JP2010136022A - 印刷制御装置、印刷システムおよび印刷制御プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ルックアップテーブルには、ターゲット値を特定するインデックスとターゲット値に近似した色再現可能なインク量セットとの対応関係が規定されている。該ルックアップテーブルには、濃色インクへのインク量割当てを優先しつつ最適化されたインク量セットを求めた後、このインク量セットを初期値として淡色インクへのインク量割当てを優先しつつ最適化されたインク量セットを求め、このインク量セットインデックスとの対応関係が規定されている。
【選択図】図15
Description
前記印刷手段は、前記色材量セットとインデックスとの対応関係を規定したルックアップテーブルを参照することにより、指定されたインデックスに対応する前記色材量セットを前記印刷装置に指定して印刷させる。すなわち、前記ルックアップテーブルには、対象物の色を示す情報であるターゲット値を特定するインデックスが含まれている。このインデックスに対応付けられた色材量セットは、前記印刷装置にて前記記録媒体上に付着したときに前記ターゲット値に対する近似性が極大化する色材量セット(ターゲット色材量セット)である。
このようにすることにより、前記偏差を解消するような予測結果を得ることができる。従って、プリンティングモデル自体の精度が悪い場合や、プリンティングモデルが高精度であってもプリンタの再現特性に経時変化がある場合や、個々のプリンタの再現特性にばらつきがある場合であっても、精度の高い予測結果を得ることができる。また、前記ターゲット値から前記偏差を単純に引くのではなく、例えば前記偏差の何割かを引くようにしてもよい。
すなわち、予測された第2色材量セットに基づいて、前記印刷装置に実際に印刷を行わせて、その印刷結果を測色してこれを新たなターゲット値(再補正ターゲット値)とするのである。そしてこの新たなターゲット値を再現するための色材量セットを予測する。従って、予測された第2色材量セットの印刷結果に基づくフィードバックがかかり、より予測精度を向上することが期待できる。
一般的に、最適化処理を複数回繰り返すことにより、最適化の精度が向上する。しかしながら、本発明の濃色材のように変化のステップが大きい場合は、繰り返し数を増やしてもあまり精度向上は見込めないことを考慮すると、濃色材については2回連続して同一の値に最適化された場合は、以降の最適化を行わないことにより処理時間の短縮を図る方のメリットが高い。これは、第2色材量セットが最適解近傍にある場合などに顕著であり、この場合に必要な処理は前記丸め誤差を補うように最適化する処理であるため、濃色材を変化させて予測を行うと、最適解からの誤差が増えるばかりで、メリットが全く無い。
前記構成において、CMYKは濃色材であり、lclmは淡色材である。ただし、このインクセット組合せでは、lcとlmだけではイエロー方向への色変更が出来ないため、この2色だけで予測モデルによる予測を行ったとしても、イエロー方向への誤差が解消されないため予測精度が低下する。そこで、淡色材を優先的に変化する場合には、Yをlclmと一緒に変化させながら予測を行うことにより、全色相方向への色変化を可能にするのである。無論、イエロー方向への色変化を発生することのできる淡色材(ライトイエロー等)を色材セットに備えていれば、Yを淡色材と一緒に変化させずに、CMYKで第1色材量セットの予測を行ってもよい。
1.印刷制御装置の構成:
2.印刷データ生成処理:
3.印刷制御処理:
3−1.1D−LUT作成処理:
3−2.印刷制御データ生成処理:
4.キャリブレーション処理:
5.分光プリンティングモデル:
6.変形例:
6−1:変形例1:
6−2:変形例2:
6−3:変形例3:
6−4:変形例4:
6−5:変形例5:
6−6:変形例6:
6−7:変形例7:
6−8:変形例8:
