JP2010137471A - 画像記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】クリアインク層で干渉色を発現させることにより画像を記録することを特徴とする画像記録方法を提供する。
【解決手段】被記録媒体上にクリアインクを付与して厚さが80nm以上、600nm以下である可視光領域に実質的に吸収を持たずに、光を透過するクリア層を形成することによって、鏡面光沢度が60以上であり、さらにクリアインク層の表面での反射光と、クリアインク層を透過し被記録媒体の表面で反射する光が干渉を起こし任意の干渉色を発現する画像を記録する。
【選択図】なし
【解決手段】被記録媒体上にクリアインクを付与して厚さが80nm以上、600nm以下である可視光領域に実質的に吸収を持たずに、光を透過するクリア層を形成することによって、鏡面光沢度が60以上であり、さらにクリアインク層の表面での反射光と、クリアインク層を透過し被記録媒体の表面で反射する光が干渉を起こし任意の干渉色を発現する画像を記録する。
【選択図】なし
Description
本発明は、画像記録方法に関する。
色素を用いずに着色させる技術として、光の干渉を利用する方法が知られている。光の干渉を利用した着色は、色純度の高い光が視認されることに加えて、対象物と照明や視線との角度により干渉条件が変化し、明るさや色に変化が現れる。従って蛍光色素を用いた印刷と比べ、より印象的な視認効果が得られる。さらに、色素を用いない着色は、光褪色現象が無く、色あせしないという利点も有している。
ホログラムは、フィルムに光の干渉縞を記録し、これに再生光を当てると透過光或いは反射光に干渉が生じて着色した立体像等を表示する技術である。例えば、エンボスホログラムは、表面に光干渉を起こす凹凸を形成して、前記のような像の再生表示を可能としたものである。エンボスホログラムを任意の基体に形成する方法として、先ず、エンボスホログラムを形成した転写箔を作成し、この転写箔を基体に転写することにより、ホログラムを基体に形成する方法が行われている。このような転写箔にはあらかじめ所定の干渉パターンが記録されているから、基体への転写時にこのパターンを変更することは難しい。
転写箔を基体に転写する際にその干渉パターンの一部を消去するためには、特別な工夫が必要であった(特許文献1参照)。
また、光の干渉による記録方法を簡便に行う方法として、微粒子を規則正しく配列することによって干渉色を発現させる記録方法が提案されている(特許文献2参照)。
特開平5−11676号
特開2002−3749号
しかし、特許文献1の方法は、基体の任意の所定領域に光干渉を有する部分を形成する方法としてはあまり簡便なものではない。特許文献2の方法は、被記録媒体上での発色は選択させた微粒子のサイズに依存する。そこで、種々の色を発現するためにサイズの異なる微粒子を種々用意する必要があり、簡便に任意の色の干渉色を発現することができない。
これまで、ドットマトリクス型のような任意パターン印刷機で光干渉により任意の色の印刷物を簡便に得ることは未だ実現されていない。また、薄膜干渉により色が発現することはよく知られているが、干渉色を発現させて画像を記録するという記録方法は例がない。
従って、本発明の目的は、干渉色により被記録媒体上に画像を記録する画像記録方法を提供することである。
本発明者らは、被記録媒体上に、表面の平滑なクリアインク層を形成することによって良好な干渉色が発現し、画像を記録できることを見出した。
本発明の目的は、以下の構成により達成される。
即ち、本発明は、被記録媒体上に画像を記録する画像記録方法であって、被記録媒体上にクリアインクを付与することで、鏡面光沢度が60以上であり、厚さが80nm以上、600nm以下であるクリアインク層を設け、前記クリアインク層で干渉色を発現させることにより画像を記録することを特徴とする画像記録方法である。
本発明によれば、干渉色により被記録媒体上に画像を記録する画像記録方法を提供することができる。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の記録方法は、被記録媒体上にクリアインクを付与し、鏡面光沢度が60以上であり、厚さが80nm以上、600nm以下であるクリアインク層を設けることで任意の干渉色を発現させ、画像記録を行う。本発明により、干渉色が発現するメカニズムを図1に示す。被記録媒体上にクリアインク層を形成することによって、クリアインク層の表面での反射光と、クリアインク層を透過し被記録媒体の表面で反射する光が干渉を起こし、色が発現する。この時に、クリアインク層の表面の平滑性が低く、鏡面光沢度が60未満の場合は、図2に示すように微視的にクリアインク層の厚さが異なる。そして、クリアインク層表面で、光の乱反射が発生し、反射光と被記録媒体の表面で反射光の光路差が一定にならず、干渉色が発現しにくく、白色となる。また、この場合のクリアインク層とは、可視光領域に実質的に吸収を持たずに、光を透過する層を示す。
