JP2007153976A - インクジェットインク - Google Patents
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- QLNREQNLLYZSCE-UHFFFAOYSA-N C=Cc(cc1)ccc1[S]([Na])(=C)(=O)(=O)=O Chemical compound C=Cc(cc1)ccc1[S]([Na])(=C)(=O)(=O)=O QLNREQNLLYZSCE-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
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Abstract
【課題】その目的は、インクの経時保存安定性に優れ、印字した記録材料のカール特性に優れ、フェザリングのないシャープな画像を形成することができ、裏抜けが少なく両面印刷に適し、さらに光沢紙に記録した際にも擦過に対して堅牢なインクジェット用インクを提供することにある。
【解決手段】少なくとも水、水溶性有機溶剤および顔料を含有し、水の含有量が全インク質量の10質量%以上50質量%未満であるインクジェットインクにおいて、該水溶性有機溶剤のうちに、SP値が16.5以上24.6(MPa)1/2未満の水溶性有機溶剤を全インクの30質量%以上含有し、かつ顔料は、特定構造を有する高分子化合物を顔料分散剤として用い分散されていることを特徴とするインクジェットインク。
【選択図】なし
【解決手段】少なくとも水、水溶性有機溶剤および顔料を含有し、水の含有量が全インク質量の10質量%以上50質量%未満であるインクジェットインクにおいて、該水溶性有機溶剤のうちに、SP値が16.5以上24.6(MPa)1/2未満の水溶性有機溶剤を全インクの30質量%以上含有し、かつ顔料は、特定構造を有する高分子化合物を顔料分散剤として用い分散されていることを特徴とするインクジェットインク。
【選択図】なし
Description
本発明は、インクジェット記録方式で用いるインクジェットインクに関するものである。
近年、インクジェット記録方式は簡便・安価に画像を作成出来るため、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷など、様々な印刷分野に応用されてきている。特に、微細なドットを出射、制御するインクジェット記録装置や、色再現域、耐久性、出射適性等を改善したインク及びインクの吸収性、色材の発色性、表面光沢などを飛躍的に向上させた専用紙を用い、銀塩写真に匹敵する画質を得ることも可能となっている。
しかしながら、専用紙を必要とするインクジェット画像記録システムでは、用いることのできる記録媒体が制限されること、記録媒体のコストアップ等が問題となる。
一方、オフィスにおいては、記録媒体(例えば、普通紙、コート紙、アート紙)の制約を受けずに高速でフルカラー印字が行えるシステムのニーズが益々高まりつつある。
特に安価であり、また入手が容易である普通紙(例えば、PPC用紙、印刷用非塗工紙など)に対して高画質な印刷を高速に行うことが望まれているが、普通紙印刷では水性インクを使用した場合には印刷後のカール、コックリングが大きな課題となっていた。一方、油性インクを使用した場合にはカール、コックリングについては問題ないが、水性インクよりも浸透力が大きく文字画質、にじみ、低い反射濃度等の課題があった。これまで普通紙印刷の課題を解決するために記録液の組成を始めとして種々の検討が行われてきたが、カール、コックリング、画像濃度、文字品位の全てを満足するインクは得られていなかった。
水性インクを用いた普通紙記録時のカール、コックリングを防止する方法としては、インク中に特定のジオール類を添加する技術が開示されている(特許文献1参照)。しかしながら、この方法でもインク打ち込み量の多い画像を印刷する場合には、カールおよびコックリングが発生するという問題があった。あるいは、インク中にカゼイン類を添加することによりカール、コックリングを防止する技術が開示されている(特許文献2参照)。しかしながら、この方法では顔料を含むインクに対しては分散安定性を劣化させるという問題があった。
普通紙を用いた場合のカール発生に着目した技術として、特定の有機溶剤を特定の比率で含有することにより、カールの発生を抑え、文字品質や出射性をあわせて改良する技術が公開されている(特許文献3〜5参照)。また特定の部分構造を有する顔料分散剤を組み合わせることで、インクの経時保存性を改良する技術も提案されている(特許文献6〜8)。
これらの特許明細書中に公開されている技術は確かにカール抑制に効果があることが確認されたが、インクの経時保存安定性、裏抜け、フェザリングといった性能が期待されるレベルに達していない難点を有することが判明した。またいわゆる写真画質を目的とした専用光沢紙を用いた場合、形成される画像の擦過耐性に劣るという課題も存在することが明らかとなった。
特開平6−157955号公報
特開平5−208547号公報
特開2005−220296号公報
特開2005−220297号公報
特開2005−220298号公報
特開2003−292838号公報
特開2004−115649号公報
特開2004−115708号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、インクの経時保存安定性に優れ、印字した記録材料のカール特性に優れ、フェザリングのないシャープな画像を形成することができ、裏抜けが少なく両面印刷に適し、さらに光沢紙に記録した際にも擦過に対して堅牢なインクジェット用インクを提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.少なくとも水、水溶性有機溶剤および顔料を含有し、水の含有量が全インク質量の10質量%以上50質量%未満であるインクジェットインクにおいて、該水溶性有機溶剤のうちに、SP値が16.5以上24.6(MPa)1/2未満の水溶性有機溶剤を全インクの30質量%以上含有し、かつ顔料は、下記一般式(1)で表される高分子化合物を用いて分散されていることを特徴とするインクジェットインク。
一般式(1)
−(A)a−(B)b−(C)c−
(式中、A、B、Cは高分子化合物を構成する単量体を表し、a、b、cはそれぞれの単量体の高分子化合物中における構成モル比率を表す。Aはカルボン酸またはスルホン酸の酸性基およびその塩誘導体を含有する単量体であり、Bは下記一般式(2)で表される部分構造を含有する単量体である。Cはその他の重合可能な単量体を表す。a、b、cはそれぞれ各単量体のモル%を表す数字であり、aは0〜60、bは4〜80、cは0〜60であり、また、a+c>20である。)
−(A)a−(B)b−(C)c−
(式中、A、B、Cは高分子化合物を構成する単量体を表し、a、b、cはそれぞれの単量体の高分子化合物中における構成モル比率を表す。Aはカルボン酸またはスルホン酸の酸性基およびその塩誘導体を含有する単量体であり、Bは下記一般式(2)で表される部分構造を含有する単量体である。Cはその他の重合可能な単量体を表す。a、b、cはそれぞれ各単量体のモル%を表す数字であり、aは0〜60、bは4〜80、cは0〜60であり、また、a+c>20である。)
