JP2010137476A - 加飾成形体の製造方法及び加飾成形体 - Google Patents

加飾成形体の製造方法及び加飾成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】シート体の縁を外観上視認し難くし、見映えを良くする技術の提供。
【解決手段】シート体13に対し本体12における外形面12aの面縁と整合する折込線13cを形成するため、シート体13を本体12における外形面12aの面縁に合わせて容易に屈曲でき、シート体13の縁を本体12の外形面12aから本体12の内形面12c側に回すことができる。よって外観上はシート体13の縁を視認し難くすることができ、見映えを良い加飾成形体11を製造することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、移動体通信機器、AV機器、車載電装機器、電気機器などの各種電子機器に外装部品として用いられる加飾成形体の製造方法及び加飾成形体に関する。
移動体通信機器、AV機器、車載電装機器などの各種電子機器は、筐体やスイッチなど種々の外装部品を備えており、この外装部品には、文字、記号、数字、図柄などが付与され、また金属調や木目調などのデザインが施されるなど、様々な「加飾」が施されている。こうした外装部品の一例には、加飾層を設けた樹脂フィルムを樹脂成形体の表面に付着し一体化した加飾成形体があり、この加飾層は、印刷、塗装、転写、蒸着などの方法により樹脂フィルムに予め形成されている場合が多い。
例えば、特開2000−330689号公報には、金属蒸着により金属調の加飾層を設けた樹脂フィルムをキートップ樹脂成形体の表面に固着し一体化したキーシート(加飾成形体)が例示されている。また、特開2008−030266号公報には、印刷によりヘアライン調の加飾層を設けた樹脂フィルムを筐体(樹脂成形体)の表面に固着し一体化したケース部品が例示されている。これらの加飾成形体は、樹脂フィルムを用いたため加飾のバリエーションを多く持つことができ、さらにこの加飾層を樹脂フィルムと樹脂成形体との間に設ければ加飾層の耐久性を高めることができる。
ところが、こうした加飾成形体は、人目につく外表面を樹脂フィルムで覆う必要があるものの、人目につかない内表面は樹脂フィルムで覆う必要がない。そのため、人目につく部分のみを樹脂フィルムで覆えば良いが、樹脂フィルムの縁を外表面と内表面との境界に精度良く合わせることが難しい。例えば、図32,図33で示す加飾成形体1は、底面2aを除き樹脂成形体2を樹脂フィルム3で覆って外表面を形成している。この加飾成形体1は、樹脂成形体2と樹脂フィルム3とを一体化した後に樹脂フィルム3の不要な部分を抜き刃で切断して形成したが、樹脂フィルム3のカットバリ3aが樹脂成形体2の縁より突出した状態で残ってしまう。また、図34,図35で示す加飾成形体4は、樹脂成形体5と裁断した樹脂フィルム6とを一体化して形成したが、樹脂フィルム6の縁が樹脂成形体5の縁より引けた状態になってしまう。どちらも外観上は見映えが悪く、さらに表出している樹脂フィルム3,6の縁が、徐々に樹脂成形体2,5から剥離するおそれもある。さらに、図36,図37で示す加飾成形体7は、樹脂成形体8の外方に突出する環状の鍔部8aで裁断した樹脂フィルム9の縁を隠すように一体化して形成したが、樹脂成形体8の外表面の全体を樹脂フィルム9で覆うことができず端部の加飾が不十分になる。さらに、樹脂フィルム9の縁が不規則に変形し、樹脂フィルム9の一部が鍔部8aの表面に露出してしまうことも多い。
また、一方で特開2001−347538号公報では、成形品の端面をフィルムで覆う技術が開示されている。こうした技術によれば上記問題を克服することが考えられるが、特開2001−347538号公報に開示された技術では、樹脂フィルムの成形工程において、側壁から内側に屈曲する端面分のシートに縮よりによる皺が発生し易い。
特開2000−330689号公報 特開2008−030266号公報 特開2001−347538号公報
以上のような従来技術を背景になされたのが本発明である。すなわち本発明は、加飾成形体の外表面の見映えを良くする技術を提供することを目的とする。
また本発明は、皺が発生し難い技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく本発明は以下のように構成される。
人目につく外表面と人目につかない内表面とを有し外表面の少なくとも一部が樹脂フィルムで覆われて加飾された加飾成形体の製造方法であって、樹脂フィルムに、前記外表面から内表面に膨出するように設けた予備代を複数に分割する切欠を設ける切欠形成工程と、樹脂成形体を成形するキャビティの一部となる金型に、前記樹脂フィルムをインサートするインサート工程と、樹脂成形体を形成するキャビティの他の一部となる金型を締め、樹脂成形体の成形と樹脂フィルムとの一体化にともなって予備代を内表面側で樹脂成形体と一体化する一体化工程と、を実行する加飾成形体の製造方法を提供する。
樹脂フィルムに、外表面から内表面に膨出する予備代を設けるため、外表面と内表面との境界となる外表面の端部を確実に樹脂フィルムで覆うことができ、見映えの良い加飾成形体を形成することができる。そしてこの予備代を複数に分割する切欠を設けるため、予備代を屈曲させる際に、予備代に縮よりを起こし難くすることができ、予備代に皺を発生し難くすることができる。
そして、樹脂成形体の成形と樹脂フィルムとの一体化にともなって予備代を内表面側で樹脂成形体と一体化する一体化工程を設けている。このため加飾が容易な樹脂フィルムで表面を覆う樹脂成形体でなる加飾成形体を得ることができ、予備代も確実に樹脂成形体と一体化させておくことができる。
