JP2010133997A - 潤滑剤供給装置、画像形成装置、潤滑剤供給方法及び潤滑剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】感光体1の表面を一様に帯電処理した後に露光して静電潜像を書き込み、静電潜像部分にトナーを付着させて現像することにより感光体表面上にトナー像を形成する画像形成装置において、粉体状の潤滑剤を所定極性に帯電させた後に、静電潜像が書き込まれた後であって次回の画像形成工程における上記帯電処理を行う前の感光体表面に対して、帯電した粉体状の潤滑剤を供給する潤滑剤塗布装置3を設けた。
【選択図】図2
Description
また、この画像形成装置によれば、潜像担持体表面に付着する潤滑剤により、トナーに外添される流動化剤や帯電制御剤等がクリーニング部材との当接で潜像担持体表面に膜状に固着する現象(フィルミング現象)の発生を有効に抑制できることが知られている。
更に、この画像形成装置によれば、潜像担持体表面に付着する潤滑剤により、潜像担持体表面上のトナー像を構成するトナーと潜像担持体表面との付着力を低減することができるので、転写性が向上することが知られている。
一方、潜像担持体表面に供給される潤滑剤の量が多すぎると、潜像担持体表面に接触又は近接する帯電ローラ等の部材を潤滑剤で過剰に汚染してしまい、その部材の本来の機能を低下させるおそれがある。また、高湿環境下においては、潜像担持体表面に供給される潤滑剤の量が多すぎると、潜像担持体表面上の潤滑剤が吸湿することにより導電性を帯び、潜像担持体表面上の静電潜像を乱して像流れあるいは画像ボケといった画質劣化を引き起こすおそれもある。
図12(a)〜(c)は、潜像担持体である感光体表面上の画像部と非画像部に付着する潤滑剤の状態を説明するための説明図である。なお、図12(a)〜(c)は、説明の都合上、潤滑剤の量と転写残トナーの量との関係は実際のものとは異なっている。実際には、潤滑剤の量よりも転写残トナー量の方が圧倒的に多い。
図12(a)は、転写後であって潤滑剤供給位置に到達する前の感光体表面の様子を示している。このとき、感光体表面上の画像部には多くの転写残トナーが付着し、非画像部には転写残トナーがほとんど付着していない。
図12(b)は、潤滑剤供給位置の通過後であってクリーニング位置に到達する前の感光体表面の様子を示している。上述したとおり、転写残トナーが多く付着している画像部の方が非画像部よりも潤滑剤供給量が少ないので、画像部に付着する潤滑剤の量は非画像部よりも少ない。
図12(c)は、クリーニング位置通過直後の感光体表面の様子を示している。このとき、画像部に付着していた転写残トナーはクリーニング部材によりクリーニングされ、感光体表面に残る潤滑剤の量は、非画像部よりも画像部の方が少ない。しかも、クリーニング時には、転写残トナーだけでなく潤滑剤も多少は感光体から除去される。ただし、画像部に付着している潤滑剤は転写残トナーが存在する関係で上述したように非画像部に付着している潤滑剤よりも除去されやすい。したがって、クリーニング時に除去される潤滑剤量は、非画像部よりも画像部の方が多い。よって、クリーニング位置通過直後に感光体表面に残る潤滑剤量の非画像部と画像部との差は、供給量の差よりも大きいものとなる。
しかし、近年、高速大量出力に対応した電子写真方式の画像形成装置が製品化されてきたことにより、かかる高速大量出力の画像形成装置を用いて同じ画像を大量に出力するという使い方がなされる機会が多くなってきた。そのような使い方がなされると、転写残トナー付着量の偏りによる潤滑剤の累積付着量のムラが顕著となる。そのため、潤滑剤の累積付着量のムラに起因した不具合が顕在化してきた。
また、かかる高速大量出力の画像形成装置は、画像出力したものを商品として販売するいわゆるコピーショップなどのユーザーが多く、画像品質への要求が一般ユーザーに比べて格段に厳しい。そのため、潤滑剤の累積付着量のムラに起因した不具合への対処が重要な技術課題となってきている。
また、請求項2の発明は、請求項1の潤滑剤供給装置において、上記トナーの正規帯電極性と同じ極性に上記粉体状の潤滑剤を帯電させるように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1の潤滑剤供給装置において、上記トナーの正規帯電極性とは逆極性に上記粉体状の潤滑剤を帯電させるように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の潤滑剤供給装置において、上記潤滑剤として、上記所定極性に帯電させるための極性制御剤を含有する潤滑剤を用いることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の潤滑剤供給装置において、上記潤滑剤として、平均炭素数14から20の脂肪酸金属塩を含有する潤滑剤を用いることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の潤滑剤供給装置において、上記脂肪酸金属塩はステアリン酸亜鉛であることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の潤滑剤供給装置において、上記粉体状の潤滑剤を、回転駆動するブラシに付着させて塗布することにより潜像担持体表面に供給する塗布手段を有し、上記ブラシとの摩擦帯電により上記粉体状の潤滑剤が上記トナーの目標帯電量の1/2以上の帯電量まで帯電するように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項7の潤滑剤供給装置において、上記ブラシとして、ナイロン製ブラシを用いることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項7又は8の潤滑剤供給装置において、上記塗布手段は、上記ブラシが固形潤滑剤と潜像担持体表面の両方に接触するように構成され、該固形潤滑剤から削り取った粉体状の潤滑剤を潜像担持体表面に塗布するものであることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の潤滑剤供給装置において、上記粉体状の潤滑剤を所定極性に帯電させる手段は、該粉体状の潤滑剤との摩擦帯電により該粉体状の潤滑剤を該所定極性に帯電させ得る該潤滑剤とは別の粉体を該粉体状の潤滑剤と摺擦させることにより、該粉体状の潤滑剤を該所定極性に帯電させるものであることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