(式中、Rは置換可能な基を表す。nは0〜7の整数を表す。)
2.16.5以上24.6(MPa)1/2未満の水溶性有機溶剤の25℃における蒸気圧が0.01Pa以上、133Pa以下であることを特徴とする前記1記載のインクジェットインク。
2.16.5以上24.6(MPa)1/2未満の水溶性有機溶剤の25℃における蒸気圧が0.01Pa以上、133Pa以下であることを特徴とする前記1記載のインクジェットインク。
3.16.5以上24.6(MPa)1/2未満の水溶性有機溶剤は、水とを混合した際にその混合比により粘度の極大部を示す有機溶剤であり、かつインクジェットインク中、水と水溶性有機溶剤とは、前記粘度の極大部近傍の比率で混合されていることを特徴とする前記1または2記載のインクジェットインク。
4.前記顔料は、C.I.ピグメントイエロー138またはC.I.ピグメントイエロー150であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項記載のインクジェットインク。
本発明によれば、経時保存安定性に優れ、印字した記録材料のカール特性に優れ、さらにフェザリングのないシャープな画像を形成することができ、裏抜けが少なく両面印刷に適し、さらに光沢紙に記録した際にも擦過に対して堅牢なインクジェット用インクを提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、少なくとも水、水溶性有機溶剤および顔料を含有し、水の含有量が全インク質量の10質量%以上50質量%未満であるインクジェットインクにおいて、該水溶性有機溶剤のうちSP値が16.5以上24.6(MPa)1/2未満の水溶性有機溶剤を全インクの30質量%以上含有し、かつ前記一般式(1)で表される高分子化合物を顔料分散剤として用いて顔料が分散されているインクジェット用インクにより、本発明の目的を実現できることを見いだし、本発明に至った次第である。
以下、本発明の詳細に説明する。
本発明のインクジェットインクは、少なくとも水、水溶性有機溶剤および顔料を含有し、水の含有量が全インク質量の10質量%以上50質量%未満であり、該水溶性有機溶剤のうちSP値が16.5以上24.6(MPa)1/2未満の水溶性有機溶剤を全インクの30質量%以上含有し、かつ前記一般式(1)で表される高分子化合物により顔料が分散されていることを特徴とする。
全インク中の水の含有量が50質量%以上ではカール、コックリングが劣悪になり、10質量%未満では、他の溶剤組成をもってしても顔料の分散安定性が劣悪になる。また、全インク中の水の含有量としては、20質量%以上40質量%未満であることがさらに好ましい。
本発明のインクはSP値が16.5以上24.6(MPa)1/2未満の水溶性有機溶剤を全インクの30質量%以上含有する。この添加量が30質量%未満であると、普通紙記録時のカール、コックリングが極めて大きくなる。
また、この有機溶剤のSP値も16.5未満では、水との相溶性が悪くなり分離が生じる。逆にSPが24.6以上の有機溶剤ではカール抑制効果が不十分である。
この有機溶剤のSP値の範囲は16.5以上22.5未満であることが更に好ましい。
本発明でいう溶剤のSP値とは、溶解度パラメーターであり、分子凝集エネルギーの平方根で表される値で、Polymer HandBook(Second Edition)第IV章 Solubility Parameter Valuesに記載があり、その値を用いた。単位は(MPa)1/2であり、25℃における値を指す。なお、データの記載がないものについては、R.F.Fedors,Polymer Engineering Science,14,p147(1967)に記載の方法で計算することができる。
以下、SP値が16.5以上24.6未満に該当する水溶性有機溶剤の例をSP値(()内の数値)と共に示す。いうまでもなく本発明はこれに限定されるものではない。
エチレングリコールモノメチルエーテル(24.5)
エチレングリコールモノエチルエーテル(23.5)
エチレングリコールモノブチルエーテル(22.1)
エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(22.3)
ジエチレングリコールモノメチルエーテル(23.0)
ジエチレングリコールモノエチルエーテル(22.4)
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(21.5)
ジエチレングリコールジエチルエーテル(16.8)
トリエチレングリコールモノメチルエーテル(22.1)
トリエチレングリコールモノエチルエーテル(21.7)
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(21.1)
プロピレングリコールモノメチルエーテル(23.0)
プロピレングリコールモノフェニルエーテル(24.2)
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(21.3)
トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(20.4)
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(21.8)
さらに、SP値が16.5以上24.6(MPa)1/2未満に該当する水溶性有機溶剤のうち25℃における蒸気圧が0.01Pa以上、133Pa以下の水溶性有機溶剤を全インクの30質量%以上含有することが好ましい。さらに好ましくは66Pa以下の有機溶剤を全インクの30質量%以上含有することである。これに該当する水溶性有機溶剤の一例としては、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等がある。
エチレングリコールモノエチルエーテル(23.5)
エチレングリコールモノブチルエーテル(22.1)
エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(22.3)
ジエチレングリコールモノメチルエーテル(23.0)
ジエチレングリコールモノエチルエーテル(22.4)
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(21.5)
ジエチレングリコールジエチルエーテル(16.8)
トリエチレングリコールモノメチルエーテル(22.1)
トリエチレングリコールモノエチルエーテル(21.7)
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(21.1)
プロピレングリコールモノメチルエーテル(23.0)
プロピレングリコールモノフェニルエーテル(24.2)
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(21.3)
トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(20.4)
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(21.8)