また、クリアインク層の厚さは、80nm以上、600nm以下の範囲である。より好ましくは、100nm以上であり、さらに好ましくは200nm以上である。また、より好ましくは、500nm以下であり、さらに好ましくは400nm以下である。鮮やかな干渉光を得るためには、クリアインク層の屈折率を考えた場合、前記の範囲とする必要がある。
クリアインク層の厚さと干渉色の関係は、以下のブラッグの条件式で説明することができる。
ブラッグの条件式 2nd=(2m+1)λ/2
前式でnはクリアインク層の屈折率を示し、dはクリアインク層の厚さを示し、mは干渉の次数の整数を示し、λは干渉光の波長を示す。この式から明らかなように、クリアインク層の厚さと干渉光の波長、つまり色とは直接の関係があり、厚さを制御することによって任意の色を作成することができる。例えば、有機樹脂(屈折率n=1.4)でクリアインク層を形成し、厚さdが103nmの時には、干渉光の波長λは575nmになり(M=0の場合)、黄色の干渉光が観察される。同じ樹脂で厚さdが87nmの時には、干渉光の波長λは485nmになり(M=0の場合)、青色の干渉光が観察される。
前式でnはクリアインク層の屈折率を示し、dはクリアインク層の厚さを示し、mは干渉の次数の整数を示し、λは干渉光の波長を示す。この式から明らかなように、クリアインク層の厚さと干渉光の波長、つまり色とは直接の関係があり、厚さを制御することによって任意の色を作成することができる。例えば、有機樹脂(屈折率n=1.4)でクリアインク層を形成し、厚さdが103nmの時には、干渉光の波長λは575nmになり(M=0の場合)、黄色の干渉光が観察される。同じ樹脂で厚さdが87nmの時には、干渉光の波長λは485nmになり(M=0の場合)、青色の干渉光が観察される。
また、この場合の干渉光の色とは、記録物を正面から見た場合の色を示し、見る角度を変えることによって、干渉光の色も変化する。
しかし、見る角度を変えることよって、観測される色が正面から見た色に応じて、変化していくことにより、極めて意匠性が高い記録物となる。
クリアインク層を形成する方法としては、種々の方法を使用することが可能であるが、インクジェット記録方法を用いてクリアインクを吐出し、クリアインク層を形成すること
が、クリアインク層の表面平滑性、厚さの制御の観点から好ましい。特に、厚さを制御する方法としては、インクジェット記録方法の印字密度を制御することが好ましい。厚さを制御することにより、任意の干渉色を発現することができる。
が、クリアインク層の表面平滑性、厚さの制御の観点から好ましい。特に、厚さを制御する方法としては、インクジェット記録方法の印字密度を制御することが好ましい。厚さを制御することにより、任意の干渉色を発現することができる。
印字密度とは、有効画素数に対する印刷画素数の割合を示す。特に印字密度を50%以上の領域で制御することが、クリアインク層表面の平滑性を出すために好ましい。
また、インクジェット記録方法でクリアインク層を形成する場合は、同一の記録領域に対し同一のノズル群を1回走査させることによって記録画像を形成する1パス記録方法でクリアインク層を形成することが好ましい。1パス記録方法によれば、インク滴の被記録媒体への吸収より早く次のインク滴が被記録媒体に着弾するために、インク滴同士がくっつき、平滑な表面を形成することができるためである。
また、クリアインク層を形成し、干渉色を発現させるのは、被記録媒体の全体でも、または一部に発現させることもかまわない。特に、インクジェット記録方法を使用することによって印字位置、印字密度を制御でき、被記録媒体の任意の場所に、任意の色の干渉色を発現させやすい。この方法によれば、すかし性のある画像や、見る角度によって色の変化する極めて意匠性が高い画像を形成しやすい。
