JP2010144835A - 流体伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロックアップ手段の性能を向上することができる流体伝達装置を提供する。
【解決手段】第1部材10と第2部材30とを弾性体21を介して相対回転可能に連結し駆動源から第1部材10に伝達された駆動力を弾性体21を介して第2部材30に伝達可能なダンパー手段20と、出力軸60の軸方向に対して第2部材30を挟んでダンパー手段20とは反対側に設けられ第2部材30に伝達された駆動力を作動媒体を介して出力軸60に伝達可能な流体伝達手段40と、第2部材30に伝達された駆動力を摩擦係合面52及び係合部材51を介して出力軸60に伝達可能なロックアップ手段50とを備え、第2部材30は、少なくとも当該第2部材30により軸方向の両側に区画される流体伝達手段40側の流体伝達側空間部100とダンパー手段20側のダンパー側空間部101とを作動媒体が流通可能に連通する開口部102が設けられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、流体伝達装置に関し、特に駆動源が発生する駆動力を作動流体を介して伝達可能である流体伝達装置に関するものである。
従来、車両などに搭載される自動変速機は、発進停止などの運転状態の変化の移行を円滑に行うため、例えば、流体伝達装置としてのトルクコンバータが使用されているものがある。このようなトルクコンバータは、例えば、流体伝達機構と、ロックアップクラッチ機構と、ダンパー機構とを備える。そして、このトルクコンバータは、ロックアップクラッチOFF時に駆動源からフロントカバーに伝達された駆動力を流体伝達機構内の作動流体としての作動油を介して出力軸(例えば、変速機のインプットシャフト)に伝達する一方、ロックアップクラッチON時にフロントカバーに伝達された駆動力をロックアップクラッチ機構の係合部材を介して、流体伝達機構内の作動流体を介さずに直接出力軸に伝達する。このとき、ダンパー機構は、駆動力伝達時における振動低減を行っている。
このような従来の流体伝達装置として、例えば、特許文献1に記載されたロックアップダンパ装置が適用されたトルクコンバータは、ロックアップダンパ装置のダンパースプリングが圧縮変形する際に空転するワンウェイクラッチとダンパースプリングが伸長する際に滑り摩擦を発生する摺動部材とからなり入力部材と出力部材との間に跨って設けられる減衰機構を備えることで、衝撃トルクを緩和すると共にジャダ振動の発生を抑制している。
特開2008−180305号公報
ところで、上述のような従来の流体伝動装置としては、フロントカバーに対してトルクコンバータの本体部である流体伝達機構とは反対側に設けられるダンパー機構、すなわち、駆動源とフロントカバーとの間に配置される、いわゆるプレダンパー機構を備えるものがある。このようなプレダンパー機構を備える流体伝達装置では、例えば、さらなる燃費の向上を図るため、ロックアップクラッチなどのさらなる高性能化が望まれていた。
そこで本発明は、ロックアップ手段の性能を向上することができる流体伝達装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明による流体伝達装置は、第1部材と第2部材とを弾性体を介して相対回転可能に連結し駆動源から前記第1部材に伝達された駆動力を前記弾性体を介して前記第2部材に伝達可能なダンパー手段と、出力軸の軸方向に対して前記第2部材を挟んで前記ダンパー手段とは反対側に設けられ前記第2部材に伝達された駆動力を作動媒体を介して前記出力軸に伝達可能な流体伝達手段と、前記軸方向に対して前記第2部材の前記流体伝達手段側に設けられる係合部材と前記第2部材とが摩擦係合可能な摩擦係合面を有し、前記第2部材に伝達された駆動力を前記摩擦係合面及び前記係合部材を介して前記出力軸に伝達可能なロックアップ手段とを備え、前記第2部材は、少なくとも当該第2部材により前記軸方向の両側に区画される前記流体伝達手段側の流体伝達側空間部と前記ダンパー手段側のダンパー側空間部とを前記作動媒体が流通可能に連通する開口部が設けられることを特徴とする。
また、上記流体伝達装置において、前記ダンパー側空間部は、少なくとも前記第2部材と、前記ダンパー手段の前記弾性体を保持する保持部材と、前記第1部材が固定され前記駆動源から前記駆動力を出力する駆動源出力軸の端部とにより形成され、少なくとも前記第2部材と前記保持部材との間、前記保持部材と前記駆動源出力軸の前記端部との間がそれぞれ封止手段により封止されることが好ましい。
また、上記流体伝達装置において、前記ダンパー手段は、前記弾性体を保持する保持部材の少なくとも一部が前記開口部に挿入されることが好ましい。
また、上記流体伝達装置において、前記ダンパー手段は、前記第2部材が前記弾性体を保持する保持部材として兼用され、前記開口部が当該弾性体を駆動力伝達可能に保持することが好ましい。
また、上記流体伝達装置において、前記ダンパー側空間部内に設けられ、前記第2部材を前記駆動源から前記駆動力を出力する駆動源出力軸に対して当該駆動源出力軸と同軸で回転自在に支持する滑り軸受を備えることが好ましい。
また、上記流体伝達装置において、前記滑り軸受は、滑り面に前記作動媒体が流通可能な作動媒体通路を有することが好ましい。
本発明に係る流体伝達装置によれば、第2部材は、少なくとも当該第2部材により軸方向の両側に区画される流体伝達手段側の流体伝達側空間部とダンパー手段側のダンパー側空間部とを作動媒体が流通可能に連通する開口部が設けられるので、第2部材の変形を防止することができることから、ロックアップ手段の摩擦係合面の変形を防止することができ、ロックアップ手段の性能を向上することができる。
以下に、本発明に係る流体伝達装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。また、下記の実施形態では、流体伝達装置に伝達される駆動力を発生する駆動源として、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、LPGエンジンなどのエンジンを用いるが、これに限定されるものではなく、モータなどの電動機を駆動源として、あるいはモータなどの電動機と併用して用いても良い。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るトルクコンバータの要部断面図である。なお、以下の説明では、特に断りのない限り、出力軸60の回転軸線Xに沿った方向を軸方向といい、回転軸線Xに直交する方向、すなわち、軸方向に直交する方向を径方向といい、回転軸線X周りの方向を周方向という。また、径方向において回転軸線X側を径方向内側といい、反対側を径方向外側という。また、軸方向において駆動源が設けられる側(駆動源から駆動力が入力される側)をエンジン側といい、反対側、つまり、トランスミッションが設けられる側(トランスミッションに駆動力を出力する側)を出力軸側という。
ここで、出力軸60は、例えば出力軸側に配置されたトランスミッション(変速機)のインプットシャフトなどである。
図1に示すように、実施形態1に係る流体伝達装置としてのトルクコンバータ1は、第1部材としてのドライブプレート10と、ダンパー手段としてのプレダンパー機構20と、第2部材としてのフロントカバー30と、流体伝達手段としての流体伝達機構40と、ロックアップ手段としてのロックアップクラッチ機構50と、出力軸60とを備える。さらに、本実施形態のトルクコンバータ1は、プレダンパー機構20とは別個に内側ダンパー機構70も備えている。このトルクコンバータ1は、軸方向に対してエンジン側から出力軸側に向かって、ドライブプレート10及びプレダンパー機構20、フロントカバー30、ロックアップクラッチ機構50、内側ダンパー機構70、流体伝達機構40の順番で配置されている。
このトルクコンバータ1は、駆動源からドライブプレート10に伝達された駆動力をプレダンパー機構20を介してフロントカバー30に伝達し、フロントカバー30から流体伝達機構40又はロックアップクラッチ機構50に伝達するものである。そして、トルクコンバータ1は、流体伝達機構40に伝達された駆動力を流体伝達機構40内部の作動媒体(作動流体)としての作動油を介して出力軸60に伝達する一方、ロックアップクラッチ機構50に伝達された駆動力を係合部材としてのロックアップピストン51、内側ダンパー機構70を介して出力軸60に伝達するものである。
すなわち、本実施形態のトルクコンバータ1は、軸方向に対して、駆動源であるエンジンの駆動源出力軸としてのクランクシャフト80とフロントカバー30との間にプレダンパー機構20が設けられた、いわゆるプレダンパー型のトルクコンバータである。つまり、このプレダンパー機構20は、複数の弾性体としての複数のダンパースプリング21を介してドライブプレート10とフロントカバー30とを連結するものである。
なお、このトルクコンバータ1は、駆動源からの駆動力の伝達方向に対してドライブプレート10の下流側、フロントカバー30の上流側にプレダンパー機構20を配置することで、プレダンパー機構20のダンパースプリング21より上流の駆動側(エンジン側)の慣性質量とダンパースプリング21より下流の被駆動側(出力軸(トランスミッション)側)の慣性質量とのバランスを最適化することができる。すなわち、このトルクコンバータ1は、駆動側の慣性質量と被駆動側の慣性質量とのバランスを最適化することができることから、駆動側と被駆動側との共振点を低下させ共振を効果的に抑制することができ、よって、プレダンパー機構20のこもり音の発生防止などのダンパー性能を向上することができる。つまり、振動の低減性能を向上することができることから、こもり音などの発生を抑制することができ、ロックアップクラッチ機構50をONにすることができる回転数領域を拡大することができ、比較的に低回転数の領域でロックアップクラッチ機構50をONにすることができるので燃費を向上できる。
以下、トルクコンバータ1の各構成について具体的に説明する。
ドライブプレート10は、第1部材であり、駆動源であるエンジン(不図示)の駆動力が伝達されるものである。ドライブプレート10は、出力軸60の中心軸線である回転軸線Xと同軸の円環板状に形成される。ドライブプレート10は、径方向内側端部側で固定部材、例えば、ボルト81によりエンジン(不図示)の駆動源出力軸であるクランクシャフト80に固定されている。すなわち、クランクシャフト80には、その端面にボルト穴81aが形成されており、ドライブプレート10は、径方向内側端部に形成された貫通孔81bにボルト81が挿入され、このボルト81がボルト穴81aに螺合することでクランクシャフト80と締結される。
ここで、クランクシャフト80は、出力軸60の回転軸線Xを中心として出力軸60に対して相対回転可能である。つまり、ドライブプレート10は、クランクシャフト80に対して固定され、回転軸線Xを中心としてクランクシャフト80と共に一体回転可能である。したがって、エンジンの駆動力は、クランクシャフト80からボルト81を介してドライブプレート10に伝達される。
プレダンパー機構20は、ダンパー手段であり、軸方向に対してフロントカバー30の一方側、すなわち、エンジン側(クランクシャフト80側)に設けられる。プレダンパー機構20は、ドライブプレート10とフロントカバー30とを複数の弾性体としての複数のダンパースプリング21を介して連結するものである。さらに言えば、プレダンパー機構20は、複数のダンパースプリング21を介してドライブプレート10とフロントカバー30とを相対回転可能に連結するものである。
プレダンパー機構20は、複数の弾性体としての複数のダンパースプリング21と、保持部材22とを有する。本実施形態の保持部材22は、複数のダンパースプリング21を保持するものであり、中心保持部材としての中心保持プレート23と、第1側方保持部材としての第1サイド保持プレート24と、第2側方保持部材としての第2サイド保持プレート25とを含んで構成される。また、本実施形態の保持部材22は、上述したドライブプレート10が中心保持プレート23として兼用される。つまり、ドライブプレート10は、プレダンパー機構20の一部を構成する中心保持プレート23でもある。
このプレダンパー機構20は、軸方向に対してエンジン側から出力軸側に向かって、第1サイド保持プレート24、中心保持プレート23として兼用されるドライブプレート10及び複数のダンパースプリング21、第2サイド保持プレート25の順番で配置されている。
複数のダンパースプリング21は、例えば、複数のコイルスプリングである。ダンパースプリング21は、中心保持プレート23として兼用されるドライブプレート10に伝達された駆動力を第1サイド保持プレート24、第2サイド保持プレート25に伝達するものである。
中心保持プレート23、第1サイド保持プレート24及び第2サイド保持プレート25は、複数のダンパースプリング21を保持するものであり、回転軸線Xと同軸の円環板状に形成される。中心保持プレート23、第1サイド保持プレート24及び第2サイド保持プレート25は、軸方向に対してエンジン(不図示)と後述のフロントカバー30との間に配置されている。
中心保持プレート23は、上述したように、第1部材としてのドライブプレート10が兼用され回転軸線Xを中心としてクランクシャフト80と共に一体回転可能である。つまり、ドライブプレート10は、複数のダンパースプリング21を保持する中心保持プレート23としても機能する。なお、この中心保持プレート23は、ドライブプレート10とは別体に形成されこのドライブプレート10と共に一体回転する部材により構成されてもよい。
中心保持プレート23として兼用されるドライブプレート10は、上述したように、回転軸線Xと同軸の円環板状に形成され径方向内側端部がクランクシャフト80と固定されている。そしてさらに、この中心保持プレート23(ドライブプレート10)は、径方向外側端部に中心保持部23aを有する。
中心保持部23aは、中心保持プレート23において複数のダンパースプリング21の一部分を保持するものである。中心保持部23aは、中心保持プレート23の周方向に沿って円弧状に形成されたスリットである。中心保持部23aは、内部にダンパースプリング21が挿入されこのダンパースプリング21を保持する。中心保持部23aは、中心保持プレート23に対して周方向に等間隔に複数個形成されており、それぞれにダンパースプリング21が保持される。
各中心保持部23aは、その周方向の長さが各ダンパースプリング21を付勢した状態で保持できる長さに設定されている。したがって、中心保持部23aにダンパースプリング21が保持されると、中心保持部23aの周方向における両端部がダンパースプリング21の両端部にそれぞれ接触することとなる。つまり、ダンパースプリング21は、各中心保持部23aの周方向における両端部に接触し、両端部の間に付勢された状態で保持される。
したがって、この中心保持プレート23として兼用されるドライブプレート10は、各中心保持部23aと各ダンパースプリング21との周方向端部接触部分において、ダンパースプリング21との間で駆動力の伝達が可能となる。
