JP2010137355A - 搬送装置及びそれに用いられるシート - Google Patents

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Abstract

【課題】横断面が略U字形状のレール又はケーシングと、前記レール又はケーシングに形成された開口部を覆うシートとを有する搬送装置において、シートの経年変化による伸びに対応してレールとシートとを常時密着させるとともに、搬送装置のコンパクト化が可能となる搬送装置及びそれに用いられるシートを提供する。
【解決手段】スライダ80の上部に設けられて、シート2の張り渡し方向をスライダ80の上方を迂回させるように転換する方向転換部10と、補償手段100とを備え、方向転換部10は、シート2の張り渡し方向を転換する第一の方向転換部20と、第二の方向転換部30とを有し、第一の方向転換部20はシート2に張力を与え、第二の方向転換部30はレール71上面との間にシート2を挟み、補償手段100は、シート2の経年変化による伸びを緩和するように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、産業機械等に用いられる搬送装置に係り、特に、一対のレール袖部をもち横断面が略U字形状のレール内にスライダを配置した、又は、略U字形状のケーシング内部に、ボールねじ等の駆動伝達機構と、ケーシング長手方向に沿って移動するスライダを内部に備えた直動ユニット(スライダに送り機構を一体化したものを含む)と、前記レール袖部間の凹部又はケーシング上面の開口部を覆うように前記レール又はケーシングに沿って張り渡されるとともに、自身両端が固定されてなる可撓性のシートとを有する搬送装置及びそれに用いられるシートに関する。
この種のシート(防塵カバーと呼ばれることがある。)を有する搬送装置としては、例えば、特許文献1に示された例がある。この特許文献1に記載の技術では、一対のレール袖部間の凹部の開口部を覆う可撓性のシートを、スライダ端部で方向転換し、スライダユニットの上方に迂回するようにして張り渡している。これにより、シートを組付けた搬送装置の断面寸法及び長手寸法をコンパクトに構成することができる。
実公平5−29829号公報 特開平8−85090号公報(段落0018) 実開平2−15245号公報(第1図)
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、シートを組付けた搬送装置の断面寸法及び長手寸法をコンパクトに構成することができるものの、可撓性のシートとフレームとの密着性を常時確保するための手段が設けられていない。そのため、スライダユニットのストローク中にフレームとガイドローラーとの距離が変動した場合には、シートがフレームに密着せずに、相互間に隙間が生じてレール袖部間の凹部内に異物が侵入する可能性がある。また、シートに常時張力を与える手段を有しないため、特にスライダユニットの高速移動の際などに、シートが浮き上がって隙間が生じ、内部に異物が侵入する可能性がある。
さらに、従来、シートの材料は金属材料(例えば、SUS304−CSPを熱処理したもの)が採用されており、このような材料によるシートは、薄板で構成したとしても繰り返し曲げ疲労による破損を回避するため、ガイドローラーの径を可級的に小さくすることができず、一層のコンパクト化が困難であった。また、スチールビーズやスパッタ等の異物環境下で薄板状の金属製シートを使用した場合、シートと前記異物とのこすれにより、シートの耐久性の著しい低下を招く可能性がある。
また、特許文献2に記載された技術によれば、ばねでフレームにシートを押し付けることで、押付部ではフレームとシートとの密着性を常時確保できるが、押付部から離れた位置ではフレームとシートとの密着性を常時確保するための手段がなく、密着性が不足する場合がある。また、長時間の使用によってシートが伸び、フレームとシートとの間に隙間が生じる可能性がある。さらにまた、シートに常時張力を与えることもできないため、高速移動の際などシートが浮き上がってスキマが生じ異物が侵入する可能性がある。
さらに、特許文献3に記載された技術によれば、シートに常時張力を作用させることができるが、部品点数が増え、大幅なコストアップになると共に、張力付与手段を、シートを構成する部材と別に設けているため、搬送装置のサイズが特に長手方向で大きくなってしまう問題がある。また、シートの経年変化による自由長さの伸びについては、対策が一切講じられていない。
そこで、シートとしては、ある程度の伸縮性を備えており、十分な引張強度、耐磨耗性、耐熱性を備えた材料、例えば表面にコーティングを施した耐熱布地などを用いることが好ましい。このように材料を採択することで、従来の薄板等の金属製のシートに対して、シートをスライダの上方に迂回する際、繰り返しの曲げによる疲労の影響を除外できるため、方向転換を行うガイドロールの径を可及的に小さくすることができ、搬送装置の全高寸法等を小さくすることができる。
しかし、耐熱布地のようにある程度の伸縮性を備えたシートは、張力を付加したまま長時間使用していると、その自由長さに伸びが生じてしまい、シート自身の張力が抜け、略U字形状のレール又はケーシングとシートとの間に隙間が発生し、防塵カバーとしての機能に支障が生じる問題があった。
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、横断面が略U字形状のレール、又は、略U字形状のケーシング内部に、ボールねじ等の駆動伝達機構と、レール又はケーシング長手方向に沿って移動するスライダを内部に備え、その上面の開口部を覆うシートとを有する搬送装置において、シートの経年変化による伸びに対応してレールとシートとを常時密着させるとともに、搬送装置のコンパクト化を可能とし得る搬送装置及びそれに用いられるシートを提供することを目的としている。
