6d、9dだけ離れた位置に受信素子を1個ずつ配置する事として解釈される。これらが、図7に於ける受信素子VR2、VR3、VR4である。
以上の例を踏まえると、ホログラフィック合成の本質は、「多項式:h(z;u)の全ての零点をサンプリングする事のできる多項式の組:f(z;r、p)、g(z;s、q)を決定すること」と言える。このことは、係数ベクトル:uの要素が全て1である等間隔センサアレイを、係数ベクトルの要素が全て1である送信アレイ(係数:r)と受信アレイ(係数:s)とによって構成する場合について考えると、多項式:hが円分多項式となるので理解が容易である。
そこで、このような例として上記(20)式を採り上げて説明を行う。(20)式が下記(22)式の様に変換できることを考慮し、多項式:rTp(z)とsTq(z)との零点の位置関係をガウス平面上に示すと、図12のようになる(見やすさの為、全円周を用いて全て模式的に表示している)。
Figure 2010145289
図中、×印は受信アレイ:sTq(z)の零点の位置を示し、○印は送信アレイ:rTp(z)の零点の位置を示している。即ち、○印は互いに隣接する1組の×印に対応する円弧をサンプリングするように配置されているので、例えば、現在、正のX軸上の×印と重なっている○印を、他の○印と同時に、正のY軸上、負のX軸上、負のY軸上の各×印の位置へと順に移動させてゆくと、円周を間隔:φで12等分して存在する多項式:hの零点を全て表す事ができる。言い換えれば、現在、正のX軸上から反時計回り配置されている○印を、それぞれ、多項式:rTp(z)の「1」、「z」、「z」の各項に対応する送信素子を表しているとものと解釈すれば、同じく、×印は多項式:sTq(z)の「1」、「z3
、「z6」、「z9」の各項に対応する受信素子を表しているものと解釈できるので、先に示した印の移動操作は、各送信素子からのプローブ信号を各受信素子でエコー信号として受信する事に相当する。
ところで、探知測距装置の中で、実用上重要な構成は、等間隔アレイである。したがって、以下では、送信アレイおよび受信アレイをホログラフ合成することにより得られるセンサが等間隔アレイであるか否かを判定する方法を説明する。ここでは、図13および図5に示す構成について検討する。
図13に示す構成では、送信アレイのアレイファクタf1は、(23)式で表される。また、図5に示す構成では、送信アレイのアレイファクタf2は、(24)式で表される。
Figure 2010145289
一方、受信アレイのアレイファクタgは、図13および図5に示す構成において互いに同じであり、(25)式により表される。
Figure 2010145289
ここで、(23)式と(24)式とを円分多項式の積として因数分解し、(25)式も含めて、それぞれ等比級数和の形式で表すと、(26)〜(28)式が得られる。
Figure 2010145289
よって、図13に示す構成の合成アレイファクタは、(29)式で表される。また、図5に示す構成の合成アレイファクタは、(30)式で表される。
Figure 2010145289
このように、図5に示す構成は、
Figure 2010145289
形式で表されるので、等間隔アレイが形成されていると判定される。これに対して、図13に示す構成は、
Figure 2010145289
形式で表すことができないので、等間隔アレイが形成されていないと判定される。
ホログラフ合成によって等間隔アレイを構成する方法は、例えば、以下のようにして一般化することができる。ここでは、下記(31)〜(33)式を参照する。
Figure 2010145289
先ず、ホログラフィック合成によって実現したいセンサアレイの特性を基に、合成アレイの素子数:Kと基準素子間隔:dとを定める。また、K=M×Nとなるように、送信素子の個数:Mおよび受信素子の個数:Nを定める。なお、係数ベクトルについては、説明を簡単にする為、ここでは省略する。
次に、上記dに対し、倍率:hなる間隔(物理間隔:hd)でM個の送信素子を配置してMTX個の送信アレイの組を作り、総計M個の送信素子によるアレイファクタが(31)式で与えられる様に送信アレイを構成する。同様に、上記dに対し、倍率:gなる間隔(物理間隔:gd)でN個の受信素子を配置して、NRX個の受信アレイの組を作り、総計N個の受信素子によるアレイファクタが(32)式で与えられる様に受信アレイを構成する。
