JPH08116618A - 防火シート - Google Patents

防火シート

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JPH08116618A
JPH08116618A JP6275507A JP27550794A JPH08116618A JP H08116618 A JPH08116618 A JP H08116618A JP 6275507 A JP6275507 A JP 6275507A JP 27550794 A JP27550794 A JP 27550794A JP H08116618 A JPH08116618 A JP H08116618A
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JP
Japan
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sheet
heat
fireproof
fire
expandable
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Application number
JP6275507A
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English (en)
Inventor
Masanori Owari
正典 尾張
Yutaka Yanagisawa
豊 柳沢
Tadashi Naruse
正 成瀬
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Furukawa Techno Material Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Techno Material Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 火災時の熱により膨張して耐火断熱層を形成
する熱膨張性網状シート1の両面に、その熱膨張性網状
シートより十分目の細かい耐火性布状物2A、2Bを張
り付けた。熱膨張性網状シート1の網目6の中で、両面
の耐火性布状物2A、2Bが接着されていない。 【効果】 火災時には、熱膨張性網状シートが熱膨張し
て断熱層を形成する。断熱層は、その表面を耐火性布状
物で覆われるため、炎の勢いや対流によって脱落または
目減りすることがない。このため比較的長時間にわたっ
て防火性能を維持できる。平常時には厚さが薄いので、
取り扱いが容易であり、熱の放散性がよい。保護対象
物、現場の状況に合わせて自由に裁断して使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、火災時の熱により厚さ
方向に膨張して遮炎、遮熱性を発揮する防火シートに関
するものである。
【0002】
【従来技術とその問題点】従来、例えば洞道内に布設さ
れた電気ケーブルを火災から守るためには、マット状の
耐火カバーが用いられている。この耐火カバーは、厚さ
数mmのセラミックウールブランケットの両面をガラスク
ロスで覆い、ガラスクロスの周辺を耐熱性の糸で縫い合
わせてマット状にしたものである(実公平3−4005
2号公報)。
【0003】この耐火カバーは、断熱層となるセラミッ
クウールブランケットの厚さにより耐火性能を確保する
ものであるため、耐火性能に応じた厚さが必要である。
このため体積がかさばり、持ち運び、取り扱いが面倒で
あるほか、ケーブルに巻き付ける際にも比較的大きなス
ペースを必要とする。またこの耐火カバーは平常時にお
いても火災時と同じ断熱性能を有するため、これを保護
対象物に被せた状態では、内部から外部への熱の放散が
行われ難くなる。このため例えば熱を発生する電力ケー
ブルなどに被せた場合は、内部に熱がこもってしまい、
電流容量の低下を招くおそれがある。
【0004】また防火性能(火災時の断熱性能)を向上
させるためにはセラミックウールブランケットの厚さを
厚くする以外に方法がなく、厚さをほぼ一定にして(取
扱い易さ等を同じにして)、用途に応じ防火性能にバリ
エーションを持たせることができない。またセラミック
ウールブランケットをガラスクロスで挟んで周辺を縫い
合わせてマット状にしたものであるため、途中で切断す
るとほつれてしまい、施工対象物、現場の状況に合わせ
て自由に裁断して使用することができない。
【0005】以上のような問題点を改良したものとして
は、耐熱性の基布に熱発泡性組成物を積層し、その全面
に多数のスリットを千鳥状に形成した防火用被覆材も公
知である(実公平4−24573号公報)。この防火用
被覆材は、スリットを広げる方向に引き伸ばして網状に
した状態で使用する。このため平常状態では通気性がよ