本発明の請求項1に係る搬送装置は、横断面が略U字形状のレール内にスライダを配置した、又は略U字形状のケーシング内部に、駆動伝達機構と、前記ケーシング長手方向に沿って移動するスライダとを備えた直動ユニットと、前記レール又はケーシングに形成された開口部を覆うように前記レール又はケーシングに沿って張り渡されるとともに、両端部が固定されてなる可撓性のシートと、
前記スライダに設けられて、前記スライダの移動方向に沿って、前記シートを収容するスライドユニットと、
前記スライドユニットに設けられて、前記シートの張り渡し方向を前記スライダを迂回させるように転換する方向転換部とを備える搬送装置であって、
前記シートの経年変化による伸びを緩和する補償手段が設けられたことを特徴としている。
本発明に係る搬送装置では、シートの材料として布地を採択した場合であっても、補償手段がシートの経年変化による伸びを緩和するので、フレームとシートとの密着性を常時確保することもできる。
また、本発明の請求項2に係る搬送装置は、請求項1に記載の搬送装置において、前記補償手段が、前記シートの経年変化による伸びに応じて前記シートの経路長を長くする手段であることを特徴としている。
また、本発明の請求項3に係る搬送装置は、請求項1に記載の搬送装置において、前記補償手段が、前記シートに対して張力を付与する手段であることを特徴としている。
また、本発明の請求項4に係る搬送装置は、請求項1に記載の搬送装置において、前記方向転換部が、前記スライドユニットに収容された前記シートを張架する複数の第一の方向転換部材と、前記スライドユニットに収容された前記シートを押さえつけて、前記開口部を覆うように前記シートを案内する第二の方向転換部材とを有し、
前記補償手段として、前記第一の方向転換部材を少なくとも上方又は前記スライドユニットの移動方向に付勢する付勢手段を有すること特徴としている。
本発明に係る搬送装置では、補償手段として、前記第一の方向転換部材を上方又は前記スライドユニットの移動方向に付勢する付勢手段を設けた。特許文献2では、フレームとシートとの密着性を確保するため、本発明における第二の方向転換部材に付勢する付勢手段を有してフレームにシートを押し付けている。このような構成においては、シートの自由長さの伸びに追従することができない。シートとフレームとを密着させる以上の付勢力をシートに付与することができないからである。本発明は、このような付勢手段を設けることによって、前記シートに金属製の薄板ではなく、布地を採用した場合でも、前記付勢手段が前記第一の方向転換部材に付勢して、前記シートの経年変化による伸びを解消することができる。
また、本発明の請求項5に係る搬送装置は、請求項1〜4のいずれかに記載の搬送装置において、前記シートが布地であることを特徴としている。
また、本発明の請求項6に係る搬送装置は、請求項5に記載の搬送装置において、前記シートが防火布であることを特徴としている。
また、本発明の請求項7に係る搬送装置は、請求項1に記載の搬送装置において、前記スライドユニットが、前記スライダに固定されたスライドベースと、該スライドベースの移動方向の両端部に着脱可能に設けられたガイドロール支持ブロックとを有し、前記第一の方向転換部材が前記スライドベースに設けられ、前記第二の方向転換部材が前記ガイドロール支持ブロックに設けられたことを特徴としている。
本発明に係る搬送装置では、方向転換部のうち、シートに下向きに付勢する第二の方向転換部材を各ガイドロール支持ブロックに設けた。シートの交換時には、まず、2つのガイドロール支持ブロックをスライドベースから離脱させて、シートに対する下向きの付勢力を解除する。その後、古いシートの端部に新しいシートの端部を連結して引き抜くことによって、古いシートと新しいシートとを入れ替える。その後、スライドベースの両端部において、第二の方向転換部材をシートに下向きに押さえつけた状態で、各ガイドロール支持ブロックをスライドベースに設置する。このように、スライドベースに着脱可能とされたガイドロール支持ブロックに第二の方向転換部材が取付けられているため、シートの交換時には、ガイドロール支持ブロックをスライドベースに固定するだけで第二の方向転換部材によるシートへの下向きの付勢が容易になされる。また、シートの張力を損なうことなく、スライドベースの上面に搭載物が取付けられている状態のまま、容易かつ確実にシートの交換を行うことができる。
また、本発明の請求項8に係る搬送装置は、請求項1に記載の搬送装置において、前記スライダと前記レールには、それぞれ転動体転動溝が形成され、前記スライダの転動体転動溝と前記レールの転動体転動溝との間に転動体が配置されることを特徴としている。
また、本発明の請求項9に係るシートは、横断面が略U字形状のレール内にスライダを配置した、又は略U字形状のケーシング内部に、駆動伝達機構と、前記ケーシング長手方向に沿って移動するスライダとを備えた直動ユニットと、
前記スライダに設けられて、前記スライダの移動方向に沿って、前記レール又はケーシングに形成された開口部を覆うように前記レール又はケーシングに沿って張り渡される可撓性のシートを収容するスライドユニットと、
前記スライドユニットに設けられて、前記シートの張り渡し方向を前記スライダを迂回させるように転換する方向転換部と、前記シートの経年変化による伸びを緩和する補償手段とを備える搬送装置に用いられるシートであって、
布であることを特徴としている。
本発明に係るシートの材料として布を採用することによって、従来のSUS304材等の薄板の金属製のシートに対して、シートをスライダユニットの上方に迂回する際、繰り返しの曲げによる疲労の影響を除外できる。そして、シートを方向転換する方向転換部がガイドロールのような転がり支持の部材を用いた場合、該ガイドロールの径を可及的に小さくすることができ、結果として搬送装置の全高寸法等を小さくすることができる。
また、本発明の請求項10に係るシートは、請求項9に記載のシートにおいて、防火布であることを特徴としている。
本発明に係るシートの材料として防火布を採用することによって、スパッタ等の異物が存在する環境下でも、シートの寿命の低下を招くことがない。