第1サイド保持プレート24、第2サイド保持プレート25は、中心保持プレート23により軸方向の中心部分を保持される複数のダンパースプリング21の一部分を駆動力伝達可能に保持するものである。
第1サイド保持プレート24、第2サイド保持プレート25は、軸方向に対して中心保持プレート23の側方にそれぞれ設けられる。ここでは、第1サイド保持プレート24は、軸方向に対して中心保持プレート23のフロントカバー30とは反対側(エンジン側)の側方に設けられ、第2サイド保持プレート25は、軸方向に対して中心保持プレート23のフロントカバー30側(出力軸側)に設けられる。第1サイド保持プレート24は、第1サイド保持部24aを有する一方、第2サイド保持プレート25は、第2サイド保持部25aを有する。
第1サイド保持プレート24と第2サイド保持プレート25とは、軸方向に対する第1サイド保持プレート24と第2サイド保持プレート25との間の空間部分に複数のダンパースプリング21と共に中心保持プレート23が配置され、この中心保持プレート23及び複数のダンパースプリング21を挟み込みこれらを保持する。第1サイド保持プレート24と第2サイド保持プレート25とは、中心保持プレート23の軸方向両側を挟んで相対回転可能に保持する。
ここで、第1サイド保持プレート24と第2サイド保持プレート25とは、連結部材、例えばボルト26により中心保持プレート23を挟んで一体化されると共に後述するフロントカバー30に連結されている。
具体的には、第1サイド保持プレート24は、ボルト収容部24bを有する一方、第2サイド保持プレート25は、セットブロック収容部25bを有する。
ボルト収容部24bは、第1サイド保持プレート24のエンジン側の壁面が出力軸側(中心保持プレート23側)に窪むことで形成される。セットブロック収容部25bは、第2サイド保持プレート25の出力軸側の壁面(フロントカバー30と対向する壁面)がエンジン側(中心保持プレート23側)に窪むことで形成される。ボルト収容部24b、セットブロック収容部25bは、それぞれ、第1サイド保持プレート24、第2サイド保持プレート25に対して周方向に等間隔に複数個形成されている。各ボルト収容部24bと各セットブロック収容部25bとは、それぞれ周方向に沿った位置がほぼ同じ位置になるように設けられている。
そして、第1サイド保持プレート24は、ボルト収容部24bの底部に軸方向に沿った貫通孔24cが形成されている。第2サイド保持プレート25は、セットブロック収容部25bの底部に軸方向に沿った貫通孔25cが形成されている。
ここで、フロントカバー30は、エンジン側の面にセットブロック28が設けられている。セットブロック28は、固定手段、例えば、溶接などによりフロントカバー30に固定される。セットブロック28は、フロントカバー30に対して周方向に等間隔に複数個形成されている。
第1サイド保持プレート24と第2サイド保持プレート25とは、第2サイド保持プレート25がセットブロック収容部25b内にセットブロック28を収容するように配置されると共に第1サイド保持プレート24のボルト収容部24b側から貫通孔24c、貫通孔25cにボルト26が挿入される。そして、第1サイド保持プレート24と第2サイド保持プレート25とは、このボルト26がセットブロック28のボルト穴28aに螺合することで一体化されると共に、この一体化された第1サイド保持プレート24と第2サイド保持プレート25がセットブロック28を介してフロントカバー30に締結され固定される。これにより、第1サイド保持プレート24、第2サイド保持プレート25は、フロントカバー30と一体化され、このフロントカバー30と共に一体回転可能となる。
なお、このプレダンパー機構20は、ボルト26により第1サイド保持プレート24と第2サイド保持プレート25とが一体化されフロントカバー30に固定された状態で、ボルト収容部24b内にボルト26が収容され、セットブロック収容部25b内にセットブロック28が収容される。これにより、トルクコンバータ1は、クランクシャフト80とフロントカバー30との間にプレダンパー機構20を設けても軸方向への大型化を抑制することができる。
また、このプレダンパー機構20は、ボルト26により一体化された第1サイド保持プレート24と第2サイド保持プレート25との間にスリーブ27が設けられている。スリーブ27は、円筒形状であり、ボルト26は、貫通孔24c、貫通孔25c及びスリーブ27の内部に挿入される。そして、ボルト26は、上述したようにセットブロック28のボルト穴28aに螺合することで第1サイド保持プレート24、第2サイド保持プレート25、フロントカバー30を締結し一体化する。
そして、スリーブ27は、第1サイド保持プレート24と第2サイド保持プレート25との間で軸方向におけるスペーサとして作用し、第1サイド保持プレート24と第2サイド保持プレート25との軸方向に対する相対的な位置関係を適正に固定する。第1サイド保持プレート24、第2サイド保持プレート25は、このボルト26、スリーブ27を介して中心保持プレート23の軸方向両側にこの中心保持プレート23に対して相対回転可能に組み付けられる。これにより、第1サイド保持プレート24、第2サイド保持プレート25と中心保持プレート23とが相対的に回転する際には、第1サイド保持プレート24と第2サイド保持プレート25との間にスリーブ27が介在され、第1サイド保持プレート24、第2サイド保持プレート25と中心保持プレート23との間に適正なクリアランスが確保されることで、この相対回転が滑らかに行われる。
なお、このボルト26、スリーブ27は、中心保持プレート23を貫通している。ただし、中心保持プレート23は、このボルト26、スリーブ27の部分にスライド部23bが形成されている。スライド部23bは、中心保持プレート23においてボルト26、スリーブ27に対応する部分に円弧状のスリットとして中心保持プレート23を貫通して形成される。スライド部23bは、軸方向に対してボルト26、スリーブ27を内部に挿入可能な位置に円弧状に設けられている。これにより、このスライド部23bは、第1サイド保持プレート24、第2サイド保持プレート25と中心保持プレート23との相対回転に伴ったボルト26、スリーブ27の移動を第1サイド保持プレート24、第2サイド保持プレート25と中心保持プレート23とが所定の捩れ角となるまで許容することができる。
また、第1サイド保持プレート24は、径方向外側端部24dが第2サイド保持プレート25側に折れ曲がるようにして形成される。この径方向外側端部24dは、第2サイド保持プレート25側に突出して回転軸線Xと同軸の円筒状に形成される。この径方向外側端部24dは、軸方向に沿って出力軸側に向かって延設されている。径方向外側端部24dは、中心保持プレート23の径方向外側を覆い第2サイド保持プレート25の径方向外側端部25dに当接する位置まで延設されている。そして、第1サイド保持プレート24と第2サイド保持プレート25とは、この径方向外側端部24dと径方向外側端部25dとが当接する部分に周方向の全周に渡って溶接が施されている。なお、第1サイド保持プレート24は、この径方向外側端部24dにいわゆるスタータリングギヤ82が設けられている。
第1サイド保持プレート24の第1サイド保持部24a、第2サイド保持プレート25の第2サイド保持部25aは、中心保持プレート23により軸方向に対する中心部分が保持される各ダンパースプリング21の一部分を収容し保持するものである。第1サイド保持部24aは、第1サイド保持プレート24の中心保持プレート23と対向する壁面、すなわち、出力軸側の壁面に設けられる。第2サイド保持部25aは、第2サイド保持プレート25の中心保持プレート23と対向する壁面、すなわち、エンジン側の壁面に設けられる。
第1サイド保持部24aは、第1サイド保持プレート24の出力軸側の壁面がエンジン側(中心保持プレート23側とは反対側)に窪むことで形成される。第1サイド保持部24aは、第1サイド保持プレート24の周方向に沿って円弧状に形成される。第1サイド保持部24aは、第1サイド保持プレート24に対して周方向に等間隔に複数個形成されている。
第2サイド保持部25aは、第2サイド保持プレート25のエンジン側の壁面が出力軸側(中心保持プレート23側とは反対側)に窪むことで形成される。第2サイド保持部25aは、第2サイド保持プレート25の周方向に沿って円弧状に形成される。第2サイド保持部25aは、第2サイド保持プレート25に対して周方向に等間隔に複数個形成されている。
そして、各第1サイド保持部24aと各第2サイド保持部25aとは、ともに中心保持プレート23の各中心保持部23aと軸方向に対向する位置に形成される。
したがって、プレダンパー機構20は、中心保持プレート23の中心保持部23aが各ダンパースプリング21の中心部分(軸方向の中心部分)を保持し、第1サイド保持プレート24の第1サイド保持部24aが各ダンパースプリング21のうち中心保持部23aよりエンジン側の部分を収容し保持する一方、第2サイド保持プレート25の第2サイド保持部25aが中心保持部23aより出力軸側の部分を収容し保持する。
そして、各第1サイド保持部24a、各第2サイド保持部25aの周方向における両端部は、各中心保持部23aに各ダンパースプリング21が保持された状態で、それぞれダンパースプリング21の両端部に周方向において対向し、接触可能となる。この結果、第1サイド保持プレート24、第2サイド保持プレート25は、第1サイド保持部24a、第2サイド保持部25aとダンパースプリング21との周方向端部接触部分において、ダンパースプリング21との間で駆動力の伝達が可能となる。
つまり、各ダンパースプリング21は、中心保持プレート23の中心保持部23a、第1サイド保持プレート24、第2サイド保持プレート25の第1サイド保持部24a、第2サイド保持部25aにより保持され、中心保持プレート23と第1サイド保持プレート24、第2サイド保持プレート25との間で相互に駆動力の伝達が可能となる。
なお、中心保持プレート23のスライド部23b、第1サイド保持プレート24のボルト収容部24b、第2サイド保持プレート25のセットブロック収容部25bは、それぞれ、周方向に沿って中心保持部23a、第1サイド保持部24a、第2サイド保持部25aと交互に複数個が形成されている。
上記のように構成されるプレダンパー機構20は、クランクシャフト80から中心保持プレート23として兼用されるドライブプレート10に伝達された駆動力を中心保持部23aの周方向端部からダンパースプリング21に伝達する。プレダンパー機構20は、ダンパースプリング21に伝達された駆動力を第1サイド保持部24a、第2サイド保持部25aの周方向端部を介して第1サイド保持プレート24、第2サイド保持プレート25に伝達する。したがって、第1サイド保持プレート24、第2サイド保持プレート25は、中心保持プレート23として兼用されるドライブプレート10に伝達されたエンジンからの駆動力がダンパースプリング21を介して伝達され、中心保持プレート23として兼用されるドライブプレート10と同一方向に回転する。そして、プレダンパー機構20は、第1サイド保持プレート24、第2サイド保持プレート25に伝達された駆動力をセットブロック28を介してフロントカバー30に伝達し、このフロントカバー30は、中心保持プレート23として兼用されるドライブプレート10、第1サイド保持プレート24、第2サイド保持プレート25と同一方向に回転する。したがって、プレダンパー機構20は、エンジンから中心保持プレート23として兼用されるドライブプレート10に伝達された駆動力をダンパースプリング21を介してフロントカバー30に伝達することができる。
この間、各ダンパースプリング21は、それぞれ、ドライブプレート10として兼用される中心保持プレート23の中心保持部23aの周方向端部と第1サイド保持プレート24、第2サイド保持プレート25の第1サイド保持部24a、第2サイド保持部25aの周方向端部との間に保持されつつ、伝達される駆動力の大きさに応じて弾性変形する。
フロントカバー30は、第2部材であり、プレダンパー機構20から駆動力が伝達されると共に、プレダンパー機構20から伝達された駆動力を流体伝達機構40又はロックアップクラッチ機構50に伝達するものである。フロントカバー30は、フロントカバー本体部31と、フロントカバーフランジ部32と、フロントカバーボス部33とを有する。
フロントカバー本体部31は、回転軸線Xと同軸の円板形状に形成される。フロントカバー本体部31は、膨出部31aを有する。膨出部31aは、フロントカバー本体部31の径方向内側中心部近傍がドライブプレート10側、すなわち、エンジン側に向かって突出するようにして形成される。膨出部31aは、回転軸線Xと同軸の円板形状に形成される。上述のセットブロック28は、このフロントカバー本体部31のエンジン側の面の外周端部近傍に周方向に複数設けられている。
フロントカバーフランジ部32は、フロントカバー本体部31の径方向外側端部から出力軸側に突出して形成されている。フロントカバーフランジ部32は、回転軸線Xと同軸の円筒形状に形成される。
フロントカバーボス部33は、フロントカバー本体部31の膨出部31aにドライブプレート10側、すなわち、エンジン側に向かって突出するように設けられる。このフロントカバーボス部33は、回転軸線Xと同軸の円柱状に形成される。フロントカバーボス部33は、固定手段、例えば、溶接などにより膨出部31aに固定される。フロントカバーボス部33は、クランクシャフト80の端面に形成された嵌合部81cに挿入され、この嵌合部81cに対して、例えば、転がり軸受83により回転自在に支持されている。
つまり、フロントカバー30は、フロントカバーボス部33がクランクシャフト80に対して転がり軸受83を介して回転自在に支持されることで、回転軸線Xを中心としてクランクシャフト80に対して相対回転可能に支持される。
流体伝達機構40は、流体伝達手段であり、軸方向に対してフロントカバー30の他方側、すなわち、出力軸側に設けられる。つまり、流体伝達機構40は、軸方向に対してフロントカバー30を挟んでプレダンパー機構20とは反対側に設けられる。さらに言い換えれば、本実施形態のトルクコンバータ1は、軸方向に対してフロントカバー30を境界として一方側の空間領域にプレダンパー機構20が設けられ、他方側の空間領域に流体伝達機構40が設けられる。
流体伝達機構40は、フロントカバー30に伝達された駆動力を作動流体(作動油)を介して出力軸60に伝達するものである。流体伝達機構40は、ポンプインペラ41と、タービンライナ42と、ステータ43と、ワンウェイクラッチ44と、ポンプインペラ41とタービンライナ42との間に介在する作動流体である作動油とにより構成されている。