図1は、本発明の一実施形態にかかる印刷制御装置のハードウェア構成を示している。同図において、印刷制御装置は主にコンピュータ10によって構成されており、コンピュータ10はCPU11とRAM12とROM13とハードディスクドライブ(HDD)14と汎用インターフェイス(GIF)15とビデオインターフェイス(VIF)16と入力インターフェイス(IIF)17とバス18とから構成されている。バス18は、コンピュータ10を構成する各要素11〜17の間でのデータ通信を実現するものであり、図示しないチップセット等によって通信が制御されている。HDD14には、オペレーティングシステム(OS)を含む各種プログラムを実行するためのプログラムデータ14aが記憶されており、当該プログラムデータ14aをRAM12に展開しながらCPU11が当該プログラムデータ14aに準じた演算を実行する。GIF 15は、例えばUSB規格に準じたインターフェイスを提供するものであり、外部のプリンタ20と分光反射率計30をコンピュータ10に接続させている。VIF 16はコンピュータ10を外部のディスプレイ40に接続し、ディスプレイ40に画像を表示するためのインターフェイスを提供する。IIF 17はコンピュータ10を外部のキーボード50aとマウス50bに接続し、キーボード50aとマウス50bからの入力信号をコンピュータ10が取得するためのインターフェイスを提供する。
図3は、APL P2が実行する印刷データ生成処理の流れを示している。図2に示すようにAPL P2はUI部(UIM)P2aと測定制御部(MCM)P2bと印刷データ生成部(PDG)P2cとから構成されており、これらの各モジュールP2a,P2b,P2cが図3に示す各ステップを実行する。ステップS100においては、UIM P2aがGDI P1aおよびDDV P5を介して、見本チャートSCを印刷させる旨の印刷指示を受け付けるためのUI画面を表示させる。前記UI画面においては、見本チャートSCのテンプレートを示す表示が設けられている。
図8は、LUG P3aとPDV P3bが実行する印刷制御処理の全体的な流れを示している。図8に示す1D−LUT生成処理(ステップS200)をLUG P3aが担当し、一方の印刷制御データ生成処理(ステップS300)をPDV P3bが担当する。1D−LUT生成処理は印刷制御データ生成処理に先行して行われてもよいし、1D−LUT生成処理と印刷制御データ生成処理を並行して行うようにしてもよい。
図9は、1D−LUT生成処理の流れを示している。図2に示すようにLUG P3aは、インク量セット算出モジュール(ICM)P3a1と分光反射率予測モジュール(RPM)P3a2と評価値算出モジュール(ECM)P3a3とLUT出力モジュール(LOM) P3a4とから構成されている。ステップS210においては、ICM P3a1がインデックステーブルIDBを取得する。ステップS220においては、インデックステーブルIDBから一つのインデックスを選択し、当該インデックスに対応付けられている分光反射率データRDを取得する。ステップS230においては、ICM P3a1が前記分光反射率データRDが示すターゲット分光反射率Rt(λ)と同様の分光反射率R(λ)が再現可能なインク量セットを算出する処理を行う。その際に、上述したRPM P3a2とECM P3a3を使用する。
前記の(3)式においては、等色関数x(λ),y(λ),z(λ)を加算することにより、重み関数w(λ)が定義されている。なお、前記の(3)式の右辺全体に所定の係数を乗算して、重み関数w(λ)の値の範囲を正規化してもよい。前記の(1)式によれば、等色関数x(λ),y(λ),z(λ)が大きい波長域ほど、色彩値(L*a*b*値)に大きく影響するということができる。従って、等色関数x(λ),y(λ),z(λ)を加算した重み関数w(λ)を使用すれば、色への影響が大きい波長域を重視した二乗誤差が評価可能な評価値E(φ)を得ることができる。例えば、人間の目に知覚されない近紫外波長域においてはw(λ)が0となり、当該波長域における差分D(λ)は評価値E(φ)の増大に寄与しないこととなる。
