JP2010138170A - 抗疲労組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】より優れた抗疲労作用を有する組成物を見出し、提供すること。
【解決手段】(1)ビタミンB1類、ジクロロ酢酸ジイソプロピルアミン、および、グルコン酸またはその塩を含有する組成物、あるいは(2)ビタミンB1類およびパンガミン酸を含有する組成物。
【選択図】なし
【解決手段】(1)ビタミンB1類、ジクロロ酢酸ジイソプロピルアミン、および、グルコン酸またはその塩を含有する組成物、あるいは(2)ビタミンB1類およびパンガミン酸を含有する組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、ビタミンB1類およびジクロロ酢酸ジイソプロピルアミンおよびグルコン酸もしくはその塩(またはパンガミン酸)を含有する組成物に関する。
抗疲労作用を有する物質として公知なものとして、ビタミンB1類が挙げられる。ビタミンB1類が不足するとエネルギーの産生が低下しα−ケト酸の貯留によって全身倦怠感、筋肉痛などが起こる。また、OTC薬のビタミンB1類を含有する製剤には眼精疲労や肉体疲労時の栄養補給などの効能が認められている(例えば、非特許文献1参照)。
パンガミン酸はE.T.Krebsによってアンズの種子から発見され、その後、米の胚芽やビール酵母などからも抽出されている。パンガミン酸は、その化学的性状がビタミンB群に似ているのでビタミンB15とも呼ばれ、ビタミンEと同じような抗酸化作用があるため、肝臓の機能を高める、解毒作用を持つ、免疫力を高める、疲労回復を助けるなどの働きがあると考えられている。
後に、パンガミン酸は、ジクロロ酢酸ジイソプロピルアミン(Diisopropylamine dichloroacetate、以下、DADAと省略する場合がある)、グルコン酸ナトリウムおよびグリシンからなることが明らかにされ、この中でDADAが主要な活性成分であることが確認され、DADAとグルコン酸を併用してパンガミン酸様物質として代用できることが明らかとなった(以上、非特許文献2参照)。
OTCハンドブック 2002-03 SIDIC 2002
日本臨床 18巻9号 1960 p.173-179
従来、疲労を改善するために、有効成分としてビタミンB1類のみを含有する組成物も用いられてきたが、未だに充分な抗疲労作用を奏さないのが実情である。さらに、パンガミン酸、DADA、グルコン酸(またはグルコン酸塩)のいずれについても抗疲労作用を実際に検証した報告はない。また、ビタミンB1類とDADAとグルコン酸(またはグルコン酸塩)の配合、および、ビタミンB1類とパンガミン酸の配合は知られておらず、かかる配合による抗疲労作用の相乗効果についても知られていない。
従って、本発明の課題は、より優れた抗疲労作用を有する組成物を見出し、提供することである。
本発明者らは、優れた抗疲労効果を発現する組成物を見出すための研究を鋭意すすめてきた結果、ビタミンB1類とDADAとグルコン酸カルシウムとの併用によって血中乳酸値を顕著に低下させる作用、ひいては抗疲労作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)ビタミンB1類、ジクロロ酢酸ジイソプロピルアミン、および、グルコン酸またはその塩を含有する組成物、
(2)ビタミンB1類およびパンガミン酸を含有する組成物、
(3)ビタミンB1類がビタミンB1の塩またはその誘導体である、前記(1)または(2)に記載の組成物、
(4)ビタミンB1類がベンフォチアミンである、前記(1)〜(3)いずれか1項に記載の組成物、
(5)グルコン酸の塩がグルコン酸カルシウムである、前記(1)〜(4)いずれか1項に記載の組成物、
(6)無酸素運動時または高運動強度トレーニング時の疲労抑制剤である、前記(1)〜(5)いずれか1項に記載の組成物、
