JP2010145122A - 圧電振動子および振動ジャイロ装置 - Google Patents

圧電振動子および振動ジャイロ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】圧電振動子の形状精度にバラツキがあっても、安定した共振周波数が得られる圧電振動子、および、安定した感度が得られる振動ジャイロ装置の提供を図る。
【解決手段】振動ジャイロ装置1は、圧電基板3と上面電極2と下面電極4とを備え、上面電極2と下面電極4との電位差に応じて主面法線方向に振動する。下面電極4は、圧電基板3の板厚の0.5倍よりも薄い電極厚である。ここで、上面電極2には周波数信号が印加されるものであり、下面電極4は基準電位に接続されるものである。この振動ジャイロ装置の共振周波数は圧電基板3の所定位置に振動の節と腹を形成する周波数信号の周波数であり、下面電極4の電極厚を変更することで変化し、圧電基板3の板厚の0.5倍よりも薄い電極厚の範囲内に共振周波数の下限極値を有し、共振周波数が下限極値となる値から電極厚から離れるほど、共振周波数の変化割合が大きくなる特性を有するものである。
【選択図】図3

Description

この発明は、板状の圧電基板の両主面に設けた電極に周波数信号を印加することで主面法線方向の振動が励起する圧電振動子と、その圧電振動子にコリオリの力を作用させることで電気機械振動により励起する検出信号から、圧電振動子の回転角速度を検出する振動ジャイロ装置とに関する。
フィルタやジャイロでは、電気機械振動する圧電体が利用されることがある。圧電体の主面に垂直な方向の変位を有する屈曲振動を利用する圧電振動子では、板状の圧電基板の両主面に設けた電極に周波数信号を印加することで主面法線方向の屈曲振動が励起する。特にジャイロに用いられる圧電振動子の場合には、その振動方向に垂直な方向に作用するコリオリの力によって圧電振動子に励起する検出信号から、圧電振動子の回転を検出することになる。
ジャイロの場合、回転の検出精度は圧電振動子の機械振幅と電圧の変換効率に依拠する。このため、圧電振動子の主要な特性である電気機械結合係数を高めて、機械振幅と電圧変換効率とを増大させる要望がある。従来、屈曲振動を利用せずに、電極と空気との界面で全反射するバルク波の振動を利用するタイプの圧電体においては、圧電基板の下面駆動電極を上面駆動電極よりも厚くすることで圧電体の電気機械結合係数を大きくすることがあった(例えば、特許文献1参照。)。
特開2006−319479号公報
ところで圧電振動子の主要な特性としては電気機械結合係数の他にも共振周波数が挙げられる。圧電振動子に印加する周波数信号が共振周波数であれば、圧電振動子の所定位置には振動の腹と節とが形成され、その機械振幅が最大になる。このため、周波数信号の周波数を圧電振動子の共振周波数に一致させることで、圧電振動子を利用するジャイロなどの感度を高めることができる。
しかしながら、この共振周波数は圧電振動子の形状精度により大きく変動する特徴があり、圧電振動子を高精度に構成しなければ共振周波数の安定性を保つことが困難であった。そのため、製造時の圧電振動子の形状バラツキが大きければ、製品ごとの共振周波数のバラツキも大きくなってしまう問題がある。
そこで、発明者は、鋭意研究を進めることで、圧電振動子の圧電基板に設ける下面駆動電極の電極厚に共振周波数の安定性が依拠する場合があることを見出し、この発明の技術的思想の創作に至った。
本発明は圧電振動子の形状精度にバラツキがあっても、安定した共振周波数が得られる圧電振動子、および、安定した感度が得られる振動ジャイロ装置の提供を目的とする。
