JP2010135186A - 電池検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】非水二次電池電極体への電解液の浸透度を検査する電池検査方法を提供する。
【解決手段】電池電圧を3.0V〜3.5Vの範囲内に充電する工程(a)。充電された電池のインピーダンス測定を行い、コール・コールプロットを取得する工程(b)。コール・コールプロットを等価回路にフィッティングし、高周波側の容量成分C2を得る工程(c)。高周波側の容量成分C2に基づいて、電極体への電解液の浸透度を判定する工程(d)からなる電池検査方法。
【選択図】なし
【解決手段】電池電圧を3.0V〜3.5Vの範囲内に充電する工程(a)。充電された電池のインピーダンス測定を行い、コール・コールプロットを取得する工程(b)。コール・コールプロットを等価回路にフィッティングし、高周波側の容量成分C2を得る工程(c)。高周波側の容量成分C2に基づいて、電極体への電解液の浸透度を判定する工程(d)からなる電池検査方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、電池ケースに電極体と電解液を収容してなる電池について、電極体への電解液の浸透度を検査する電池検査方法に関する。特に、リチウムイオン二次電池に適した検査方法に関する。
リチウムイオン二次電池は、車両搭載用電源、或いはパソコン及び携帯端末の電源として重要性が高まっている。ところで、かかるリチウムイオン二次電池は、例えば、電池ケースに電極体と電解液を収容してなる構造を有する。かかるリチウムイオン二次電池は、電池ケース内で電極体が電解液に完全に浸漬している状態であることが好ましい。これにより、適切な出力を発揮することができる。ところで、電解液の電解液への含浸(浸透)状態を判定する方法は、例えば、特開2002−110252号公報(特許文献1)に開示されている。同公報では、電解液注入後に電池の正負極間の静電容量および/またはインピーダンスを測定し、電解液の含浸状態を非破壊的に判定する検査方法が挙げられている。なお、電解液浸透度の検査方法ではないが、電池のインピーダンスを測定することを利用した技術は、特表2004−508687号公報(特許文献2)、特開平4−95788号公報(特許文献3)、特開2006−59672号公報(特許文献4)、特開200−173604号公報(特許文献5)に開示されている。
特開2002−110252号公報
特表2004−508687号公報
特開平4−95788号公報
特開2006−59672号公報
特開2000−173604号公報
上述した特許文献1に開示された技術では、電解液の注液後、正負極間の静電容量および/またはインピーダンスを測定している。そして、かかる静電容量および/またはインピーダンスの測定値が満含浸状態(電極間を含む空間の全てが電解液で完全に含浸した状態)に相当する値に到達したことをもって、満含状態であると判定している。しかしながら、この検査方法は、電極間に電解液が浸透していない場合に比べて、電極間に電解液が浸透すると、電極間のインピーダンス値が桁違いに低下することに基づいている。しかしながら、電極間に電解液が浸透している程度によって測定値にばらつきが大きく、精度のよい検査ができない場合があった。本発明はかかる電極体への電解液の浸透度を検査する方法について新規な方法を提案する。
本発明に係る電池検査方法は、まず電池を3.0V〜3.5Vの範囲内の電圧に充電する(工程(a))。次に、充電された電池をインピーダンス測定し、コール・コールプロットを取得する(工程(b))。次に、工程(b)で得られたコール・コールプロットを、予め定めた等価回路にフィッティングし、高周波側の容量成分を得る(工程(c))。そして、工程(c)で得られた、高周波側の容量成分に基づいて、電極体への電解液の浸透度を判定する(工程(d))。
かかる検査方法によれば、工程(a)において電池が3.0V〜3.5Vの範囲内で充電されている。この場合、工程(b)で表示されるコール・コールプロット上に解析が容易な2つの円弧が安定して得られる。このため、工程(c)で等価回路にフィッティングした際の精度が向上し、電極体への電解液の浸透度について適切に判定できる。
かかる検査方法によれば、工程(a)において電池が3.0V〜3.5Vの範囲内で充電されている。この場合、工程(b)で表示されるコール・コールプロット上に解析が容易な2つの円弧が安定して得られる。このため、工程(c)で等価回路にフィッティングした際の精度が向上し、電極体への電解液の浸透度について適切に判定できる。
