以下、本発明の実施形態に係るカラー画像形成装置について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るカラー画像形成装置の全体構成を示す正面図である。
本実施形態のカラー画像形成装置100は、外部から伝達された画像データに応じて、所定のシート(記録用紙)に対して多色及び単色の画像を形成するもので、装置本体11
0と、自動原稿処理装置120とにより構成されている。
装置本体110は、露光ユニット1、現像器2、感光体ドラム3、クリーナユニット4、帯電器5、中間転写ベルトユニット6、定着ユニット7、給紙カセット81、排紙トレイ91等を有して構成されている。
装置本体110の上部には、原稿が載置される透明ガラスからなる原稿載置台92が設けられ、原稿載置台92の上側には自動原稿処理装置120が取り付けられている。自動原稿処理装置120は、原稿載置台92の上に自動で原稿を搬送する。また原稿処理装置120は矢印M方向に回動自在に構成され、原稿載置台92の上を開放することにより原稿を手置きで置くことができるようになっている。
本カラー画像形成装置100において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。従って、現像器2、感光体ドラム3、帯電器5、クリーナユニット4は、各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエローに設定され、これらによって4つの画像ステーションが構成されている。
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、図1に示すようなチャージャ型の他、接触型のローラ型やブラシ型の帯電器が用いられることもある。
露光ユニット1は、レーザ出射部及び反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成される。露光ユニット1は、レーザビームを走査するポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム3に導くためのレンズやミラー等の光学要素が配置されている。また、露光ユニット1としては、この他にも発光素子をアレイ状に並べた例えばELやLED書込みヘッドを用いる手法も採用できる。
露光ユニット1は、帯電された感光体ドラム3を入力された画像データに応じて露光することにより、その表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する機能を有する。現像器2は、それぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像を4色(Y,M,C,K)のトナーにより顕像化するものである。また、クリーナユニット4は、現像・画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを、除去・回収する。
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルトユニット6は、中間転写ベルト61、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、中間転写ローラ64、及び中間転写ベルトクリーニングユニット65を備えている。中間転写ローラ64は、Y,M,C,Kの各色に対応して4本設けられている。
中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、及び中間転写ローラ64は、中間転写ベルト61を張架して回転駆動させる。また、各中間転写ローラ64は、感光体ドラム3のトナー像を、中間転写ベルト61上に転写するための転写バイアスを与える。
中間転写ベルト61は、各感光体ドラム3に接触するように設けられている、そして、感光体ドラム3に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト61に順次的に重ねて転写することによって、中間転写ベルト61上にカラーのトナー像(多色トナー像)を形成する機能を有している。中間転写ベルト61は、例えば厚さ100μm〜150μm程度の
フィルムを用いて無端状に形成されている。
感光体ドラム3から中間転写ベルト61へのトナー像の転写は、中間転写ベルト61の裏側に接触している中間転写ローラ64によって行われる。中間転写ローラ64には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。中間転写ローラ64は、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト61に対して均一に高電圧を印加することができる。本実施形態では転写電極としてローラ形状を使用しているが、それ以外にブラシなども用いることが可能である。
上述の様に各感光体ドラム3上で各色相に応じて顕像化された静電像は、中間転写ベルト61で積層される。このように積層された画像情報は、中間転写ベルト61の回転によって、後述の用紙と中間転写ベルト61の接触位置に配置される二次転写機構部である転写ローラ10によって用紙上に転写される。ただし、二次転写機構部としては、転写ローラに限らず、コロナチャージャや転写ベルトを用いることも可能である。
このとき、中間転写ベルト61と転写ローラ10は所定ニップで圧接されるとともに、転写ローラ10にはトナーを用紙に転写させるための電圧が印加される(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)。さらに、転写ローラ10は、上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ10若しくは中間転写ベルト駆動ローラ62の何れか一方に硬質材料(金属等)が用いられ、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラ、または発泡性樹脂ローラ等々)が用いられている。
また、上記のように、感光体ドラム3に接触することにより中間転写ベルト61に付着したトナー、若しくは転写ローラ10によって用紙上に転写が行われず中間転写ベルト61上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるために、中間転写ベルトクリーニングユニット65によって除去・回収されるように設定されている。中間転写ベルトクリーニングユニット65には、中間転写ベルト61に接触する例えばクリーニング部材としてクリーニングブレードが備えられており、クリーニングブレードが接触する中間転写ベルト61は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ63で支持されている。
給紙カセット81は、画像形成に使用するシート(記録用紙)を蓄積しておくためのトレイであり、装置本体110の露光ユニット1の下側に設けられている。また、手差し給紙カセット82にも画像形成に使用するシートを置くことができる。装置本体110の上方に設けられている排紙トレイ91は、印刷済みのシートをフェイスダウンで集積するためのトレイである。
