JP2010135502A - 半導体素子およびその製造方法 - Google Patents

半導体素子およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010135502A
JP2010135502A JP2008308857A JP2008308857A JP2010135502A JP 2010135502 A JP2010135502 A JP 2010135502A JP 2008308857 A JP2008308857 A JP 2008308857A JP 2008308857 A JP2008308857 A JP 2008308857A JP 2010135502 A JP2010135502 A JP 2010135502A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
silicon layer
microcrystalline silicon
region
tft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008308857A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Miyazaki
篤 宮崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2008308857A priority Critical patent/JP2010135502A/ja
Publication of JP2010135502A publication Critical patent/JP2010135502A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Thin Film Transistor (AREA)

Abstract

【課題】オン電流を確保しつつ、オフ電流を低減した半導体素子を提供する。
【解決手段】基板11と、基板11に支持された活性層14Aであって、チャネル領域と、チャネル領域の両側に形成された第1領域および第2領域とを有する活性層14Aと、活性層の第1領域および第2領域にそれぞれ接する第1コンタクト層16aおよび第2コンタクト層16bと、第1コンタクト層を介して第1領域と電気的に接続された第1電極17aと、第2コンタクト層16bを介して第2領域と電気的に接続された第2電極17bと、チャネル領域に、ゲート絶縁層13を介して対向するように配置されたゲート電極12とを備える。活性層14Aは、ラマンスペクトルにおいて、SiHに帰属されるピーク面積強度/SiH2に帰属されるピーク面積強度が2以上である第1微結晶シリコン層14mを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体素子およびその製造方法に関する。
液晶表示装置などの表示装置に用いられるアクティブマトリクス基板は、画素毎にスイッチング素子を有している。スイッチング素子としては、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;以下、「TFT」)が広く用いられている。TFTには、アモルファスシリコン膜を活性層とするTFT(以下、「アモルファスシリコンTFT」という。)や多結晶シリコン膜を活性層とするTFT(以下、「多結晶シリコンTFT」という。)が用いられている。
多結晶シリコン膜における電子および正孔の移動度はアモルファスシリコン膜の移動度よりも高く、多結晶シリコンTFTのオン電流は、アモルファスシリコンTFTよりも高い。しかしながら、多結晶シリコンTFTを作製するためには、アモルファスシリコン膜を結晶化させ多結晶シリコン膜を得るためのレーザー結晶化工程の他、熱アニール工程、イオンドーピング工程などの複雑な工程を行う必要があり、製造コストが高いという問題がある。一方、アモルファスシリコンTFTは、製造コストは低いものの、アモルファスシリコン膜の移動度が低いので、高性能化には限界がある。
そこで、製造コストを抑えつつ、より高性能なTFTを実現するために、近年、微結晶シリコン(μc−Si)膜を用いたTFT(以下、「微結晶シリコンTFT」という。)が注目されている(例えば、特許文献1、2)。なお、微結晶シリコンは、マイクロクリスタルシリコン、あるいは、セミアモルファスシリコンと呼ばれることもある。微結晶シリコン膜は、微細な結晶粒(結晶相)とアモルファス相とを有している。各結晶粒のサイズは、多結晶シリコン膜に含まれる結晶粒のサイズよりも小さい。
