以下、本発明の第1乃至第8の実施の形態について図を用いて説明する。図1乃至図3に第1の実施の形態を示し、図4及び図5に第2の実施の形態を示し、図6及び図7に第3の実施の形態を示し、図8及び図9に第1乃至第3の実施の形態に共通の事項を示している。図10及び図11に第4の実施の形態を示し、図12及び図13に第5の実施の形態を示し、図14及び図15に第6の実施の形態を示し、図16及び図17に第7の実施の形態を示している。図18及び図19に第8の実施の形態を示している。これらの実施の形態において、締結装置S1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、S8は、シャフト1、2、3、4、5、6、7、8と、ストッパ15、25、35、45・47、55・57、65・67、73・75・77、85とを備える。この場合、シャフト1、2、3、4、5、6、7、8は柱状又は筒状の基本形状を有し、外周面に軸方向に向けて凹部11、21、31、41、51、61、71と凸部12、22、32、42、52、62、72が交互に形成される。ストッパ15、25、35、45・47、55・57、65・67、73・75・77、85はシャフト1、2、3、4、5、6、7、8の各凹部11、21、31、41、51、61、71、81に嵌合可能な溝形形状16、26、36、46、56、66、74・76・78、86を有する板状に、かつシャフト1、2、3、4、5、6、7、8の外周面10、20、30、40、50、60、70、80に着脱可能に取り付けられて外周方向にフランジ状に張り出すように形成される。このようにして、シャフト1、2、3、4、5、6、7、8を各種の部材に通し、当該部材の片側又は両側に現れるシャフト1、2、3、4、5、6、7、8の外周面10、20、30、40、50、60、70、80の凹部11、21、31、41、51、61、71、81にストッパ15、25、35、45・47、55・57、65・67、73・75・77、85を嵌め込み固定して、各種の部材を支持し、又は各種の部材間を締結するようになっている。以下、各実施の形態について詳述する。
第1の実施の形態は、締結装置S1が吊り金具として構成される。図1に示すように、シャフト1は鋼材により、基本形状として円柱状又は円筒状に成形され、シャフト1の外周面10の上端部側所定の範囲にねじ13が切られ、その下に工具用の溝14が形成され、さらに、下端部から上端部方向に向けて所定の長さ範囲に複数の凹部11と凸部12が軸方向に向けて交互に形成される。この場合、ねじ13は天井スラブなどに埋め込まれる埋め込み金物B1のねじB13に螺合するもので、この金物B1は全体が円筒状に形成され、その内周面にねじBl3が切られており、当該ねじB13に締結されるようになっている。工具用の溝14は例えばスパナ用で、この溝14にスパナが係合可能になっている。凹部11と凸部12はシャフト1の外周面10の上記所定の範囲で、この場合、軸芯を中心に対称的な2方向(この実施の形態では、シャフト1の外周面10を90°間隔で4分割し、軸芯を中心にして対称位置の2つの分割面)に対称的に、複数の凹溝110が軸方向に向けて等間隔に切り込まれて形成される。複数の凹溝110はそれぞれ、図8に示すように、軸方向に対して直角に、同じ所定の大きさに切り込まれて、各凹溝110の上、下の両側面(ストッパ15と対接する面)に必要な所定の面圧に耐え得る所要の大きさ(面積)が確保され、これらの凹溝110が軸方向に向けて当該凹溝110の上下方向の寸法と同じ寸法の間隔で形成される。なお、シャフト1の外周面10の上記所定の範囲で、軸芯を中心に対称的な他の2方向は凹部11、凸部12のない面(シャフト1の基本形状の外周面10の一部分)となる。また、図1に示すように、ストッパ15は鋼材により、外形がシャフト1の軸芯に対して直角方向の断面よりも大径の円形に、厚さがシャフト1の外周面10の凹部11内に嵌合可能に当該凹部11の上下方向の寸法と略同じか僅かに小さく形成され、そして図9に示すように、その平面の直径上に当該凹部11(の底面に当たる内回り)に沿って嵌合可能に略U字形の溝形形状16が形成されて、全体として略C字形をなす。なお、このストッパ15の場合、略U字形の溝形形状16の片側一方の縁部先端側にスプリングピン挿着部が設けられ、このスプリングピン挿着部に抜け止め用のスプリングピン17が挿着される。このようにして吊り金具はシャフト1とストッパ15とにより構成され、シャフト1が構造物や機械の下面に垂下され、このシャフト1を各種の部材に通して、当該部材の直下で当該部材の片側に現れる(すなわち当該部材の直下に隣接する)シャフト外周面10の凹部11にストッパ15を嵌め込み固定して、当該部材を支持するようになっている。
この吊り金具の使用例を図2に示している。この場合、この吊り金具を使って、ダクトD、パイプラック、ケーブルラックなど(以下、ダクトDなどという。)を天井スラブの下に吊り下げる方法を例示している。まず、天井スラブの下面、所定の位置に埋め込み固定された埋め込み金物B1に、シャフト1を取り付ける。この場合、シャフト1上端部のねじ13を埋め込み金物B1のねじB13に合わせ、シャフト外周面10のスパナ用の溝14にスパナを合わせた状態から、このシャフト1をスパナで回して、ねじ13を締め込めばよい。このようにして2本のシャフト1、1を対にして、必要な対数のシャフト1、1を天井スラブに垂下する。続いて、これら対になっているシャフト1、1間にL型鋼などの支持金具Pを架け渡す。この場合、支持金具Pの両端には、図2(b)に示すように、従来の吊りボルトの挿通穴と同様に、シャフト1の通し穴P1が穿たれており、各シャフト1、1を支持金具Pの各通し穴P1に通して、各シャフト1、1間に支持金具Pを架け渡せばよい。続いて、支持金具Pを各シャフト1上で上下方向に移動させながら、天井スラブの下方所定の高さに調整する。支持金具Pの高さが決まったところで、ストッパ15を支持金具Pの直下に現れる、すなわちこの支持金具Pの通し穴P1の直下に隣接するシャフト外周面10の凹部11に外周方向から差し込み、シャフト外周面10に固定する。この場合、ストッパ15を略U字形の溝形形状16の両内側面を各凹部11の底部に当たる面に沿って嵌め込めばよい。これにより、ストッパ15がシャフト外周面10の所定の高さ位置に、シャフト1の軸方向に対して直角の状態に固定され、外周方向にフランジ状に張り出される。このようにして各シャフト1、1にストッパ15を同じ高さに取り付けて、各シャフト1、1間に架け渡した支持金具Pを同じ高さのストッパ15により支持固定する。そして、これらの支持金具P上にダクトDなどを載せてダクトを接続していく。このようにシャフト1にストッパ15を同じ高さに取り付けて、このストッパ15の上に支持金具Pを載せ、さらにその上にダクトDなどを載せることで、シャフト1の凹部11に嵌め込まれたストッパ15は下側の面が当該凹部12の下側の面に圧接され、ここに一定の面圧が生じて、シャフト1上に強固に固定される。
