JP2010137316A - レンズ貼付方法及びレンズ貼付装置 - Google Patents

レンズ貼付方法及びレンズ貼付装置 Download PDF

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Abstract

【課題】加工終了後のレンズの中肉寸法を所望の精度に仕上げることができる。
【解決手段】貼付剤として、粘弾性特性を有するとともに加熱すると流動性が増大する熱融解性貼付剤を用い、貼付皿3および貼付剤を、熱融解性貼付剤が流動性を示す温度まで加熱するとともに、加熱された熱融解性貼付剤をレンズ2のレンズ面に塗布し、熱融解性貼付剤が塗布されたレンズ2を、貼付皿3の貼付面に仮貼り付けし、貼付皿3に仮貼り付けされたレンズ2を、レンズ面の裏面側の中央部を回動支点として回動可能、かつレンズ径方向に移動可能に保持して、貼付皿3側に押圧し、レンズ2のレンズ面を貼付面に倣わせ、レンズ2を貼付面3に倣わせた後、貼付皿3を冷却して、熱融解性貼付剤を固化させることで、熱融解性貼付剤を均一な膜厚寸法とし、レンズ2の中肉寸法の精度を高めるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、レンズを熱融解性貼付剤を介して貼付皿に貼り付けるレンズ貼付方法及びレンズ貼付装置に関する。
従来、レンズ研削研磨装置は、レンズを研削研磨加工するための砥石と、砥石に対してレンズを加圧するための上軸と、上軸側もしくは砥石軸側(下軸側)を揺動駆動するための揺動機構とにより構成されているのが一般的である。そして、研削研磨加工を行う際には、被加工体であるレンズを貼付皿に貼り付ける作業が必要になるが、かかるレンズの貼付方法および貼付装置として、例えば特許文献1、2に記載されている技術がある。
特許文献1、2には、貼付皿に貼り付けるレンズの貼付側のレンズ貼付面に熱融解性貼付剤を供給し、貼付皿を加熱した状態(すなわち貼付剤の融解温度雰囲気中)において、レンズを貼付皿の貼付面に圧着した後、貼付剤が流動性を有する状態に維持しつつ貼付皿の外周とレンズの外周とを一対のチャック爪にて挟持することにより貼付皿とレンズとが正規の位置に貼り付けられるように心出しし、しかる後に、チャック爪による貼付皿とレンズの心出し状態を保持したままレンズおよび貼付皿を冷却媒体中に浸漬して強制冷却し、貼付剤を硬化させるようにしたレンズの貼付方法について記載されている。そして、特許文献2では、レンズの貼付面と貼付皿の貼付面の貼付基準面との距離を貼付高さに保った状態で貼付皿に貼り付けるような構成となっている。
また、研削、研磨加工後に、レンズの中肉寸法を計測する際には、図19に示すように、測定台102の上面102aに貼付皿101のフランジ部101bを当接させ、貼付皿101を固定してレンズ100の面頂100bにダイヤルゲージやマグネスケールなどの計測器103を接触させて中肉寸法が所定の規格に入っているかを検査する。つまり、本測定方法では、貼付皿101に貼り付けたレンズ100の中肉寸法そのものを測定することができないので、貼付皿101のフランジ部101bの下面である基準面101cからレンズ100の面頂100bまでの寸法hに基づいて研削、研磨加工が行われている。
特公平5−67379号公報 特開2003−225852号公報
しかしながら、従来のレンズ貼付方法及びレンズ貼付装置では、以下のような問題があった。
すなわち、特許文献1では、図20(a)に示すように、レンズ100と貼付皿101とを熱融解性貼付剤104を介して圧着する工程において、凸曲面を有するレンズ100の外周面100cと面頂100bとに偏心誤差がある場合に、レンズ100の面頂100bと貼付皿101の中心軸101dとにズレが生じ、貼付皿101の貼付面101aとレンズ貼付面100aとの間の隙間が貼付皿101全面にわたって不均一となる。なお、凹面を有するレンズにおいても同様である。
また、図20(b)に示すように、貼付面100aが平面であるレンズ100の外周面100cと貼付面100aに倒れ誤差がある場合にも、レンズ100の貼付面100aと貼付皿101の貼付面101aとの隙間が不均一となる。そのため、曲面又は平面の貼付面をなすレンズ100と貼付皿101との間の隙間寸法(熱融解性貼付剤104の膜厚寸法)が不均一となり、図19に示すような研削、研磨加工上がりの寸法hを高精度に仕上げても、レンズ100を貼付皿101から剥がしてレンズ100そのものの中肉寸法を測定したときに、所望の中肉寸法の精度が確保されていないという問題があった。
さらに、貼付工程後の研削研磨工程では貼付皿101の中心軸101dを中心にレンズ面が創成されるため、貼付皿101の中心軸101dとレンズ100の光軸100d(2つのレンズ面の面頂を結ぶ線、レンズ面が平面の場合はレンズ平面に直交する線)の厚さをなす中肉寸法として代用できないといった欠点がある。