ポンプインペラ41は、フロントカバー30に伝達されたエンジンからの駆動力が伝達されるものであり、伝達された駆動力を作動油を介してタービンライナ42に伝達するものである。ポンプインペラ41は、複数のポンプブレード41aと、ポンプシェル41bと、インナーコア41cと、スリーブ41dとを有する。各ポンプブレード41aは、翼であり、トルクコンバータ1の周方向に等間隔に設けられている。各ポンプブレード41aは、内周にインナーコア41cが取り付けられている。ポンプシェル41bは、回転軸線Xと同軸のリング形状で出力軸側に凹んでおり、凹むことで形成されたポンプシェル41bの内面に各ポンプブレード41aが取り付けられている。ポンプシェル41bは、径方向外側端部がフロントカバー30のフロントカバーフランジ部32の出力軸側端部に例えば溶接などにより固定されることで、フロントカバー30に固定されている。つまり、ポンプインペラ41は、フロントカバー30と一体回転し、フロントカバー30に伝達されたエンジンからの駆動力がポンプシェル41bを介して各ポンプブレード41aに伝達される。また、ポンプインペラ41は、ポンプシェル41bの径方向内側端部がスリーブ41dに固定されている。このスリーブ41dは、回転運動により作動する装置、例えばオイルポンプ(不図示)などに連結されている。
タービンライナ42は、ポンプインペラ41から作動油を介して伝達されたエンジンからの駆動力を出力軸60に伝達するものである。タービンライナ42は、タービンブレード42aと、タービンシェル42bと、インナーコア42cとを有する。各タービンブレード42aは、翼であり、トルクコンバータ1の周方向に等間隔に設けられている。各タービンブレード42aは、内周にインナーコア42cが取り付けられている。タービンシェル42bは、回転軸線Xと同軸のリング形状でエンジン側に湾曲しており、湾曲したタービンシェル42bの内面に各タービンブレード42aが取り付けられている。ここで、タービンライナ42は、ポンプインペラ41に対向するように配置されている。
そして、タービンライナ42は、タービンシェル42bの径方向内側端部が例えばリベット61aによりハブ61に固定されている。
ハブ61は、タービンライナ42の基部であり、タービンライナ42の径方向内側に配置されている。ハブ61は、回転軸線Xと同軸の円環状に形成されている。ハブ61は、径方向外側端部がタービンシェル42bの径方向内側端部にリベット61aなどにより固定されることで、タービンシェル42bに固定されている。
また、ハブ61は、径方向内側に出力軸60が挿入されている。ハブ61は、例えばハブ61の径方向内側端部の内周面において軸方向に形成されたスプラインと、出力軸60の外周面において軸方向に形成されたスプラインとがスプライン嵌合することにより、出力軸60に設けられている。この結果、ハブ61と出力軸60とは、相互に駆動力を伝達可能な構成となる。
つまり、タービンシェル42bは、ハブ61を介して出力軸60と一体回転することとなり、タービンライナ42が出力軸60と一体回転することで、流体伝達機構40を構成するポンプインペラ41、作動油及びタービンライナ42を介して伝達されたエンジンからの駆動力が出力軸60に伝達される。
ステータ43は、周方向に形成された複数のステータブレード43aを有し、ポンプインペラ41とタービンライナ42との間に配置されるものである。ステータ43は、ポンプインペラ41とタービンライナ42との間を循環する作動油の流れを変化させ、エンジンから伝達される駆動力に基づいて所定のトルク特性を得るためのものである。
ワンウェイクラッチ44は、トルクコンバータ1を収納するハウジング62に対してステータ43を一方向のみに回転可能に支持するものである。このワンウェイクラッチ44は、スリーブ41dおよびハブ61に対して、軸受45,46によりそれぞれ回転可能に支持されている。
ロックアップクラッチ機構50は、ロックアップ手段であり、フロントカバー30に伝達された駆動力を係合部材としてのロックアップピストン51を介して出力軸60に伝達するものである。すなわち、ロックアップクラッチ機構50は、フロントカバー30に伝達されたエンジンからの駆動力を流体伝達機構40の作動流体を介さずに直接出力軸60に伝達するものである。
ロックアップクラッチ機構50は、係合部材としてのロックアップピストン51と、摩擦係合面52と、作動流体流路53と、ピストン油圧室54とを有する。本実施形態では、ロックアップクラッチ機構50の摩擦係合面52は、ロックアップピストン51に設けられる摩擦材55とフロントカバー30のフロントカバー内壁面34とにより構成される。
ロックアップクラッチ機構50は、軸方向に対してエンジン側から出力軸側に向かって、摩擦係合面52の一方の面をなすフロントカバー30のフロントカバー内壁面34、摩擦係合面52の他方の面をなす摩擦材55、ロックアップピストン51の順番で配置されている。
ロックアップピストン51は、係合部材であり、フロントカバー30の流体伝達機構40側に設けられる。つまり、ロックアップピストン51は、フロントカバー30と流体伝達機構40のポンプシェル41bとによって区画され作動流体(作動油)で満たされる空間部に設けられる。さらに、このロックアップピストン51は、フロントカバー30の流体伝達機構40側にこのフロントカバー30に対して軸方向に相対移動可能に設けられる。
ロックアップピストン51は、回転軸線Xと同軸の円環板状に形成され、軸方向に対してフロントカバー30とタービンライナ42との間に、軸方向においてフロントカバー30と対向するようにして配置されている。さらに具体的に言えば、ロックアップピストン51は、軸方向に対してフロントカバー30のフロントカバー本体部31とタービンライナ42のタービンシェル42b、ハブ61との間に配置されている。ロックアップピストン51は、径方向外側突出部51aと、径方向内側円筒部51bと、連結切欠部51cとを有する。
径方向外側突出部51aは、ロックアップピストン51の径方向外側端部がタービンライナ42側に折れ曲がるようにして形成される。つまり、径方向外側突出部51aは、タービンライナ42側に突出して回転軸線Xと同軸の円筒状に形成される部分である。
径方向内側円筒部51bは、ロックアップピストン51の径方向内側端部に円筒状に形成される。つまり、径方向内側円筒部51bは、回転軸線Xと同軸の円筒状に形成される部分である。
連結切欠部51cは、連結部90の一部を構成するものであり、径方向外側突出部51aに形成される。この連結部90は、ロックアップピストン51と後述する内側ダンパー機構70の中心保持プレート73とを一体回転可能かつ軸方向に相対移動可能に連結するものである。
連結切欠部51cは、ロックアップピストン51のうち後述する内側ダンパー機構70の中心保持プレート73の径方向外側端部に設けられる連結突起部73aと径方向において対向する部分、すなわち、径方向外側突出部51aに形成されている。連結切欠部51cは、径方向外側突出部51aの出力軸側の端部がエンジン側に向かって軸方向に沿って切り欠かれることで形成される。連結切欠部51cは、径方向に対して径方向外側突出部51aの外周面から内周面まで貫通して形成される。連結切欠部51cは、径方向外側突出部51aに対して周方向に等間隔に複数個形成されている。
ロックアップピストン51は、この連結切欠部51cに後述の内側ダンパー機構70の中心保持プレート73の径方向外側端部に設けられる連結突起部73aが挿入され連結切欠部51cと連結突起部73aとが係合することで、内側ダンパー機構70の中心保持プレート73に対して軸方向に相対移動可能で、かつ、この中心保持プレート73と一体回転可能に支持される。つまり、ロックアップピストン51は、連結部90をなす連結切欠部51cと連結突起部73aとにより、中心保持プレート73に一体回転可能かつ軸方向に相対移動可能に連結される。したがって、ロックアップピストン51は、このロックアップピストン51に伝達された駆動力を内側ダンパー機構70の中心保持プレート73に伝達可能に連結されると共に、フロントカバー30に対しても軸方向に相対移動可能な構成となり、すなわち、フロントカバー30に対して軸方向に接近、離間可能な構成となる。
なお、ロックアップピストン51は、連結部90を介して後述の内側ダンパー機構70の中心保持プレート73に一体回転可能かつ軸方向に相対移動可能に連結された状態で、径方向外側突出部51aがフロントカバーフランジ部32と径方向に所定の間隔を有して対向する。また、ロックアップピストン51は、連結部90を介しての内側ダンパー機構70の中心保持プレート73に一体回転可能かつ軸方向に相対移動可能に連結された状態で、径方向内側円筒部51bがハブ61の径方向内側端部の外周面(出力軸60と接触する面とは反対側の面)と対向して接触し軸方向に摺動自在に支持されている。
摩擦係合面52は、上述のようにロックアップピストン51に設けられる摩擦材55とフロントカバー30のフロントカバー内壁面34とにより構成される。フロントカバー内壁面34は、フロントカバー30のフロントカバー本体部31においてロックアップピストン51と軸方向に対向する壁面であり、ここでは、フロントカバー本体部31において第2サイド保持プレート25が設けられる壁面の背面側の壁面である。摩擦材55は、ロックアップピストン51においてフロントカバー本体部31と軸方向に対向する壁面の径方向外側端部、すなわち、径方向外側突出部51a近傍に設けられる。摩擦材55は、回転軸線Xと同軸の円環板状に形成される。摩擦係合面52は、この摩擦係合面52の一方の面をなすフロントカバー内壁面34と摩擦係合面52の他方の面をなすロックアップピストン51に設けられた摩擦材55とが対向して接触することで摩擦係合可能であり、すなわち、ロックアップピストン51の径方向外側端部とフロントカバー30とを摩擦係合可能である。
そして、ロックアップピストン51は、上述のように内側ダンパー機構70の中心保持プレート73に対して軸方向に相対的に移動してフロントカバー30のフロントカバー本体部31に対して接近、離間することで、摩擦材55のフロントカバー内壁面34に対する相対距離を変化させることができる。そして、このロックアップピストン51の軸方向の摺動により、摩擦材55をフロントカバー内壁面34に接触させ摩擦係合することができ、またフロントカバー内壁面34と非接触とし、摩擦係合を解除することができる。
なお、ロックアップピストン51の径方向内側円筒部51bとハブ61の径方向内側端部の外周面との間には、ハブ61の径方向内側端部の外周面とこの外周面上を摺動する径方向内側円筒部51bとの間からの作動媒体としての作動油の漏れを抑制するシール部材S1が配置されている。したがって、フロントカバー30と流体伝達機構40のポンプシェル41bとによって区画される空間部は、ロックアップピストン51により、流体伝達機構40が位置する流体伝達機構空間部Aと、ロックアップクラッチ機構50の摩擦材55が位置するクラッチ空間部Bとに区画される。流体伝達機構空間部Aは、軸方向に対してロックアップピストン51より出力軸側の空間、すなわち、軸方向に対してロックアップピストン51とポンプシェル41bとによって区画される空間、クラッチ空間部Bは、軸方向に対してフロントカバー30とロックアップピストン51とによって区画される空間である。この流体伝達機構空間部Aとクラッチ空間部Bとは、摩擦係合面52側で径方向外側突出部51aとフロントカバーフランジ部32との間の連通部分を介して連通可能となっている。
作動流体流路53は、軸方向に対してロックアップピストン51とフロントカバー30との間に作動媒体(作動流体)としての作動油が通過可能な空間部として形成される。ここでは、フロントカバー30とポンプシェル41bとによって区画される空間部にて摩擦材55が位置するクラッチ空間部Bが作動流体流路53として機能する。摩擦係合面52は、この作動流体流路53として機能するクラッチ空間部B内の径方向外側の部分に設けられている。そして、この作動流体流路53は、上述のように摩擦係合面52側で径方向外側突出部51aとフロントカバーフランジ部32との間の連通部分を介して流体伝達機構40の内部の流体伝達機構空間部Aと連通可能に形成される。
ピストン油圧室54は、ロックアップピストン51を軸方向に移動させるための油圧押圧力を発生させるためのものである。ここでは、フロントカバー30とポンプシェル41bとによって区画される空間部にて流体伝達機構40が位置する流体伝達機構空間部Aがピストン油圧室54として機能する。このピストン油圧室54として機能する流体伝達機構空間部Aは、上述したように、ロックアップピストン51とポンプシェル41bとの間に作動媒体(作動流体)としての作動油が通過可能な空間部として形成されている。そして、このピストン油圧室54として機能する流体伝達機構空間部Aは、内部の作動油によってロックアップピストン51にフロントカバー30側への押圧力を作用させる。
上記のように構成されるロックアップクラッチ機構50は、ピストン油圧室54として機能する流体伝達機構空間部Aに供給される作動流体(作動油)の液圧(油圧)により、ロックアップピストン51が軸方向に沿ってフロントカバー30側に接近移動し、ロックアップクラッチ機構50の摩擦係合面52を構成する摩擦材55とフロントカバー本体部31のフロントカバー内壁面34とが接触し摩擦係合することで、ロックアップクラッチ機構50がONとなる。ロックアップクラッチ機構50がONとなると、フロントカバー30とロックアップピストン51とが一体回転することとなるので、このロックアップクラッチ機構50は、フロントカバー30に伝達されたエンジンからの駆動力をフロントカバー内壁面34、摩擦材55、ロックアップピストン51を順番に介して、後述する内側ダンパー機構70の中心保持プレート73に伝達することとなる。
ここで、このトルクコンバータ1は、ロックアップピストン51とポンプシェル41bとの間に形成されピストン油圧室54として機能する流体伝達機構空間部A又はフロントカバー30とロックアップピストン51との間に形成され作動流体流路53として機能するクラッチ空間部Bの一方に油圧制御手段としての油圧制御装置91から作動媒体としての作動油が供給される。
この油圧制御装置91は、トルクコンバータ1を含むトランスミッションの各部に供給される作動油の流量あるいは油圧を制御するものである。油圧制御装置91は、ECU92に電気的に接続され、このECU92により油圧制御装置91の各弁の開閉制御などが実行される。
そして、油圧制御装置91は、ピストン油圧室54として機能する流体伝達機構空間部Aの油圧と、作動流体流路53として機能するクラッチ空間部Bの油圧との圧力差、すなわち、ロックアップクラッチ機構50のロックアップピストン51の出力軸側の面である受圧面51dに軸方向に作用する押圧力を制御することができる。
油圧制御装置91は、ロックアップクラッチ機構50のON制御時に、例えば、ピストン油圧室54として機能する流体伝達機構空間部Aに作動油を供給し、流体伝達機構40の内部側であるこの流体伝達機構空間部A側からクラッチ空間部Bに作動油を流し、作動流体流路53として機能するクラッチ空間部Bからトルクコンバータ1の外部に排出することで、作動流体流路53として機能するクラッチ空間部Bの油圧を低下させ、ピストン油圧室54として機能する流体伝達機構空間部Aの油圧をクラッチ空間部Bの油圧よりも大きくする。これにより、油圧制御装置91は、ロックアップピストン51をフロントカバー30に接近する側(エンジン側)に移動させ、摩擦材55をフロントカバー内壁面34と接触させ、この摩擦係合面52を介してフロントカバー30とロックアップピストン51とを摩擦係合させて、フロントカバー30とロックアップピストン51とを一体回転させる。