また、装置本体110には、給紙カセット81及び手差し給紙カセット82のシートを転写ローラ10や定着ユニット7を経由させて排紙トレイ91に送るための、略垂直形状の用紙搬送路Sが設けられている。給紙カセット81ないし手差し給紙カセット82から排紙トレイ91までの用紙搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ11a,11b、複数の搬送ローラ12a〜12d,レジストローラ13、転写ローラ10、定着ユニット7等が配されている。
搬送ローラ12a〜12dは、シートの搬送を促進・補助するための小型のローラであり、用紙搬送路Sに沿って複数設けられている。また、ピックアップローラ11aは、給紙カセット81の端部近傍に備えられ、給紙カセット81からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。同様に、ピックアップローラ11bは、手差し給紙カ
セット82の端部近傍に備えられ、手差し給紙カセット82からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。
また、レジストローラ13は、用紙搬送路Sを搬送されているシートを一旦保持するものである。そして、感光体ドラム3上のトナー像の先端とシートの先端を合わせるタイミングでシートを転写ローラ10に搬送する機能を有している。
定着ユニット7は、ヒートローラ71及び加圧ローラ72を備えており、ヒートローラ71及び加圧ローラ72は、シートを挟んで回転するようになっている。またヒートローラ71は、図示しない温度検出器からの信号に基づいて制御部によって所定の定着温度となるように設定されており、加圧ローラ72とともにトナーをシートに熱圧着することにより、シートに転写された多色トナー像を溶融・混合・圧接し、シートに対して熱定着させる機能を有している。また、ヒートローラ71を外部から加熱するための外部加熱ベルト73が設けられている。
次に、シート搬送経路を詳細に説明する。
上述のように、カラー画像形成装置100には、予めシートを収納する給紙カセット81、及び手差し給紙カセット82が設けられている。これら給紙カセット81,82からシートを給紙するために、各々ピックアップローラ11a,11bが配置され、シートを1枚ずつ搬送路Sに導くようになっている。
各給紙カセット81,82から搬送されるシートは、用紙搬送路Sの搬送ローラ12aによってレジストローラ13まで搬送され、シートの先端と中間転写ベルト61上の画像情報の先端を整合するタイミングで転写ローラ10に搬送され、シート上に画像情報が書き込まれる。その後、シートは定着ユニット7を通過することによってシート上の未定着トナーが熱で溶融・固着され、その後に配された搬送ローラ12bを経て排紙トレイ91上に排出される。
上記の搬送経路は、シートに対する片面印字要求のときのものであるが、これに対して両面印字要求のときは、上記のように片面印字が終了し定着ユニット7を通過したシートの後端が最終の搬送ローラ12bで把持されたときに、搬送ローラ12bが逆回転することによってシートを搬送ローラ12c,12dに導く。そして、その後レジストローラ13を経てシート裏面に印字が行われた後に、シートが排紙トレイ91に排出される。
以上がカラー画像形成装置の全体構成の説明である。
図2ないし図5は、本実施形態に係わる機構構造を示しており、中間転写ベルトユニット6の周辺構造、具体的には、中間転写ベルト61の離接機構部30の基本構造を示している。ただし、図2ないし図4は正面図、図5は平面図である。なお、以下の説明において、Y,M,C,Kの各色に対応して感光体ドラム3及び中間転写ローラ64を区別する必要がある場合には、各感光体ドラム3及び各中間転写ローラ64の符号の後ろに各色を示すY,M,C,Kを付して区別することとする。また、離接機構部30(30A,30B)は、図5に示すように、中間転写ベルト61の移動(回転)方向に直交する左右方向(図5では上下方向)の両側にそれぞれ配置されており、各中間転写ローラ64を左右両側で支持する構造となっているが、以下の説明では、主として手前側(図5中下側)の離接機構部30Aについて、図2ないし図4を参照して説明する。
Y,M,Cの各感光体ドラム3Y,3M,3Cに対向配置された各中間転写ローラ64Y,64M,64Cのそれぞれは、略L字状に形成された転写ローラアーム31の一方の腕杆(以下、「横腕杆」という。)31aの先端部に回動可能に支持されている。この転写ローラアーム31は、L字状の屈曲部31bが図示しない装置フレームに回動可能に支持固定されており、この転写ローラアーム31の他方の腕杆(以下、「縦腕杆」という。)31cの先端部が、図示しない装置フレームに対して水平方向に往復移動可能に支持された第1スライド杆(請求項に記載のレバーに相当)35に回動可能に支持されている。
第1スライド杆35は、図2中右側端部35aが、図示しない装置フレームにカム軸36によって回転可能に保持されている第1偏心カム37のカム面に当接している。また、第1スライド杆35は、一方の端部32aが図示しない装置フレームに係止固定され、他方の端部32bが第1スライド杆35に係止固定された第1スプリング32によって、第1スライド杆35の右側端部35aが第1偏心カム37のカム面に常に圧接するように付勢されている。
一方、感光体ドラム3Kに対向配置された中間転写ローラ64Kは、略L字状に形成された転写ローラアーム33の一方の腕杆(以下、「横腕杆」という。)33aの先端部に回動可能に支持されている。この転写ローラアーム33は、L字状の屈曲部33bが図示しない装置フレームに回動可能に支持固定されており、この転写ローラアーム33の他方の腕杆(以下、「縦腕杆」という。)33cの先端部が、図示しない装置フレームに対して水平方向に往復移動可能に支持された第2スライド杆(請求項に記載のレバーに相当)38に回動可能に支持されている。
また、バックアップローラ66は、略L字状に形成されたバックアップローラアーム43の一方の腕杆(以下、「横腕杆」という。)43aの先端部に回動可能に支持されている。このバックアップローラアーム43は、L字状の屈曲部43bが図示しない装置フレームに回動可能に支持固定されており、この転写ローラアーム43の他方の腕杆(以下、「縦腕杆」という。)43cの先端部が第2スライド杆38に回動可能に支持されている。
第2スライド杆38は、図2中左側端部38aが、図示しない装置フレームにカム軸36によって回転可能に保持されている第2偏心カム39のカム面に当接している。また、第2スライド杆38は、一方の端部34aが図示しない装置フレームに係止固定され、他方の端部34bが第2スライド杆38に係止固定された第2スプリング34によって、第2スライド杆38の左側端部38aが第2偏心カム39のカム面に常に圧接するように付勢されている。
また、第1偏心カム37及び第2偏心カム39を保持しているカム軸36は、図5に示すように、その一端部が第1ギヤ25と第2ギヤ26からなるカップリング部を介して駆動モータ27に連係されている。すなわち、駆動モータ27の回転制御により、カップリング部を介してカム軸36を一方向または双方向に回転駆動させるようになっている。