さらに、SP値が16.5以上24.6(MPa)1/2未満に該当する水溶性有機溶剤のうち25℃における蒸気圧が0.01Pa以上、133Pa以下の水溶性有機溶剤を全インクの30質量%以上含有することが好ましい。さらに好ましくは66Pa以下の有機溶剤を全インクの30質量%以上含有することである。これに該当する水溶性有機溶剤の一例としては、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等がある。
本発明のインクジェットインクに用いられるSP値が16.5以上24.6未満に該当する水溶性有機溶剤としては、水とを混合した際にその混合比により粘度の極大部を示す有機溶剤を用いることが好ましく、かつ該極大部の近傍の比率で水と該水溶性有機溶剤とが混合されていることが出射性やデキャップの点でより好ましい態様の一つである。ここで言う近傍とは、水と前記水溶性有機溶媒との質量比の合計を100%としたとき、極大部を示す比率の上下10%以内をいう。例えば、水と有機溶媒との比率が50:50で極大部を示すとき、40:60から60:40を極大部近傍とする。
水と混合した際に、その混合比により粘度の極大部を示す溶媒としては、例えば、エチレングリコールモノアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等)、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等)、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル類(例えば、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等)、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類(例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等)、ジプロピレンリコールモノアルキルエーテル類(例えば、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等)、トリプロピレンリコールモノアルキルエーテル類(例えば、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル等)等を挙げることができ、好ましくはジアルキレングリコールモノアルキルエーテル類またはトリアルキレングリコールモノアルキルエーテル類である。
本発明ではSP値が16.5以上24.6未満の水溶性有機溶剤に加えて各種水溶性有機溶剤を併用することができる。
好ましく用いられる水溶性有機溶剤の例としては、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。
また、本発明のインクは一般式(1)で表される高分子化合物を顔料の全添加量に対して10〜200質量%含有する。一般式(1)で表される化合物の含有量が10質量%未満であると、顔料の分散安定化への十分な効果が発揮できない。また200質量%を超えると、出射性に悪影響を与え問題となる。
本発明のインクジェットインクは着色剤として顔料を含有する。この顔料の含有量はインクジェットインク全質量に対して0.1質量%以上12質量%未満である。
本発明において使用できる顔料としては、従来公知のものを特に制限なく使用でき、水分散性顔料、溶剤分散性顔料等何れも使用可能であり、例えば、不溶性顔料、レーキ顔料等の有機顔料及び、カーボンブラック等の無機顔料を好ましく用いることができる。
不溶性顔料としては、特に限定するものではないが、例えば、アゾ、アゾメチン、メチン、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、キナクリドン、アントラキノン、ペリレン、インジゴ、キノフタロン、イソインドリノン、イソインドリン、アジン、オキサジン、チアジン、ジオキサジン、チアゾール、フタロシアニン、ジケトピロロピロール等が好ましい。
好ましく用いることのできる具体的顔料としては、以下の顔料が挙げられる。
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド222、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー15:3、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
また、ブラック用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
中でもイエロー顔料としては、C.I.ピグメントイエロー138またはC.I.ピグメントイエロー150が好ましい。
本発明のような特定の有機溶媒を多量に含有するインクから形成される画像において、イエロー顔料から形成される画像は紙上への定着性に劣り、鉛筆・指・消しゴムなどの固形物による擦過に対して剥がれやすい傾向が見られていた。本発明者の検討により、前記一般式(1)で表される顔料分散剤とイエロー顔料、特にC.I.ピグメントイエロー138あるいはC.I.ピグメントイエロー150を組み合わせることで、乾燥時の擦過性を改良できることが判明した。前記一般式(1)においてBで表される単量体は前記一般式(2)で表される部分構造を有し、この部分構造が顔料表面への高分子分散剤の吸着を強め、擦過に対する耐性を高めるものと推定している。特に両者顔料の構造的特徴(C.I.ピグメントイエロー138はキノフタロン骨格、C.I.ピグメントイエロー150はニッケルキレート顔料)が前記一般式(2)の部分構造と親和性が高く、本発明の効果を好ましく発現できるものと推定している。
本発明のインクジェットインクに含有する顔料の分散状態の平均粒子径は、50nm以上200nm未満であることが好ましい。顔料分散体の平均粒子径が50nm未満あるいは200nm以上では顔料分散体の安定性が悪くなりやすく、記録液の保存安定性が劣化しやすくなる。
顔料分散体の粒子径測定は、動的光散乱法、電気泳動法等を用いた市販の粒径測定機器により求めることが出来るが、動的光散乱法による測定が簡便でこの粒子径領域の精度が良く、多用される。
本発明で用いられる顔料は、顔料分散剤及びその他所望する諸目的に応じて必要な添加物と共に分散機により分散して用いることが好ましい。分散機としては従来公知のボールミル、サンドミル、ラインミル、高圧ホモジナイザー等が使用できる。中でもサンドミルを用いた分散により製造されるインクの粒度分布がシャープであり好ましい。また、サンドミル分散に使用するビーズの材質はビーズ破片やイオン成分のコンタミネーションの点から、ジルコニアまたはジルコンが好ましい。さらに、このビーズ径としては0.3mm〜3mmが好ましい。
本発明において顔料分散剤として用いられる高分子化合物は、下記一般式(1)で表される重合体である。
一般式(1)
−(A)a−(B)b−(C)c−
式中、A、B、Cは重合体を構成する単量体を表し、a、b、cはそれぞれの単量体の分散剤中における構成モル比率(%)を表す数値である。
−(A)a−(B)b−(C)c−
式中、A、B、Cは重合体を構成する単量体を表し、a、b、cはそれぞれの単量体の分散剤中における構成モル比率(%)を表す数値である。