また、熱融解性貼付剤の膜厚寸法が不均一になるために、レンズが部分的に変形した状態で貼り付いたり、レンズの研削研磨加工中に砥石や研磨皿から受ける加工圧力によってレンズに変形が生じ、研削研磨完了後にレンズを剥がすと、レンズの面精度が低下するという問題があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、加工終了後のレンズの中肉寸法を所望の精度に仕上げることができるレンズ貼付方法及びレンズ貼付装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るレンズ貼付方法では、レンズをそのレンズ面と略相似形状の貼付面を有する貼付皿に、貼付剤を介して貼り付けるレンズ貼付方法であって、貼付剤として、粘弾性特性を有するとともに加熱すると流動性が増大する熱融解性貼付剤を用い、貼付皿および貼付剤を、熱融解性貼付剤が流動性を示す温度まで加熱する工程と、加熱された熱融解性貼付剤をレンズのレンズ面に塗布する工程と、熱融解性貼付剤が塗布されたレンズを、貼付皿の貼付面に仮貼り付けする工程と、貼付皿に仮貼り付けされたレンズを、レンズ面の裏面側の中央部を回動支点として回動可能、かつレンズ径方向に移動可能に保持して、貼付皿側に押圧し、レンズのレンズ面を貼付面に倣わせる工程と、レンズを貼付面に倣わせた後、貼付皿を冷却して、熱溶解性貼付剤を固化させる工程と、を有することを特徴としている。
また、本発明に係るレンズ貼付装置では、レンズをそのレンズ面と略相似形状の貼付面を有する貼付皿に、粘弾性特性を有するとともに加熱すると流動性が増大する熱融解性貼付剤を介して貼り付けるレンズ貼付装置であって、熱融解性貼付剤を熱融解性貼付剤が流動性を示す温度まで加熱して、レンズ面に塗布する加熱塗布部と、貼付皿を、熱融解性貼付剤が流動性を示す温度まで加熱保温する加熱保温部と、熱融解性貼付剤が塗布されたレンズを貼付皿の貼付面に仮貼り付けするレンズ移動機構と、貼付皿に仮貼り付けされたレンズを、レンズ面の裏面側の中央部を回動支点として回動可能、かつレンズ径方向に移動可能に保持して、貼付皿側に押圧するレンズ押圧機構と、レンズ押圧機構の押圧力量および押圧速度を制御する押圧機構制御部とを備えることを特徴としている。
本発明では、流動性が発現する温度に加熱した粘弾性特性を有する熱融解性貼付剤をレンズに塗布し、そのレンズを熱融解性貼付剤の加熱温度に加熱保持された貼付皿に仮貼り付けし、さらにそのレンズにおけるレンズ面の裏面側の中央部を回動支点として回動可能、かつレンズ径方向に移動可能に保持して、貼付皿側に押圧することで、熱融解性貼付剤を貼付皿に沿って均一の厚さ寸法で広げることができ、それに伴ってレンズのレンズ面を熱融解性貼付剤を介して貼付皿の貼付面に倣わせ、さらに熱融解性貼付剤を冷却固化することで、レンズを熱融解性貼付剤を介してその膜厚寸法をばらつきなく均一にした状態で貼付皿に貼り付けることができる。
また、本発明に係るレンズ貼付方法では、貼付皿の貼付面は、その曲率中心をレンズの曲率中心に一致させた状態で、貼付皿とレンズとの間の隙間寸法が均一となる球面をなしていることが好ましい。
本発明では、レンズの球面状のレンズ面を、一定の厚さ寸法となる熱融解性貼付剤を介して貼付皿の球面をなす貼付面に沿って倣わせることで、レンズと貼付皿との間の隙間寸法(熱融解性貼付剤の膜厚寸法)を貼付皿に沿って均一にすることができる。
また、本発明に係るレンズ貼付方法では、レンズを貼付皿に貼り付ける前に、レンズを、その外径中心と貼付皿の中心軸とが一致するようにして位置決めすることが好ましい。
本発明では、レンズを貼付皿に圧着する前に、レンズを、その外径中心と貼付皿の中心軸とが一致するようにして位置決めすることで、レンズ径方向の偏心を小さくすることができ、その偏心が大きな場合に、貼り付け工程後のレンズ研削、研磨工程で偏心によっていわゆるビビリが発生してレンズに欠けが生じるといった不具合を防ぐことができる。
本発明のレンズ貼付方法及びレンズ貼付装置によれば、レンズを貼付皿に熱融解性貼付剤を介してその膜厚寸法をばらつきなく均一に、且つ貼付皿の中心軸とレンズの光軸を一致させて貼り付けることができ、研削研磨加工終了後に貼付皿の所定位置(基準面)からレンズ面頂までの寸法を測定することで、レンズの光軸の厚さをなす中肉寸法として代用できるため、加工終了後の中肉寸法を所定の精度に仕上げることができる。また、加工終了後にレンズを剥がした際のレンズ面精度を向上させることができる。これにより、レンズ加工工程における加工精度、加工品質、加工効率の向上を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態によるレンズ貼付方法及びレンズ貼付装置について、図1乃至図18に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態によるレンズ貼付装置の全体斜視図、図2(a)、(b)は貼付皿の構成を示す図、図3は貼付皿収納ストッカの要部側面図、図4は貼付ユニットの要部側面図、図5(a)、(b)は冷却ユニットの要部側面図、図6はレンズ搬送加圧ユニットおよび貼付皿搬送ユニットの要部斜視図、図7は貼付皿搬送ユニットの要部側面図、図8はレンズ搬送加圧ユニットの要部側面図、図9は熱融解性貼付剤塗布ユニットの要部斜視図、図10は熱融解性貼付剤塗布ユニットの要部側面図、図11はレンズ心出しユニットの要部斜視図、図12(a)、(b)はレンズ心出しユニットの要部説明図、図13(a)、(b)は同じくレンズ心出しユニットの要部説明図、図14は貼付ユニット、冷却ユニット及び冷却搬送ユニットの要部斜視図、図15(a)、(b)は冷却搬送ユニットの要部説明図、図16(a)、(b)は同じく冷却搬送ユニットの要部説明図、図17(a)、(b)は貼付状態を示す側面断面図、図18(a)、(b)はレンズ吸着筒の他の形状による貼付状態を示す側面断面図であって、図17に対応する図である。
図1に示すように、本実施の形態によるレンズ貼付装置1は、作業工程に応じて適宜レンズ2を収納する収納部Sと、貼り付け作業工程を施すための動作部Tと、動作部Tの各ユニットを作業状態に応じて移動させるための搬送部Uとを備えている。