この発明は、圧電基板と上面駆動電極と下面駆動電極とを備え、上面駆動電極と下面駆動電極との電位差に応じて主面法線方向に振動する圧電振動子であって、下面駆動電極は、圧電基板の板厚の0.5倍よりも薄い電極厚である。ここで、上面駆動電極には周波数信号が印加されるものであり、下面駆動電極は基準電位に接続されるものである。共振周波数は圧電基板の所定位置に振動の節と腹を形成する周波数信号の周波数であり、下面駆動電極の電極厚を変更することで変化し、圧電基板の板厚の0.5倍よりも薄い電極厚の範囲内で共振周波数が下限極値を示し、共振周波数が下限極値となる値から電極厚から離れるほど、共振周波数の変化割合が大きくなる特性を有するものである。
この圧電振動子は、圧電基板の板厚の0.5倍よりも薄い電極厚の範囲内で共振周波数が下限極値を示し、共振周波数が下限極値となる値から電極厚が離れるほど、共振周波数の変化割合が大きくなる特性を有する。このため、下面駆動電極の電極厚に応じて変化する共振周波数の下限極値付近で、電極厚の変更に対する共振周波数の安定性が高い。したがって、下面駆動電極を、圧電基板の板厚の0.5倍よりも薄い電極厚とすることにより、電極厚が0.5倍よりも大きい場合よりも共振周波数の安定性を高められる。
下面駆動電極は、この圧電振動子の共振周波数の製造誤差範囲内に共振周波数の下限極値を含む電極厚であると好適である。このように、圧電振動子の共振周波数の製造誤差範囲内に下限極値が含まれる電極厚に下面駆動電極をすることで、圧電振動子の形状精度にバラツキがあっても安定した共振周波数が得られることになる。
下面駆動電極は、複数の圧電振動子の共振周波数の統計代表値が下限極値に略一致する電極厚であると好適である。統計代表値は、共振周波数の平均値でもよく、共振周波数の中央値でもよい。これにより、電極厚の変更に対する共振周波数の安定が最も高い下限極値付近に一製品ロットにおける殆どの圧電共振子の共振周波数が分布することになり、共振周波数についての製品良品率が高まる。
圧電基板をニオブ酸リチウムの単結晶とし、下面駆動電極をタングステン電極とすると好適である。ニオブ酸リチウムの単結晶は、電気機械結合係数が大きい。タングステン電極は融点が高いため熱負荷による電極の拡散を抑えられ、比重が大きく固有音響インピーダンスが大きいため圧電振動子に励起する弾性波機械振動のダンピングを抑えられる。アルミニウム電極は比抵抗が小さいので、圧電振動子の直列等価抵抗を抑えられる。この場合、下面駆動電極は、圧電基板の板厚の0.1〜0.5倍の電極厚であると好適である。これは、この電極厚のバラツキが上記範囲に収まれば、共振周波数のバラツキを2%程度に抑えられるためである。
この発明の振動ジャイロ装置は、上述の圧電振動子と、圧電振動子に周波数信号を印加する駆動部と、圧電振動子に作用するコリオリの力を検出する検出部と、を備えると好適である。上述の共振周波数の安定性が高い圧電振動子を利用することで、ジャイロの感度を安定させられる。
この発明によれば、圧電振動子の下面駆動電極を圧電基板の板厚の0.5倍よりも薄い電極厚とすることにより、電極厚が0.5倍よりも大きい場合よりも共振周波数の安定性を高められ、圧電振動子の形状精度にバラツキがあっても安定した共振周波数が得られる。
本発明の第1の実施形態に係る振動ジャイロ装置について説明する。図1は振動ジャイロ装置の構成例を示す図である。図1(A)は上面図、図1(B)は中央断面図、図1(C)はA−A’断面図、図1(D)はB−B’断面図である。
振動ジャイロ装置1は、直交2軸(X軸およびY軸)を回転軸とする回転を検出可能なように、X軸を対称軸として線対称形、且つ、Y軸を対称軸として線対称形に構成している。また、X−Y面に垂直なZ軸に沿って下から順に、支持基板5、下面電極4、圧電基板3、および上面電極2を積層して構成している。