また、被記録媒体上の、色材を含むインクが付与された面上に、クリアインクを付与し、干渉色を発現させてもよい。例えば、青の色材によって形成された画像の上に青色の干渉色を発現させた場合は、正面から見ると極めて鮮やかな青色が発現する。また、青の色材によって形成された画像の上に赤色の干渉色を発現させると、青色が主な色として観察されるが、赤色の干渉光が混ざった色が発現する。被記録媒体上の、色材を含むインクが付与された面上に、クリアインクを付与し、クリアインク層を形成する場合、使用する色材としては、被記録媒体に吸収される染料が好ましい。色材として顔料を使用する場合は、記録画像の表面が平滑であることが、干渉色を発現させる点で好ましい。
本発明に使用するクリアインクは、可視光領域に実質的に吸収を持たず、被記録媒体上にクリアインク層を形成することが可能であれば、任意のインクを使用することができる。
また、クリアインク層を形成するために、樹脂、無機微粒子など、被記録媒体に吸収されずに、被記録媒体上に残るものを含有することが好ましい。インクジェット特性の点で、被記録媒体に対しての浸透割合が30%以下の樹脂を含有していることが好ましい。
本発明のクリアインクに含有する樹脂としては、いずれの物であっても使用可能である。例えば、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、グラフトコポリマー等が挙げられる。好ましくは、ブロックコポリマーを使用する。また、インク中で60nm以下のミセルを形成するブロックコポリマーがより好ましい。ブロックコポリマーとは、2つ以上の異なるモノマーの共重合体を指し、それぞれのモノマーユニットがブロックを形成し、そのブロックが繋がったポリマー化合物を意味する。ミセルを形成するためには、疎水性のモノマーと親水性のモノマーの共重合体であることが好ましい。なお、親水性とは水に対する親和性が大きく水に単独で溶解するものを示し、疎水性とは水に対して親和性が小さく水に単独で溶解しにくいものを示す。
以下に本発明中における疎水性モノマーの具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
疎水性モノマーユニット例 (R=H又はCH3)
疎水性モノマーユニット例 (R=H又はCH3)
以下に、本発明中における親水性モノマーの具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
親水性モノマーユニット例 (R=H又はCH3)
親水性モノマーユニット例 (R=H又はCH3)
カウンターイオンは原子や化合物であればよく、例えば水素カチオン、リチウムカチオン、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン、カルシウムカチオン、アンモニウムカチオン等が挙げられる。本発明においては、カウンターイオンは特定の原子や化合物に限定されるものではない。
本発明において、樹脂としては、例えばスチレン−(メタ)アクリルエステル−(メタ)アクリル酸系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル酸系樹脂、スチレン−スチレンスルホン酸系樹脂、ビニルナフタレン−(メタ)アクリルエステル−(メタ)アクリル酸系樹脂、ビニルナフタレン−(メタ)アクリル酸系樹脂、(メタ)アクリルエステル−(メタ)アクリル酸系樹脂、(メタ)アクリル酸系樹脂、アルケニルエーテル系樹脂等が挙げられる。
本発明において使用する樹脂としては、重量平均分子量は1000から30000の範囲が好ましい。さらに、好ましくは、3000から15000の範囲である。また、前記樹脂量は、0.1質量%以上、10質量%以下含むことが好ましい。より好ましくは1質量%以上である。また、4質量%以下である。前記の樹脂の使用量が0.1質量%未満の場合は、十分な厚さのインク層を形成することができない。また使用量が10質量%以上の場合は、保存安定性および吐出安定性が劣化する。
