次に、本発明の実施の形態における画像形成装置について、図面に基づき詳細に説明する。図1は、本実施形態における画像形成装置の全体構成を示す側面図である。図1において、本実施形態の画像形成装置100は、外部から伝達された画像データに応じて、所定のシート(記録用紙)に対して多色及び単色の画像を形成するもので、装置本体110と、自動原稿処理装置120とにより構成されている。
装置本体110は、露光ユニット1、現像器2、感光体ドラム3、クリーナユニット4、帯電器5、中間転写ベルトユニット6、定着ユニット7、給紙カセット81、排紙トレイ91等を有して構成されている。
装置本体110の上部には、原稿が載置される透明ガラスからなる原稿載置台92が設けられ、原稿載置台92の上側には自動原稿処理装置120が取り付けられている。自動原稿処理装置120は、原稿載置台92の上に自動で原稿を搬送する。また原稿処理装置120は矢印M方向に回動自在に構成され、原稿載置台92の上を開放することにより原稿を手置きで置くことができるようになっている。
本画像形成装置100において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。従って、現像器2、感光体ドラム3、帯電器5、クリーナユニット4は、各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエローに設定され、これらによって4つの画像ステーションが構成されている。
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、図1に示すようなチャージャ型の他、接触型のローラ型やブラシ型の帯電器が用いられることもある。
露光ユニット1は、レーザ出射部及び反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成される。露光ユニット1は、レーザビームを走査するポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム3に導くためのレンズやミラー等の光学要素が配置されている。また、露光ユニット1としては、この他にも発光素子をアレイ状に並べた例えばELやLED書込みヘッドを用いる手法も採用できる。
露光ユニット1は、帯電された感光体ドラム3を入力された画像データに応じて露光することにより、その表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する機能を有する。現像器2は、それぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像を4色(Y,M,C,K)のトナーにより顕像化するものである。また、クリーナユニット4は、現像・画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを、除去・回収する。
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルトユニット6は、中間転写ベルト(前述の転写ベルト)61、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、中間転写ローラ64、及び中間転写ベルトクリーニングユニット65を備えている。中間転写ローラ64は、Y,M,C,Kの各色に対応して4本設けられている。
中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、及び中間転写ローラ64は、中間転写ベルト61を張架して回転駆動させる。また、各中間転写ローラ64は、感光体ドラム3のトナー像を、中間転写ベルト61上に転写するための転写バイアスを与える。
中間転写ベルト61は、各感光体ドラム3に接触するように設けられている、そして、感光体ドラム3に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト61に順次的に重ねて転写することによって、中間転写ベルト61上にカラーのトナー像(多色トナー像)を形成する機能を有している。中間転写ベルト61は、例えば厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
感光体ドラム3から中間転写ベルト61へのトナー像の転写は、中間転写ベルト61の裏側に接触している中間転写ローラ64によって行われる。中間転写ローラ64には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。中間転写ローラ64は、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト61に対して均一に高電圧を印加することができる。本実施形態では転写電極としてローラ形状を使用しているが、それ以外にブラシなども用いることが可能である。