(7)無酸素運動時または高運動強度トレーニング時の疲労回復剤である、前記(1)〜(5)いずれか1項に記載の組成物、
(8)乳酸産生抑制剤および/または血中乳酸蓄積抑制剤である、前記(1)〜(5)いずれか1項に記載の組成物、
(9)肉体疲労の予防および/または軽減用である、前記(1)〜(5)いずれか1項に記載の組成物、
(10)筋肉消炎剤および/または筋肉鎮痛剤である、前記(1)〜(5)いずれか1項に記載の組成物、
(11)持久力向上用である前記(1)〜(5)いずれか1項に記載の組成物、ならびに
(12)内服用液剤である、前記(1)〜(11)いずれか1項に記載の組成物、
である。
(1)ビタミンB1類、ジクロロ酢酸ジイソプロピルアミン、および、グルコン酸またはその塩を含有する組成物、
(2)ビタミンB1類およびパンガミン酸を含有する組成物、
(3)ビタミンB1類がビタミンB1の塩またはその誘導体である、前記(1)または(2)に記載の組成物、
(4)ビタミンB1類がベンフォチアミンである、前記(1)〜(3)いずれか1項に記載の組成物、
(5)グルコン酸の塩がグルコン酸カルシウムである、前記(1)〜(4)いずれか1項に記載の組成物、
(6)無酸素運動時または高運動強度トレーニング時の疲労抑制剤である、前記(1)〜(5)いずれか1項に記載の組成物、
(7)無酸素運動時または高運動強度トレーニング時の疲労回復剤である、前記(1)〜(5)いずれか1項に記載の組成物、
(8)乳酸産生抑制剤および/または血中乳酸蓄積抑制剤である、前記(1)〜(5)いずれか1項に記載の組成物、
(9)肉体疲労の予防および/または軽減用である、前記(1)〜(5)いずれか1項に記載の組成物、
(10)筋肉消炎剤および/または筋肉鎮痛剤である、前記(1)〜(5)いずれか1項に記載の組成物、
(11)持久力向上用である前記(1)〜(5)いずれか1項に記載の組成物、ならびに
(12)内服用液剤である、前記(1)〜(11)いずれか1項に記載の組成物、
である。
本発明により、ビタミンB1類単剤での抗疲労作用と比較し顕著な抗疲労効果を奏する、優れた抗疲労組成物が提供される。
本明細書において、ビタミンB1類とは、ビタミンB1、その塩、またはその誘導体をいい、具体的には、塩酸チアミン、硝酸チアミン、ベンフォチアミン、フルスルチアミン、オクトチアミンなどが挙げられ、ベンフォチアミンが好ましい。これらの化合物は、第15改正日本薬局方、医薬品添加物規格2003などに収載されている。
本発明の組成物におけるビタミンB1類の含有量は、好ましくは0.1〜200mg、より好ましくは1〜100mgを1日1〜3回に分けて服用できるように設定すればよい。例えば、本発明の組成物が1日1回100mL服用する液剤であれば、その液剤におけるビタミンB1類の含有量は、好ましくは0.1〜200mg/100mL、より好ましくは1〜100mg/100mLである。
本発明の組成物におけるDADAの含有量は、好ましくは0.05〜100mg、より好ましくは0.5〜50mgを1日1〜3回に分けて服用できるように設計すればよい。例えば、本発明の組成物が1日1回100mL服用する液剤であれば、その液剤におけるDADAの含有量は、好ましくは0.05〜100mg/100mL、より好ましくは0.5〜50mg/100mLである。
グルコン酸の塩としては、例えば、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カルシウム、グルコン酸マグネシウムなどが挙げられる。これらの化合物は医薬品添加物辞典2000などに収載されている。
本発明の組成物におけるグルコン酸またはその塩の含有量は、好ましくは0.05〜100mg、より好ましくは0.5〜50mgを1日1〜3回に分けて服用できるように設計すればよい。例えば、本発明の組成物が1日1回100mL服用する液剤であれば、その液剤におけるグルコン酸またはその塩の含有量は、好ましくは0.05〜100mg/100mL、より好ましくは0.5〜50mg/100mLである。なお、本発明の組成物において、グルコン酸とグルコン酸塩を併用してもよい。かかる場合、グルコン酸とグルコン酸塩との合計の含有量が上記の範囲であればよい。