収納部Sは、レンズ2を複数個収納することができるレンズ収納ストッカ10と、貼付皿3を複数個収納することができる貼付皿収納ストッカ12と、レンズ2を貼付皿3に貼り付け終了した完品4を複数個収納することができる完品収納ストッカ18とからなる。
動作部Tは、貼付皿3のフランジ部3aを保持するとともに、貼付皿3を所定の温度に保持する貼付ユニット20と、レンズ2の圧着が終了した貼付皿3を冷却固化する冷却ユニット30と、貼付皿3を貼付皿収納ストッカ12から貼付ユニット20に供給し、完品4を冷却ユニット30から完品収納ストッカ18に収納する貼付皿搬送ユニット40と、レンズ2をレンズ収納ストッカ10から搬出し、位置決めと貼付加圧を行うレンズ搬送加圧ユニット50と、レンズ2のレンズ面2aに熱融解性貼付剤5を塗布する貼付剤塗布ユニット60と、レンズ2の外径中心軸を貼付剤塗布ユニット60および貼付ユニット20の心に一致させる心出しユニット70と、完品4を貼付ユニット20から冷却ユニット30に搬送する冷却搬送ユニット80とを備えて概略構成されている。
なお、貼付ユニット20は本発明の加熱保温部に相当し、レンズ搬送加圧ユニット50は本発明のレンズ移動機構、レンズ押圧機構、及び押圧機構制御部に相当し、貼付剤塗布ユニット60は本発明の加熱塗布部に相当する。
また、搬送部Uは、貼付皿搬送ユニット40およびレンズ搬送加圧ユニット50の位置決めを行う、X軸搬送機構90とY軸搬送機構91とZ1軸搬送機構92とを備えている。
ここで、本実施の形態で使用する貼付皿3について図2などを用いて説明する。
図2(a)に示すように、貼付皿3は、貼付面3aと、フランジ部3bと、係合軸3cとを有している。貼付面3aは、基準面3dより所定の高さ寸法Hの位置となるように形成されている。そして、レンズ加工に際しては、基準面3dを基準として行うので高さ寸法Hの加工公差は、レンズ2の中肉公差より小さくなるように設定されている。
さらに、貼付皿3の貼付面3aに関して、図2(a)に示す凸レンズ2Aの場合と、図2(b)に示す凹レンズ2Bの場合について説明する。
先ず、図2(a)に示すように、凸レンズ2Aのレンズ面2aは所定のレンズ半径寸法Rに形成されているが、対接する凹面に形成された貼付皿3の貼付面3aの貼付皿半径寸法R´は、熱融解性貼付剤5の膜厚寸法tが均一となるように設定されている。ここで、膜厚寸法tが均一となる貼付皿半径寸法R´とは、レンズ面2aと曲率中心が一致し、その曲率半径に熱融解性貼付剤5の膜厚寸法tを加算した曲率半径を有する貼付皿3の貼付面3aまでの寸法である。曲率中心は、貼付皿3の中心軸上におくことにより、貼付皿3の中心軸とレンズ2の光軸を一致させることができる。
一方、図2(b)に示すように、凹レンズ2Bの場合では、レンズ面2aの曲率半径Rに熱融解性貼付剤5の膜厚寸法tを減算した曲率半径を有する貼付皿半径寸法R´からなる貼付皿3が設けられている。なお、貼付時にレンズ2のレンズ面2aに、キズ防止のための保護膜を用いる場合は、熱融解性貼付剤5の膜厚寸法に保護膜の膜厚寸法を加算して設定する。具体的に膜厚寸法として、使用する熱融解性貼付剤5やレンズ2の曲率半径にもよるが、例えば10〜20μmに設定することで良好な結果を得ている。
また、貼付皿3の材質は、反復使用に耐え得るものが好ましく、鋼材やステンレス鋼を用いることが望ましい。さらに、レンズ面の加工方法については、従来では熱融解性貼付剤5が広がり易く、レンズに損傷を与え難い研磨加工(鏡面加工)が用いられることが多いが、本実施の形態では旋削加工でも良好な結果を得ている。
次に、収納部Sの各構成について、さらに具体的に説明する。
図1に示すように、レンズ収納ストッカ10は、レンズ2を収納するための複数の穴部11aを設けた1個または複数個(図1では2個)のレンズパレット11、11を、図示しないノックピンなどの位置決め手段により架台1a上に設置させている。
貼付皿収納ストッカ12は、貼付皿3を収納するための複数の穴部13aを設けた1個または複数個(図1では2個)の貼付皿パレット13、13を、図示しないノックピンなどの位置決め手段により架台1a上に設置させている。
図3に示すように、貼付皿パレット13を設置する加熱台14は、ヒータ15および温度制御機器16により、貼付皿3を所定の温度(例えば、後述する熱融解性貼付剤5の加熱温度と略同温度)に加熱保持する。加熱台14は、断熱材17を介して架台1aに取り付けられ、ヒータ15の熱による架台1aの加熱や熱変形を防止する構成となっている。
図1に示すように、完品収納ストッカ18には、貼り付けが終了した完品4を収納するための複数の穴部19aを設けた1個または複数個(図1では2個)の完品パレット19、19を、図示しないノックピンなどの位置決め手段により架台1a上に配置させている。なお、貼付皿パレット13と完品パレット19は同形状のものを用いることができる。
次に、動作部Tの各構成について、さらに具体的に説明する。
図4に示すように、貼付ユニット20は、貼付台21に貼付皿3を位置決め可能とする係合穴21aが穿設されており、貼付皿3が動かないように、係合穴21aには真空発生器22と接続している穴21bが係合穴21aに連通している。また、貼付台21の内部にはヒータ23が配置されており、ヒータ23および温度制御機器24により、貼付台21を所定の温度に加熱保持する。貼付台21は断熱材25を介して架台1a(図1参照)に取り付けられ、ヒータ23の熱による架台1aの加熱や熱変形を防止している。