最後に、合成後のアレイファクタが(33)式の最右辺と等しくなるように、h、M、g、N等の各パラメータを調整する。
ただし、K(=M×N)が素数であるときは、送信アレイおよび受信アレイを空間的に効率良く配置することは困難である。換言すれば、Kが素数でない場合は、基本的には、∀x∈MTX、∀y∈NRXに対して、h、hとg、gとを、1とKの約数との中から適切に選び、K次等比級数の和の式と等しくなる様に、全体で上手く約分が成立する様に組み合わせれば良い。例えば、(27)、(28)、(30)式を参照すると、K=12に対して、hは1と6、hは2と12であり、gは2、gは6である。なお、この関係は、(18)式または(22)式においても成立している。
なお、(31)〜(33)式において、級数の和が「1+zL」なる形式を含む有理関数で表される場合も開示してあるが、これは例えば、(34)式の様な円分多項式を利用する場合を想定したものである。
Figure 2010145289
或いは、もう少し簡単なケースを想定すると、K素子等間隔センサアレイをホログラフィック合成する際に、センサ素子間の基準間隔:dに対して、以下のようにしてセンサ素子の配置を決めるようにしてもよい。ただし、送信素子の個数:Mと受信素子の個数:Nとは、K=M×Nとなる様に事前に与えられているものとする。
(1)dに対する素子間隔倍率:h、gを、1およびKの約数の中から選択する
(2)M個の送信素子を間隔:hdで並べる
(3)N個の受信素子を間隔:gdで並べる
(4)送信/受信センサのアレイファクタを(35)式で表す
(5)多項式:f、gの積が、所望の多項式:hと一致するようにhとgとを適宜変更して、最終的な素子の配置を決める
Figure 2010145289
また、ベクトル:uの要素がゼロも含めた任意の数値である場合(例えば、合成アレイによってチェビシェフ特性またはテイラー特性等の所望の振幅/位相特性を示す様に要求されている場合)は、以下のように設計する。すなわち、例えば、送信/受信アレイを構成する各センサ素子自体の特性を調整する。あるいは、センサ素子とアンプ、移相器等とを組み合わせるようにしてもよい。或いは、システムの動作シーケンスを適切に設定することにより、特定の位相関係を満たす素子のデータを複数回サンプリングして合成するようにしてもよい。何れにしても、(11)、(14)式に示したベクトル:r、s等のパラメータを定めることに帰着される。
特に、ベクトル:uの要素の中に絶対値が1よりも大きい整数が含まれている場合、重複してデータを取得している素子が存在する可能性がある。よって、アレイファクタ多項式を利用して、システム構成の冗長性や、特性の改善などを図ることができる。例えば、送信アレイの多項式:fおよび受信アレイの多項式:gが、下記(36)式に示すように互いに同じであるものとする。
Figure 2010145289
この場合、ホログラフィック合成の結果は、下記(37)式に示すようになる。
Figure 2010145289
(37)式には、z7の項とz9の項とが欠落しているので、この多項式に基づいて装置を構成しても、等間隔アレイとして動作しない事が分かる。また、1、z2、z10以外の係数は2か3であるから、それらに対応するデータは重複してサンプルされている事になり、合成受信アンテナの信号対雑音比がアンテナ毎にバラつく事による、好ましくない影響も予想される。
さて、これまで説明してきた多項式の因数分解に基づいてホログラフィック合成を実現する手法は、送信機能と受信機能とを別の素子で実現することを強いるものではない。よって、送信/受信素子のどれか、或いは、全てが送信/受信の両方の機能を備えていても良い。
図14は、送信/受信共用素子を備えるセンサアレイの実施例を示す。この例では、送信素子VT1、受信素子VR1、受信素子VR2、送信/受信素子VT2/R3が、等しい間隔:dを隔てて配置されている。送信/受信素子VT2/R3は、送信素子VT2として動作すると共に、受信素子VR3としても動作する。送信機能および受信機能は、同時に実現されてもよい。この場合、レーダでは、例えば、サーキュレータ素子等を用いて実現される。また、送信機能および受信機能は、時間分割方式で実現されてもよい。この場合、レーダでは、たとえば、スイッチ素子等を用いて実現される。
図14に示す構成において、受信素子VR1を基準とすると、各センサ素子の空間位相およびこれらの素子を組合せることにより得られる合成位相は、図15に示す通りである。すなわち、6個の受信素子が等しい間隔:dで配置された構成と等価な探知測距装置が実現される。