本明細書において、パンガミン酸とは、D-グルコン酸6-[[ビス(1-メチルエチル)アミノ]アセタート]をいい、パンガム酸、ビタミンB15などと呼ばれることもある。また、パンガミン酸は、その構造から、DADAに、グルコン酸またはその塩を併用したものでも代替可能と考えられる。
本発明の組成物におけるパンガミン酸の含有量は、好ましくは0.1〜200mg、より好ましくは1〜100mgを1日1〜3回に分けて服用できるように設計すればよい。例えば、本発明の組成物が1日1回100mL服用する液剤であれば、その液剤におけるパンガミン酸の含有量は、好ましくは0.1〜200mg/100mL、より好ましくは1〜100mg/100mLである。
本発明の組成物におけるビタミンB1類と、DADAとグルコン酸(またはその塩)の合計との配合比(重量比)は、本発明の効果が奏される限り特に限定されない。
本発明の組成物におけるDADAとグルコン酸(またはその塩)との配合比(重量比)は、本発明の効果が奏される限り特に限定されない。
本発明の組成物におけるビタミンB1類とパンガミン酸との配合比(重量比)は、本発明の効果が奏される限り特に限定されない。
本発明の組成物には、本発明の効果が阻害されない限り、他のビタミン類、カフェイン類、ミネラル類、アミノ酸類、生薬類、他の有機酸類、賦形剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、防腐剤、着色剤、安定剤、pH調整剤、溶解補助剤、清涼剤、香料、色素・着色剤などを配合することができる。
本発明の組成物は、当該分野で公知の方法で製造することができる。例えば、本発明の組成物が錠剤である場合には、日局製剤総則「錠剤」の項に準じて製造することができる。また、液剤である場合には、日局製剤総則「液剤」の項に準じて製造することができる。
上記で得られた本発明の組成物は、抗疲労作用を有する。ここで、「疲労」とは、肉体的及び精神的疲労や、それに伴う筋肉痛などの苦痛をさし、「抗疲労」とは上記疲労の予防、疲労回復に至るまでの時間短縮、疲労困憊に至るまでの時間延長または総負荷量の増加などをさす。抗疲労作用の具体例としては、無酸素運動時または高運動強度トレーニング時における疲労抑制、血中乳酸値の低下、肉体疲労の予防または軽減、運動後の筋肉消炎および/または筋肉鎮痛、運動持久力向上などが挙げられる。
なお、疲労のメカニズムについては種々の説があるが、その一つに乳酸の蓄積によって疲労が引き起こされるという説がある(例えば、特開2006-273850号公報、特開2007-031403号公報などを参照のこと)。
また、筋肉への過度の乳酸蓄積は筋肉に炎症をきたし急性の筋肉痛の原因となるともいわれており、運動による乳酸の蓄積を減少させたり、乳酸の代謝を円滑にしたりすることは、筋肉消炎および/または筋肉鎮痛に繋がり、運動持久力の向上にも繋がると考えられる。
前述のように、血中乳酸値は筋肉疲労の指標の一つとして有効である。また、特開2006-273850号公報によると、乳酸は疲労の結果であり、調子の良い運動選手の血中乳酸値は低くなると記載されていることなどから、有用な指標であることは間違いないと考えられる。
血中乳酸値が高い場合は疲労していることが多いので、疲労結果としての目安として使うことが可能である。また、何よりも血中乳酸値は測定が容易なため現在でも疲労の評価に汎用されている。
従って、本発明の組成物の抗疲労作用は、血中乳酸値を基準として判断することとする。具体的には、後述する試験例にもあるように、抗疲労作用を有する物質を投与していない対照群と投与した群とを比較し、血中乳酸値の増減によって疲労の蓄積・回復を判断する。