このように第1の実施の形態によれば、吊り金具をシャフト1とストッパ15で構成し、シャフト1を構造物や機械の下面に垂下し、このシャフト1に各種の部材を通して、当該部材の直下で当該部材に隣接するシャフト外周面10の凹部11にストッパ15を嵌め込み固定して、当該部材を支持する形式にしているので、一般に吊りボルトとナットを使って、建物の天井スラブにダクトDなどを吊り下げるなど、構造物や機械の下に各種の機械、部材を支持する構造において、この吊り金具を吊りボルトやナットに代えて使用し、吊りボルトにナットを締め込む作業に代えて、シャフト1の外周面10の適宜の位置の凹部11にストッパ15を嵌め込み固定するだけの簡単な作業で、建物の天井スラブにダクトDなどを支持高さを合わせて確実かつ容易に吊り下げることができるなど、各種の機械や部材を構造物や機械の下面に高さ合わせを含めて確実かつ容易に支持することができる。
なお、第1の実施の形態では、ストッパ15を、支持金具Pの直下に現れる、すなわちこの支持金具Pの(通し穴P1の)直下に隣接するシャフト外周面10の凹部11のみに外周方向から差し込み、シャフト外周面10に固定しているが、さらに同じストッパ15を用い、支持金具Pの(通し穴P1の)直上に隣接するシャフト外周面10の凹部11に嵌め込み固定して、支持金具Pを上下2つのストッパ15、15で挟持固定するようにしてもよい。また、この実施の形態では、シャフト1を埋め込み金物B1に取り付けたが、図3に示すように、天井スラブその他の取付面にブラケットB2を取り付けて、このブラケットB2にシャフト挿通穴B20を設け、このシャフト挿通穴B20にシャフト1のねじ13を通し、これにナットN2を締結するようにしてもよい。
第2の実施の形態は、締結装置S2がターンバックルTの一方の軸T3として構成される。図4に示すように、このターンバックルTは全体が鋼材により形成され、バックル本体T1と、第1、第2の軸T2、T3とからなる。バックル本体T1は細長い枠形状に形成され、その両端に相互に対向する第1、第2の軸連結部T11、T12が一体に設けられる。この場合、第1の軸連結部T11は円筒状に形成されてその軸芯上に雌ねじが切られ、第2の軸連結部T12は円筒状に形成されてその軸芯上に軸挿通部が貫通形成される。第1の軸T2は例えばアイボルト又はフックボルトなど、索条や支持棒などに結合可能な各種の結合手段を有するボルトが採用され、第1の軸連結部T11に(外側から内側に向けて)螺合される。一方、第2の軸T3は締結装置S2が採用され、シャフト2と、ストッパ25とにより構成される。この締結装置S2の場合、シャフト2は基本形状として円柱状又は円筒状に成形され、上端にアイボルトと同様なリング又はその他の結合手段を有し、シャフト2の外周面20の上端から下端までの範囲に、複数の凹部21と凸部22が軸方向に向けて交互に形成される。この場合、これらの凹部21と凸部22はシャフト2の外周面20に、軸芯を中心に対称的な2方向(この実施の形態では、シャフト2の外周面20を90°間隔で4分割し、軸芯を中心にして対称位置の2つの分割面)に対称的に、複数の凹溝210が軸方向に向けて等間隔に切り込まれて形成される。複数の凹溝210はそれぞれ、図8に示すように、軸方向に対して直角に、同じ所定の大きさに切り込まれて、各凹溝210の上、下の両側面(ストッパ25と対接する面)に必要な所定の面圧に耐え得る所要の大きさ(面積)が確保され、これらの凹溝210が軸方向に向けて当該凹溝210の上下方向の寸法と同じ寸法の間隔で形成される。また、シャフト2の外周面20で、軸芯を中心に対称的な他の2方向は凹部21、凸部22のない面(シャフト2の基本形状の外周面20の一部分)となる。図4に示すように、ストッパ25は外形がシャフト2の軸芯に対して直角方向の断面よりも大径の円形に、厚さがシャフト2の外周面20の凹部21内に嵌合可能に当該凹部21の上下方向の寸法と略同じか僅かに小さく形成され、そして図9に示すように、その平面の直径上に当該凹部21(の底面に当たる内回り)に沿って嵌合可能に略U字形の溝形形状26が形成されて、全体として略C字形をなす。なお、このストッパ25の場合、略U字形の溝形形状26の片側一方の縁部先端側にスプリングピン挿着部が設けられ、このスプリングピン挿着部に抜け止め用のスプリングピン27が挿着される。このようにして、第2の軸T3はシャフト2とストッパ25とにより構成され、シャフト2が下端から、バックル本体T1の第2の軸連結部T12に(外側から内側に向けて)挿通され、この第2の軸T3でターンバックルTの全長に概ね必要な長さを決めてから、第2の軸連結部T12の直下に現れる(すなわちバックル本体T1の内側で第2の軸連結部T12に隣接する)シャフト外周面20の凹部21にストッパ25を嵌め込み固定して、バックル本体T1に取り付けるようになっている。
このターンバックルTの使用例を図5に示している。このターンバックルTを使って、索条や支持棒などにテンションを付加したり、長さを調整したりする場合、まず、第1、第2の軸T2、T3のリングやフックなどに索条や支持棒などを引っ掛けて結合し、第2の軸T3でターンバックルTの全長に概ね必要な長さを決める。この場合、シャフト2からストッパ25を取り外して、シャフト2を第2の軸連結部T12上でバックル本体T1に対して内側方向又は外側方向に向けて移動し、ターンバックルTの全長に概ね必要な長さを決め、シャフト2の第2の軸連結部T12の直下に現れる(すなわちバックル本体T1の内側で第2の軸連結部T12に隣接する)外周面20の凹部21にストッパ25を嵌め込み固定すればよい。これにより、ストッパ25がシャフト2の外周面20の当該位置に、シャフト2の軸方向に対して直角の状態に固定され、外周方向にフランジ状に張り出されて、バックル本体T1の第2の軸連結部T12の内側端面に係合される。つまり、ストッパ25はシャフト2の抜け止めとなる。このようにしてターンバックルTの全長に概ね必要な長さを決めたら、第1の軸T2を締める方向に回転させることにより、第1の軸T2の雄ネジが第1の軸連結部Tl1の雌ねじに沿って前進するので、第1、第2の軸T2、T3の一端にそれぞれ設けられたリング間又はフック間の距離が近づき、索条や支持棒などにテンションを付加したり、長さを短縮する方向に調整したりすることができる。この場合、予め、第2の軸T3で、ターンバックルTの全長に概ね必要な長さを決めているので、第1の軸T2の締め込み調整は少なく済む。なお、第1の軸T2を緩める方向に回転させれば、第1の軸T2の雄ネジが第1の軸連結部T11の雌ねじに沿って後退するので、第1、第2の軸T2、T3の一端にそれぞれ設けられたリング間又はフック間の距離が離れて、索条や支持棒などのテンションが解除され、長さを延ばす方向に調整することができることは言うまでもない。