上述の様に各感光体ドラム3上で各色相に応じて顕像化された静電像は、中間転写ベルト61で積層される。このように積層された画像情報は、中間転写ベルト61の回転によって、後述の記録用紙と中間転写ベルト61の接触位置に配置される二次転写機構部(前述の転写機構部)である転写ローラ10によって記録用紙上に転写される。ただし、二次転写機構部としては、転写ローラに限らず、コロナチャージャや転写ベルトを用いることも可能である。
このとき、中間転写ベルト61と転写ローラ10は所定ニップで圧接されると共に、転写ローラ10にはトナーを記録用紙に転写させるための電圧が印加される(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)。さらに、転写ローラ10は、上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ10若しくは中間転写ベルト駆動ローラ62の何れか一方に硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラ、または発泡性樹脂ローラ等々)としている。
また、上記のように、感光体ドラム3に接触することにより中間転写ベルト61に付着したトナー、若しくは転写ローラ10によって記録用紙上に転写が行われず中間転写ベルト61上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるために、中間転写ベルトクリーニングユニット65によって除去・回収されるように設定されている。中間転写ベルトクリーニングユニット65には、中間転写ベルト61に接触する例えばクリーニング部材としてクリーニングブレードが備えられており、クリーニングブレードが接触する中間転写ベルト61は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ63で支持されている。
給紙カセット81は、画像形成に使用するシート(記録用紙)を蓄積しておくためのトレイであり、装置本体110の露光ユニット1の下側に設けられている。また、手差し給紙カセット82にも画像形成に使用するシートを置くことができる。装置本体110の上方に設けられている排紙トレイ91は、印刷済みのシートをフェイスダウンで集積するためのトレイである。
また、装置本体110には、給紙カセット81及び手差し給紙カセット82のシートを転写ローラ10や定着ユニット7を経由させて排紙トレイ91に送るための、略垂直形状の用紙搬送路Sが設けられている。給紙カセット81ないし手差し給紙カセット82から排紙トレイ91までの用紙搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ11a,11b、複数の搬送ローラ12a〜12d,レジストローラ13、転写ローラ10、定着ユニット7等が配されている。
搬送ローラ12a〜12dは、シートの搬送を促進・補助するための小型のローラであり、用紙搬送路Sに沿って複数設けられている。また、ピックアップローラ11aは、給紙カセット81の端部近傍に備えられ、給紙カセット81からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。同様に、ピックアップローラ11bは、手差し給紙カセット82の端部近傍に備えられ、手差し給紙カセット82からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。
また、レジストローラ13は、用紙搬送路Sを搬送されているシートを一旦保持するものである。そして、感光体ドラム3上のトナー像の先端とシートの先端を合わせるタイミングでシートを転写ローラ10に搬送する機能を有している。
定着ユニット7は、ヒートローラ71及び加圧ローラ72を備えており、ヒートローラ71及び加圧ローラ72は、シートを挟んで回転するようになっている。またヒートローラ71は、図示しない温度検出器からの信号に基づいて制御部によって所定の定着温度となるように設定されており、加圧ローラ72と共にトナーをシートに熱圧着することにより、シートに転写された多色トナー像を溶融・混合・圧接し、シートに対して熱定着させる機能を有している。また、ヒートローラ71を外部から加熱するための外部加熱ベルト73が設けられている。