本発明の実施例を以下に記載するが、これらに限定されるものではない。
(実施例1)錠剤
表1に記載の成分および分量をとり、日局製剤総則「錠剤」の項に準じて錠剤を製造する。
表1に記載の成分および分量をとり、日局製剤総則「錠剤」の項に準じて錠剤を製造する。
(実施例2)液剤
表2に記載の成分および分量をとり、日局製剤総則「液剤」の項に準じて錠剤を製造する。
表2に記載の成分および分量をとり、日局製剤総則「液剤」の項に準じて錠剤を製造する。
(試験例)抗疲労効果試験
(1)被検物質
0.5重量%カルボキシメチルセルロース(以下、CMCという場合がある)溶液5mlに表3に記載の各化合物を溶解または懸濁し、試験液1〜4を投与当日に調製した。
(1)被検物質
0.5重量%カルボキシメチルセルロース(以下、CMCという場合がある)溶液5mlに表3に記載の各化合物を溶解または懸濁し、試験液1〜4を投与当日に調製した。
(2)動物
Crlj:WI雄性ラットの6週齢を日本チャールズリバー(株)から購入し、温度20〜26℃、湿度30〜70%、照明時間6〜18時に制御されたラット飼育室内でラット用ブラケットテーパーケージに5匹ずつ入れ、飼料(マウス・ラット飼育用F-2、船橋農場製)および水フィルターを通した水道水を自由に摂取させて約2週間予備飼育した。被検物質投与開始前日(以下、群分け前日という場合がある)に、各ラットを下記運動負荷試験に沿って一日だけ負荷試験を行い、負荷後(以下、試負荷後という場合がある)の血中乳酸値および体重を測定した。そして、被検物質投与開始日に、前日に測定した血中乳酸値および体重がほぼ均一になるようにラットを4群(10匹/群)に分け、被検物質投与開始日(以下、群分け当日という場合がある)に肉眼で動物の健康状態を観察し良好なことを確認した。
Crlj:WI雄性ラットの6週齢を日本チャールズリバー(株)から購入し、温度20〜26℃、湿度30〜70%、照明時間6〜18時に制御されたラット飼育室内でラット用ブラケットテーパーケージに5匹ずつ入れ、飼料(マウス・ラット飼育用F-2、船橋農場製)および水フィルターを通した水道水を自由に摂取させて約2週間予備飼育した。被検物質投与開始前日(以下、群分け前日という場合がある)に、各ラットを下記運動負荷試験に沿って一日だけ負荷試験を行い、負荷後(以下、試負荷後という場合がある)の血中乳酸値および体重を測定した。そして、被検物質投与開始日に、前日に測定した血中乳酸値および体重がほぼ均一になるようにラットを4群(10匹/群)に分け、被検物質投与開始日(以下、群分け当日という場合がある)に肉眼で動物の健康状態を観察し良好なことを確認した。
(3)被検物質の投与
被検物質の投与は群分け当日から開始した。1日1回7日間、各試験液を5mL/kgとなるように経口投与し、最終投与日は運動負荷1時間前に経口投与した。なお、試験液1を投与した群を対照群とした。
被検物質の投与は群分け当日から開始した。1日1回7日間、各試験液を5mL/kgとなるように経口投与し、最終投与日は運動負荷1時間前に経口投与した。なお、試験液1を投与した群を対照群とした。
(4)運動負荷試験
運動負荷は強制走行装置(TREDMILL TK-175 ユニコム製)を用いて行った。7日間にわたり各試験液を投与したラットを装置内に入れた後、走行の馴化のためベルトの回転を緩やかに上昇させ、約2分後に15m/minの速度に上げた後、5分間隔で4m/minずつスピードを漸増させ、30分間走行させる。
運動負荷は強制走行装置(TREDMILL TK-175 ユニコム製)を用いて行った。7日間にわたり各試験液を投与したラットを装置内に入れた後、走行の馴化のためベルトの回転を緩やかに上昇させ、約2分後に15m/minの速度に上げた後、5分間隔で4m/minずつスピードを漸増させ、30分間走行させる。
(5)測定