上記一般式(1)において、Aはカルボン酸またはスルホン酸の酸性基およびその塩誘導体を含有する単量体を表す。例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、イタコン酸、イタコン酸モノエステル等が挙げられる。またそれらの塩誘導体であってもよく、例えばナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩等の無機塩基、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、ピリジン、ジアザビシクロオクタン、水酸化テトラ−n−ブチルアンモニウム等の有機塩基との中和体等が挙げられる。塩誘導体のなかでも、有機塩基との中和体が好ましい。
aは0〜60を表す。
上記一般式(1)において、Bは下記一般式(2)で表される部分構造を含有する単量体である。
式中、Rは置換可能な置換基を表す。そのような置換基としては例えばハロゲン原子、アルキル基、アリール基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルもしくはアリールチオ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基または複素環チオ基が挙げられる。
nは0から7の整数を表す。nが2以上の場合、複数のRはそれぞれ同一であっても異なっていても良く、また互いに結合して環状構造を形成しても良い。
Bで表される単量体は一般式(2)で表される部分構造(ナフチル基)を含有することが特徴であり、このナフチル基が存在することで、顔料表面への一般式(1)で表される重合体の吸着を強めているものと推定している。ただしすべてのナフチル基が顔料表面へ吸着している訳ではなく、一部は未吸着の状態で存在しているものと考えられる。そのような未吸着のナフチル基が、インクが紙上へ記録された後、乾燥過程で互いに強く相互作用するため、乾燥後には微細な凝集粒子を形成し、そのため大きな擦過耐性を示すものと推測している。
本発明においてBで表される単量体は、1種であっても良いが、Bで表される単量体を二種類以上併用しても良い。
前記一般式(1)において、bは4〜80である。
前記一般式(1)において、Cはその他の重合可能な単量体を表す。前記A、Bで表される単量体と重合可能な単量体であればどのようなものでも良いが、例えば(メタ)アクリル酸誘導体、例えばフェニルメタクリレート、p−トリルメタクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルアクリレート、p−トリルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、メチルメタクリレート(MMA)、エチルメタクリレート(EMA)、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート(BMA)、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、メタクリロニトリル、2−トリメチルシロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート(GMA)、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレート、アクリロニトリル、2−トリメチルシロキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、メタクリルアミド、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明においてCで表される単量体は1種のみ使用しても良いが、二種類以上を併用しても良い。
前記一般式(1)において、cは0〜60である。ただしa+cは20よりも大きい。a+cが20以下の場合、一般式(1)で表される重合体の溶解性が不足し、目的とする効果を発現できない。
本発明の顔料分散剤重合体は、その重量平均分子量が6,000〜200,000の範囲にあることが好ましく、15,000〜100,000の範囲にあることが好ましい。また酸価としては5〜260の範囲にあることが好ましい。
これら重合体の構造としては、ランダム重合体あるいはランダム共重合体、ブロック共重合体、枝分かれした重合体あるいは共重合体、グラフト重合体あるいは共重合体が挙げられる。中でもブロック共重合体や、枝分かれした共重合体は親水性部分と疎水性部分の設計・制御が容易であることから、本発明の目的に対しては好ましい。
ブロック重合体は、AB、BABおよびABC型構造等(ここで、A、B、Cは互いに構造の異なる高分子ブロックを模式的に示しているものである)が挙げられるが、ブロック部が存在していれば別に構造の制約はない。特に、疎水性のブロックと親水性のブロックとを有し、また、分散安定性に貢献する均衡のとれたブロックサイズを有するブロック重合体が好ましい。官能基を疎水性ブロック(着色剤が結合するブロック)に組み込むことができ、それによって分散安定性を改善するため、分散剤と顔料との間の特異的相互作用をより強化することが出来る。
これらの重合体は従来公知の方法で合成することができ、例えば、米国特許第5,085,698号、同第5,221,334号、同第5,272,201号、同第5,519,085号、同第6,117,921号の各明細書、特開平10−279873号、同11−269418号、特開2001−115065号、同2001−139849号、同2001−247796号、同2003−260348号の各公報、特に実施例において開示されている方法により合成することができる。
ブロック共重合体に用いることができる単量体としては、例えば、前記顔料分散剤重合体に用いることのできる単量体と同様の単量体を挙げることができる。
枝分かれした重合体あるいは共重合体、およびグラフト重合体あるいは共重合体に用いることのできる単量体としては、前記顔料分散剤重合体に用いることのできる単量体として挙げられたものを用いることができる。また片末端に重合性官能基を有するマクロマー、例えば、シリコーンマクロマー、スチレン系マクロマー、ポリエステル系マクロマー、ポリウレタン系マクロマー、ポリアルキルエーテルマクロマーを用いることで容易に枝分かれした重合体あるいは共重合体、およびグラフト重合体あるいは共重合体を合成することができる。上記マクロマーの例としては、例えば東亞合成製のスチレンマクロマーAS−6およびAN−6、チッソ製シリコーンマクロマーFM−0711およびFM−0721、ポリエチレングリコールアクリレートおよびポリエチレングリコールメタクリレート等が挙げられる。
本発明のインクにおいては、上記の高分子顔料分散剤と共に、公知の顔料分散剤、例えば、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の界面活性剤等の併用を妨げるものではない。
次いで、上記説明した以外の本発明のインクの各構成要素について説明する。
本発明のインクのpHは、7.0以上であることが好ましく、より好ましくは8.05〜10.0であり、上記のpHとすることは、出射安定性が良好で、かつ高濃度で好ましい光沢を有する画像を得ることができるという観点から好ましい。