このように第2の実施の形態によれば、ターンバックルTの一方の軸T3を締結装置S2で構成したので、シャフト2をバックル本体T1の一方の軸連結部T12に通し、バックル本体T1の内側で当該軸連結部T12の内側に隣接するシャフト2の外周面20の凹部21にストッパ25を嵌め込み固定するだけの簡単な作業で、ターンバックルTの全長を概ね必要な長さに調整でき、この第2の軸T3によるターンバックルTの全長の調整により、このターンバックルTで索条や支持棒などにテンションを付加したり、長さを短縮する方向に調整したりする場合に、他方のねじ式の軸T2、すなわちアイボルト又はフックボルトなどのねじ式の軸の締め込み量を著しく少なくして締め込み作業を容易にすることができるなど、機械などの本体と部品、又は部品と部品を結合する各種の部材間の締結構造において、ボルトとナットに代えて、確実かつ容易に、機械などの本体と部品、又は部品と部品を結合することができ、各種の部材間を確実かつ容易に締結することができる。
なお、第2の実施の形態では、ストッパ25をシャフト2の第2の軸連結部T12の直下に現れる、すなわちバックル本体T1の内側で第2の軸連結部Tl2に隣接する外周面20の凹部21のみに嵌め込み固定しているが、さらに同じストッパ25を用い、シャフト2の第2の軸連結部T12の直上に隣接するシャフト外周面20の凹部21に嵌め込み固定して、第2の軸T3を上下2つのストッパ25、25で挟持固定するようにしてもよい。
第3の実施の形態は、締結装置S3がクランプ器具Cの一部として構成される。図6に示すように、このクランプ器具Cは全体が鋼材により形成され、フレームC1と、第1、第2の軸C2、C3とからなる。フレームC1は略コ字形に形成され、その両端に相互に対向する第1、第2の軸連結部C11、C12が一体に設けられる。この場合、第1の軸連結部C11は円筒状に形成されてその軸芯上に雌ねじが切られ、第2の軸連結部C12は円筒状に形成されてその軸芯上に軸挿通部が貫通形成される。第1の軸C2はねじ棒で、ハンドル通し穴C20を有する頭部C21と、雄ねじを切られた軸C22とからなり、第1の軸連結部C11に(外側から内側に向けて)螺合される。一方、第2の軸C3は締結装置S3が採用され、シャフト3と、ストッパ35とにより構成される。この締結装置S3の場合、シャフト3は基本形状として円柱状又は円筒状に成形され、上端にフランジ3Fを有し、シャフト3の外周面30の上端から下端までの所定の範囲に、複数の凹部31と凸部32が軸方向に向けて交互に形成される。なお、この場合、これらの凹部31と凸部32はシャフト3の外周面30に、軸芯を中心に対称的な2方向(この実施の形態では、シャフト3の外周面30を90°間隔で4分割し、軸芯を中心にして対称位置の2つの分割面)に対称的に、複数の凹溝310が軸方向に向けて等間隔に切り込まれて形成される。複数の凹溝310はそれぞれ、図8に示すように、軸方向に対して直角に、同じ所定の大きさに切り込まれて、各凹溝310の上、下の両側面(ストッパ35と対接する面)に必要な所定の面圧に耐え得る所要の大きさ(面積)が確保され、これらの凹溝310が軸方向に向けて当該凹溝310の上下方向の寸法と同じ寸法の間隔で形成される。また、シャフト3の外周面30で、軸芯を中心に対称的な他の2方向は凹部31、凸部32のない面(シャフト3の基本形状の外周面30の一部分)となる。図6に示すように、ストッパ35は外形がシャフト3の軸芯に対して直角方向の断面よりも大径の円形に、厚さがシャフト3の外周面30の凹部31内に嵌合可能に当該凹部31の上下方向の寸法と略同じか僅かに小さく形成され、そして図9に示すように、その平面の直径上に当該凹部31(の底面に当たる内回り)に沿って嵌合可能に略U字形の溝形形状36が形成されて、全体として略C字形をなす。なお、このストッパ35の場合、略U字形の溝形形状36の片側一方の縁部先端側にスプリングピン挿着部が設けられ、このスプリングピン挿着部に抜け止め用のスプリングピン37が挿着される。このようにして第2の軸C3はシャフト3とストッパ35とにより構成され、シャフト3が下端から、フレームC1の第2の軸連結部C12に(内側から外側に向けて)挿通され、フレームC1の内側でフランジ3Fの位置を決めてから、第2の軸連結部C12の直上に現れる(この場合、フレームC1の内側で第2の軸連結部C12に隣接する)シャフト外周面30の凹部31にストッパ35を嵌め込み固定して、フレームC1に取り付けるようになっている。
このクランプ器具Cの使用例を図7に示している。このクランプ器具Cを使って、各種の部材をクランプする場合、まず、フレームC1の内側でシャフト3のフランジ3Fの位置を決める。この場合、シャフト3からストッパ35を取り外して、シャフト3を第2の軸連結部C12上でフレームC1に対して内側方向又は外側方向に向けて移動し、フレームC1の内側でシャフト3のフランジ3Fの位置を適宜決め、シャフト3の第2の軸連結部C12の直上に現れる(この場合、フレームC1の内側で第2の軸連結部C12に隣接する)外周面30の凹部31にストッパ35を嵌め込み固定すればよい。これにより、ストッパ35がシャフト3の外周面30の当該位置に、シャフト3の軸方向に対して直角の状態に固定され、外周方向にフランジ状に張り出されて、フレームC1の第2の軸連結部C12の内側端面に係合される。つまり、ストッパ35はシャフト3のロック手段となる。このようにしてフレームC1の内側でシャフト3のフランジ3Fの位置を決めたら、第1の軸C2を締める方向に回転させることにより、第1の軸C2の雄ネジが第1の軸連結部C11の雌ねじに沿って前進するので、第1の軸C2と第2の軸C3との間に、各種の部材を確実にクランプすることができる。この場合、予め、フレームC1内で第2の軸C3の突出量を決めているので、第1の軸C2の締め込み調整は少なくて済む。
このように第3の実施の形態によれば、クランプ器具Cの一方の軸C3を締結装置S3で構成したので、フランジ3F付きのシャフト3をクランプ器具Cの一方の軸連結部C12に通し、クランプ器具Cの内側で当該軸連結部C12の内側に隣接するシャフト3の外周面30の凹部31にストッパ35を嵌め込み固定するだけの簡単な作業で、一方の軸C3を任意のクランプ位置に固定することができ、他方のねじ式の軸C2の締め込み量を著しく少なくして締め込み作業を容易にすることができるなど、機械などの本体と部品、又は部品と部品を結合する各種の部材間の締結構造において、ボルトとナットに代えて、確実かつ容易に、機械などの本体と部品、又は部品と部品を結合することができ、各種の部材間を確実かつ容易に締結することができる。
なお、第3の実施の形態では、ストッパ35をシャフト3の第2の軸連結部C12の直上に現れる、すなわちフレームC1の内側で第2の軸連結部C12に隣接する外周面30の凹部31のみに嵌め込み固定しているが、さらに同じストッパ35を用い、シャフト3の第2の軸連結部C12の直下に隣接するシャフト外周面30の凹部31に嵌め込み固定して、第2の軸C3を上下2つのストッパ35、35で挟持固定するようにしてもよい。