微結晶シリコン膜は、原料ガスとして水素ガス(H2ガス)で希釈したシランガス(SiH4ガス)を用いて、プラズマCVD法などの薄膜堆積法によって形成され得る。多結晶シリコン膜を形成する場合のように、薄膜堆積法によって形成されたアモルファスシリコン膜を結晶化する必要がない。したがって、微結晶シリコンTFTは、従来のアモルファスシリコンTFTを製造するための設備を用いて製造することができるという利点を有している。
微結晶シリコン膜は、アモルファスシリコン膜よりも移動度は高いので、微結晶シリコンTFTはアモルファスシリコンTFTよりもオン電流が大きいという特長を有している。例えば、特許文献1には、微結晶シリコンTFTがアモルファスシリコンTFTの1.5倍のオン電流を有すると記載されている。しかしながら、微結晶シリコンTFTはオフ電流(リーク電流)が大きく、実用化の障害となっている。
そこで、特許文献2および3には、微結晶シリコン層とアモルファスシリコン層との積層構造を用いることによってオフ電流を低減させたTFTが記載されている。なお、特許文献2および3のいずれに記載のTFTにおいても、ゲート電極側に微結晶シリコン層が設けられている。
特開平6−196701号公報 特開2008−140984号公報 特開2005−322845号公報
しかしながら、上記特許文献2および3に記載されている構成を採用しても、微結晶シリコンTFTのオフ電流を十分に低減させることはできなかった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、オン電流を確保しつつ、オフ電流を低減した微結晶シリコン層を備えた半導体素子およびその製造方法を提供することにある。
本発明の半導体素子は、基板と、前記基板に支持された活性層であって、チャネル領域と、前記チャネル領域の両側に形成された第1領域および第2領域とを有する活性層と、前記活性層の第1領域および第2領域にそれぞれ接する第1コンタクト層および第2コンタクト層と、前記第1コンタクト層を介して前記第1領域と電気的に接続された第1電極と、前記第2コンタクト層を介して前記第2領域と電気的に接続された第2電極と、前記チャネル領域に、ゲート絶縁層を介して対向するように配置されたゲート電極とを備え、前記活性層は、ラマンスペクトルにおいて、SiHに帰属されるピーク面積強度/SiH2に帰属されるピーク面積強度が2以上である第1微結晶シリコン層を有する。
ある実施形態において、前記第1微結晶シリコン層は、ラマンスペクトルにおいて、480cm-1付近のアモルファス相に帰属されるピークと、520cm-1付近の結晶相に帰属されるピークとの間の500cm-1付近にさらなるピークを有する。
ある実施形態において、前記第1微結晶シリコン層は、2nm以上10nm以下の直径を有するシリコンの粒子を含む。
ある実施形態において、前記活性層は、前記第1微結晶シリコン層の単層で形成されている。
ある実施形態において、前記活性層は、さらにアモルファスシリコン層を有し、前記アモルファスシリコン層は前記第1微結晶シリコン層よりも前記ゲート電極に近い側に設けられている。
ある実施形態において、前記活性層は、さらに第2微結晶シリコン層とアモルファスシリコン層とを有し、前記ゲート電極側から、前記第2微結晶シリコン層、前記アモルファスシリコン層、前記第1微結晶シリコン層の順で配置されている。
本発明の半導体素子の製造方法は、基板に支持された半導体素子の製造方法であって、基板上に活性層を形成する工程を包含し、前記活性層を形成する工程が、プラズマCVDで、H2ガスとSiH4ガスとを含む原料ガスを用いて、流量比H2/SiH4が500以上1000以下、成膜圧力が700Pa以上1500Pa以下、成膜温度が250℃未満の条件で、微結晶シリコン膜を成膜する工程を包含する。
本発明によると、オン電流を確保しつつ、オフ電流を低減した微結晶シリコン層を備えた半導体素子およびその製造方法が提供される。
以下、図面を参照して、本発明による実施形態の半導体素子およびその製造方法を説明する。ここでは、逆スタガー型のTFTについて本発明の実施形態を説明するが、本発明はこれに限られない。
まず、従来の微結晶シリコン膜について説明する。