本発明のインクで用いられるpH調整剤としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸物等の無機アルカリ剤、有機酸や、鉱酸が挙げられる。
また、本発明のインクの表面張力は、25℃において25〜50mN/mであることが好ましい。より好ましくは25〜40mN/mであり、さらに好ましくは25〜35mN/mである。インクの表面張力が25mN/m未満になると、記録媒体への吸収速度が速くなり、顔料粒子同士による凝集を引き起こし、ブロンジングの発生や光沢、耐擦過性の低下を招く結果となる。また、インクの表面張力が50mN/mを超えると、記録媒体上に着弾したインク液滴が長い間留まることによる色濁りを引き起こし、高精細な画像を得ることができなくなる。
本発明でいう表面張力は、例えば、各種水溶性有機溶媒及び下記の各種界面活性剤を用いて、その種類及び添加量を適宜調整することにより、所望の表面張力に調整することができる。
また、表面張力の測定方法については、一般的な界面化学、コロイド化学の参考書等において述べられているが、例えば、新実験化学講座第18巻(界面とコロイド)、日本化学会編、丸善株式会社発行:P.68〜117を参照することができ、具体的には、輪環法(デュヌーイ法)、垂直板法(ウィルヘルミー法)を用いて求めることができる。
上記表面張力を達成する手段の1つとして、各種の界面活性剤を用いることができる。本発明で用いることのできる各界面活性剤として、特に制限はないが、例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック共重合体類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。特にアニオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤を好ましく用いることができる。
本発明においては、界面活性剤として、アセチレン系界面活性剤を用いることが、出射安定性が良好で、かつ高濃度で好ましい光沢を有し、均一性にすぐれた画像を得ることができる観点から好ましい。
アセチレン系界面活性剤であれば特に制限はないが、例えば、アセチレングリコール類、アセチレンアルコール類等が挙げられ、さらに好ましくは、アセチレン基とアルキレンオキシド鎖とを有する界面活性剤であり、例えば、サーフィノール465(日信化学工業社製)を挙げることができる。
また、本発明のインクにおいては、インク粘度として、25℃で1〜40mPa・sであることが好ましく、より好ましくは5〜40mPa・sであり、更に好ましくは5〜15mPa・sである。また本発明に係るインクにおいて、インク中の溶存酸素濃度は、25℃で2ppm以下であることが好ましく、この溶存酸素濃度条件とすることにより、気泡の形成を抑制することができ、高速印字においても出射安定性に優れたインクジェット記録方法を実現することができる。インク中に溶存している溶存酸素を測定する方法としては、例えば、溶存酸素測定装置DO−14P(東亜電波(株)製)を用いて測定することができる。
また、本発明のインク中には、インクの多価金属イオンであるカルシウムイオン、マグネシウムイオン及び鉄イオンの総含有量が、10ppm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5ppm、特に好ましくは0.1〜1ppmである。
インクジェット用インク中の多価金属イオンの含有量を、上記で規定した量とすることにより、高い分散安定性を有するインクを得ることができる。本発明に係る多価金属イオンは、硫酸塩、塩化物、硝酸塩、酢酸塩、有機アンモニウム塩、EDTA塩等に含有されている。
本発明のインクでは、上記説明した以外に、必要に応じて、出射安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば、粘度調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤等を適宜選択して用いることができ、例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等の油滴微粒子、特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号および特開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤等を挙げることができる。
本発明のインクジェット用インクを用いた画像形成方法においては、例えば、インクジェット用インクを装填したインクジェットプリンタ等により、デジタル信号に基づきインクジェット記録ヘッドよりインクを液滴として吐出させ記録媒体に付着させることでインクジェットプリントが得られる。
本発明のインクを吐出して画像形成を行う際に、使用するインクジェット記録ヘッドはオンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。又吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)等など何れの吐出方式を用いても構わない。
その中でも、本発明のインクジェット記録方法においては、本発明のインクを30μm以下のノズル径を有するピエゾ型インクジェット記録ヘッドから吐出させて、記録材料に記録を行うこと、更に、30μm以下のノズル径を有するラインヘッド方式のピエゾ型インクジェット記録ヘッドから吐出させて、記録材料に記録を行うこと、また、30μm以下のノズル径を有するピエゾ型インクジェット記録ヘッドを用いて、20ppm以上の印字速度で、記録材料に画像記録することが好ましい。
インクジェットプリンターの印字方式として、シャトルヘッド方式の記録ヘッドに対し、ラインヘッド方式の記録ヘッドを用いて印字することにより、本発明のインクの印字特性を十分に引き出すことができ、その結果、インク液滴の記録材料への着弾時の極めて良好なドット形状(真円性)や印字精度を達成することができる。
また、本発明のインクは、出射安定性やデキャップ耐性に優れた特性を有しており、高速印字に優れた特性を持っており、印字速度として、20ppm以上の高速で印字することが好ましく、より好ましくは20ppm以上、100ppm以下であり、より好ましくは25ppm以上、50ppm以下である。なお、本発明でいうppmとは、A4サイズの記録材料の1分間当たりの印字枚数(Page Per Minute)を指す。
本発明のインクジェット記録方法で用いる記録材料としては、印字するインクの吸収性、保持性を有していれば制限なく用いることができ、例えば、非吸収性支持体、あるいは吸収性支持体上のインクを吸収、保持するインク吸収層を設けたインクジェット専用の記録材料や、コート紙、非コート紙等の紙支持体を用いることができるが、本発明のインクジェット記録方法においては、記録材料として普通紙を用いて画像印字を行うことが、本発明による裏抜け防止効果や高い文字品質の画像が得られる観点から好ましい。