第4の実施の形態は、締結装置S4がクランプ器具として構成される。図10に示すように、シャフト4は鋼材により、基本形状として円柱状又は円筒状に成形され、一端にフランジ4Fを有し、シャフト4の外周面40の一端から他端までの所定の範囲に、複数の凹部41と凸部42が軸方向に向けて交互に形成される。この場合、これらの凹部41と凸部42はシャフト4の外周面40に、軸芯を中心に対称的な2方向(この実施の形態では、シャフト4の外周面40を90°間隔で4分割し、軸芯を中心にして対称位置の2つの分割面)に対称的に、複数の凹溝410が軸方向に向けて等間隔に切り込まれて形成される。複数の凹溝410はそれぞれ軸方向に対して所定角度(この場合、概ね11°〜12°)の斜めに、同じ所定の大きさに切り込まれて、各凹溝410の上、下の両側面(ストッパ45、47と対接する面)に必要な所定の面圧に耐え得る所要の大きさ(面積)が確保され、これらの凹溝410が軸方向に向けて所定の間隔で形成される。また、シャフト4の外周面40で、軸芯を中心に対称的な他の2方向は凹部41、凸部42のない面(シャフト4の基本形状の外周面40の一部分)となる。ストッパは第1、第2のストッパ45、47を備える。第1のストッパ45は鋼材により、平面形状がシャフト4の軸芯に対して直角方向の断面よりも大きい略矩形状(角形)に、厚さがシャフト4の外周面40の凹部41内に嵌合可能に、先端が薄く、先端から後端に向けて徐々に拡大された断面略台形状に形成され、そしてその先端中央から後端に向けて当該凹部41(の底面に当たる内回り)に沿って嵌合可能に略コ字形の溝形形状46が形成されて、全体が略コ字形の楔構造をなす。第2のストッパ47は平座金で、この場合、全体が第1のストッパ45よりも少し大きい平面積を有する略台形の平面形状になっていて、その中心にシャフト4を挿通可能にシャフト4の外径よりも僅かに大きい内径を有する円形の穴48が穿たれている。このようにしてクランプ器具はシャフト4と第1、第2のストッパ45、47とにより構成され、このシャフト4を各種の部材間に通して、当該部材の直上又は直下で当該部材の片側に現れる(すなわち当該部材の直上又は直下に隣接する)シャフト外周面40の凹部41に第2のストッパ47を介在して、シャフト4の外周から第1のストッパ45を嵌め込み、その襖構造により固定して、シャフト4のフランジ4Fと第1、第2のストッパ45、47で当該部材間を締結するようになっている。
このクランプ器具の使用例を図11に示している。このクランプ器具を使って、例えば管材K1と管材K2とを両者のフランジF1、F2を介して締結する場合、図11に示すように、まず、一方の管材K1のフランジF1と他方の管材K2のフランジF2を合わせる。なお、各フランジFl、F2の全周には、所定の間隔でシャフト通し穴F!0、F20が穿たれており、併せて各フランジF1、F2の各シャフト通し穴F10、F20を一致させる。そして、各フランジF1、F2の各シャフト通し穴F10、F20にシャフト4を通す。この場合、各シャフト4のフランジ4Fとは反対の他端から、各フランジF1、F2の各シャフト通し穴F10、F20に下方から上方に向けて差し通す。そして、シャフト4の一端のフランジ4Fを差し込み側一方のフランジFl面に当接させたところで、第2のストッパ47をシャフト4の他端から通し、差し通し側他方のフランジF2面上に載せて、このフランジF2面上の第2のストッパ47の直上に現れる、すなわち第2のストッパ47の直上に隣接するシャフト外周面40の斜めの凹部41に襖構造の第1のストッパ45を外周方向から差し込み、シャフト4の外周面40に固定する。このとき、第1のストッパ45を略コ字形の溝形形状46の両内側面を各凹部41の底部に当たる面に沿って圧入により嵌め込めばよい。これにより、差し通し側他方のフランジF2上で第1、第2のストッパ45、47がシャフト4の軸方向に対して直角の状態に固定され、外周方向にフランジ状に張り出される。このようにして各シャフト4の外周面40の凹部41に第2のストッパ47を介して第1のストッパ45が圧入固定され、シャフト4のフランジ4Fと第1、第2のストッパ45、47とにより、当該各管材K1、K2のフランジF1、F2間が一定の面圧で、強固に締結される。
このように第4の実施の形態によれば、クランプ器具をフランジ4F付きのシャフト4と第1、第2のストッパ45、47で構成し、シャフト4を一方の管材K1のフランジF1と他方の管材K2のフランジF2の各シャフト通し穴F10、F20に通して、差し通し側のフランジF2の直上で当該フランジF2に隣接するシャフト外周面40の凹部41に第2のストッパ47を介して第1のストッパ45を嵌め込み固定して、当該各フランジF1、F2間を締結する形式にしているので、一般にボルトとナットを使って、管材と管材とを両者のフランジを介して締結するなど、機械などの本体と部品、又は部品と部品を結合する各種の部材間の締結構造において、ボルトとナットに代えて、確実かつ容易に、機械などの本体と部品、又は部品と部品を結合することができ、各種の部材間を確実かつ容易に締結することができる。
なお、第4の実施の形態では、シャフト4を一方の管材K1のフランジF1と他方の管材K2のフランジF2の各シャフト通し穴F10、F20に通して、差し通し側のフランジF20の直上で当該フランジF20に隣接するシャフト外周面40の凹部41に第2のストッパ47を介して第1のストッパ45を嵌め込み固定し、シャフト4のフランジ4Fと第1、第2のストッパ45、47で、当該各管材K1、K2のフランジF1、F2間を締結しているが、シャフト4のフランジ4Fに代えて、さらに同じ第1、第2のストッパ45、47を用い、差し込み側のフランジF1の直下で当該フランジF1に隣接するシャフト外周面40の凹部41に第2のストッパ47を介して第1のストッパ45を嵌め込み固定して、両フランジF1、F2を上下2つのストッパ45・47、45・47で挟持固定するようにしてもよい。