支持基板5および圧電基板3は右手系のオイラー角で(0°,50°,0°)のニオブ酸リチウム(LiNbO3)基板であり、支持基板5は0.34mm厚、圧電基板3は1μm厚である。ニオブ酸リチウムを採用することで振動子の電気機械結合係数とQ値とを大きくでき良好な感度特性が得られる。なお、ニオブ酸リチウムに替えて、タンタル酸リチウムを採用すれば感度と温度特性のバランスを改善でき、水晶を採用すれば温度安定性を改善できる。下面電極4はタングステン(W)電極であり、上面電極2はアルミニウム(Al)電極である。タングステン電極は融点が高いため熱負荷による電極の拡散を抑えられ、比重が大きく固有音響インピーダンスが大きいため圧電振動子に励起する弾性波機械振動のダンピングを抑えられる。アルミニウム電極は比抵抗が小さいので、圧電振動子の直列等価抵抗を抑えられる。
圧電基板3は圧電体主面(X−Y面)から見て、内側領域3Aと枠状領域3Bと外側領域3Cとに区分される。枠状領域3Bは内径400μm、外径500μmの円形内形・円形外形の枠状である。内側領域3Aは直径300μmの円形であり、下面電極4を介して支持基板5に接合している。外側領域3Cは内径600μmの円形内形・矩形外形であり、下面電極4を介して支持基板5に接合している。内側領域3Aと枠状領域3Bとの間には4つの内側開放孔31と4つの内側梁部32とを設けていて、外側領域3Cと枠状領域3Bとの間には4つの外側開放孔33と4つの内側梁部32とを設けている。内側梁部32と外側梁部34とは、X−Y面におけるX軸正方向を0°として、45°、135°、225°、315°の方向に沿う幅20μmの梁状の領域としている。これら内側梁部32と外側梁部34とは、枠状領域3Bを支持基板5から浮かせた状態に支持する。内側開放孔31と外側開放孔33とは、それぞれ枠状領域3Bの内側面・外側面を露出させる。
支持基板5は、X−Y面に内側領域5Aと振動領域5Bと外側領域5Cとを備える。振動領域5Bは内形300μm、外形600μmの円形内形・円形外形の枠状に支持基板5を上主面から深さ3μmで掘り下げて振動空間を設けた領域であり、圧電基板3の枠状領域3Bと内側開放孔31と内側梁部32と外側開放孔33と内側梁部32とに対面する位置に設けている。振動空間は、内側開放孔31および外側開放孔33に連通していて、枠状領域3Bと支持基板5との干渉を防ぐ。内側領域5Aは直径300μmの領域であり、その上主面に圧電基板3の内側領域3Aが接合される領域である。外側領域5Cは内径600μmの領域であり、その上主面に圧電基板3の外側領域3Cが接合される領域である。支持基板5には、圧電基板3と同じ圧電性材料を用いる他にも、圧電基板3と熱膨張係数が異なるが耐熱性に優れ入手が容易で安価なSiやガラスを用いてもよい。
上面電極2は、8つの駆動検出電極2Aと、8つの回路接続電極2Bと、4つの基準電位接続電極2Cと、8つの配線2Dとを備えている。駆動検出電極2Aは本発明の上面駆動電極であり、枠状領域3Bの上面にパターニングしている。回路接続電極2Bおよび基準電位接続電極2Cは外側領域3Cの上面にパターンニングしている。配線2Dは、枠状領域3Bから外側領域3Cに架けて外側梁部を経由して設けている。駆動検出電極2Aは、2つずつ、正方向のX軸両側、負方向のX軸両側、正方向のY軸両側、負方向のY軸両側に配置している。具体的には、各駆動検出電極2AはX−Y面におけるY軸正方向を0°として、約0°〜30°、60°〜90°、90°〜120°、150°〜180°、180°〜210°、240°〜270°、270°〜300°、330°〜360°の範囲を占めている。なお、隣接する駆動検出電極2A間は約5μmの間隔を隔てている。回路接続電極2Bは詳細を後述する駆動検出回路に接続される。基準電位接続電極2Cはスルーホールを介して下面電極4に接続される。配線2Dは駆動検出電極2Aと回路接続電極2Bとの間を接続し、絶縁層2Eを介して圧電基板3に接合されている。絶縁層2Eを設けているため、配線2Dには、梁部の変位によって電圧が励起することが無くなる。下面電極4は駆動検出電極2Aに対向する領域が本発明の下面駆動電極であり、圧電基板3の下主面の全面に設けていて、基準電位接続電極2Cを介して基準電位に接続される。各駆動検出電極2Aは下面電極4に対向して、枠状領域3BのY軸方向の変位とX軸方向およびY軸方向の変位とに電気機械的に結合する。