図13は、印刷制御データ生成処理の流れを示している。図2に示すようにPDV P3bは、モード判別モジュール(MIM)P3b1とインデックス分版モジュール(ISM)P3b2とRGB分版モジュール(CSM)P3b3とハーフトーンモジュール(HTM)P3b4とラスタ化モジュール(RTM)P3b5とから構成されている。ステップS310においては、モード判別モジュール(MIM)P3b1が印刷データPDを取得する。ステップS320において、MIM P3b1は印刷データPDから一つの画素を選択する。ステップS330において、MIM P3b1は当該選択した画素にインデックスが格納された旨のフラグが立っているか否かを判定する。当該フラグが立っていないと判定された場合には、ステップS340にてCSM P3b3が3D−LUTを参照して、当該画素についての色変換(分版)を実行する。
以上の処理によって印刷された見本チャートSCの枠FL1〜FL12においては、各ターゲットTG1〜TG12のターゲット分光反射率Rt(λ)を再現することができる。
しかしながら、場合によっては見本チャートSCの枠FL1〜FL12の実際の分光反射率R(λ)と、各ターゲットTG1〜TG12のターゲット分光反射率Rt(λ)との間に誤差が生じることもある。インク量セットφは、RPM P3a2が予測モデル(分光プリンティングモデル)を使用して予測したものであるため、分光プリンティングモデルを構築(分光反射率データベースRDBを作成)したプリンタと実際に印刷を行うプリンタ20の機体が異なったり、同一の機体であっても時期がずれたりすることによって誤差が生じることは避けられない。
そこで、本キャリブレーション処理においては、ターゲット分光反射率Rt(λ)の再現性をさらに向上すべく、見本チャートSCの枠FL1〜FL12が実際にターゲットTG1〜TG12と近いターゲット分光反射率Rt(λ)を再現しているか否かを確認する処理を行う。
処理が開始されるとステップS400において、キャリブレーション処理の繰り返し回数を示すカウンタ値(n)を1にリセットする。
ステップS405においては、すでに印刷された見本チャートSCの枠FL1〜FL12について分光反射率R(λ)を測定する。ここでは、MDV P4がKPM P3a5の要求に応じて分光反射率計30を制御し、当該制御によって得られた分光反射率データRDをKPM P3a5が取得する。なお、このとき分光反射率R(λ)が測定される見本チャートSCの枠FL1〜FL12が本発明の確認パッチに相当する。また、確認パッチの測色により得られる分光反射率R(λ)を確認分光反射率Rc(λ)と記載する。上述した印刷制御処理によれば、理想的にはターゲットTG1〜TG12から測定したターゲット分光反射率Rt(λ)のそれぞれとステップS405にて測定した確認分光反射率Rc(λ)は同じとなる。しかしながら、上述したように誤差が生じることがあるため、ターゲット分光反射率Rt(λ)と確認分光反射率Rc(λ)は完全に同じとはならない。
図17は、ターゲットTG1(枠FL1)についてのターゲット分光反射率Rt(λ)と確認分光反射率Rc(λ)を対比して示している。同図に示すように、確認分光反射率Rc(λ)がターゲット分光反射率Rt(λ)におおむね追従できているものの、全体的に低反射率側に確認分光反射率Rc(λ)がシフトしている。例えば、プリンタ20が吐出する各インクのインク量が経時的に増加した場合には、全体的に低反射率側に確認分光反射率Rc(λ)がシフトすることとなる。
すなわち、上記の(4)式で表された評価値E(φ)のターゲット分光反射率Rt(λ)を補正ターゲット分光反射率Rtm(λ)に置き換えた関数を目的関数とし、当該目的関数を極小化させるようなインク量セットφの最適解を算出する。この目的関数においては、インクグループ毎に重み付けなどを行っているわけではないが、最適解の近傍に至るまでは、濃インクと淡インクとを同じ量だけ変化させたときに目的関数をより大きく減少させる濃インクの方が優先的に利用される。無論、淡インクセットのインク量変化を妨げる項を目的関数に付け加えて(例えば、濃インクセットのインク量が変化すると減少する項を目的関数に付け加えたり、淡インクセットのインク量が変化すると増大する項を目的関数に付け加えたりする。)も構わない。インク量セットφの最適解が算出されると、このインク量セットφについて端数処理を行う。