く内部に熱がこもることがない。また火災時には熱発泡
性組成物が発泡して断熱層を形成し、防火性能を発揮す
る。
【0006】しかしこの防火用被覆材は、発泡により形
成された断熱層が直接炎にさらされるため、炎の勢いや
対流によって断熱層が脱落または目減りすることがあ
り、断熱効果を長い時間維持することが困難である。通
常のケーブルの防火用被覆材では20分以上断熱効果を
維持できることが要求されるが、この防火用被覆材で
は、火災の状況によってはこの要求性能を満足できない
場合がある。
【0007】このほか、熱発泡性の防火ネットも公知で
ある。この防火ネットは、ガラス繊維糸などの耐火材料
で出来たネットに、ディッピング法などにより熱発泡性
塗料を塗着したものである(ドイツのハーバーツ社が製
造販売)。熱発泡性塗料は火災時の熱で30〜40倍に
発泡し、炭化して良好な断熱層を形成する。平常時はネ
ットの状態であるので通気性もよく、かつ比較的軽量で
ある。しかしこの防火ネットも、発泡により形成された
断熱層が直接炎にさらされるため、前記防火用被覆材と
同様の問題がある。
【0008】本発明の一つの目的は、火災時に防火性能
を比較的長時間にわたって維持できる防火シートを提供
することにある。他の目的は、平常時には厚さが薄く、
取り扱いが容易で、比較的熱がこもり難い防火シートを
提供することにある。さらに他の目的は、保護対象物、
現場の状況などに合わせて自由に裁断して使用できる防
火シートを提供することにある。さらに他の目的は、厚
さを変化させずに使用目的に応じた種々のグレードの防
火シートが容易に得られるようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段とその作用】本発明の防火
シートは、上記の目的を達成するため、火災時の熱によ
り膨張して耐火断熱層を形成する熱膨張性網状シートの
両面に、その熱膨張性網状シートより目の細かい不燃布
または難燃布からなる耐火性布状物を張り付けたことを
特徴とするものである(請求項1)。
【0010】この防火シートは、加熱されると、耐火性
布状物の間で熱膨張性網状シートが熱膨張して良好な断
熱層を形成する。熱膨張により形成された断熱層はその
表面を耐火性布状物で覆われているため、炎の勢いや対
流によって脱落または目減りすることがない。したがっ
て比較的長時間にわたって防火性能を維持することが可
能となる。また平常時には厚さが比較的薄いので、取り
扱いが容易である。さらに厚さが薄い上に熱膨張性網状
シートには網目があるため、内側から外側への熱の放散
は比較的容易である。また熱膨張性網状シートの両面に
耐火性布状物を張り付けたものであるため、途中で切断
してもほつれる心配がなく、保護対象物、現場の状況に
合わせて自由に裁断して使用することが可能である。
【0011】本発明の防火シートに使用する熱膨張性網
状シートは、グラファイト、パーライト又は珪酸ナトリ
ウムなどの熱膨張性を有する成分とバインダーを混練し
たゴム状薄板に、多数のスリットを同じ方向に同じ間隔
で横並び方向には互い違いになるように形成し、そのス
リット入りゴム状薄板をスリットを広げる方向に引き伸
ばしたものであることが望ましい(請求項2)。
【0012】グラファイト、パーライト又は珪酸ナトリ
ウムなどの熱膨張性を有する成分とバインダーを混練し
たゴム状薄板は、加熱されると、花火の一種であるへび
玉のように体積が急膨張して良好な断熱層を形成する。
このようなゴム状薄板に上記のようなスリットを形成し
たものは、スリットを広げる方向に伸縮可能であるの
で、スリットの開き具合によって単位面積あたりの熱膨
張性成分の量を任意に設定できる。したがって防火シー
ト全体の厚さを変化させることなく、使用目的に応じた
種々のグレードの防火シートを容易に得ることが可能で
ある。
【0013】本発明の防火シートは、熱膨張性網状シー
トの網目の中で両面の耐火性布状物が接着していない状
態に構成することが望ましい(請求項3)。このように
すると、熱膨張性網状シートが加熱されたときに、厚さ
方向と網目を埋める方向の膨張が阻害されないため、両
面の耐火性布状物の間にほぼ一様な厚さの断熱層を迅速
に形成できる。
【0014】また本発明の防火シートは、熱膨張性網状
シートの網目の中で両面の耐火性布状物が接着されてい
ても、その接着剤が、加熱されると接着状態が維持でき
なくなるようなものであればよい(請求項4)。このよ
うな接着剤を用いれば、加熱されたときに、接着してい
た耐火性布状物が容易に剥がれるため、熱膨張性網状シ
ートの厚さ方向および網目を埋める方向への膨張が阻害
されない。したがって請求項3の場合と同様に、両面の
耐火性布状物の間にほぼ一様な厚さの断熱層を迅速に形
成できる。
【0015】また、本発明の防火シートは、熱膨張性網