また、油圧制御装置91は、ロックアップクラッチ機構50のOFF制御時に、例えば、作動流体流路53として機能するクラッチ空間部Bに作動油を供給し、クラッチ空間部B側から流体伝達機構空間部Aに作動油を流し、ピストン油圧室54として機能する流体伝達機構空間部Aからトルクコンバータ1の外部に作動油を排出することで、作動流体流路53として機能するクラッチ空間部Bの油圧をピストン油圧室54として機能する流体伝達機構空間部Aの油圧よりも大きく、あるいは同等とする。これにより、油圧制御装置91は、ロックアップピストン51をフロントカバー30から離間する側(出力軸側)に移動させ、フロントカバー内壁面34と摩擦係合していた摩擦材55をフロントカバー内壁面34から離間させ、摩擦係合を解除し、ロックアップピストン51とフロントカバー30との一体回転を解除する。
内側ダンパー機構70は、フロントカバー30と出力軸60とを相対回転可能に連結するものである。ここでは、フロントカバー30と出力軸60とは、ロックアップクラッチ機構50のON制御時に、ロックアップクラッチ機構50のロックアップピストン51、内側ダンパー機構70及びハブ61を介して相対回転可能に連結される。内側ダンパー機構70は、フロントカバー30とポンプシェル41bとにより区画される空間部、さらに言えば、ロックアップピストン51とポンプシェル41bとによって区画される流体伝達機構空間部Aに収納されており、軸方向に対してタービンシェル42bとロックアップピストン51との間に設けられる。
内側ダンパー機構70は、複数の弾性体としての複数のダンパースプリング71と、保持部材72とを有する。本実施形態の保持部材72は、複数のダンパースプリング71を保持するものであり、中心保持プレート73と、第1サイド保持プレート74と、第2サイド保持プレート75とを含んで構成される。
この内側ダンパー機構70は、軸方向に対してエンジン側から出力軸側に向かって、第1サイド保持プレート74、中心保持プレート73と及び複数のダンパースプリング71、第2サイド保持プレート75の順番で配置されている。
そして、本実施形態の内側ダンパー機構70は、ロックアップクラッチ機構50のON制御時に、フロントカバー30、フロントカバー内壁面34、摩擦材55、ロックアップピストン51を順番に介して伝達されるエンジンからの駆動力が中心保持プレート73に入力され、この中心保持プレート73に入力された駆動力をダンパースプリング71、第1サイド保持プレート74、第2サイド保持プレート75からハブ61を介して出力軸60に伝達可能である。
複数のダンパースプリング71は、例えば、複数のコイルスプリングである。ダンパースプリング71は、フロントカバー30から中心保持プレート73に伝達されたエンジンの駆動力を第1サイド保持プレート74、第2サイド保持プレート75に伝達するものである。
中心保持プレート73、第1サイド保持プレート74、第2サイド保持プレート75は、複数のダンパースプリング71を保持するものであり、回転軸線Xと同軸の円環板状に形成される。中心保持プレート73、第1サイド保持プレート74及び第2サイド保持プレート75は、軸方向に対してロックアップピストン51とタービンシェル42bとの間に配置されている。
中心保持プレート73は、上述したようにロックアップピストン51が一体回転可能かつ軸方向に相対移動可能に設けられると共に、ダンパースプリング71を駆動力伝達可能に保持するものである。中心保持プレート73は、上述の連結突起部73aと、中心保持部73bとを有する。
連結突起部73aは、中心保持プレート73の径方向外側端部(すなわち、外周面側の端部)に形成されている。この連結突起部73aは、連結部90の一部を構成するものであり、すなわち、上述したロックアップピストン51の連結切欠部51cと共に連結部90を構成するものである。連結突起部73aは、中心保持プレート73に対して周方向に等間隔にそれぞれ複数個形成されている。
連結突起部73aは、中心保持プレート73がロックアップピストン51の径方向外側突出部51aの内側に挿入された状態で、径方向外側突出部51aの連結切欠部51cと径方向において対向するように、中心保持プレート73の径方向外側端部から径方向外側に突出して形成されている。連結突起部73aは、中心保持プレート73が径方向外側突出部51aの内側に挿入された状態で、連結切欠部51cに挿入されるように突出量が設定されている。
中心保持プレート73は、ロックアップピストン51の径方向外側突出部51aの内側に挿入された状態で、連結部90をなす連結突起部73aが連結切欠部51cに挿入され係合することで、ロックアップピストン51に対して相対回転することが規制されると共に軸方向に沿ったロックアップピストン51の相対移動が許容される。つまり、中心保持プレート73は、この連結部90にて、ロックアップピストン51を軸方向に相対移動可能で、かつ、この中心保持プレート73と一体回転可能に支持する。したがって、中心保持プレート73は、連結部90によってロックアップピストン51と駆動力を伝達可能に連結される。そして、中心保持プレート73は、ロックアップクラッチ機構50のON制御時に、エンジンからの駆動力がフロントカバー30、フロントカバー内壁面34、摩擦材55、ロックアップピストン51を順番に介して入力される。つまり、フロントカバー30に伝達されたエンジンからの駆動力は、ロックアップクラッチ機構50のON制御時には、この連結部90にてロックアップピストン51から中心保持プレート73に伝達される。
なお、この連結部90は、連結突起部73aと連結切欠部51cとによる切り欠き係合を構成するものに限らず、例えば、スプライン嵌合を構成するものであってもよい。この場合、この連結部90は、ロックアップピストン51の径方向外側突出部51aの内周面、中心保持プレート73の径方向外側端部の外周面の全周にわたってそれぞれ形成されるスプラインにより構成すればよい。
中心保持部73bは、中心保持プレート73において複数のダンパースプリング71の一部分を保持するものである。中心保持部73bは、中心保持プレート23の周方向に沿って円弧状に形成されたスリットである。中心保持部73bは、内部にダンパースプリング71が挿入されこのダンパースプリング71を保持する。中心保持部73bは、中心保持プレート73に対して周方向に等間隔に複数個形成されており、それぞれに中心保持部73bが保持される。
各中心保持部73bは、その周方向の長さが各ダンパースプリング71を付勢した状態で保持できる長さに設定されている。したがって、中心保持部73bにダンパースプリング71が保持されると、中心保持部73bの周方向における両端部がダンパースプリング71の両端部にそれぞれ接触することとなる。つまり、ダンパースプリング71は、各中心保持部73bの周方向における両端部に接触し、両端部の間に付勢された状態で保持される。
したがって、この中心保持プレート73は、中心保持部73bとダンパースプリング71との周方向端部接触部分において、ダンパースプリング71との間で駆動力の伝達が可能となる。
第1サイド保持プレート74、第2サイド保持プレート75は、中心保持プレート73により軸方向の中心部分を保持される複数のダンパースプリング71の一部分を駆動力伝達可能に保持するものである。
第1サイド保持プレート74、第2サイド保持プレート75は、軸方向に対して中心保持プレート73の側方にそれぞれ設けられる。ここでは、第1サイド保持プレート74は、軸方向に対して中心保持プレート73のロックアップピストン51側(エンジン側)の側方に設けられ、第2サイド保持プレート75は、軸方向に対して中心保持プレート73のタービンシェル42b側(出力軸側)に設けられる。第1サイド保持プレート74は、第1サイド保持部74aを有する一方、第2サイド保持プレート75は、第2サイド保持部75aを有する。
第1サイド保持プレート74と第2サイド保持プレート75とは、第2サイド保持プレート75の内径が第1サイド保持プレート74の内径より小さく設定されている。そして、第2サイド保持プレート75は、径方向内側端部(すなわち、内周面側の端部)がタービンシェル42bの径方向内側端部とともに例えばリベット61aによりハブ61に固定されている。したがって、第2サイド保持プレート75は、ハブ61を介して出力軸60に固定され、ハブ61及び出力軸60と共に一体回転することができる。
そして、第1サイド保持プレート74と第2サイド保持プレート75とは、軸方向に対する第1サイド保持プレート74と第2サイド保持プレート75との間の空間部分に複数のダンパースプリング71と共に中心保持プレート73が配置され、この中心保持プレート73及びダンパースプリング71を挟み込みこれらを保持する。第1サイド保持プレート74と第2サイド保持プレート75とは、中心保持プレート73の軸方向両側を挟んで相対回転可能に保持する。
ここで、第1サイド保持プレート74と第2サイド保持プレート75とは、例えばリベット76によりにより中心保持プレート73を挟んで一体化されている。また、リベット76により一体化された第1サイド保持プレート74と第2サイド保持プレート75との間にはスリーブ77が設けられている。スリーブ77は、円筒形状であり、リベット76は、スリーブ77の内部に挿入するようにして設けられる。これにより、第1サイド保持プレート74は、第2サイド保持プレート75、ハブ61及び出力軸60と共に一体回転することができる。
そして、スリーブ77は、上述したスリーブ27と同様に第1サイド保持プレート74と第2サイド保持プレート75との間で軸方向におけるスペーサとして作用し、第1サイド保持プレート74と第2サイド保持プレート75との軸方向に対する相対的な位置関係を適正に固定する。また、リベット76、スリーブ77は、上述のプレダンパー機構20と同様に、中心保持プレート73に形成されたスライド部73dを介して中心保持プレート73を貫通している。
第1サイド保持プレート74の第1サイド保持部74a、第2サイド保持プレート75の第2サイド保持部75aは、中心保持プレート73により軸方向に対する中心部分が保持される各ダンパースプリング71の一部分を収容し保持するものである。第1サイド保持部74aは、第1サイド保持プレート74の中心保持プレート73と対向する壁面、すなわち、出力軸側の壁面に設けられる。第2サイド保持部75aは、第2サイド保持プレート75の中心保持プレート73と対向する壁面、すなわち、エンジン側の壁面に設けられる。
第1サイド保持部74aは、第1サイド保持プレート74の出力軸側の壁面がエンジン側(中心保持プレート73側とは反対側)に窪むことで形成される。第1サイド保持部74aは、第1サイド保持プレート74の周方向に沿って円弧状に形成される。第1サイド保持部74aは、第1サイド保持プレート74に対して周方向に等間隔に複数個形成されている。
第2サイド保持部75aは、第2サイド保持プレート75のエンジン側の壁面が出力軸側(中心保持プレート73側とは反対側)に窪むことで形成される。第2サイド保持部75aは、第2サイド保持プレート75の周方向に沿って円弧状に形成される。第2サイド保持部75aは、第2サイド保持プレート75に対して周方向に等間隔に複数個形成されている。
そして、各第1サイド保持部74aと各第2サイド保持部75aとは、ともに中心保持プレート73の中心保持部73bと軸方向に対向する位置に形成される。
したがって、内側ダンパー機構70は、中心保持プレート73の中心保持部73bが各ダンパースプリング71の中心部分(軸方向の中心部分)を保持し、第1サイド保持プレート74の第1サイド保持部74aが各ダンパースプリング71のうち中心保持部73bよりエンジン側の部分を収容し保持する一方、第2サイド保持プレート75の第2サイド保持部75aが中心保持部73bより出力軸側の部分を収容し保持する。
そして、各第1サイド保持部74a、各第2サイド保持部75aの周方向における両端部は、各中心保持部73bに各ダンパースプリング71が保持された状態で、それぞれダンパースプリング71の両端部に周方向において対向し、接触可能となる。この結果、第1サイド保持プレート74、第2サイド保持プレート75は、第1サイド保持部74a、第2サイド保持部75aとダンパースプリング71との周方向端部接触部分において、ダンパースプリング71との間で駆動力の伝達が可能となる。
つまり、各ダンパースプリング71は、中心保持プレート73の中心保持部73b、第1サイド保持プレート74の第1サイド保持部74a及び第2サイド保持プレート75の第2サイド保持部75aにより保持され、中心保持プレート73と第1サイド保持プレート74、第2サイド保持プレート75との間で相互に駆動力の伝達が可能となる。
上記のように構成される内側ダンパー機構70は、ロックアップピストン51に伝達されたエンジンからの駆動力を連結部90にて中心保持プレート73に伝達する。内側ダンパー機構70は、中心保持プレート73に伝達された駆動力を中心保持部73bの周方向端部からダンパースプリング71に伝達する。内側ダンパー機構70は、ダンパースプリング71に伝達された駆動力を第1サイド保持部74a、第2サイド保持部75aの周方向端部を介して第1サイド保持プレート74、第2サイド保持プレート75に伝達する。したがって、第1サイド保持プレート74、第2サイド保持プレート75は、ロックアップピストン51に伝達されたエンジンからの駆動力がダンパースプリング71を介して伝達され、ロックアップピストン51と同一方向に回転する。そして、内側ダンパー機構70は、第1サイド保持プレート74、第2サイド保持プレート75に伝達された駆動力を第2サイド保持プレート75からハブ61を介して出力軸60に伝達し、このハブ61を介して出力軸60は、第1サイド保持プレート74、第2サイド保持プレート75と同一方向に回転する。したがって、内側ダンパー機構70は、中心保持プレート73に伝達された駆動力をダンパースプリング71を介して出力軸60に伝達することができる。
この間、各ダンパースプリング71は、それぞれ、中心保持プレート73の中心保持部73bの周方向端部と第1サイド保持プレート74、第2サイド保持プレート75の第1サイド保持部74a、第2サイド保持部75aの周方向端部との間に保持されつつ、伝達される駆動力の大きさに応じて弾性変形する。
なお、このトルクコンバータ1は、中心保持プレート23として兼用されるドライブプレート10がクランクシャフト80の端面に対して、ボルト81により回転軸線Xを中心としてクランクシャフト80と共に回転可能に固定されて支持されており、径方向に対して位置決めされている。また、このトルクコンバータ1は、フロントカバー30がフロントカバーボス部33を介して転がり軸受83により回転自在に支持されることで、回転軸線Xを中心としてクランクシャフト80に対して相対回転可能に支持されており、径方向に対して位置決めされている。これにより、このトルクコンバータ1は、ドライブプレート10とフロントカバー30との径方向に対する相対的な位置関係を適正に保持し、ドライブプレート10とフロントカバー30の芯だしを行っている。したがって、トルクコンバータ1は、ドライブプレート10、プレダンパー機構20の回転中心とフロントカバー30、流体伝達機構40の回転中心とを正確に回転軸線Xにあわせることができる。この結果、トルクコンバータ1は、ドライブプレート10、プレダンパー機構20の回転中心とフロントカバー30、流体伝達機構40の回転中心とが回転軸線Xに対して偏心することを防止することができ、偏心に起因して回転中に振動が発生することを防止することができ、性能を安定化させることができ、信頼性を向上することができる。