微結晶シリコン膜は、結晶質シリコン相と非晶質シリコン相とが混在した構造を有する。微結晶シリコン膜に占めるアモルファス相の体積率は例えば5%以上95%以下の範囲で制御され得る。また、微結晶シリコン膜に対して可視光を用いたラマン散乱スペクトル分析を行うと、そのスペクトルは、結晶質シリコンのピークである520cm-1の波長で最も高いピークを有するとともに、アモルファスシリコンのピークである480cm-1の波長でブロードなピークを有する。480cm-1付近のアモルファスシリコンのピーク高さは、520cm-1付近にみられる結晶質シリコンのピーク高さの例えば1/8以上1以下となる。
比較のため、多結晶シリコン膜に対してラマン散乱スペクトル分析を行うと、アモルファス成分はほとんど確認されず、アモルファスシリコンのピークの高さはほぼゼロとなる。なお、多結晶シリコン膜を形成する際に、結晶化条件により、局所的にアモルファス相が残ってしまう場合があるが、そのような場合でも、多結晶シリコン膜に占めるアモルファス相の体積率は概ね5%未満であり、ラマン散乱スペクトル分析によるアモルファスシリコンのピーク高さは多結晶シリコンのピーク高さの概ね1/30未満となる。
本発明による実施形態の微結晶シリコンTFTの活性層が有する微結晶シリコン層(本発明による微結晶シリコン層ということがある)は、後述するように、従来の微結晶シリコン層よりも、シリコン原子間の結合(ネットワーク)が多く形成されており、その結果、優れた電気特性を有する。本発明による微結晶シリコン層は、ラマンスペクトルにおいて、SiHに帰属されるピーク面積強度/SiH2に帰属されるピーク面積強度が2以上であり、従来の微結晶シリコン層よりもシリコン原子間の結合が多い。また、本発明の微結晶シリコン層は、ラマンスペクトルにおいて、480cm-1付近のアモルファス相に帰属されるピークと、520cm-1付近の結晶相に帰属されるピークとの間の500cm-1付近にさらなるピークを有する(もちろん、ラマンスペクトルのピーク分離解析による)。この500cm-1付近に現れるピークは、アモルファス相と結晶相との中間の状態である。この中間相の存在によって、アモルファス相を介して、結晶相(結晶粒)間にシリコン原子間の結合のネットワークが形成されると考えられる。
以下、図1(a)〜(c)を参照して、本発明による実施例の半導体素子の具体的な構成およびその製造方法を説明する。ここでは、ボトムゲート型(逆スタガー型)のTFTを例示するが、本発明の半導体素子はこれに限られない。なお、本発明による本実施形態の半導体素子は、ボトムゲート構造を有する微結晶シリコンTFTであることが好ましい。従来のアモルファスシリコンTFTの多くはボトムゲート構造であるので、従来のアモルファスシリコンTFTの作製に使用している製造設備を利用することができ、量産性の高いプロセスを実現できる。
図1(a)は、本発明による実施例1の微結晶シリコンTFT10Aの断面構造を模式的に示す図である。
TFT10Aは、基板(例えばガラス基板)11と、基板11に支持された活性層14Aであって、チャネル領域(不図示)と、チャネル領域の両側に形成された第1領域および第2領域(いずれも不図示)とを有する活性層14Aと、活性層14Aの第1領域および第2領域にそれぞれ接する第1コンタクト層(例えばソースコンタクト層)16aおよび第2コンタクト層(例えばドレインコンタクト層)16bと、第1コンタクト層16aを介して第1領域と電気的に接続された第1電極(例えばソース電極)17aと、第2コンタクト層16bを介して第2領域と電気的に接続された第2電極(例えばドレイン電極)17bと、チャネル領域に、ゲート絶縁層13を介して対向するように配置されたゲート電極12とを備えている。TFT10Aは、さらに、活性層14Aと、第1コンタクト層16aおよび第2コンタクト層16bとの間に、エッチストップ層15を有している。また、TFT10Aは、第1電極17aおよび第2電極17bの上に、必要に応じて形成されるパッシベーション膜18を有している。TFT10Aを液晶表示装置の画素TFTとして用いる場合、例えば、TFT10Aを含む基板11のほぼ全体を覆う平坦化膜(不図示)が形成され、平坦化膜上に画素電極(不図示)が形成される。画素電極は、パッシベーション膜18および平坦化膜に形成されるコンタクトホール内において、例えば第2電極17bと電気的に接続される。