図5(a)および(b)に示すように、冷却ユニット30は、冷却台31に貼付皿3を位置決め可能な係合穴31aが穿設されている。また、貼付皿3を冷却するために、冷却台31には、内部に冷却水34が収容され、冷却水循環器32につながる穴31bおよび31cが穿設され、冷却台31は断熱材33を介して架台1a(図1参照)に取り付けられ、冷却による架台1aの変形を防止している。
図6および図7に示すように、貼付皿搬送ユニット40は、搬送部UのZ1軸搬送機構92上のZ1軸搬送加圧ベース93に、レンズ搬送加圧ユニット50とともに並行配置されている。すなわち、貼付皿搬送ユニット40は、シリンダ軸42a先端(下端)に円筒形状の貼付皿吸着筒41を配置した上下自在のシリンダ42と、シリンダ42をZ1軸搬送加圧ベース93に固定するシリンダ取付板43とから構成されている。また、貼付皿3を吸着保持するために、貼付皿吸着筒41には真空発生器44に連通する穴41aが穿設されている。
シリンダ42の収縮時における貼付皿吸着筒41の取り付け位置は、レンズ吸着筒51(後述する)よりも高い位置に配置しており、レンズ吸着筒51がレンズ2をレンズパレット11から取り出す際や貼付ユニット20に供給する際に、貼付皿吸着筒41と各ユニットとの干渉を防止している。逆に、シリンダ42の突き出し時における貼付皿吸着筒41の取り付け位置は、レンズ吸着筒51よりも下の位置となる。
図6および図8に示すように、レンズ搬送加圧ユニット50は、搬送部UのZ1軸搬送機構92上のZ1軸搬送加圧ベース93に配置されている。そして、レンズ搬送加圧ユニット50は、その先端(下端)において円筒形状のレンズ吸着筒51を配置した加圧軸52と、加圧軸52を加圧軸ベース52aを介して上下方向に案内するZ1軸搬送加圧ベース93上に配置されたリニアガイド53と、加圧手段をなす加圧エアシリンダ54と、加圧エアシリンダ54をZ1軸搬送加圧ベース93に固定するシリンダ取付板54bと、加圧軸52および加圧軸ベース52aの落下を防止するストッパ55(図8参照)とから構成されており、加圧エアシリンダ54には電空制御レギュレータ等の圧力制御装置56が接続されている。また、レンズ吸着筒51には、レンズ2を吸着保持するための真空発生器57に繋がる穴51aが穿設されている。
図9および図10に示すように、貼付剤塗布ユニット60は、塗布棒61および塗布棒支持部61aを配置した上下自在のガイド付きエアシリンダ62と、熱融解性貼付剤5を収容する貼付剤槽63と、貼付剤槽63を加熱する加熱台64から構成され、加熱台64の内部にはヒータ65が配置されており、ヒータ65および温度制御機器66により、加熱台64を所定の温度(例えば、後述する熱融解性貼付剤5における流動性が発現する加熱温度)に加熱保持する。加熱台64は断熱材67を介して架台1a(図1参照)に取り付けられ、ヒータ65の熱による架台1aの加熱や熱変形を防止している。
図11、図12(a)及び(b)、図13(a)及び(b)に示すように、心出しユニット70は、レンズ2の外径部を挟持する一対の心出しツメ71、71、および心出しツメ71、71を開閉するエアチャック72からなる心出しチャック73と、心出しチャック73を架台1a(図1参照)に配置するためのエアチャック支持台74とから構成され、心出しツメ71、71にはレンズ2を挟持して心出しするためのV溝71aが形成されている。
図14に示すように、冷却搬送ユニット80は、架台1a(図1参照)上に配置した冷却搬送ユニット架台81と、貼付皿3の外径部を挟持する開閉可能な一対の搬送ツメ82、82を備えた搬送チャック83と、搬送チャック83を上下自在に位置決めするZ2軸搬送機構94、95、およびこれらZ2軸搬送機構94、95をZ2軸X移動ベース96とZ3軸X移動ベース97を介してX軸搬送機構90(図1参照)と平行に案内する冷却搬送ユニット架台81上に配置されたリニアガイド84と、リニアガイド84によって案内されたZ2軸搬送機構94、95を移動させるエアシリンダ85、86と、そのエアシリンダ85、86によって移動するZ2軸搬送機構94、95を位置決めする図示しないストッパおよびショックアブソーバとから構成される。
搬送チャック83は、図示しないストッパにより、貼付ユニット20と冷却ユニット30上の所定の位置に位置決めをすることができる。装置が休止状態の場合、図1に示すように、搬送チャック83は搬送ツメ82を開いた状態で、冷却ユニット30上の所定の高さの位置に退避している。本実施の形態では2個の搬送チャック83、83を具備するが、上述した冷却ユニット30が1個の場合は、搬送チャック83は1個となる。
次に、上述したレンズ貼付装置を用いたレンズ貼付方法について図面に基づいて説明する。
図1および図2に示すように、本実施の形態によるレンズ貼付方法は、貼付剤として、粘弾性特性を有するとともに加熱すると流動性が増大する熱融解性貼付剤5を用い、貼付皿3および貼付剤を、熱融解性貼付剤5が流動性を示す温度まで加熱する工程と、加熱された熱融解性貼付剤5をレンズ2のレンズ面2aに塗布する工程と、熱融解性貼付剤5が塗布されたレンズ2を、貼付皿3の貼付面3aに仮貼り付けする工程と、貼付皿3に仮貼り付けされたレンズ2を、レンズ面2aの裏面側の中央部を回動支点として回動可能、かつレンズ径方向に移動可能に保持して、貼付皿3側に押圧し、レンズ2のレンズ面2aを貼付面3aに倣わせる工程と、レンズ2を貼付面3aに倣わせた後、貼付皿3を冷却して、熱融解性貼付剤5を固化させる工程とを有している。また、本実施の形態では、レンズ2を貼付皿3に貼り付ける前に、レンズ2を、その外径中心と貼付皿の中心軸とが一致するようにして位置決めするようにしている。