次に、本実施形態に係るトルクコンバータ1の基本的な動作について説明する。トルクコンバータ1は、エンジンが駆動力を発生し、クランクシャフト80が回転すると、エンジンからの駆動力がドライブプレート10を介してプレダンパー機構20に伝達され、プレダンパー機構20に伝達されたエンジンからの駆動力は、フロントカバー30に伝達される。
このとき、ロックアップクラッチ機構50のON・OFFにかかわらず、ドライブプレート10に伝達された駆動力をプレダンパー機構20を介してフロントカバー30に伝達する際には、中心保持プレート23として兼用されるこのドライブプレート10に伝達された駆動力は、中心保持部23aの周方向端部からダンパースプリング21に伝達される。ダンパースプリング21に伝達された駆動力は、第1サイド保持部24a、第2サイド保持部25aの周方向端部を介して第1サイド保持プレート24、第2サイド保持プレート25に伝達され、第1サイド保持プレート24、第2サイド保持プレート25に伝達された駆動力は、第2サイド保持プレート25からフロントカバー30に伝達される。
そして、ロックアップクラッチ機構50がOFF時からON時、あるいはON時からOFF時に切り替わる場合や、エンジンからの駆動力が変動した場合、出力軸60に伝達される路面からの抵抗力が変動した場合などでは、中心保持プレート23として兼用されるドライブプレート10とフロントカバー30との間で伝達される力(エンジンからの駆動力と路面から伝達される被駆動力)が変動し、プレダンパー機構20を挟んで駆動側に位置するドライブプレート10と被駆動側に位置するフロントカバー30とが相対的に回転しようとする。このとき、プレダンパー機構20の各ダンパースプリング21は、駆動側の中心保持プレート23として兼用されるドライブプレート10と被駆動側のフロントカバー30との相対的な回転に伴って、ドライブプレート10とフロントカバー30との間で伝達される力の変動に応じて、それぞれ第1サイド保持プレート24、第2サイド保持プレート25と中心保持プレート23との間で弾性変形する。これにより、例えば、エンジンの爆発に起因する振動を各ダンパースプリング21が吸収するので、プレダンパー機構20を介した駆動力伝達時におけるこもり音などの振動を低減することができる。
プレダンパー機構20を介してフロントカバー30に伝達されたエンジンからの駆動力は、フロントカバー30に連結されているポンプインペラ41のポンプシェル41bに伝達され、ポンプインペラ41が回転する。流体伝達機構空間部Aの作動油は、ポンプインペラ41が回転すると、ポンプブレード41aとタービンブレード42aとステータ43のステータブレード43aの間を循環し、流体継手として作用する。これにより、フロントカバー30に伝達されたエンジンからの駆動力が、ポンプインペラ41及び作動油を介してタービンライナ42に伝達され、タービンライナ42がフロントカバー30と同一方向に回転する。このとき、ステータ43は、ステータブレード43aを介してポンプブレード41aとタービンブレード42aとの間を循環する作動油の流れを変化させ、これにより、このトルクコンバータ1は、所定のトルク特性を得ることができる。
そして、ロックアップクラッチ機構50のOFF時は、フロントカバー30のフロントカバー内壁面34とロックアップピストン51に設けられた摩擦材55との摩擦係合が解除されている。したがって、上記のように作動油を介してタービンライナ42に伝達されたエンジンからの駆動力は、ハブ61を介して出力軸60に伝達される。つまり、ロックアップクラッチ機構50のOFF時は、フロントカバー30に伝達されたエンジンからの駆動力が流体伝達機構40を介して出力軸60に伝達される。
一方、ロックアップクラッチ機構50のON時は、フロントカバー30のフロントカバー内壁面34とロックアップピストン51に設けられた摩擦材55とが摩擦係合することで、フロントカバー30とロックアップピストン51とが一体回転する。したがって、プレダンパー機構20を介してフロントカバー30に伝達された駆動力は、摩擦係合面52を介してロックアップピストン51に伝達される。ロックアップピストン51に伝達されたエンジンからの駆動力は、連結部90を介してロックアップピストン51から内側ダンパー機構70の中心保持プレート73に入力されて、中心保持プレート73に入力された駆動力は、中心保持部73bの周方向端部からダンパースプリング71に伝達される。ダンパースプリング71に伝達された駆動力は、第1サイド保持部74a、第2サイド保持部75aの周方向端部を介して第1サイド保持プレート74、第2サイド保持プレート75に伝達され、第1サイド保持プレート74、第2サイド保持プレート75に伝達された駆動力は、第2サイド保持プレート75からハブ61に伝達される。つまり、ロックアップクラッチ機構50のON時は、フロントカバー30に伝達されたエンジンからの駆動力がロックアップクラッチ機構50、内側ダンパー機構70及びハブ61を介して作動油を介さずに直接的に出力軸60に伝達される。
このとき、ロックアップクラッチ機構50がOFF時からON時、あるいはON時からOFF時に切り替わる場合や、エンジンからの駆動力が変動した場合、出力軸60に伝達される路面からの抵抗力が変動した場合などでは、フロントカバー30と出力軸60との間で伝達される力(エンジンからの駆動力と路面から伝達される被駆動力)が変動するので、内側ダンパー機構70を挟んで駆動側に位置するフロントカバー30と被駆動側に位置する出力軸60とが相対的に回転しようとする。つまり、フロントカバー30、ロックアップピストン51と一体回転する中心保持プレート73と、ハブ61、出力軸60と一体回転する第1サイド保持プレート74、第2サイド保持プレート75とが相対的に回転しようとする。そして、内側ダンパー機構70の各ダンパースプリング71は、駆動側のフロントカバー30、ロックアップピストン51、中心保持プレート73と、被駆動側の出力軸60、ハブ61、第1サイド保持プレート74、第2サイド保持プレート75との相対的な回転に伴って、フロントカバー30側と出力軸60側との間で伝達される力の変動に応じて、それぞれ、中心保持プレート73と第1サイド保持プレート74、第2サイド保持プレート75との間で弾性変形する。これにより、ロックアップクラッチ機構50のON時は、内側ダンパー機構70により複数のダンパースプリング71を介してフロントカバー30と出力軸60とが相対回転可能に連結されることから、例えば、エンジンの爆発に起因する振動を各ダンパースプリング71が吸収するので、内側ダンパー機構70を介した駆動力伝達時におけるこもり音などの振動を低減することができる。
また、このトルクコンバータ1では、いわゆるスリップ制御を実行することで、さらなる振動低減を図る場合がある。このトルクコンバータ1におけるスリップ制御は、油油圧制御装置91がピストン油圧室54として機能する流体伝達機構空間部Aと作動流体流路53として機能するクラッチ空間部Bの油圧を所定のバランスで維持するように作動油の供給を制御することで実行される。すなわち、油圧制御装置91は、スリップ制御では、例えば、ピストン油圧室54として機能する流体伝達機構空間部Aに作動油を供給し、流体伝達機構空間部A側からクラッチ空間部Bに作動油を流し、作動流体流路53として機能するクラッチ空間部Bからトルクコンバータ1の外部に排出すると共にこの流体伝達機構空間部Aとクラッチ空間部Bの油圧を所定のバランスで維持する。流体伝達機構空間部Aとクラッチ空間部Bの油圧が所定のバランスで維持されると、ロックアップクラッチ機構50の摩擦係合面52を構成するフロントカバー内壁面34と摩擦材55とはスリップ状態(半係合状態)となり、このフロントカバー内壁面34と摩擦材55との接触面において解放と係合の中間の動力伝達状態が形成される。この結果、このスリップ制御を実行しフロントカバー内壁面34と摩擦材55とをスリップ状態とすることで、このロックアップクラッチ機構50において、例えば、プレダンパー機構20ではとりきれなかった振動などをさらに低減することができる。
ここで、本実施形態のトルクコンバータ1は、上述したように油圧制御装置91がフロントカバー30とポンプシェル41bとで区画される空間部、さらに言えば、ピストン油圧室54として機能する流体伝達機構空間部A又は作動流体流路53として機能するクラッチ空間部Bに対する作動油の供給、排出を制御することで、ロックアップクラッチ機構50のON・OFF制御やロックアップクラッチ機構50のスリップ制御を実行する。このとき、トルクコンバータ1は、軸方向に対してフロントカバー30の流体伝達機構40側に設けられた給排出開口部93を介して作動油が供給又は排出される。
給排出開口部93は、スリーブ41dの円筒状部分の軸方向の一方の端部、ここでは、出力軸側の端部に回転軸線X周りに円形状の開口として形成されている。この給排出開口部93は、スリーブ41dの内部空間と連通している。スリーブ41dは、円筒状部分の内側に上述の出力軸60及びハウジング62の一部が挿入されると共に、その内部空間部分が給排出通路94として機能する。すなわち、給排出通路94は、給排出開口部93と連通すると共にフロントカバー30とポンプシェル41bとで区画される空間部、つまり、ピストン油圧室54として機能する流体伝達機構空間部A、作動流体流路53として機能するクラッチ空間部Bと連通する。さらに言えば、給排出通路94は、軸方向の出力軸側の一端部が給排出開口部93により開口する一方、エンジン側の他端部がフロントカバー30のフロントカバー本体部31により閉鎖されると共に、この他端部側で径方向に流体伝達機構空間部A、クラッチ空間部Bと連通している。そして、給排出開口部93を介して供給される作動油は、この給排出通路94を通って流体伝達機構空間部A又はクラッチ空間部Bに供給され、また、流体伝達機構空間部A、クラッチ空間部Bから排出される作動油は、この給排出通路94を通って給排出開口部93から排出される。
ところで、本実施形態のトルクコンバータ1は、例えば、フロントカバー30とポンプシェル41bとで区画される空間部の作動油の油圧により流体伝達機構40側が膨張するなどしてフロントカバー30にプレダンパー機構20側への軸方向の荷重が作用した際に、ロックアップクラッチ機構50の性能を悪化させるような変形、例えば、フロントカバー30がプレダンパー機構20側へ膨張するような変形が生じるおそれがある。すなわち、トルクコンバータ1は、このようなフロントカバー30のプレダンパー機構20側への変形に伴ってロックアップクラッチ機構50の摩擦係合面52が変形するおそれがある。そして、ロックアップクラッチ機構50は、このフロントカバー30の変形によって、摩擦係合面52の一方の面をなすフロントカバー30のフロントカバー内壁面34と、他方の面をなすロックアップピストン51の摩擦材55との接触角度が変化し適正な接触状態を確保できなくなるおそれがある。これにより、トルクコンバータ1は、例えば、ロックアップクラッチ機構50におけるスリップ制御の制御性が低下するなど、ロックアップクラッチ機構50の性能が低下するおそれがある。
そこで、本実施形態のトルクコンバータ1は、少なくともこのフロントカバー30より軸方向の両側に区画される流体伝達側空間部100とダンパー側空間部101とを作動油が流通可能に連通する開口部102をフロントカバー30に設けることで、フロントカバー30の変形を防止し、摩擦係合面52の変形を防止して、ロックアップクラッチ機構50の性能の向上を図っている。
具体的には、流体伝達側空間部100は、軸方向に対してフロントカバー30の一方側である流体伝達機構40側に区画される空間部であり、少なくともフロントカバー30とポンプシェル41bとにより区画される空間部である。つまり、流体伝達側空間部100は、上述の流体伝達機構空間部Aとクラッチ空間部Bとを含んで構成される空間部である。
一方、ダンパー側空間部101は、軸方向に対してフロントカバー30の他方側であるプレダンパー機構20側に区画される空間部であり、ここでは、少なくともフロントカバー30と保持部材22とにより区画される空間部である。つまり、ダンパー側空間部101は、上述の中心保持部23a、第1サイド保持部24a、第2サイド保持部25aなどを含んで構成される空間部である。
さらに具体的には、ダンパー側空間部101は、少なくともフロントカバー30と、保持部材22のうちの第1サイド保持プレート24及び第2サイド保持プレート25と、駆動源出力軸であるクランクシャフト80の端部とにより形成される。
そして、ダンパー側空間部101は、フロントカバー30と第2サイド保持プレート25との間、第1サイド保持プレート24とクランクシャフト80の端部との間がそれぞれ封止手段としてのシール部材S2、S3、S4により封止される。
シール部材S2は、フロントカバー30と第2サイド保持プレート25との間に、フロントカバー30のエンジン側の面と第2サイド保持プレート25の出力軸側の面とに接触して設けられる。これにより、ダンパー側空間部101は、シール部材S2によりフロントカバー30と第2サイド保持プレート25との間を介した作動油の漏洩が防止される。
シール部材S3は、クランクシャフト80の端部に設けられた取付部材81dと第1サイド保持プレート24との間に、取付部材81dの外周面と第1サイド保持プレート24の内周面とに接触するようにして設けられる。シール部材S4は、クランクシャフト80の端部と取付部材81dとの間に、クランクシャフト80の端部の外周面と取付部材81dの内周面とに接触するようにして設けられる。これにより、ダンパー側空間部101は、シール部材S3、S4により第1サイド保持プレート24とクランクシャフト80の端部との間を介した作動油の漏洩が防止される。
また、第1サイド保持プレート24と第2サイド保持プレート25とは、上述したように、径方向外側端部24dと径方向外側端部25dとが当接する部分に周方向の全周に渡って溶接が施されている。これにより、ダンパー側空間部101は、径方向外側端部24dと径方向外側端部25dとが当接する部分に周方向の全周に渡って施される溶接により第1サイド保持プレート24と第2サイド保持プレート25との間を介した作動油の漏洩が防止される。
また、ドライブプレート10とクランクシャフト80とをダンパー側空間部101側から締結するボルト81のボルト穴81aは、エンジン側の端部が閉端している。これにより、ダンパー側空間部101は、ボルト穴81aが底を有した貫通してない穴となっているので、ボルト81の外周面とボルト穴81aの内周面との間を介した作動油の漏洩が防止される。