中間転写ベルト61に所定の張力を与えるためのテンションローラ67は、テンションローラアーム45の先端部45aに回動可能に支持されており、テンションローラアーム45の下端部45bは、図示しない装置フレームに回動可能に支持されている。なお、図示は省略しているが、テンションローラアーム45はコイルスプリング等の付勢手段によって中間転写ベルト61に常に所定の張力を与えるように付勢されている。
このような配置構成において、Y,M,Cに対応した各転写ローラアーム31Y,31M,31Cの各横腕杆31a,31a,31aと、Kに対応した転写ローラアーム33Kの横腕杆33a及びバックアップローラアーム43の横腕杆43aとは、互いに反対方向を向いた状態で配置されている。
そのため、第1スライド杆35が、図2に示す位置から図3に示すように右方向X1に移動すると、各転写ローラアーム31Y,31M,31Cが各屈曲部31b,31b,31cの回動支点を中心として右方向R1に回転し、各横腕杆31a,31a,31aが上方に移動して、各中間転写ローラ64Y,64M,64Cが中間転写ベルト61から離れる結果、中間転写ベルト61が各感光体ドラム3Y,3M,3Cから離間することになる。
一方、第2スライド杆38が、図2に示す位置から図4に示すように左方向X2に移動すると、転写ローラアーム33K及びバックアップローラアーム43が、各屈曲部33b,43bの回動支点を中心として左方向R2に回転し、各横腕杆33a,43aが上方に移動して、中間転写ローラ64K及びバックアップローラ66が中間転写ベルト61から離れる結果、中間転写ベルト61が感光体ドラム3Kから離間することになる。
図6は、カム軸36に一体的に形成された第1偏心カム37と第2偏心カム39の形状及び配置位置関係を示している。なお、第1偏心カム37と第2偏心カム39とは、カム軸36に対して図6中紙面に垂直方向にずれた位置に形成されており、図6に示す例では、第2偏心カム39が第1偏心カム37の手前側に配置されている。
第1偏心カム37は、略45度の角度で広がった膨出部(大径部)37aを備えており、図2及び図6(a)に示す状態では、この膨出部37aの中心線CL1が水平方向左側に向くように(すなわち、第1スライド杆35の右側端部35aに膨出部37aが当接するように)配置されている。
一方、第2偏心カム39は、略90度の角度で広がった膨出部(大径部)39aを備えており、図2に示す状態では、この膨出部39aの中心線CL2が右斜め上方略45度を向くように(すなわち、第2スライド杆38の左側端部38aに膨出部39aの下端部が当接するように)配置されている。
そして、図6(a)に示す状態から、カム軸36が右方向に90度回転すると、図6(b)に示すように、第1スライド杆35の右側端部35aが第1偏心カム37の小径部37bのカム面に当接する結果、第1スライド杆35は、第1スプリング32の付勢力によって右方向X1に距離D1だけ移動する。一方、第2スライド杆38の左側端部38aは第2偏心カム39の膨出部39aの上端部に当接している。すなわち、第2スライド杆38の左側端部38aは同じ膨出部39aに当接しているため、横方向へは移動せずその位置をキープすることになる。この状態が図3に示す状態である。
そして、図6(b)に示す状態からカム軸36がさらに右方向に90度回転すると、図6(c)に示すように、第1スライド杆35の右側端部35aが第1偏心カム37の小径部37bのカム面に当接しているので、第1スライド杆35は、図6(b)に示す位置と同じ位置をキープすることになる。一方、第2スライド杆38の左側端部38aは第2偏心カム39の小径部39bに当接する結果、第2スライド杆38の左側端部38aは、第2スプリング34の付勢力によって左方向X2に距離D2だけ移動することになる。この状態が図4に示す状態である。
以上の各動作を総合的にまとめると次のようになる。
すなわち、カムの状態が図6(a)に示す状態では、第1スライド杆35に連係されてる各転写ローラアーム33Y,33M,33C、及び第2スライド杆38に連係されている転写ローラアーム33K及びバックアップローラアーム43は、図2に示す状態となっている。すなわち、各中間転写ローラ64Y,64M,64C,64Kの押圧力によって中間転写ベルト61が、Y,M,C,Kの全ての感光体ドラム3Y,3M,3C,3Kに
所定の圧力で当接したカラーモード状態となっている。
次に、図6(a)に示す状態からカム軸36が右方向に90度回転して図6(b)に示す状態になると、第1スライド杆35が右方向X1に距離D1だけ移動し、これに連係されてる各転写ローラアーム33Y,33M,33CがR1方向に回動して、各中間転写ローラ64Y,64M,64Cが中間転写ベルト61から離れる。一方、第2スライド杆38に連係されている転写ローラアーム33K及びバックアップローラアーム43はそのままの状態を維持する。その結果、中間転写ベルト61が、Y,M,Cの各感光体ドラム3Y,3M,3Cから離間し、感光体ドラム3Kのみに当接した図3に示すモノクロモードの状態となる。
次に、図6(b)に示す状態からカム軸36がさらに右方向に90度回転して図6(c)に示す状態になると、第1スライド杆35は図6(b)に示す状態(位置)を維持する。一方、第2スライド杆38は、左方向X2に距離D2だけ移動し、これに連係されてる転写ローラアーム33K及びバックアップローラアーム43がR2方向に回動して、中間転写ローラ64K及びバックアップローラ66が中間転写ベルト61から離れる。その結果、中間転写ベルト61が、Y,M,C,K全ての感光体ドラム3Y,3M,3C,3Kから離間した図4に示す非印字モードの状態となる。
上記のように構成された離接機構部30(30A,30B)を有する中間転写ベルトユニット6において、中間転写ベルト61の近傍には、少なくとも中間転写ベルト61に一次転写されたトナー像の濃度を検知する光学センサ21,22が、中間転写ベルト61に対して対向配置されている。また、本実施形態では、これら光学センサ21,22を遮光・開放するシャッタ51,52が設けられている。これらシャッタ51,52は、光学センサ21,22の配置位置によってその形状が異なることから、以下では、これら光学センサ21,22の配置構造及びシャッタ51,5の形状について具体例を挙げて説明する。
[具体例1]
図7ないし図12は、本具体例1に係わる光学センサ21a,22aの配置位置とシャッタ51a,52aの形状とを示しており、図7は、中間転写ベルトユニット6の平面図、図8は、図7中のA−A線に沿う概略断面図、図9は、シャッタ51a部分の拡大斜視図、図10ないし図12は、離接機構部30(30A)の正面図である。