次に、シート搬送経路について説明する。上述のように、画像形成装置100には、予めシートを収納する給紙カセット81、及び手差し給紙カセット82が設けられている。これら給紙カセット81,82からシートを給紙するために、各々ピックアップローラ11a,11bが配置され、シートを1枚ずつ搬送路Sに導くようになっている。
各給紙カセット81,82から搬送されるシートは、用紙搬送路Sの搬送ローラ12aによってレジストローラ13まで搬送され、シートの先端と中間転写ベルト61上の画像情報の先端を整合するタイミングで転写ローラ10に搬送され、シート上に画像情報が書き込まれる。その後、シートは定着ユニット7を通過することによってシート上の未定着トナーが熱で溶融・固着され、その後に配された搬送ローラ12bを経て排紙トレイ91上に排出される。
上記の搬送経路は、シートに対する片面印字要求のときのものであるが、これに対して両面印字要求のときは、上記のように片面印字が終了し定着ユニット7を通過したシートの後端が最終の搬送ローラ12bで把持されたときに、搬送ローラ12bが逆回転することによってシートを搬送ローラ12c,12dに導く。そして、その後レジストローラ13を経てシート裏面に印字が行われた後に、シートが排紙トレイ91に排出される。
以上が画像形成装置の全体構成の説明であるが、次に本発明の特徴部分について説明する。図2及び図3は、本発明の特徴部分の機構構造を示しており、中間転写ベルトユニット6の周辺構造を示している。
本実施形態では、中間転写ベルト61の中間転写ベルト駆動ローラ62側に配置されているサイドユニット21に、転写ローラ10を含む二次転写ユニット31が取り付けられている。この二次転写ユニット31が、前述の転写機構部に該当する。
サイドユニット21は、図示しない装置フレームに設けられたガードレール22により、装置本体110に対して引き出し(図中、矢符X1方向)可能、及び装着(図中、矢符X2方向)可能にスライド移動するように設けられている。
二次転写ユニット31は、下端部が支持軸32によってサイドユニット21に対し回動可能に取り付けられた回動板33を備えており、この回動板33の下部側に、転写ローラ10を回転可能に保持するローラ筐体34が固定されている。即ち、転写ローラ10は、支持軸32を中心とする回動板33の回動動作によって、中間転写ベルト駆動ローラ62に巻回されている中間転写ベルト61に対して当接及び離間可能となっている。
一方、この回動板33の上部側は、中間転写ベルトユニット6側に膨出させたカム当接面35となっており、サイドユニット21の中間転写ベルトユニット6側の端部にカム軸36によって回転可能に保持されている偏心カム37のカム面に当接するようになっている。この偏心カム37は、図示しない偏心カム駆動モータにより駆動される。
また、カム当接面35の反対側の面とサイドユニット21との間には、カム当接面35を偏心カム37のカム面に当接するように付勢するためのコイルバネ等の弾性部材38が介装されている。この弾性部材38によって、回動板33のカム当接面35が、偏心カム37のカム面に常に当接(圧接)されにようになっている。
そして、カム当接面35が、偏心カム37のカム中心から最も近い距離にあるカム面に当接している状態(図2に示す状態)では、転写ローラ10が所定のニップ圧で中間転写ベルト61に当接するように配置されている。この状態は、本画像形成装置100の通常動作時(画像形成動作時)の状態である。
また、カム当接面35が、偏心カム37のカム中心から最も遠い距離にあるカム面に当接している状態(図3に示す状態)では、転写ローラ10が中間転写ベルト61から離間するようになっている。この状態は、本画像形成装置100の通常動作時以外の時(画像形成動作以外の時)の状態である。
さらに、この偏心カム37を介して回転板33のカム当接面35と対峙する位置に、L字状に形成されたシャッタ41の垂直面41aが当接するように配置されている。シャッタ41は、この垂直面41aの上端部がシャッタ支持軸42によって図示しない装置フレームに回動可能に支持されており、下端部のL字状に屈曲された水平面41bが、中間転写ベルト61と一定の距離を保って上下に対峙するように配置された光学センサ51に対向するように配置されている。即ち、シャッタ41の水平面41bは、光学センサ51と中間転写ベルト61との間に位置するように配置されており、かつ、中間転写ベルト61により接近した状態で配置されている。
上記の光学センサ51には、反射式の光学センサが用いられる。また、この光学センサ51は、後述する自動レジスト調整における中間転写ベルト61の基準トナー像の検知、及び、上記のシャッタ41の開閉検知に使用される。