項10の潤滑剤供給装置において、上記粉体状の潤滑剤を所定極性に帯電させる手段は、上記別の粉体として磁性体を用い、回転駆動するスリーブ状部材内に設けられた磁界発生手段の磁界によって該磁性体を該スリーブ状部材の表面に穂立ちさせ、これにより形成される磁気ブラシを固形潤滑剤に接触させることで該固形潤滑剤から上記粉体状の潤滑剤を削り取るとともに、該磁性体と該粉体状の潤滑剤とを摺擦させるものであることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項11の潤滑剤供給装置において、上記粉体状の潤滑剤を所定極性に帯電させる手段は、上記磁気ブラシが上記固形潤滑剤と潜像担持体表面の両方に接触するように構成され、該固形潤滑剤から削り取った粉体状の潤滑剤を潜像担持体表面に塗布するものであることを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の潤滑剤供給装置において、帯電した粉体状の潤滑剤を潜像担持体表面上へ移動させるための電界を形成するための電界形成手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項13の潤滑剤供給装置において、上記電界形成手段は、潜像担持体表面上の静電潜像が書き込まれた静電潜像部分と、潜像担持体表面上の静電潜像が書き込まれていない非静電潜像部分との両方に対して、帯電した粉体状の潤滑剤を移動させるための電界を形成することを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項13の潤滑剤供給装置において、上記電界形成手段は、潜像担持体表面上の静電潜像が書き込まれた静電潜像部分に対しては帯電した粉体状の潤滑剤を該静電潜像部分側へ移動させるための電界を形成し、潜像担持体表面上の静電潜像が書き込まれていない非静電潜像部分に対しては帯電した粉体状の潤滑剤を該非静電潜像部分から離れる側へ移動させるための電界を形成することを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、請求項13の潤滑剤供給装置において、上記電界形成手段は、潜像担持体表面上の静電潜像が書き込まれていない非静電潜像部分に対しては帯電した粉体状の潤滑剤を該非静電潜像部分側へ移動させるための電界を形成し、潜像担持体表面上の静電潜像が書き込まれた静電潜像部分に対しては帯電した粉体状の潤滑剤を該静電潜像部分から離れる側へ移動させるための電界を形成することを特徴とするものである。
また、請求項17の発明は、潜像担持体表面を一様に帯電処理した後に露光して静電潜像を書き込み、静電潜像部分にトナーを付着させて現像することにより潜像担持体表面上にトナー像を形成し、該トナー像を最終的に記録材へ転写することにより記録材上に画像を形成する画像形成装置において、潜像担持体表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置を有し、該潤滑剤供給装置として、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の潤滑剤供給装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項18の発明は、請求項17の画像形成装置において、潜像担持体表面上のトナー像を転写した後であって該潜像担持体表面から転写残トナーを除去するためのクリーニングを行う前の潜像担持体表面に対して、上記帯電した潤滑剤を上記潤滑剤供給装置により供給することを特徴とするものである。
また、請求項19の発明は、請求項17の画像形成装置において、潜像担持体表面から転写残トナーを除去するためのクリーニングを行った後の潜像担持体表面に対して、上記帯電した潤滑剤を上記潤滑剤供給装置により供給することを特徴とするものである。
また、請求項20の発明は、請求項17乃至19のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記潤滑剤供給装置として、請求項13乃至16のいずれか1項に記載の潤滑剤供給装置を用い、潜像担持体表面上の静電潜像が書き込まれた静電潜像部分及び潜像担持体表面上の静電潜像が書き込まれていない非静電潜像部分の少なくとも一方の電位を、潤滑剤供給前に検知する電位検知手段と、該電位検知手段の検知結果に基づいて、上記潤滑剤供給装置の上記電界形成手段が形成する電界を制御する制御手段とを有することを特徴とするものである。
また、請求項21の発明は、請求項20の画像形成装置において、上記制御手段は、所定の開始条件が満たされたときに、上記潜像担持体表面上に通常の画像形成プロセスにより所定の調整用静電潜像を書き込み、少なくとも該所定の調整用静電潜像の電位を上記電位検知手段で検知した結果に基づいて電界目標値を決定し、決定した電界目標値となるように上記電界形成手段が形成する電界を制御することを特徴とするものである。
また、請求項22の発明は、請求項21の画像形成装置において、画像濃度調整用静電潜像を現像することにより得られる画像濃度調整用トナー像の濃度を検知するためのトナー濃度検知手段を有し、上記制御手段は、所定の画像濃度調整開始条件が満たされたときに、潜像担持体表面上に通常の画像形成プロセスにより所定の画像濃度調整用静電潜像を書き込み、該画像濃度調整用静電潜像を現像することにより得られる画像濃度調整用トナー像の濃度を上記トナー濃度検知手段で検知し、その検知結果に基づいて画像濃度調整処理を行うものであり、上記電位検知手段を、上記所定の画像濃度調整用静電潜像の電位を検知可能な位置に配置し、該所定の画像濃度調整用静電潜像を上記所定の調整用静電潜像として利用することを特徴とするものである。
また、請求項23の発明は、請求項17乃至22のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記潤滑剤供給装置として、請求項13乃至16のいずれか1項に記載の潤滑剤供給装置を用い、当該画像形成装置の内部又は周囲の温度を検知する温度検知手段と、該温度検知手段の検知結果に基づいて、上記潤滑剤供給装置の上記電界形成手段が形成する電界を制御する制御手段とを有することを特徴とするものである。
また、請求項24の発明は、請求項17乃至23のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記潤滑剤供給装置として、請求項13乃至16のいずれか1項に記載の潤滑剤供給装置を用い、潜像担持体が駆動を開始してから駆動を終了するまでの間の画像形成枚数を計測するための計測手段と、該計測手段の計測結果に基づいて、上記潤滑剤供給装置の上記電界形成手段が形成する電界を制御する制御手段とを有することを特徴とするものである。