状シートの網目の中で両面の耐火性布状物が接着されて
いても、耐火性布状物がフェルト布地のように繊維が積
層されているようなものであればよい。このような耐火
性布状物を用いれば、接着面付近で耐火性布状物の繊維
が剥離して耐火性布状物間が広がるので、熱膨張性網状
シートの厚さ方向および網目を埋める方向への膨張が阻
害されない。したがって請求項3の場合と同様に、両面
の耐火性布状物の間にほぼ一様な厚さの断熱層を迅速に
形成できる。
【0016】また本発明の防火シートは、両面の耐火性
布状物を貫通するように多数の通気孔を形成しておくこ
とが望ましい(請求項5)。このようにすれば、通気性
がよくなるため、さらに内部から外部への熱放散性が良
好になる。
【0017】また本発明の防火シートは、火災時の熱に
より膨張して耐火断熱層を形成する熱膨張性網状シート
の片面に断熱性シート(難燃性発泡プラスチックシート
等)を張り付け、その両面に、前記熱膨張性網状シート
より十分目の細かい不燃布または難燃布からなる耐火性
布状物を張り付けた構成とすることもできる(請求項
6)。
【0018】このようにすると、断熱性シートを設けた
分だけ熱放散性は低下するが、加熱開始直後の熱膨張性
網状シートが熱膨張して断熱層を形成するまで間の断熱
性の不足を、断熱性シートがカバーするため、請求項1
のものよりさらに高い耐火(防火)断熱性能が得られ
る。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。
【0020】〔実施例1〕図1ないし図4は本発明の第
一の実施例を示す。この防火シートは図1および図2に
示すように、熱膨張性網状シート1の両面に耐火性布状
物2A、2Bを接着剤3により張り付けたものである。
熱膨張性網状シート1は、熱膨張性を有するゴム状薄板
を網状に形成したものである。
【0021】熱膨張性を有するゴム状薄板は、グラファ
イト、パーライト又は珪酸ナトリウムなどの熱膨張性を
有する成分とバインダー(ゴムなど)とを混練してシー
ト状にしたものである。具体的には、例えば株式会社古
河テクノマテリアル製のダンシールD(商品名)などが
ある。ダンシールDは難燃ゴムなどのバインダーにグラ
ファイト等の熱膨張成分を混練したもので、加熱される
と体積が10〜20倍に膨張して良好な断熱層を形成す
る。
【0022】このようなゴム状薄板から熱膨張性網状シ
ート1を形成するには、図3に示すように、ゴム状薄板
4に多数のスリット5を同じ方向に同じ間隔で横並び方
向には互い違いになるように形成し、そのスリット5入
りのゴム状薄板4をスリット5を広げる方向に引き伸ば
せばよい。
【0023】熱膨張性網状シート1の両面に張り付ける
耐火性布状物2A、2Bとしては、熱膨張性網状シート
1より十分目の細かい不燃布または難燃布を使用する。
具体的には、例えば炭素繊維やガラス繊維でできた薄い
フェルトや織物などを使用することができる。接着剤3
は、熱膨張性網状シート1と耐火性布状物2A、2Bを
接着できるものであればよい。
【0024】両面の耐火性布状物2Aと2Bは、図2に
示すように、熱膨張性網状シート1の網目6の中では接
着していない。これは、加熱されたときに、熱膨張性網
状シート1が厚さ方向にも、網目6を埋める方向にも自
由に膨張できるようにするためである。なお図2では両
面の耐火性布状物2A、2Bが熱膨張性網状シート1の
網目6の中で接触していないように描かれているが、実
際には両面の耐火性布状物2A、2Bは、柔軟性がある
ので、網目6の中で相互に接触していることもある。ま
た両面の耐火性布状物2A、2Bは、図2に示すよう
に、防火シートの周辺部または少なくとも両側辺部で相
互に接着されていることが好ましい。これは、運搬、施
工時の取り扱いにより、熱膨張性網状シート1と耐火性
布状物2A、2Bが剥離しないようにするためである。
【0025】この実施例の防火シートは以上のような構
成である。この防火シートは、防火処理を施す対象物
(ケーブル等)に巻き付けたり、被せたりして使用され
る。この防火シートの外面(例えば耐火性布状物2A
側)が火災時の熱で加熱されると、耐火性布状物2Aは
ほとんど変化しないが、その内部の熱膨張性網状シート
1が図4のように膨張して、厚さの厚い耐火性の断熱層
7に変化する。これによって防火対象物を火災時の熱か
ら保護する。その後、火災が続いても断熱層7の表面は
耐火性布状物2Aで覆われているため、火炎の勢いや対
流によって断熱層7が脱落したり、目減りしたりするこ
とがなく、比較的長時間にわたって断熱性能を維持する
ことができる。
【0026】この防火シートは、平常状態では従来のマ
ット状の耐火カバーより厚さが格段に薄いので、運搬や
巻き付け作業が容易であり、かつケーブル等に巻き付け
た状態での内側から外側への熱放散性も良好である。ま