インサート工程において、予備代の少なくとも一部が樹脂成形体を成形するキャビティの一部となる金型から出た状態で樹脂フィルムをインサートすることができる。このようにすれば、インサート工程の後の一体化工程で、予備代を金型で押し込んで屈曲させることができ、皺を発生し難くすることができる。また、予備代をインサートする金型に沿わせる必要がないため、予備代が屈曲している場合に、その屈曲程度にかかわらず、樹脂フィルムを金型に正確にインサートすることができる。よって予備代の屈曲程度を厳密に制御する必要がなく、予備代の屈曲程度の自由度を高めることができる。さらに外表面と内表面の境界部分の形状の設計変更を容易にすることができる。
切欠形成工程の前に、樹脂フィルムを樹脂成形体に対応する形状に形成する仮絞り工程を実行することができる。仮絞り工程では樹脂フィルムの伸長を高精度で制御することが難しいため、切欠を形成した樹脂フィルムを変形すると切欠の位置決めが難しい。しかし、切欠形成工程の前に仮絞り工程を実行すれば、樹脂フィルムにおける切欠の位置ずれが発生せず、切欠を外表面に露出し難くすることができ、見映えの良い加飾成形体を形成することができる。また、大判の樹脂フィルムに複数個分に相当する仮絞りを行い切断して個別に分割すれば、大量生産が可能となり製造コストを低くすることができ、廉価な加飾成形体を得ることができる。そして、皺の発生を抑えることができる。
切欠形成工程の前に樹脂フィルムの前記外表面と予備代の境界に折込線を設ける折込線形成工程を実行することができる。樹脂フィルムに折込線を設ければ、折込線の部分で樹脂フィルムを屈曲させることができ、外表面と内表面との境界となる外表面の端部を寸法精度良く変形させることができる。そして樹脂フィルムに対し折込線を設けた後に切欠を設ければ、切欠の位置ずれを起こし難くすることができ、切欠を外表面に露出し難くすることができる。そして、皺の発生を抑えることができる。
こうした折込線は、樹脂フィルムの屈曲を容易にさせるべく、予備代が外表面に対して樹脂フィルムの裏側(内側)に屈曲するように、樹脂フィルムが曲げられた頂部としたり、周囲よりも薄肉に形成された部分としたりすることができる。折込線を樹脂フィルムが曲げられた頂部とする場合は、後述するように予備代に屈曲角度を設けることができる。折込線を周囲よりも薄肉に形成された部分とする場合は、薄肉に形成する部分を連続的な線状に形成できる他、点線、破線、鎖線などの断続的な線状とすることもできる。
折込線の形成について、折込線での予備代の屈曲角度を、外表面側と予備代との間で90度を超え180度未満の角度とすることができる。樹脂フィルムの折込線に屈曲角度を形成する場合には金型や治具などを用いて行われるが、屈曲角度を90度以下の鋭角にすると、樹脂フィルムを際に容易に取り出すことができないためスライド機構などの特殊な機構を備えたアンダーカット処理用の金型を用いる必要がある。しかし、折込線での予備代の屈曲角度を、外表面側と予備代との間で90度を超え180度未満の角度とすれば、金型に特殊な機構を備える必要がなく、製造が容易になり、廉価な加飾成形体を得ることができる。また、皺の発生を抑えることができる。
一体化工程について、前記キャビティの他の一部を形成する金型と予備代の先端との接触の際の接触角度を、該金型のキャビティ面に対して予備代が0度より大きく85度以下とすることができる。このようにすれば、樹脂成形体を形成する型締めの際に、他の金型との接触で予備代を確実に内表面側に折り込ませることができる。また、皺の発生を抑えることができる。
一体化工程について、キャビティの一部となる金型とキャビティの他の一部となる金型との型締めの際に、樹脂フィルムの外表面側がキャビティの一部となる金型に沿って配置し、樹脂フィルムの内表面側となる予備代をキャビティの他の一部となる金型に沿って配置させることができる。こうして樹脂フィルムを金型に対して配置すれば、樹脂成形体の外形面と内形面の外形面に隣接する部分を樹脂フィルムで覆うことができ、見映えの良い加飾成形体を得ることができる。また、予備代を内表面で露出させることができるため、加飾成形体が上側ケースと下側ケースで構成され、これらを組み合わせた部品などの場合には、樹脂フィルムが露出した内表面どうしを重ね合わせることができ、重ね合わせ部分に隙間やバリのない精度の高い組み合わせ部品を得ることができる。また、皺の発生を抑えることができる。
仮絞り工程で、樹脂フィルムに前記外表面と予備代の境界に折込線を設ける工程を含むことができる。このようにすれば、樹脂フィルムの立体形成と予備代や折込線の形成を同時に行うことができ、樹脂フィルムを樹脂成形体形成用の金型にインサートし易く、樹脂フィルムの折込線を樹脂成形体における外形面の面縁に合わせ易くすることができる。
樹脂フィルムの仮絞り工程を、圧空成形法で行うことができる。樹脂フィルムから複雑な立体形状を成形する場合に、圧縮成形法を用いると、複雑な立体形状に即した雄金型と雌金型を用意して、かつ金型のスライド機構が必要となる。しかし圧空成形法では雄金型又は雌金型の一方を用意するだけで良く、圧縮成形法より金型コストを低くすることができる。また、圧空成形法で樹脂フィルムを仮絞りすれば、1サイクル当たりの時間を短縮し、量産性を高め、廉価な加飾成形体を得ることができる。
切欠形成工程の後に、折込線形成工程を実行することができる。樹脂フィルムに折込線を設ける場合、予備代に皺が発生することもある。しかし、切欠形成工程の後に折込線形成工程を実行すれば、予備代に縮よりを起こし難くすることができ、予備代に皺を発生し難くすることができる。また、折込線で屈曲角度を形成する場合には、樹脂フィルムの脱型を容易に行うことができる