図16は、送信/受信共用素子を備えるセンサアレイの他の実施例を示す。この実施例では、送信素子VT1、送信/受信素子VT2/R1、VT3/R2、VT4/R3が、等しい間隔:dを隔てて配置されている。この場合、受信素子VR1を基準とすると、各センサ素子の空間位相およびこれらの素子を組合せることにより得られる合成位相は、図17に示す通りである。すなわち、図14と同様に、6個の受信素子が等しい間隔:dで配置された構成と等価な探知測距装置が実現される。ただし、図15と比べると、図17では等しい合成位相を与える送信/受信素子の組み合わせが複数存在しているので、図16の構成は、図14の構成と比べて効率が低い。
図14に示す構成に於ける送信/受信アレイファクタは、(38)式のfと(39)式のgとであり、その合成結果は(40)式のhである。一方、図16に示す構成に於ける送信/受信アレイファクタは、(38)式のfと(39)式のgとであり、その合成結果は(40)式のhである。これらの多項式演算の結果だけからも、図14、図16の何れの構成でも6素子等間隔アレイが合成される事が分かるが、更に、係数を参照すると、図16に示す構成の非効率性まで分かる。なお、送信/受信共用素子を備える構成では、常に、K=M×Nとなる訳ではなく、一般に「K≧max(M、N)」である。なお、「max(M、N)」は、MおよびNの中で何れか大きい値を戻す関数である。すなわち「M≧N」であれば「M」が出力され、「M<N」であれば「N」が出力される。
Figure 2010145289
図16に示す構成のように、展開係数に「±1」以外の係数が存在する場合は、センサ
素子の利得または信号パラメータを調整する素子(アンプ、ミキサなど)によって、受信素子毎の信号対雑音比が等しくなる様に、利得の規格化等を行っても良い。
図18は、実施形態の探知測距装置の設計方法を示すフローチャートである。ステップS1では、希望多項式が入力される。希望多項式は、要求された仕様を満足する構成を表す。例えば、K素子等間隔アレイ(K個の受信センサ素子が等間隔で並べられたアレイと等価な特性が得られる構成)を実現する場合には、下記の希望多項式:hが入力される。なお、合成アレイの全素子数:K、多項式のパラメータ:zを定める基準素子間隔:d((8)式参照)、ベクトル:u等は、測角範囲や装置サイズに応じて事前に与えておいても良い。
Figure 2010145289
ステップS2では、希望多項式を、第1の多項式および第2の多項式に分解する。ここで、第1および第2の多項式は、それぞれ、2以上の多項式の積であってもよい。ステップS2に於ける因数分解の具体的アルゴリズムについては、例えば、無平方分解、Berlekamp、Hensel構成等の一般性の高い既存の手法を用いても良いし、円分多項式等の簡単なものなら設計者が直接計算しても良い。さらに、ヒューリスティックルールをデータベース化して自動化しても良い。
ステップS3では、第1の多項式に基づいてM個の送信素子の配置を決定する。たとえば、第1の多項式が「1+z3」であれば、2個の送信素子VT1、VT2が必要である。また、送信素子VT1を基準とすると、送信素子VT2は送信素子VT1から3dだけ隔てられて配置される(K素子等間隔アレイの素子配置間隔がdであるとした)。
ステップS4では、第2の多項式に基づいてN個の受信素子の配置を決定する。たとえば、第2の多項式が「1+z+z2」であれば、3個の受信素子VR1、VR2、VR3が必要である。また、受信素子VR1を基準とすると、受信素子VR2は受信素子VR1からdだけ隔てて配置され、受信素子VR3は受信素子VR1から2dだけ隔てて配置される(dに関する注意は上記)。
このとき、M個の送信素子(送信機能のみ)とN個の受信素子(受信機能のみ)との間の相対的な位置関係は、装置のサイズを最小化したい場合、上述した拘束条件:「α+β=1」を満たすように決定されることが好ましい。なお、この設計方法においては、図14〜図17に示すように、送信/受信共用素子を使用してもよい(この場合、第1の多項式と第2の多項式とが同じものであっても良い)。
図18に示すフローチャートの処理は、例えば、コンピュータにより実行される。この場合、上記処理を記述した設計プログラムが、コンピュータにより実行される。