第5の実施の形態は、締結装置S5がクランプ器具として構成される。図12に示すように、シャフト5は鋼材により、基本形状として円柱状又は円筒状に成形され、一端にフランジ5Fを有し、シャフト5の外周面50の一端から他端までの所定の範囲に、複数の凹部51と凸部52が軸方向に向けて交互に形成される。この場合、これらの凹部51と凸部52はシャフト5の外周面50に、軸芯を中心に対称的な2方向(この実施の形態では、シャフト5の外周面50を90°間隔で4分割し、軸芯を中心にして対称位置の2つの分割面)に対称的に、複数の凹溝510が軸方向に向けて等間隔に切り込まれて形成される。複数の凹溝510はそれぞれ軸方向に所定角度(この場合、水平方向に対して概ね11°〜12°) の斜めに、同じ所定の大きさに切り込まれて、各凹溝510の上、下の両側面(ストッパ55、57と対接する面)に必要な所定の面圧に耐え得る所要の大きさ(面積)が確保され、これらの凹溝510が軸方向に向けて所定の間隔で形成される。また、シャフト5の外周面50で、軸芯を中心に対称的な他の2方向は凹部51、凸部52のない面(シャフト5の基本形状の外周面50の一部分)となる。ストッパは第1、第2のストッパ55、57を備える。第1のストッパ55は鋼材により、平面形状がシャフト5の軸芯に対して直角方向の断面よりも大きい略矩形状(角形)に、厚さがシャフト5の外周面50の凹部51内に嵌合可能に、先端が薄く、先端から後端に向けて徐々に拡大された断面略台形状に形成され、そしてその先端中央から後端に向けて当該凹部51(の底面に当たる内回り)に沿って嵌合可能に略コ字形の溝形形状56が形成されて、全体が略コ字形の襖構造をなす。また、このストッパ55の場合、底面の後端側所定の範囲が底面の前後方向に向けて断面鋸歯形状に形成されて、ギザギザの面551になっている。第2のストッパ57は平座金で、この場合、全体が第1のストッパ55よりも少し大きい平面積を有する略台形の平面形状になっていて、その中心にシャフト5を挿通可能にシャフト5の外径よりも僅かに大きい内径を有する円形の穴58が穿たれている。また、このストッパ57の場合、上面の後端側所定の位置に左右方向に向けて溝571が形成され、この溝571にばね座金59(この場合、細長い板状でかつ断面が略くの字形に曲成されたばね座金)が配置されてその立ち上がり係止縁部591が溝571の上に突出される。このようにしてクランプ器具はシャフト5と第1、第2のストッパ55、57とにより構成され、このシャフト5を各種の部材間に通して、当該部材の直上又は直下で当該部材の片側に現れる(すなわち当該部材の直上又は直下に隣接する)シャフト外周面50の凹部51に第2のストッパ57を介在して、シャフト5の外周から第1のストッパ55を嵌め込み、その楔構造により固定して、シャフト5のフランジ5Fと第1、第2のストッパ55、57で当該部材間を締結するようになっている。そして、第1のストッパ55は第2のストッパ57上で、第1のストッパ55底面の鋸歯形状、すなわちギザギザの面551に、第2のストッパ57の溝571から突出されたばね座金59の立ち上がり係止縁部591が食い込み、これが第1のストッパ55の緩み止めになって、第1のストッパ55の後退を防止する。
このクランプ器具の使用例を図13に示している。このクランプ器具を使って、例えば管材K1と管材K2とを両者のフランジF1、F2を介して締結する場合、図13に示すように、まず、一方の管材K1のフランジFlと他方の管材K2のフランジF2を合わせる。なお、各フランジF1、F2の全周には、所定の間隔でシャフト通し穴F10、F20が穿たれており、併せて各フランジF1、F2の各シャフト通し穴F10、F20を一致させる。そして、各フランジF1、F2の各シャフト通し穴F10、F20にシャフト5を通す。この場合、各シャフト5のフランジ5Fとは反対の他端から、各フランジF1、F2の各シャフト通し穴F10、F20に下方から上方に向けて差し通す。そして、シャフト5の一端のフランジ5Fを差し込み側一方のフランジF1面に当接させたところで、第2のストッパ57をシャフト5の他端から通し、差し通し側他方のフランジF2面上に載せて、このフランジF2面上の第2のストッパ57の直上に現れる、すなわち第2のストッパ57の直上に隣接するシャフト外周面50の斜めの凹部51に楔構造の第1のストッパ55を外周方向から差し込み、シャフト5の外周面50に固定する。このとき、第1のストッパ55を略コ字形の溝形形状56の両内側面を各凹部51の底部に当たる面に沿って圧入により嵌め込めばよい。これにより、差し通し側他方のフランジF2上で第1、第2のストッパ55、57がシャフト5の軸方向に対して直角の状態に固定され、外周方向にフランジ状に張り出される。そして、この状態は、第1のストッパ55底面の鋸歯形状、すなわちギザギザの面551と、第2のストッパ57の溝571から突出されたばね座金59の立ち上がり係止縁部591との係合により、固定される。このようにして各シャフト5の外周面50の凹部51に第2のストッパ57を介して第1のストッパ55が圧入固定され、シャフト5のフランジ5Fと第1、第2のストッパ55、57とにより、当該各管材K1、K2のフランジF1、F2間が一定の面圧で、強固に締結される。
このように第5の実施の形態によれば、クランプ器具をフランジ5F付きのシャフト5と第1、第2のストッパ55、57で構成し、シャフト5を一方の管材K1のフランジF1と他方の管材K2のフランジF2の各シャフト通し穴F10、F20に通して、差し通し側のフランジF2の直上で当該フランジF2に隣接するシャフト外周面50の凹部51に第2のストッパ57を介して第1のストッパ55を嵌め込み固定し、この状態を第1のストッパ55底面の鋸歯形状551と、第2のストッパ57の溝571から突出されたばね座金59の立ち上がり係止縁部591との係合により固定して、当該各フランジF1、F2間を締結する形式にしているので、一般にボルトとナットを使って、管材と管材とを両者のフランジを介して締結するなど、機械などの本体と部品、又は部品と部品を結合する各種の部材間の締結構造において、ボルトとナットに代えて、確実かつ容易に、機械などの本体と部品、又は部品と部品を結合することができ、各種の部材間を確実かつ容易に締結することができる。
なお、第5の実施の形態では、シャフト5を一方の管材K1のフランジF1と他方の管材K2のフランジF2の各シャフト通し穴F10、F20に通して、差し通し側のフランジF20の直上で当該フランジF20に隣接するシャフト外周面50の凹部51に第2のストッパ57を介して第1のストッパ55を嵌め込み固定し、シャフト5のフランジ4Fと第1、第2のストッパ55、57で、当該各管材K1、K2のフランジF1、F2間を締結しているが、シャフト5のフランジ5Fに代えて、さらに同じ第1、第2のストッパ55、57を用い、差し込み側のフランジF1の直下で当該フランジF1に隣接するシャフト外周面50の凹部51に第2のストッパ57を介して第1のストッパ55を嵌め込み固定して、両フランジFl、F2を上下各2つのストッパ55・57、55・57で挟持固定するようにしてもよい。