以上の振動ジャイロ装置1は、圧電基板3の枠状領域3Bが駆動検出電極2Aと下面電極4とを設けてなる8つの圧電振動体を構成する。
図2は、振動ジャイロ装置1に接続する駆動検出回路を説明する回路図である。振動ジャイロ装置1の駆動検出回路は、周波数信号発生回路6と差動回路7A,7Bと平滑回路8A,8Bとを備える。なお、基準電位接続電極2Cにはグランドを接続している。
周波数信号発生回路6は駆動抵抗Rを介して8つの回路接続電極2Bに接続され、8つの駆動検出電極2Aそれぞれに周波数信号を与える。各駆動検出電極2Aに与える周波数信号は、それぞれ同相・同振幅である。また周波数は、枠状領域3BのZ軸方向の振動が、X−Y面におけるX軸上およびY軸上の位置(0°、90°、180°、270°)に振動の腹を形成し、梁部により支持される位置(45°、135°、225°、315°)の位置に振動の節を形成する共振周波数とする。
Y軸の両側に配置された4つの駆動検出電極2AのうちX軸負方向(図中左側)に配置された2つの駆動検出電極2Aは、差動回路7Aの第一の入力端に接続される。また、X軸正方向(図中右側)に配置された2つの駆動検出電極2Aは、差動回路7Aの第二の入力端に接続される。また、X軸の両側に配置された4つの駆動検出電極2AのうちY軸負方向(下側)に配置された2つの駆動検出電極2Aは、差動回路7Bの第一の入力端に接続され、Y軸正方向(上側)に配置された2つの駆動検出電極2Aは、差動回路7Bの第二の入力端に接続される。
差動回路7A,7Bの出力端は平滑回路8A、8Bに接続され、差動回路7A,7Bはそれぞれの第一の入力端と第二の入力端との電圧差を出力する。平滑回路8A、8Bは差動回路7A,7Bの出力電圧を平滑する。
図3は、振動ジャイロ装置1の動作を説明する図である。図3(A)はX軸回りに回転する例を、図3(B)はY軸回りに回転する例を示す。
上記共振周波数で屈曲振動する際には、振動ジャイロ装置にY軸回りの角速度が加わると、X軸方向にコリオリの力が加わる。すると、Y軸の両側に配置された4つの駆動検出電極2Aに印加されている周波数信号の位相が、X軸正方向に配置された駆動検出電極2Aと、X軸負方向に配置された駆動検出電極2Aとで逆方向に変化する。このため、差動回路7Aによる差分出力は、コリオリの力の大きさに応じた電圧となる。
また、振動ジャイロ装置にX軸回りの角速度が加わると、Y軸方向にコリオリの力が加わる。すると、X軸の両側に配置された4つの駆動検出電極2Aに印加されている周波数信号の位相が、Y軸正方向に配置された駆動検出電極2Aと、Y軸負方向に配置された駆動検出電極2Aとで逆方向に変化する。このため、差動回路7Bによるそれらの差分出力は、コリオリの力の大きさに応じた電圧となる。
なお、振動ジャイロ装置1が回転していない状態では、周波数信号は同相・同振幅なので差動回路7A,7Bによって取り除かれることになる。また、振動ジャイロ装置に衝撃などが作用する際に各駆動検出電極に励起する信号や、X軸回りの回転の際にY軸に沿って配置された駆動検出電極に励起する信号、Y軸回りの回転の際にX軸に沿って配置された駆動検出電極に励起する信号は、やはり同相・同振幅となるので差動回路7A,7Bによって取り除かれることになる。