実施例1のTFT10Aの活性層14Aは、本発明による微結晶シリコン層14mの単層で形成されている。TFT10Aの活性層14A以外の構成は、従来のTFTと同様であってよく、ここでは、詳細を省略する。例えば、TFT10Aと同様のTFTは、特開2008−124392号公報(特に図5)に記載されている。参考のために、特開2008−124392号公報の開示内容の全てを本明細書に援用する。
TFT10Aは以下のようにして製造することができる。
まず、ガラス基板などの絶縁性基板11の上に、スパッタリング法によりTi膜を形成し、これをフォトリソグラフィプロセスによりパターニングしてゲート電極12を形成する。ゲート電極12の膜厚は例えば800nmである。
次に、プラズマCVD法によりゲート絶縁層13として、例えば厚さ350nmのシリコン窒化膜(SiNx膜)を成膜する。シリコン窒化膜は、平行平板型プラズマCVD装置により形成される。成膜温度は例えば250℃である。
その後、本発明の微結晶シリコン層14mを形成する。微結晶シリコン層14mの厚さは例えば50nmであり、30nm以上70nm以下の範囲内にあることが好ましい。微結晶シリコン層14mは、例えば、特開2007−123008号公報に開示されているCVD装置を用いて形成される。参考のために特開2007−123008号公報の開示内容の全てを本明細書に援用する。
微結晶シリコン層14mの成膜条件は、例えば、成膜温度(基板温度)220℃、成膜圧力1440Pa、H2/SiH4流量比Rを800とする。種々検討した結果、この流量比Rは、この成膜温度において、最も効率的に結晶化する流量比であるR=1000よりも20%小さい値である。このように、プラズマCVD法において、気相に形成される結晶粒の割合が最大となる条件よりも、H2の流量比を低下させることによって、結晶の生成にとって過剰となったSiH4がアモルファス相を形成する。この過剰となるSiH4の量を適切に制御することによって、中間相(ラマンスペクトルの500cm-1付近にピークを示す)を生成させることができる。
図2(a)および(b)を参照して、本発明の微結晶シリコン層14mの特徴を説明する。従来は、微結晶シリコン膜の電気特性を向上させるために、結晶化度を高めることが重要であると考えられていた。しかしながら、本発明者が種々検討した結果、上述したように、アモルファス相が形成される条件とすることによって、従来の技術常識とは逆に、微結晶シリコン膜の電気特性が向上することが分かった。すなわち、図2(a)に模式的に示すように、プラズマCVD法において気相で生成される粒子22が、結晶相22cの周りに、中間相22bを有し、さらにその周りにアモルファス相22aを有する構造とすることが好ましいことが分かった。このような構造は、シリコンの粒子22が2nm以上10nm以下の直径を有する場合に形成され易い。なお、従来は、シリコン粒子の直径は50nm程度であった。
図2(a)に示した粒子22が基板11上に堆積すると、図2(b)に模式的に示すように、アモルファス相22aで粒子間が密着し、中間相22bおよびアモルファス相22aを介して、異なる粒子22に属していた結晶相22cがシリコン原子間の結合のネットワークによって、互いに連結された構造が形成される。その結果、本発明の微結晶シリコン層14mの電気特性が優れたものとなる。従来のように、CVD法において気相で生成される粒子中に占める結晶相の割合が多いと、堆積した微結晶シリコン層中において、シリコン原子間の結合のネットワークが十分に形成されず、その結果、電気特性が低下していたと考えられる。
微結晶シリコン層14mを形成するとき、成膜温度は250℃未満であることが好ましく、このように低い温度で微結晶シリコン層14mを成膜するためには、特開2007−123008号公報に開示されている電極構造を有するCVD装置を用いることが好ましい。
本発明の微結晶シリコン膜の形成方法は、流量比H2/SiH4が500以上1000以下であり、成膜圧力が700Pa以上1500Pa以下と比較的高く(従来は300Pa以下であることが多い)、且つ、成膜温度が250℃未満(従来は250℃以上、特に300℃以上であることが多い)である点に特徴がある。特に、成膜圧力が1000Pa未満のときには、成膜温度は200℃以下であり150℃以上であることが好ましい。成膜圧力が1000Pa以上のときには、成膜温度は200℃以上250℃未満であることが好ましい。本発明の微結晶シリコン膜の形成方法は、上記の条件に限定されないが、少なくとも上記の条件であれば、従来の形成方法よりも、電気特性の優れた微結晶シリコン層を得ることができる。なお、成膜温度が低いほど結晶性が向上するとともに、移動度が向上する。