ステップS490においては、補正ターゲット値取得部(MRA)P3a6がターゲットTG1〜TG12(枠FL1〜FL12)を選択する。これはステップS420と同様である。
図19は、本実施形態のプリンタ20の印刷方式を模式的に示している。同図において、プリンタ20は、CMYKlclmのインクごとに複数のノズル21a,21a・・・を備えた印刷ヘッド21を備えており、ノズル21a,21a・・・が吐出するCMYKlclmのインクごとのインク量を上述したインク量セットφ(dc,dm,dy,dk,dlc,dlm)によって指定された量とする制御が印刷制御データCDに基づいて行われる。各ノズル21a,21a・・・が吐出したインク滴は印刷用紙上において微細なドットとなり、多数のドットの集まりによってインク量セットφ(dc,dm,dy,dk,dlc,dlm)に応じたインク被覆率の印刷画像が印刷用紙上に形成されることとなる。
ここで、nは1以上の所定の係数であり、例えばn=10に設定することができる。前記の(7a)式および(7b)式は、ユール・ニールセン分光ノイゲバウアモデル(Yule-Nielsen Spectral Neugebauer Model)を表す式である。
ここで、(8)式におけるインク被覆率fc,fmは図22(B)のグラフで与えられる値である。また、セルC5を囲む4つの格子点に対応する分光反射率R(λ)11,(λ)12,(λ)21,(λ)22は分光反射率データベースRDBを参照することにより取得することができる。これにより、(8)式の右辺を構成するすべての値を確定することができ、その計算結果として任意のインク量セットφ(dc,dm)にて印刷を行った場合の予測分光反射率Rs(λ)を算出することができる。波長λを可視波長域にて順次シフトさせていくことにより、可視波長域における予測分光反射率Rs(λ)を得ることができる。インク量空間を複数のセルに分割すれば、分割しない場合に比べて予測分光反射率Rs(λ)をより精度良く算出することができる。以上のようにして、RPM P3a2がICM P3a1の要請に応じて予測分光反射率Rs(λ)を予測することができる。
6−1:変形例1
図23は、変形例においてECM P3a3が設定する重み関数w(λ)を模式的に示している。同図において、ターゲットTGから得られたターゲット分光反射率Rt(λ)が示されており、当該ターゲット分光反射率Rt(λ)と各等色関数x(λ),y(λ),z(λ)との相関係数cx,cy,czがECM P3a3によって算出されている。そして、下記の(9)式によって本変形にかかる重み関数w(λ)を算出する。
前記の(9)式においては、ターゲットTGから得られたターゲット分光反射率Rt(λ)との相関が高い等色関数x(λ),y(λ),z(λ)ほど線形結合の際の重みが大きくなるようにされている。以上のようにして得られた重み関数w(λ)においては、ターゲットTGのターゲット分光反射率Rt(λ)が大きい波長域についての重みを強調することができる。従って、各光源下での反射光の分光エネルギーのスペクトルが強くなりがちな波長域を重視した評価値E(φ)を得ることができる。すなわち、特にターゲットTGのターゲット分光反射率Rt(λ)が大きい波長域については、ターゲットTGのターゲット分光反射率Rt(λ)と予測分光反射率Rs(λ)とのずれを許容しないようなインク量セットφの最適解を得ることができる。むろん、重み関数w(λ)は各等色関数x(λ),y(λ),z(λ)に由来しているため、人間の知覚に適合した評価値E(φ)を得ることができる。
図24は、別の変形例においてECM P3a3が設定する重み関数w(λ)を模式的に示している。同図において、ターゲットTGから得られたターゲット分光反射率Rt(λ)をそのまま重み関数w(λ)として適用している。このようにすることによっても、特にターゲットTGのターゲット分光反射率Rt(λ)が大きい波長域についてターゲットTGの分光反射率R(λ)とターゲット分光反射率Rt(λ)とのずれを許容しないようなインク量セットφの最適解を得ることができる。