図19は、上述した設計プログラムを実行するコンピュータのハードウェア構成を示す図である。図19において、CPU101は、メモリ103を利用して設計プログラムを実行する。記憶装置102は、例えばハードディスクであり、設計プログラムを格納する。なお、記憶装置102は、外部記録装置であってもよい。メモリ103は、例えば半導体メモリであり、RAM領域およびROM領域を含んで構成される。
読み取り装置104は、CPU101の指示に従って可搬型記録媒体105にアクセスする。可搬性記録媒体105は、例えば、半導体デバイス(PCカード等)、磁気的作用
により情報が入出力される媒体、光学的作用により情報が入出力される媒体を含むものとする。通信インタフェース106は、CPU101の指示に従って、ネットワークを介してデータを送受信する。入出力装置107は、この実施例では、表示装置、ユーザからの指示を受け付けるデバイス等に相当する。
実施形態に係わる設計プログラムは、例えば、下記の形態で提供される。
(1)記憶装置102に予めインストールされている。
(2)可搬型記録媒体105により提供される。
(3)プログラムサーバ110からダウンロードする。
このように、実施形態の設計方法においては、K素子受信センサを実現するために、M個のセンサ素子から送信センサアレイが構成され、N個のセンサ素子から受信センサアレイが構成される。そして、K素子センサアレイのアレイファクタを表す多項式が、送信センサアレイの多項式と受信センサアレイの多項式との積で表されるように、送信センサアレイを構成する素子の配置および受信センサアレイを構成する素子の配置が決定される。このとき、各センサ素子は、送信および受信のために共用されてもよい。
たとえば、基準素子間隔:dでK素子等間隔アレイを構成する場合、送信素子の配置倍率:hが受信素子の配置倍率:gより大きい、即ち、h>gであるとすると、まず、ガウス平面上で、M−1次多項式のゼロ点の位相を配置する。これにより、複数の送信位相点が配置される。次に、N−1次多項式のゼロ点の位相を用いて、複数の送信位相点の間の領域を等間隔でサンプリングするように、K−1次多項式を分解する。
なお、(41)式で表されるホログラフィック合成後のアレイファクタが整係数多項式である場合、アイゼンシュタインの定理を利用して、(42)式に示すようにその多項式を2以上の多項式:f、gに分解できるか否かを判定できる。
Figure 2010145289
Figure 2010145289
ここで、アイゼンシュタインの定理によれば、下記(43)式で表される整係数多項式が、ある素数:wに対して、下記の2つの条件a、bを満たせば、有理数体上既約である。(条件a) 素数:wは、uk-1〜u0の約数である。
(条件b) u0は、w2で割り切れない。
Figure 2010145289
すなわち、この関係を利用すれば、ホログラフィック合成によって整数係数を持つアレイファクタを実現しようとした場合、その合成の可否を判定できる。より一般的には、送信アレイおよび受信アレイのアレイファクタが、1つの変数の多項式環の要素となるように定義すれば、等間隔になるか否かは別にして、ホログラフィック合成により実効素子数を増やすことが可能である。
この様な一般的な構成を意図したホログラフ合成の実現法として、例えば、(16)式
を例にとって実施例を示す。今、送信/受信に用いる素子数:M、Nと、基準素子間隔:dに対する送信/受信素子配置の倍率パラメータ:p、q、及び、ホログラフ合成後のアレイファクタの係数:uが与えられているものとして、送信/受信のアレイファクタ係数:r、sを求める事を考える。
先ず、転置をとってもスカラーは同じであるから、(16)式を下記(44)式のように変形する。
Figure 2010145289
ここで、UΣVHは、行列rsTの特異値分解である。なお「T」は転置を表し、「H」はHermite転置を表す。
次に、任意のz∈F.O.Vに対して、パラメータ:{am、n}(m=1〜M、N=1〜N)を要素として持つM×N行列:Aを導入し、(45)式で定義される誤差関数を最小化する値としてAの要素を最小二乗法で定める。そして、求めたAを特異値分解すると、(45.1)式の様に書けるので、求める係数:r、sを用いた送信/受信アレイファクタとして、(45.2)式を得る。
Figure 2010145289