本発明において使用するクリアインクは、必要に応じて水溶性有機溶剤、および水を含有してもよい。水溶性有機溶剤の構成材料としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、n−ペンタノール等の炭素数1〜5のアルキルアルコール類。ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまたはケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類。ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のオキシエチレンまたはオキシプロピレン重合体。エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1、4−ブタンジオール、1、5−ペンタンジオール、1、2−ヘキサンジオール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類。1、2、6−ヘキサントリオール、グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール類。エチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(またはエチル、ブチル)エーテル等のグリコールの低級アルキルエーテル類。トリエチレングリコールジメチル(またはエチル)エーテル、テトラエチレングリコールジメチル(またはエチル)エーテル等の多価アルコールの低級ジアルキルエーテル類。モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類。スルホラン、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、尿素、エチレン尿素、ビスヒドロキシエチルスルフォン、ジグリセリン、トリグリセリン等が挙げられる。これらに限定されるものではない。特に良好なものとしては、エチレングリコール、1、2−ヘキサンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、エチレン尿素、トリメチロールプロパンが挙げられる。
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のオキシエチレンまたはオキシプロピレン重合体。エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1、4−ブタンジオール、1、5−ペンタンジオール、1、2−ヘキサンジオール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類。1、2、6−ヘキサントリオール、グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール類。エチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(またはエチル、ブチル)エーテル等のグリコールの低級アルキルエーテル類。トリエチレングリコールジメチル(またはエチル)エーテル、テトラエチレングリコールジメチル(またはエチル)エーテル等の多価アルコールの低級ジアルキルエーテル類。モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類。スルホラン、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、尿素、エチレン尿素、ビスヒドロキシエチルスルフォン、ジグリセリン、トリグリセリン等が挙げられる。これらに限定されるものではない。特に良好なものとしては、エチレングリコール、1、2−ヘキサンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、エチレン尿素、トリメチロールプロパンが挙げられる。
水溶性有機溶剤の種類や含有量は特に限定されないが、インク全量に対して、3質量%以上であることが好ましく、また、60質量%以下であることが好ましい。
本発明において使用するクリアインクは、よりバランスのよい吐出安定性を得るためには、インク中に界面活性剤をさらに含有することが好ましい。中でもノニオン界面活性剤を含有することが好ましい。ノニオン界面活性剤の中でもポリオキシエチレンアルキルエーテル、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物が特に好ましい。これらのノニオン系界面活性剤のHLB(Hydrophile−Lipophile Balance)値は、10以上である。界面活性剤の含有量は、インク全量に対して0.01質量%以上、5質量%以下が好ましい。より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上である。また、より好ましくは4質量%以下であり、さらに好ましくは3質量%以下である。