また、請求項25の発明は、請求項17乃至24のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記潤滑剤供給装置として、請求項13乃至16のいずれか1項に記載の潤滑剤供給装置を用い、潜像担持体表面上の静電潜像を構成する画素数を、潤滑剤供給前に検出するための画素数検出手段と、該画素数検出手段の検出結果に基づいて、上記潤滑剤供給装置の上記電界形成手段が形成する電界を制御する制御手段とを有することを特徴とするものである。
また、請求項26の発明は、潜像担持体表面を一様に帯電処理した後に露光して静電潜像を書き込み、静電潜像部分にトナーを付着させて現像することにより潜像担持体表面上にトナー像を形成し、該トナー像を最終的に記録材へ転写することにより記録材上に画像を形成する画像形成装置の潜像担持体表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給方法において、粉体状の潤滑剤を所定極性に帯電させた後に、静電潜像が書き込まれた後であって次回の画像形成工程における上記帯電処理を行う前の潜像担持体表面に対して、帯電した粉体状の潤滑剤を供給することを特徴とするものである。
また、請求項27の発明は、潜像担持体表面を一様に帯電処理した後に露光して静電潜像を書き込み、静電潜像部分にトナーを付着させて現像することにより潜像担持体表面上にトナー像を形成し、該トナー像を最終的に記録材へ転写することにより記録材上に画像を形成する画像形成装置の潜像担持体表面に供給される潤滑剤であって、当該潤滑剤を所定極性に帯電させるための極性制御剤を含有することを特徴とするものである。
静電潜像部分はトナーが付着する箇所であり、従来一般的に用いられている供給方法である塗布により潤滑剤を供給する場合には、トナーがほとんど付着しない非静電潜像部分と比べて、供給される潤滑剤の量が相対的に少ない。そのため、静電潜像部分に対する潤滑剤の付着量は、非静電潜像部分に比べて相対的に少ない。また、潜像担持体表面上の転写残トナー付着量の違いによっては潤滑剤の供給量が変わらないような供給方法を用いる場合であっても、転写残トナーが多く付着している静電潜像部分に供給された潤滑剤はすぐに感光体表面から離脱してしまうので、静電潜像部分に対する潤滑剤の付着量は非静電潜像部分に比べて相対的に少なくなる。
本発明によれば、例えば、潤滑剤としての機能を持たない通常のトナーを使用する場合には、非静電潜像部分よりも静電潜像部分へより多く静電的に移動できるような極性に潤滑剤を帯電させることで、非静電潜像部分と静電潜像部分との間における潤滑剤付着量のムラを少なくできる。その結果、上述した不具合が顕著となる、転写残トナーの付着量が主走査方向で偏るような画像を長期的に形成する場合であっても、潤滑剤の累積付着量のムラが少なくなるので、これにより生じ得る不具合を軽減することができる。
また、本発明によれば、例えば、潤滑剤としての機能を持つ特殊なトナーを使用する場合には、静電潜像部分よりも非静電潜像部分へより多く静電的に移動できるような極性に潤滑剤を帯電させてもよい。すなわち、このような特殊なトナーを使用する場合、潤滑剤として機能するトナーを含む全体の潤滑剤付着量は、通常のトナーを使用する場合とは逆に、静電潜像部分の方が非静電潜像部分よりも多くなることがある。このような場合には、静電潜像部分よりも非静電潜像部分へより多く静電的に移動できるような極性に潤滑剤を帯電させることで、非静電潜像部分と静電潜像部分との間における潤滑剤付着量のムラを少なくでき、上述した不具合を軽減できる。
なお、本発明において、潤滑剤の供給方法は、従来一般的に用いられている塗布に限られない。
以下に、本発明を、電子写真方式の画像形成装置であるプリンタに適用した一実施形態(以下、本実施形態を「実施形態1」という。)について説明する。
図1は、本実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。
このプリンタは、その内部の略中央に像担持体である中間転写体としての中間転写ベルト56を備えている。中間転写ベルト56は、ポリイミドやポリアミド等の耐熱性材料からなり、中抵抗に調整された基体からなる無端状ベルトで、4つのローラ52,53,54,55に掛け渡して支持され、図中矢印A方向に回転駆動される。中間転写ベルト56の下方にはイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色トナーに対応した4つの作像ユニットが中間転写ベルト56のベルト面に沿って並んでいる。
いずれの作像ユニットも同様の構成であるので、ここでは、色の区別を示すY、M、C、Kの添え字を省略する。各作像ユニットは、潜像担持体としての感光体1を有し、各感光体1の周りには、感光体表面を所望電位(マイナス極性)となるように一様に帯電させる帯電手段としての帯電装置2、感光体表面に形成された静電潜像をマイナス極性に帯電された各色トナーで現像してトナー像とする現像手段としての現像装置4、感光体表面に潤滑剤を塗布により供給する潤滑剤供給装置である潤滑剤塗布装置3、トナー像転写後の感光体表面のクリーニングを行うクリーニング装置8がそれぞれ配置されている。
また、本実施形態では、潤滑剤塗布装置3をクリーニング装置8の内部に設けている。これにより、感光体1を摺擦したときにブラシローラ3aに付着するトナーを固形潤滑剤3b又は図示しないフリッカーで振り落とし、クリーニングブレード8aによって回収されるトナーと共に、トナー回収コイル8cによって容易に回収することができる。
図3は、潤滑剤塗布装置3の固形潤滑剤3bの構成を示す図であり、長手方向を正面として見た図である。
本実施形態の固形潤滑剤3bには、脂肪酸金属塩、フッ素系樹脂等の潤滑作用が高い材料を主成分としたものが使用されるが、特に平均炭素数14から20の脂肪酸金属塩を主成分としたものが好ましい。脂肪酸金属塩としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸マグネシウム、オレイン酸亜鉛、オレイン酸マンガン、オレイン酸鉄、オレイン酸コバルト、オレイン酸鉛、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸銅や、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸コバルト、パルミチン酸銅、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸アルミニウム、パルミチン酸カルシウム、カプリル酸鉛、カプロン酸鉛、リノレン酸亜鉛、リノレン酸コバルト、リノレン酸カルシウム、及びリコリノレン酸カドミウムなどが好ましく、特に、ステアリン酸亜鉛が好ましい。