上記のように配置されているシャッタ41のシャッタ支持軸42には、ねじりコイルバネ43が装着されており、このねじりコイルバネ43の一端側は装置フレームに固定され、他端側が垂直面41aに当接して、垂直面41aを偏心カム37のカム面側に付勢するようになっている。
そして、この垂直面41aが、偏心カム37のカム中心から最も遠い距離にあるカム面に当接している状態(図2に示す状態)では、水平面41bが、光学センサ51と中間転写ベルト61との間に介挿して、光学センサ51の検知面を保護する(即ち、シャッタ41を閉じる)ようになっている。また、垂直面41aが、偏心カム37のカム中心から最も近い距離にあるカム面に当接している状態(図3に示す状態)では、水平面41bが、偏心カム37の偏心量だけサイドユニット21側に回動し、光学センサ51の検知面から退避する(即ち、シャッタ41を開く)ようになっている(図4(a)参照)。即ち、偏心カム37が1回転すると、その間に、シャッタ41の閉状態、及び、閉状態が、生じる。
また、シャッタ支持軸42近傍の装置フレームには、シャッタ41の回動を規制するシャッタ規制部材(規制ピン)45が設けられている。このシャッタ規制部材45は、偏心カム37の回動動作によるシャッタ41の揺動動作に影響を与えない(即ち、揺動動作は規制しない)位置に設けられている。一方、中間転写ベルトユニット6を取り外すためにサイドユニット21を装置本体からX1方向に引き出すと、偏心カム37もサイドユニット21と共にX1方向に移動するため、シャッタ41がねじりコイルバネ43の付勢力によってR1方向に回動し、シャッタ規制部材45に当接して、その回動動作が規制されるようになっている。このとき、シャッタ41(より正確にはシャッタ41の水平面41bの先端部)は中間転写ベルト61から最も離れた状態となっている。この規制位置は、中間転写ベルトユニット6を装着後、サイドユニット21をX2方向に押し込んで装置本体内に装着するとき、偏心カム37のカム面にシャッタ41の垂直面41aが再び当接して、光学センサ51の検知面を保護する位置(図2に示す位置)まで回動するように設定されている。
上記構成において、本画像形成装置100の通常動作時(画像形成動作時)は、転写ローラ10と偏心カム37とシャッタ41とは、図2に示す位置関係となっている。即ち、回転板33のカム当接面35が、偏心カム37のカム中心から最も近い距離にあるカム面に当接しており、転写ローラ10が所定のニップ圧で中間転写ベルト61に当接配置されている。また、シャッタ41は、垂直面41aが偏心カム37のカム中心から最も遠い距離にあるカム面に当接しており、水平面41bが、光学センサ51と中間転写ベルト61との間に介挿して、光学センサ51の検知面を保護している(即ち、シャッタ41を閉じている)(図4(b)参照)。これにより、中間転写ベルト61と転写ローラ10との間を通過するシート(記録用紙)の紙粉等が光学センサ51の検知面に付着することを防止することができる。
上記のシャッタ41の開閉検知は、上述したように、反射式の光学センサである光学センサ51が使用される。この光学センサ51は、上述したように、シャッタ閉状態では、図4(b)に示すように、光学センサ検知面が中間転写ベルト61に対してシャッタ41により遮蔽されることで、光学センサ51から投射された投射光がシャッタ41で反射された反射光を受光する。そして、シャッタ開状態では、図4(a)に示すように、光学センサ検知面が中間転写ベルト61に対して露出されることで、光学センサ51から投射された投射光が中間転写ベルト61で反射された反射光を受光する。
この光学センサ51を用いたシャッタ41の開閉検知では、光学センサ51のセンサ発光電流(Y)として、センサ発光基準電流(Y0)が用いられる。また、開閉検知の判定用のセンサ出力電圧(X)の基準として、予め設定された開閉検知基準電圧(X0)が用いられる。即ち、図5に示すように、センサ出力電圧(X)が開閉検知基準電圧(X0)以下となることで、シャッタ41が閉じたことを検知し、センサ出力電圧(X)が開閉検知基準電圧(X0)以上となることで、シャッタ41が開いたことを検知する。
尚、この場合、当初に行われる上記の開閉検知基準電圧(X0)の設定としては、一般的に、光学センサ51から投射された投射光がシャッタ41で反射された反射光を受光したとき(図4(b))のセンサ出力電圧(図5のXa)よりも高く、光学センサ51から投射された投射光が中間転写ベルト61で反射された反射光を受光したとき(図4(a))のセンサ出力電圧(図5のXb)よりも低くなるようにする。このようにするには、下記のようにする。