以下、本発明の一実施形態に係る電池検査方法を説明する。
この電池検査方法は、リチウムイオン二次電池100に対して行われる。リチウムイオン二次電池100(以下、適宜「電池」という。)は、例えば、図1に示すように、電池ケース10に、電極体20を収容し、当該電池ケース10内に電解液(図示省略)を注入した構造を備えている。電極体20は、例えば、図2に示すように、正極シート21と負極シート25を、セパレータ29を介在させて重ねて巻回している。また、正極シート21は、正極箔22に正極材料24が塗工されている。負極シート25は負極箔26に負極材料28が塗工されている。
この実施形態では、正極材料24は、正極活物質としてのLi2NiO3と、ポリテトラフルオロエチレン(Polytetrafluoroethylene:PTFE)と、カルボキシメチルセルロース(Carboxymethylcellulose:CMC)を混ぜ合わせた材料である。この実施形態では、正極材料24は、より具体的には、Li2NiO3を94重量%、PTFEを5重量%、CMCを1重量%の割合で混合し、ペースト状に混ぜ合わせる。この実施形態では、正極箔22には、厚さ10μmのアルミニウム箔(Al箔)が用いられている。正極シート21は、正極材料24を正極箔22に塗工した後、乾燥させている。
また、負極材料28は、負極活物質としての天然黒鉛と、カルボキシメチルセルロース(Carboxymethylcellulose:CMC)と、スチレン・ブタジエンゴム (Styrene-butadiene rubber:SBR)を混ぜ合わせた材料である。この実施形態では、負極材料28は、より具体的には、天然黒鉛を98重量%、CMCを1重量%、SBRを1重量%の割合で混合し、ペースト状に混ぜ合わせる。この実施形態では、負極箔26には、厚さ10μmの銅箔(Cu箔)が用いられている。負極シート25は、負極材料28を負極箔26に塗工した後、乾燥させている。
また、この実施形態では、セパレータ29には、ポリプロピレン(polypropylene:PP)のセパレータが用いられている。また、電解液には、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)を体積比にて等量ずつ混合した溶媒に、電解質として六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1mol/L溶解させた電解液が用いられている。
正極シート21と負極シート25は、図2に示すように、セパレータ29を介在させて重ねて巻回されている。この実施形態では、正極シート21と、負極シート25と、2枚のセパレータ29は、長さ約500cmずつ巻かれる。この実施形態では、電池ケース10は、図1に示すように、いわゆる角型の容器であり、電極体20は、捲回された後に扁平に押し潰されて、電池ケース10の内部に収容されている。容器の内側の寸法は、縦5cm、横12cm、奥行き(幅)1cmである。電解液は、電極体20を収容した電池ケース10の上部開口12から注入される。この実施形態では、電池ケース10に収容された電極体20を十分に電解液に浸漬させるため、50mlの電解液が注入される。このリチウムイオン二次電池100の定格の容量は、5Ahである。電解液40は、図3に示すように、電極体20内部の間隙に浸透する。電池ケース10の上部開口12は、電解液40を注入した後、開口蓋体14によって仮封止される。その後、予備的に放充電を行うコンディショニング工程が行われる。
電解液40は、注入後ある程度の時間が経てば、通常は、図3に示すように、電極体20内部に十分に浸透する。このため、注入工程後、所定時間を経てコンディショニング工程を行う。それでも電解液40が電極体20に十分に浸透していない場合には、コンディショニング工程において、著しくガスが発生するなどの不都合が生ずることがある。また、電解液40が電極体20に十分に浸透していない場合、電池の正負極間の抵抗が増したり、電池の出力が低下したりすることがある。
そこで、電池を検査する項目の一つとして、電極体20に電解液40が十分に浸透しているかを精度良く検査したい。しかしながら、一度組み付けられた電池において、密閉空間にある電極体20に電解液40が十分に浸透しているかを精度良く検査することは難しい。本発明者は、電解液の浸透度合いを検査する方法として、電池の正負極間のインピーダンスを測定するインピーダンス測定を利用した方法を利用できないかと考えた。