第6の実施の形態は、締結装置S6が大径のシャフト6を使用するクランプ器具として構成される。図14に示すように、シャフト6は鋼材により、基本形状として円柱状又は円筒状に成形され、一端にフランジ6Fを有し、シャフト6の外周面60の一端から他端までの所定の位置に凹部61と凸部62が軸方向に向けて交互に形成される。この場合、これらの凹部61と凸部62はシャフト6の外周面60に、軸芯を中心に対称的な2方向(この実施の形態では、シャフト6の外周面60を90°間隔で4分割し、軸芯を中心にして対称位置の2つの分割面)に対称的に、凹溝610が一つ切り込まれて形成され、その上下両側が凸部62になっている。凹溝610はそれぞれ、軸方向に対して直角に、所定の大きさに形成されて、凹溝610の上、下の両側面(ストッパ65、67と対接する面)に必要な所定の面圧に耐え得る所要の大きさ(面積)が確保され、そして、凸部62はシャフト6の基本形状の外周面60の一部分となる。また、シャフト6の外周面60で、軸芯を中心に対称的な他の2方向は凹部61、凸部62のない面(シャフト6の基本形状の外周面60の一部分)となる。ストッパは第1、第2のストッパ65、67を備える。第1のストッパ65は鋼材により、平面形状がシャフト6の軸芯に対して直角方向の断面よりも大きい略矩形状(角形)に、厚さがシャフト6の外周面60の凹部61内に嵌合可能に、先端が薄く、先端から後端に向けて徐々に拡大された断面略台形状に形成され、そしてその先端中央から後端に向けて当該凹部61(の底面に当たる内回り)に沿って嵌合可能に略コ字形の溝形形状66が形成されて、全体が略コ字形の楔構造をなす。また、このストッパ65の後端面には左右両側にねじ穴650が設けられ、これらのねじ穴650に2本の取付ボルト651が螺着されて、ロックプレート69が取り付けられるようになっている。第2のストッパ67は平座金で、この場合、全体が第1のストッパ65と略同じ大きさ又は少し小さい平面積を有する略台形の平面形状になっていて、その中心にシャフト6を挿通可能にシャフト6の外径よりも僅かに大きい内径を有する円形の穴68が穿たれている。また、このストッパ67の後端面には左右両側にねじ穴670が設けられ、これらのねじ穴670に2本の締付けボルト671が螺着されて、ロックプレート69が取り付けられるようになっている。そして、ロックプレート69はこれら第1、第2のストッパ65、67の後端面を上下に合わせた平面よりも少し大きい鋼材からなる平板で、上部側に第1のストッパ65の各ねじ穴650に対応するボルト挿通穴690が穿設され、下部側に第2のストッパ67の各ねじ穴670に対応するボルト挿通穴690が穿設され、さらにこれら下部側のボルト挿通穴690の内側にそれぞれ(引抜き用の)タップねじ691が併せて設けられて、このロックプレート69が第1、第2のストッパ65、67間に2本の取付ボルト651と締付けボルト671により取り付け可能になっている。このようにしてクランプ器具はシャフト6と第1、第2のストッパ65、67とにより構成され、このシャフト6を各種の部材間に通して、図15に示すように、当該部材の直上又は直下で当該部材の片側に現れる(すなわち当該部材の直上又は直下に隣接する)シャフト外周面60の凹部61に第2のストッパ67を介在して、シャフト6の外周から第1のストッパ65を嵌め込み、その楔構造により固定して、シャフト6のフランジ6Fと第1、第2のストッパ65、67で当該部材間を締結するようになっている。そして、これら第1のストッパ65と第2のストッパ67間に、ロックプレート69が取り付けられて、これが第1のストッパ55のロック手段となり、第1のストッパ55の後退を防止する。
このクランプ器具を使って、機械などの本体と部品、又は部品と部品を結合する場合、まず、各部材間にシャフト6を通す。この場合、シャフト6のフランジ6Fとは反対の他端から、各部材に下方から上方に向けて差し通す。そして、シャフト6の一端のフランジ6Fを差し込み側一方の部材に当接させたところで、第2のストッパ67をシャフト6の他端から通し、差し通し側他方の部材上に載せて、この部材上の第2のストッパ67の直上に現れる、すなわち第2のストッパ67の直上に隣接するシャフト外周面60の凹部61に楔構造の第1のストッパ65を外周方向から差し込み、シャフト6の外周面60に固定する。このとき、第1のストッパ65を略コ字形の溝形形状66の両内側面を凹部61の底部に当たる面に沿って圧入により嵌め込めばよい。これにより、差し通し側他方の部材上で第1、第2のストッパ65、67がシャフト6の軸方向に対して直角の状態に固定され、外周方向にフランジ状に張り出される。そして、この状態は、第1、第2のストッパ65、67の後端面間に、ロックプレート69が合わせられ、このロックプレート69の上部側の各ボルト挿通穴690を通じて2本の取付ボルト651が第1のストッパ65後端面の各ねじ穴650に螺着され、下部側の各ボルト挿通穴690を通じて2本の締付けボルト671が第2のストッパ67後端面の各ねじ穴670に螺着されて固定され、これが第1のストッパ65のロック(緩み止め)手段となって、第1のストッパ65の後退が防止される。このようにして各シャフト6の外周面60の凹部61に第2のストッパ67を介して第1のストッパ65が圧入固定され、シャフト6のフランジ6Fと第1、第2のストッパ65、67とにより、各種の部材間が一定の面圧で、強固に締結される。なお、このシャフト6から第1のストッパ65を取り外すときは、ロックプレート69から下部側の各締付けボルト671を取り外し、上部側の各取付ボルト651でロックプレート69を第1のストッパ65に固定した状態から、タップねじ691を回してこのタップねじ691で第2のストッパ67を押すことで、シャフト6から第1のストッパ65をロックプレート69とともに引き抜くことができる。
このように第6の実施の形態によれば、クランプ器具をフランジ6F付きのシャフト6と第1、第2のストッパ65、67で構成し、シャフト6を各種の部材に通し、差し通し側の部材の直上で当該部材に隣接するシャフト外周面60の凹部61に第2のストッパ67を介して第1のストッパ65を嵌め込み固定し、この状態を第1、第2のストッパ65、67間をロックするロックプレート69で固定して、各種の部材間を締結する形式にしているので、一般にボルトとナットを使って、部材と部材とを締結するなど、機械などの本体と部品、又は部品と部品を結合する各種の部材間の締結構造において、ボルトとナットに代えて、確実かつ容易に、機械などの本体と部品、又は部品と部品を結合することができ、各種の部材間を確実かつ容易に締結することができる。
なお、第6の実施の形態では、シャフト6を各種の部材間に通して、差し通し側の部材の直上で当該部材に隣接するシャフト外周面60の凹部61に第2のストッパ67を介して第1のストッパ65を嵌め込み固定し、シャフト6のフランジ6Fと第1、第2のストッパ65、67で、各種の部材間を締結しているが、シャフト6のフランジ6Fに代えて、同じ凹部61と第1、第2のストッパ65、67を用い、差し込み側の部材の直下で当該部材に隣接するシャフト外周面60の凹部61に第2のストッパ67を介して第1のストッパ65を嵌め込み固定して、両部材を上下各2つのストッパ65・67、65・67で挟持固定するようにしてもよい。