具体的には、先ず、図9および図10に示すように、貼付剤塗布ユニット60の貼付剤槽63に熱融解性貼付剤5を収容し、ヒータ65および温度制御機器66により、流動性が発現する温度に加熱保持する。なお、本実施の形態による熱融解性貼付剤5は、例えば石油ピッチが使用され、設定温度を高温にするほど粘性が低くなり、貼り付け時に広がり易い性質のものが使用されるが、高温になると炭化が発生するため、必ず規定された使用温度内で使用する。
例えば、規定使用温度が130℃の熱融解性貼付財5に対しては、設定温度を105〜110℃としている。
次いで、図1に示すように、搬送部UのX軸搬送機構90とY軸搬送機構91を使用し、貼付皿搬送ユニット40を、貼付皿収納ストッカ12上に載置されている貼付皿パレット13の貼付皿3を貼付皿吸着筒41によって吸引搬送可能な所定の位置へ移動させる。そして、図6及び図7に示すように、シリンダ42の先端を突出(下降)させた状態の貼付皿搬送ユニット40を搬送部UのZ1軸搬送機構92によって下降させることで、貼付皿吸着筒41が貼付皿3のフランジ部3b(図2参照)に接触する。そして、貼付皿3に貼付皿吸着筒41が当接したところで、真空発生器44を起動させて貼付皿吸着筒41によって貼付皿3を吸着保持し、シリンダ42を上昇させ、Z1軸搬送機構92によって貼付皿搬送ユニット40を他のユニットが干渉しない所定の位置までを上昇させる。
次に、図1に示すように、X軸搬送機構90とY軸搬送機構91を使用し、貼付皿搬送ユニット40を、図4に示す貼付ユニット20の貼付台21の係合穴21aに、貼付皿吸着筒41に吸引保持した貼付皿3の係合軸3cを挿入して載置可能な位置へ移動させる。ここで、図7に示すように、貼付皿搬送ユニット40のシリンダ42を下降させ、貼付皿搬送ユニット40をZ1軸搬送機構92で貼付皿3の基準面3d(図2参照)が貼付台21に当接する位置まで下降させた後、真空発生器44を停止して貼付皿吸着筒41による貼付皿3の吸着を解除し、シリンダ42により貼付皿吸着筒41を上昇させた後、Z1軸搬送機構92によって貼付皿搬送ユニット40を他のユニットが干渉しない所定の位置まで上昇させ、貼付皿3の供給を完了する。さらに、貼付皿3を図4に示す貼付ユニット20の真空発生器22により貼付台21上に吸引保持する。
そして、貼付皿3は、供給された貼付台21上で、ヒータ23および温度制御機器24により所定の温度に加熱保持される。このときの設定温度は、熱融解性貼付剤5に規定された使用温度内の所定の温度を設定する。
次に、図14に示すように、冷却搬送ユニット80において、冷却ユニット30上の所定の位置に退避している搬送チャック83を、エアシリンダ85(86)により、貼付ユニット20上の所定の位置に移動する。そして、搬送チャック83の一対の搬送ツメ82、82がZ2軸搬送機構94(95)によって貼付皿3を挟持可能な所定の高さに位置決めされ、その一対の搬送ツメ82、82で貼付皿3を挟持する。さらに、図15及び図16に示すように、心出しユニット70の心出しツメ71のV溝71aを用いて、貼付台21の係合穴21aの中心軸Oと貼付皿3の中心軸O1とを一致さるとともに、貼付皿3がレンズ2の圧着時に動かないように保持する。
続いて、図1、図6および図8に示すように、X軸搬送機構90とY軸搬送機構91を使用し、レンズ搬送加圧ユニット50を、レンズ収納ストッカ10上に載置されているレンズパレット11のレンズ2をレンズ吸着筒51によって吸引搬送可能な所定の位置へ移動させる。そして、レンズ搬送加圧ユニット50をZ1軸搬送機構92で所定の高さに下降させ、レンズ吸着筒51をレンズ2の上面に接触させる。ここで、レンズ吸着筒51は、加圧軸52および加圧軸ベース52aを介してリニアガイド53によって案内され、加圧エアシリンダ54の加圧を受けて一定圧力でストッパ55に当接する。レンズ2を吸着する際には、圧力制御装置56により、作動圧力を低くして小さい力量でストッパ55に当接させることで、レンズ2に破損や傷が発生するのを防いでいる。そして、レンズ2にレンズ吸着筒51が当接したところで、真空発生器57によりレンズ吸着筒51でレンズ2を吸着保持し、Z1軸搬送機構92によってレンズ搬送加圧ユニット50を他のユニットが干渉しない所定の位置まで上昇させる。
次に、X軸搬送機構90とY軸搬送機構91を使用し、レンズ搬送加圧ユニット50を、心出しユニット70上においてレンズ2を心出しチャック73で心出し可能な所定の位置へ移動させる。
そして、図11、図12および図13に示すように、レンズ搬送加圧ユニット50をZ1軸搬送機構92で所定の高さに下降させ、レンズ吸着筒51で保持したレンズ2の外径部を、心出しチャック73の一対の心出しツメ71、71によって挟持することにより、心出しツメ71、71のそれぞれのV溝71aを用いて、レンズ2をレンズ吸着筒51の当接面においてスライドさせ、レンズ吸着筒51の中心軸O2とレンズ2の中心軸O3(外径中心に相当する)とを一致させた後、Z1軸搬送機構92によってレンズ搬送加圧ユニット50を他のユニットが干渉しない所定の位置まで上昇させる。
次に、X軸搬送機構90とY軸搬送機構91を使用し、レンズ搬送加圧ユニット50を、貼付剤塗布ユニット60の塗布棒61の中心軸とレンズ吸着筒51の中心軸が一致する位置へ移動させる。