本具体例1の光学センサ21aは、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色のトナー濃度を検知するカラー用の光学センサ(以下、カラー用光学センサという。)であり、光学センサ22aは、ブラック(K)のトナー濃度を検知するモノクロ用の光学センサ(以下、モノクロ用光学センサという。)であって、トナー像の形成位置を検知するレジストセンサとしての機能は備えていないものとする。そのため、本具体例1では、カラー用光学センサ21aは、感光体ドラム3Kと3Cの間であって、離接機構部30の第1スライド杆35の近傍位置に配置されており、モノクロ用光学センサ22aは、感光体ドラム3Kの下流側(図10において右側)に配置されている。また、カラー用光学センサ21aは、中間転写ベルト61の一方の側縁部(図7では下部側縁部)611近傍に配置されており、モノクロ用光学センサ22aは、中間転写ベルト61の他方の側縁部(図7では上部側縁部)612近傍に配置されている。
一方、カラー用光学センサ21aを遮光・開放するカラー用シャッタ51aは、図8及び図9(a)に示すように、一方の離接機構部30A(図7では下部側)の第1スライド杆35の右側端部35a近傍の下辺部から外方向に水平に延設された支持片51a1と、この支持片51a1の先端部から下方向に延設された垂下片51a2と、この垂下片51a2の下端部から内方向に水平に延設された遮光片51a3とで形成されている。このように形成されたカラー用シャッタ51aは、支持片51a1の基端部側が第1スライド杆35に図示しないネジ等によって固定されている。
同様に、モノクロ用光学センサ22aを遮光・開放するモノクロ用シャッタ52aは、図8及び図9(b)に示すように、一方の離接機構部30B(図7では上部側)の第2スライド杆38の右側端部38b近傍の下辺部から外方向に水平に延設された支持片52a1と、この支持片52a1の先端部から下方向に延設された垂下片52a2と、この垂下片52a2の下端部から内方向に水平に延設された遮光片52a3とで形成されている。このように形成されたモノクロ用シャッタ51bは、支持片51b1の基端部側が第2スライド杆38に図示しないネジ等によって固定されている。すなわち、本具体例1では、カラー用シャッタ51aとモノクロ用シャッタ52aとは同じ形状となっている。
このように形成された各シャッタ51a,52aの遮光片51a3,52a3は、各光学センサ21a,22aに対して、図10ないし図12に示すように配置されている。
すなわち、図10はカラーモード状態での第1スライド杆35と第2スライド杆38の配置位置を示している。このカラーモード状態においては、カラー用シャッタ51aはカラー用光学センサ21aを開放した状態(カラー用シャッタ51aが中間転写ベルト61とカラー用光学センサ21aとの間に介在しない状態)となっており、モノクロ用シャッタ52aはモノクロ用光学センサ22aを開放した状態(モノクロ用シャッタ52aが中間転写ベルト61とモノクロ用光学センサ22aとの間に介在しない状態)となっている。すなわち、カラーモード状態では、両光学センサ21a,22aが共にON状態となっている。これにより、カラー用光学センサ21aによるカラートナー濃度の検知が可能となる。すなわち、カラー用シャッタ51aが、カラー用光学センサ21aによるカラートナー濃度の検知を妨げることはない。
また、図11はモノクロモード状態での第1スライド杆35と第2スライド杆38の配置位置を示している。このモノクロモード状態においては、図10に示すカラーモード状態から第1スライド杆35のみがX1方向に移動することから、カラー用シャッタ51aはカラー用光学センサ21aを遮光した状態(カラー用シャッタ51aが中間転写ベルト61とカラー用光学センサ21aとの間に介在する状態)となっている。これに対して、第2スライド杆38はその位置の状態を維持することから、モノクロ用シャッタ52aはモノクロ用光学センサ22aを開放した状態となっている。すなわち、モノクロモード状態では、カラー用光学センサ21aがOFF状態、モノクロ用光学センサ22aがON状態となっている。これにより、モノクロ用光学センサ22aによるブラックトナー濃度の検知が可能となる。すなわち、モノクロ用シャッタ52aが、モノクロ用光学センサ22aによるブラックトナー濃度の検知を妨げることはない。
また、図12は非印字モード状態での第1スライド杆35と第2スライド杆38の配置位置を示している。この非印字モード状態においては、図11に示すモノクロモード状態から第2スライド杆38のみがX2方向に移動することから、モノクロ用シャッタ52aはモノクロ用光学センサ22aを遮光した状態(モノクロ用シャッタ52aが中間転写ベルト61とモノクロ用光学センサ22aとの間に介在する状態)となっている。これに対して、第1スライド杆35はその位置の状態を維持することから、カラー用シャッタ51aはカラー用光学センサ21aを遮光した状態となっている。すなわち、非印字モード状態では、カラー用光学センサ21aがOFF状態、モノクロ用光学センサ22aがOFF状態となっている。すなわち、非印字モード状態では、両光学センサ21a,22aが共にOFF状態であっても、トナー濃度検知は行っていないため、問題はない。
このように、本具体例1では、各モードに対応した離接機構部30の第1スライド杆35及び第2スライド杆38の移動動作に連動するように各シャッタ51a,52aを配置し、各モードにおける各光学センサ21a,22aのトナー濃度検知を妨げないようにして、それぞれの光学センサ21a,22aの遮光・開放を行う構成としている。その結果、上記したように、カラーモード状態では、両光学センサ21a,22aが共にON状態、モノクロモード状態では、カラー用光学センサ21aがOFF状態、モノクロ用光学センサ22aがON状態、非印字モード状態では、両光学センサ21a,22aが共にOFF状態となることから、これら光学センサ21a,22aのON/OFF状態を検知することで、各感光体ドラム3Y,3M,3C,3Kと中間転写ベルト61との離接制御を行うことができる。
すなわち、カラーモードからモノクロモードに移行させるために、駆動モータ27を駆動制御してカム軸36を回転させ、第1偏心カム37及び第2偏心カム39の位置を、図6(a)に示す状態から図6(b)に示す状態まで回転させると、ON状態であった光学センサ21a,22aのうち、カラー用光学センサ21aがON状態からOFF状態に変化する。従って、両光学センサ21a,22aが共にONの状態から、カラー用光学センサ21aがOFF、モノクロ用光学センサ22aがONの状態に変化するタイミングで駆動モータ27の駆動を停止することで、感光体ドラム3Y,3M,3Cを中間転写ベルト61から離間し、感光体ドラム3Kのみを中間転写ベルト61に当接させたモノクロモード状態に確実に移行させることができる。
また、モノクロモードから非印字モードに移行させるために、駆動モータ27を駆動制御してカム軸36を回転させ、第1偏心カム37及び第2偏心カム39の位置を、図6(b)に示す状態から図6(c)に示す状態まで回転させると、カラー用光学センサ21aはOFF状態のままで、モノクロ用光学センサ22aのみがON状態からOFF状態に変化する。従って、カラー用光学センサ21aがOFF、モノクロ用光学センサ22aがONの状態から、両センサ21a,22aが共にOFFの状態に変化するタイミングで駆動モータ27の駆動を停止することで、全ての感光体ドラム3Y,3M,3C,3Kを中間転写ベルト61から離間した非印字モード状態に確実に移行させることができる。