インピーダンス測定は、例えば、電池に、3.35Vで、0.001Hz〜1.0×105Hzに周波数を変えつつ交流電流を流す。この際、周波数の違いにより、複数のインピーダンス値が得られる。かかる複数のインピーダンス値に基づいて、縦軸に複素インピーダンスにおける虚部(Im|Z|)(mΩ)、横軸に複素インピーダンスにおける実部(Re|Z|)(mΩ)を設定した平面グラフ上に、図4に示すようなコール・コールプロットを得ることができる。
このコール・コールプロットにおいて、高周波電流を流したときに得られるプロットは、実部(Re|Z|)(mΩ)の値が低い方にプロットされる。そして、図4に示すように、かかるプロットに近似した円弧CHを描くことができる。また、低周波電流を流したときに得られるプロットは、実部(Re|Z|)(mΩ)の値が高い方にプロットされる。そして、かかるプロットに近似した円弧CLを描くことができる。高周波電流を流したときに得られるプロットに基づいて描かれる円弧CHは、電解液の容量と抵抗に起因している。低周波電流を流したときに得られるプロットに基づいて描かれる円弧CLは、電解液と電極の界面の容量と抵抗を解析により得ることができる。かかる解析は、図5に示す等価回路にフィッティングすることで解析できる。
図5に示す等価回路において、L0はインピーダンス測定に用いる装置に起因するコイル成分を、R0はインピーダンス測定に用いる装置に起因する抵抗成分を示している。また、R1は電池回路の抵抗成分を、R2は電解液の抵抗成分を、C2は電解液の容量成分を、R3は電解液と電極の界面の抵抗成分を、C3は電解液と電極の界面の容量成分を、それぞれ示している。また、CPE_Dは、リチウムイオンの拡散項を示している。
発明者が種々実験を行っていたところ、当該インピーダンス測定において、例えば、図6や図7のようなプロットが得られ、上記の円弧CH、CLが上手く描かれない場合があった。このような場合には、インピーダンス測定によって得られたコール・コールプロットを図5に示す等価回路にフィッティングすることが困難になる。
本発明者は、かかる事象についてさらに鋭意検討し、以下のように推測した。すなわち、電池の正極材料24は印加電圧の状態に応じて電気特性が変化する。印加電圧がかかっていない場合、正極材料24の電気的活性は極めて低くなり、抵抗的成分は非常に高くなる。このような正極材料24の半導体的な性質によって、電解液と電極の界面の容量と抵抗を表す上記低周波側の円弧CLは、正極材料24の抵抗に影響を受ける。このため、電池の正極材料24に印加される電圧の状況によっては、図4に示されるようなプロットが得られない。本発明者は上記のような技術的推考を基に、電池をある程度充電した状態でインピーダンス測定を行うと上記の問題が改善されるのではないかと考えた。
そこで、本発明者は、種々異なった電圧に充電した電池を複数用意し、各々の電池を正負極間のインピーダンス測定に供した。このうち、0V(無充電状態)、2.50V、3.00V、3.36V、3.73V、4.10Vの電圧に充電した電池について、インピーダンス測定を行った結果を、図6〜図11に示す。図6は0V(無充電状態)で得られるコール・コールプロットを示している。図7は、2.50Vに充電した電池で得られるコール・コールプロットを示している。図8は、3.00Vに充電した電池で得られるコール・コールプロットを示している。図9は、3.36Vに充電した電池で得られるコール・コールプロットを示している。図10は、3.73Vに充電した電池で得られるコール・コールプロットを示している。図11は、4.10Vに充電した電池で得られるコール・コールプロットを示している。
無充電電池や2.50Vに充電した電池では、図6および図7に示すように、コール・コールプロットの高周波側、低周波側に2つの円弧CH、CLがあると見なすことができない。このため、図5に示す等価回路にフィッティングできない。この場合、正極の抵抗が大きくなり、低周波側の円弧CLが大きくなりすぎることが要因と考えられる。
また、3.00Vや3.36Vに充電された電池では、コール・コールプロットは、図8および図9に示すように、高周波側、低周波側に2つの円弧CH、CLがあると見なすことができる。これは、3.00Vや3.36Vに充電したことにより、正極の抵抗が小さくなり、低周波側の円弧CLが適切な大きさになったと考えられる。