た熱膨張性網状シート1と耐火性布状物2A、2Bとが
接着されているため、途中で切断してもほつれる心配が
なく、保護対象物や現場の状況に合わせて自由に裁断し
て使用することができ、施工性に優れている。
【0027】また熱膨張性網状シート1は、スリット5
の広げ具合を加減することにより単位面積あたりの熱膨
張成分の量を調整できる。すなわちスリット5の広げ具
合を小さくすれば網目の小さい熱膨張性網状シートが得
られるので、耐火性布状物2と一体化したときに、単位
面積あたりの熱膨張成分の量が多い、耐火断熱性能の高
い防火シートを構成できる。またスリット5の広げ具合
を大きくすれば網目の大きい熱膨張性網状シートが得ら
れるので、耐火性布状物2A、2Bと一体化したとき
に、単位面積あたりの熱膨張成分の量が少ない、比較的
安価な防火シートを構成できる。したがって防火シート
の厚さを変えずに種々の用途に応じて、防火性能のグレ
ードが異なる各種の防火シートを提供できる。
【0028】〔実施例2〕図5は本発明の第二の実施例
を示す。この防火シートが前記第一の実施例と異なる点
は、一方の耐火性布状物2Aの表面にアルミ箔などの金
属箔8を張り付けた点である。それ以外の構成は前記第
一の実施例と同様であるので、同一部分には同一符号を
付してある。
【0029】この防火シートは、金属箔8側の面を外面
(火炎が当たる面)にして使用される。このようにする
と金属箔8の熱反射機能、遮炎機能が加わるため、第一
の実施例のものより、さらに防火断熱性能が向上する。
なおこの実施例では、金属箔8を一方の耐火性布状物2
Aの表面に張り付けたが、両方の耐火性布状物2A、2
Bの表面に張り付ける構成としてもよい。
【0030】〔実施例3〕図6は本発明の第三の実施例
を示す。この防火シートは、熱膨張性網状シート1の内
面(火炎が当たらない方の面)に断熱性シート9を接着
剤10により張り付け、その両面に耐火性布状物2A、
2Bを接着剤3により張り付けたものである。熱膨張性
網状シート1および耐火性布状物2A、2Bの構成は第
一の実施例と同様である。また一方の耐火性布状物2A
の表面にアルミ箔などの金属箔8を張り付けてあること
は第二の実施例と同様である。断熱性シート9としては
難燃性発泡ポリエチレンシート等を使用することができ
る。具体的には、例えば古河電気工業株式会社製のフネ
ンエース(商品名)等を使用するとよい。
【0031】この防火シートの場合は、熱膨張性網状シ
ート1が一方の耐火性布状物2Aと断熱性シート9の間
に挟まれることになるが、この場合も、熱膨張性網状シ
ート1の網目6の中で、耐火性布状物2Aと断熱性シー
ト9が接着されていない状態にある。この防火シート
は、図5のものに比べると、断熱性シート9が設けられ
ている分だけ火災時の断熱性が向上する。ただし平常時
には断熱性シート9が設けられている分だけ内側から外
側への熱放散性が低下することは否めない。
【0032】〔実施例4〕図7は本発明の第四の実施例
を示す。この防火シートが前記第一の実施例と異なる点
は、熱膨張性網状シート1の網目6の中で、両面の耐火
性布状物2A、2Bが接着剤3により接着されているこ
とである。この場合は接着剤3として、加熱されると接
着状態を維持できなくなるもの、例えば熱可塑性接着剤
などが用いられる。それ以外の構成は前記第一の実施例
と同様であるので、同一部分には同一符号を付してあ
る。
【0033】このように熱膨張性網状シート1の網目6
の中で、両面の耐火性布状物2A、2Bを接着しておく
と、熱膨張性網状シート1と耐火性布状物2A、2Bの
一体性が向上するので、丈夫な防火シートが得られ、取
り扱いや裁断なども容易になる。また耐火性布状物2
A、2Bの間の空気層が少なくなるので内側から外側へ
の熱放散性も良好になる。
【0034】この防火シートは、網目6の中で耐火性布
状物2A、2Bが接着されているが、接着剤3は加熱さ
れると接着状態を維持できなくなるものであるので、火
災時には耐火性布状物2A、2Bの接着力がなくなる。
したがって熱膨張性網状シート1の厚さ方向および網目
を埋める方向への熱膨張が阻害されることはなく、実施
例1の防火シートと同様の防火断熱性能を発揮する。
【0035】なお、この実施例のように網目6の中で両
面の耐火性布状物2A、2Bを接着する構成は、第二ま
たは第三の実施例にも同様に適用できる。ただし第三の
実施例(図6)の場合は、網目6の中で耐火性布状物2
Aと断熱性シート9を接着することになる。
【0036】〔実施例5〕図8は本発明の第五の実施例
を示す。この実施例が前記第四の実施例と異なる点は、
網目6の中で接着された耐火性布状物2A、2Bに、両
者を貫通する通気孔11が形成されていることである。
それ以外の構成は前記第四の実施例と同様であるので、
同一部分には同一符号を付してある。上記のような通気