また、本発明にかかるインクは、上記した成分の他に必要に応じて、添加剤として、粘度調整剤、消泡剤、防腐剤、防カビ剤、酸化防止剤等を添加してもよい。添加剤の選択はインクの表面張力が25mN/m以上、45mN/m以下なるようにすることが好ましい。また、26mN/m以上、35mN/m以下になるようにすることがより好ましい。
本発明に使用する被記録媒体としては、例えば、紙、プラスチック、ガラス、金属等の固体が挙げられる。透明でも不透明でもよく、無色でも着色していてもよい。
また、被記録媒体の表面は、平滑で、鏡面光沢度が60以上あることが、反射光の散乱を防ぎ、干渉光が鮮やかさとなるため好ましい。インクジェット記録方法への適性の点では、表面光沢度が60以上のコート紙を用いることが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。尚、「部」あるいは「%」とは、特に断わりのない限り質量基準である(印字密度は除く)。
<樹脂の合成>
三方活栓を取り付けたガラス容器内を窒素置換した後、窒素ガス雰囲気下250℃に加熱し吸着水を除去した。系を室温に戻した後、4−メチルベンゼンオキシエチルビニルエ
ーテル(TolOVE)50mmol、酢酸エチル160mmol、1−イソブトキシエチルアセテート0.5mmol、及びトルエン110mlを加え、反応系を冷却した。系内温度が0℃に達したところでエチルアルミニウムセスキクロリド(ジエチルアルミニウムクロリドとエチルアルミニウムジクロリドとの等モル混合物)を2.0mmol加え重合を開始した。分子量を時分割にしたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いてモニタリングし、Aブロックの重合の完了を確認した。この段階でのMn=15500、Mw/Mn=1.14であった。
三方活栓を取り付けたガラス容器内を窒素置換した後、窒素ガス雰囲気下250℃に加熱し吸着水を除去した。系を室温に戻した後、4−メチルベンゼンオキシエチルビニルエ
ーテル(TolOVE)50mmol、酢酸エチル160mmol、1−イソブトキシエチルアセテート0.5mmol、及びトルエン110mlを加え、反応系を冷却した。系内温度が0℃に達したところでエチルアルミニウムセスキクロリド(ジエチルアルミニウムクロリドとエチルアルミニウムジクロリドとの等モル混合物)を2.0mmol加え重合を開始した。分子量を時分割にしたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いてモニタリングし、Aブロックの重合の完了を確認した。この段階でのMn=15500、Mw/Mn=1.14であった。
ついで、Bブロックのモノマーであるメトキシエトキシエチルビニルエーテル(MOEOVE)を50mmol添加し、重合を続行した。GPCを用いるモニタリングによって、Bブロックの重合の完了を確認した後(この段階でのMn=28600、Mw/Mn=1.15)、Cブロックのモノマーである4−{(ビニルオキシ)エトキシ}安息香酸エチル(VEEtPhCOOEt)を10mmol添加して、重合を続行した。GPCを用いるモニタリングによって、Cブロックの重合が完了していることを確認し、重合反応を停止した。重合反応の停止は、系内に0.3質量%のアンモニア/メタノール水溶液を加えて行った。反応混合物溶液をジクロロメタンにて希釈し、0.6M塩酸で3回、次いで蒸留水で3回洗浄した。得られた有機相をエバポレーターで濃縮・乾固し、真空乾燥させたものより、目的物であるブロックポリマーを単離した。このブロックポリマーの同定は、NMRおよびGPCを用いて行った。Mn=32800、Mw/Mn=1.17であった。重合度比はA:B:C=100:100:20であった。
ついで、得られたブロックポリマーを5規定水酸化ナトリウム水溶液と共に40時間室温(23℃)で撹拌し、Cブロックのエステルを加水分解した。5規定塩酸で中和し、塩化メチレンで抽出、乾燥した後、溶媒を留去し、Cブロックの側鎖がフリーのカルボン酸ポリマーであるポリマー1を得た。
<ポリマー水溶液の作成>
超音波発生装置の槽の中に機械的攪拌装置を備えたフラスコ中で、テトラヒドロフラン(100g)と、上記作製したポリマー1(10g)を加え、十分撹拌した。攪拌後、ポリマーの中和率が100%になるだけのKOHを含むアルカリ水溶液(90g)を滴下注入した。次に、ナノマイザー(吉田機械興業)を用い、3時間分散処理を行った。その後、ロータリーエバポレータを用いてテトラヒドロフランを留去し、ポリマー水溶液1を得た。