また、3.73Vや4.10Vに充電された電池では、高周波側の電池電圧に充電された電池も、3.73Vで充電された電池と同様に、図11に示すように、コール・コールプロット上で概ね一つの円弧が確認できるが、コール・コールプロットの高周波側、低周波側に2つの円弧CH、CLがあると見なすことができない。
また、3.00Vや3.36Vに充電された電池では、コール・コールプロットは、図8および図9に示すように、高周波側、低周波側に2つの円弧CH、CLがあると見なすことができる。これは、3.00Vや3.36Vに充電したことにより、正極の抵抗が小さくなり、低周波側の円弧CLが適切な大きさになったと考えられる。
また、3.73Vや4.10Vに充電された電池では、高周波側の電池電圧に充電された電池も、3.73Vで充電された電池と同様に、図11に示すように、コール・コールプロット上で概ね一つの円弧が確認できるが、コール・コールプロットの高周波側、低周波側に2つの円弧CH、CLがあると見なすことができない。
図8及び図9に示すように、3.00Vや3.36Vに充電された電池では、高周波側、低周波側に2つの円弧CH、CLがあると見なすことができ、図5に示す等価回路に、適切にフィッティングできる。さらに、本発明者が3.00V〜3.50Vの範囲で充電した電池では、高周波側、低周波側に2つの円弧CH、CLがあると見なすことができ、図5に示す等価回路に、適切にフィッティングできることが確認できた。さらに、本発明者は、インピーダンス測定およびコール・コールプロットの等価回路のフィッティングで得られる解析値と、電解液浸透度との関係を調べた。
本発明者は、インピーダンス測定およびコール・コールプロットの等価回路のフィッティングで得られる解析値と、電解液浸透度との関係を調べるため、電解液の注液量が異なる電池を複数用意した。すなわち、電池ケースに注入する電解液の量を12.3〜40.0mlで条件を代え、一部の電池において電極体が浸漬されていない状態を意図的に作った。そして、これらの電池を電解液注入後に所定時間(例えば、24時間)放置し、その後、電池ケース10に加圧・減圧を繰り返した。それから電池100を3.36Vに充電し、上記と同様に、インピーダンス測定を行い、コール・コールプロットを得た。ここで、電池の充電は、25℃の温度環境において、0.0Vから3.36Vまで、CCCV充電(Constant Current/Constant Voltage (定電流/定電圧))を行った。インピーダンス測定は、インピーダンスアナライザーで測定した。次に、当該インピーダンス測定で得られた周波数、ImZ、ReZを、図5に示す等価回路にフィッティングして、R2,C2,R3,C3を得た。そして、電極体に電解液が浸漬している状態と、等価回路フィッティングで得られるR2,C2,R3,C3との関係を調べた。その結果を、図12〜図14に示す。
上記数式(1)で、「総電解液量−(セパレータ、正極箔、負極箔以外に付着した電解液量)」は、電極体20に空隙に浸透している電解液の量を示している。すなわち、総電解液量は、電池ケース10に注入された電解液の量を示している。これは、電解液の注入量により求められる。(セパレータ、正極箔、負極箔以外に付着した電解液量)は、電極体20に浸透していない電解液の量を示している。具体的には、電池ケース10に電解液を注液した後の電池重量を計量した後に、電池ケースの底に溜まった余剰液を捨て、電池重量を再度計量する。そして、余剰液を捨てる前の重量と余剰液を捨てた後の重量の差を電解液の比重で割ることで算出する。
また、「セパレータの空隙+正極シートの空隙+負極シートの空隙」は、電極体20内に電解液が浸透し得る空隙の総計を示している。当該量は、セパレータ29、正極シート21、負極シート25の各部材について、それぞれ真密度と各部材の寸法から得られる嵩密度との差から求められる。例えば、セパレータ29の重量がWで、DRが真密度、DMが嵩密度である場合、(W/DR−W/DM)で求められる。ここで得られる細孔占有率が100%のものは、電極体20に電解液が十分に浸透していたものと考えられる。
また、「セパレータの空隙+正極シートの空隙+負極シートの空隙」は、電極体20内に電解液が浸透し得る空隙の総計を示している。当該量は、セパレータ29、正極シート21、負極シート25の各部材について、それぞれ真密度と各部材の寸法から得られる嵩密度との差から求められる。例えば、セパレータ29の重量がWで、DRが真密度、DMが嵩密度である場合、(W/DR−W/DM)で求められる。ここで得られる細孔占有率が100%のものは、電極体20に電解液が十分に浸透していたものと考えられる。