第7の実施の形態は、締結装置S7が角形のシャフト7を使用するクランプ器具として構成される。図16(a)に示すように、シャフト7は鋼材により、基本形状として四角柱状又は四角筒状に成形され、シャフト7の外周面70の一端から他端までの所定の範囲に複数の凹部71と凸部72が軸方向に向けて交互に形成される。なお、この場合、これらの凹部71と凸部72はシャフト7の外周面70に、軸芯を中心に対称的な2方向(この実施の形態では、シャフト7の(四角柱の)外周面70のうち、軸芯を中心にして対称位置の2つの面)に対称的に、複数の凹溝710が軸方向に向けて等間隔に切り込まれて形成される。複数の凹溝710はそれぞれ、軸方向に対して直角に、同じ所定の大きさに切り込まれて、各凹溝710の上、下の両側面(ストッパ73、75と対接する面)に必要な所定の面圧に耐え得る所要の大きさ(面積)が確保され、これらの凹溝710が軸方向に向けて当該凹溝710の上下方向の寸法と同じ寸法の間隔で形成される。また、シャフト7の外周面70で、軸芯を中心に対称的な他の2面は凹部71、凸部72のない面(シャフト7の基本形状の外周面70の一部分)となる。図16(a)に示すように、ストッパはシャフト7の一端(この場合、下端)側に取り付けられる第1のストッパ73と、他端(この場合、上端)側に取り付けられる第2、第3のストッパ75、77とを備える。第1のストッパ73は鋼材により、外形がシャフト1の軸芯に対して直角方向の断面よりも大きい矩形状(角形)に、厚さがシャフト7の外周面70の凹部71内に嵌合可能に当該凹部71の上下方向の寸法と略同じか僅かに小さく形成され、そして、その平面の中央に当該凹部71(の底面に当たる内回り)に沿って嵌合可能に略コ字形の溝形形状74が形成されて、全体として略コ字形をなす。第2のストッパ75は鋼材により、平面形状がシャフト7の軸芯に対して直角方向の断面よりも大きい略矩形状(角形)に、厚さがシャフト7の外周面70の凹部71内に嵌合可能に、先端が厚く、先端から後端に向けて徐々に厚さを薄くした断面略台形状に形成され、そしてその先端中央から後端に向けて当該凹部71(の底面に当たる内回り)に沿って嵌合可能に略コ字形の溝形形状76が形成されて、全体が略コ字形の楔構造をなす。なお、このストッパ75は、図16(b)に示すように、溝形形状76の幅方向中心(すなわち、左右方向中心)で2等分割されて、2つの分割ストッパ片751、752により構成されてもよい。第3のストッパ77は平座金で、この場合、平面形状が第2のストッパ75の平面積よりも少し大きい略矩形状に、厚さは第2のストッパ75のそれよりも少し厚く、先端が最も暑く、先端から後端に向けて徐々に厚さを薄くした断面略台形状に形成され、その先端中央から後端に向けてシャフト7の外周面70の両側を各凸部72の外側から挟持可能に略コ字形の溝形形状78が形成されて、全体が略コ字形の楔構造をなす。また、このストッパ77の後端面の中央にはねじ穴770が形成されて、このねじ穴770に締込みボルト771が螺着されるようになっている。このようにしてクランプ器具はシャフト7と第1、第2のストッパ73、75、77とにより構成され、このシャフト7を各種の部材間に通して、図17に示すように、当該部材の直下に現れる(すなわち当該部材の直下に隣接する)シャフト外周面70の凹部71にシャフト7の外周から第1のストッパ73を嵌め込み固定し、当該部材の直上に現れる(すなわち当該部材の直上に隣接する)シャフト外周面70の凹部71にシャフト7の外周から第3のストッパ77を介在して、シャフト7の外周から第2のストッパ75を嵌め込み、それぞれの楔構造により固定して、シャフト7上の第1のストッパ73と第2、第3のストッパ75、77で当該部材間を締結するようになっている。
このクランプ器具を使って、機械などの本体と部品、又は部品と部品を結合する場合、まず、各部材間にシャフト7を通す。この場合1シャフト7を各部材に下方から上方に向けて差し通す。続いて、シャフト7一端の差し込み側一方の部材の直下に現れる、当該部材の直下に隣接するシャフト外周面70の凹部71に第1のストッパ73を外周方向から差し込む。これにより、第1のストッパ73がシャフト7の軸方向に対して直角の状態に固定され、外周方向にフランジ状に張り出されて、当該部材の下面に当接される。続いて、楔構造の第3のストッパ77をシャフト7の外周方向から差し込み、差し通し側他方の部材上に載せて、この部材上の第3のストッパ77の直上に現れる、すなわち第3のストッパ77の直上に隣接するシャフト外周面70の凹部71に楔構造の第2のストッパ75を外周方向、この場合、第3のストッパ77とは反対の方向から差し込み、シャフト7の外周面70に固定する。このとき、第2のストッパ75を略コ字形の溝形形状76の両内側面を凹部71の底部に当たる面に沿って圧入により嵌め込んでいく。そして、第3のストッパ77後端面のねじ穴770から締込みボルト771をねじ込み、これを締め込んでいくことにより、楔構造の第2、第3のストッパ75、77が相互に圧接されて、差し通し側他方の部材上でシャフト7の軸方向に対して直角の状態に固定され、外周方向にフランジ状に張り出される。このようにしてシャフト7の外周面70の一端側の凹部71に第1のストッパ73が固定され、他端側の凹部71に第3のストッパ77を介して第2のストッパ75が圧入固定され、これら第1のストッパ73と第2、第3のストッパ75、77とにより、各種の部材間が一定の面圧で、強固に締結される。
このように第7の実施の形態によれば、クランプ器具をシャフト7と第1、第2、第3のストッパ73、75、77で構成し、シャフト7を各種の部材に通し、差し込み側の部材の直下で当該部材に隣接するシャフト外周面70の凹部71に第1のストッパ73を嵌め込み固定し、差し通し側の部材の直上で当該部材に隣接するシャフト外周面70の凹部71に第3のストッパ77を介して第2のストッパ75を嵌め込み固定して、各種の部材間を締結する形式にしているので、一般にボルトとナットを使って、部材と部材とを締結するなど、機械などの本体と部品、又は部品と部品を結合する各種の部材間の締結構造において、ボルトとナットに代えて、確実かつ容易に、機械などの本体と部品、又は部品と部品を結合することができ、各種の部材間を確実かつ容易に締結することができる。
なお、第7の実施の形態では、シャフト7を各種の部材に通して、差し込み側の部材の直下で当該部材に隣接するシャフト外周面70の凹部71に第1のストッパ73を嵌め込み固定し、差し通し側の部材の直上で当該部材に隣接するシャフト外周面70の凹部71に第3のストッパ77を介して第2のストッパ75を嵌め込み固定して、各種の部材間を締結しているが、第1のストッパ73に代えて、シャフト7にフランジを一体に設け、両部材を下部のフランジと上部の第2、第3のストッパ75、77で挟持固定するようにしてもよい。