例えば、シャッタ閉状態下で、光学センサ51から投射された投射光が反射される上記のシャッタ41の反射面を、黒色等の、上記の中間転写ベルト61の表面の色よりも暗い色にする。即ち、シャッタ閉状態下で、光学センサ51から投射された投射光が反射されるシャッタ41の反射面の反射率を、中間転写ベルト61の反射率よりも低くするのである。
ところで、上記の中間転写方式のカラー画像形成装置である本画像形成装置100では、中間転写ベルト61上に形成される多色画像が色ずれを起こさないようにするために、自動レジスト調整が行われる。
この自動レジスト調整は、本画像形成装置100が、通常動作(画像形成動作)を行っていないときに行う必要がある。というのは、この本画像形成装置100が、通常動作(画像形成動作)を行っているときの状態は、上述したように、二次転写ユニット31を、中間転写ベルトユニットの中間転写ベルト61に当接させた状態である。
そうすると、前述したように、自動レジスト調整において行われる転写ベルトの基準トナー像の検知を、二次転写ユニット31を中間転写ベルトユニットの中間転写ベルト61に当接させた状態で行うと、中間転写ベルト61上に形成された基準トナー像が、二次転写ユニット31の転写ローラ10に転写されてしまう。そのため、自動レジスト調整の目的を達成することができなくなってしまうからである。
そこで、上記の本画像形成装置100が、通常動作(画像形成動作)を行っていないときは、上述したように、上記のシャッタ41が開いているとき(図4(a)参照))である。従って、上記の自動レジスト調整は、シャッタ41が開いているときに行われる。そのため、この自動レジスト調整に先立って、光学センサ51により、シャッタ41が開いた状態であるシャッタ開状態の検知が行われ、シャッタ41が開いていることを確認の後、上記の自動レジスト調整が行われる。
自動レジスト調整とは、中間転写方式の画像形成装置において、各色毎の感光体ドラムから一次転写される画像の各色間のずれの有無をチェックすることにより、中間転写の調整を自動的に行う仕組のことである。このずれの有無をチェックするために、中間転写ベルト61上に形成された基準トナー像の検知が、上記の反射式の光学センサ51を用いて行われる
この中間転写ベルト61上に形成された基準トナー像の検知では、この基準トナー像の検知に先立って、次の処理が行われる。即ち、トナー像が一次転写されていない中間転写ベルト61に対して、光学センサ51から投射された投射光の反射光を受光した光学センサ51のセンサ出力電圧(X)が、予め設定されたベルト素地検知基準電圧(X1)となるように、センサ発光電流(Y)を増減して制御する(前述した反射式の光学センサのキャリブレーション)。この制御により設定された新たなセンサ発光電流(Y)を、センサ発光更新電流(Y1)と称する。
このようなセンサ発光電流(Y)の制御を行う必要があるのは、次の理由による。即ち、中間転写ベルトユニット6の中間転写ベルト61は、長期の使用等により、この中間転写ベルト61の表面がトナーにより汚れ、この中間転写ベルト61を、中間転写ベルトクリーニングユニット65を用いてクリーニングしても、最初のきれいな状態には、完全には戻りにくい。そのため、中間転写ベルト61の表面の反射率が徐々に低下するため、中間転写ベルト61に対して、光学センサ51から投射された投射光の反射光が弱くなる。そこで、正確な自動レジスト調整を行わせるために、上述したセンサ発光電流(Y)の制御を行うのである。
例えば、光学センサ51のセンサ発光電流(Y)を、最初に、上述したシャッタ41の開閉検知におけるセンサ発光基準電流(Y0)にして、光学センサ51のセンサ出力電圧(X)をチェックする。このとき、光学センサ51のセンサ出力電圧(X)が、図6(a)に示すように、ベルト素地検知基準電圧(X1)であれば、センサ発光更新電流(Y1)は、センサ発光基準電流(Y0)と同じである。
しかし、光学センサ51のセンサ発光電流(Y)を、上記のセンサ発光基準電流(Y0)にして、光学センサ51のセンサ出力電圧(X)をチェックした結果が、図6(b)に示すように、ベルト素地検知基準電圧(X1)よりも低い値であると、光学センサ51のセンサ出力電圧(X)が、ベルト素地検知基準電圧(X1)となるように、光学センサ51のセンサ発光電流(Y)を増加する。この場合は、センサ発光更新電流(Y1)は、センサ発光基準電流(Y0)よりも大きくなる。このようにして制御されたセンサ発光更新電流(Y1)を用いて、上記の基準トナー像の検知が行われる。
上記の例では、センサ発光更新電流(Y1)は、センサ発光基準電流(Y0)よりも大きくなっているが、小さくなる場合もあり得る。しかし、一般的には、上述したように、中間転写ベルト61の表面の反射率が徐々に低下するため、センサ発光更新電流(Y1)は、センサ発光基準電流(Y0)よりも大きくなる。
