JP2010142914A - 破砕工具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 刃部1は中心軸14の長手方向に添って中心軸14に対して回転対称に設けられた4本の溝12と、この溝12間に設けられた4本の突起11とを有し、溝12の両側面を形成す1対の壁面が相互になす角度αをα>90°、より好ましくは140°>α>100°とするとともに、中心軸14から各溝12の底点までの長さrを刃部1の先端13から刃部1の後端まで一様にする。
【選択図】 図2
Description
この問題を解決するため、その軸に垂直な平面での断面を溝と突起の組み合わせの十字形状にし、自己研磨作用により破砕機能が持続されるとともに破砕粉の排出を容易にした例が報告されている(特許文献2参照。)。また、同様な十字形状の断面構成で、その断面形状を相似形に保ちながらその軸心部(コア)直径と包絡直径を作業端(先端)側に向かって次第に減少させて、打撃による衝撃応力に対する耐久性を向上させた例が報告されている(特許文献3参照。)。
図1(a)は本発明に係る破砕工具の実施形態の正面図、図1(b)は図1(a)の中心軸を軸として45°回転させた図、図1(c)は図1(a)の左側面図、図1(d)は図1(a)の右側面図である。
また、図2(a)は図1(a)に示す実施形態の刃部の拡大正面図であり、図2(b)は図2(a)のA−A線断面図であり、図2(c)は図2(a)のB−B線断面図である。なお、この実施形態は、n=4の場合の例を示している。
なお、本発明に係る破砕工具の刃部のみに着目した図を図7に示す。図7(a)は図1に示す実施形態の刃部の正面図、図7(b)はその平面図、図7(c)はその左側面図、図7(d)はその右側面図、図7(e)は図7(b)のC−C’線断面図である。
一般に、角度αと角度βの関係は、
β=α−360°/n
で表される。図では壁面が相互になす角度αを120°にし、楔形の角度βを30°にした場合を示している。
先にも述べたように、従来の破砕工具は四角錐形状をしており、それゆえに先端部が磨耗すると再鍛造・再焼入れ、あるいは研磨によって先を尖らせなければそれ以上の使用はできなかった。
これにより、使い始めから星型形状のなくなる刃部1の最後の位置まで破砕対象のコンクリートに刺さりやすく削岩し易い。
さらに破砕工具の重量も全体で15%(当社比)ほど軽くなっているので、壁面作業時に作業者が保持するための重量負担も軽減されるという利点がある。
使用テスト品 プラスブルポイント(本実施形態の破砕工具)17H×280
従来型四角錐ブルポイント(従来の破砕工具)17H×280
使用機械 日立電動ハンマ H41SA2(軸形状17Hタイプ)
破砕対象 コンクリート塊 橋梁用コンクリート(強度 44.1N/mm2)
テスト内容 2種類のブルポイントを使って、コンクリート塊を破砕するテストを
実行する。テスト時間は10時間と4時間に亙って行った。記録方法 として1時間に一度、全長を測って摩耗した長さを測定し、その時の 形状を画像で記録する。また仕事量を見るために破砕したコンクリー ト重量も1時間ごとに計量する。
計量結果を図3の図表と図4及び図5の画像に示す。
図4(a)は、本実施形態の破砕工具10のテスト前の外観撮影画像、(b)〜(e)は、テスト後のそれぞれ1時間おきの4時間後までの本実施形態の破砕工具10の外観撮影画像、図4(A)は、従来からある四角錐型の破砕工具のテスト前の外観撮影画像、(B)〜(E)は、テスト後のそれぞれ1時間おきの4時間後までの従来の破砕工具の外観撮影画像である。
また、図5(f)〜(l)は、図4(e)に続く本実施形態の破砕工具10の5時間後以降10時間後までのそれぞれ1時間おきの外観撮影画像である。
これに対し従来型四角錐ブルポイントの方は4時間経過した時点で先端は丸くなり、四角錐のエッジも丸くなってしまっているのが分かる。
図6の画像2は、本実施形態の破砕工具10で10時間使用後にディスクグラインダーにて先端に研磨を施した場合の外観撮影画像である。本実施形態では谷部分があるので簡単に研磨でき、研磨した結果、新品に近い形状に修正することができる。
上述のテスト結果から次のような点が判定された。
(1)削岩に関して
最初はどちらも先端に刃付けがされているので磨耗量は多いが、破砕量も多い。そして機械が与える力もほとんどが削岩に使われて反動が少ない。これが破砕工具を使う上で一番良い状態である。
その後、使用を続けるにつれてだんだん被砕量も落ちてくるが、本実施の形態の破砕工具10では被砕量の減少傾向は途中で止まって一定量以上には落ちていない。
したがって、そのまま使っていくこともできるし、さらに作業を楽に、また、効率を上げようとするならば、研磨を施して新品に近い状態にするのがいい。
破砕工具で作業するとき、工具を垂直に立てて作業することはほとんど無い。多くの場合は斜めに使うことになる。時には45°よりも寝かせて使うこともある。先端が丸くなると垂直に近い角度で使う場合にはほとんど削岩ができなくなる。工具を寝かせて使う場合にはエッジ部分を使って割っていく。
従来の破砕工具では、90°のエッジなので丸くなりやすい。また丸くなるとなかなか磨耗しなくなるので先端側もどんどん丸くなってしまう。本実施形態の破砕工具の場合は、エッジ部分の角度が30°と鋭角のエッジなので丸くなりにくい。また、楔形突起部分11も磨耗して行くので下方のエッジが出てくる。先端は横から見ると丸くなるが谷の部分があるので断面的には丸くならない。このように実際使用する形態で星型形状の横断面で見られる楔状の突起11が削岩に良い結果をもたらしている。
このような突起は、もしエッジの先端が丸いと充分に機能せず、また横断面が十字形状だと四角くなってエッジにならない。この点で本実施形態のような星型形状の横断面の楔状の突起11は理想的な形状であるといえる。
2 棹部
3 挿入端部
10 破砕工具
11 突起
12 溝
13 先端
14 中心軸
15 軸心部
Claims (4)
- 長手方向に延在する中心軸の後端側にツールの工具ホルダーへ挿入されて収納される挿入端部と、前記中心軸の先端側に刃部とを有する破砕工具において、
前記刃部は前記中心軸の長手方向に添って前記中心軸に対してn(nは3よりも多い正の整数)回転対称に設けられたn条の溝と、この溝間に設けられたn本の突起とを有し、
前記溝の両側面を形成する前記突起の側面でもある1対の壁面が相互になす角度αが
α>360°/n
であり、より好ましくは
500°/n>α>400°/n
であることを特徴とする破砕工具。 - 前記刃部の前記中心軸に対する垂直平面での断面において、前記中心軸から各溝の底点までの長さrはそれぞれ等しく、前記刃部の先端から前記溝がなくなる前記刃部の後端まで同一長さであることを特徴とする請求項1に記載の破砕工具。
- 前記刃部の断面の包絡直径hが、前記刃部の後端から先端に向けて徐々に細くなっていることを特徴とする請求項1または2に記載の破砕工具。
- 前記刃部の前記中心軸に対する垂直平面での断面は、星型形状であることを特徴とする請求項1に記載の破砕工具。
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