さらに、非印字モードからカラーモードに移行させるために、駆動モータ27を駆動制御してカム軸36を回転させ、第1偏心カム37及び第2偏心カム39の位置を、図6(c)に示す状態から図6(a)に示す状態まで回転させると、両光学センサ21a,22aが共にOFF状態からON状態に変化する。従って、両光学センサ21a,22aが共にOFFの状態から共にONの状態に変化するタイミングで駆動モータ27の駆動を停止することで、全ての感光体ドラム3Y,3M,3C,3Kを中間転写ベルト61に当接したカラーモード状態に確実に移行させることができる。
なお、上記説明では、カラーモードからモノクロモード、モノクロモードから非印字モード、非印字モードからカラーモードという一方向へのモード移行について説明しているが、カム軸36を逆方向へ回転させることで、カラーモードから非印字モード、非印字モードからモノクロモード、モノクロモードからカラーモードという逆方向へのモード移行についても、同様に両光学センサ21a,22aのON/OFF状態によって確実に移行させることができる。
[具体例2]
上記具体例1は、両光学センサ21a,22aをトナー濃度センサとしてのみ使用し、レジストセンサとして使用しない場合の例であったが、本具体例2は、両光学センサ21b,22bをトナー濃度センサとレジストセンサの両方に使用する具体例である。そのため、特にカラー用光学センサ22bの配置位置が上記具体例1とは異なっている。
図13ないし図17は、本具体例2に係わる光学センサ21b,22bの配置位置とシャッタ51b,52bの形状とを示しており、図13は、中間転写ベルトユニット6の平面図、図14(a)はシャッタ51b部分の拡大斜視図、同図(b)はシャッタ52b部分の拡大斜視図、図15ないし図17は、離接機構部30(30A)の正面図である。
本具体例2の光学センサ21bは、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色のトナー濃度を検知するトナー濃度センサとして機能するとともに、トナー像形成位置を検知するレジストセンサとしても機能するカラー用光学センサであり、光学センサ22bは、ブラック(K)のトナー濃度を検知するトナー濃度センサとして機能するとともに、トナー像形成位置を検知するレジストセンサとしても機能するモノクロ用光学センサである。そのため、本具体例2では、カラー用光学センサ21b及びモノクロ用光学センサ22bの両方が、感光体ドラム3Kの下流側(図15において右側)に配置されている。また、カラー用光学センサ21bは、中間転写ベルト61の一方の側縁部(図13では下部側縁部)611近傍に配置されており、モノクロ用光学センサ22aは、中間転写ベルト61の他方の側縁部(図13では上部側縁部)612近傍に配置されている。
一方、カラー用光学センサ21bを遮光・開放するカラー用シャッタ51bは、図13及び図14(a)に示すように、一方の離接機構部30A(図13では下部側)の第1スライド杆35の右側端部35a近傍の下辺部から外方向に水平に延設された支持片51b1と、この支持片51b1の先端部から下方向に延設された垂下片51b2と、この垂下片51b2の下端部から下流方向(X1方向)に水平に延設された水平片51b3と、この水平片51b3の先端部から内方向に水平に延設された遮光片51b4とで形成されている。このように形成されたカラー用シャッタ51bは、支持片51b1の基端部側が第1スライド杆35に図示しないネジ等によって固定されている。
同様に、モノクロ用光学センサ22bを遮光・開放するモノクロ用シャッタ52bは、図13及び図14(b)に示すように、一方の離接機構部30B(図13では上部側)の第2スライド杆38の右側端部38b近傍の下辺部から外方向に水平に延設された支持片52b1と、この支持片52b1の先端部から下方向に延設された垂下片52b2と、この垂下片52b2の下端部から内方向に水平に延設された遮光片52b3とで形成されている。このように形成されたモノクロ用シャッタ52bは、支持片52b1の基端部側が第2スライド杆38に図示しないネジ等によって固定されている。すなわち、モノクロ用シャッタ52bは、上記具体例1のモノクロ用シャッタ52aと同じ形状となっている。
このように形成された各シャッタ51b,52bの遮光片51b4,52b3は、各光学センサ21b,22bに対して、図15ないし図17に示すように配置されている。
すなわち、図15はカラーモード状態での第1スライド杆35と第2スライド杆38の配置位置を示している。このカラーモード状態においては、カラー用シャッタ51bはカラー用光学センサ21bを開放した状態となっており、モノクロ用シャッタ52bはモノクロ用光学センサ22bを開放した状態となっている。すなわち、カラーモード状態では、両光学センサ21b,22bが共にON状態となっている。これにより、カラー用光学センサ21bによるカラートナー濃度及びトナー像形成位置の検知が可能となる。すなわち、カラー用シャッタ51bが、カラー用光学センサ21bによるカラートナー濃度及びトナー像形成位置の検知を妨げることはない。
また、図16はモノクロモード状態での第1スライド杆35と第2スライド杆38の配置位置を示している。このモノクロモード状態においては、図15に示すカラーモード状態から第1スライド杆35のみがX1方向に移動することから、カラー用シャッタ51bはカラー用光学センサ21bを遮光した状態となっている。これに対して、第2スライド杆38はその位置の状態を維持することから、モノクロ用シャッタ52bはモノクロ用光学センサ22bを開放した状態となっている。すなわち、モノクロモード状態では、カラー用光学センサ21bがOFF状態、モノクロ用光学センサ22bがON状態となっている。これにより、モノクロ用光学センサ22bによるブラックトナー濃度及びトナー像形成位置の検知が可能となる。すなわち、モノクロ用シャッタ52bが、モノクロ用光学センサ22bによるブラックトナー濃度及びトナー像形成位置の検知を妨げることはない。
また、図17は非印字モード状態での第1スライド杆35と第2スライド杆38の配置位置を示している。この非印字モード状態においては、図16に示すモノクロモード状態から第2スライド杆38のみがX2方向に移動することから、モノクロ用シャッタ52bはモノクロ用光学センサ22bを遮光した状態となっている。これに対して、第1スライド杆35はその位置の状態を維持することから、カラー用シャッタ51bはカラー用光学センサ21bを遮光した状態となっている。すなわち、非印字モード状態では、カラー用光学センサ21bがOFF状態、モノクロ用光学センサ22bがOFF状態となっている。すなわち、非印字モード状態では、両光学センサ21b,22bが共にOFF状態であっても、トナー濃度及びトナー像形成位置の検知は行っていないため、問題はない。
このように、本具体例2では、各モードに対応した離接機構部30の第1スライド杆35及び第2スライド杆38の移動動作に連動するように各シャッタ51b,52bを配置し、各モードにおける各光学センサ21b,22bのトナー濃度及びトナー像形成位置の検知を妨げないようにして、それぞれの光学センサ21b,22bの遮光・開放を行う構成としている。その結果、上記したように、カラーモード状態では、両光学センサ21b,22bが共にON状態、モノクロモード状態では、カラー用光学センサ21bがOFF状態、モノクロ用光学センサ22bがON状態、非印字モード状態では、両光学センサ21b,22bが共にOFF状態となることから、これら光学センサ21b,22bのON/OFF状態を検知することで、各感光体ドラム3Y,3M,3C,3Kと中間転写ベルト61との離接制御を行うことができる。なお、離接制御については、上記具体例1で説明しているので、ここでは離接制御の説明を省略する。