上記の自動レジスト調整が終了した後には、本画像形成装置100に通常動作(画像形成動作)を行わせるようにするために、本画像形成装置100を通常動作(画像形成動作)が可能な状態に戻す必要がある。この状態は、上述したように、シャッタ41が閉じた状態であり、このシャッタ41が閉じた状態にすることにより、上述したように、同時に、二次転写ユニット31が、中間転写ベルトユニットの中間転写ベルト61に当接した状態となる。
そこで、本画像形成装置100に通常動作(画像形成動作)を行わせるのに先立って、シャッタ41が閉じていることを確認する必要があり、このため、上記の自動レジスト調整が終了した後に、次の処理が行われる。
即ち、光学センサ51により、シャッタ41が閉じた状態であるシャッタ閉状態の検知が行われる。この光学センサ51のセンサ発光電流(Y)としては、上記の自動レジスト調整が行われることにより、上述したように、新たに設定されたセンサ発光更新電流(Y1)が用いられる。
そこで、シャッタ41のシャッタ閉状態の検知として、次の処理が行われる。即ち、光学センサ51のセンサ発光電流(Y)として、上記のセンサ発光更新電流(Y1)を用いることで、シャッタ閉状態が検知可能と判定すると、上記のセンサ発光基準電流(Y0)を上記のセンサ発光更新電流(Y1)に変更し、シャッタ閉状態が検知可能でないと判定すると、上記のセンサ発光基準電流(Y0)の変更は行わない。
上記のような処理を行うのは、次の理由による。即ち、上記の自動レジスト調整により、シャッタ41のシャッタ閉状態の検知における光学センサ51のセンサ発光電流(Y)は、センサ発光基準電流(Y0)からセンサ発光更新電流(Y1)へ変化し、センサ発光更新電流(Y1)は、一般に、センサ発光基準電流(Y0)よりも大きくなる。
そうすると、センサ発光基準電流(Y0)からセンサ発光更新電流(Y1)への変化が比較的少ない場合は、シャッタ41のシャッタ閉状態の検知において、光学センサ51から投射された投射光がシャッタ41で反射された反射光を受光した状態における光学センサ51のセンサ出力電圧(X)は、図7(a)に示すように、開閉検知基準電圧(X0)よりも低くなるので、シャッタ41のシャッタ閉を検知することができる。
しかし、センサ発光基準電流(Y0)からセンサ発光更新電流(Y1)への変化が大きい場合は、光学センサ51から投射された投射光がシャッタ41で反射された反射光を受光した状態における光学センサ51のセンサ出力電圧(X)は、図7(b)に示すように、開閉検知基準電圧(X0)よりも低くならず、シャッタ41のシャッタ閉を検知することができなくなる。
そこで、この場合には、シャッタ41のシャッタ閉の検知を確実に行うために、光学センサ51のセンサ発光電流(Y)として、上記のセンサ発光更新電流(Y1)を用いずに、自動レジスト調整前におけるシャッタ41のシャッタ開の検知に用いた実績のあるセンサ発光基準電流(Y0)を用いて、シャッタ41のシャッタ閉の検知を行うのである。
尚、上記の処理におけるシャッタ41のシャッタ閉状態の検知において、このシャッタ閉状態が検知可能か否かの判定は、次のようにして、行われる。即ち、上述したように、
偏心カム37が1回転すると、その間に、シャッタ41の開状態、及び、閉状態が、生じる。
そうすると、正常な状態では、偏心カム37を1回転させる間に、光学センサ51のセンサ出力電圧が上記の開閉検知基準電圧以下となる状態が生じるはずである。そこで、偏心カム37を1回転させる間に、光学センサ51のセンサ出力電圧が上記の開閉検知基準電圧以下となるか否かをチェックすることで、シャッタ41のシャッタ閉状態が検知可能か否かを判定することができるのである。
上記の場合に、偏心カム37を1回転させる時間の経過は、上述した偏心カム駆動モータにより、偏心カム37を1回転させるために要する時間である偏心カム1回転所要時間の経過により判断することができる。
この偏心カム1回転所要時間が経過する間に、光学センサ51のセンサ出力電圧が上記の開閉検知基準電圧以下となれば、シャッタ41のシャッタ閉状態を検知しており、シャッタ41のシャッタ閉状態が検知可能といえる。
これに対して、偏心カム1回転所要時間が経過する間に、光学センサ51のセンサ出力電圧が上記の開閉検知基準電圧以下とならなければ、シャッタ41のシャッタ閉状態は検知できておらず、シャッタ41のシャッタ閉状態が検知可能とはいえない。
次に、上記の本画像形成装置100で行われる、光学センサ51を用いたシャッタ41の開閉検知を含む、自動レジスト調整処理について説明する。本画像形成装置100では、上記の処理を行うために、本画像形成装置100における図示しない制御部のメモリに設定値記録エリアが設けられると共に、ソフトウエア上で使用される、シャッタ開閉検知エラーフラグFが用いられる。