なお、送信/受信素子配置の倍率パラメータ:p、qも定める場合には、これらも未知数として含んだ、例えば、(45.3)式の様な誤差関数:e(A、p、q)を用いてニュートン法等の非線形最小二乗法を適用する必要がある。
<他の実施形態>
上述の探知測距装置において、プローブ信号を多重化して送信するようにしてもよい。この場合、探知測距装置は、受信信号(エコー信号)を適切に分離する回路を備える。多重化は、たとえば、時間分割多重(TDM)、周波数分割多重(FDM)、コード分割多重(CDM)などを採用することができる。図1に示す構成では、コード分割多重が実装されている。すなわち、各送信素子に対して互いに直交する異なる拡散コードが割り当てられている。また、送信アンテナごとに発振器を設けてもよい。この場合、例えば、周波数分割多重が実現される。あるいは、送信アンテナごとに異なる変調方式を使用するようにしてもよい。さらに、電波の伝搬環境などに応じて、多重化方式(TDM、FDM、CDM)を切り替えるようにしてもよい。
実施形態の探知測距装置は、ビーム制御装置を備えるようにしてもよい。ビーム制御装置は、センサアレイの後段の適切な位置(例えば、センサアレイとトランシーバとの間)に配置される。ビーム制御装置は、例えば、ダイオードやMEMS等のスイッチ、移相器、バトラーマトリクス、サーキュレータ、ミキサを備える。或いは、ビームの制御は、電気的な処理に限定されず、レンズ等を利用する構成であってもよい。また、後段の信号処理部に於いて、MUSIC法(Multiple Signal Classification)等で推定された対象物の方向に基づいて、信号処理によって実現されても良い。そして、ビーム制御装置は、探知測距装置により推定された角度方向に、送信ビームおよび/または受信ビームを指向させる。これにより、探知測距装置の視野範囲の変更、あるいはトラッキング動作の実現が可能になる。
アンテナの位相配置が回転に対して変わらない場合には、実施形態の探知測距装置は、ESPRIT等を組み合わせて使用することができる。
送信素子の一部および受信素子の一部を利用して、探知測距装置の動作中に、探知測距装置のキャリブレーションを行うようにしてもよい。
互いに隣接する送信素子および受信素子の一方または双方として、フラクタル形状のセンサ等を採用することにより、幾何学的な中心と作用中心(センサがアンテナ素子である場合は、電気的な中心)とのオフセットを調整するようにしてもよい。この場合、センサ素子の物理的な中心と機能的な中心との位置をずらすことができるので、実装が容易になる。また、このオフセットは、素子が配置される基板の誘電率を液晶等の機能性材料を用いて変えたり、レンズ等の付加素子を用いたりすることにより実現するようにしてもよい。
センサ素子(送信素子および受信素子)は、直線上に配置される必要はなく、面上に配置されてもよいし、円の弧に沿って配置されてもよい。
上述した設計方法においては、送信素子と受信素子との相対的な空間配置は固定されるものではない。したがって、上述した設計方法は、探知測距装置の素子の配置に限定されるものではなく、例えば、図20に示すMIMO(Multi Input Multi Output)通信システム等、複数のセンサ(無線の場合はアンテナ)を送信/受信で利用する装置の設計にも使用できる。
例えば、図20は、本発明の実施形態を適用して決定したMIMO通信システムのアンテナ配置である。この通信システムは、間隔:dで配置された送信/受信機能を持つ3つのアンテナ素子WT1/R1〜WT3/R3、および間隔:3dで配置された送信/受信機能を持つ5つのアンテナ素子VT1/R1〜VT5/R5を備えている。そして、アンテナ素子WT1〜WT3が送信動作を、アンテナ素子VR1〜VR5が受信動作を行っている場合、送信アレイのアレイファクタ:fは(46)式で表され、また、受信アレイのアレイファクタ:gは(47)式で表される。
Figure 2010145289
Figure 2010145289
したがって、ホログラフィック合成された受信センサアレイのアレイファクタ:hは、(
48)式で表される。
Figure 2010145289
このように、15個のセンサ素子が等間隔で並べられた受信センサアレイと等価なMIMOシステムが実現される。図20に示すMIMOシステムにおいて実現される合成位相を図21に示す。