このような設定の下において、固形潤滑剤3bのブラシローラ3aへの加圧力は、複数の加圧部材3c(図3においては、3c−1及び3c−2)の加圧力の総圧で200〜1000[mN]の範囲になるようにするのが好ましい。総圧が200mN未満では、ブラシローラ3aで十分に固形潤滑剤3bの掻き取りが行われず、感光体1表面への潤滑剤塗布量が不足する。これにより、クリーニングブレード8aや感光体1表面の摩耗を促進し、転写残トナー等のクリーニング不良が発生しやすくなる。また、総圧が1000mNを超えると、感光体1表面への潤滑剤塗布量が過多となる。これは、固形潤滑剤3bの消耗が早まるばかりでなく、感光体1表面が、吸湿性の脂肪酸金属塩等からなる潤滑剤が過剰に塗布されることで湿度の影響を受けて、静電潜像が流れ、画像ボケを発生するという不具合の要因となる。したがって、固形潤滑剤3bは、ブラシローラ3aに対し総圧200〜1000[mN]で加圧されるのが好ましい。
本実施形態で使用するブラシローラ3aは、直径6mm、全長355mmのSUSローラを導電性ブラシ支持体とし、このブラシ支持体上の感光体表面に対向する310mmの領域に導電性ナイロン繊維をパイル地にしたテープをスパイラル状に巻き付けてロール状ブラシとしたものであるが、製造方法や具体的な寸法等はこれに限られない。導電性ナイロン繊維は、ナイロン繊維にカーボンブラックを分散させて抵抗調整したものであり、繊維束の太さは、333[デシテックス](=6.7[デシテックス]×50フィラメント)、300[デニール](=6[デニール]×50フィラメント)とした。ブラシの繊維の長さは、3[mm]、ブラシ繊維束の径φは約0.11[mm]、ブラシ繊維の密度は10万[本/inch2]とした。本実施形態では、このようなブラシローラ3aを感光体表面に対して1[mm]食い込むように配置した。
ステアリン酸亜鉛(GF−200)の粉末39.2[g]を、蓋付きのガラス製容器に入れ、180℃に温度制御したスターラーにより、攪拌しつつ溶融した。十分に溶融したところで、極性制御剤として、上記化1の化学式(1)で示したジターシャルブチルサリチル酸亜鉛の粉末0.8[g]を投入し、温度を維持したまま10分間攪拌した。予め140[℃]に加熱した内寸法12[mm]×7[mm]×250[mm]のアルミニウム製の金型を満たすように、溶融した潤滑剤を流し込み、表面温度が80[℃]になるまで除冷した後、35[℃]まで室温雰囲気中で放冷した。冷却後、潤滑剤の固形物を型から外し、7[mm]×7[mm]×237[mm]に切削成型して、金属製支持体に両面テープで貼り付け、固形潤滑剤3bを作成した。このようにして作成された潤滑剤を実施例1とする。
この固形潤滑剤3bを感光体を取り外したリコー製カラープリンターSPC411用のプロセスカートリッジのクリーニング部に組み込み、次のような試験(以下、本試験を「試験例1」という。)を行った。
固形潤滑剤3bと当接したブラシローラ3aを回転駆動させて約5分間潤滑剤を削り、ブラシローラ3a上に保持された粉末状の潤滑剤の帯電量を吸引法により測定した。帯電量の測定は、エレクトロメーターに接続した、重量既知の吸引冶具(フィルター内蔵)にて吸引し、観測される電荷量と、吸引プローブの重量増加量(吸引した潤滑剤の量)とから、潤滑剤単位重量あたりの電荷量を算出した。吸引する範囲はブラシローラの外周に位置する部分で約5[cm2]とした。
また、このプロセスカートリッジに感光体の代わりにアルミニウム素管を配設し、潤滑剤を保持した状態のブラシローラ3aとの間に電位差をつけたところ、トナーが現像される方向の電界を加えたときに、より多くの潤滑剤がブラシローラ3aからアルミニウム素管側へ移転した。本試験例1では、電位差に応じて移転状態が変化する様子も観察した。
この試験結果を下記の表1に示す。
また、上記実施例1、上記実施例8及び上記比較例1の潤滑剤をそれぞれ組み込んだプロセスカートリッジを用意し、リコー製カラープリンターSPC411にて、室温環境下で、縦帯(副走査方向に延びる帯)状の画像チャート(A4サイズ版、画像面積率が50%、縦帯状のベタ画像が5cm幅で主走査方向へ連続した原稿)を用いて、連続通紙試験(以下、本試験を「試験例2」という。)を行った。この試験例2では、1万枚ごとに25%全面ハーフトーン画像を採取し、その画像を評価した。実施例1及び実施例8の潤滑剤を組み込んだプロセスカートリッジでは、それぞれ7万枚、5万枚まで初期画像と遜色のない高品質の画像が維持できた。これに対し、比較例1の潤滑剤を組み込んだプロセスカートリッジでは、1万枚の時点で、上記画像チャートの画像部と非画像部に対応した縞模様の濃淡が発生し、2万枚の時点では、クリーニングブレードの磨耗によって、画像部に対応する箇所でクリーニング不良が発生した。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4)・・・式(1)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100π/4)・・・式(2)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナーあるいはトナーと感光体1との接触が点接触に近くなるために、トナー同士の吸着力は弱くなり従って流動性が高くなり、また、トナーと感光体1との吸着力も弱くなって、転写率は高くなる。一方、球形トナーはクリーニングブレード8aと感光体1との間隙に入り込みやすいため、トナーの形状係数SF−1又はSF−2はある程度大きい方がよい。また、SF−1とSF−2が大きくなると、画像上にトナーが散ってしまい画像品位が低下する。このために、SF−1とSF−2は180を越えない方が好ましい。なお、形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
次に、本発明を、上記実施形態1と同様、電子写真方式の画像形成装置であるプリンタに適用した他の実施形態(以下、本実施形態を「実施形態2」という。)について説明する。