[具体例3]
上記具体例1,2はいずれも、中間転写ベルト61の下部側、すなわち、二次転写を行う転写ローラ10の上流側に各光学センサを配置した構成としているが、本具体例3では、各光学センサ21c,22cを中間転写ベルト61の上部側、すなわち二次転写ローラ10の下流側に配置した構成としている。これにより、両光学センサ21c,22cをトナー濃度センサとレジストセンサの両方に使用することが可能である。
図18ないし図23は、本具体例3に係わる光学センサ21c,22cの配置位置とシャッタ51c,52cの形状とを示しており、図18は、中間転写ベルトユニット6の平面図、図19は、図18中のD−D線に沿う概略断面図、図20は、シャッタ51c部分の拡大斜視図、図21ないし図23は、離接機構部30の正面図である。
本具体例3の光学センサ21cは、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色のトナー濃度を検知するトナー濃度センサとして機能するとともに、トナー像形成位置を検知するレジストセンサとしても機能するカラー用光学センサであり、光学センサ22cは、ブラック(K)のトナー濃度を検知するトナー濃度センサとして機能するとともに、トナー像形成位置を検知するレジストセンサとしても機能するモノクロ用光学センサである。カラー用光学センサ21cは、中間転写ベルト61の一方の側縁部(図18では下部側縁部)611近傍に配置されており、モノクロ用光学センサ22cは、中間転写ベルト61の他方の側縁部(図18では上部側縁部)612近傍に配置されている。
一方、カラー用光学センサ21cを遮光・開放するカラー用シャッタ51cは、図19及び図20(a)に示すように、一方の離接機構部30A(図18では下部側)の第1スライド杆35の右側端部35a近傍の上辺部から外方向に水平に延設された支持片51c1と、この支持片51c1の先端部から上方向に延設された垂直片51c2と、この垂直片51c2の上端部から内方向に水平に延設された遮光片51c3とで形成されている。ただし、このように形成されたカラー用シャッタ51cは、支持片51c1の基端部側が第1スライド杆35に図示しないネジ等によって固定されている。
同様に、モノクロ用光学センサ22cを遮光・開放するモノクロ用シャッタ52cは、図19及び図20(b)に示すように、一方の離接機構部30B(図18では上部側)の第2スライド杆38の右側端部38b近傍の上辺部から外方向に水平に延設された支持片52c1と、この支持片52c1の先端部から上方向に延設された垂直片52c2と、この垂直片52c2の上端部から内方向に水平に延設された遮光片52c3とで形成されている。このように形成されたモノクロ用シャッタ52cは、支持片52c1の基端部側が第2スライド杆38に図示しないネジ等によって固定されている。すなわち、カラー用シャッタ51cとモノクロ用シャッタ52cは同じ形状となっている。
このように形成された各シャッタ51c,52cの遮光片51c3,52c3は、各光学センサ21c,22cに対して、図21ないし図23に示すように配置されている。
すなわち、図21はカラーモード状態での第1スライド杆35と第2スライド杆38の配置位置を示している。このカラーモード状態においては、カラー用シャッタ51cはカラー用光学センサ21cを開放した状態となっており、モノクロ用シャッタ52cはモノクロ用光学センサ22cを開放した状態となっている。すなわち、カラーモード状態では、両光学センサ21c,22cが共にON状態となっている。これにより、カラー用光学センサ21cによるカラートナー濃度及びトナー像形成位置の検知が可能となる。すなわち、カラー用シャッタ51cが、カラー用光学センサ21cによるカラートナー濃度及びトナー像形成位置の検知を妨げることはない。
また、図22はモノクロモード状態での第1スライド杆35と第2スライド杆38の配置位置を示している。このモノクロモード状態においては、図21に示すカラーモード状態から第1スライド杆35のみがX1方向に移動することから、カラー用シャッタ51cはカラー用光学センサ21cを遮光した状態となっている。これに対して、第2スライド杆38はその位置の状態を維持することから、モノクロ用シャッタ52cはモノクロ用光学センサ22cを開放した状態となっている。すなわち、モノクロモード状態では、カラー用光学センサ21cがOFF状態、モノクロ用光学センサ22cがON状態となっている。これにより、モノクロ用光学センサ22cによるブラックトナー濃度及びトナー像形成位置の検知が可能となる。すなわち、モノクロ用シャッタ52cが、モノクロ用光学センサ22cによるブラックトナー濃度及びトナー像形成位置の検知を妨げることはない。
また、図23は非印字モード状態での第1スライド杆35と第2スライド杆38の配置位置を示している。この非印字モード状態においては、図22に示すモノクロモード状態から第2スライド杆38のみがX2方向に移動することから、モノクロ用シャッタ52cはモノクロ用光学センサ22cを遮光した状態となっている。これに対して、第1スライド杆35はその位置の状態を維持することから、カラー用シャッタ51cはカラー用光学センサ21cを遮光した状態となっている。すなわち、非印字モード状態では、カラー用光学センサ21cがOFF状態、モノクロ用光学センサ22cがOFF状態となっている。すなわち、非印字モード状態では、両光学センサ21c,22cが共にOFF状態であっても、トナー濃度及びトナー像形成位置の検知は行っていないため、問題はない。
このように、本具体例3では、各モードに対応した離接機構部30の第1スライド杆35及び第2スライド杆38の移動動作に連動するように各シャッタ51c,52cを配置し、各モードにおける各光学センサ21c,22cのトナー濃度及びトナー像形成位置の検知を妨げないようにして、それぞれの光学センサ21c,22cの遮光・開放を行う構成としている。その結果、上記したように、カラーモード状態では、両光学センサ21c,22cが共にON状態、モノクロモード状態では、カラー用光学センサ21cがOFF状態、モノクロ用光学センサ22cがON状態、非印字モード状態では、両光学センサ21c,22cが共にOFF状態となることから、これら光学センサ21c,22cのON/OFF状態を検知することで、各感光体ドラム3Y,3M,3C,3Kと中間転写ベルト61との離接制御を行うことができる。なお、離接制御については、上記具体例1で説明しているので、ここでは離接制御の説明を省略する。
[具体例4]