なお、人目につく外表面とは、人目にさらされる加飾の対象となる表面のことであり、人目につかない内表面とは、陰に隠れ通常は視認の対象とならない表面のことをいう。このため、本発明の対象とする加飾成形体は、外表面が樹脂フィルムに覆われており、内表面の一部にも樹脂フィルムを設けている。また、外表面の全体が樹脂フィルムで覆われている必要はなく、デザイン面などの観点から外表面の一部のみを樹脂フィルムで覆うような場合も本発明の範囲に含めるものとする。
また、本発明は、人目につく外表面と人目につかない内表面とを有し外表面の少なくとも一部が樹脂フィルムで覆われて加飾された加飾成形体であって、樹脂フィルムが外表面から内表面に膨出する予備代を有し、該予備代は切欠により複数に分割されて内表面の一部を覆っている加飾成形体を提供する。
本発明の加飾成形体では、樹脂フィルムに、外表面から内表面に膨出する予備代を設けるため、外表面と内表面との境界となる外表面の端部を確実に樹脂フィルムで覆うことができ、見映えの良い加飾成形体を実現することができる。そしてこの予備代を複数に分割する切欠を設けるため、予備代を屈曲させる際に、予備代に縮よりを起こし難くすることができ、予備代に皺を発生し難くすることができる。
切欠により分割した予備代どうしを積層して設けることができる。このようにすれば、予備代に縮よりを起こし難くすることができ、予備代に皺を発生し難くすることができる。例えば、平面視で矩形状に形成された樹脂成形体の外形面を樹脂フィルムで覆う場合、樹脂成形体の底面における長尺と短尺に挟まれたコーナー部では、長尺側から延びる予備代と短尺側から延びる予備代とを積層することができる。
予備代を外表面と内表面との境界から内表面に至る部分の全体に設けることができる。即ち、予備代が外表面に隣接する部分の全体に設けられているため、外表面の内表面に接する部分を見映え良くすることができる。また、皺の発生が少ない加飾成形体である。
予備代の表面に内表面と略面一な面を形成することができる。予備代の表面が内表面と略面一な面であれば、予備代を内表面に露出させることができる。すなわち、加飾成形体が上側ケースと下側ケースで構成され、これらを組み合わせた部品などとして利用される場合には、樹脂フィルムが露出した内表面どうしを重ね合わせ部分とすることができ、重ね合わせ部分に隙間やバリのない精度の良い組み合わせ部品を得ることができる。また、皺の発生が少なく見映えの良い加飾成形体である。
本発明の加飾成形体の製造方法及び加飾成形体によれば、外表面と内表面との境界となる外表面の端部を確実に樹脂フィルムで覆うことができ、見映えの良い加飾成形体を形成することができる。そして予備代を複数に分割する切欠を設けるため、予備代を屈曲させる際に、予備代に縮よりを起こし難くすることができ、予備代に皺を発生し難くすることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各実施形態で共通する構成については、同一符号を付して重複説明を省略する。
また、各実施形態では、小型操作リモコン用のケースで上下に分かれる上側ケースに本発明を適用する例を説明するが、これ以外の例えば装飾部品や機能部品にも適用することができる。
第1実施形態〔図1〜図11〕
第1実施形態の加飾成形体11を図1〜図11に示す。図1は加飾成形体11の斜視図、図2は加飾成形体11のSD−SD線断面図、図3は加飾成形体11の底面図、図4は加飾成形体11を用いたケースの断面図、図5〜図11は加飾成形体11の製造方法を示す説明図である。本実施形態の加飾成形体11は、樹脂成形体12と、加飾層を有する樹脂フィルム13と、を備えている。
この加飾成形体11は前述のように上側ケースであり、図4で示すように、別の加飾成形体でなる下側ケース10と組み合わせて組み合わせ部品を形成するものである。
樹脂成形体12は内部に空洞を有する矩形状に形成されている。この樹脂成形体12は、人目につく外表面側の外形面12aと、人目につかない内表面側の下側ケース10と接触する底面12b及び空洞を形成する内形面12cと、で構成されている。さらに底面12bには樹脂フィルム13の厚さに相当する段差が形成され、その段差の立壁12dに樹脂フィルム13における予備代13aの縁が固着している。
樹脂フィルム13は樹脂成形体12の外形面12aを覆うものであり、その裏面には図外の加飾層が形成され、樹脂成形体12を加飾している。この樹脂フィルム13は、樹脂成形体12の外形面12aから樹脂成形体12の底面12bに屈曲して延び、この屈曲部分から底面12bの立壁12dと接する縁までが予備代13aとなっている。つまり予備代13aは、外形面12aと底面12bとの境界となる外形面12aの端部(面端)から内表面側にかけて樹脂フィルム13が延伸して設けられるもので、加飾成形体11の人目につく部分と人目につかない部分の境界の見映えの悪さを解消するものである。そして底面12bの4つのコーナー部分には各1つずつの切欠13bが形成されている。
樹脂成形体12には、変形し難い剛性を必要とする場合には熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂、ポリアミド(PA)樹脂、ポリウレタン(PU)樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)樹脂などが挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ(EP)樹脂、メラミン(MF)樹脂、フェノール(PF)樹脂、ユリア(UF)樹脂などが挙げられる。またこれらのアロイ樹脂やブレンド樹脂を用いることもでき、その他にソフトタッチ感を必要とする場合には熱可塑性エラストマーや熱硬化性ゴムを用いることができる。