上記実施形態1では、ブラシローラ3aに電圧を印加しないで、帯電した潤滑剤を感光体上の画像部(静電潜像部分)に静電的に付着させる。そのため、上記実施形態1では、潤滑剤の帯電量を十分に大きくさせないと、画像部への静電的な移動量を十分に確保することができず、画像部と非画像部との間で生じ得る潤滑剤付着量のムラを小さくする効果が有効に得られないおそれがある。特に、潤滑剤の帯電量は使用環境等によっても変動するため、使用環境等によっては潤滑剤の帯電量を十分に大きくすることが困難な状況も想定される。
そこで、本実施形態2では、潤滑剤塗布装置3のブラシローラ3aに対して電圧を印加し、帯電した粉体状の潤滑剤を感光体表面上へ移動させるための電界を積極的に形成することで、画像部への静電的な移動量を十分に確保することとしている。
以下の説明では、上記実施形態1とは異なる点についてのみ説明する。
図7(a)は、転写後であってブラシローラ3aと対向する潤滑剤供給位置に到達する前の感光体表面の様子を示している。このとき、感光体表面上の画像部には多くの転写残トナーが付着し、非画像部には転写残トナーがほとんど付着していない。
図7(b)は、潤滑剤供給位置の通過後であってクリーニングブレード8aと対向するクリーニング位置に到達する前の感光体表面の様子を示している。本実施形態2では、上述したとおり、画像部と非画像部の両方に潤滑剤が付着するが、非画像部よりも画像部の方が付着量が多い。
図7(c)は、クリーニング位置通過直後の感光体表面の様子を示している。このとき、画像部に付着していた転写残トナーはクリーニングブレード8aによりクリーニングされている。クリーニング時には、転写残トナーだけでなく潤滑剤も多少は感光体から除去される。ただし、画像部に付着している潤滑剤は転写残トナーが存在する関係で非画像部に付着している潤滑剤よりも除去されやすい。したがって、クリーニング時に除去される潤滑剤量は、非画像部よりも画像部の方が多い。しかし、本実施形態2では、潤滑剤の供給量が非画像部よりも画像部の方が多いので、結果として、クリーニング位置通過直後の感光体表面上では、図7(c)に示すように、画像部と非画像部との間の潤滑剤付着量のムラが少なくなる。
なお、図7(a)〜(c)に示した感光体表面上における潤滑剤の様子は、全体的な付着量を少なくすれば、ブラシローラ3aに電圧を印加しない実施形態1でも同様である。
例えば、経時使用等により感光体の画像部電位V1(マイナス極性)や非画像部電位V2(マイナス極性)が大きくなると、ブラシローラ3aの電圧V3との電位差が小さくなり、ブラシローラ3aから感光体表面へ静電的に移動する潤滑剤の総量が少なくなる。
そこで、本実施形態2では、感光体表面の電位を検知し、その検知結果に応じてブラシローラ3aに印加する電圧V3の設定値を調整するようにしている。
本実施形態2においては、所定のタイミング(例えば、感光体走行距離が予め決められた距離に達する毎、前回の画像濃度調整モード実行時からの累積画像形成枚数が予め決められた枚数に達する毎等)で、公知の画像濃度調整処理(プロセスコントロール)を行う画像濃度調整モードを実行する。この画像濃度調整モードでは、通常の画像形成プロセスで、画像濃度調整用静電潜像を各感光体1上に形成し、これを各色トナーで現像することにより画像濃度調整用トナー像(トナーパッチ)を感光体1上に形成する。そして、各色のトナーパッチを中間転写ベルト56上に転写し、その中間転写ベルト56に対向配置されているトナー濃度検知手段としてのトナー濃度センサ(光学センサ)58により、トナーパッチの濃度を検知する。そして、このように検知した結果を利用し、帯電装置2の帯電バイアス、現像装置4の現像バイアス、露光装置9の露光量等を調整する。
温度に関しては、一般に、低温環境では帯電ローラ2aに印加される帯電バイアスが増加する傾向にある。これは、低温環境では帯電ローラ2aの抵抗が上昇するため、感光体表面を目標帯電量まで帯電させるために必要なバイアスが高くなるからである。帯電バイアスが大きくなると、感光体表面に対するハザードが大きくなり、その表面に付着している潤滑剤の高分子鎖が切れ、潤滑剤による感光体保護機能が低下し、潤滑剤フィルミング等の感光体表面異物付着の現象が発生しやすくなる。よって、低温環境下では、高温環境下よりも多くの潤滑剤を感光体表面へ供給することが望まれる。
また、低温環境では潤滑剤の供給量が低下する傾向にある。これは、低温環境では固形潤滑剤の硬さが増し、ブラシローラ3aによる削り取り量が少なくなる結果、感光体表面に塗布される潤滑剤量が減るからである。よって、低温環境下では、ブラシローラ3aによる削り取り量の減少も考慮する必要があり、高温環境下よりも多くの潤滑剤が感光体表面へ供給されるようにする必要がある。
下記の表2は、温度及び相対湿度から得られる絶対湿度と、Pの値との関係の一例を示す表である。
感光体走行距離が同じであっても、1回のジョブ中の画像形成枚数が少ない場合と多い場合とでは、感光体表面上の潤滑剤付着量が異なってくる。これは次の理由による。ジョブ立ち上げ期間中とジョブ立ち下げ期間中においては、感光体表面に転写残トナーが無いので、転写残トナーが無い状態の感光体表面に対して潤滑剤を塗布することができる。そのため、上述したとおり、感光体表面に機械的に供給される潤滑剤の量が多く、またクリーニング時に除去されてしまう潤滑剤の量が少ないので、感光体表面に付着する潤滑剤の総量が相対的に多い。よって、例えば、感光体を100回転させる間に、画像形成枚数が少ないジョブを複数回繰り返した場合と、その間ずっと1回のジョブで画像形成を行った場合とでは、後者は転写残トナーが無い状態の感光体表面に対して潤滑剤を塗布する機会が前者に比べて少ないことから、前者の方が後者よりも感光体表面に付着させることができる潤滑剤の量が多くなる。よって、感光体走行距離が同じ場合でも、1回のジョブ中の画像形成枚数が多い使われ方がされたときには、1回のジョブ中の画像形成枚数が少ない使われ方がされたときよりも、多くの潤滑剤を感光体表面に供給することが望まれる。また、別の言い方をすれば、累積した画像形成枚数が同じ場合でも、1回のジョブ中の画像形成枚数が多い使われ方がされたときには、1回のジョブ中の画像形成枚数が少ない使われ方がされたときよりも、多くの潤滑剤を感光体表面に供給することが望まれる。
画像面積率が高い画像や画像濃度が高い画像を形成する場合、転写残トナーの量が多いので、画像面積率や画像濃度が低い画像を形成する場合よりも、感光体表面に付着させることができる潤滑剤の量が少なくなる。画像面積率の高さや画像濃度の高さは、画像データの画素数によって判断することができるので、本実施形態2では、画素数が多い画像を形成する場合には、画素数が少ない画像を形成する場合よりも、多くの潤滑剤を供給するように調整する。