上記具体例3では、離接機構部30の第1スライド杆35及び第2スライド杆38に設ける各シャッタ51c,52cの形状を最も簡単な形状とするために、各光学センサ21c,22cの配置位置を、中間転写ベルト61の移動方向にずらせて対向配置している。しかし、実際の配置としては、中間転写ベルト61の移動方向に直交する方向に対向配置させるのがよい。本具体例4は、各光学センサ21c,22cをカム軸36に沿って対向配置した例である。
図24ないし図28は、本具体例4に係わる光学センサ21d,22dの配置位置とシャッタ51d,52dの形状とを示しており、図24は、中間転写ベルトユニット6の平面図、図25(a)はシャッタ51d部分の拡大斜視図、同図(b)はシャッタ52d部分の拡大斜視図、図26ないし図28は、離接機構部30の正面図である。
本具体例4の光学センサ21dは、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色のトナー濃度を検知するトナー濃度センサとして機能するとともに、トナー像形成位置を検知するレジストセンサとしても機能するカラー用光学センサであり、光学センサ22dは、ブラック(K)のトナー濃度を検知するトナー濃度センサとして機能するとともに、トナー像形成位置を検知するレジストセンサとしても機能するモノクロ用光学センサである。カラー用光学センサ21dは、中間転写ベルト61の一方の側縁部(図24では下部側縁部)611近傍に配置されており、モノクロ用光学センサ22dは、中間転写ベルト61の他方の側縁部(図24では上部側縁部)612近傍に配置されている。
一方、カラー用光学センサ21dを遮光・開放するカラー用シャッタ51dは、図25(a)に示すように、一方の離接機構部30A(図24では下部側)の第1スライド杆35の右側端部35a近傍の上辺部から外方向に水平に延設された支持片51d1と、この支持片51d1の先端部から上方向に延設された垂直片51d2と、この垂直片51d2の上端部から内方向に水平に延設された水平片51d3と、この水平片51d3の一方の縁部側から中間転写ベルト61の上流側に延設された遮光片51d4とで形成されている。ただし、このように形成されたカラー用シャッタ51dは、支持片51c1の基端部側が第1スライド杆35に図示しないネジ等によって固定されている。
同様に、モノクロ用光学センサ22dを遮光・開放するモノクロ用シャッタ52dは、図25(b)に示すように、一方の離接機構部30B(図24では上部側)の第2スライド杆38の右側端部38b近傍の上辺部から外方向に水平に延設された支持片52d1と、この支持片52d1の先端部から上方向に延設された垂直片52d2と、この垂直片52d2の上端部から内方向に水平に延設された水平片52d3と、この水平片52d3の一方の縁部側から中間転写ベルト61の下流側に延設された遮光片52d4とで形成されている。このように形成されたモノクロ用シャッタ52dは、支持片52d1の基端部側が第2スライド杆38に図示しないネジ等によって固定されている。すなわち、カラー用シャッタ51dとモノクロ用シャッタ52dは略同じ形状となっている。
このように形成された各シャッタ51d,52dの遮光片51d4,52d4は、各光学センサ21d,22dに対して、図26ないし図28に示すように配置されている。
すなわち、図26はカラーモード状態での第1スライド杆35と第2スライド杆38の配置位置を示している。このカラーモード状態においては、カラー用シャッタ51dはカラー用光学センサ21dを開放した状態となっており、モノクロ用シャッタ52dはモノクロ用光学センサ22dを開放した状態となっている。すなわち、カラーモード状態では、両光学センサ21d,22dが共にON状態となっている。これにより、カラー用光学センサ21dによるカラートナー濃度及びトナー像形成位置の検知が可能となる。すなわち、カラー用シャッタ51dが、カラー用光学センサ21dによるカラートナー濃度及びトナー像形成位置の検知を妨げることはない。
また、図27はモノクロモード状態での第1スライド杆35と第2スライド杆38の配置位置を示している。このモノクロモード状態においては、図26に示すカラーモード状態から第1スライド杆35のみがX1方向に移動することから、カラー用シャッタ51dはカラー用光学センサ21dを遮光した状態となっている。これに対して、第2スライド杆38はその位置の状態を維持することから、モノクロ用シャッタ52dはモノクロ用光学センサ22dを開放した状態となっている。すなわち、モノクロモード状態では、カラー用光学センサ21dがOFF状態、モノクロ用光学センサ22dがON状態となっている。これにより、モノクロ用光学センサ22dによるブラックトナー濃度及びトナー像形成位置の検知が可能となる。すなわち、モノクロ用シャッタ52dが、モノクロ用光学センサ22dによるブラックトナー濃度及びトナー像形成位置の検知を妨げることはない。
また、図28は非印字モード状態での第1スライド杆35と第2スライド杆38の配置位置を示している。この非印字モード状態においては、図27に示すモノクロモード状態から第2スライド杆38のみがX2方向に移動することから、モノクロ用シャッタ52dはモノクロ用光学センサ22dを遮光した状態となっている。これに対して、第1スライド杆35はその位置の状態を維持することから、カラー用シャッタ51dはカラー用光学センサ21dを遮光した状態となっている。すなわち、非印字モード状態では、カラー用光学センサ21dがOFF状態、モノクロ用光学センサ22dがOFF状態となっている。すなわち、非印字モード状態では、両光学センサ21d,22dが共にOFF状態であっても、トナー濃度及びトナー像形成位置の検知は行っていないため、問題はない。
このように、本具体例4では、各モードに対応した離接機構部30の第1スライド杆35及び第2スライド杆38の移動動作に連動するように各シャッタ51d,52dを配置し、各モードにおける各光学センサ21d,22dのトナー濃度及びトナー像形成位置の検知を妨げないようにして、それぞれの光学センサ21d,22dの遮光・開放を行う構成としている。その結果、上記したように、カラーモード状態では、両光学センサ21d,22dが共にON状態、モノクロモード状態では、カラー用光学センサ21dがOFF状態、モノクロ用光学センサ22dがON状態、非印字モード状態では、両光学センサ21d,22dが共にOFF状態となることから、これら光学センサ21d,22dのON/OFF状態を検知することで、各感光体ドラム3Y,3M,3C,3Kと中間転写ベルト61との離接制御を行うことができる。なお、離接制御については、上記具体例1で説明しているので、ここでは離接制御の説明を省略する。
ここで、上記具体例3,4の場合には、各光学センサ21c,22c及び21d,22dを転写ローラ10の下流側に配置していることから、トナー濃度及びトナー像形成位置を検知するためには、各感光体ドラム3Y,3M,3C,3Kによって中間転写ベルト61に転写されたトナー像が転写ローラ10によって二次転写されないように、転写ローラ10を中間転写ベルト61から離隔させておく必要がある。図29ないし図31は、転写ローラ10の離接構造の一例を示している。
この例では、中間転写ベルト61の中間転写ベルト駆動ローラ62側に配置されているサイドユニット121に、転写ローラ10を含む二次転写ユニット131が取り付けられている。