樹脂フィルム13には、PET樹脂フィルム、PBT樹脂フィルム、PC樹脂フィルム、ABS樹脂フィルム、PMMA樹脂フィルム、PA樹脂フィルム、PU樹脂フィルムなどを用いることができる。またこれらの樹脂フィルムを用いた積層シート、アロイ樹脂フィルム、ブレンド樹脂フィルム、種々の皮革シートなどとすることもできる。
樹脂フィルム13への加飾は、その裏面に文字や図形、模様などを印刷して形成したり、金属蒸着を行って金属調フィルムとすることができる。
樹脂フィルム13の厚さとしては、50μm〜500μmが好ましい。50μm未満では形状保持性が乏しく樹脂フィルム13の仮絞りの際の予備代13aの形状保持が困難である。また、500μmを超えると仮絞りし難くなり、樹脂成形体との一体化もし難くなる。
樹脂フィルム13の樹脂成形体12との固着力を高めるために、樹脂フィルム13の裏面に接着剤、粘着剤、プライマーなどを塗布することができる。
加飾成形体11の製造方法について説明する。
先ず、大判のシート状樹脂フィルム13から仮絞りした樹脂フィルム13を形成する仮絞り工程を説明する。
最初に図5で示すように、シート状の樹脂フィルム13をクランプ14で固定しヒーター15により加熱軟化させる。
次に図6で示すように、圧縮ボックス16の内部に加熱軟化した樹脂フィルム13と雄型17をセットして、圧縮ボックス16の注入口16aより圧縮空気を矢示方向に流し込み、樹脂フィルム13を雄型17に密着させる。その後樹脂フィルム13を冷却して圧縮ボックス16から取り出す。こうして圧縮ボックス16を用いた圧空成形法で樹脂フィルム13を樹脂成形体12に対応する立体形状に仮絞りする。この雄型17は、括れ部分から膨出した頭部17aを有し樹脂成形体12の外形形状と略同形状を有しているため、仮絞りされた樹脂フィルム13は、側面部13cと括れ部13dを有しており、この側面部13cから括れ部13dへは垂直に屈曲している。このように仮絞りされた樹脂フィルム13はアンダーカット形状で雄型17から取り外し難いため、雄型17にはスライド機構が備えられている。なお、本実施形態では圧空成形法を用いているが、プレス成形法、真空成形法を用いることもできる。
次に、樹脂フィルム13に切欠13bを形成する切欠形成工程を説明する。
仮絞り工程の後、図7(A)で示すように、切断具18を用いて括れ部13dの辺りで樹脂フィルム13を切断する。得られた樹脂フィルム13は、外表面となる側面部13cの端部から内側に略垂直に屈曲し、この屈曲している部分が樹脂成形体12の底面12bに固着する予備代13aを形成することになる。この時点の予備代13aは図7(B)で示すように、矩形の環状に設けられている。
その後図8で示すように、予備代13aの各コーナー部分に1つずつの切欠13bを形成する。
最後に、樹脂フィルム13と樹脂成形体12とを一体化する一体化工程を説明する。
図9で示すように、樹脂フィルム13の外表面側を、キャビティの一部となる金型19aにインサートする。
次に図10で示すように、樹脂成形体12を形成するキャビティの他の一部となる金型19bを締める。
その後、金型19bの注入口Gより溶融樹脂を流し込み樹脂成形体12を成形して、樹脂成形体12と樹脂フィルム13とを一体化する。このとき同時に予備代13aを内表面側の樹脂成形体12と一体化させる。なお、本実施形態では射出成形法で樹脂成形体12を形成しているが、圧縮成形法で樹脂成形体12を形成することもできる。
図11で示すように、金型19a,19bを開き、加飾成形体11を脱型する。
このような製造方法によって加飾成形体11を得る。
加飾成形体11の製造方法及び加飾成形体11によれば、外表面と内表面との境界となる外表面の端部を確実に樹脂フィルム13で覆うことができ、見映えの良い加飾成形体11を実現することができる。そしてこの予備代13aに切欠13bを設けるため、予備代13に縮よりを起こし難くすることができ、予備代13に皺を発生し難くすることができる。
そして、樹脂成形体12の成形と樹脂フィルム13との一体化にともなって予備代13aを樹脂成形体12の内表面側と一体化するため、樹脂成形体12の外形面12aを覆う樹脂フィルム13で、予備代13aも確実に樹脂成形体13の底面12bと一体化させることができる。
樹脂フィルム13を仮絞り工程の後に、切欠形成工程を実行するため、樹脂フィルム13における切欠13bの位置ずれが発生せず、切欠13bを外表面に露出し難くすることができ、見映えの良い加飾成形体11を実現することができる。また、大判の樹脂フィルム13に複数個分に相当する仮絞りを行い切断して個別に分割すれば、大量生産が可能となり製造コストを低くすることができ、廉価な加飾成形体11を得ることができる。
樹脂フィルム13の仮絞り工程を圧空成形法で行うため、雄型17の一方を用意するだけで良く、圧縮成形法より金型コストを低くすることができる。また、圧空成形法で樹脂フィルム13を仮絞りすれば、1サイクル当たりの時間を短縮し、量産性を高め、廉価な加飾成形体11を得ることができる。
加飾成形体11では、予備代13bを外表面と内表面との境界から内表面に至る部分の全体に設けているため、外表面の内表面に接する部分(外表面の端部)を見映え良くすることができる。
さらに予備代13bの表面が底面12bと略面一な面を形成するため、予備代13bを内表面に露出させることができる。よって加飾成形体11による上側ケース11と下側ケース10を組み合わせた部品では、樹脂フィルム13が露出した内表面どうしを重ね合わせ部分とすることができ、重ね合わせ部分に隙間やバリのない精度の良い組み合わせ部品を実現することができる。
第2実施形態〔図12〜図19〕
第2実施形態の加飾成形体21を図12〜図19に示す。図12は加飾成形体21の断面図、図13は加飾成形体21の底面図、図14〜図19は加飾成形体21の製造方法を示す説明図である。第2実施形態の加飾成形体21が第1実施形態の加飾成形体11と異なるのは、樹脂成形体22と樹脂フィルム23の内表面側の構成、及び製造方法である。その他の構成及び作用、効果は加飾成形体11と同じである。