図25は、別の変形例においてECM P3a3が設定する重み関数w(λ)を模式的に示している。同図において、5種類(標準昼光系のD50光源,D55光源,D65光源、白熱電球系のA光源、蛍光ランプ系のF11光源)の各光源の分光エネルギーP D50(λ),P D55(λ),P D65(λ),PA(λ),P F11(λ)が示されている。本変形例においては、下記の(10)式によって、これらの分光エネルギーP D50(λ),P D55(λ),P D65(λ),PA(λ),P F11(λ)を線形結合することにより重み関数w(λ)を算出する。
図26は、変形例においてディスプレイ40に表示されるUI画面を示している。同図において、UI画面において複数のターゲット分光反射率Rt(λ)のグラフが表示されている。このようなUI画面を表示させることにより、ユーザーがステップS140においてターゲットTGのターゲット分光反射率Rt(λ)を測定する代わりに、所望の波形のグラフをターゲットTGのターゲット分光反射率Rt(λ)として選択することができる。このようにすることにより、実際に分光反射率測定をしなくてもターゲット分光反射率Rt(λ)を設定することができる。むろん、グラフの波形をユーザーが直接編集できるようにしてもよい。例えば、新規の物体表面の開発を行う際に目標とするターゲット分光反射率Rt(λ)に編集しておけば、実際に物体表面を試作することなく、目標とするターゲット分光反射率Rt(λ)を有する見本チャートSCをプリンタ20によって印刷させることができる。
図27は、変形例にかかる評価値(φ)を模式的に説明している。同図において、ターゲットTGのターゲット分光反射率Rt(λ)に対して前記5種類の光源を照射したときの色彩値(ターゲット色彩値)を上述した(1)式,図5によって算出する。一方、RPM P3a2が予測した予測分光反射率Rs(λ)に対して前記5種類の光源を照射したときの色彩値(予測色彩値)も上述した(1)式(Rt(λ)をRs(λ)に置き換えて使用),図5によって算出する。そして、各光源におけるターゲット色彩値と予測色彩値の色差ΔE(ΔE2000)をCIE DE2000の色差式に基づいて算出する。そして、各光源についての色差ΔEをΔE D50,ΔE D55,ΔE D65,ΔEA,ΔE F11とし、下記の(11)式によって評価値E(φ)を算出する。
前記の(11)式において、w1〜w5は各光源の重みを設定する重み係数であり、上述した変形例3の重み係数w1〜w5とほぼ同様の性質を有する。ここでも全光源における色の再現性をバランスよく確保したい場合にはw1=w2=w3=w4=w5とすればよいし、人工光源における色の再現性を重視したい場合にはw1,w2,w3<w4,w5とすればよい。
なお、上述した実施形態において選択されていない枠Fに対応する領域については、枠F以外の領域と同じ色で印刷を行うようにすればよい。むろん、選択されていない枠Fに対応する領域については、分光的な再現性を要求する必要がないため、枠F以外の領域と同様に3D−LUTを使用した色変換を行わせるようにすればよい。さらに、ターゲットTGが指定された枠Fに対応する領域以外において、模様や文字やマーク等を印刷するようにしてもよい。例えば、ターゲットTGが指定された枠Fの付近に、ターゲットTGがどのようなものであるかを示す文字が記載できるようにしてもよい。
6−7:変形例7
図31は、1D−LUT生成処理の変形例のフローチャートである。同図に示す1D−LUT生成処理は、ステップS230を除いて図9の1D−LUT生成処理と同様の処理である。本変形例においては、評価値を最小化する処理として、図15,16に示したキャリブレーション処理において行ったものと同様に、濃インクを優先的に使用して(淡インクの使用量を抑制して)インク量セットを算出する処理と、淡インクを優先的に使用して(濃インクの使用量を抑制して)インク量セットを算出する処理とを使い分けることにより、インク量セットφの最適解を算出するように構成してある。このように1D−LUTを作成する段階で、濃インク量と淡インク量の使い分けを最適化しておくことにより、キャリブレーション処理における演算量を少なく出来る。