この内、設定値記録エリアには、光学センサ51のセンサ出力電圧(X)に関する、図8(a)に示す、上述した開閉検知基準電圧(X0)、及び、ベルト素地検知基準電圧(X1)と、光学センサ51のセンサ発光電流(Y)に関する、図8(b)に示す、上述したセンサ発光基準電流(Y0)、及び、センサ発光更新電流(Y1)とが記憶される。
また、シャッタ開閉検知エラーフラグFは、シャッタ開閉検知エラーの有無を示すフラグで、F=0は、シャッタ開閉検知エラーが生じていない状態を表し、F=1は、シャッタ開閉検知エラーが生じている状態を表す。
次に、上記の本画像形成装置100で行われる、光学センサ51を用いたシャッタ41の開閉検知を含む、自動レジスト調整処理について、具体的に説明する。図9〜図12は、この自動レジスト調整処理を示したフローチャートである。
この内、図9は、この自動レジスト調整処理の基本動作を示したフローチャートである。図9において、自動レジスト調整処理は、最初に、シャッタ開閉検知エラーフラグをリセットして、F=0とする(S1)。
次に、順に、シャッタ開検知(S2)、自動レジスト調整(S3)、及び、シャッタ閉検知(S4)を行い、最後に、シャッタ開閉検知エラーフラグFをチェックして(S5)、F=0であれば、S1へ戻って、最初から、処理を繰り返す。F=1であれば、シャッタ開閉検知エラーを、画像形成装置100の図示しない表示部に表示して(S6)、自動レジスト調整における自動レジスト調整処理を終了する。
図10は、シャッタ開検知(S2)処理の詳細を示したフローチャートである。図10において、まず、シャッタ開指令の有無をチェックし(S21)、シャッタ開指令があると、次に、偏心カム駆動モータをONする(S22)。
次に、センサ発光電流(Y)をセンサ発光基準電流(Y0)として、Y=Y0として、シャッタ開検知を行う(S23)。即ち、センサ出力電圧(X)が開閉検知基準電圧(X0)よりも大きいか否かをチェックし(S24)、X>X0でないと、次に、一定時間の経過の有無をチェックする(S26)。この一定時間は、上記の偏心カム1回転所要時間のことである。この一定時間が経過していないと、S24へ戻って、S24以降を繰り返す。
S24におけるセンサ出力電圧(X)が開閉検知基準電圧(X0)よりも大きいか否かのチェックで、X>X0であると、これは、シャッタ開状態を検知しているので、次に、偏心カム駆動モータをOFFして(S25)、シャッタ開検知(S2)処理を終了する。
S26における一定時間の経過の有無のチェックで、一定時間が経過していると、これは、一定時間が経過する間にシャッタ開状態を検知していないので、シャッタ開閉検知エラーである。そこで、シャッタ開閉検知エラーフラグFをセットして、F=1として(S27)、次に、偏心カム駆動モータをOFFして(S25)、シャッタ開検知(S2)処理を終了する。
図11は、自動レジスト調整(S3)処理の詳細を示したフローチャートである。図11において、まず、シャッタ開閉検知エラーフラグFがセットされていないかチェックし(S31)、シャッタ開閉検知エラーフラグFがセットされて、F=1であると、シャッタ開閉検知エラーが発生しているので、何もしないで、自動レジスト調整(S3)処理を終了する。
S31におけるシャッタ開閉検知エラーフラグFがセットされていないか否かのチェックで、セットされていないと、即ち、F=1ではないと、次に、センサ発光電流(Y)を増減して、センサ出力電圧(X)がベルト素地検知基準電圧(X1)となるように、即ち、X=X1となるようにする。そして、このX=X1となるセンサ発光電流(Y)であるセンサ発光更新電流(Y1)を、設定値記録エリアに記憶する(S32)。
そして、次に、センサ発光電流(Y)をセンサ発光更新電流(Y1)として、Y=Y1として、自動レジスト調整の具体的な内容の処理を行って(S33)、自動レジスト調整(S3)処理を終了する。
図12は、シャッタ閉検知(S4)処理の詳細を示したフローチャートである。図12において、まず、シャッタ開閉検知エラーフラグFがセットされていないかチェックし(S41)、シャッタ開閉検知エラーフラグFがセットされて、F=1であると、シャッタ開閉検知エラーが発生しているので、何もしないで、シャッタ閉検知処理(S4)を終了する。
S41におけるシャッタ開閉検知エラーフラグFがセットされていないか否かのチェックで、セットされていないと、即ち、F=1ではないと、次に、シャッタ閉指令の有無をチェックし(S42)、シャッタ閉指令があると、次に、偏心カム駆動モータをONする(S43)。