図4は、下面電極4の電極厚と共振周波数との関係を説明する図である。ここでは、上面電極2の電極厚を(0.5μm,1.0μm,1.5μm)とした3パターンについて、有限要素法を用いた共振解析の結果に基づいて上記関係を検討する。
3パターンのいずれの場合も、下面電極4の電極厚が0.1×10-3〜3.0×10-3mmの範囲内で変化するのに応じて共振周波数は変化し、下面電極4の電極厚が0.3×10-3mmのときに共振周波数は下限極値を示した。そして、下面電極4の電極厚が0.1×10-3〜0.5×10-3mmの範囲で、共振周波数はその範囲内での平均値から1.7〜2.2%の変動を示した。この範囲内での共振周波数の変動割合はそれ以外の範囲での変動割合に比較して著しく小さいものであった。
共振周波数の下限極値は、この振動ジャイロ装置1で圧電基板3の板厚や上面電極2の電極厚を異ならせても同様に生じ、通常、共振周波数が下限極値となるのは、圧電基板3の板厚に対する比が0.5倍以下となる下面電極4の電極厚のときである。そして、圧電基板3の板厚に対する比が0.5倍より大きい下面電極4の電極厚のときは、共振周波数の変動割合が大きくなる。そのため、下面電極4の電極厚が圧電基板3の板厚の0.5倍以下であれば、0.5倍よりも大きい場合よりも共振周波数の安定性が高い。
また本実施形態では、下面電極4の製造誤差による共振周波数の変動範囲内に、この下限極値が含まれるように下面電極4の電極厚設計値を設定する。仮に下面電極4の製造誤差による電極厚のバラツキが電極厚設計値の上下0.2μmにほぼ収まるのであれば、0.1μm〜0.5μmに電極厚設計値が設定されていると、共振周波数の製造誤差の範囲内に下限極値となる0.3μmが含まれることになり好適である。例えば、下面電極4の電極厚設計値を0.5μmに設定すれば、製品ごとの電極厚は0.3μm〜0.7μmの範囲内に収まることになり、十分に安定した共振周波数が得られることになる。より好適には、下面電極4の電極厚設計値を、共振周波数が下限極値となる0.3μmに設定すれば、製品ごとの電極厚は0.1μm〜0.5μmの範囲内に収まり、共振周波数の製造誤差範囲は、平均値から1.7〜2.2%以下となるため、極めて安定した共振周波数が得られることになる。なお、電極厚設計値は、通常は複数の製品の平均値や中央値などの統計的代表値に略一致することになる。
次に、この振動ジャイロ装置1の製造方法を説明する。図5は振動ジャイロ装置1の製造フローを説明する図である。ここでは、圧電基板の薄膜をイオン注入により形成する場合を示す。
まず、支持基板5に、リアクティブイオンエッチング等で窪みを設け、この窪みに犠牲層として銅膜を成膜し、表面をCMP等により平坦化する(S101)。
次に、所定厚みからなる圧電単結晶体を用意し、その主面から水素イオンを注入する(S102)。圧電単結晶体はニオブ酸リチウム基板であり、加速エネルギー150KeVで1.0×1017atom/cm2のドーズ量により水素イオン注入を行うことにより、イオン注入面から深さ約1μmの位置に水素イオンの注入層を形成する。
次に、支持基板5の犠牲層形成面に下面電極4となる電極膜を形成し、その表面をCMP処理等により研磨して平坦化し、圧電単結晶体のイオン注入面と接合する(S103)。
次に、支持基板5が接合された圧電単結晶体を、減圧雰囲気下に配置して500℃に加熱し、水素イオンの注入層で剥離する(S104)。これにより、支持基板5に支持された圧電単結晶体の薄膜が、圧電基板3として形成される。これにより圧電基板3を極薄膜化できるため圧電単結晶体の使用量を抑制できる。
次に、剥離面である圧電基板3の上主面のCMP等により鏡面仕上げにする(S105)。
次に、圧電基板3の上主面上に、電子ビーム蒸着法とフォトリソグラフィ法によって上面電極2をアルミニウムでパターニングして形成する(S106)。