本発明のインクジェット記録方法で用いる普通紙としては、特に制限はないが、非塗工紙、特殊印刷用紙、及び情報用紙の一部に属する80〜200μmの非コート紙が望ましい。本発明に係る普通紙の構成は、LBKP及びNBKPに代表される化学パルプ、サイズ剤及び填料を主体とし、その他の抄紙助剤を必要に応じて用い、常法により抄紙される。本発明に係る普通紙に使用されるパルプ材としては、機械パルプや古紙再生パルプを併用してもよいし、又、これらを主材としても何ら問題はない。
本発明に係る普通紙に内添されるサイズ剤としては、例えば、ロジンサイズ、AKD、アルニケル無水コハク酸、石油樹脂系サイズ、エピクロルヒドリン、カチオン澱粉及びアクリルアミド等が挙げられる。
また、本発明に係る普通紙に内添される填料としては、例えば微粉珪酸、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、カオリン、カオリナイト、ハロイサイト、ナクライト、ディッカイト、パイロフィライト、セリサイト、二酸化チタン、ベントナイト等が挙げられる。
また、本発明に係る普通紙には、本発明のインクの裏抜けや着色剤の定着性を高める観点から、水溶性多価金属塩を含有していてもよい。
本発明に係る普通紙に用いることのできる水溶性多価金属塩としては、特に制限はないが、例えば、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄、ストロンチウム、バリウム、ニッケル、銅、スカンジウム、ガリウム、インジウム、チタン、ジルコニウム、スズ、鉛などの金属塩、硫酸塩、硝酸塩、ギ酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩、クロロ酢酸塩、p−トルエンスルホン酸塩といった塩として添加される。また、水溶性の多価金属イオンの塩として、ポリ塩化アルミニウムのような水溶性無機ポリマーを使用してもよい。水溶性は少なくとも0.1質量%を示すものが好ましく、より好ましくは1質量%を示すものである。中でも、アルミニウム、カルシウム、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛からなる水溶性塩はその金属イオンが無色なため好ましい。特に好ましいのは、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
《重合体1〜10の調製》
1Lの四頭フラスコにスリーワンモーター、温度計、窒素導入管、および乾燥管をつけた滴下漏斗を装着した。これに酢酸エチル(200g)を導入し、さらに表1の分散剤No.1の欄に示すモル比率で各単量体を単量体の全体量が100gとなるよう導入し、さらに2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(0.5g)を導入し、乾燥窒素ガスを流しながら6時間、加熱還流した。反応終了後、室温まで冷却し、溶媒を減圧下溜去した。残留物に2−プロパノール(560g)を加え溶解し、トリエタノールアミンで中和した後、イオン交換水を加えて全体が1000gとなるよう調整し、目的とする重合体1の溶液を得た。一部を乾燥して分子量と酸価を測定したところ、それぞれ24,000および225であった。
《重合体1〜10の調製》
1Lの四頭フラスコにスリーワンモーター、温度計、窒素導入管、および乾燥管をつけた滴下漏斗を装着した。これに酢酸エチル(200g)を導入し、さらに表1の分散剤No.1の欄に示すモル比率で各単量体を単量体の全体量が100gとなるよう導入し、さらに2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(0.5g)を導入し、乾燥窒素ガスを流しながら6時間、加熱還流した。反応終了後、室温まで冷却し、溶媒を減圧下溜去した。残留物に2−プロパノール(560g)を加え溶解し、トリエタノールアミンで中和した後、イオン交換水を加えて全体が1000gとなるよう調整し、目的とする重合体1の溶液を得た。一部を乾燥して分子量と酸価を測定したところ、それぞれ24,000および225であった。
尚、分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用い、単分散のポリスチレン標準粒子を用いて作成した検量線により求めた。検量線作成用のポリスチレンは10点用いた。
また、酸価は、化合物1gを中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数であり、試料をメチルセロソルブで50倍に希釈し、0.1モル/Lの水酸化カリウムで滴定し、pHメータを用いて求めたpH曲線の変曲点を中和点とし、この中和点に至るまでに要する水酸化カリウムの量から算出した。
さらに単量体を表1に示すように変更した以外は同様にして、重合体2〜10を合成した。
《インクの調製》
〔顔料分散体1〜19の調製〕
表2に示す溶媒、顔料、重合体を混合し、直径0.5mmのジルコニアビーズを体積率で60%充填した横型ビーズミル(アシザワ社製 システムゼータミニ)を用いて分散し、その後ジルコニアビーズを除去して顔料分散体1〜19を得た。
〔顔料分散体1〜19の調製〕
表2に示す溶媒、顔料、重合体を混合し、直径0.5mmのジルコニアビーズを体積率で60%充填した横型ビーズミル(アシザワ社製 システムゼータミニ)を用いて分散し、その後ジルコニアビーズを除去して顔料分散体1〜19を得た。
〔インク1〜19の調製〕
上記調製した各顔料分散体に表3に示す添加量となるように溶媒を加えた後、濾過及び中空糸膜を用いた膜脱気処理を行って、インク1〜19を調製した。
上記調製した各顔料分散体に表3に示す添加量となるように溶媒を加えた後、濾過及び中空糸膜を用いた膜脱気処理を行って、インク1〜19を調製した。
上記表1、表2に略称で記載した各添加剤の詳細は、以下の通りである。
〈顔料〉
Y1:C.I.ピグメントイエロー128
Y2:C.I.ピグメントイエロー139
Y3:C.I.ピグメントイエロー138
M :C.I.ピグメントバイオレット19
C :C.I.ピグメントブルー15:4
K :C.I.ピグメントブラック7
〈溶媒〉
DPGmME:ジプロピレンプリコールモノメチルエーテル
TEGmBE:トリエチレングリコールモノブチルエーテル
1,3−BDO:1,3−ブタンジオール
t−BuOH:ターシャリーブタノール
DEG:ジエチレングリコール
〈各溶剤単独の蒸気圧及び粘度〉
DPGmME:粘度=3.3mPa・s、蒸気圧=53Pa、SP値=21.3
TEGmBE:粘度=9.9mPa・s、蒸気圧<1.3Pa、SP値=22.1
1,3−BDO:粘度=98mPa・s、蒸気圧=8Pa、SP値=30.3
t−BuOH:粘度=3.6mPa・s、蒸気圧=4080Pa、SP値=22.3
DEG:粘度=30mPa・s、蒸気圧<1.3Pa、SP値=30.6
水:粘度=0.87mPa・s、蒸気圧=3.16kPa
上記特性値は、いずれも25℃における値である。
Y1:C.I.ピグメントイエロー128
Y2:C.I.ピグメントイエロー139
Y3:C.I.ピグメントイエロー138
M :C.I.ピグメントバイオレット19
C :C.I.ピグメントブルー15:4
K :C.I.ピグメントブラック7
〈溶媒〉
DPGmME:ジプロピレンプリコールモノメチルエーテル