そして、図1、図9および図10に示すように、レンズ搬送加圧ユニット50をZ1軸搬送機構92で下降させて所定の塗布高さに位置決めし、エアシリンダ62を上昇させて塗布棒支持部61aを介して塗布棒61を上昇させ、レンズ2の中心に熱融解性貼付剤5を塗布する。このとき、塗布棒61はレンズ2とわずかに間隔を保って停止するようになっている。ここで、塗布棒61はエアシリンダ62が下端に位置しているときは、所定の温度に設定された貼付剤槽63に収容されている熱融解性貼付剤5の中に浸漬しており、エアシリンダ62が上昇すると塗布棒61の先端に粘性をもつ熱融解性貼付剤5を付着して上昇する。塗布棒61の先端に付着した熱融解性貼付剤5は、塗布棒61が下降してもレンズ2に表面張力により残留して塗布される。なお、熱融解性貼付剤5のレンズ2への塗布量を増減させるには、塗布棒61の外径寸法を変えるか、塗布棒61の上昇時におけるレンズ2との隙間を調整すればよい。そして、塗布終了後、Z1軸搬送機構92によってレンズ搬送加圧ユニット50を他のユニットが干渉しない所定の位置まで上昇させる。
次に、X軸搬送機構90とY軸搬送機構91を使用し、レンズ搬送加圧ユニット50を、貼付ユニット20の貼付台21の係合穴21aの中心軸とレンズ吸着筒51の中心軸が一致する位置へ移動させる。これにより、レンズ2の中心軸と貼付皿3の中心軸が一致し、心出しが完了する。
なお、この心出し工程では、貼付工程後のレンズ研削、研磨工程において、レンズ2が大きく偏心していると、加工中にいわゆるビビリが発生し、レンズ2のバリ(欠け)が発生することになるため、ビビリが発生しない程度(例えば、0.2mm)に心出しを行うようにすればよい。また、レンズ2の外径方向の偏心は、研削、研磨工程後の心取り工程で、高精度に加工されるため、貼付工程では高精度な心出しは必要ではない。
ここで、図6および図8に示すように、レンズ搬送加圧ユニット50をZ1軸搬送機構92で下降させ、レンズ2に塗布した熱融解性貼付剤5が貼付皿3の貼付面3aに接触する直前の所定の位置で停止させる。そして、圧力制御装置56により加圧エアシリンダ54を所定の作動力量に設定した後、Z1軸搬送機構92で所定の押圧速度(例えば、例えば1mm/s程度)で下降させていき、レンズ2のレンズ面2aの中心に塗布された熱融解性貼付剤5を貼付皿3の貼付面3aに押圧させることで、熱融解性貼付剤5は外周面側に向かって広がっていく(図2参照)。このとき、熱融解性貼付剤5の膜厚寸法は、ほぼ貼付皿3の設計時に設定した膜厚寸法となり、余分な熱融解性貼付剤5はレンズ2の外周面にはみ出すことになる。
ところで、一般的に、高精度レンズの加工工程で用いる粘弾性特性を有する熱融解性貼付剤は粘性が非常に高いことから、均一な貼付剤の膜厚寸法を確保することは非常に困難となっている。そこで、均一な貼付剤膜厚寸法を得るための方法として、熱融解性貼付剤の融解温度を高くして、融解温度を低くする手段が考えられるが、熱融解性貼付剤は高温で炭化を起こすため、炭化物によりレンズ面に傷が発生することになる。また、レンズの押圧力量を大きくして貼り付けると、レンズが圧力により変形した状態で張り付いてしまい、レンズ面の精度を悪化させてしまうことになる。
これに対して、本レンズ貼付方法では、熱融解性貼付剤5の粘弾性特性(粘弾性特性とは、速い動きには固体の性質、遅い動きには液体の性質を持つ特性)に基づいた貼付手段を構築することができる。つまり、従来技術によるシリンダによってレンズを圧着する方法では、圧着時の動きが速いために固体の性質が現れるため、熱融解性貼付剤を均一に広げることが困難であったが、本実施の形態では、シリンダの移動速度よりも低速移動が可能で、押圧速度を制御可能な搬送部Uを用いるとともに、上述した貼付ユニット20の温度制御機器24を用いることで、低温で且つ低圧力な押圧条件により熱融解性貼付剤5を均一に広げることができる。
ここで、レンズ2を貼付皿3に貼り付けする際の条件、すなわち熱融解性貼付剤5の加熱温度、押圧力量、押圧速度、及び貼付時間(押圧時間など)は、それぞれの条件の数値を変えて貼り付けした実験から決めた値であって、貼付皿3とレンズ2との間の隙間寸法をなす熱融解性貼付剤5の膜厚寸法が一定となるときの最適値である。
さらに、図8に示すように、Z1軸搬送機構92を所定の位置まで下降させ、真空発生器57を停止してレンズ吸着筒51の吸引保持を解除し、図17(a)及び(b)に示すように、レンズ吸着筒51の先端部51aがレンズ2の上面略中心の位置に接触した状態で押圧を維持する。つまり、レンズ2を回動可能、且つレンズ径方向に移動可能に保持させ、レンズ2を先端部51aによって押圧させた状態を上述した実験から決めた所定時間の間維持することで、均一な厚さで貼付皿3のレンズ径方向外側へ向けて広がる熱融解性貼付剤5を介してレンズ2が貼付皿3の貼付面3aに沿って倣うことになる。これにより、熱融解性貼付剤5の膜厚寸法(貼付皿3の設計値に対応する膜厚寸法)が一定となる。
例えば、貼付時間については、3〜10秒に設定したときに良好な結果が得られている。しかしながら、20秒以上と大幅に長くすると膜厚寸法は所望の値より小さくなってしまう。
このときのZ1軸搬送機構92の下降位置は、加圧軸ベース52aが加圧エアシリンダ54の加圧を受けてストッパ55に当接している状態で、レンズ2のレンズ面2aが貼付皿3の貼付面3aよりも下降した位置(例えば、1mmから2mm程度下側)を設定する。そして、余分な下降量は、レンズ吸着筒51からリニアガイド53に案内された加圧軸52および加圧軸ベース52aを介して加圧エアシリンダ54により吸収される。さらに、Z1軸搬送機構92によって、レンズ搬送加圧ユニット50を他のユニットが干渉しない所定の位置まで上昇させる。