また、本発明の請求項11に係るシートは、請求項9又は10に記載のシートにおいて、該シートが固定されるための固定部材が端部に設けられたことを特徴としている。
上述のように、本発明に係る搬送装置によれば、シートの経年変化による伸びに対応してレール又はケーシングとシートとを常時密着させるとともに、搬送装置のコンパクト化を可能とし得る搬送装置及びそれに用いられるシートを提供することができる。
本発明に係る搬送装置の第一実施形態の説明図であり、同図(a)はその平面図、同図(b)は、側面から見た、搬送方向に沿った断面図である。 本発明に係る搬送装置の直動案内ユニットの構成を示す図であり、同図(a)はその平面図、同図(b)はその側面図、また、同図(c)は、同図(b)でのZ−Z断面を示している。 同図(a)は、第一実施形態における第一の方向転換部の位置で正面から見た断面図、同図(b)は、第二の方向転換部の位置で正面から見た断面図である。 本発明に係る搬送装置の第一実施形態の側面図である。 本発明に係る搬送装置の第一実施形態の正面図である。 本発明に係る搬送装置の第一実施形態の変形例として用いられるブラシシールの概要を示す図であり、(a)は斜視図、(b)はブラシシールを搬送装置に設置したときの側面図、(c)は、スクレーパと共に搬送装置にブラシシールを設置したときの側面図である。 本発明に係る搬送装置の第一実施形態において用いられるカバー押さえ板の変形例を示す側面図である。 第二実施形態の側面から見た断面図である。 同図(a)は、第二実施形態の、第一の方向転換部の位置で正面から見た断面図、同図(b)は、第二の方向転換部の位置で正面から見た断面図である。 第二実施形態の側面図である。 第三実施形態の側面から見た断面図である。 本発明に係る搬送装置の第四実施形態の構成を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)の側面から見た断面図である。 本発明に係る搬送装置の第四実施形態の構成を示す正面図である。 本発明に係る搬送装置の第五実施形態の構成を示す側面から見た断面図である。
以下、本発明に係る搬送装置の実施形態について図面を参照して説明する。
以下、本発明の実施形態について図面を適宜参照しつつ説明する。
<第一実施形態>
まず、第一実施形態について説明する。図1は、本発明に係る搬送装置の第一実施形態の説明図であり、同図(a)はその平面図、同図(b)は、側面から見た、搬送方向に沿った断面図である。また、図2は、本発明に係る搬送装置の直動案内ユニット部分の構成を示す図であり、同図(a)はその平面図、同図(b)はその側面図、同図(c)は、同図(b)でのZ−Z断面を示している。また、図3(a)には図1での第一の方向転換部の位置で正面から見たA−Aにおける断面図を、図3(b)には図1での第二の方向転換部の位置で正面から見たB−Bにおける断面図を示し、図4には、本発明に係る搬送装置の一実施形態の側面図を示し、図5にその正面図を示す。
なお、本発明に係る搬送装置は、横向きにしたり、立てて使用することがあるため、本実施形態の説明では、レール又はケーシングの開口部が開口する向きを上方として説明する。
図1に示すように、この搬送装置1は、レール71と、そのレール71に沿ってスライド移動可能に設けられたスライダ80とを有する直動案内ユニット70を備えて構成されている。そして、このレール71の開口部を覆うように、可撓性のシート2がレール71上面に沿って張り渡されており、さらに、スライダ80の上部には、可撓性のシート2の張り渡し方向を、スライダ80の上方を迂回させるように転換する方向転換部10が付設されており、この方向転換部10とスライダ80とによって、スライドユニット3が構成されている。
この搬送装置1の直動案内ユニット70は、図2に示すように、横断面が上向き略U字状をなすレール71を案内部材として備えている。このレール71は、一対のレール袖部73と、その一対のレール袖部73相互を繋ぐ連結部であるレール基部72と、が一体構造をなして構成されている。そして、一対のレール袖部73間の凹部74内に設けた転動体転動溝75に沿って、転動体77を介して案内されるスライダ80を備え、さらに、このスライダ80に一体的に設けたボールねじ機構を有して構成されている。
詳しくは、同図に示すように、レール71は、その下面に、搬送装置1が固定される固定部材である機台に装着するための装着面71fを有しており、この装着面71fには、機台に装着するための対をなす貫通穴32’が形成されている。
一対のレール袖部73は、レール基部72の幅方向両側それぞれに、被案内部材を搬送すべき方向となるアキシャル方向に沿って対向して立設している。そして、一対のレール袖部73には、同図(c)に示すように、上向き略U字状の凹部74の幅方向内側面に、それぞれ前記アキシャル方向に延びる半円弧状の転動体転動溝75が上下二段に形成されている。ここで、この搬送装置1の直動案内ユニット70を製造する際、レール袖部73の上面は、レール袖部73の内面に形成する転動体転動溝75を加工するときに用いた基準面と同一の基準面を使って研削加工によって仕上げ加工している。
さらに、略U字状をなすレール71の凹部74には、前記アキシャル方向に沿って所定の可動領域で移動可能なスライダ80が配置されている。このスライダ80は、その幅方向両側の外面に、前記一対のレール袖部73の各転動体転動溝75に対向する負荷転動体転動溝76をそれぞれ有している。そして、これら、転動体転動溝75とこれに対向する負荷転動体転動溝76とによって転動体軌道路が構成され、この転動体軌道路に複数の転動体77が介装されることで、一対のレール袖部73に対してスライダ80が相対移動可能になっている。なお、上記転動体77としてはボール、ないしは負荷容量を増すためには、ころを組み込む。