第8の実施の形態は、締結装置S8が油圧式の支持ユニットUの支持具として構成される。図18(b)に示すように、この支持ユニットUはシリンダ87と、シリンダ87内に配置されて、油圧により上下方向に往復運動され、所定の高さに固定されるラム88及びロッド89とにより構成される。この場合、シリンダ87は鋼材により形成され、上部に座金87がねじ872により固定され、底面の中央に油圧ポンプの油圧ホースを接続するためのカップラー100が挿着される。ラム88とロッド89は鋼材により形成され、一体に連接される。ラム88はシリンダ87の内径よりも僅かに小さい外径を有する円柱形に形成され、その外周面に溝880が形成されて、この溝880にバックアップリング881、Oリング882が嵌め込まれる。ロッド89はラム88よりも長く、小径の円柱形に形成され、ラム88とロッド89を合わせた全体の長さはシリンダ87の全長よりも長くなっている。このロッド89の外周面にはねじが切られて、ナット892が取り付けられる。なお、ナット892は、シリンダ87上部の座金871上に当接可能なシリンダ87の内径よりも大きい六角形状部892aと、シリンダ87の内径より僅かに小さい円柱形状部892bとからなり、シリンダ87の上部に挿着可能に形成される。このようにして支持ユニットUは使用目的に応じて構造物や機械に設置された取付金具Pに通して支持固定される。そして、シリンダ87のカップラー100に油圧ポンプの油圧ホース101が接続され(図19(a)参照)、シリンダ87内を油圧ポンプで加圧・減圧することにより、シリンダ87内でラム88及びロッド89を上下方向に往復運動し、ロッド89を任意の高さまで駆動したところで、ロッド89のナット892を(シリンダ87上の座金871まで)締め付けて、ロッド89を固定するようになっている。締結装置S8は、この支持ユニットUに一体的に構成される。この締結装置S8では、シャフト8はシリンダ87が利用される。このシャフト8(シリンダ87)は鋼材により、基本形状として円筒状に成形され、その外周面80に、下端部から上端部方向に向けて所定の長さ範囲に複数の凹部81と凸部82が軸方向に向けて交互に形成される。この場合、凹部81と凸部82はシャフト8の外周面80全周に複数の凹溝810が軸方向に向けて等間隔に切り込まれて形成される。複数の凹溝810はそれぞれ、軸方向に対して直角に、同じ所定の大きさに切り込まれて、各凹溝810の上、下の両側面(ストッパ85と対接する面)に必要な所定の面圧に耐え得る所要の大きさ(面積)が確保され、これらの凹溝810が軸方向に向けて当該凹溝810の上下方向の寸法と同じ寸法の間隔で形成される。ストッパ85は鋼材により、図18(a)に示すように、外形がシャフト8の軸芯に対して直角方向の断面よりも大きい多角形に、厚さがシャフト8の外周面80の凹部81内に嵌合可能に当該凹部81の上下方向の寸法と略同じか僅かに小さく形成され、その平面上に当該凹部81(の底面に当たる内回り)に沿って嵌合可能に略U字形の溝形形状86が形成されて、全体として略C字形をなす。このようにして支持具はシャフト8(シリンダ87)とストッパ85とにより構成され、このシャフト8を各種の部材に通して、当該部材の直上で当該部材の片側に現れる(すなわち当該部材の直上に隣接する)シャフト外周面80の凹部81にストッパ85を嵌め込み固定して、支持ユニットを支持するようになっている。
この支持具の使用例を図19に示している。この場合、支持ユニットUを各種構造物や機械に設置された取付金具P(全体がブロック状の金具で、支持ユニットUを上下に挿通可能な穴POを有する。)に通し、支持具を使って支持固定する。まず、図19(a)に示すように、支持ユニットUを取付金具Pの穴POに下方から上方に向けて差し通し、支持ユニットUのロッド89の最大移動量、すなわちこのロッド89のシリンダ87からの最大突出量を考慮して、支持ユニットUを取付金具Pに対して上下方向に移動させながら支持ユニットUの高さを決める。そして、支持ユニットUの高さを決めたところで、ストッパ85を、取付金具Pの直上に現れる、すなわちこの取付金具Pの穴POの直上に隣接するシャフト外周面80の凹部81に外周方向から差し込み、シャフト外周面80に固定する。この場合、ストッパ85を略U字形の溝形形状86の両内側面を各凹部81の底部に当たる面に沿って嵌め込めばよい。これにより、ストッパ85がシャフト外周面80の所定の高さ位置に、シャフト8の軸方向に対して直角の状態に固定され、外周方向にフランジ状に張り出されて、取付金具Pの穴PO周囲に係止され、支持ユニットUが取付金具Pに支持固定される。このとき、ストッパ85は上側の面が当該凹部82の上側の面に圧接され、ここに一定の面圧が生じて、支持ユニットUは取付金具Pに確実に固定される。このようにして支持固定された支持ユニットUは、油圧ポンプによりシリンダ87内が加圧されて、シリンダ87内でラム88及びロッド89が上方に向けて駆動され、例えばこの支持ユニットUで支持する被支持体を任意の位置まで押し上げる。そして、図19(b)に示すように、被支持体が所定の位置まで押し上げられたところで、ロッド89の駆動を停止し、ロッド89のナット892をシリンダ87上の座金871まで締め付けて、ロッド89を固定する。ロッド89の固定後は、シリンダ87内を減圧して、支持ユニットUから油圧ホース101とカップラー100を取り外す。
このように第8の実施の形態によれば、支持具をシャフト8とストッパ85で構成し、シャフト8を構造物や機械の取付金具Pに通して、当該金具Pの直上で当該金具Pに隣接するシャフト外周面80の凹部81にストッパ85を嵌め込み固定して、支持ユニットUを支持する形式にしているので、一般に構造物や機械などに上記のような支持ユニットUをボルトやナットを使って支持、固定する構造において、この支持具をボルトやナットに代えて使用し、ボルトにナットを締め込む作業に代えて、シャフト8の外周面80の適宜の位置の凹部81にストッパ85を嵌め込み固定するだけの簡単な作業で、支持ユニットUを構造物や機械に確実かつ容易に支持固定することができる。また、この支持具によれば、支持ユニットUの支持位置(ストッパ85と凹部81との固定位置)を任意に変えることができ、支持ユニットUの高さを高く又は低く調整することができる。したがって、支持ユニットUの高さを予め適宜の位置に決めることで、その分だけ、ラム88及びロッド89の移動量を効率的に少なくすることができる。
なお、第8の実施の形態では、シャフト8の外周面80全周に複数の凹部81と凸部82が形成されているが、第1乃至第7の実施の形態と同様に、これらの凹部81と凸部82はシャフト8の外周面80の軸芯を中心に対称的な2方向(例えば、外周面80を90°間隔で4分割し、軸芯を中心にして対称位置の2つの分割面)に対称的に形成されてもよい。この場合でも、各凹部81は所定の大きさに切り込まれて、各凹部81の上、下の両側面に必要な面圧に耐え得る所要の面積が確保されることが重要である。