TEGmBE:トリエチレングリコールモノブチルエーテル
1,3−BDO:1,3−ブタンジオール
t−BuOH:ターシャリーブタノール
DEG:ジエチレングリコール
〈各溶剤単独の蒸気圧及び粘度〉
DPGmME:粘度=3.3mPa・s、蒸気圧=53Pa、SP値=21.3
TEGmBE:粘度=9.9mPa・s、蒸気圧<1.3Pa、SP値=22.1
1,3−BDO:粘度=98mPa・s、蒸気圧=8Pa、SP値=30.3
t−BuOH:粘度=3.6mPa・s、蒸気圧=4080Pa、SP値=22.3
DEG:粘度=30mPa・s、蒸気圧<1.3Pa、SP値=30.6
水:粘度=0.87mPa・s、蒸気圧=3.16kPa
上記特性値は、いずれも25℃における値である。
〈溶媒及び水の混合溶媒の粘度特性〉
上記各溶媒と水との溶媒セットについて、混合比を溶媒:水として、100:0〜0:100まで、10質量%ずつ変化させた各溶媒を調製し、それらの混合溶媒の粘度を測定し、得られた結果を下記の通りである。
上記各溶媒と水との溶媒セットについて、混合比を溶媒:水として、100:0〜0:100まで、10質量%ずつ変化させた各溶媒を調製し、それらの混合溶媒の粘度を測定し、得られた結果を下記の通りである。
DPGmME/水の溶媒組成:DPGmME:水が80:20の混合条件で、極大粘度(6.2mPa・s)を示した。
TEGmBE/水の溶媒組成:TEGmBE:水が80:20の混合条件で、極大粘度(9.8mPa・s)を示した。
1,3−BDO/水の溶媒組成:1,3−BDOの比率が増えるにつれ、粘度は単調に増加した。1,3−BDO/水が60:40の混合条件で、粘度は11.1mPa・sであった。
t−BuOH/水の溶媒組成:t−BuOH:水が60:40の混合条件で、極大粘度(4.0mPa・s)を示した。
DEG/水の溶媒組成:DEGの比率が増えるにつれ、粘度は単調に増加した。DEG/水が60:40の混合条件で、粘度は6.6mPa・sであった。
尚、粘度は、振動式粘度計ビスコメイトVM−1A−L(山一電機社製)により測定し、いずれも25℃における値である。
《インクの評価》
〔分散安定性の評価〕
上記調製した各インク100mlを蒸発が起きないように密閉したサンプル瓶に入れ、長期間の保存性を短期間で評価するため、それらを温度可変式の恒温槽で4週間保管した。ここで温度は、40℃で10時間保存した後、4時間かけて5℃まで低下させ、そのまま6時間保存した後、4時間かけて40℃まで昇温させ、これを繰り返すように設定した。保管前後、粘度と粒径を測定し、保管前後の変化率を求め、以下の基準に従い分散安定性の評価を行った。
〔分散安定性の評価〕
上記調製した各インク100mlを蒸発が起きないように密閉したサンプル瓶に入れ、長期間の保存性を短期間で評価するため、それらを温度可変式の恒温槽で4週間保管した。ここで温度は、40℃で10時間保存した後、4時間かけて5℃まで低下させ、そのまま6時間保存した後、4時間かけて40℃まで昇温させ、これを繰り返すように設定した。保管前後、粘度と粒径を測定し、保管前後の変化率を求め、以下の基準に従い分散安定性の評価を行った。
粘度は、振動式粘度計ビスコメイトVM−1A−L(山一電機社製)により測定した(25℃)。また、粒径は、各インクを1000倍に希釈した後、ゼータサイザー1000(マルバーン社製)の散乱強度分布測定により5回粒径を測定し、測定値を算術平均して各粒径を求めた。
(粘度)
◎:粘度変化率が3%未満
○:粘度変化率が3%以上、5%未満
△:粘度変化率が5%以上、10%未満
×:粘度変化率が10%以上
(粒径)
◎:粒径変化率が3%未満
○:粒径変化率が3%以上、5%未満
△:粒径変化率が5%以上、10%未満
×:粒径変化率が10%以上
〔形成画像の評価〕
(印字後のカール特性の評価)
ノズル口径が25μm、吐出インク液滴量が4pl、ノズル数が256のシェアモードピエゾ型記録ヘッドを記録材料の幅手方向に10個並列に配置して、1色当たりのノズル解像度1440dpi(本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す)、ノズル総数が2560個のラインヘッド方式のインクジェットプリンタ用い、このインクジェットプリンタに上記調製した各インクをそれぞれ装填し、液滴速度8m/sec、インク液滴量4plとなるように記録ヘッドの駆動電圧を調整した。
◎:粘度変化率が3%未満
○:粘度変化率が3%以上、5%未満
△:粘度変化率が5%以上、10%未満
×:粘度変化率が10%以上
(粒径)
◎:粒径変化率が3%未満
○:粒径変化率が3%以上、5%未満
△:粒径変化率が5%以上、10%未満
×:粒径変化率が10%以上
〔形成画像の評価〕
(印字後のカール特性の評価)
ノズル口径が25μm、吐出インク液滴量が4pl、ノズル数が256のシェアモードピエゾ型記録ヘッドを記録材料の幅手方向に10個並列に配置して、1色当たりのノズル解像度1440dpi(本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す)、ノズル総数が2560個のラインヘッド方式のインクジェットプリンタ用い、このインクジェットプリンタに上記調製した各インクをそれぞれ装填し、液滴速度8m/sec、インク液滴量4plとなるように記録ヘッドの駆動電圧を調整した。
次いで、記録材料として、A4サイズのコニカミノルタビジネステクノロジー社製のビジネスクラス普通紙を用いて、搬送方向がAサイズの短辺長となるようにして、23℃、30%RHの環境下、10ppmの印字速度(1分間にA4サイズの普通紙を10枚プリントする速度)にて、解像度1440dpi×1440dpiで、200mm×280mmのベタ画像を印字した。次いで、この印字した普通紙を、23℃、20%RHの環境下で平らな台上で印字面を上にして1週間放置し、次いで四隅の浮き上がり高さを測定した。なお、中央部が浮き上がる負カールの試料については、上下を逆にして更に1日放置した後、四隅の浮き上がり高さを測定した。以上のようにして四隅の浮き上がり高さを測定し、下記の基準に従って、カール特性を評価した。
◎:ほとんど平坦で、四隅で最も浮いている箇所でも、浮き上がり高さが5mm未満である
○:四隅で最も浮いている箇所の浮き上がり高さが5mm以上、10mm未満である
△:四隅で最も浮いている箇所の浮き上がり高さが10mm以上、20mm未満である
×:四隅で最も浮いている箇所の浮き上がり高さが20mm以上、または円筒状に丸まってしまい、測定不可である
(フェザリングの評価)
上記方法により、解像度1440dpi×1440dpiで、50mm×50mmのベタ画像を印字した。ベタ画像の印字部と非印字部の境界のひげ状の輪郭の乱れを、輪郭が激しく乱れているものを×、輪郭がシャープで乱れが全くないものを◎として目視により4段階で評価した(良◎>○>△>×劣)。
○:四隅で最も浮いている箇所の浮き上がり高さが5mm以上、10mm未満である
△:四隅で最も浮いている箇所の浮き上がり高さが10mm以上、20mm未満である
×:四隅で最も浮いている箇所の浮き上がり高さが20mm以上、または円筒状に丸まってしまい、測定不可である
(フェザリングの評価)