実施形態のアンテナシステムは、レーダ装置だけでなく、サイズについて制約の厳しい装置において好適な設計が可能になる。例えば、図20に示すアンテナ素子WT1/R1〜WT3/R3をサイズの小さなRFIDのタグ部分に実装し、アンテナ素子VT1/R1〜VT5/R5をサイズに余裕のあるRFIDリーダ部分に実装する事で、等価的に大きな開口面積を実現でき、システム利得が大きくなる。
以上の各実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
M個の送信素子およびN個の受信素子を備える探知測距装置を設計する方法であって、
K素子センサアレイのアレイファクタを表す希望多項式を、M素子センサアレイのアレイファクタを表す第1の多項式およびN素子センサアレイのアレイファクタを表す第2の多項式に分解し、
前記第1の多項式に基づいて前記M個の送信素子の配置を決定し、
前記第2の多項式に基づいて前記N個の受信素子の配置を決定する、
ことを特徴とする探知測距装置の設計方法。
(K=M×N)
(付記2)
付記1に記載の方法であって、
前記希望多項式は、
Figure 2010145289
で表される、
ことを特徴とする探知測距装置の設計方法。
(z=exp(−j2π(d/λ)sin(θ)))
j:虚数単位
d:基準センサ間隔
λ:キャリア信号の波長
θ:測角範囲内の任意の角度を表す変数
(付記3)
付記2に記載の方法であって、
前記第1の多項式の要素z(mは整数)は、前記M個の送信素子の中の各送信素子に対応し、
前記M個の送信素子は、前記第1の多項式に従って、z0に対応する送信素子とzに対応する送信素子との間の間隔がm×dとなるように配置され、
前記第2の多項式の要素z(nは整数)は、前記N個の受信素子の中の各受信素子に対応し、
前記N個の受信素子は、前記第2の多項式に従って、z0に対応する受信素子とzに対応する受信素子との間の間隔がn×dとなるように配置される、
ことを特徴とする探知測距装置の設計方法。
(付記4)
付記1に記載の方法であって、
前記M個の送信素子の中の第1の送信素子と前記N個の受信素子の中のいずれか1つの受信素子との間の間隔がαdであり、
前記M個の送信素子の中の第2の送信素子と前記N個の受信素子の中のいずれか1つの受信素子との間の間隔がβdであり、
他の互いに隣接する素子間の間隔は、dまたはdの整数倍である、
ことを特徴とする探知測距装置の設計方法。
(α+β=1)
(付記5)
付記1に記載の方法であって、
前記N個の受信素子の中の第1の受信素子と前記M個の送信素子の中のいずれか1つの送信素子との間の間隔がαdであり、
前記N個の受信素子の中の第2の受信素子と前記M個の送信素子の中のいずれか1つの送信素子との間の間隔がβdであり、
他の互いに隣接する素子間の間隔は、dまたはdの整数倍である、
ことを特徴とする探知測距装置の設計方法。
(α+β=1)
(付記6)
送信/受信共用素子を含む複数のセンサ素子を備える探知測距装置を設計する方法であって、
K素子センサアレイのアレイファクタを表す希望多項式を、第1の多項式および第2の多項式に分解し、
プローブ信号を送信するために使用されるM個の素子の配置を、前記第1の多項式に基づいて決定し、
対象物からのエコー信号を受信するために使用されるN個の素子の配置を、前記第2の多項式に基づいて決定する、
ことを特徴とする探知測距装置の設計方法。
(K≧max(M、N))
(付記7)
M個の送信素子およびN個の受信素子を備える探知測距装置を設計するために、コンピュータに、
K素子センサアレイのアレイファクタを表す希望多項式を、M素子センサアレイのアレイファクタを表す第1の多項式およびN素子センサアレイのアレイファクタを表す第2の多項式に分解する手順、
前記第1の多項式に基づいて前記M個の送信素子の配置を決定する手順、
前記第2の多項式に基づいて前記N個の受信素子の配置を決定する手順、
を実行させる探知測距装置の設計プログラム。
(K=M×N、または、K≧max(M、N))
(付記8)
プローブ信号を送信するM個の送信素子と、
対象物からのエコー信号を受信するN個の受信素子と、
前記N個の受信素子の出力信号を利用して前記対象物が位置する方向を算出する算出手段とを備え、
前記M個の送信素子の中の第1の送信素子と前記N個の受信素子の中のいずれか1つの受信素子との間の間隔がαdであり、
前記M個の送信素子の中の第2の送信素子と前記N個の受信素子の中のいずれか1つの受信素子との間の間隔がβdであり、
他の互いに隣接する素子間の間隔は、dまたはdの整数倍である、