超音波発生装置の槽の中に機械的攪拌装置を備えたフラスコ中で、テトラヒドロフラン(100g)と、上記作製したポリマー1(10g)を加え、十分撹拌した。攪拌後、ポリマーの中和率が100%になるだけのKOHを含むアルカリ水溶液(90g)を滴下注入した。次に、ナノマイザー(吉田機械興業)を用い、3時間分散処理を行った。その後、ロータリーエバポレータを用いてテトラヒドロフランを留去し、ポリマー水溶液1を得た。
超音波発生装置の槽の中に機械的攪拌装置を備えたフラスコ中で、テトラヒドロフラン(100g)と、スチレンアクリル酸ランダムコポリマー(酸価120mgKOH/g)(10g)を加え、十分撹拌した。攪拌後、ポリマーの中和率が100%になるだけのKOHを含むアルカリ水溶液(90g)を滴下注入した。次に、ナノマイザー(吉田機械興業)を用い、3時間分散処理を行った。その後、ロータリーエバポレータを用いてテトラヒドロフランを留去し、ポリマー水溶液2を得た。
<クリアインクの作成>
上記作製したポリマー水溶液1に、以下のように、水性溶剤、添加剤、及びイオン交換水を加え、1μmのフィルターを用いて濾過し、クリアインク1を作成した。
ポリマー水溶液1 40部
グリセリン 7部
ジエチレングリコール 5部
トリメチロールプロパン 7部
アセチレングリコール界面活性剤 0.5部
イオン交換水 残部
上記作製したポリマー水溶液2に、以下のように、水性溶剤、添加剤、及びイオン交換水を加え、1μmのフィルターを用いて濾過し、クリアインク2を作成した。
ポリマー水溶液2 40部
グリセリン 7部
ジエチレングリコール 5部
トリメチロールプロパン 7部
アセチレングリコール界面活性剤 0.5部
イオン交換水 残部
<実施例1>
前記のクリアインク1をサーマルジェットヘッド(キヤノン製BJ−F900用)に充填し、記録装置のキャリッジに固定した。被記録媒体としてA4サイズの光沢紙(キヤノン製PR−101)を用い、印字密度(duty)100%で、1パスで吐出し、記録した。
上記作製したポリマー水溶液1に、以下のように、水性溶剤、添加剤、及びイオン交換水を加え、1μmのフィルターを用いて濾過し、クリアインク1を作成した。
ポリマー水溶液1 40部
グリセリン 7部
ジエチレングリコール 5部
トリメチロールプロパン 7部
アセチレングリコール界面活性剤 0.5部
イオン交換水 残部
上記作製したポリマー水溶液2に、以下のように、水性溶剤、添加剤、及びイオン交換水を加え、1μmのフィルターを用いて濾過し、クリアインク2を作成した。
ポリマー水溶液2 40部
グリセリン 7部
ジエチレングリコール 5部
トリメチロールプロパン 7部
アセチレングリコール界面活性剤 0.5部
イオン交換水 残部
<実施例1>
前記のクリアインク1をサーマルジェットヘッド(キヤノン製BJ−F900用)に充填し、記録装置のキャリッジに固定した。被記録媒体としてA4サイズの光沢紙(キヤノン製PR−101)を用い、印字密度(duty)100%で、1パスで吐出し、記録した。
<実施例2>
印字密度(duty)を90%に変更した以外は実施例1と同様にして記録した。
印字密度(duty)を90%に変更した以外は実施例1と同様にして記録した。
<実施例3>
印字密度(duty)を80%に変更した以外は実施例1と同様にして記録した。
印字密度(duty)を80%に変更した以外は実施例1と同様にして記録した。
<実施例4>
印字密度(duty)を70%に変更した以外は実施例1と同様にして記録した。
印字密度(duty)を70%に変更した以外は実施例1と同様にして記録した。
<実施例5>
印字密度(duty)を60%に変更した以外は実施例1と同様にして記録した。
印字密度(duty)を60%に変更した以外は実施例1と同様にして記録した。
<実施例6>
前記のクリアインク1と市販の染料インク(キヤノン製BCI−6 PC)をサーマルジェットヘッド(キヤノン製BJ−F900用)にそれぞれ充填し、記録装置のキャリッジに固定した。記録媒体としてA4サイズの光沢紙(キヤノン製PR−101)を用い、上記の記録装置を用いて染料インクをベタパターンで印字した。次に、ベタパターンを印字した所に印字密度(duty)100%で、1パスで吐出し、記録した。