上記方法により、解像度1440dpi×1440dpiで、50mm×50mmのベタ画像を印字した。ベタ画像の印字部と非印字部の境界のひげ状の輪郭の乱れを、輪郭が激しく乱れているものを×、輪郭がシャープで乱れが全くないものを◎として目視により4段階で評価した(良◎>○>△>×劣)。
(裏抜け性の評価)
上記で作成した試料の裏面を目視観察し、下記の基準に従って裏抜け性の評価を行った。
上記で作成した試料の裏面を目視観察し、下記の基準に従って裏抜け性の評価を行った。
◎:裏面にインクの滲み、裏抜けが全く認められない
○:裏面にインクの滲み、裏抜けが僅かに認められる程度であり許容される品質である
△:裏面にインクの滲み、裏抜けがやや認められるが、裏面印刷に際し気にならない程度である
×:裏面にインクの滲み、裏抜けがかなり認められ、裏面印刷に際し許容されない品質である
(擦過性の評価)
記録材料としてコニカミノルタフォトイメージング社製インクジェット写真用紙光沢厚手を用いた以外は同様にして、解像度1440dpi×1440dpiで、50mm×50mmのベタ画像を印字した。次いで、この印字画像を、23℃、20%RHの環境下で平らな台上で印字面を上にして1時間放置した後、画像をキムワイプS−200(クレシア製)にて5回こすり画像濃度低下の程度を以下のようにグレード分類した。
○:裏面にインクの滲み、裏抜けが僅かに認められる程度であり許容される品質である
△:裏面にインクの滲み、裏抜けがやや認められるが、裏面印刷に際し気にならない程度である
×:裏面にインクの滲み、裏抜けがかなり認められ、裏面印刷に際し許容されない品質である
(擦過性の評価)
記録材料としてコニカミノルタフォトイメージング社製インクジェット写真用紙光沢厚手を用いた以外は同様にして、解像度1440dpi×1440dpiで、50mm×50mmのベタ画像を印字した。次いで、この印字画像を、23℃、20%RHの環境下で平らな台上で印字面を上にして1時間放置した後、画像をキムワイプS−200(クレシア製)にて5回こすり画像濃度低下の程度を以下のようにグレード分類した。
◎:色落ちが全くなし
○:若干の色落ちはみられるが、画像としては気にならない
△:色落ちが確認でき、画質が低下
×:色落ちが大きく、画質への影響が大
以上により得られた各評価結果を、表4に示す。
○:若干の色落ちはみられるが、画像としては気にならない
△:色落ちが確認でき、画質が低下
×:色落ちが大きく、画質への影響が大
以上により得られた各評価結果を、表4に示す。
表3に記載の結果より明らかなように、本発明外の溶剤または分散剤を用いたインクにおいては、長期の保存安定性に乏しく、また記録画像においてもカール、フェザリング、裏抜け性、擦過性のいずれかあるいはすべての性能において劣る結果となった。
これに対して本発明のインクにおいては、長期間の保存に耐え、カール、フェザリング、裏抜け性、擦過性の優れた画像を形成できることがわかった。
Claims (4)
- 少なくとも水、水溶性有機溶剤および顔料を含有し、水の含有量が全インク質量の10質量%以上50質量%未満であるインクジェットインクにおいて、該水溶性有機溶剤のうちに、SP値が16.5以上24.6(MPa)1/2未満の水溶性有機溶剤を全インクの30質量%以上含有し、かつ顔料は、下記一般式(1)で表される高分子化合物を用いて分散されていることを特徴とするインクジェットインク。
一般式(1)
−(A)a−(B)b−(C)c−
(式中、A、B、Cは高分子化合物を構成する単量体を表し、a、b、cはそれぞれの単量体の高分子化合物中における構成モル比率を表す。Aはカルボン酸またはスルホン酸の酸性基およびその塩誘導体を含有する単量体であり、Bは下記一般式(2)で表される部分構造を含有する単量体である。Cはその他の重合可能な単量体を表す。a、b、cはそれぞれ各単量体のモル%を表す数字であり、aは0〜60、bは4〜80、cは0〜60であり、また、a+c>20である。)
- SP値が16.5以上24.6(MPa)1/2未満の水溶性有機溶剤の25℃における蒸気圧が0.01Pa以上、133Pa以下であることを特徴とする請求項1記載のインクジェットインク。
- SP値が16.5以上24.6(MPa)1/2未満の水溶性有機溶剤は、水とを混合した際にその混合比により粘度の極大部を示す有機溶剤であり、かつインクジェットインク中、水と水溶性有機溶剤とは、前記粘度の極大部近傍の比率で混合されていることを特徴とする請求項1または2記載のインクジェットインク。
- 前記顔料は、C.I.ピグメントイエロー138またはC.I.ピグメントイエロー150であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のインクジェットインク。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005348926A JP2007153976A (ja) | 2005-12-02 | 2005-12-02 | インクジェットインク |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005348926A JP2007153976A (ja) | 2005-12-02 | 2005-12-02 | インクジェットインク |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2007153976A true JP2007153976A (ja) | 2007-06-21 |
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ID=38238752
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005348926A Pending JP2007153976A (ja) | 2005-12-02 | 2005-12-02 | インクジェットインク |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007153976A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009221251A (ja) * | 2008-03-13 | 2009-10-01 | Fujifilm Corp | インクジェット記録用インクセット |
JP2017082106A (ja) * | 2015-10-28 | 2017-05-18 | 株式会社リコー | インク及びその製造方法、並びにインク収容容器 |
US10273373B2 (en) | 2016-03-17 | 2019-04-30 | Ricoh Company, Ltd. | Ink and method for producing same, and ink stored container, printing method, and printing apparatus |
-
2005
- 2005-12-02 JP JP2005348926A patent/JP2007153976A/ja active Pending
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