さらに、レール71の凹部74には、外周面に螺旋状のねじ溝を有して前記アキシャル方向に沿って延びるねじ軸82が配設されている。そして、上記のスライダ80は、前記アキシャル方向中央に、このねじ軸82の外径より大きな内径をもつ貫通孔を有しており、この貫通孔に、ねじ軸82が挿通されている。そして、スライダ80の貫通孔内周面には、ねじ軸82のねじ溝と相対向してそのリードに対応する螺旋状のねじ溝が設けられており、さらに、対向するねじ溝同士の間に、多数の転動体60が無限循環可能に介装されることでボールねじ機構が構成されている。これにより、この搬送装置1は、ねじ軸82の入力端部82aに取付けるモータ(不図示)によってねじ軸82を回転することで、スライダ80が軸方向にスライド移動するようになっている。
可撓性のシート2は、レール71の開口部(レール袖部73間の凹部74の開口部)を覆うようにレール71に沿って張り渡されるとともに、自身両端がレール71の両端それぞれに固定されている。
すなわち、本搬送装置1に装着したシート2は、略U字形状のレール71の上面の開口部を覆っており、スライダ80の端部で方向転換し、スライドユニット3の上方に迂回して配置されている。シート2の両端は、図1(b)に示すように、レール71の両端それぞれに、矩形板状をなす金属製のカバー押え板(固定部材)40によって固定されている。
そして、図1に示すように、この搬送装置1は、上述した直動案内ユニット70のスライダ80上に方向転換部10を備えている。方向転換部10は、スライダ80の上部に設けられており、シート2の張り渡し方向をスライダ80の上方を迂回させるように転換している。
以下、この方向転換部10について詳しく説明する。
この方向転換部10は、図1(b)に示すように、シート2の張り渡し方向を転換する第一の方向転換部20及び第二の方向転換部30を有して構成されている。
第一の方向転換部20は、スライダ80の両端部近傍でシート2の張り渡し方向を転換するとともに、シート2をすべり接触で案内するように滑動支持する上方に凸の円弧状の方向転換路をもつ第一の方向転換部材22と、この第一の方向転換部材22をスライダ80の上面上に支持する二つの支持部材24と、この支持部材24と第一の方向転換部材22との間に設けられてシート2に張力を与えるように第一の方向転換部材22を上方にスライド移動させる補償手段100としての、ばね(付勢手段)101とを有する。二つの支持部材24同士の間には、略U字形状のスライドベース11がスライダ80の上部に固定され、支持部材24はスライドベース11に対してボルト等で固定されている。
さらに、このスライドベース11の上部に平板状のテーブル12が載置固定されている。これらスライドベース11とテーブル12との間、および左右の支持部材24とによって囲まれた部分には空間が形成されており、この空間を、スライダ80、スライドベース11及びテーブル12に対して干渉しないように、スライダ80の上方に迂回されたシート2が通過するようになっている。
なお、テーブル12の側面及び正面には、薄板の正面カバー6および側面カバー8が、スライドユニット3の周囲を囲繞するように組みつけられている。また、正面カバー6には、シート2の上に溜まった異物を取り除くために、薄板を折り曲げてシート2の上面と軽く接触するスクレーパ7を備えている。
ここで、シート2の上に溜まった異物を取り除くために、スクレーパ7の代わりに、シート2の上面と接触するブラシシール9を設けてもよい。
ブラシシール9は、図6(a)に示すように、多数の剛毛91を保持したブラシシールブラケット92を有している。そして、図6(b)に示すように、剛毛91の先端がブラシシールブラケット92から突出してシート2の上面と接触するように正面カバー6に配設されている。
剛毛91の材料は金属線(金属細線)が好ましいが、ナイロンやポリプロピレンなどの合成繊維でもよい。ただし、剛毛91の材料として合成繊維を選択した場合、スパッタ等の高熱材がブラシシール9に直接降りかかった際に、剛毛91が溶解するという問題が発生するため、図6(c)に示すように、ブラシシールカバー93を正面カバー6に取り付けることが好ましい。ブラシシールカバー93は、スクレーパ7と同様、金属製薄板鋼板で作製される。
そして、第一の方向転換部20は、スライダ80の端部に近い第一の方向転換部20で、シート2の方向転換を行うとともに、支持部材24との間に設けたばね101によって第一の方向転換部材22をレール71上面より離れる方向(図4の矢印の方向)にスライドさせて、シート2の経路を長くするように付勢し、シート2に張力を与えている。即ち、このばね101は、シート2が経年変化によって伸びる前の経路よりも経路長を長くして、シート2の経年変化による伸びを緩和する補償手段100として機能する。また、このばね101は、シート2が経年変化によって伸びる前の経路から経路を外しやすくして、シート2が経年変化により伸びたときに、その伸びを常時緩和する補償手段100としても機能する。ここで、本実施形態の例では、シート2の張力が10〜100Nとなるように、ばね101の強さを設定した。
また、第二の方向転換部30は、上記支持部材24の外側面にボルト等で固定されている。この第二の方向転換部30は、上記第一の方向転換部20よりもスライダ80の両端から遠い位置に設けられており、シート2をすべり接触で案内するように滑動支持する下方に凸の円弧状の方向転換路をもつ第二の方向転換部材32を有する。そして、この第二の方向転換部材32は、シート2の張り渡し方向を転換するとともに、レール71上面との間にシート2を挟むように構成されている。
ここで、本実施形態の例では、上記第一及び第二の方向転換部20,30において、各方向転換部材22,32の円弧状の方向転換路23,33の周長(シート2を案内する方向転換路の、シート2に接触する外周面の周長)は、同一半径をもつ円の四分円から半円の周長の間とし、シート2をすべり接触で案内している。また、シート2を案内する各方向転換部材22,32の円弧の半径は、シート2の材質が金属製の場合には、繰り返し疲労によるシート2の破損を防ぐために、シート2の板厚の約200倍の大きさとするが、シート2の材質を布地としているので、前記の制約はない。さらに、各方向転換部材22,32の材質は、耐磨耗性とすべり特性に優れたMCナイロン(MC703HL)を使用している。