次に、エッチストッパ層15として、例えば、シリコン窒化膜(SiNx膜)を形成する。シリコン窒化膜の厚さは、例えば150nmである。その後、コンタクト層(第1コンタクト層16aおよび第2コンタクト層16bとなる)として、リン(P)が高濃度にドーピングされたシリコン膜(n+シリコン層)を形成する。コンタクト層の厚さは、例えば50nmである。なお、シリコン窒化膜およびn+シリコン層は、一般的なa−SiTFTプロセスと同様のプロセスで成膜される。
次に、微結晶シリコン層14mおよびコンタクト層をフォトリソグラフィプロセスでパターニングすることによって、島状の微結晶シリコン層14mから形成された活性層14Aおよび、第1コンタクト層16aおよび第2コンタクト層16bが得られる。このパターニングの際に、エッチストッパ層15が存在することによって、このドライエッチングによって活性層14Aのチャネル領域がダメージを受けることを防止することができる。
続いて、例えば、スパッタリング法によりチタン(Ti)膜を形成する。Ti膜の膜厚は、例えば200nmとする。フォトリソグラフィプロセスでパターニングすることによって、第1電極17aおよび第2電極17bを形成する。次に、例えば、シリコン窒化膜等のパッシベーション膜18を例えばプラズマCVD法で形成する。このようにして、TFT10Aが得られる。必要に応じて、酸化シリコン膜や樹脂膜からなる平坦化膜を形成する。
上述の製造方法によって得られたTFT10Aのトランジスタ特性を図3(a)に示す。横軸はゲート電圧Vgであり、縦軸はドレイン電流Idである。比較のために、参考例のTFTのトランジスタを併せて示している。参考例のTFTは、微結晶シリコン層の形成条件だけが実施例1のTFT10Aと異なり、成膜圧力が70Paである。成膜温度は250℃、H2/SiH4流量比Rは100である。
図3(a)の結果から明らかなように、実施例1のTFT10Aのトランジスタ特性は、参考例のTFTのトランジスタ特性よりも優れている。参考例のTFTのオフ電流が約1.5×10-12A、オン電流が1.0×10-6A以上、移動度が0.67cm/V・sであるのに対し、TFT10Aのオフ電流は1.0×10-13A以下、オン電流が1.0×10-6A以上、移動度が0.86cm/V・sである。すなわち、TFT10Aは参考例のTFTに比べて、オン電流を維持したまま、オフ電流が1桁以上低減されている。また、移動度も向上している。
次に、図1(b)を参照する。図1(b)は、本発明による実施例2の微結晶シリコンTFT10Bの断面構造を模式的に示す図である。TFT10Bは、活性層14Bがアモルファスシリコン層14aをさらに有する点において、TFT10Aと異なる。TFT10Aと共通する構成および製造方法については説明を省略する。
TFT10Bの活性層14Bは、アモルファスシリコン層14aと微結晶シリコン層14mとを有し、アモルファスシリコン層14aは微結晶シリコン層14mよりもゲート電極12に近い側に設けられている。
アモルファスシリコン層14aは、成膜温度180℃で、従来の方法でゲート絶縁層13の上に形成される。アモルファスシリコン層14aの厚さは例えば3nmである。十分なトランジスタ特性を得るためには、アモルファスシリコン層14aの厚さは5nm以下であることが好ましい。アモルファスシリコン層14aの厚さの下限は特に設定されないが、微結晶シリコン層14mに十分なシリコン原子間の結合ネットワークを形成させるためには、ゲート絶縁層13と微結晶シリコン層14mとの間に均一に存在することが好ましく、そのためには、成膜装置等にも依存するが、2nm以上とすることが好ましい。
アモルファスシリコン層14aの上に、本発明による微結晶シリコン層14mを形成する。微結晶シリコン層14mの厚さは例えば47nmである。例えば、成膜温度を180℃、H2/SiH4流量比Rを800とし、成膜圧力を780Paとする。種々検討の結果、この成膜温度および流量比Rのとき、成膜圧力が740Paのときに最も効率的に結晶化する。したがって、上記の流量比は、最も効率的に結晶化する流量比Rよりも、SiH4が過剰に供給されることを意味している。このような条件で微結晶シリコン層14mを形成することによって、実施例1と同様に、中間相を有する微結晶シリコン層14mを得ることができる。
TFT10Bのトランジスタ特性を図3(b)に示す。参考例は上述のものと同じである。