血中乳酸値の測定は、群分け前日、試負荷後、運動負荷前ならびに前記運動負荷試験直後、5分後、10分後および15分後に、ラットの尾静脈より血液約5μLを採取した。採取血液は簡易血中乳酸測定器(商品名ラクテート・プロ)にて乳酸値を測定した。
血中乳酸値の測定は、群分け前日、試負荷後、運動負荷前ならびに前記運動負荷試験直後、5分後、10分後および15分後に、ラットの尾静脈より血液約5μLを採取した。採取血液は簡易血中乳酸測定器(商品名ラクテート・プロ)にて乳酸値を測定した。
(6)試験結果
上記で得られた血中乳酸値(mmol/L)の推移を表4および図1に示す。各値とも1群10匹の平均値である。対照群との2群間比較では、F検定により2群の分散の一様性の検定を実施し等分散の場合にはStudentのt検定を、不等分散の場合にはWelchのt検定を行った。検定の有意水準は、両側5%(*:p<0.05)および1%(**:p<0.01)とする。なお、群分け前日の乳酸値が負荷前のそれより総じて高くなっているのは、初めて採血される事によるストレスのためと考えられる。試験液1〜4での群分け前日の乳酸値に違いが存在するのは、上述の「試負荷後の血中乳酸値および体重がほぼ均一になるような群分け」としたためであるが、それらの違いは許容される範囲内と考えられる。群分け前日と負荷前の2群間比較はPaired-t検定で行い、検定の有意水準は、両側5%($:p<0.05)および1%($$:p<0.01)とする。
上記で得られた血中乳酸値(mmol/L)の推移を表4および図1に示す。各値とも1群10匹の平均値である。対照群との2群間比較では、F検定により2群の分散の一様性の検定を実施し等分散の場合にはStudentのt検定を、不等分散の場合にはWelchのt検定を行った。検定の有意水準は、両側5%(*:p<0.05)および1%(**:p<0.01)とする。なお、群分け前日の乳酸値が負荷前のそれより総じて高くなっているのは、初めて採血される事によるストレスのためと考えられる。試験液1〜4での群分け前日の乳酸値に違いが存在するのは、上述の「試負荷後の血中乳酸値および体重がほぼ均一になるような群分け」としたためであるが、それらの違いは許容される範囲内と考えられる。群分け前日と負荷前の2群間比較はPaired-t検定で行い、検定の有意水準は、両側5%($:p<0.05)および1%($$:p<0.01)とする。
(1)ベンフォチアミン投与群(以下、試験液2群という)
表4および図1の結果より、試験液2群においては、運動負荷直後の血中乳酸値のピークは対照群よりも抑えられており、図1における-30分から0分までの傾きも対照群より小さいことから、ベンフォチアミンは乳酸蓄積抑制効果を奏することが確認された。また、運動負荷10分後には対照群と比較し有意に血中乳酸値が低下していることが認められ、ベンフォチアミンはまた乳酸減少効果を奏することも確認された。なお、試験液2群において、群分け前日と負荷前において有意に乳酸値が減少していることから、通常生活時における乳酸蓄積抑制効果を有することも確認された。
表4および図1の結果より、試験液2群においては、運動負荷直後の血中乳酸値のピークは対照群よりも抑えられており、図1における-30分から0分までの傾きも対照群より小さいことから、ベンフォチアミンは乳酸蓄積抑制効果を奏することが確認された。また、運動負荷10分後には対照群と比較し有意に血中乳酸値が低下していることが認められ、ベンフォチアミンはまた乳酸減少効果を奏することも確認された。なお、試験液2群において、群分け前日と負荷前において有意に乳酸値が減少していることから、通常生活時における乳酸蓄積抑制効果を有することも確認された。
(2)DADAとグルコン酸カルシウムの投与群(以下、試験液3群という)