サイドユニット121は、図示しない装置フレームに設けられたガードレール122,123により、装置本体110に対して引き出し(図中、矢符X1方向)可能、及び装着(図中、矢符X2方向)可能にスライド移動するように設けられている。
二次転写ユニット131は、下端部が支持軸132によってサイドユニット121に対し回動可能に取り付けられた回動板133を備えており、この回動板133の下部側に、転写ローラ10を回転可能に保持するローラ筐体134が固定されている。すなわち、転写ローラ10は、支持軸132を中心とする回動板133の回動動作によって、中間転写ベルト駆動ローラ62に巻回されている中間転写ベルト61に対して当接及び離間可能となっている。
一方、この回動板133の上部側は、中間転写ベルトユニット6側に膨出させたカム当接面135となっており、サイドユニット121の中間転写ベルトユニット6側の端部にカム軸136によって回転可能に保持されている偏心カム137のカム面に当接するようになっている。また、カム当接面135の反対側の面とサイドユニット121との間には、カム当接面135を偏心カム137のカム面に当接するように付勢するためのコイルバネ等の弾性部材138が介装されている。この弾性部材138によって、回動板133のカム当接面135が、偏心カム137のカム面に常に当接(圧接)されにようになっている。
そして、カム当接面135が、偏心カム137のカム中心から最も近い距離にあるカム面に当接している状態(図29に示す状態)において、転写ローラ10が所定のニップ圧で中間転写ベルト61に当接するように配置されている。また、カム当接面135が、偏心カム137のカム中心から最も遠い距離にあるカム面に当接している状態(図30に示す状態)において、転写ローラ10が中間転写ベルト61から離間するようになっている。
一方、中間転写ベルトユニット6を取り外すためにサイドユニット121を装置本体からX1方向に引き出すと、図31に示すように、偏心カム137もサイドユニット121とともにX1方向に移動する。
上記構成において、本画像形成装置100の通常動作時(画像形成動作時)、転写ローラ10と偏心カム137とは、図29に示す位置関係となっている。すなわち、回転板133のカム当接面135が、偏心カム137のカム中心から最も近い距離にあるカム面に当接しており、転写ローラ10が所定のニップ圧で中間転写ベルト61に当接配置されている。
一方、図29に示す状態から、偏心カム137を図示しない駆動手段によって一方向(右方向または左方向のどちらでもよい)に180度回転させると、図30に示すように、回転板133のカム当接面135が、偏心カム137のカム中心から最も遠い距離にあるカム面に当接している状態となり、偏心カム137の偏心量だけ回転板133がX1方向に揺動する結果、転写ローラ10が中間転写ベルト61から離間する。従って、上記具体例3,4において、各光学センサ21c,22c及び21d,22dによりトナー濃度の検知及びトナー像形成位置の検知を行う場合には、図30に示すように、回転板133のカム当接面135が、偏心カム137のカム中心から最も遠い距離にあるカム面に当接している状態とすることで、転写ローラ10を中間転写ベルト61から離間させることができる。
なお、中間転写ベルトユニット6の取り換え等を行う場合には、図31に示すように、サイドユニット121を装置本体からX1方向に引き出す。これにより、転写ローラ10も中間転写ベルト61から大きく離間することになる。
次に、光学センサ21,22について説明する。これら光学センサ21,22は同じ構造である。図32は、中間転写ベルト61に対するこれら光学センサ21,22の配置状態を示している。ただし、図32では、光学センサを1つのみ図示した簡略図となっている。
光学センサ21,22は、発光素子であるLED231と、正反射光を受光するモノクロ用受光素子であるフォトトランジスタ232と、乱反射光を受光するカラー用受光素子であるフォトトランジスタ233とを備えており、LED231からの赤外光を中間転写ベルト61上のトナー像68に反射させてフォトトランジスタ232または233で検知することにより、モノクロ用トナー濃度及びカラー用トナー濃度を検知し、プロセス制御に反映する(図32(a)参照)。また、トナー像68が形成されていないときには、中間転写ベルト61からの反射光をフォトトランジスタ222で検知することができる(図32(b)参照)。
一方、図11に示すように、中間転写ベルト61が各感光体ドラム3Y,3M,3Cから離間するモノクロモード状態では、中間転写ベルト61と光学センサ21との間にシャッタ51が介在して、光学センサ21が遮断される(図32(c)参照)。一方、図示は省略しているが、他方の光学センサ22は開放されている。これにより、中間転写ベルト61がモノクロモードの離接状態であることを検知することができる。
図33は、光学センサ21,22を含む本装置の周辺回路構成を示している。ただし、図33は、本発明に係わる主要部のみの回路構成を示している。
図示しないCPU、ROM、RAM等からなる制御部75は、D/A変換器76を介して各光学センサ21,22のLED231に接続されており、A/D変換器77を介して各光学センサ21,22の各フォトトランジスタ232,233に接続されている。すなわち、各LED231は、カソードがアース電位に接続され、アノードが抵抗R1を介してD/A変換器76に接続されている。また、各フォトトランジスタ232,233は、エミッタがアース電位に接続され、コレクタが抵抗R2を介して電源電圧Vccに接続されているとともに、A/D変換器77に接続されている。A/D変換器77は、各フォトトランジスタ232,233のアナログ出力をデジタル値に変換する。制御部75は、各フォトトランジスタ232,233の出力であるA/D変換器77からのデジタル値に基づいてD/A変換器76を制御して、各LED21,22の照射光量を調整するようになっている。また、制御部75には、離接機構部30のカム軸36に連係されている駆動モータ27が接続されている。
さらに、制御部75には、カラー画像形成装置本体の動作を制御するメインコントローラ(図示省略)からモード制御信号が入力されるようになっている。制御部75は、このモード制御信号に基づいて、離接機構部30を制御し、中間転写ベルト61の状態を例えばカラーモードに変更したり、モノクロモードに変更したり、非印字モードに変更したりする。
また、制御部75は、これら各モードを、各光学センサ21,22からの出力に基づいて判定する。
すなわち、両光学センサ21,22が共にON状態であれば、例えば具体例1の図10に示す状態のカラーモードであると判定し、カラー用光学センサ21がOFF状態、モノクロ用光学センサ22がON状態であれば、例えば具体例1の図11に示すモノクロモードであると判定し、両光学センサ21,22が共にOFF状態であれば、例えば具体例1の図13に示す非印字モードであると判定する。制御部75は、駆動モータ27を駆動してカム軸36の回転を制御しつつ、両光学センサ21,22のON/OFF状態を常に判定し、その判定結果に基づいて中間転写ベルト61がどの状態にあるかを検知することにより、中間転写ベルトユニット6を各動作モードに制御することができる。