また、本実施形態2では、4つの感光体1それぞれに電位センサ34を設け、電圧V3を感光体ごとに調整可能となっているが、4つの感光体1のうちの一部の感光体にだけ電位センサ34を設け、その検知結果に応じて他の感光体についての電圧V3を調整するようにしてもよい。
また、本実施形態2では、電圧V3の調整を、画像形成動作を行っていない画像濃度調整モードの実行中に実施する場合について説明したが、画像形成動作を行っている最中に実施してもよい。この場合、電圧V3の調整を実施するに当たって用いるパラメータは、画像部電位V1のみ、非画像部電位V2のみ、あるいはその両方の電位V1,V2を用いることができる。
次に、上記実施形態2の変形例について説明する。
本変形例も、ブラシローラ3aに電圧を印加するが、その電圧が上記実施形態2とは異なっている。すなわち、上記実施形態2では、V3<V1<V2の関係が成り立つように電圧V3を設定するが、本変形例では、V1<V3<V2の関係が成り立つように電圧V3を設定する。
次に、本発明を、上記実施形態1及び上記実施形態2と同様、電子写真方式の画像形成装置であるプリンタに適用した更に他の実施形態(以下、本実施形態を「実施形態3」という。)について説明する。
上記実施形態1及び上記実施形態2では、塗布手段としてナイロン製のブラシローラ3aを用いて潤滑剤を供給する構成であったが、潤滑剤に対する摺擦が不十分で、潤滑剤の帯電量を十分に大きくすることが難しい場合がある。この場合、画像部と非画像部との間で生じ得る潤滑剤付着量のムラを小さくする効果が有効に得られないおそれがある。
そこで、本実施形態3では、潤滑剤塗布装置3のブラシローラ3aに代えて、磁気ブラシローラを用いることとしている。
図11は、磁力分布を示す説明図である。
本実施形態3は、回転駆動するスリーブ状部材としての磁性粉担持スリーブ31内に設けられた磁界発生手段としての固定磁石32の磁界によって粉体状の磁性体(磁性粉体)を磁性粉担持スリーブ31の表面に穂立ちさせ、これにより形成される磁気ブラシを固形潤滑剤3bに接触させることで、固形潤滑剤3bから粉体状の潤滑剤を削り取るとともに、磁性粉体と粉体状の潤滑剤とを摺擦させる。よって、本実施形態3において、粉体状の潤滑剤を帯電させる手段は、磁性粉体を粉体状の潤滑剤に摺擦させることで粉体状の潤滑剤を摩擦帯電させるものである。上記実施形態1や2で使用されていたブラシローラ3aと、本実施形態3の磁気ブラシローラとを比較すると、粉体状の潤滑剤と接触し得るブラシの表面積は、本実施形態3の磁気ブラシローラの方が圧倒的に多い。その結果、粉体状の潤滑剤が固形潤滑剤3bから削り取られてから感光体表面へ供給されるまでの間に摩擦帯電される機会が大幅に増加する。その結果、感光体表面に供給される粉体状の潤滑剤を効果的に帯電させることができる。
本実施形態3の磁性粉体としては、二成分現像剤で使用される公知の磁性キャリアを用いることができる。ただし、磁性粉体のコーティング材料は、摩擦帯電系列上において、潤滑剤よりも本実施形態3ではマイナス極性側に位置するものとする。
ジメチルジエトキシシラン/メチルトリエトキシシランの1モル/1モル共縮重合物を60部、メチルエチルケトキシムシランを1部、γ−(2アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランを3部、カーボンブラックを2部、ジブチルチンジアセテートを2部、トルエンを540部からなるコート液を、重量平均粒子径が50[μm]の球形マグネタイト粒子(同和鉄粉製)からなるコア材5000部に対し、流動層スプレーコートにより塗布し、熱乾燥後、焼成し、表面にコート層を持つ磁性粉体を作成した。スプレーコート時の乾燥温度は80℃とした。樹脂層を形成したコア材は、電気炉にて大気雰囲気中で、焼成温度=320±3℃、焼成時間=60分間の条件で焼成した後、開き目90[μm]の篩を通した。
また、各実施形態では、トナーの正規帯電極性(マイナス極性)と同じ極性に粉体状の潤滑剤を帯電させる構成について説明したが、粉体状の潤滑剤を帯電させる目的によっては、逆に、トナーの正規帯電極性とは逆極性に粉体状の潤滑剤を帯電させるように構成してもよい。例えば、潤滑剤としての機能を持つ特殊なトナーを使用する場合には、画像部(静電潜像部分)よりも非画像部(非静電潜像部分)へより多く静電的に移動できるように潤滑剤を帯電させることが好ましい場合がある。この場合、潤滑剤のトナーとは逆極性のプラス極性に帯電させることで、画像部よりも非画像部へより多くの潤滑剤を静電的に移動させることができる。
また、各実施形態で使用される潤滑剤には、所定極性(マイナス極性)に安定かつ有効に帯電させるために極性制御剤を含有させているが、ブラシ材料を工夫するなど他の方法により潤滑剤を所定極性(マイナス極性)に安定かつ有効に帯電させることができるのであれば、必ずしも極性制御剤を含有させる必要はない。ただし、このような極性制御剤を含有させないと、所望の極性に十分な帯電量で潤滑剤を帯電させることが困難であることから、極性制御剤を含有させるのが望ましい。
また、潤滑剤としては、平均炭素数14から20の脂肪酸金属塩を含有する潤滑剤を用いるのがよく、その脂肪酸金属塩としてはステアリン酸亜鉛であるのが好ましい。
また、各実施形態では、粉体状の潤滑剤を、回転駆動するブラシに付着させて塗布することにより感光体表面に供給する塗布手段としてのブラシローラ3a又は磁気ブラシローラを設け、そのブラシとの摩擦帯電により粉体状の潤滑剤がトナーの目標帯電量の1/2以上の帯電量まで帯電するように構成されている。これにより、感光体表面の画像部と非画像部との電位の差に応じて潤滑剤の静電的な移動量の差を安定して得ることがようになる。
特に、実施形態1及び2では、ブラシローラ3aのブラシとして、ナイロン製ブラシを用いているので、潤滑剤をマイナス極性に十分かつ安定して摩擦帯電させることができる。
また、実施形態1及び2では、ブラシローラ3aのブラシが固形潤滑剤3bと感光体表面の両方に接触するように構成され、固形潤滑剤3bから削り取った粉体状の潤滑剤を感光体表面に塗布する構成を採用している。これにより、固形潤滑剤3bからの削り取りと感光体表面への潤滑剤塗布とを別の部材で実現する場合に比べて、省スペース化、低コスト化を実現できる。
