JP2010137660A - ロッド接続構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】タイロッド14は、第1ロッド24、第2ロッド25および座屈部材46を備えている。座屈部材46は、第1ロッド24と第2ロッド25とを同軸に接続している。座屈部材46は、鋼製の長尺部材であり、略円筒形状に形成されている。座屈部材46の中間部分には、座屈部としての楕円筒部53が形成されている。この楕円筒部53は、横断面形状が外郭楕円形をなしている。座屈部が楕円筒部53によって形成されているので、タイロッド14に過大な荷重が加わった際には、楕円筒部53がその短軸方向である二方向のいずれかに向けて座屈し易い。
【選択図】図2
Description
特許文献2では、ボールスタッドのスタッド軸に、周囲よりも径方向外方に突出する複数の隆起部が連続する座屈部が形成されている。
この構成によれば、座屈部材の座屈部が一方向または二方向に向けて座屈し易い。このため、互いに接続された第1および第2ロッドの座屈方向を特定することができる。そして、第1および第2ロッドから見て座屈方向の領域に部材を配置しないようにすれば、座屈部が座屈した場合であっても、座屈後の第1および第2ロッドが周囲の部材に接触しない。
前記座屈部の断面形状が外郭楕円形状であってもよい(請求項2)。この場合、ロッドの座屈方向を予め定める二方向に特定することができる。
この構成によれば、座屈部材が第2ロッドに固定されており、その座屈部材に対する第1ロッドのねじ込み量を調整するので、座屈部材の回転方向の姿勢を保ちつつ、トーイン角の調整を行うことができる。これにより、第1および第2ロッドの座屈方向を正確に規定することができる。
図1は、本発明の一実施形態にかかるロッド接続構造が採用されたタイロッド14が搭載されたステアリング装置1の概略構成を示す模式図である。ステアリング装置1は、操舵部材としてのステアリングホイール2と、転舵輪(図示せず)を転舵する転舵機構としてのラックアンドピニオン機構3とを備えている。
ラックアンドピニオン機構3は、ピニオン軸6およびラック軸7を備えている。ピニオン軸6は、中間軸5に連結された軸部8と、この軸部8の先端に連結されたピニオン9とを含む。ステアリングホイール2の回転は、ステアリングシャフト4および中間軸5を介してピニオン軸6に伝達される。
ラック軸7は筒状のラックハウジング11に挿通されている。ラック軸7の両端部は、それぞれラックハウジング11から突出している。ラック軸7の各端部(いわゆるラックエンド)には、第1ボールジョイントとしてのインナーボールジョイント12を介して、タイロッド14の一端が連結されている。また、タイロッド14の他端(いわゆるタイロッドエンド)には、第2ボールジョイントとしてのアウターボールジョイント(タイロッドエンド用ボールジョイント)13が設けられている。このアウターボールジョイント13は、ナックルとしてのナックルアーム41(図2参照)を介して転舵輪に連結されている。
ロッドユニット44は、インナーボールジョイント12と、アウターボールジョイント13と、インナーボールジョイント12から延びる第1ロッド24と、アウターボールジョイント13から延びる第2ロッド25と、第1ロッド24と第2ロッド25とを同軸に接続する座屈部材46とを備えている。
ハウジング16は、カップ状を有しており、炭素鋼などの鋼を用いて形成されている。ハウジング16の内部には、第1球頭部23および樹脂シート17が収容されるようになっている。ハウジング16の底部には、ラック軸7の端部に連結される連結部20が設けられている。
樹脂シート17は、カップ状をなしており、ハウジング16の内部に収容された状態で、第1球頭部23の外表面に沿う形状に変形している。樹脂シート17と第1球頭部23との間には、グリース等の潤滑剤が充填されている。この樹脂シート17は、たとえば、ポリアセタール(POM)やPEEKなどの材料を用いて形成されている。または、ポリウレタンやポリエステルなどのゴム状の材料(エラストマー)を用いて形成されても良い。
アウターボールジョイント13は、カップ状のハウジング29と、ハウジング29内に収容された樹脂シート30と、ハウジング29および樹脂シート30によって揺動可能に支持された第2ボールスタッド31とを備えている。
ハウジング29の開放側端部、すなわち、円筒32の他端部(図2で示す上端部)には、その内面が半径方向内方に突出した突出部38が形成されている。そのため、円筒32の他端部(図2では上端部)は、円筒32の他の部分に比べてその内径が小径にされている。
第2ボールスタッド31は、球面状の外表面を有する第2球頭部39と、この第2球頭部39から突出するスタッド軸40とを備え、炭素鋼などの鋼を用いて一体に形成されている。第2球頭部39は、樹脂シート30に覆われた状態でハウジング29に収容されている。樹脂シート30と第2球頭部39との間には、グリース等の潤滑剤が充填されている。スタッド軸40は、ハウジング29から突出している。ハウジング29の円筒32からは、第2ロッド25が一体に延びている。すなわち、第2ロッド25は円筒32に一体に形成されている。
ハウジング29および第2ボールスタッド31には、筒状のカバー42が取り付けられている。カバー42の一端は、ハウジング29の開放側端部に外嵌されて、この開放側端部に固定されている。また、カバー42の他端は、第2ボールスタッド31のスタッド軸40に外嵌されて、このスタッド軸40に固定されている。ハウジング29の開放側端部およびスタッド軸40の一部は、カバー42によって覆われている。このカバー42によって、水や埃などの異物が、アウターボールジョイント13内に進入することが防止されている。