樹脂成形体22は第1実施形態の樹脂成形体12と同様に、内部に空洞を有する矩形状に形成されている。そして、外表面側の外形面22aと、内表面側の底面22b及び内形面22cと、で構成されている。樹脂成形体12と異なるのは底面22bに形成されている段差であり、その段差の立壁22dには後述する樹脂フィルム23の予備代23aにおける切欠23bの縁が固着している。つまり、樹脂成形体12の立壁12dは予備代13aの全縁と接しているが、樹脂成形体22の立壁22dは予備代23aにおける切欠23bの縁と接している。
樹脂フィルム23は第1実施形態の樹脂フィルム13と同様に、樹脂成形体22の外形面22aを覆うものであり、その裏面には図外の加飾層が形成され、樹脂成形体22を加飾している。この樹脂フィルム13は、樹脂成形体22の外表面22aから樹脂成形体22の底面22bに屈曲して延び、加飾成形体21の人目につく部分と人目につかない部分の境界の見映えの悪さを解消している。樹脂フィルム13と異なるのは、底面22bに固着している予備代23aが底面22bの4つのコーナー部分に各1つずつ形成されている切欠23bを除き、底面22bを覆っている構成である。
加飾成形体21の製造方法について説明する。
大判のシート状樹脂フィルム23から仮絞りした樹脂フィルム23を形成する。まずこの樹脂フィルム23の仮絞り工程を説明する。
最初に、シート状の樹脂フィルム23をクランプで固定しヒーターにより加熱軟化させる(図5参照)。
次に、図14で示すように、圧縮ボックス16の内部に加熱軟化した樹脂フィルム23と雄型24をセットして、圧縮ボックス16の注入口16aより圧縮空気を矢示方向に流し込み、樹脂フィルム23を雄型24に密着させる。その後樹脂フィルム23を冷却して圧縮ボックス16から取り出す。こうして圧空成形法で樹脂フィルム23を樹脂成形体22に対応する立体形状に仮絞りする。この雄型24は、括れ部分から膨出した頭部24aを有し樹脂成形体22の外形形状と略同形状を有しているため、仮絞りされた樹脂フィルム23は、側面部23cと括れ部23dを有している。
その後、図15で示すように、切断具18を用いて括れ部23dの辺りで樹脂フィルム23を切断する。得られる樹脂フィルム23は、外表面となる側面部23cに対して折込線23eで内側に屈曲し、樹脂成形体22の底面22aを覆うこととなる予備代23aを形成することになる。この予備代23aの折込線23eでの屈曲角度が、外表面となる側面部23cと予備代23aとの間で90度を超える鈍角となっている。
そして、図16で示すように、樹脂フィルム23に予備代23aを4つに分割する切欠23bを形成する。
次に、この仮絞りした樹脂フィルム23に樹脂成形体22を一体成形する工程を説明する。
先ず、図17で示すように、立体形状の樹脂フィルム23を、樹脂成形体22を成形するキャビティの一部となる金型19aにインサートする。このとき、この樹脂フィルム23の予備代23aは、その少なくとも一部がインサート金型19aからはみ出した状態でインサートされる。そして、樹脂フィルム23をインサートした際の側面部23cと予備代23aの間の角度Aは、先述のとおり90度を超え180度未満の鈍角とすることが好ましい。この角度Aが180度以上であると、後の工程で、キャビティの他の一部となる金型19bで予備代23aを屈曲させる際に、予備代23aの屈曲が所望の向きと反対向きに屈曲するおそれもあるからである。また、角度Aが90度以下であると、予備代23aがアンダーカット形状となり、樹脂フィルム23の仮絞り成形時にスライド機構などを備えた特殊な金型を用いる必要が生じ、仮絞り工程が困難になるからである。
次に、樹脂成形体22を形成するキャビティの他の一部となる金型(押し込み金型)19bで、樹脂フィルム23の予備代23aを押し込んで折込線23eでさらに屈曲させる。このとき、押し込み金型19bと予備代23aの先端との接触の際の接触角度Bは、押し込み金型19bのキャビティ面19cに対して0度より大きく85度以下であることが好ましい。
この角度Bが85度を超えると、後の工程で、押し込み金型19bで予備代23aを屈曲させる際に、予備代23aの屈曲がスムーズに進まず、予備代23aがつぶれる恐れがある。また、角度Bが0度または予備代23aの先端が接触しないほどに屈曲していると、予備代23aを押し込み金型19bで押し込むことができなくなり、折込線23eを外表面と内表面との境界に正確に位置させることが困難になる。
そして、図18で示すように、インサート金型19aと押し込み金型19bを型締めする。この型締めにより樹脂フィルム23の予備代23aを折込線23eから内側にさらに屈曲させる。この予備代23aの屈曲工程で、押し込み金型19bで予備代23aを押し込んで折込線23eを完全に折り込み、折込線23eを金型19a,19bの端部に沿って位置させることが好ましい。しかしながら、折込線23eを完全に折り込まずに金型19a,19bの端部からやや外れて位置させても、溶融樹脂の流入時に樹脂フィルム23を金型19a,19bに沿わせることも可能である。
その後、押し込み金型19bの注入口Gより溶融樹脂を流し込み樹脂成形体22を形成させて、樹脂成形体22と樹脂フィルム23とを一体成形する。このとき同時に予備代23aを内表面側で樹脂成形体22と一体化させる。なお、本実施形態では射出成形法で樹脂成形体22を形成しているが、圧縮成形法で樹脂成形体22を形成することもできる。
最後に図19で示すように、金型19a,19bを開き、加飾成形体21を脱型する。
このような製造方法によって加飾成形体21を得る。