一方、実施形態3では、粉体状の潤滑剤を所定極性(マイナス極性)に帯電させる手段として、ブラシローラ3aではなく、粉体状の潤滑剤との摩擦帯電により粉体状の潤滑剤をマイナス極性に帯電させ得る磁性粉体(潤滑剤とは別の粉体)を粉体状の潤滑剤と摺擦させることにより、粉体状の潤滑剤をマイナス極性に帯電させる構成を採用している。本実施形態3の磁気ブラシローラによれば、上記実施形態1や2で使用されていたブラシローラ3aと比較して、粉体状の潤滑剤と接触し得るブラシの表面積(総接触面積)が圧倒的に多くなる。その結果、粉体状の潤滑剤が固形潤滑剤3bから削り取られてから感光体表面へ供給されるまでの間に摩擦帯電される機会が大幅に増加する結果、感光体表面に供給される粉体状の潤滑剤を効果的に帯電させることができる。
しかも、実施形態3では、回転駆動するスリーブ状部材としての磁性粉担持スリーブ31に設けられた磁界発生手段としての固定磁石32の磁界によって磁性粉体を磁性粉担持スリーブ31の表面に穂立ちさせ、これにより形成される磁気ブラシを固形潤滑剤3bに接触させることで固形潤滑剤3bから粉体状の潤滑剤を削り取るので、磁気ブラシローラにより、粉体状の潤滑剤の摩擦帯電だけでなく、固形潤滑剤3bからの削り取りも実現している。これにより、これらを別々の部材によって実現する場合に比べて省スペース化、低コスト化を実現できる。
更に、実施形態3では、磁気ブラシが固形潤滑剤3bと感光体表面の両方に接触するように構成され、固形潤滑剤3bから削り取った粉体状の潤滑剤を感光体表面に塗布する構成を採用している。これにより、固形潤滑剤3bからの削り取りと感光体表面への潤滑剤塗布とを別の部材で実現する場合に比べて、省スペース化、低コスト化を実現できる。
また、実施形態2では、帯電した粉体状の潤滑剤を感光体表面上へ移動させるための電界を形成するための電界形成手段として、ブラシローラ3aに電圧V3を印加する構成を採用している。これにより、潤滑剤の帯電量が不足気味であっても、画像部への静電的な移動量を十分に確保して、画像部と非画像部との間で生じ得る潤滑剤付着量のムラを小さくすることができ、上述した各種不具合が軽減される。
また、実施形態2(変形例を除く。)では、感光体表面上の静電潜像が書き込まれた静電潜像部分(画像部)と、感光体表面上の静電潜像が書き込まれていない非静電潜像部分(非画像部)との両方に対して、帯電した粉体状の潤滑剤を移動させるための電界を形成するような電圧V3が設定される。これにより、画像部だけでなく非画像部にも潤滑剤が静電的に移動するので、感光体表面に付着する潤滑剤付着量を全体的に多くすることができる。
一方、実施形態2の変形例では、感光体表面上の静電潜像が書き込まれた静電潜像部分(画像部)に対しては帯電した粉体状の潤滑剤を画像部側へ移動させるための電界を形成し、感光体表面上の静電潜像が書き込まれていない非静電潜像部分(非画像部)に対しては帯電した粉体状の潤滑剤を非画像部から離れる側へ移動させるための電界を形成する。これにより、潤滑剤付着量が不足する画像部に対しては静電力によって積極的に潤滑剤を供給する一方、供給過多となり得る非画像部に対しては静電力による積極的な潤滑剤供給は行わず、むしろ塗布により機械的に供給される潤滑剤の一部を僅かに感光体表面から回収することができる。これにより、塗布による機械的な供給により非画像部への潤滑剤の供給過多となるような状況であっても、画像部と非画像部との間で生じ得る潤滑剤付着量のムラを小さくしつつ、感光体表面全体に適正な量の潤滑剤を付着させることができる。
なお、各実施形態では、画像部に対して非画像部よりも多くの潤滑剤を静電的に移動させる場合について説明したが、例えば、潤滑剤としての機能を持つ特殊なトナーを使用するような場合のように、非画像部に対して画像部よりも多くの潤滑剤を静電的に移動させたい場合もある。このような場合には、非画像部に対しては帯電した粉体状の潤滑剤を非画像部側へ移動させるための電界を形成し、画像部に対しては潤滑剤を画像部から離れる側へ移動させるための電界を形成するようにしてもよい。これにより、塗布による機械的な供給により画像部に付着する潤滑剤(トナーが潤滑剤としての機能をもつ場合にはそのトナーを含む。)に多くなり過ぎるような状況であっても、画像部と非画像部との間で生じ得る潤滑剤付着量のムラを小さくしつつ、感光体表面全体に適正な量の潤滑剤を付着させることができる。
また、各実施形態においては、感光体表面上のトナー像を転写した後であって感光体表面から転写残トナーを除去するためのクリーニングを行う前の感光体表面に対して、帯電した潤滑剤を潤滑剤塗布装置3,30により供給する。これにより感光体表面に供給された粉体状の潤滑剤をクリーニング時に均すことが可能となり、多少の供給ムラは解消される。
なお、感光体表面から転写残トナーを除去するためのクリーニングを行った後の感光体表面に対して、帯電した潤滑剤を上記潤滑剤塗布装置により供給するようにしてもよい。この場合でも、クリーニングし切れなかった転写残トナーが画像部に残っているので、クリーニング前に供給する場合と同様の不具合が生じるので、本発明が有効である。
また、実施形態2では、画像部と非画像部の少なくとも一方の電位を電位検知手段としての電位センサ34で潤滑剤供給前に検知し、電位センサ34の検知結果に基づいて潤滑剤塗布装置3の電界形成手段が形成する電界を制御手段としての図示しないプリンタ制御部で制御する。帯電した潤滑剤の感光体表面への静電的な移動量は、感光体表面の画像部電位や非画像部電位によって変化する。感光体表面の画像部電位や非画像部電位は、経時的にあるいは環境変動などによって変動し得るので、このような変動が生じた場合、電界が一定であると感光体表面への潤滑剤供給量が目標量から変化してしまうおそれがある。実施形態2によれば、感光体表面の画像部電位や非画像部電位が変動した場合でも、その変動に応じて電界を制御することができるので、潤滑剤供給量が目標量から変化してしまうのを抑制することが可能となる。
また、実施形態2では、画像濃度調整モードが実行されるという所定の開始条件が満たされたときに、感光体表面上に通常の画像形成プロセスにより所定の調整用静電潜像を書き込み、少なくともその調整用静電潜像の電位を電位センサ34で検知した結果に基づいて電界目標値を決定し、決定した電界目標値となるように潤滑剤塗布装置3の電界形成手段が形成する電界を制御する。このように電界制御のために予め決まっている調整用静電潜像を用いることで、例えばユーザーにより任意に形成される画像の静電潜像を用いる場合に比べて、適正な電界制御が容易となる。