また、第1サイド保持プレート24は、ボルト収容部24bにキャップ部材103が設けられている。キャップ部材103は、ボルト収容部24bのエンジン側の開口を閉鎖するものであり、キャップ部材103の外周面とボルト収容部24bの内周面との間にはシール部材S5が設けられている。シール部材S5は、キャップ部材103の外周面とボルト収容部24bの内周面とに接触するようにして設けられる。これにより、ダンパー側空間部101は、シール部材S5によりキャップ部材103の外周面とボルト収容部24bの内周面との間を介した作動油の漏洩が防止される。
したがって、ダンパー側空間部101は、フロントカバー30と、保持部材22のうちの第1サイド保持プレート24及び第2サイド保持プレート25と、駆動源出力軸であるクランクシャフト80の端部とにより内部が液密な空間となるように形成される。なお、上述の転がり軸受83は、このダンパー側空間部101内の嵌合部81cに配置されることとなる。
そして、開口部102は、フロントカバー30を軸方向に貫通するようにして形成され、フロントカバー30を挟んで軸方向一方側の流体伝達側空間部100と他方側のダンパー側空間部101とを連通する。したがって、流体伝達側空間部100内の作動油とダンパー側空間部101内の作動油とは、この開口部102を介して相互に行き来することができる。
なお言い換えれば、このトルクコンバータ1は、上記のように第1サイド保持プレート24、第2サイド保持プレート25がフロントカバー30と共にダンパー側空間部101を形成し、さらにフロントカバー30の開口部102に対する蓋部材として機能する。つまり、このトルクコンバータ1は、開口部102で開口したフロントカバー30に対してプレダンパー機構20の第1サイド保持プレート24、第2サイド保持プレート25が組み付けられることで流体伝達側空間部100とダンパー側空間部101とを含むトルクコンバータ1の内部空間が区画され、フロントカバー30、第1サイド保持プレート24、第2サイド保持プレート25、クランクシャフト80の端部の間のシール面によりシールされることとなる。
上記のように構成されるトルクコンバータ1は、フロントカバー30を挟んで軸方向一方側の流体伝達側空間部100と他方側のダンパー側空間部101とが開口部102を介して連通していることから、作動油がこの開口部102を介して流体伝達側空間部100とダンパー側空間部101との間で相互に流通可能となる。このため、トルクコンバータ1は、フロントカバー30を挟んで流体伝達側空間部100の作動油の油圧とダンパー側空間部101の作動油の油圧とがほぼ同等となることから、流体伝達側空間部100の作動油の油圧によりフロントカバー30に作用するダンパー側空間部101側への押圧力と、ダンパー側空間部101の作動油の油圧によりフロントカバー30に作用する流体伝達側空間部100側への押圧力とを同等とすることができる。
この結果、トルクコンバータ1は、フロントカバー30に作用するダンパー側空間部101側への押圧力と流体伝達側空間部100側への押圧力とが同等となることから、フロントカバー30の変形を防止することができ、ロックアップクラッチ機構50の性能を悪化させるような変形を防止することができる。すなわち、トルクコンバータ1は、フロントカバー30の変形を防止することができることから、流体伝達側空間部100、ダンパー側空間部101内の作動油の油圧の状態にかかわらず、ロックアップクラッチ機構50の摩擦係合面52の変形を防止することができ、摩擦係合面52をなすフロントカバー内壁面34と摩擦材55との接触角度を常に一定に保持することができる。したがって、トルクコンバータ1は、ロックアップクラッチ機構50の摩擦係合面52において適正な接触状態を確保することができ、摩擦係合面52の係合状態を常に安定化することができ、よって、ロックアップクラッチ機構50の性能を向上することができる。
そして、トルクコンバータ1は、摩擦係合面52の係合状態を常に安定化することができ、ロックアップクラッチ機構50の性能を向上することができることから、例えば、ロックアップクラッチ機構50におけるスリップ制御の制御性を向上することができ、スリップ制御を精度よく実行することができるので、さらに振動を低減することができ、こもり音などの発生をさらに抑制することができ、燃費をさらに向上できる。
また、トルクコンバータ1は、ロックアップクラッチ機構50の摩擦係合面52をなすフロントカバー内壁面34、摩擦材55の背面側が流体伝達側空間部100、ダンパー側空間部101の作動油と接触していることから、この摩擦係合面52の冷却効率を向上することができる。この結果、トルクコンバータ1は、摩擦係合面52の温度上昇を抑制することができることから、この摩擦係合面52の寿命を向上することができると共に、例えば、スリップ制御の実行限界運転領域を広げることができるので、ロックアップクラッチ機構50の性能をさらに向上することができる。
さらに、トルクコンバータ1は、フロントカバー30に作用するダンパー側空間部101側への押圧力と流体伝達側空間部100側への押圧力とが同等となることから、フロントカバー30の変形を防止することができ、プレダンパー機構20のダンパー性能を悪化させるような変形を防止することもできる。すなわち、トルクコンバータ1は、フロントカバー30の変形を防止することができることから、流体伝達側空間部100、ダンパー側空間部101内の作動油の油圧の状態にかかわらず、例えば、第1サイド保持プレート24、第2サイド保持プレート25と中心保持プレート23との隙間が狭くなり適正なクリアランスが確保できなくなるような変形を防止することができる。この結果、トルクコンバータ1は、プレダンパー機構20の変形に起因して第1サイド保持プレート24、第2サイド保持プレート25と中心保持プレート23とが相対回転する際のフリクション(摩擦)が増加することを防止することができ、また、ダンパースプリング21の適正な弾性変形が阻害されることを防止することができる。また、トルクコンバータ1は、プレダンパー機構20の摺動部分をダンパー側空間部101内の作動油により十分に潤滑することができ、これにより、第1サイド保持プレート24、第2サイド保持プレート25と中心保持プレート23とが相対回転する際のフリクション(摩擦)を低減することもできる。したがって、トルクコンバータ1は、振動の低減性能をさらに向上することができることから、こもり音などの発生をさらに抑制することができ、ロックアップクラッチ機構50をONにすることができる回転数領域をさらに拡大することができ、比較的に低回転数の領域でロックアップクラッチ機構50をONにすることができるので燃費をさらに向上できる。
また、開口部102を介して流体伝達側空間部100と連通されたダンパー側空間部101は、内部の作動油の油圧により流体伝達機構40、フロントカバー30にプレダンパー機構20側から反力を作用させる反力手段としても機能する。
すなわち、トルクコンバータ1は、給排出開口部93を介して給排出通路94に作動油が供給されると、軸方向に対して給排出開口部93とフロントカバー30のフロントカバー本体部31において対向する押圧力作用面95に作動油の油圧が作用することで、フロントカバー30を介して流体伝達機構40に軸方向に沿ったプレダンパー機構20側への押圧力が作用する。この押圧力作用面95に作用する押圧力は、フロントカバー30とポンプシェル41bとで区画される空間側からフロントカバー30、ポンプシェル41bなどの内壁面側に作用する油圧の軸方向に沿った出力軸側への油圧成分とエンジン側への油圧成分との差分の油圧に相当し、すなわち、給排出開口部93の開口面積の分だけ出力軸側への油圧成分がエンジン側への油圧成分より相対的に小さくなることで発生する。
このとき、反力手段として機能するダンパー側空間部101は、上述のように開口部102を介して流体伝達側空間部100と連通しており、フロントカバー30を挟んで流体伝達側空間部100の作動油の油圧とダンパー側空間部101の作動油の油圧とがほぼ同等となることから、このフロントカバー30に押圧力作用面95に作用する押圧力の反力を作用させることができる。したがって、このトルクコンバータ1は、フロントカバー30、流体伝達機構40の軸方向位置の変動を防止することができる。また、この場合、トルクコンバータ1は、ロックアップクラッチ機構50のON・OFFなどに応じて流体伝達側空間部100の作動油の油圧が変動し押圧力作用面95に作用する押圧力が変動した場合であっても、ダンパー側空間部101内の作動油の油圧もこの変動に追従して変動し、反力も変動するので、常に確実にフロントカバー30、流体伝達機構40の軸方向位置の変動を防止することができる。
これにより、トルクコンバータ1は、例えば、フロントカバー30、流体伝達機構40の軸方向位置の変動に起因してプレダンパー機構20の第1サイド保持プレート24、第2サイド保持プレート25と中心保持プレート23との隙間が狭くなることを防止することができ、よって、第1サイド保持プレート24、第2サイド保持プレート25と中心保持プレート23との間に常に適正なクリアランスを確保することができ、第1サイド保持プレート24、第2サイド保持プレート25と中心保持プレート23との滑らかな相対回転が阻害されることを防止することができる。
この結果、トルクコンバータ1は、第1サイド保持プレート24、第2サイド保持プレート25と中心保持プレート23とが相対回転する際のフリクション(摩擦)が増加することを確実に防止することができ、また、ダンパースプリング21の適正な弾性変形が阻害されることを確実に防止することができる。よって、トルクコンバータ1は、プレダンパー機構20のこもり音の発生防止などのダンパー性能をさらに向上することができ、さらなる振動の低減、燃費の向上を図ることができる。また、トルクコンバータ1は、第1サイド保持プレート24、第2サイド保持プレート25と中心保持プレート23との接触を防止することができることから、プレダンパー機構20を構成する各部材の摩耗劣化を抑制することができ、この結果、耐久性を向上することもできる。
以上で説明した本発明の実施形態に係るトルクコンバータ1によれば、ドライブプレート10とフロントカバー30とをダンパースプリング21を介して相対回転可能に連結しエンジンからドライブプレート10に伝達された駆動力をダンパースプリング21を介してフロントカバー30に伝達可能なプレダンパー機構20と、出力軸60の軸方向に対してフロントカバー30を挟んでプレダンパー機構20とは反対側に設けられフロントカバー30に伝達された駆動力を作動油を介して出力軸60に伝達可能な流体伝達機構40と、軸方向に対してフロントカバー30の流体伝達機構40側に設けられるロックアップピストン51とフロントカバー30とが摩擦係合可能な摩擦係合面52を有し、フロントカバー30に伝達された駆動力を摩擦係合面52及びロックアップピストン51を介して出力軸に伝達可能なロックアップクラッチ機構50とを備え、フロントカバー30は、少なくともこのフロントカバー30により軸方向の両側に区画される流体伝達機構40側の流体伝達側空間部100とプレダンパー機構20側のダンパー側空間部101とを作動油が流通可能に連通する開口部102が設けられる。
したがって、トルクコンバータ1は、少なくともこのフロントカバー30より軸方向の両側に区画される流体伝達側空間部100とダンパー側空間部101とを作動油が流通可能に連通する開口部102をフロントカバー30に設けることで、フロントカバー30に作用するダンパー側空間部101側への押圧力と流体伝達側空間部100側への押圧力とが同等となることから、フロントカバー30の変形を防止することができ、摩擦係合面52の変形を防止することができるので、ロックアップクラッチ機構50の性能を向上することができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施形態に係るトルクコンバータ1によれば、ダンパー側空間部101は、少なくともフロントカバー30と、プレダンパー機構20のダンパースプリング21を保持する保持部材22をなす第1サイド保持プレート24、第2サイド保持プレート25と、ドライブプレート10が固定されエンジンから駆動力を出力するクランクシャフト80の端部とにより形成され、少なくともフロントカバー30と第2サイド保持プレート25との間、第1サイド保持プレート24とクランクシャフト80の端部との間がそれぞれシール部材S2、S3、S4により封止される。したがって、トルクコンバータ1は、開口部102を介して流体伝達側空間部100と連通されたダンパー側空間部101を、フロントカバー30と、保持部材22をなす第1サイド保持プレート24及び第2サイド保持プレート25と、クランクシャフト80の端部とにより、内部が液密な空間として形成することができる。
(実施形態2)
図2は、本発明の実施形態2に係るトルクコンバータの要部断面図である。実施形態2に係る流体伝達装置は、実施形態1に係る流体伝達装置と略同様の構成であるがダンパー手段の保持部材の少なくとも一部が開口部に挿入される点で実施形態1に係る流体伝達装置とは異なる。その他、上述した実施形態と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略するとともに、同一の符号を付す。
なお、以下の説明では、この流体伝達装置としてのトルクコンバータは、回転軸線Xを中心軸線としてほぼ対称になるように構成されることから、図2には、回転軸線Xを中心軸線として一方側のみを図示し、特に断りのない限り、回転軸線Xを中心軸線として一方側のみを説明し、他方側の説明はできるだけ省略する。
図2に示すように、本実施形態の流体伝達装置としてのトルクコンバータ201は、ダンパー手段としてのプレダンパー機構220を備える。プレダンパー機構220は、複数の弾性体としての複数のダンパースプリング21と、保持部材22とを有する。そして、本実施形態の保持部材22は、少なくとも一部が開口部102に挿入される。
具体的には、保持部材22は、中心保持部材としての中心保持プレート223と、第1側方保持部材としての第1サイド保持プレート224と、第2側方保持部材としての第2サイド保持プレート225とを含んで構成される。中心保持プレート223は、ドライブプレート10として兼用される。
そして、本実施形態の第2サイド保持プレート225は、その内径が実施形態1の第2サイド保持プレート25(図1参照)の内径より小さく設定されている。そして、第2サイド保持プレート225は、この径方向内側に延長された径方向内側端部がフロントカバー30に形成された開口部102に挿入されるようにして配置される。
さらに、この第2サイド保持プレート225は、開口部102に挿入される径方向内側端部に第2サイド内側保持部225eが設けられる。つまり、第2サイド保持プレート225は、第2サイド保持部25aとは別個に、この第2サイド保持部25aの径方向内側に第2サイド内側保持部225eが設けられる。