図3(b)から明らかなように、実施例2のTFT10Bのトランジスタ特性は、参考例のTFTのトランジスタ特性よりも優れている。参考例のTFTのオフ電流が約1.5×10-12A、オン電流が1.0×10-6A以上、移動度が0.67cm/V・sであるのに対し、TFT10Bのオフ電流は1.0×10-13A以下、オン電流が1.0×10-6A以上、移動度が0.75cm/V・sである。すなわち、TFT10Bは参考例のTFTに比べて、オン電流を維持したまま、オフ電流が1桁以上低減されている。また、移動度も向上している。
次に、図1(c)を参照する。図1(c)は、本発明による実施例3の微結晶シリコンTFT10Cの断面構造を模式的に示す図である。TFT10Cは、活性層14Cが、第2微結晶シリコン層14m1とアモルファスシリコン層14aとをさらに有する点において、TFT10Aと異なっている。活性層14Cは、ゲート電極12側から、第2微結晶シリコン層14m1、アモルファスシリコン層14a、第1微結晶シリコン層14m2の順で配置されている。
第2微結晶シリコン層14m1は、例えば、成膜温度を180℃、H2/SiH4流量比Rを800とし、成膜圧力を740Paで、ゲート絶縁層13上に形成される。この第2微結晶シリコン層14m1は、最も効率的に結晶化する条件とし、TFT10Cの移動度の向上に寄与させる。第2微結晶シリコン層14m1の厚さは例えば3nmであり、2nm以上5nm以下であることが好ましい。
次に、アモルファスシリコン層14aを、成膜温度180℃で、従来の方法で、第2微結晶シリコン層14m1の上に形成する。アモルファスシリコン層14aの厚さは例えば3nmである。上述と同様の理由から、アモルファスシリコン層14aの厚さは2nm以上5nm以下であることが好ましい。
次に、アモルファスシリコン層14aの上に、第1微結晶シリコン層14m2を形成する。第1微結晶シリコン層14m2の厚さは例えば44nmである。第1微結晶シリコン層14m2は、例えば、実施例2のTFT10Bの微結晶シリコン層14mと同じ条件で成膜される。そのことによって、実施例1と同様に、中間相を有する第1微結晶シリコン層14m2を得ることができる。
TFT10Cのトランジスタ特性を図3(c)に示す。参考例は上述のものと同じである。
図3(c)から明らかなように、実施例3のTFT10Cのトランジスタ特性は、参考例のTFTのトランジスタ特性よりも優れている。参考例のTFTのオフ電流が約1.5×10-12A、オン電流が1.0×10-6A以上、移動度が0.67cm/V・sであるのに対し、TFT10Cのオフ電流は1.0×10-13A以下、オン電流が1.0×10-6A以上、移動度が0.88cm/V・sである。すなわち、TFT10Cは参考例のTFTに比べて、オン電流を維持したまま、オフ電流が1桁以上低減されている。また、移動度も向上している。
本発明による微結晶シリコン層は、中間相として帰属される、アモルファス相と結晶相との中間の状態を有する相を含んでいることに特徴があり、中間相を有する微結晶シリコン層を形成するためのプラズマCVDの条件は上記の例に限定されない。
上述したように、本発明によると、オン電流を確保しつつ、オフ電流を低減した微結晶シリコン層を備えた半導体素子およびその製造方法が提供される。ここでは、逆スタガー型のTFTを例示したが、本発明はこれに限られず、スタガー型のTFTに適用することもできる。
本発明の半導体素子は、表示装置のアクティブマトリクス基板など種々の用途に用いることができる。
(a)〜(c)は、それぞれ本発明による実施例のTFT10A、TFT10BおよびTFT10Cの断面構造を模式的に示す図である。 (a)および(b)は、本発明による微結晶シリコン層の構造を説明するための模式図である。 (a)〜(c)は、それぞれ本発明による実施例のTFT10A、TFT10BおよびTFT10Cのトランジスタ特性を示すグラフである。
符号の説明
10A、10B、10C TFT
11 基板(例えばガラス基板)
12 ゲート電極
13 ゲート絶縁層
14A、14B、14C 活性層
16a、16b コンタクト層(ソースコンタクト層、ドレインコンタクト層)
17a、17b 電極(ソース電極、ドレイン電極)
18 パッシベーション膜
22 粒子
22a アモルファス相
22b 中間相
22c 結晶相

Claims (7)

  1. 基板と、