ここで、シート2は、伸縮性を備え、十分な引張強度、耐摩耗性、耐熱性を備えた材料からなるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択される。シート2としては、例えば、織物や不織布等の布が好ましく、表面にコーティングを施した布等がより好ましく、いわゆる防火布と呼ばれる布が特に好ましい。
防火布の材料としては、パラ系アラミド繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、ポリアリレート繊維、PBO繊維、炭素繊維、メタ系アラミド繊維、PPS繊維、ポリイミド繊維、フッ素繊維、ガラス繊維、レーヨン繊維、チタン繊維、及びそれらの生地表面にアルミ、樹脂をコーティングさせたもの、例えば、「ケブラー(登録商標)」、「ノーメックス(登録商標)」、「アルミナイズドクロス(ジェンテックス社製)」、「トワロン(登録商標)」、「ザイロン(登録商標)」、「コーテッドガラスM(ユニチカ社製)」、「HBCシート(住友電工社製)」、「SGSシート(泰陽株式会社製)」等が挙げられる。
このような材料からなるシート2を採用することによって、スパッタ等の異物が存在する環境下でも、シート2の寿命の低下を招くことがない。また、従来のSUS304材等の薄板の金属製のシート2に対して、シート2をスライダユニット3の上方に迂回する際、繰り返しの曲げによる疲労の影響を除外できるため、シート2を方向転換するガイドロール22,32の径を可及的に小さくすることができ、結果として本発明に係るシート2を装着した搬送装置1の全高寸法等を小さくすることができる。
本実施形態の変形例として、シート2の両端部に、シート2に対して経年変化によって伸びる方向に張力を付与する張力付与手段102を設けてもよい。この張力付与手段102は、付勢手段101と同様に、シート2の経年変化による伸びを緩和するために設けられる手段であるので、付勢手段101と共に設けられても単独で設けられてもよい。具体的には、シート2の両端部には、矩形板状をなす金属製のカバー押え板40が取り付けられている。そして、このカバー押え板40は、前述のようにレール71の両端部それぞれに固定されておらず、図7(a)に示すように、レール71の両端部にシート2を屈曲させるように固定されたL字形状の治具103及びカバー押え板40の何れか一方に係着部104が形成され、何れか他方に係着部104に脱着自在に係合する被係着部105が形成されている。即ち、これら係着部104及び被係着部105と、シート2の長手方向の寸法を抑えつつシート2の経年変化による伸びに対応してシート2の伸び方向の変位を確保するために設けられた治具103とによって張力付与手段102が構成される。そして、係着部104と被係着部105との係合位置を、シート2が伸びる向きに変位させることによってシート2の伸長方向の位置をずらし、シート2の自由長さの伸びを解消して、シート2に一定の張力を維持させることができる。係着部104及び被係着部105の形状は、シート2が伸びる向きには互いに噛合可能とされ、その反対の向きには動きが制限される形状であることが好ましい。なお、この張力付与手段102の構造によれば、必要なスペースがカバー押え板40及び治具103の厚みのみであるため、長手方向にコンパクトな搬送装置1を提供することができる。また、図7(b)に示すように、シート2が伸びる方向に引っ張る弾性部材106をカバー押え板40に取り付けることによって、シート2に伸長方向の張力を与え、経年変化によるシート2の伸びを弾性部材106によって打ち消すことができる。
このように、シート2の材料として伸縮性を有する材料を選択し、かつシート2の自由長さの伸びに追従する付勢手段101や、張力付与手段102を設けたので、レール長等に合わせてシート2の長さを厳密に設定しなくても、第一の方向転換部材22の位置や、カバー押え板40の位置を、シート2が伸びる方向に変位させることによりそれぞれの長さ誤差を吸収できるので、生産性に有利となる。
次に、この搬送装置1の作用・効果について説明する。
この搬送装置1によれば、方向転換部10は、シート2の張り渡し方向を転換する第一の方向転換部20及び第二の方向転換部30を有して構成されており、第一の方向転換部20でシート2に張力を与え、第二の方向転換部30でレール71上面との間にシート2を挟むので、レール71上面とシート2が密着し、U字形のレール71上面の開口部からの異物の侵入を防ぐことができる。特に、第一の方向転換部20は、スライドユニット3内に補償手段100としてばね101を配置したので、布製のシート2の経年変化による伸びを吸収して、シート2に一定以上の張力を常に与えることができる。すなわち、シート2の経年変化による伸びを相殺することでシート2が撓むことによるレール71の上面との隙間の発生を解消するので、長期にわたってレール71上面の開口部からの異物の侵入を防ぐことができる。
さらに、この搬送装置1によれば、第一の方向転換部材22をばね101によって押圧することでスライド移動させて、シート2に張力を与えているため、レール71の長さ等に合わせてシート2の長さを厳密に設定しなくても、第一の方向転換部材22のスライド移動によって、それぞれの長さの誤差を吸収できるので、生産性に有利となる。
また、この搬送装置1の製造方法として、レール袖部73の上面は、レール袖部73の内面に形成する転動体転動溝75を加工するときに用いた基準面と同一の基準面を使って研削加工によって仕上げ加工することにより、この方法で製造された搬送装置1は、スライドユニット3が長手方向にストロークしても、転動体転動溝75に対するレール袖部73の上面の位置関係が高精度に保たれる。そのため、レール71上面とシート2の密着性が一層向上する。