中心保持プレート223は、第2サイド内側保持部225eと軸方向に対向する位置に中心内側保持部223cが設けられ、第1サイド保持プレート224は、第2サイド内側保持部225eと軸方向に対向する位置に第1サイド内側保持部224eが設けられる。つまり、中心保持プレート223は、中心保持部23aとは別個に、この中心保持部23aの径方向内側に中心内側保持部223cが設けられる。第1サイド保持プレート224は、第1サイド保持部24aとは別個に、この第1サイド保持部24aの径方向内側に第1サイド内側保持部224eが設けられる。
そして、本実施形態の複数のダンパースプリング21は、外側ダンパースプリング21aと、内側ダンパースプリング21bとを含んでいる。外側ダンパースプリング21aと内側ダンパースプリング21bとは、外側ダンパースプリング21aが径方向外側に配置され、内側ダンパースプリング21bが外側ダンパースプリング21aの径方向内側に配置される。
各外側ダンパースプリング21aは、実施形態1と同様に、中心保持プレート223の各中心保持部23a、第1サイド保持プレート224、第2サイド保持プレート225の各第1サイド保持部24a、各第2サイド保持部25aにより保持され、中心保持プレート223と第1サイド保持プレート224、第2サイド保持プレート225との間で相互に駆動力の伝達が可能となる。一方、各内側ダンパースプリング21bは、中心保持プレート223の各中心内側保持部223c、第1サイド保持プレート224、第2サイド保持プレート225の各第1サイド内側保持部224e、各第2サイド内側保持部225eにより保持され、中心保持プレート223と第1サイド保持プレート224、第2サイド保持プレート225との間で相互に駆動力の伝達が可能となる。
上記のように構成されるトルクコンバータ201は、プレダンパー機構220の保持部材22の少なくとも一部、ここでは、第2サイド保持プレート225の径方向内側端部がフロントカバー30に形成された開口部102に挿入されるようにして配置されることから、軸方向の寸法を大きくすることなく、ダンパースプリング21を配置することができる領域、すなわち、中心保持プレート223、第1サイド保持プレート224、第2サイド保持プレート225においてダンパースプリング21を保持する中心保持部23a、中心内側保持部223c、第1サイド保持部24a、第1サイド内側保持部224e、第2サイド保持部25a、第2サイド内側保持部225eの領域を相対的に広く確保することができる。したがって、このトルクコンバータ201は、プレダンパー機構220のダンパースプリング21を配置する領域を相対的に広く確保することができることから、プレダンパー機構220にダンパースプリング21を比較的多く設けることができるので、各ダンパースプリング21のバネ定数を小さくし低バネ化して蓄積可能なエネルギーを多くすることができる。この結果、トルクコンバータ201は、装置の大型化を抑制しつつプレダンパー機構220のこもり音の発生防止などのダンパー性能をさらに向上することができ、さらなる振動の低減、燃費の向上を図ることができる。つまり、このトルクコンバータ201は、装置の大型化の抑制、言い換えれば、搭載性の向上と振動低減性能の向上とを両立することができる。
以上で説明した本発明の実施形態に係るトルクコンバータ201によれば、トルクコンバータ201は、少なくともこのフロントカバー30より軸方向の両側に区画される流体伝達側空間部100とダンパー側空間部101とを作動油が流通可能に連通する開口部102をフロントカバー30に設けることで、フロントカバー30に作用するダンパー側空間部101側への押圧力と流体伝達側空間部100側への押圧力とが同等となることから、フロントカバー30の変形を防止することができ、摩擦係合面52の変形を防止することができるので、ロックアップクラッチ機構50の性能を向上することができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施形態に係るトルクコンバータ201によれば、プレダンパー機構220は、ダンパースプリング21を保持する保持部材22の少なくとも一部が開口部102に挿入される。したがって、トルクコンバータ201は、プレダンパー機構220の保持部材22の少なくとも一部、ここでは、第2サイド保持プレート225の径方向内側端部がフロントカバー30に形成された開口部102に挿入されるようにして配置されることから、軸方向の寸法を大きくすることなく、ダンパースプリング21を配置することができる領域を相対的に広く確保することができるので、振動低減性能をさらに向上することができる。この結果、トルクコンバータ201は、装置の大型化を抑制し搭載性を向上しつつさらにこもり音などの発生を抑制することができ、ロックアップクラッチ機構50をONにすることができる回転数領域を拡大することができ、比較的に低回転数の領域でロックアップクラッチ機構50をONにすることができることからさらに燃費を向上できる。
(実施形態3)
図3は、本発明の実施形態3に係るトルクコンバータの要部断面図である。実施形態3に係る流体伝達装置は、実施形態2に係る流体伝達装置と略同様の構成であるが第2部材が保持部材として兼用される点で実施形態2に係る流体伝達装置とは異なる。その他、上述した実施形態と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略するとともに、同一の符号を付す。
図3に示すように、本実施形態の流体伝達装置としてのトルクコンバータ301は、ダンパー手段としてのプレダンパー機構320を備える。プレダンパー機構320は、複数の弾性体としての複数のダンパースプリング21と、保持部材22とを有する。そして、本実施形態のトルクコンバータ301は、第2部材としてのフロントカバー30がダンパースプリング21を保持する保持部材22として兼用される。
保持部材22は、中心保持部材としての中心保持プレート223と、第1側方保持部材としての第1サイド保持プレート224と、第2側方保持部材としての第2サイド保持プレート325とを含んで構成される。中心保持プレート223は、ドライブプレート10として兼用される。
本実施形態の第2サイド保持プレート325は、その内径が実施形態1の第2サイド保持プレート25(図1参照)の内径とほぼ同等に設定されており、実施形態2の第2サイド保持プレート225(図2参照)とは異なり、フロントカバー30に形成された開口部102には挿入されていない。
そして、本実施形態のプレダンパー機構320は、上述のように、フロントカバー30が保持部材22の一部として兼用される。フロントカバー30は、開口部102がダンパースプリング21を駆動力伝達可能に保持する。すなわち、フロントカバー30は、開口部102にフロントカバー側保持部304が設けられている。
フロントカバー側保持部304は、フロントカバー30の開口部102において、中心内側保持部223c、第1サイド内側保持部224eと軸方向に対向する位置に複数設けられる。
そして、本実施形態の複数のダンパースプリング21のうちの各内側ダンパースプリング21bは、中心保持プレート223の各中心内側保持部223c、第1サイド保持プレート224の各第1サイド内側保持部224e及びフロントカバー30の開口部102の各フロントカバー側保持部304により保持され、中心保持プレート223と第1サイド保持プレート224、フロントカバー30との間で相互に駆動力の伝達が可能となる。
上記のように構成されるトルクコンバータ301は、ドライブプレート10に伝達された駆動力をプレダンパー機構320を介してフロントカバー30に伝達する際には、中心保持プレート223として兼用されるこのドライブプレート10に伝達された駆動力は、中心保持部23a、中心内側保持部223cの周方向端部から外側ダンパースプリング21a、内側ダンパースプリング21bに伝達される。外側ダンパースプリング21aに伝達された駆動力は、第1サイド保持部24a、第2サイド保持部25aの周方向端部を介して第1サイド保持プレート224、第2サイド保持プレート325に伝達され、第1サイド保持プレート224、第2サイド保持プレート325に伝達された駆動力は、第2サイド保持プレート325からフロントカバー30に伝達される。内側ダンパースプリング21bに伝達された駆動力の一部は、第1サイド内側保持部224eの周方向端部を介して第1サイド保持プレート224に伝達され、第1サイド保持プレート224に伝達された駆動力は、第2サイド保持プレート325からフロントカバー30に伝達される。また、内側ダンパースプリング21bに伝達された駆動力の一部は、開口部102のフロントカバー側保持部304の周方向端部を介しフロントカバー30に直接伝達される。
そして、このトルクコンバータ301は、プレダンパー機構320の保持部材22の一部がフロントカバー30により兼用され、開口部102が内側ダンパースプリング21bを駆動力伝達可能に保持することから、軸方向の寸法を大きくすることなく、ダンパースプリング21を配置することができる領域を相対的に広く確保することができる。したがって、このトルクコンバータ301は、プレダンパー機構320のダンパースプリング21を配置する領域を相対的に広く確保することができることから、プレダンパー機構320にダンパースプリング21を比較的多く設けることができるので、各ダンパースプリング21のバネ定数を小さくし低バネ化して蓄積可能なエネルギーを多くすることができる。この結果、トルクコンバータ301は、装置の大型化を抑制しつつプレダンパー機構320のこもり音の発生防止などのダンパー性能をさらに向上することができ、さらなる振動の低減、燃費の向上を図ることができる。つまり、このトルクコンバータ301は、装置の大型化の抑制、言い換えれば、搭載性の向上と振動低減性能の向上とを両立することができる。
以上で説明した本発明の実施形態に係るトルクコンバータ301によれば、トルクコンバータ301は、少なくともこのフロントカバー30より軸方向の両側に区画される流体伝達側空間部100とダンパー側空間部101とを作動油が流通可能に連通する開口部102をフロントカバー30に設けることで、フロントカバー30に作用するダンパー側空間部101側への押圧力と流体伝達側空間部100側への押圧力とが同等となることから、フロントカバー30の変形を防止することができ、摩擦係合面52の変形を防止することができるので、ロックアップクラッチ機構50の性能を向上することができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施形態に係るトルクコンバータ301によれば、プレダンパー機構320は、フロントカバー30がダンパースプリング21を保持する保持部材22として兼用され、開口部102がこのダンパースプリング21を駆動力伝達可能に保持する。したがって、トルクコンバータ301は、軸方向の寸法を大きくすることなく、ダンパースプリング21を配置することができる領域を相対的に広く確保することができるので、振動低減性能をさらに向上することができる。この結果、トルクコンバータ301は、装置の大型化を抑制し搭載性を向上しつつさらにこもり音などの発生を抑制することができ、ロックアップクラッチ機構50をONにすることができる回転数領域を拡大することができ、比較的に低回転数の領域でロックアップクラッチ機構50をONにすることができることからさらに燃費を向上できる。
さらに、このトルクコンバータ301は、プレダンパー機構320の保持部材22の一部がフロントカバー30により兼用されることから、プレダンパー機構320の低コスト化を図ることができると共に軽量化を図ることができる。また、トルクコンバータ301の軸方向の長さを短縮することができさらなる小型化を図ることができ、搭載性を向上することができる。そして、プレダンパー機構320の軽量化、小型化により、プレダンパー機構320のダンパー性能をさらに向上することができ、さらなる振動の低減、燃費の向上を図ることができる。
(実施形態4)
図4は、本発明の実施形態4に係るトルクコンバータの要部断面図である。実施形態4に係る流体伝達装置は、実施形態2に係る流体伝達装置と略同様の構成であるが第2部材を回転自在に支持する軸受の構成が実施形態2に係る流体伝達装置とは異なる。その他、上述した実施形態と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略するとともに、同一の符号を付す。
図4に示すように、本実施形態の流体伝達装置としてのトルクコンバータ401は、第2部材としてのフロントカバー30にオリフィス405が設けられている。オリフィス405は、フロントカバー30を軸方向に貫通し流体伝達側空間部100とダンパー側空間部101とを連通する。このオリフィス405は、摩擦係合面52より径方向外側の位置に形成されている。
そして、トルクコンバータ401は、フロントカバー30をクランクシャフト80に対してこのクランクシャフト80と同軸で回転自在に支持する軸受として、上述した転がり軸受83(図2参照)にかえて、滑り軸受483を備える。つまり、このフロントカバー30は、クランクシャフト80に対して滑り軸受483を介して回転自在に支持されることで、回転軸線Xを中心としてクランクシャフト80に対して相対回転可能に支持される。
滑り軸受483は、フロントカバーボス部433と、ブッシュ406とを含んで構成される。
フロントカバーボス部433は、フロントカバー本体部31の膨出部31aにドライブプレート10側、すなわち、エンジン側に向かって突出するように設けられる。このフロントカバーボス部433は、回転軸線Xと同軸の円柱状に形成される。フロントカバーボス部433は、固定手段、例えば、溶接などにより膨出部31aに固定される。フロントカバーボス部433は、フロントカバー本体部31と共に一体回転する。
ブッシュ406は、回転軸線Xと同軸の円筒状に形成される。ブッシュ406は、外周面が嵌合部81cの内周面に嵌め込まれるようにして装着される。ブッシュ406は、クランクシャフト80と共に一体回転する。
フロントカバー30は、フロントカバーボス部433がブッシュ406の内周面側に挿入されるようにして配置される。そして、ブッシュ406の内周面とフロントカバーボス部433の外周面とは、径方向に対向して接触し、滑り軸受483の滑り面407をなす。
ここで、滑り軸受483は、嵌合部81c内に設けられており、この嵌合部81cは、ダンパー側空間部101内に位置している。すなわち、滑り軸受483は、ダンパー側空間部101内の嵌合部81cに配置されることとなる。したがって、この滑り軸受483は、ダンパー側空間部101内の作動油が潤滑油として作用することで滑り面407が潤滑される。
さらにここでは、滑り軸受483は、滑り面407に作動媒体通路としての軸受作動油通路408を有する。軸受作動油通路408は、ブッシュ406の内周面に軸方向に沿った溝部として形成される。軸受作動油通路408は、軸方向の一方の端部が嵌合部81cの底部側の空間部409に開口する一方、軸方向の他方の端部がブッシュ406の内周面から外周面に向かって径方向に貫通している。