6−8.変形例8
図32〜図33は、本発明の変形例にかかる印刷システムのソフトウェア構成を示している。図32に示すように、上述した実施形態のLUG P3aに相当する構成がPDV P3bの内部モジュール(1D−LUT作成部)として備えられていてもよい。また、図33に示すように、上述した実施形態のLUG P3aに相当する構成が他のコンピュータ110において実行されてもよい。この場合、コンピュータ10とコンピュータ110とが所定の通信インターフェイスCIFによって接続され、コンピュータ110のLUG P3aにて生成された1D―LUTが通信インターフェイスCIFを介してコンピュータ10に送信される。通信インターフェイスCIFは、インターネットを介在するものであってもよい。その場合、コンピュータ10はインターネット上のコンピュータ110から取得した1D−LUTを参照して色変換を行うことができる。さらに、プリンタ20が各ソフトウェア構成P1〜P5を実行するようにしてもよい。むろん、ソフトウェア構成P1〜P5と同等の処理を実行するハードウェアがプリンタ20に組み込まれる場合にも、本発明を実現することができる。
Claims (9)
- 少なくとも1つの色相に関して略同一の色相を有し濃度が互いに異なる濃色材と淡色材を含んで構成された複数の色材を印刷装置にて記録媒体に付着させて印刷を実行させるにあたり、前記色材の使用量の組合せである色材量セットを前記印刷装置に指定し、前記色材量セットに基づく印刷を実行させる印刷制御装置であって、
前記色材量セットとインデックスとの対応関係を規定したルックアップテーブルを参照することにより、指定されたインデックスに対応する前記色材量セットを前記印刷装置に指定して印刷させる印刷手段を備え、
前記ルックアップテーブルにおいては、
対象物の色を示す情報であるターゲット値を特定する前記インデックスと、前記印刷装置にて前記記録媒体上に付着したときに前記ターゲット値に対する近似性が極大化する色材量セットであるターゲット色材量セットと、の対応関係が規定されており、
前記ターゲット色材量セットは、前記淡色材の使用量を抑制しつつ前記近似性を極大化するように所定の予測モデルに基づいて予測された第1色材量セットを、更に前記所定の予測モデルの初期値として前記濃色材の使用量を抑制しつつ前記近似性を極大化するように前記所定の予測モデルに基づいて予測された第2色材量セットであることを特徴とする印刷制御装置。 - 前記ターゲット値は、
前記印刷装置にて前記記録媒体上に前記ターゲット値を再現するための前記色材量セットを前記所定の予測モデルに基づいて予測し、この予測した色材量セットを前記印刷装置に指定して確認パッチを印刷させ、この確認パッチの色を示す情報である確認ターゲット値と前記対象物の測色値であるターゲット測定値との偏差に基づいて設定された補正ターゲット値である請求項1に記載の印刷制御装置。 - 前記第2色材量セットを前記印刷装置に指定して再確認パッチを印刷させ、この再確認パッチの色を示す情報である再確認ターゲット値と前記ターゲット測定値との偏差に基づいて算出した再補正ターゲット値をターゲット値として前記第1色材量セットと前記第2色材量セットの再予測を行う請求項2に記載の印刷制御装置。
- 前記所定の予測モデルにおいては、色材量セットを予測する際に、前記印刷装置で付着させられる最小の単位量よりも少量ずつ色材量を変化させながら色材量セットの前記近似性を評価しており、
前記所定の予測モデルに基づいて予測される色材量セットは、前記近似性が極大化した色材量セットについて前記単位量を丸め幅とした端数処理を行ったものである請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の印刷制御装置。 - 予測された前記第2色材量セットを初期値として前記第1色材量セットと前記第2色材量セットを予測する過程を複数回繰り返し、