そして、電池ケースに注入する電解液の量を12.3〜40.0mlで条件を代えた各電池について、図12に示すように、電解液の注液量、細孔占有率、等価回路フィッティングで得られるR2、C2、R3、C3との関係を得た。なお、このうち、C2は、図13に示すように、細孔占有率との間で一応の相関関係が見られた。ここで得られる相関関係から、概ねC2が2.5(F)で、電極体20の細孔占有率が100%であることとの結果が得られた。このため、C2>2.5(F)ならば、細孔占有率100%であり、電極体への電解液の浸透度合いも概ね十分であり、コンディショニング工程でのガスの発生を抑制でき、電池の出力を確保できると判定できる。また、図13に示すように、C2と細孔占有率との相関関係を示す校正曲線Lに基づいて、電極体の細孔占有率を算出することができ、電解液浸透度を定量化することも可能になる。また、図14は、C2と、電解液の注入量との関係を示す。図14から分かるように、この実施形態では、電解液の注入量が約30ml以上でC2が概ね2.5(F)になった。このことから、12.3〜40.0mlで条件を代えた各電池には、電極体20に電解液が十分に浸透したものが含まれていたことが分かる。
このような試験から、まず、電池を3.0V〜3.5Vの範囲内の電圧に充電する(工程(a))。次に、充電された電池をインピーダンス測定し、コール・コールプロットを取得する(工程(b))。次に、コール・コールプロットを、図5に示す等価回路にフィッティングし、高周波側の容量成分C2を得る(工程(c))。次に、高周波側の容量成分C2に基づいて、電極体への電解液の浸透度を判定する(工程(d))。かかる検査方法によれば、工程(a)において電池が3.0V〜3.5Vの範囲内で充電されている。この場合、工程(b)で表示されるコール・コールプロット上に解析が容易な2つの円弧が安定して得られる。このため、工程(c)で等価回路にフィッティングした際の精度が向上し、電極体への電解液の浸透度について適切に判定できる。この場合、インピーダンス測定の条件、フィッティングさせる等価回路などにより、電極体への電解液の浸透度と、高周波側の容量成分C2との関係は、適宜、上記のような試験で見出すと良い。これにより、電池の具体的構成の変更に対応できる。
以上、本発明の一実施形態に係る電池の検査方法について説明をしたが、本発明に係る電池は、上述した実施形態に限定されない。
例えば、リチウムイオン二次電池の構成は、上述した実施形態に限定されない。例えば、負極活物質がカーボン系材料であれば、正極活物質は種々の材料(例えば、Mn系、3元系)を用いることができる。
例えば、リチウムイオン二次電池の構成は、上述した実施形態に限定されない。例えば、負極活物質がカーボン系材料であれば、正極活物質は種々の材料(例えば、Mn系、3元系)を用いることができる。
10 電池ケース
12 上部開口
14 開口蓋体
20 電極体
21 正極シート
22 正極箔
24 正極材料
25 負極シート
26 負極箔
28 負極材料
29 セパレータ
40 電解液
100 リチウムイオン二次電池
C2 高周波側の容量成分
CH 円弧
CL 円弧
L 校正曲線
12 上部開口
14 開口蓋体
20 電極体
21 正極シート
22 正極箔
24 正極材料
25 負極シート
26 負極箔
28 負極材料
29 セパレータ
40 電解液
100 リチウムイオン二次電池
C2 高周波側の容量成分
CH 円弧
CL 円弧
L 校正曲線
Claims (1)
- 電池ケースに電極体と電解液を収容してなる電池について、電極体への電解液の浸透度を検査する電池検査方法であって、
前記電池を3.0V〜3.5Vの範囲内の電圧に充電する工程(a)と、
前記工程(a)によって充電された電池をインピーダンス測定し、コール・コールプロットを取得する工程(b)と、
前記工程(b)で得られたコール・コールプロットを、予め定めた等価回路にフィッティングし、前記高周波側の容量成分を得る工程(c)と、
前記工程(c)で得られた、前記高周波側の容量成分に基づいて、前記電極体への電解液の浸透度を判定する工程(d)と、
を備えた、電池検査方法。
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