さらにまた、この搬送装置1によれば、スライドユニット3の周囲を囲繞するように正面カバー6及び側面カバー8が装着され、正面カバー6には、シート2の上面に溜まった異物を取り除くために、薄板を折り曲げてシート2と軽く接触するスクレーパ7及びブラシシール9の少なくともいずれかを備えているので、これらと上記シート2との併用によって断面略U宇形状のレール71の内部に異物が侵入することをより確実に防いでいる。そのため、例えば、溶接機などの自動車生産設備等、比較的に異物の多い環境下でも、本発明の仕様の搬送装置を使用することができる。
<第二実施形態>
図8に第二実施形態の側面から見た断面図を、図9(a)には第一の方向転換部20の位置で正面から見たC−Cにおける断面図を、図9(b)には第二の方向転換部30の位置で正面から見たD−Dにおける断面図を、図10に側面図を示す。なお、以降は上記第一実施形態との相違点について述べる。
この第二実施形態では、その第一及び第二の方向転換部20,30は、シート2を転がり接触で案内するために、方向転換部材22,32を、別部材の外筒22c,32cと、軸部22b,32bと、転換部本体22a,32aとで構成している。軸部22b,32bは、金属製であり、転換部本体22a,32aにボルト等で固定されている。MCナイロン(MC703HL)製の外筒22c,32cは、軸部22b,32bに対して回転自在に、わずかな隙間を持って挿入されている。外筒22c,32cは、その外周面が、上記第一実施形態での方向転換路に対応している。なお、外筒22c,32cは、軸部22b,32bに対して長さを短くしている。
ここで、上記第一実施形態と同様に、シート2に張力を与えるために、第一の方向転換部20は、レール71上面よりも離れる方向にスライドさせる必要がある。そこで、この第二実施形態では、支持部材24とスライドベース11との間に補償手段100としてのばね101を設けており、これにより、第一の方向転換部20は、支持部材24の略45度の斜辺に沿って(図10の矢印の方向)にスライドし、転がり接触でシート2を案内するようになっている。そのため、この第二実施形態によれば、すべり接触とした上記第一実施形態の場合よりもシート2や方向転換部材22,32の耐久性が向上する。なお、この第二実施形態では、方向転換部材22,32の、回転する外筒22c,32cを構成するために、外筒22c,32c、軸部22b,32b、転換部本体22a,32a等のスペースが必要となるため、上記第一実施形態よりも、長手方向及び断面方向ともに寸法が大きくなる。
<第三実施形態>
図11に第三実施形態の側面から見た断面図を示す。
この第三実施形態は、スライドユニット3に、更に大きな負荷容量を確保するために、複数のスライダ80,80を組み込んだ例である。本実施形態のように、一のスライドユニット3内に複数のスライダ80,80を組み込んだ場合でも、スライドユニット3の両端部にのみ、上述したような第一及び第二の方向転換部20,30を備えればよい。
<第四実施形態>
図12及び図13は、本発明に係る搬送装置の第四実施形態を示す図である。図12(a),(b)に示すように、本実施形態では、スライドユニット3が、スライダ80の上面に固定されたスライドベース51と、スライドベース51の移動方向の両端部に着脱可能に固定されたガイドロール支持ブロック52とによって構成されている。
スライドベース51は、スライダ80の上面に固定される基部51aと、基部51aの側面に固定される側壁部51b,51bとを有してなる。側壁部51b,51bの移動方向の両端部近傍には、側壁部51b,51bの上面に開口された支持部51c,51cが幅方向に亘るように対応して1対形成される。
ガイドロール支持ブロック52は、図12(b)に示すように、直方体形状をなし、スライドユニット3の移動方向に貫通した貫通孔52aが形成されている。また、貫通孔52a,52aの形成位置に対応してスライドベース51の移動方向の両端部に孔部51d,51dが形成され、ねじ切り加工されている。これら貫通孔52a,52aを通して、孔部51d,51dとねじSが螺合されて、ガイドロール支持ブロック52がスライドベース51に固定される。
また、ガイドロール支持ブロック52には、スライドベース51に対向する面と下面とを貫通する湾曲した貫通孔52bが形成されている。シート2は、この貫通孔52bに挿入される。貫通孔52bの下面側近傍の内側面には、幅方向に対応する位置に切り欠かれた溝形状の支持部(図示せず)が形成されている。
方向転換部10は、第一の方向転換部20と、第二の方向転換部30とを有する。第一の方向転換部20は、第一の方向転換部材22として、円柱形状の軸部22bと、該軸部22bに支持された筒体22cとを有する。また、第二の方向転換部30も、第二の方向転換部材32として、円柱形状の軸部32bと、該軸部32bに支持された筒体32cとを有する。
第一の方向転換部材22は、側壁部51,51のそれぞれに形成された支持部51c,51cに軸部22bの両端部が回転可能に係合するように設置される。支持部51c,51cの底部には、軸部22bを上方に付勢する付勢手段101が設けられている。付勢手段101は、シート2の経年変化による伸びを緩和する補償手段100として設けられている。付勢手段101は、軸部22bを上方に付勢する手段であれば、目的に応じて適宜選択でき、例えば、巻きバネが挙げられる。
第二の方向転換部材32もまた、ガイドロール支持ブロック52に形成された前記支持部(図示せず)に軸部32bの両端部が回転可能に係合するように設置される。なお、貫通孔52b内に形成された前記支持部(図示せず)は、貫通孔52bと同様に下方に開口した形状とされるが、スライドベース51がスライダ80上に固定された際に、貫通孔52bがレール袖部73の上面によって閉じられるので、第二の方向転換部材32が脱落することはない。このように、スライドベース51に設置される1対の第一の方向転換部材22は、内側ガイドロール22として機能し、ガイドロール支持ブロック52に設置される1対の第二の方向転換部材32は、外側ガイドロール32として機能する。