なお、本実施の形態では、図17に示すようなレンズ2を吸着するレンズ吸着筒51が上述した吸引解除後のレンズ2の押圧動作も兼ねているが、このような形態に代えて、レンズ吸引時の押圧をレンズ吸着筒51(レンズ搬送加圧ユニット50)で行い、吸引解除後の押圧動作にはレンズ吸着筒51とは別の押圧機構を用いることもできる。例えば、図18(a)及び(b)に示すように、レンズ2を吸引解除したレンズ吸着筒51を他のユニットと干渉しない位置へ移動させてから、先端の押圧部51bが球面形状をなす押圧ユニット50Aを使用して、レンズ2を回動可能、且つレンズ径方向に移動可能に保持させ、レンズ2を押圧部51bによって押圧させるようにしてもよい。
次に、真空発生器22(図4参照)を停止して貼付皿3の吸引保持を解除し、貼付皿3を挟持している図14に示す搬送チャック83を、貼付皿3が移動時に干渉しない所定の位置までZ2軸搬送機構94、95を上昇させた後、エアシリンダ85、86により冷却ユニット30上に移動させる。
このように、本レンズ貼付方法およびレンズ貼付装置1では、低い貼付温度で貼り付けることで、熱融解性貼付剤5の粘度が高くなって均一な膜厚寸法で貼付皿3のレンズ径方向外側へ向けて広がるので、レンズ面2aが熱融解性貼付剤5を介して貼付皿3の貼付面3aに一定の膜厚寸法で貼り付けられることになる。そして、レンズ面2aと貼付皿3の貼付面3aとが熱融解性貼付剤5の界面張力により引き合った状態となるため、外力を加えなければ移動中にレンズ2が貼付皿3に対して大きく動くことがなく、また多少動いても、レンズ面2aと貼付皿3の貼付面3aとの曲率中心が一致するように貼り付けているため、レンズ面2aが熱融解性貼付剤5を介して貼付皿3の貼付面3aに沿って動くため、レンズ面2a及び貼付面3aの相対位置は変わらず、貼付精度は変わらないことになる。
次いで、図5(a)および図14に示すように、貼付皿3の基準面3dが冷却台31上面に接触する直前の所定の位置まで搬送チャック83をZ2軸搬送機構94(95)で下降させた後、搬送チャック83を開いて、貼付皿3を冷却台31上に載置する。冷却台31の内部には冷却水34が循環しており、載置した貼付皿3は強制冷却される。そして、所定の冷却時間が経過した後、搬送チャック83で貼付皿3を挟持し、所定の位置までZ2軸搬送機構94(95)を上昇させ、貼付皿3を自然放冷する。これにより熱融解性貼付剤5が冷却固化し、レンズ2と貼付皿3が固定され、貼り付け工程が完了することになる。
ここで、高精度レンズの加工工程で用いる粘弾性特性を有する熱融解性貼付剤5の熱収縮特性は、高温から温度を下げていくと、ある温度までは体積収縮がほとんど発生しないが、その温度を下回ると、急激に体積収縮が発生する。そこで、上述した本レンズ貼付方法では、体積収縮が発生しない温度までは強制冷却させ、体積収縮が発生する温度以下では自然放冷によって時間をかけてゆっくり冷却させることにより、貼付皿3に貼り付けたレンズ2の変形を防止することができる。
このように、熱融解性貼付剤5の冷却固化時の熱収縮によるレンズ2の変形を防止するには、強制冷却が不可となるため冷却時間が長くなるが、本実施の形態のように冷却ユニット30を複数(2つ)配置することにより、サイクルタイムを短縮することができ、熱融解性貼付剤5を介して圧着した1組のレンズ2と貼付皿3とに対する冷却固化精度を向上させることができることから、熱融解性貼付剤5の熱収縮によるレンズ2の変形を防止でき、加工終了後にレンズ2を剥がした際の変形をなくすことができる。
次に、図1に示すように、X軸搬送機構90とY軸搬送機構91を使用し、貼付皿搬送ユニット40を、冷却台31に載置した貼付皿3(完品4)を貼付皿吸着筒41により吸引搬送可能な位置へ移動させる。
そして、図5および図7に示すように、完品4を挟持している搬送チャック83(搬送ツメ82、82)を、所定の位置に下降させてから開放し、貼付皿3を冷却台31上に載置し、シリンダ42を下降させた状態の貼付皿搬送ユニット40をZ1軸搬送機構92で所定の位置に下降させ、真空発生器44により貼付皿吸着筒41で貼付皿3を吸着保持する。その後、シリンダ42を上降させ、Z1軸搬送機構92によって貼付皿搬送ユニット40を他のユニットが干渉しない所定の位置まで上昇させる。
次に、図1に示すように、X軸搬送機構90とY軸搬送機構91を使用し、貼付皿搬送ユニット40を、貼付皿3を完品収納ストッカ18上に載置されている完品パレット19に収納可能な所定の位置へ移動させ、完品4を貼付皿搬送ユニット40およびZ1軸搬送機構92で、完品パレット19に収納した後、Z1軸搬送機構92によって貼付皿搬送ユニット40を他のユニットが干渉しない所定の位置まで上昇させる。
以上の工程を繰り返すことにより、順次貼り付けを行う。
本実施の形態によるレンズ貼付方法およびレンズ貼付装置1によれば、レンズ加工後の中肉寸法の精度のばらつきを10μm以内の良好な結果を得ることができる。
上述のように本実施の形態によるレンズの貼付方法及びレンズ貼付装置では、レンズ2を貼付皿3に熱融解性貼付剤5を介してその膜厚寸法をばらつきなく均一に、且つ貼付皿3の中心軸とレンズ2の光軸を一致させて貼り付けることができ、研削研磨加工終了後に貼付皿3の所定位置(基準面3d)からレンズ面頂までの寸法を測定することで、レンズ2の光軸の厚さをなす中肉寸法として代用できるため、加工終了後の中肉寸法を所定の精度に仕上げることができる。また、加工終了後にレンズを剥がした際のレンズ面精度を向上させることができる。これにより、レンズ加工工程における加工精度、加工品質、加工効率の向上を図ることができる。