加飾成形体21の製造方法及び加飾成形体21によれば、樹脂フィルム23に折込線23eを設けるため、折込線23eの部分で樹脂フィルム23を容易に屈曲させることができ、外表面と内表面との境界となる外表面の端部を寸法精度良く変形させることができる。そして樹脂フィルム23に対し折込線23eを設けた後に切欠23bを設けるため、切欠23bの位置ずれを起こし難くすることができ、切欠23bを外表面に露出し難くすることができる。
仮絞り工程にて、折込線23eを形成する工程を含むため、樹脂フィルム23の立体形成と予備代23aや折込線23eの形成を同時に行うことができ、樹脂フィルム23を樹脂成形体22形成用の金型19aにインサートし易く、樹脂フィルム23の折込線23eを樹脂成形体22における外形面22aの面縁に合わせ易くすることができる。
仮絞り工程にて折込線23eを形成する際に、折込線23eでの予備代23aの屈曲角度を、外表面側と予備代23aとの間で90度を超え180度未満の角度としたため、雄型24に特殊な機構を備える必要がなく、製造が容易になり、廉価な加飾成形体21を得ることができる。
一体化工程にて予備代23aを折込線23eで屈曲させる際に、押し込み金型19bと予備代23aの先端との接触角度を、押し込み金型19bのキャビティ面19cに対して0度より大きく85度以下とするため、樹脂成形体22を形成する型締めの際に、押し込み金型19bとの接触で予備代23aを確実に内表面側に折り込ませることができる。
一体化工程にて金型19a,19bの型締めの際に、樹脂フィルム23の外表面側を金型19aのキャビティー面に沿って配置し、樹脂フィルム23の内表面側となる予備代23aを金型19bのキャビティー面に沿って配置するため、樹脂成形体22の外形面22aと底面22bの外形面22aに隣接する部分を樹脂フィルム23で覆うことができ、見映えの良い加飾成形体21を得ることができる。
第2実施形態における加飾成形体の変形例〔図20〕
第2実施形態の加飾成形体21では樹脂成形体22における外形面22aと底面22bとの角部を直角に構成する例を示したが、変形例では樹脂成形体における外形面と底面との角部を鋭い鋭角に構成しても、樹脂フィルム23の側面部23cと予備代23aとでなす角度Aを90度を超える角度としておけば、スライド機構を備えた特殊な金型を用いる必要がなく樹脂フィルム23の仮絞りを行うことができる。さらに押し込み金型19bと予備代23aの先端との接触角度Bを、押し込み金型19bのキャビティ面19cに対して0度より大きく85度以下とすれば、樹脂成形体22を形成する型締めの際に、押し込み金型19bとの接触で予備代23aを確実に内表面側に折り込ませることができる。
第2実施形態における製造方法の第1変形例〔図21〕
第2実施形態の加飾成形体21では樹脂フィルム23の仮絞り工程にて、雄型24を用いて折込線23eでの予備代23aの屈曲角度を、外表面側と予備代23aとの間で90度を超え180度未満の角度とする例を示したが、製造方法の第1変形例では図21で示すように、雄型25を用いている。この雄型25には屈曲した予備代を形成するようなくびれが形成されていない代わりに、樹脂フィルム26の肉厚を押圧して折込線26aを形成する突起25aが設けられている。この後の工程で、樹脂フィルム26に形成された曲げ部26bを切断すれば、折込線26aから縁側が予備代26cとなる。
こうして得た樹脂フィルム26は、それ以降の工程においては第2実施形態で示した樹脂フィルム23と同様に処理して加飾成形体21を得ることができるが、予備代26cはインサート金型19aにインサートする前に折込線26aで折り込んでおくことが好ましい。樹脂フィルム26に凹みでなる折込線26aを設けたため、折込線26aの部分で樹脂フィルム26を屈曲し易くすることができる。
第2実施形態における製造方法の第2変形例〔図22〜図25〕
第2実施形態の加飾成形体21では樹脂フィルム23の仮絞り工程にて、雄型24を用いて折込線23eでの予備代23aの屈曲角度を、外表面側と予備代23aとの間で90度を超え180度未満の角度とする例を示したが、製造方法の第2変形例では図22で示すように、雄型27を用いている。この雄型27には屈曲した予備代を形成するようなくびれが形成されておらず、樹脂フィルム23の肉厚を押圧する突起も設けられていない。その後図23で示すように、樹脂フィルム23に形成された曲げ部23fを切断し、図24で示すように、側面部23cどうしで構成する角部の縁に切欠23bを形成し、図25で示すように、治具28a,28bを用いて樹脂フィルム23を仮絞り形成する。治具28aは括れ部分から膨出した頭部を有し、この頭部は樹脂成形体22の外形形状と略同形状に形成されている。治具28bは治具28aにセットした樹脂フィルム23を側面側から圧縮するもので、仮絞りされた樹脂フィルム23には、治具28aの頭部と治具28bとに圧縮されて側面部23cが形成され、この側面部23cに対して折込線23eで括れ部に沿って内側に屈曲し、治具28aの括れ部と治具28bとに圧縮されて予備代23aが形成される。予備代23aの折込線23eでの屈曲角度は、側面部23cと予備代23aとの間で90度を超える鈍角となっている。それ以降の工程においては第2実施形態で示した樹脂フィルム23と同様に処理して加飾成形体21を得ることができる。
第1、第2実施形態に共通の変形例について説明する。
各実施形態に共通の第1変形例〔図26〕
加飾成形体11,21では樹脂フィルム13,23の切欠13b,23bが樹脂成形体12,22における底面12bの4つのコーナー部分には各1つずつ形成される例を示したが、第1変形例の加飾成形体31では樹脂成形体32の4つのコーナー部分における樹脂フィルム33の予備代33aに各複数(図面では3つ)の切欠33bを設けることができる。このように予備代33aの分割数を増やせば、予備代33aを縮よりし難くすることができ、樹脂成形体32のコーナー部分に樹脂フィルム32の皺を生じ難くすることができる。