シート2は、レール71の開口部を覆うように、レール71の上面に沿ってスライドユニット3内で張り渡されている。具体的には、図12(b)に示すように、開ロ部を覆うように取り付けられたベルト状のシート2は、外側ガイドロール32,32に対して下側から巻掛けられる。一方、外側ガイドロール32,32に対して下側から巻掛けられたシート2は、内側ガイドロール22,22に対して上側から巻掛けられる。即ち、シート2は、一方の端部側では、開口部を覆った状態から、スライドユニット3内に収容され、外側ガイドロール32、内側ガイドロール22,22、外側ガイドロール32の順で巻掛けられ、スライドユニット3から振り出されて再び開口部を覆ってレール71に固定された他方の端部に至る。
このように、シート2は、スライドユニット3の端部で方向転換され、スライドベース51の上方において迂回するようにして張り渡されている。従って、スライドユニット3の移動を妨げることなく、レール71内への異物の侵入を防止することができる。また、シート2を組付けた搬送装置1の断面寸法及び長手寸法をコンパクトに構成することができる。
<シートの交換方法>
シート2の交換時には、まず、2つのガイドロール支持ブロック52,52をスライドベース51から離脱させて、シート2に対する下向きの付勢力を解除する。その後、古いシート2の端部に新しいシート2の端部を連結して引き抜くことによって、古いシート2と新しいシート2とを入れ替える。その後、スライドベース51の両端部において、外側ガイドロール32をシート2に下向きに押さえつけた状態で、各ガイドロール支持ブロック52,52をスライドベース51に設置する。このように、スライドベース51に着脱可能とされたガイドロール支持ブロック52に外側ガイドロール32が取付けられているため、シート2の交換時には、ガイドロール支持ブロック52をスライドベース51に設置するだけで外側ガイドロール32によるシート2への下向きの付勢が容易になされる。また、シート2の張力を損なうことなく、スライドベース51の上面に搭載物が取付けられている状態のまま、容易かつ確実にシート2の交換を行うことができる。
次に、シートを固定した状態で、外側ガイドロール32を備えたガイドロール支持ブロック52,52をスライドベース51の両端部に取付ける。なお、シート2は伸縮性を備えた材料からなるため、ガイドロール支持ブロック52を取付けると同時に張力も与えることが可能になる。
また、シート2の張力に抗って、ガイドロール支持ブロック52を支持しながら取付ける必要はなく、張力が作用していない、又はまだ張力が小さい範囲より、ねじSを締め付けていくことで、支持も必要なくガイドロール支持ブロック52をスライドベース51の両端部にしっかり固定することができる。
従って、スライドベース51の上面に搭載物が取付けられている状態のままでも、シート2が交換可能であり、交換時間を大幅に減少させることができる。
このように、スライドベースの移動方向両端に、着脱可能にガイドロール収容ブロックを設けたことにより、シート両端の固定部、またはスライダ端部に近いガイドロール部の少なくとも一方にシートの自由長さの伸びに追従した張力付与手段を設けた場合でも、最後に外側ロール収容ブロックを組付けることで、外側ロール収容ブロックを除いた他部品は、張力が作用していない、あるいは張力が未だ小さい状態で組付作業を行えるため、作業性がよい。
なお、本実施形態では、スライドベース及びガイドロール支持ブロックに、内側ガイドロール及び外側ガイドロールをそれぞれ1対ずつ設置したが、各ガイドロールの数はこれより多くてもよい。少なくとも、シートを張架し、上向きに付勢する1対の内側ガイドロールがスライドベースに設けられ、下向きに付勢する1対の外側ガイドロールが両ガイドロール支持ブロックの両端部側に設けられれば、目的に応じて適宜増やしてもよい。
また、図13に示すように、レール袖部73の側面と、スライドベース51の下面とに、それぞれ対向させた板金のカバー部73a,51eが、スライドユニット3の移動方向に沿って延びるように設けられてもよい。カバー部73a,51eが設けられることによって、上述した実施形態よりもさらに防塵性を高めることができる。この防塵性の効果は、搬送装置1を横置き等、水平姿勢とは異なる状態で使用する環境にあって、一層長期間、高防塵性能を維持することができる。
<第五実施形態>
図14は、本発明に係る搬送装置の第五実施形態を示す図である。なお、本実施形態は、スライドユニットの構成を異ならせた以外は、前述した第四実施形態と同様であるので、第一実施形態と同じ符号を付した同様の構成については説明を省略する。図13に示すように、本実施形態では、第一の方向転換部材22の軸部22bを回転可能に支持する支持部51c,51cが、側壁部51b,51bの移動方向の両端面に開口されている。そして、これら支持部51c,51cの底部に、軸部22bを側壁部51b,51bの移動方向に付勢する付勢手段101が設けられている。この付勢手段101は、シート2が経年変化によって伸びる前の経路よりも経路長を長くして、シート2の経年変化による伸びを緩和する補償手段100として機能する。また、この付勢手段101は、シート2が経年変化によって伸びる前の経路から経路を外しやすくして、シート2が経年変化により伸びたときに、その伸びを常時緩和する補償手段100としても機能する。このように、付勢手段101が軸部22bを側壁部51b,51bの移動方向に付勢するように配設されることによって、搬送装置1の長手方向の寸法を短くすることができ、搬送装置の一層のコンパクト化が可能となる。
以上説明したように、上記各実施形態の搬送装置1及びその製造方法によれば、レール71とシート2とを常時密着させるとともに、搬送装置1のコンパクト化が可能である。
なお、本発明に係る搬送装置は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能である。