    前記基板に支持された活性層であって、チャネル領域と、前記チャネル領域の両側に形成された第1領域および第2領域とを有する活性層と、
    前記活性層の第1領域および第2領域にそれぞれ接する第1コンタクト層および第2コンタクト層と、
    前記第1コンタクト層を介して前記第1領域と電気的に接続された第1電極と、
    前記第2コンタクト層を介して前記第2領域と電気的に接続された第2電極と、
    前記チャネル領域に、ゲート絶縁層を介して対向するように配置されたゲート電極と
    を備え、
    前記活性層は、ラマンスペクトルにおいて、SiHに帰属されるピーク面積強度/SiH2に帰属されるピーク面積強度が2以上である第1微結晶シリコン層を有する、半導体素子。
  2. 前記第1微結晶シリコン層は、ラマンスペクトルにおいて、480cm-1付近のアモルファス相に帰属されるピークと、520cm-1付近の結晶相に帰属されるピークとの間の500cm-1付近にさらなるピークを有する、請求項1に記載の半導体素子。
  3. 前記第1微結晶シリコン層は、2nm以上10nm以下の直径を有するシリコンの粒子を含む、請求項1または2に記載の半導体素子。
  4. 前記活性層は、前記第1微結晶シリコン層の単層で形成されている、請求項1から3のいずれかに記載の半導体素子。
  5. 前記活性層は、さらにアモルファスシリコン層を有し、前記アモルファスシリコン層は前記第1微結晶シリコン層よりも前記ゲート電極に近い側に設けられている、請求項1から3のいずれかに記載の半導体素子。
  6. 前記活性層は、さらに第2微結晶シリコン層とアモルファスシリコン層とを有し、
    前記ゲート電極側から、前記第2微結晶シリコン層、前記アモルファスシリコン層、前記第1微結晶シリコン層の順で配置されている、請求項1から3のいずれかに記載の半導体素子。
  7. 基板に支持された半導体素子の製造方法であって、
    基板上に活性層を形成する工程を包含し、
    前記活性層を形成する工程が、
    プラズマCVDで、H2ガスとSiH4ガスとを含む原料ガスを用いて、流量比H2/SiH4が500以上1000以下、成膜圧力が700Pa以上1500Pa以下、成膜温度が250℃未満の条件で、微結晶シリコン膜を成膜する工程を包含する、
    半導体素子の製造方法。
JP2008308857A 2008-12-03 2008-12-03 半導体素子およびその製造方法 Pending JP2010135502A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008308857A JP2010135502A (ja) 2008-12-03 2008-12-03 半導体素子およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008308857A JP2010135502A (ja) 2008-12-03 2008-12-03 半導体素子およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010135502A true JP2010135502A (ja) 2010-06-17

Family

ID=42346509

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008308857A Pending JP2010135502A (ja) 2008-12-03 2008-12-03 半導体素子およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010135502A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010018479A (ja) * 2008-07-10 2010-01-28 Fujifilm Corp 金属酸化物膜とその製造方法、及び半導体装置
JP2012049517A (ja) * 2010-07-26 2012-03-08 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 微結晶半導体膜の作製方法、及び半導体装置の作製方法
WO2012063723A1 (ja) * 2010-11-11 2012-05-18 シャープ株式会社 半導体装置、表示装置、および半導体装置の製造方法