ことを特徴とする探知測距装置。
(α+β=1)
(付記9)
付記8に記載の探知測距装置であって、
前記N個の受信素子は、間隔dずつ隔てられて配置されて受信素子アレイを構成し、
前記第1の送信素子を含むL1個の送信素子は、前記受信素子アレイの一方の外側に配置され、
前記第2の送信素子を含むL2個の送信素子は、前記受信素子アレイの他方の外側に配置される、
ことを特徴とする探知測距装置。
(L1+L2=M)
(付記10)
付記8に記載の探知測距装置であって、
前記N個の受信素子は、dずつ隔てられて配置され、
前記M個の送信素子は、N×dずつ隔てられて配置される、
ことを特徴とする探知測距装置。
(付記11)
プローブ信号を送信するM個の送信素子と、
対象物からのエコー信号を受信するN個の受信素子と、
前記N個の受信素子の出力信号を利用して前記対象物が位置する方向を算出する算出手段とを備え、
前記N個の受信素子の中の第1の受信素子と前記M個の送信素子の中のいずれか1つの送信素子との間の間隔がαdであり、
前記N個の受信素子の中の第2の受信素子と前記M個の送信素子の中のいずれか1つの送信素子との間の間隔がβdであり、
他の互いに隣接する素子間の間隔は、dまたはdの整数倍である、
ことを特徴とする探知測距装置。
(α+β=1)
(付記12)
付記11に記載の探知測距装置であって、
前記M個の送信素子は、間隔dずつ隔てられて配置されて送信素子アレイを構成し、
前記第1の受信素子を含むL1個の受信素子は、前記送信素子アレイの一方の外側に配置され、
前記第2の受信素子を含むL2個の受信素子は、前記送信素子アレイの他方の外側に配置される
ことを特徴とする探知測距装置。
(L1+L2=N)
(付記13)
付記11に記載の探知測距装置であって、
前記M個の送信素子は、dずつ隔てられて配置され、
前記N個の受信素子は、M×dずつ隔てられて配置される
ことを特徴とする探知測距装置。
(付記14)
付記13に記載の探知測距装置であって、
前記N個の受信素子の中の1つは、前記第1の送信素子と前記第2の送信素子との間に配置される
ことを特徴とする探知測距装置。
実施形態の探知測距装置の構成を示す図である。 変調入力信号の一例を示す図である。 探知測距装置の実施例を示す図である。 図3に示す構成において実現される位相状態を示す図である。 第2の実施例の構成を示す図である。 第2の実施例において実現される位相状態を示す図である。 第3の実施例の構成を示す図である。 第3の実施例において実現される位相状態を示す図である。 第4の実施例の構成を示す図である。 第4の実施例において実現される位相状態を示す図である。 素子の配置について説明する図である。 ガウス平面上における多項式の関係を示す図である。 等間隔でない配置の例を示す図である。 送信/受信共用素子を備える場合の実施例である。 図14に示す構成で実現される位相状態を示す図である。 送信/受信共用素子を備える場合の他の実施例である。 図16に示す構成で実現される位相状態を示す図である。 実施形態の探知測距装置の設計方法を示すフローチャートである。 設計プログラムを実行するコンピュータの構成を示す図である。 MIMOシステムの実施例である。 図20に示すMIMOシステムで実現される位相状態を示す図である。
符号の説明
41 信号処理部
42 CPU

Claims (10)

  1. M個の送信素子およびN個の受信素子を備える探知測距装置を設計する方法であって、
    K素子センサアレイのアレイファクタを表す希望多項式を、M素子センサアレイのアレイファクタを表す第1の多項式およびN素子センサアレイのアレイファクタを表す第2の多項式に分解し、
    前記第1の多項式に基づいて前記M個の送信素子の配置を決定し、
    前記第2の多項式に基づいて前記N個の受信素子の配置を決定する、
    ことを特徴とする探知測距装置の設計方法。
    (K=M×N)
  2. 請求項1に記載の方法であって、
    前記希望多項式は、
    Figure 2010145289
    で表される
    ことを特徴とする探知測距装置の設計方法。
    (z=exp(−j2π(d/λ)sin(θ)))
    j:虚数単位
    d:基準センサ間隔
    λ:キャリア信号の波長
    θ:測角範囲内の任意の角度を表す変数
  3. 請求項2に記載の方法であって、