例えば、上記各実施形態では、スライダ80の両側に配置した第一の方向転換部20の両方に、付勢手段101や張力付与手段102による補償手段100を設けた例で説明したが、これに限定されず、補償手段100はどちらか一方の第一の方向転換部に設けてもよい。
また、例えば上記各実施形態では、シート2の張力が10〜100Nとなるように、補償手段100としての、付勢手段101や張力付与手段102の強さを設定したが、これに限定されず、使用環境や条件に合わせて、付勢手段101や張力付与手段102の付勢力の強さを変えることでシート2の張力を調整してもよい。
また、方向転換部10や、その内部の支持部材24等の形状や構成についても、上記各実施形態に例示した構成に限るものではなく、スライダ80端部で方向転換したシート2に適切な張力を与え、シート2とレール71とが常時密着する構造であれば、種々の形態を採用することができる。
また、例えば上記各実施形態では、搬送装置1の直動案内ユニット70は、レール71に沿ってスライド移動可能に設けられたスライダ80を有するとともに、このスライダ80に一体的に設けたボールねじ機構を有して構成された、案内系と送り系とを一体としたタイプの直動案内ユニットを例に説明したが、直動ユニットは、これに限らず、例えばU字形レール内にスライダのみを配置した直動ユニットとしてもよいし、ボールねじ等の駆動伝達機構と、ケーシング長手方向に沿って移動するスライダとからなる直動装置を組み込んだ略U字形状ケーシングとしてもよい。
1 搬送装置
2 シート
3 スライドユニット
6 正面カバー
7 スクレーパ
8 側面カバー
10 方向転換部
11 スライドベース
12 テーブル
20 第一の方向転換部
22 第一の方向転換部材
24 支持部材
30 第二の方向転換部
32 第二の方向転換部材
40 カバー押え板
60 転動体
70 直動案内ユニット
71 レール
72 レール基部
73 レール袖部
74 凹面
75 転動体転動溝
76 負荷転動体転動溝
77 転動体
80 スライダ
82 ねじ軸
100 補償手段

Claims (11)

  1. 横断面が略U字形状のレール内にスライダを配置した、又は略U字形状のケーシング内部に、駆動伝達機構と、前記ケーシング長手方向に沿って移動するスライダとを備えた直動ユニットと、前記レール又はケーシングに形成された開口部を覆うように前記レール又はケーシングに沿って張り渡されるとともに、両端部が固定されてなる可撓性のシートと、
    前記スライダに設けられて、前記スライダの移動方向に沿って、前記シートを収容するスライドユニットと、
    前記スライドユニットに設けられて、前記シートの張り渡し方向を前記スライダを迂回させるように転換する方向転換部とを備える搬送装置であって、
    前記シートの経年変化による伸びを緩和する補償手段が設けられたことを特徴とする搬送装置。
  2. 前記補償手段が、前記シートの経年変化による伸びに応じて前記シートの経路長を長くする手段であることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
  3. 前記補償手段が、前記シートに対して張力を付与する手段であることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
  4. 前記方向転換部が、前記スライドユニットに収容された前記シートを張架する複数の第一の方向転換部材と、前記スライドユニットに収容された前記シートを押さえつけて、前記開口部を覆うように前記シートを案内する第二の方向転換部材とを有し、
    前記補償手段として、前記第一の方向転換部材を少なくとも上方又は前記スライドユニットの移動方向に付勢する付勢手段を有すること特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
  5. 前記シートが布地であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の搬送装置。
  6. 前記シートが防火布であることを特徴とする請求項5に記載の搬送装置。
  7. 前記スライドユニットが、前記スライダに固定されたスライドベースと、該スライドベースの移動方向の両端部に着脱可能に設けられたガイドロール支持ブロックとを有し、前記第一の方向転換部材が前記スライドベースに設けられ、前記第二の方向転換部材が前記ガイドロール支持ブロックに設けられたことを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
  8. 前記スライダと前記レールには、それぞれ転動体転動溝が形成され、前記スライダの転動体転動溝と前記レールの転動体転動溝との間に転動体が配置されることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
  9. 横断面が略U字形状のレール内にスライダを配置した、又は略U字形状のケーシング内部に、駆動伝達機構と、前記ケーシング長手方向に沿って移動するスライダとを備えた直動ユニットと、
    前記スライダに設けられて、前記スライダの移動方向に沿って、前記レール又はケーシングに形成された開口部を覆うように前記レール又はケーシングに沿って張り渡される可撓性のシートを収容するスライドユニットと、
    前記スライドユニットに設けられて、前記シートの張り渡し方向を前記スライダを迂回させるように転換する方向転換部と、前記シートの経年変化による伸びを緩和する補償手段とを備える搬送装置に用いられるシートであって、
    布であることを特徴とするシート。
  10. 防火布であることを特徴とする請求項9に記載のシート。
  11. 該シートが固定されるための固定部材が端部に設けられたことを特徴とする請求項9又は10に記載のシート。
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