前記のクリアインク1と市販の染料インク(キヤノン製BCI−6 PC)をサーマルジェットヘッド(キヤノン製BJ−F900用)にそれぞれ充填し、記録装置のキャリッジに固定した。記録媒体としてA4サイズの光沢紙(キヤノン製PR−101)を用い、上記の記録装置を用いて染料インクをベタパターンで印字した。次に、ベタパターンを印字した所に印字密度(duty)100%で、1パスで吐出し、記録した。
<実施例7>
印字密度(duty)を90%に変更した以外は実施例6と同様にして記録した。
印字密度(duty)を90%に変更した以外は実施例6と同様にして記録した。
<実施例8>
印字密度(duty)を80%に変更した以外は実施例6と同様にして記録した。
印字密度(duty)を80%に変更した以外は実施例6と同様にして記録した。
<実施例9>
印字密度(duty)を70%に変更した以外は実施例6と同様にして記録した。
印字密度(duty)を70%に変更した以外は実施例6と同様にして記録した。
<実施例10>
印字密度(duty)を60%に変更した以外は実施例6と同様にして記録した。
印字密度(duty)を60%に変更した以外は実施例6と同様にして記録した。
<比較例1>
印字パス数を8パスに変更した以外は実施例6と同様にして記録した。
印字パス数を8パスに変更した以外は実施例6と同様にして記録した。
<比較例2>
印字パス数を8パスに変更した以外は実施例1と同様にして記録した。
印字パス数を8パスに変更した以外は実施例1と同様にして記録した。
<比較例3>
印字密度(duty)を30%に変更した以外は実施例1と同様にして記録した。
印字密度(duty)を30%に変更した以外は実施例1と同様にして記録した。
<比較例4>
前記のクリアインク2と市販の染料インク(キヤノン製BCI−6 PC)をサーマルジェットヘッド(キヤノン製BJ−F900用)にそれぞれ充填し、記録装置のキャリッジに固定した。記録媒体としてA4サイズの光沢紙(キヤノン製PR−101)を用い、上記の記録装置を用いて染料インクをベタパターンで印字した。次に、ベタパターンを印字した所に印字密度(duty)100%で、1パスで吐出し、記録した。
前記のクリアインク2と市販の染料インク(キヤノン製BCI−6 PC)をサーマルジェットヘッド(キヤノン製BJ−F900用)にそれぞれ充填し、記録装置のキャリッジに固定した。記録媒体としてA4サイズの光沢紙(キヤノン製PR−101)を用い、上記の記録装置を用いて染料インクをベタパターンで印字した。次に、ベタパターンを印字した所に印字密度(duty)100%で、1パスで吐出し、記録した。
<比較例5>
印字パス数を8パスに変更した以外は比較例4と同様にして記録した。
印字パス数を8パスに変更した以外は比較例4と同様にして記録した。
各実施例、各比較例で得られた印字物のクリアインク層の膜厚をマイクロマップ(菱化システム製)を用いて測定した。さらに、得られた印字物のクリアインク層の20°光沢度を光沢計GMX−203(村上色彩技術研究所)を用いて測定し、それを鏡面光沢度とした。また、得られた印字物を正面から観察し、干渉色を目視で判断し、その結果を表1、2に示す。
1 被記録媒体
2 クリアインク層
2 クリアインク層
Claims (5)
- 被記録媒体上に画像を記録する画像記録方法であって、
被記録媒体上にクリアインクを付与することで、鏡面光沢度が60以上であり、厚さが80nm以上、600nm以下であるクリアインク層を設け、
前記クリアインク層で干渉色を発現させることにより画像を記録することを特徴とする画像記録方法。 - 前記クリアインクの付与をインクジェット記録方法により行い、前記インクジェット記録方法の印字密度を制御することによって鏡面光沢度が60以上のクリアインク層を設ける請求項1に記載の画像記録方法。
- 被記録媒体上の、色材を含むインクが付与された面上に、前記クリアインクを付与する請求項1または2に記載の画像記録方法。
- 前記クリアインクの付与を1パス記録方法で行う請求項2または3に記載の画像記録方法。
- 前記被記録媒体は表面光沢度が60以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像記録方法。
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-
2008
- 2008-12-12 JP JP2008317273A patent/JP2010137471A/ja active Pending
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