    前記第1の多項式の要素z(mは整数)は、前記M個の送信素子の中の各送信素子に対応し、
    前記M個の送信素子は、前記第1の多項式に従って、z0に対応する送信素子とzに対応する送信素子との間の間隔がm×dとなるように配置され、
    前記第2の多項式の要素z(nは整数)は、前記N個の受信素子の中の各受信素子に対応し、
    前記N個の受信素子は、前記第2の多項式に従って、z0に対応する受信素子とzに対応する受信素子との間の間隔がn×dとなるように配置される
    ことを特徴とする探知測距装置の設計方法。
  4. 送信/受信共用素子を含む複数のセンサ素子を備える探知測距装置を設計する方法であって、
    K素子センサアレイのアレイファクタを表す希望多項式を、第1の多項式および第2の多項式に分解し、
    プローブ信号を送信するために使用されるM個の素子の配置を、前記第1の多項式に基づいて決定し、
    対象物からのエコー信号を受信するために使用されるN個の素子の配置を、前記第2の多項式に基づいて決定する、
    ことを特徴とする探知測距装置の設計方法。
    (K≧max(M、N))
  5. M個の送信素子およびN個の受信素子を備える探知測距装置を設計するために、コンピュータに、
    K素子センサアレイのアレイファクタを表す希望多項式を、M素子センサアレイのアレイファクタを表す第1の多項式およびN素子センサアレイのアレイファクタを表す第2の
    多項式に分解する手順、
    前記第1の多項式に基づいて前記M個の送信素子の配置を決定する手順、
    前記第2の多項式に基づいて前記N個の受信素子の配置を決定する手順、
    を実行させる探知測距装置の設計プログラム。
    (K=M×N、または、K≧max(M、N))
  6. プローブ信号を送信するM個の送信素子と、
    対象物からのエコー信号を受信するN個の受信素子と、
    前記N個の受信素子の出力信号を利用して前記対象物が位置する方向を算出する算出手段とを備え、
    前記M個の送信素子の中の第1の送信素子と前記N個の受信素子の中のいずれか1つの受信素子との間の間隔がαdであり、
    前記M個の送信素子の中の第2の送信素子と前記N個の受信素子の中のいずれか1つの受信素子との間の間隔がβdであり、
    他の互いに隣接する素子間の間隔は、dまたはdの整数倍である、
    ことを特徴とする探知測距装置。
    (α+β=1)
  7. 請求項6に記載の探知測距装置であって、
    前記N個の受信素子は、間隔dずつ隔てられて配置されて受信素子アレイを構成し、
    前記第1の送信素子を含むL1個の送信素子は、前記受信素子アレイの一方の外側に配置され、
    前記第2の送信素子を含むL2個の送信素子は、前記受信素子アレイの他方の外側に配置される
    ことを特徴とする探知測距装置。
    (L1+L2=M)
  8. プローブ信号を送信するM個の送信素子と、
    対象物からのエコー信号を受信するN個の受信素子と、
    前記N個の受信素子の出力信号を利用して前記対象物が位置する方向を算出する算出手段とを備え、
    前記N個の受信素子の中の第1の受信素子と前記M個の送信素子の中のいずれか1つの送信素子との間の間隔がαdであり、
    前記N個の受信素子の中の第2の受信素子と前記M個の送信素子の中のいずれか1つの送信素子との間の間隔がβdであり、
    他の互いに隣接する素子間の間隔は、dまたはdの整数倍である、
    ことを特徴とする探知測距装置。
    (α+β=1)
  9. 請求項8に記載の探知測距装置であって、
    前記M個の送信素子は、間隔dずつ隔てられて配置されて送信素子アレイを構成し、
    前記第1の受信素子を含むL1個の受信素子は、前記送信素子アレイの一方の外側に配置され、
    前記第2の受信素子を含むL2個の受信素子は、前記送信素子アレイの他方の外側に配置される
    ことを特徴とする探知測距装置。
    (L1+L2=N)
  10. 請求項8に記載の探知測距装置であって、
    前記M個の送信素子は、dずつ隔てられて配置され、
    前記N個の受信素子は、M×dずつ隔てられて配置される、
    ことを特徴とする探知測距装置。
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