該繰り返しの過程において、前記第2色材量セットにおける前記濃色材の使用量が2回連続して一致したことを検出した場合は、それ以降の繰り返しにおいて前記濃色材の使用量を固定する請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の印刷制御装置。 - 前記第2色材量セットの予測において、使用量を抑制されたインクを除いた色材組合せによって全色相方向への色変更が可能である請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の印刷制御装置。
- 前記複数の色材が、シアン(C)とマゼンタ(M)とイエロー(Y)とブラック(K)とライトシアン(lc)とライトマゼンタ(lm)とを含んで構成されており、
前記第1色材量セットの予測においては、少なくともシアン(C)とマゼンタ(M)とブラック(K)の使用量を優先的に変化し、
前記第2色材量セットの予測においては、少なくともライトシアン(lc)とライトマゼンタ(lm)とイエロー(Y)の使用量を優先的に変化する請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の印刷制御装置。 - 少なくとも1つの色相に関して略同一の色相を有し濃度が互いに異なる濃色材と淡色材を含んで構成された複数の色材を印刷装置にて記録媒体に付着させて印刷を実行させるにあたり、前記色材の使用量の組合せである色材量セットを前記印刷装置に指定し、前記色材量セットに基づく印刷を実行させる印刷制御システムであって、
前記印刷制御装置は、
前記色材量セットとインデックスとの対応関係を規定したルックアップテーブルを参照することにより、指定されたインデックスに対応する前記色材量セットを前記印刷装置に指定して印刷させる印刷手段を備え、
前記ルックアップテーブルにおいては、
対象物の色を示す情報であるターゲット値を特定する前記インデックスと、前記印刷装置にて前記記録媒体上に付着したときに前記ターゲット値に対する近似性が極大化する色材量セットであるターゲット色材量セットと、の対応関係が規定されており、
前記ターゲット色材量セットは、前記淡色材の使用量を抑制しつつ前記近似性を極大化するように所定の予測モデルに基づいて予測された第1色材量セットを、更に前記所定の予測モデルの初期値として前記濃色材の使用量を抑制しつつ前記近似性を極大化するように前記所定の予測モデルに基づいて予測された第2色材量セットであり、
前記印刷装置は、
前記色材量セットに基づいて印刷を実行する印刷実行手段を具備することを特徴とする印刷システム。 - 少なくとも1つの色相に関して略同一の色相を有し濃度が互いに異なる濃色材と淡色材を含んで構成された複数の色材を印刷装置にて記録媒体に付着させて印刷を実行させるにあたり、前記色材の使用量の組合せである色材量セットを前記印刷装置に指定し、前記色材量セットに基づく印刷を実行させる機能をコンピュータに実現させるための印刷制御プログラムであって、
前記色材量セットとインデックスとの対応関係を規定したルックアップテーブルを参照することにより、指定されたインデックスに対応する前記色材量セットを前記印刷装置に指定して印刷させる印刷機能を備え、
前記ルックアップテーブルにおいては、
対象物の色を示す情報であるターゲット値を特定する前記インデックスと、前記印刷装置にて前記記録媒体上に付着したときに前記ターゲット値に対する近似性が極大化する色材量セットであるターゲット色材量セットと、の対応関係が規定されており、
前記ターゲット色材量セットは、前記淡色材の使用量を抑制しつつ前記近似性を極大化するように所定の予測モデルに基づいて予測された第1色材量セットを、更に前記所定の予測モデルの初期値として前記濃色材の使用量を抑制しつつ前記近似性を極大化するように前記所定の予測モデルに基づいて予測された第2色材量セットであることを特徴とする印刷制御プログラム。
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