次に、センサ発光電流(Y)をセンサ発光更新電流(Y1)として、Y=Y1として、シャッタ閉検知を行う(S44)。即ち、センサ出力電圧(X)が開閉検知基準電圧(X0)よりも小さいか否かをチェックし(S45)、X<X0でないと、次に、一定時間の経過の有無をチェックする(S48)。この一定時間は、上記の偏心カム1回転所要時間のことである。この一定時間が経過していないと、S45へ戻って、S45以降を繰り返す。
S45におけるセンサ出力電圧(X)が開閉検知基準電圧(X0)よりも小さいか否かのチェックで、X<X0であると、これは、シャッタ閉状態を検知しているので、以後、センサ発光基準電流(Y0)として、センサ発光更新電流(Y1)を用いるようにする。このため、設定値記録エリアのセンサ発光基準電流(Y0)の値を、センサ発光更新電流(Y1)に変更して、Y0=Y1として記憶する(S46)。そして、次に、偏心カム駆動モータをOFFして(S47)、シャッタ閉検知(S4)処理を終了する。
S48における一定時間の経過の有無のチェックで、一定時間が経過していると、これは、一定時間が経過する間にシャッタ閉状態を検知していないことになる。これは、即ち、センサ発光電流(Y)をセンサ発光更新電流(Y1)として、Y=Y1とした状態下では、シャッタ閉状態を検知できない状態である。
そこで、次に、一旦、偏心カム駆動モータをOFFして(S49)、センサ発光電流(Y)をセンサ発光基準電流(Y0)として、Y=Y0とした後、シャッタ閉検知を行う(S50)。
これは、上述したように、センサ発光基準電流(Y0)からセンサ発光更新電流(Y1)への変化が大きい場合は、光学センサ51から投射された投射光がシャッタ41で反射された反射光を受光した状態における光学センサ51のセンサ出力電圧(X)は、図7(b)に示すように、開閉検知基準電圧(X0)よりも低くならず、シャッタ41のシャッタ閉を検知することができなくなる場合である。
そこで、この場合には、シャッタ41のシャッタ閉の検知を確実に行うために、光学センサ51のセンサ発光電流(Y)として、上記のセンサ発光更新電流(Y1)を用いずに、自動レジスト調整前におけるシャッタ41のシャッタ開検知(S2)処理に用いた実績のあるセンサ発光基準電流(Y0)を用いて、シャッタ41のシャッタ閉の検知を行うのである。
上記の場合、図12に示すフローチャートにおいて、まず、偏心カム駆動モータをONした後(S51)、センサ出力電圧(X)が開閉検知基準電圧(X0)よりも小さいか否かをチェックし(S52)、X<X0でないと、次に、一定時間の経過の有無をチェックする(S53)。この一定時間は、上記の偏心カム1回転所要時間のことである。この一定時間が経過していないと、S52へ戻って、S52以降を繰り返す。
S52におけるセンサ出力電圧(X)が開閉検知基準電圧(X0)よりも小さいか否かのチェックで、X<X0であると、これは、シャッタ閉状態を検知しているので、次に、偏心カム駆動モータをOFFして(S47)、シャッタ閉検知(S4)処理を終了する。
この場合は、設定値記録エリアのセンサ発光基準電流(Y0)の値は、センサ発光更新電流(Y1)に変更されない。即ち、設定値記録エリアのセンサ発光基準電流(Y0)の値は、変化せず、従前の値が、そのまま使用される。
S53における一定時間の経過の有無のチェックで、一定時間が経過していると、これは、一定時間が経過する間にシャッタ閉状態を検知していないので、シャッタ開閉検知エラーである。そこで、シャッタ開閉検知エラーフラグFをセットして、F=1として(S54)、次に、偏心カム駆動モータをOFFして(S47)、シャッタ閉検知(S4)処理を終了する。
上記の本実施形態における画像形成装置100によれば、画像形成装置100は、光学センサ51のセンサ発光電流(Y)が、基準トナー像の検知を行う際の中間転写ベルト61に対して、最適なセンサ発光電流(Y)であるセンサ発光更新電流(Y1)となるように、光学センサ51のセンサ発光電流を制御する。
また、上記の制御部は、光学センサ51のセンサ発光電流(Y)として、上記のセンサ発光更新電流(Y1)を用いることで、光学センサ51により、シャッタ閉状態が検知可能と判定すると、上記のセンサ発光基準電流(Y0)をセンサ発光更新電流(Y1)に変更し、シャッタ閉状態が検知可能でないと判定すると、上記のセンサ発光基準電流(Y0)の変更は行わない。
そのため、汚れ防止用のシャッタ41を備えると共に、基準トナー像の検知と、シャッタの開閉検知との双方の検知に用いられる反射式の光学センサ51を備えた中間転写方式の画像形成装置100において、長期間の使用等により、中間転写ベルト61が汚れる等した場合においても、基準トナー像の検知と、シャッタ41の開閉検知とを、双方とも正常に機能させることができる。