孔11を形成しておくと、内側から外側への熱放散性が
さらに良好になる。通気孔11は、火災時には熱膨張性
網状シート1の膨張によって塞がれてしまうので、防火
断熱性能に悪影響を及ぼすことはない。
【0037】なお、この実施例のように通気孔11を設
ける構成は、第一ないし第三の実施例にも同様に適用す
ることができる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明の防火シート
は次のような効果がある。 火災時には、熱膨張性網状シートが耐火性布状物の
間で熱膨張して断熱層を形成し、断熱性能を発揮する。
形成された断熱層は、その表面を耐火性布状物で覆われ
るため、炎の勢いや対流によって脱落または目減りする
ことがない。このため比較的長時間にわたって防火性能
を維持することができる。 平常時には厚さが薄いので、取り扱いが容易であ
り、かつ内側から外側への熱の放散が比較的良好であ
る。 途中で切断してもほつれる心配がなく、保護対象
物、現場の状況に合わせて自由に裁断して使用すること
ができ、便利である。 同一厚さでも防火性能の異なるものを種々提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の防火シートの第一の実施例を示す一
部切開平面図。
【図2】 図1の防火シートの断面図。
【図3】 図1の防火シートに使用する、スリット入り
ゴム状薄板を示す平面図。
【図4】 図1の防火シートの一部が加熱されたときの
状態を示す断面図。
【図5】 本発明の防火シートの第二の実施例を示す断
面図。
【図6】 本発明の防火シートの第三の実施例を示す断
面図。
【図7】 本発明の防火シートの第四の実施例を示す断
面図。
【図8】 本発明の防火シートの第五の実施例を示す断
面図。
【符号の説明】
1:熱膨張性網状シート 2A、2B:耐火性
布状物 3:接着剤 4:ゴム状薄板 5:スリット 6:網目 7:耐火断熱層 8:金属箔 9:断熱性シート 10:接着剤 11:通気孔

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】火災時の熱により膨張して耐火断熱層
    (7)を形成する熱膨張性網状シート(1)の両面に、
    その熱膨張性網状シートより目の細かい不燃布または難
    燃布からなる耐火性布状物(2A、2B)を張り付けた
    ことを特徴とする防火シート。
  2. 【請求項2】熱膨張性網状シート(2A、2B)が、グ
    ラファイト、パーライト又は珪酸ナトリウムなどの熱膨
    張性を有する成分とバインダーを混練したゴム状薄板
    (4)に、多数のスリット(5)を同じ方向に同じ間隔
    で横並び方向に互い違いになるように形成し、そのスリ
    ット入りゴム状薄板(4)をスリット(5)を広げる方
    向に引き伸ばしたものからなることを特徴とする請求項
    1記載の防火シート。
  3. 【請求項3】熱膨張性網状シート(1)の網目(6)の
    中で、両面の耐火性布状物(2A、2B)が接着されて
    いないことを特徴とする請求項1または2記載の防火シ
    ート。
  4. 【請求項4】熱膨張性網状シート(1)の網目(6)の
    中で、両面の耐火性布状物(2A、2B)が、加熱され
    ると接着状態を維持できなくなる接着剤(3)により接
    着されていることを特徴とする請求項1または2記載の
    防火シート。
  5. 【請求項5】両面の耐火性布状物(2A、2B)を貫通
    するように多数の通気孔(11)が形成されていること
    を特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の防火
    シート。
  6. 【請求項6】火災時の熱により膨張して耐火断熱層
    (7)を形成する熱膨張性網状シート(1)の片面に断
    熱性シート(9)を張り付け、その両面に、前記熱膨張
    性網状シート(1)より十分目の細かい不燃布または難
    燃布からなる耐火性布状物(2A、2B)を張り付けた
    ことを特徴とする防火シート。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010137355A (ja) * 2008-11-11 2010-06-24 Nsk Ltd 搬送装置及びそれに用いられるシート

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JP2010137355A (ja) * 2008-11-11 2010-06-24 Nsk Ltd 搬送装置及びそれに用いられるシート

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