各実施形態に共通の第2変形例〔図27〕
加飾成形体11,21では樹脂フィルム13,23の切欠13b,23bが樹脂成形体12,22における底面12bの4つのコーナー部分には各1つずつ略V字状に形成される例を示したが、第2変形例の加飾成形体41では樹脂成形体42の4つのコーナー部分における樹脂フィルム43の予備代43aを除去することができる。即ち、樹脂フィルム43の切欠43bは樹脂成形体42の各コーナー部分の予備代43aを切り取るように形成されている。このように皺の発生し易いコーナー部分に予備代43aを形成しなければ、皺の発生を防止することができる。
各実施形態に共通の第3変形例〔図28〕
加飾成形体11,21では樹脂フィルム13,23の切欠13b,23bが樹脂成形体12,22における底面12bの4つのコーナー部分には各1つずつ略V字形状に形成される例を示したが、第3変形例の加飾成形体51では樹脂成形体52の4つのコーナー部分における樹脂フィルム53の予備代53aに各1つずつの線状の切欠53bを対角方向に延ばして設けることができる。このようにしても、予備代53aを縮よりし難くすることができ、樹脂成形体52のコーナー部分に樹脂フィルム52の皺を生じ難くすることができる。なお、このような線状の切欠53bはコーナー部に角部が形成される樹脂成形体52に対して好ましい。
各実施形態に共通の第4変形例〔図29〕
加飾成形体11,21では樹脂フィルム13,23の切欠13b,23bが樹脂成形体12,22における底面12bの4つのコーナー部分には各1つずつ略V字形状に形成される例を示したが、第4変形例の加飾成形体61では樹脂成形体62の4つのコーナー部分ごとに、分割した予備代63aどうしを積層することができる。このようにしても、予備代63aを縮よりし難くすることができ、樹脂成形体62のコーナー部分に樹脂フィルム62の皺を生じ難くすることができる。本変形例では、予備代63aのコーナー部に線状の切欠を設け樹脂成形体62の長尺側の予備代63aを屈曲させ樹脂成形体62の底面62bに密着させた後に、短尺側の予備代63aを屈曲させて樹脂成形体62の底面62bに密着させている。
各実施形態に共通の第5変形例〔図30〕
加飾成形体11,21では平面視で矩形状の樹脂成形体12,22を例示したが、第5変形例の加飾成形体71では平面視で円形状の樹脂成形体72とすることができる。円形状の樹脂成形体72では樹脂フィルム73における予備代73aの全体に縮みよりが発生し易いが、本変形例では、8つの切欠73bを等間隔に設けることで、皺を生じ難くすることができる。
各実施形態に共通の第6変形例〔図31〕
加飾成形体11,21では平面視で矩形状の樹脂成形体12,22における底面12b,22bの全体に樹脂フィルム13,23の予備代13a,23aを固着する例を示したが、第6変形例の加飾成形体81では平面視で矩形状の樹脂成形体82における底面82bの一部に樹脂フィルム83の予備代83aが固着する構成とすることができる。本変形例では、樹脂成形体82の長尺側底面82bと固着する片方の予備代83aを取り除いている。なお、同様にして、樹脂成形体82の短尺側底面82bと固着する片方の予備代83aを取り除くこともでき、さらに樹脂成形体82の長尺側底面82bと短尺側底面82bの片方ずつの予備代83aを取り除くこともできる。
第1実施形態の加飾成形体を示す斜視図。 図1のSD−SD線断面図。 図1で示す加飾成形体の底面図。 第1実施形態の加飾成形体を別の加飾成形体と組み合わせた断面図。 第1実施形態の加飾成形体における樹脂フィルムの加熱工程を示す製造工程説明図。 第1実施形態の加飾成形体における樹脂フィルムの圧空成形工程を示す製造工程説明図。 図7(A)は第1実施形態の加飾成形体における樹脂フィルムの切取り工程を示す製造工程説明図であり、図7(B)は図7(A)による樹脂フィルムの切り取り工程後を示す底面図。 第1実施形態の加飾成形体における樹脂フィルムの切欠形成工程後を示す底面図。 第1実施形態の加飾成形体における樹脂フィルムをインサート金型にインサートした状態を示す製造工程説明図。 第1実施形態の加飾成形体におけるインサート金型を型締めした状態を示す製造工程説明図。 第1実施形態の加飾成形体におけるインサート金型を開けた状態を示す製造工程説明図。 図13のSE−SE線断面図。 第2実施形態の加飾成形体を示す底面図。 第2実施形態の加飾成形体における樹脂フィルムの圧空成形工程を示す製造工程説明図。 第2実施形態の加飾成形体における樹脂フィルムの切取り工程を示す製造工程説明図 第2実施形態の加飾成形体における樹脂フィルムの切欠形成工程後を示す断面図。 第2実施形態の加飾成形体における樹脂フィルムをインサート金型にインサートした状態を示す製造工程説明図。 第2実施形態の加飾成形体におけるインサート金型を型締めした状態を示す製造工程説明図。 第2実施形態の加飾成形体におけるインサート金型を開けた状態を示す製造工程説明図。 第2実施形態の加飾成形体における変形例を製造する図17相当の製造工程説明図。 第2実施形態の加飾成形体における製造方法の第1変形例による樹脂フィルムの圧空成形工程を示す製造工程説明図。 第2実施形態の加飾成形体における製造方法の第2変形例による樹脂フィルムの圧空成形工程を示す製造工程説明図。 第2実施形態の加飾成形体における製造方法の第2変形例による樹脂フィルムの切取り工程を示す製造工程説明図。 第2実施形態の加飾成形体における製造方法の第2変形例による樹脂フィルムの切欠形成工程後を示す断面図。 第2実施形態の加飾成形体における製造方法の第2変形例による樹脂フィルムの折込線形成工程を示す製造工程説明図。 各実施形態の加飾成形体に共通の第1変形例を示す底面図。 各実施形態の加飾成形体に共通の第2変形例を示す底面図。 各実施形態の加飾成形体に共通の第3変形例を示す底面図。 各実施形態の加飾成形体に共通の第4変形例を示す底面図。 各実施形態の加飾成形体に共通の第5変形例を示す底面図。 各実施形態の加飾成形体に共通の第6変形例を示す底面図。 従来の加飾成形体を示す斜視図。 図32のSA−SA線断面図。 従来の加飾成形体を示す斜視図。 図34のSB−SB線断面図。 従来の他の加飾成形体を示す斜視図。 図36のSC−SC線断面図。