以上、本発明によるレンズ貼付方法及びレンズ貼付装置の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施の形態では図1に示すように2個の冷却ユニット30、30を具備するが、冷却ユニット30は1個でも構わない。この場合、搬送チャック83は1個となる。
そして、熱融解性貼付剤5の加熱温度、レンズ2と貼付皿3との貼付時の押圧速度および押圧力量などの貼り付け条件は、熱融解性貼付剤5の材質、レンズ2及び貼付皿3の形状、大きさ等の条件に応じて適宜設定することができる。
また、レンズ貼付装置1を構成する収納部S、動作部T、搬送部Uにおける各機構の具体的な構成、大きさ、配置などは任意に設定することができる。
本発明の実施の形態によるレンズ貼付装置の全体斜視図である。 (a)、(b)は貼付皿の構成を示す図である。 貼付皿収納ストッカの要部側面図である。 貼付ユニットの要部側面図である。 (a)、(b)は冷却ユニットの要部側面図である。 レンズ搬送加圧ユニットおよび貼付皿搬送ユニットの要部斜視図である。 貼付皿搬送ユニットの要部側面図である。 レンズ搬送加圧ユニットの要部側面図である。 熱融解性貼付剤塗布ユニットの要部斜視図である。 熱融解性貼付剤塗布ユニットの要部側面図である。 レンズ心出しユニットの要部斜視図である。 (a)、(b)はレンズ心出しユニットの要部説明図である。 (a)、(b)はレンズ心出しユニットの要部説明図である。 貼付ユニット、冷却ユニット及び冷却搬送ユニットの要部斜視図である。 (a)、(b)は冷却搬送ユニットの要部説明図である。 (a)、(b)は冷却搬送ユニットの要部説明図である。 (a)、(b)は貼付状態を示す側面断面図である。 (a)、(b)はレンズ吸着筒の他の形状による貼付状態を示す側面断面図であって、図17に対応する図である。 従来技術のレンズの中肉寸法の測定方法の説明図である。 (a)、(b)は従来技術の貼付状態を示す側面断面図である。
符号の説明
1 レンズ貼付装置
2 レンズ
2a レンズ面
3 貼付皿
3a 貼付面
5 熱融解性貼付剤
10 レンズ収納ストッカ
11 レンズパレット
12 貼付皿収納ストッカ
13 貼付皿パレット
20 貼付ユニット
21 貼付台
30 冷却ユニット
31 冷却台
40 貼付皿搬送ユニット
41 貼付皿吸着筒
50 レンズ搬送加圧ユニット
51 レンズ吸着筒
60 貼付剤塗布ユニット
70 心出しユニット
71 心出しツメ
71a V溝
73 心出しチャック
80 冷却搬送ユニット
83 搬送チャック
90 X軸搬送機構
91 Y軸搬送機構
92 Z1軸搬送機構
S 収納部
T 動作部
U 搬送部

Claims (4)

  1. レンズをそのレンズ面と略相似形状の貼付面を有する貼付皿に、貼付剤を介して貼り付けるレンズ貼付方法であって、
    前記貼付剤として、粘弾性特性を有するとともに加熱すると流動性が増大する熱融解性貼付剤を用い、
    前記貼付皿および前記貼付剤を、前記熱融解性貼付剤が流動性を示す温度まで加熱する工程と、
    加熱された前記熱融解性貼付剤を前記レンズのレンズ面に塗布する工程と、
    前記熱融解性貼付剤が塗布された前記レンズを、前記貼付皿の前記貼付面に仮貼り付けする工程と、
    前記貼付皿に仮貼り付けされた前記レンズを、前記レンズ面の裏面側の中央部を回動支点として回動可能、かつレンズ径方向に移動可能に保持して、前記貼付皿側に押圧し、前記レンズのレンズ面を前記貼付面に倣わせる工程と、
    前記レンズを前記貼付面に倣わせた後、前記貼付皿を冷却して、前記熱溶解性貼付剤を固化させる工程と、
    を有することを特徴とするレンズ貼付方法。
  2. 前記貼付皿の貼付面は、その曲率中心を前記レンズの曲率中心に一致させた状態で、前記貼付皿と前記レンズとの間の隙間寸法が均一となる球面をなしていることを特徴とする請求項1に記載のレンズ貼付方法。
  3. 前記レンズを前記貼付皿に貼り付ける前に、前記レンズを、その外径中心と前記貼付皿の中心軸とが一致するようにして位置決めすることを特徴とする請求項1又は2に記載のレンズ貼付方法。
  4. レンズをそのレンズ面と略相似形状の貼付面を有する貼付皿に、粘弾性特性を有するとともに加熱すると流動性が増大する熱融解性貼付剤を介して貼り付けるレンズ貼付装置であって、
    前記熱融解性貼付剤を前記熱融解性貼付剤が流動性を示す温度まで加熱して、前記レンズ面に塗布する加熱塗布部と、
    前記貼付皿を、前記熱融解性貼付剤が流動性を示す温度まで加熱保温する加熱保温部と、
    前記熱融解性貼付剤が塗布された前記レンズを前記貼付皿の前記貼付面に仮貼り付けするレンズ移動機構と、
    前記貼付皿に仮貼り付けされた前記レンズを、前記レンズ面の裏面側の中央部を回動支点として回動可能、かつレンズ径方向に移動可能に保持して、前記貼付皿側に押圧するレンズ押圧機構と、
    前記レンズ押圧機構の押圧力量および押圧速度を制御する押圧機構制御部と、
    を備えることを特徴とするレンズ貼付装置。
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