次に、圧電基板3の上主面にレジスト膜を形成する(S107)。そして、フォトリソグラフィ技術を用いて、エッチング窓をレジスト膜に形成する(S108)。
次に、エッチング窓にエッチング液もしくはエッチングガスを導入することで、内側開放孔31および外側開放孔33を形成する。そして、内側開放孔31および外側開放孔33から犠牲層に銅エッチング液を導入することで銅膜である犠牲層を除去する。これにより、枠状領域3Bの下側に振動空間が形成される(S109)。
犠牲層の除去を行った後、レジスト膜の除去を行い、基準電位接続電極2Cと下面電極4とを接続するスルーホールを形成し、パッケージングする(S110)。その後、圧電基板3の上主面の駆動検出電極2Aを除く他の電極にアルミニウムを厚付けし、それらの電極での配線電気抵抗を下げる(S111)。
以上の工程を採用して、振動ジャイロ装置を製造する。
第1の実施形態に係る振動ジャイロ装置の構成を説明する図である。 図1に示す振動ジャイロ装置の駆動検出回路の回路構成を説明する図である。 図1に示す振動ジャイロ装置の動作を説明する図である。 振動解析による共振周波数と下面電極との関係を説明する図である。 図1に示す振動ジャイロ装置の製造フローを説明する図である。
符号の説明
1…振動ジャイロ装置
2…上面電極
2A…駆動検出電極
2B…回路接続電極
2C…基準電位接続電極
2D…配線
2E…絶縁層
3…圧電基板
31…内側開放孔
32…内側梁部
33…外側開放孔
34…外側梁部
3A…内側領域
3B…枠状領域
3C…外側領域
4…下面電極
5…支持基板
5A…内側領域
5B…振動領域
5C…外側領域
6…周波数信号発生回路
7A,7B…差動回路
8A,8B…平滑回路

Claims (6)

  1. 板状の圧電基板と、前記圧電基板の上主面に設けられ周波数信号が印加される上面駆動電極と、前記圧電基板の下主面に設けられ基準電位に接続される下面駆動電極と、を備え、前記上面駆動電極と前記下面駆動電極との電位差に基づいて主面法線方向に振動する圧電振動子であって、
    前記圧電基板の所定位置に振動の節または腹を形成する前記周波数信号の周波数である共振周波数は前記下面駆動電極の電極厚を変更することで変化し、前記圧電基板の板厚の0.5倍よりも薄い前記電極厚の範囲内で前記共振周波数が下限極値を示し、前記共振周波数が前記下限極値となる値から前記電極厚が離れると、前記共振周波数の変化割合が大きくなる特性を有し、
    前記下面駆動電極は、前記圧電基板の板厚の0.5倍よりも薄い電極厚であることを特徴とする圧電振動子。
  2. 前記下面駆動電極は、当該圧電振動子の共振周波数の製造誤差範囲内に前記下限極値を含む電極厚であることを特徴とする請求項1に記載の圧電振動子。
  3. 前記下面駆動電極は、複数の圧電振動子の共振周波数の統計代表値が前記下限極値に略一致する電極厚であることを特徴とする請求項1または2に記載の圧電振動子。
  4. 前記圧電基板をニオブ酸リチウムの単結晶とし、
    前記下面駆動電極をタングステン電極とし、
    前記上面駆動電極をアルミニウム電極とした、請求項1〜3のいずれかに記載の圧電振動子。
  5. 前記下面駆動電極は、前記圧電基板の板厚の0.1〜0.5倍の電極厚である、請求項1〜4のいずれかに記載の圧電振動子。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の圧電振動子と、
    前記圧電振動子に前記周波数信号を印加する駆動部と、
    前記圧電振動子に作用するコリオリの力を検出する検出部と、を備える振動ジャイロ装置。
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