試験液3群では、運動負荷直後の血中乳酸値のピークは対照群よりも高く、図1における-30分から0分までの傾きも対照群より大きいことから、乳酸蓄積抑制効果に乏しいことがわかった。しかし、運動負荷10分後には対照群の血中乳酸値を下回っており、DADAとグルコン酸カルシウムの併用により乳酸減少効果を奏することが確認された。なお、試験液3群において、群分け前日と負荷前において有意に乳酸値が減少していることから、通常生活時における乳酸蓄積抑制効果を有することも確認された。
試験液3群では、運動負荷直後の血中乳酸値のピークは対照群よりも高く、図1における-30分から0分までの傾きも対照群より大きいことから、乳酸蓄積抑制効果に乏しいことがわかった。しかし、運動負荷10分後には対照群の血中乳酸値を下回っており、DADAとグルコン酸カルシウムの併用により乳酸減少効果を奏することが確認された。なお、試験液3群において、群分け前日と負荷前において有意に乳酸値が減少していることから、通常生活時における乳酸蓄積抑制効果を有することも確認された。
(3)ベンフォチアミンとDADAとグルコン酸カルシウムの投与群(以下、試験液4群という)
試験液4群では、7日間の事前投与後において、対照群の血中乳酸値と比較して、有意な血中乳酸値の低下を唯一示しており、試験液4群が顕著な乳酸産生抑制効果を奏することが確認された。
試験液4群では、7日間の事前投与後において、対照群の血中乳酸値と比較して、有意な血中乳酸値の低下を唯一示しており、試験液4群が顕著な乳酸産生抑制効果を奏することが確認された。
また、運動負荷直後の血中乳酸値のピークは対照群よりも抑えられており、図1における-30分から0分までの傾きも対照群より小さいことから、本発明は乳酸蓄積抑制効果を奏することが確認された。また、運動負荷10分後には、対照群と比較し有意に血中乳酸値が低下していることが認められ、図1における0分から10分までの傾きは試験液2群よりも小さいことから、試験液4群は高い乳酸減少効果を奏することも確認された。なお、試験液4群において、群分け前日と負荷前において有意に乳酸値が減少していることから、通常生活時における乳酸蓄積抑制効果を有することも確認された。
以上の結果から、ビタミンB1類とDADAとグルコン酸カルシウムを含有する本発明の組成物は、摂取することにより、ビタミンB1類のみ、または、DADAとグルコン酸カルシウムの摂取では見られなかった乳酸産生抑制効果を新たに奏し、ビタミンB1類と同程度の乳酸蓄積抑制効果を奏し、さらに、ビタミンB1類よりも高い乳酸減少効果を奏することが確認された。
本発明により、ビタミンB1単剤では得られなかった抗疲労作用を有する組成物を提供することができる。
Claims (12)
- ビタミンB1類、ジクロロ酢酸ジイソプロピルアミン、および、グルコン酸またはその塩を含有する組成物。
- ビタミンB1類およびパンガミン酸を含有する組成物。
- ビタミンB1類がビタミンB1の塩またはその誘導体である、請求項1または2に記載の組成物。
- ビタミンB1類がベンフォチアミンである、請求項1〜3いずれか1項に記載の組成物。
- グルコン酸の塩がグルコン酸カルシウムである、請求項1〜4いずれか1項に記載の組成物。
- 無酸素運動時または高運動強度トレーニング時の疲労抑制剤である、請求項1〜5いずれか1項に記載の組成物。
- 無酸素運動時または高運動強度トレーニング時の疲労回復剤である、請求項1〜5いずれか1項に記載の組成物。
- 乳酸産生抑制剤および/または血中乳酸蓄積抑制剤である、請求項1〜5いずれか1項に記載の組成物。
- 肉体疲労の予防および/または軽減用である、請求項1〜5いずれか1項に記載の組成物。
- 筋肉消炎剤および/または筋肉鎮痛剤である、請求項1〜5いずれか1項に記載の組成物。
- 持久力向上用である請求項1〜5いずれか1項に記載の組成物。
- 内服用液剤である、請求項1〜11いずれか1項に記載の組成物。
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