座屈部材46は、略円筒形状に形成されている。この座屈部材46は、炭素鋼などの鋼を用いて形成されている。座屈部材46は、一端部46a(図2では左端部)側に形成された大径円筒部47と、他端部46b(図2では右端部)側に形成された小径部48と、大径円筒部47と小径部48とを接続する傘状部49とを備えている。この座屈部材46は、鋼製の円筒パイプにプレス加工を施すことにより形成されている。座屈部材46は、鋼製の円筒パイプに絞り加工を施すことにより形成されていてもよい。
図3は、図2に示す座屈部材46の横断面図である。図3(a)は、図2に示す切断面線A−Aから見た断面図であり、図3(b)は、図2に示す切断面線B−Bから見た断面図であり、図3(c)は、図2に示す切断面線C−Cから見た断面図である。
図3(a)に示すように、大径円筒部47の外径はD1に設定されている。小径部48は、図3(c)に示すように、外径がD2(D2<D1)の円筒形状に形成されている。小径部48の中間部分(切断面線B−Bにより切断される部分)には、座屈部としての楕円筒部53が形成されている。この楕円筒部53は、図3(b)に示すように、横断面形状が外郭楕円形をなしている。この楕円筒部53の長軸の外径(長軸径)は、小径部48の外径と同じD2に設定されており、楕円筒部53の短軸の外径(短軸径)はD3(D3<D2)に設定されている。すなわち、楕円筒部53の長軸径が小径部48の外径と同じ大きさであり、楕円筒部53の短軸径が小径部の外径よりも小さい。また、インナーボールジョイント12とアウターボールジョイント13との接続状態では、インナーボールジョイント12の第1球頭部23と、アウターボールジョイント13の第2球頭部39との間のほぼ中央位置に、座屈部材46の楕円筒部53が位置している。
次に、ロッドユニット44の組み付けについて説明する。
まず、座屈部材46の他端部を、第2ロッド25の一端部(図2では左端部)に形成された嵌合溝50に収容する。このとき、タイロッド14から見て方向Eおよび方向Fの領域に周囲の部材が配置されないように、座屈部材46の回転方向の姿勢を規定する。
次いで、雄ねじ26を雌ねじ27に螺合する。雌ねじ27に対する雄ねじ26のねじ込み量は、第1ロッド24を回転させ調節した後、ロックナット28により固定されることにより調整される。これにより、雌ねじ27に対する雄ねじ26のねじ込み量を調節することにより、転舵輪のトーイン角を調節することができる。
以上によりこの実施形態によれば、座屈部材46の楕円筒部53が短軸方向の二方向(方向Eまたは方向F)のいずれかに向けて座屈し易い。これにより、タイロッド14の座屈方向を特定することができる。そして、タイロッド14から見て方向Eおよび方向Fの双方の領域に周囲の部材を配置しないようにすれば、楕円筒部53が座屈した場合であっても、座屈後のタイロッド14が周囲の部材に接触しない。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、他の形態で実施することもできる。
この実施形態において、図1〜図3に示す実施形態に示された各部に対応する部分には、図1〜図3と同一の参照符号を付して示し、説明を省略する。
偏楕円筒部62は、その横断面形状が偏楕円形状をなしている。この偏楕円形状は、図3(c)に示す楕円筒部53の断面形状と比較して、楕円における短軸側の端部領域がS(S<D3/2)だけ詰められている。
前述の2つの実施形態では、前述の各実施形態では、各座屈部材46,60が中空部材である場合を例に挙げて説明したが、各座屈部材46,60を、一端部46aを除いて中実としてよい。しかし、座屈部材46,60として中実部材を用いる場合は、座屈部としての楕円筒部53(偏楕円筒部62)の長軸径D2が第1ロッド24の外径および第2ロッド25の外径の双方よりも小さく設定されている必要がある。
さらに、座屈部材46,60の形状や軸径、材質などを適宜変更することにより、座屈強度を任意に調節することができる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
Claims (4)
- ステアリング装置のラック軸に第1ボールジョイントを介して連結される第1ロッドと、ナックルアームに第2ボールジョイントを介して連結される第2ロッドとを同軸に接続する接続構造であって、
所定長さの部材からなり、両端部が前記第1ロッドおよび前記第2ロッドにそれぞれ連結されて、前記第1ロッドと前記第2ロッドとを接続する座屈部材を備え、
前記座屈部材は、過大な荷重が加わったときに座屈する座屈部を有し、
前記座屈部が、座屈部が予め定める一方向または予め定める二方向に向けて座屈し易い形状に形成されている、ロッド接続構造。 - 前記座屈部の断面形状が外郭楕円形状である、請求項1記載のロッド接続構造。
- 前記座屈部の外郭形状が外郭偏楕円形状である、請求項1記載のロッド接続構造。
- 前記座屈部材の一端部は、前記第1ロッドにねじ結合されており、
前記座屈部材の他端部は、前記第2ロッドに固着されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のロッド接続構造。
Priority Applications (1)
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JP2008314731A JP2010137660A (ja) | 2008-12-10 | 2008-12-10 | ロッド接続構造 |
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