符号の説明
1 加飾成形体(従来例)
2 樹脂成形体
2a 底面
3 樹脂フィルム
3a カットバリ
4 加飾成形体(従来例)
5 樹脂成形体
5a 底面
6 樹脂フィルム
7 加飾成形体(従来例)
8 樹脂成形体
8a 鍔部
9 樹脂フィルム
10 下側ケース
11 加飾成形体(第1実施形態)
12 樹脂成形体
12a 外形面
12b 底面
12c 内形面
12d 立壁
13 樹脂フィルム
13a 予備代
13b 切欠
13c 側面部
13d 括れ部
14 クランプ
15 ヒーター
16 圧縮ボックス
16a 注入口
17 雄型
17a 頭部
18 切断具
19a 金型(キャビティの一部となる金型)
19b 金型(キャビティの他の一部となる金型)
19c キャビティー面
21 加飾成形体(第2実施形態)
22 樹脂成形体
22a 外形面
22b 底面
22c 内形面
22d 立壁
23 樹脂フィルム
23a 予備代
23b 切欠
23c 側面部
23d 括れ部
23e 折込線
23f 曲げ部
24 雄型
24a 頭部
25 雄型
25a 突起
26 樹脂フィルム
26a 折込線
26b 曲げ部
26c 予備代
27 雄型
28a 治具
28b 治具
31 加飾成形体(共通の第1変形例)
32 樹脂成形体
33 樹脂フィルム
33a 予備代
33b 切欠
41 加飾成形体(共通の第2変形例)
42 樹脂成形体
43 樹脂フィルム
43a 予備代
43b 切欠
51 加飾成形体(共通の第3変形例)
52 樹脂成形体
53 樹脂フィルム
53a 予備代
53b 切欠
61 加飾成形体(共通の第4変形例)
62 樹脂成形体
62b 底面
63 樹脂フィルム
63a 予備代
71 加飾成形体(共通の第5変形例)
72 樹脂成形体
73 樹脂フィルム
73a 予備代
73b 切欠
81 加飾成形体(共通の第6変形例)
82 樹脂成形体
82b 底面
83 樹脂フィルム
83a 予備代
83b 切欠
A,B 角度
G 注入口

Claims (12)

  1. 人目につく外表面と人目につかない内表面とを有し外表面の少なくとも一部が樹脂フィルムで覆われて加飾された加飾成形体の製造方法であって、
    樹脂フィルムに、前記外表面から内表面に膨出するように設けた予備代を複数に分割する切欠を設ける切欠形成工程と、
    樹脂成形体を成形するキャビティの一部となる金型に、前記樹脂フィルムをインサートするインサート工程と、
    樹脂成形体を形成するキャビティの他の一部となる金型を締め、樹脂成形体の成形と樹脂フィルムとの一体化にともなって予備代を内表面側で樹脂成形体と一体化する一体化工程と、を実行する加飾成形体の製造方法。
  2. インサート工程において、予備代の少なくとも一部が樹脂成形体を成形するキャビティの一部となる金型から出た状態で樹脂フィルムをインサートし、
    一体化工程において、樹脂成形体を形成するキャビティの他の一部となる金型で、樹脂フィルムの予備代を押し込んで屈曲させる請求項1記載の加飾成形体の製造方法。
  3. 切欠形成工程の前に、樹脂フィルムを樹脂成形体に対応する形状に形成する仮絞り工程を実行する請求項1又は請求項2記載の加飾成形体の製造方法。
  4. 切欠形成工程の前に、樹脂フィルムの前記外表面と予備代の境界に折込線を設ける折込線形成工程を実行する請求項1〜請求項3何れか1項記載の加飾成形体の製造方法。
  5. 折込線の形成において、折込線での予備代の屈曲角度を、外表面側と予備代との間で90度を超え180度未満の角度とする請求項4記載の加飾成形体の製造方法。
  6. 一体化工程において、前記キャビティの他の一部を形成する金型と予備代の先端との接触の際の接触角度を、該金型のキャビティ面に対して予備代が0度より大きく85度以下とする請求項1〜請求項5何れか1項記載の加飾成形体の製造方法。
  7. 一体化工程において、キャビティの一部となる金型とキャビティの他の一部となる金型との型締めの際に、樹脂フィルムの外表面側がキャビティの一部となる金型に沿って配置し、樹脂フィルムの内表面側となる予備代がキャビティの他の一部となる金型に沿って配置する請求項1〜請求項6何れか1項記載の加飾成形体の製造方法。
  8. 仮絞り工程が、樹脂フィルムに前記外表面と予備代の境界に折込線を設ける工程を含む請求項3記載の加飾成形体の製造方法。
  9. 人目につく外表面と人目につかない内表面とを有し外表面の少なくとも一部が樹脂フィルムで覆われて加飾された加飾成形体であって、
    樹脂フィルムが外表面から内表面に膨出する予備代を有し、該予備代は切欠により複数に分割されて内表面の一部を覆っている加飾成形体。
  10. 切欠により分割した予備代どうしが積層して設けられている請求項9記載の加飾成形体。
  11. 予備代が外表面と内表面との境界から内表面に至る部分の全体に設けられている請求項9または請求項10記載の加飾成形体。
  12. 予備代の表面に内表面と略面一な面を形成する請求項9または請求項10記載の加飾成形体。
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