US9252158B2 (en) 2013-07-03 2016-02-02 Samsung Display Co., Ltd. Thin film transistor array panel and method of manufacturing the same

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010018479A (ja) * 2008-07-10 2010-01-28 Fujifilm Corp 金属酸化物膜とその製造方法、及び半導体装置
JP2012049517A (ja) * 2010-07-26 2012-03-08 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 微結晶半導体膜の作製方法、及び半導体装置の作製方法
WO2012063723A1 (ja) * 2010-11-11 2012-05-18 シャープ株式会社 半導体装置、表示装置、および半導体装置の製造方法
US9252158B2 (en) 2013-07-03 2016-02-02 Samsung Display Co., Ltd. Thin film transistor array panel and method of manufacturing the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101345378B1 (ko) ZnO 계 박막 트랜지스터 및 그 제조방법
JP2008124392A (ja) 半導体装置、その製造方法及び表示装置
KR101960889B1 (ko) 오프셋 전극 tft 구조
US8378348B2 (en) Semiconductor element and method for manufacturing the same
JPH10163498A (ja) 薄膜トランジスタ、薄膜トランジスタの製造方法、及び液晶表示装置
US20100237355A1 (en) Thin film transistor, method for manufacturing thin film transistor, and display device
US8310611B2 (en) Display device and manufacturing method thereof
JP2001217424A (ja) 薄膜トランジスタおよびそれを用いた液晶表示装置
JP5309387B2 (ja) 半導体層とこの半導体層を用いた半導体装置および表示装置
WO2011141946A1 (ja) 薄膜トランジスタ装置及びその製造方法
US20110248277A1 (en) Method of crystalizing amorphous silicon layer, method of manufacturing thin film transistor using the same, and thin film transistor using the manufacturing method
JP2010135502A (ja) 半導体素子およびその製造方法
JP2005057056A (ja) 薄膜トランジスタおよびその製造方法
US8304767B2 (en) Semiconductor device and production method thereof
KR20100030995A (ko) 박막 트랜지스터 및 그 제조 방법
JP2013105873A (ja) 薄膜トランジスタ
JP2002185005A (ja) 混成tftアレー基板とその製造方法
JP5580624B2 (ja) 薄膜トランジスタ及びその製造方法、並びに表示装置
US20210234048A1 (en) Thin-film transistor and manufacturing method therefor
CN114927532B (zh) 阵列基板及其制作方法和显示面板
US20120217502A1 (en) Display device and manufacturing method of the same
JP2001077372A (ja) 薄膜トランジスタ
JP2010098149A (ja) 表示装置およびその製造方法
JPH02189935A (ja) 薄膜トランジスタの製造方法
JPH04214673A (ja) 薄膜トランジスタ及びその製造方法