また、クランクシャフト80は、その端面にシャフト作動油通路410が形成されている。シャフト作動油通路410は、内部を作動油が流通可能であり、一方の端部が軸受作動油通路408のブッシュ406外周面側の開口と対向して開口する一方、他方の端部がダンパー側空間部101内の径方向外側の空間部、すなわち、ダンパー側空間部101内にて上述のオリフィス405が開口する側の空間部に開口する。
さらに、フロントカバー30は、フロントカバーボス部433、フロントカバー本体部31にそれぞれ連通路411、412が設けられている。連通路411は、フロントカバーボス部433を軸方向に貫通するように形成されている。連通路412は、フロントカバー本体部31を軸方向に貫通するように形成されている。連通路411と連通路412とは、軸方向一方の端部が互いに対向して開口する。そして、連通路411は、軸方向他方の端部が嵌合部81cの底部側の空間部409に開口する。連通路412は、軸方向他方の端部がフロントカバー30を挟んでダンパー側空間部101とは反対側に位置する上述の給排出通路94、ここでは、出力軸60内部の出力軸作動油通路60aに対向して開口する。
したがって、滑り軸受483の滑り面407に設けられた軸受作動油通路408は、ダンパー側空間部101内の作動油が流通可能な構成となる。さらに言えば、軸受作動油通路408は、作動油がダンパー側空間部101側から出力軸作動油通路60a側に、あるいは、出力軸作動油通路60a側からダンパー側空間部101側に流通可能な構成となる。
なお、本実施形態のトルクコンバータ401は、ハブ61とフロントカバー30の膨出部31aとの間にシール部材S6が設けられている。シール部材S6は、ハブ61と膨出部31との間を介した作動油の漏洩を防止している。
上記のように構成されるトルクコンバータ401は、滑り軸受483の滑り面407にてブッシュ406とフロントカバーボス部433とが相対回転することで、フロントカバー30がクランクシャフト80に対して相対回転可能に支持されることとなる。このとき、滑り軸受483は、ブッシュ406の内周面とフロントカバーボス部433の外周面とからなる滑り面407にダンパー側空間部101内の作動油が潤滑油として介在され、この潤滑油による流体潤滑でブッシュ406、フロントカバーボス部433を介して、フロントカバー30とクランクシャフト80とを相対回転可能に支持する。
したがって、このトルクコンバータ401は、フロントカバー30が滑り軸受483によりクランクシャフト80に回転自在に支持されることで、例えば、転がり軸受83を用いる場合と比較して、より安価でコンパクトな構成によりフロントカバー30を径方向に対してより正確に位置決めすることができる。これにより、このトルクコンバータ401は、ドライブプレート10とフロントカバー30との径方向に対する相対的な位置関係をより適正に保持し、ドライブプレート10とフロントカバー30の芯だしを行うことができ、ドライブプレート10、プレダンパー機構20の回転中心とフロントカバー30、流体伝達機構40の回転中心とをより正確に回転軸線Xにあわせることができる。この結果、トルクコンバータ401は、ドライブプレート10、プレダンパー機構20の回転中心とフロントカバー30、流体伝達機構40の回転中心とが回転軸線Xに対して偏心することを確実に防止することができ、偏心に起因して回転中に振動が発生することを確実に防止することができ、性能を安定化させることができ、信頼性をより向上することができる。
また、トルクコンバータ401は、軸受作動油通路408を流通する作動油によって滑り軸受483の滑り面407をなすブッシュ406の内周面とフロントカバーボス部433の外周面とを確実に潤滑することができるので、ブッシュ406とフロントカバーボス部433との相対回転に伴ったフリクションを確実に低減することができると共にブッシュ406、フロントカバーボス部433の耐久性を向上することができる。
なお、軸受作動油通路408を流通する作動油の流通方向は、ロックアップクラッチ機構50のON・OFFなど、作動油の油圧の状態に応じて変化する。例えば、ロックアップクラッチ機構50がON状態である場合、すなわち、摩擦係合面52が摩擦係合した状態である場合には、ダンパー側空間部101の作動油は、図中L1側からL2側に向かって流動する。すなわち、このトルクコンバータ401は、ロックアップクラッチ機構50がON状態である場合、流体伝達機構空間部Aに供給された作動油がロックアップピストン51の径方向外側突出部51aとフロントカバーフランジ部32との間の連通部分、オリフィス405を介してダンパー側空間部101に流入する。ダンパー側空間部101に流入した作動油は、シャフト作動油通路410を介して軸受作動油通路408に流入しここで滑り面407をなすブッシュ406の内周面とフロントカバーボス部433の外周面とを潤滑する。そして、軸受作動油通路408に流入した作動油は、嵌合部81cの底部側の空間部409を介して連通路411、412に流入し給排出通路94、ここでは、出力軸作動油通路60aに流入する。
一方、例えば、ロックアップクラッチ機構50がOFF状態である場合、すなわち、摩擦係合面52の摩擦係合が解除された状態である場合には、給排出通路94、ここでは、出力軸作動油通路60aの作動油は、図中L2側からL1側に向かって流動する。すなわち、このトルクコンバータ401は、ロックアップクラッチ機構50がOFF状態である場合、出力軸作動油通路60aに供給された作動油が連通路412、411を介して嵌合部81cの底部側の空間部409に流入する。嵌合部81cの底部側の空間部409に流入した作動油は、軸受作動油通路408に流入しここで滑り面407をなすブッシュ406の内周面とフロントカバーボス部433の外周面とを潤滑する。そして、軸受作動油通路408に流入した作動油は、シャフト作動油通路410を介してダンパー側空間部101内にて上述のオリフィス405が開口する側の空間部に流入する。ダンパー側空間部101内にて上述のオリフィス405が開口する側の空間部に流入した作動油は、オリフィス405、ロックアップピストン51の径方向外側突出部51aとフロントカバーフランジ部32との間の連通部分を介して流体伝達機構空間部Aに流入する。したがって、トルクコンバータ401は、軸受作動油通路408を流通する作動油の流通方向が作動油の油圧の状態に応じて変化し、これを利用して、効果的に滑り面407をなすブッシュ406の内周面とフロントカバーボス部433の外周面とを潤滑することができる。
以上で説明した本発明の実施形態に係るトルクコンバータ401によれば、トルクコンバータ401は、少なくともこのフロントカバー30より軸方向の両側に区画される流体伝達側空間部100とダンパー側空間部101とを作動油が流通可能に連通する開口部102をフロントカバー30に設けることで、フロントカバー30に作用するダンパー側空間部101側への押圧力と流体伝達側空間部100側への押圧力とが同等となることから、フロントカバー30の変形を防止することができ、摩擦係合面52の変形を防止することができるので、ロックアップクラッチ機構50の性能を向上することができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施形態に係るトルクコンバータ401によれば、ダンパー側空間部101内に設けられ、フロントカバー30をエンジンから駆動力を出力するクランクシャフト80に対してこのクランクシャフト80と同軸で回転自在に支持する滑り軸受483を備える。したがって、トルクコンバータ401は、ダンパー側空間部101内の作動油が滑り軸受483の潤滑油として作用することから、低コスト化及びコンパクト化を図ることができると共に、ドライブプレート10、プレダンパー機構20の回転中心とフロントカバー30、流体伝達機構40の回転中心とが回転軸線Xに対して偏心することを確実に防止することができ、偏心に起因して回転中に振動が発生することを確実に防止することができ、性能を安定化させることができ、信頼性をより向上することができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施形態に係るトルクコンバータ401によれば、滑り軸受483は、滑り面407に作動油が流通可能な軸受作動油通路408を有する。したがって、トルクコンバータ401は、例えば、トルクコンバータ401内の作動油の油圧状態の変化を利用して滑り面407をなすブッシュ406の内周面とフロントカバーボス部433の外周面とを効果的に確実に潤滑することができる。
なお、上述した本発明の実施形態に係る流体伝達装置は、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。本発明の実施形態に係る流体伝達装置は、以上で説明した実施形態を複数組み合わせることで構成してもよい。
以上の説明では、流体伝達手段は、ダンパー手段としてのプレダンパー機構20とは別個に内側ダンパー機構70も備えているものとして説明したが、これに限らず、内側ダンパー機構70を備えない構成であってもよい。
以上の説明では、第2側方保持部材は、フロントカバー30とは別体に形成されるものとして説明したが、第2部材としてのフロントカバー30により兼用してもよい。
以上の説明では、ロックアップクラッチ機構50は、摩擦係合面52が係合部材としてのロックアップピストン51に設けられる摩擦材55と第2部材としてのフロントカバー30のフロントカバー内壁面34とにより構成されるものとして説明したが、摩擦材55をフロントカバー内壁面34に設け、ロックアップピストン51において摩擦材55と軸方向に対向する壁面とこの摩擦材55により摩擦係合面52を構成するようにしてもよい。
以上の説明では、ロックアップクラッチ機構50の係合部材としてのロックアップピストン51は、内側ダンパー機構70に対して軸方向に沿って相対移動可能に支持されることで、フロントカバー30に対して接近、離間し摩擦係合面52を介して摩擦係合可能であるものとして説明したがこれに限らない。例えば、ロックアップクラッチ機構50のロックアップピストン51は、内側ダンパー機構70全体がハブ61に対して軸方向に沿って相対移動可能に支持されることで、この内側ダンパー機構70全体で一体となってフロントカバー30に対して接近、離間し摩擦係合面52を介して摩擦係合可能な構成であってもよい。
以上の説明では、内側ダンパー機構70は、駆動力の伝達経路中に弾性体が設けられるダンパー手段であるものとして説明したが、これに限らない。すなわち、内側ダンパー機構70は、いわゆるダイナミックダンパー(動吸振動器)であってもよい。
以上のように、本発明に係る流体伝達装置は、ロックアップ手段の性能を向上することができるものであり、駆動源が発生する駆動力を作動流体を介して伝達可能である種々の流体伝達装置に適用して好適である。
本発明の実施形態1に係るトルクコンバータの要部断面図である。 本発明の実施形態2に係るトルクコンバータの要部断面図である。 本発明の実施形態3に係るトルクコンバータの要部断面図である。 本発明の実施形態4に係るトルクコンバータの要部断面図である。
符号の説明
1、201、301、401 トルクコンバータ(流体伝達装置)
10 ドライブプレート(第1部材)
20、220、320 プレダンパー機構(ダンパー手段)
21 ダンパースプリング(弾性体)
22 保持部材
23、223 中心保持プレート
24、224 第1サイド保持プレート
25、225、325 第2サイド保持プレート
30 フロントカバー(第2部材)
31 フロントカバー本体部
31a 膨出部
32 フロントカバーフランジ部
33、433 フロントカバーボス部
34 フロントカバー内壁面
40 流体伝達機構(流体伝達手段)
41 ポンプインペラ
42 タービンライナ
43 ステータ
44 ワンウェイクラッチ
50 ロックアップクラッチ機構(ロックアップ手段)
51 ロックアップピストン(係合部材)
52 摩擦係合面
53 作動流体流路
54 ピストン油圧室
55 摩擦材
60 出力軸
61 ハブ
70 内側ダンパー機構
71 ダンパースプリング
72 保持部材
73 中心保持プレート
74 第1サイド保持プレート
75 第2サイド保持プレート
80 クランクシャフト(駆動源出力軸)
91 油圧制御装置
92 ECU
93 給排出開口部
94 給排出通路
95 押圧力作用面
100 流体伝達側空間部
101 ダンパー側空間部
102 開口部
103 キャップ部材
304 フロントカバー側保持部
405 オリフィス
406 ブッシュ
407 滑り面
408 軸受作動油通路(作動媒体通路)
409 空間部
410 シャフト作動油通路
411、412 連通路
483 滑り軸受
A 流体伝達機構空間部
B クラッチ空間部
S2、S3、S4 シール部材(封止手段)

Claims (6)

  1. 第1部材と第2部材とを弾性体を介して相対回転可能に連結し駆動源から前記第1部材に伝達された駆動力を前記弾性体を介して前記第2部材に伝達可能なダンパー手段と、
    出力軸の軸方向に対して前記第2部材を挟んで前記ダンパー手段とは反対側に設けられ前記第2部材に伝達された駆動力を作動媒体を介して前記出力軸に伝達可能な流体伝達手段と、
    前記軸方向に対して前記第2部材の前記流体伝達手段側に設けられる係合部材と前記第2部材とが摩擦係合可能な摩擦係合面を有し、前記第2部材に伝達された駆動力を前記摩擦係合面及び前記係合部材を介して前記出力軸に伝達可能なロックアップ手段とを備え、
    前記第2部材は、少なくとも当該第2部材により前記軸方向の両側に区画される前記流体伝達手段側の流体伝達側空間部と前記ダンパー手段側のダンパー側空間部とを前記作動媒体が流通可能に連通する開口部が設けられることを特徴とする、
    流体伝達装置。
  2. 前記ダンパー側空間部は、少なくとも前記第2部材と、前記ダンパー手段の前記弾性体を保持する保持部材と、前記第1部材が固定され前記駆動源から前記駆動力を出力する駆動源出力軸の端部とにより形成され、少なくとも前記第2部材と前記保持部材との間、前記保持部材と前記駆動源出力軸の前記端部との間がそれぞれ封止手段により封止される、
    請求項1に記載の流体伝達装置。
  3. 前記ダンパー手段は、前記弾性体を保持する保持部材の少なくとも一部が前記開口部に挿入される、
    請求項1又は請求項2に記載の流体伝達装置。
  4. 前記ダンパー手段は、前記第2部材が前記弾性体を保持する保持部材として兼用され、前記開口部が当該弾性体を駆動力伝達可能に保持する、
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の流体伝達装置。
  5. 前記ダンパー側空間部内に設けられ、前記第2部材を前記駆動源から前記駆動力を出力する駆動源出力軸に対して当該駆動源出力軸と同軸で回転自在に支持する滑り軸受を備える、
    請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の流体伝達装置。
  6. 前記滑り軸受は、滑り面に前記作動媒体が流通可能な作動媒体通路を有する、
    請求項5に記載の流体伝達装置。
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