特に、実施形態2では、画像濃度調整用静電潜像を現像することにより得られる画像濃度調整用トナー像(トナーパッチ)の濃度を検知するためのトナー濃度検知手段としてのトナー濃度センサ58を設け、所定の画像濃度調整開始条件が満たされたときに、感光体表面上に通常の画像形成プロセスにより所定の画像濃度調整用静電潜像を書き込み、その画像濃度調整用静電潜像を現像することにより得られるトナーパッチの濃度をトナー濃度センサ58で検知し、その検知結果に基づいて画像濃度調整処理(プロセスコントロール)を行う。そして、電位センサ34を、所定の画像濃度調整用静電潜像の電位を検知可能な位置に配置し、その画像濃度調整用静電潜像を上記所定の調整用静電潜像として利用する。これにより、画像濃度調整処理(プロセスコントロール)を含めた全体の制御あるいは処理が容易となる。
また、実施形態2では、プリンタの内部又は周囲(本実施形態では周囲)の温度を検知する温度検知手段しての図示しない温湿度センサを設け、その温湿度センサの検知結果に基づいて潤滑剤塗布装置3の電界形成手段が形成する電界を制御する。温度や湿度が変化すると、上述したように、感光体表面への潤滑剤供給量が変化するので、電界が一定であると潤滑剤供給量が目標量から変化してしまうおそれがある。実施形態2によれば、温度や湿度の変化に応じて電界を制御できるので、温度や湿度の変化により潤滑剤供給量が目標量から変化してしまうのを抑制することが可能となる。
また、実施形態2では、感光体が駆動を開始してから駆動を終了するまでの間(1回のジョブ)の画像形成枚数を計測するための計測手段を設け、その計測手段の計測結果に基づいて潤滑剤塗布装置3の電界形成手段が形成する電界を制御する。1回のジョブ中の画像形成枚数が異なると、上述したように、感光体表面への潤滑剤供給量が変化するので、電界が一定であると潤滑剤供給量が目標量から変化してしまうおそれがある。実施形態2によれば、1回のジョブ中の画像形成枚数の違いにより潤滑剤供給量が目標量から変化してしまうのを抑制することが可能となる。
また、実施形態2では、感光体表面上の静電潜像を構成する画素数を潤滑剤供給前に検出するための画素数検出手段を設け、その画素数検出手段の検出結果に基づいて潤滑剤塗布装置3の電界形成手段が形成する電界を制御する。静電潜像の画素数が異なると、上述したように、感光体表面への潤滑剤供給量が変化するので、電界が一定であると潤滑剤供給量が目標量から変化してしまうおそれがある。実施形態2によれば、画素数の違いにより潤滑剤供給量が目標量から変化してしまうのを抑制することが可能となる。
2 帯電装置
3,30 潤滑剤塗布装置
3a ブラシローラ
3b 固形潤滑剤
3c 加圧部材
3d 潤滑剤保持部材
4 現像装置
8 クリーニング装置
8a クリーニングブレード
9 露光装置
31 磁性粉担持スリーブ
32 固定磁石
34 電位センサ
56 中間転写ベルト
58 トナー濃度センサ
Claims (27)
- 潜像担持体表面を一様に帯電処理した後に露光して静電潜像を書き込み、静電潜像部分にトナーを付着させて現像することにより潜像担持体表面上にトナー像を形成し、該トナー像を最終的に記録材へ転写することにより記録材上に画像を形成する画像形成装置の潜像担持体表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置において、
粉体状の潤滑剤を所定極性に帯電させた後に、静電潜像が書き込まれた後であって次回の画像形成工程における上記帯電処理を行う前の潜像担持体表面に対して、帯電した粉体状の潤滑剤を供給することを特徴とする潤滑剤供給装置。 - 請求項1の潤滑剤供給装置において、
上記トナーの正規帯電極性と同じ極性に上記粉体状の潤滑剤を帯電させるように構成したことを特徴とする潤滑剤供給装置。 - 請求項1の潤滑剤供給装置において、
上記トナーの正規帯電極性とは逆極性に上記粉体状の潤滑剤を帯電させるように構成したことを特徴とする潤滑剤供給装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の潤滑剤供給装置において、
上記潤滑剤として、上記所定極性に帯電させるための極性制御剤を含有する潤滑剤を用いることを特徴とする潤滑剤供給装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の潤滑剤供給装置において、
上記潤滑剤として、平均炭素数14から20の脂肪酸金属塩を含有する潤滑剤を用いることを特徴とする潤滑剤供給装置。 - 請求項5の潤滑剤供給装置において、
上記脂肪酸金属塩はステアリン酸亜鉛であることを特徴とする潤滑剤供給装置。 - 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の潤滑剤供給装置において、
上記粉体状の潤滑剤を、回転駆動するブラシに付着させて塗布することにより潜像担持体表面に供給する塗布手段を有し、
上記ブラシとの摩擦帯電により上記粉体状の潤滑剤が上記トナーの目標帯電量の1/2以上の帯電量まで帯電するように構成したことを特徴とする潤滑剤供給装置。 - 請求項7の潤滑剤供給装置において、
上記ブラシとして、ナイロン製ブラシを用いることを特徴とする潤滑剤供給装置。 - 請求項7又は8の潤滑剤供給装置において、
上記塗布手段は、上記ブラシが固形潤滑剤と潜像担持体表面の両方に接触するように構成され、該固形潤滑剤から削り取った粉体状の潤滑剤を潜像担持体表面に塗布するものであることを特徴とする潤滑剤供給装置。 - 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の潤滑剤供給装置において、
上記粉体状の潤滑剤を所定極性に帯電させる手段は、該粉体状の潤滑剤との摩擦帯電により該粉体状の潤滑剤を該所定極性に帯電させ得る該潤滑剤とは別の粉体を該粉体状の潤滑剤と摺擦させることにより、該粉体状の潤滑剤を該所定極性に帯電させるものであることを特徴とする潤滑剤供給装置。 - 請求項10の潤滑剤供給装置において、
上記粉体状の潤滑剤を所定極性に帯電させる手段は、上記別の粉体として磁性体を用い、回転駆動するスリーブ状部材内に設けられた磁界発生手段の磁界によって該磁性体を該スリーブ状部材の表面に穂立ちさせ、これにより形成される磁気ブラシを固形潤滑剤に接触させることで該固形潤滑剤から上記粉体状の潤滑剤を削り取るとともに、該磁性体と該粉体状の潤滑剤とを摺擦させるものであることを特徴とする潤滑剤供給装置。 - 請求項11の潤滑剤供給装置において、
上記粉体状の潤滑剤を所定極性に帯電させる手段は、上記磁気ブラシが上記固形潤滑剤と潜像担持体表面の両方に接触するように構成され、該固形潤滑剤から削り取った粉体状の潤滑剤を潜像担持体表面に塗布するものであることを特徴とする潤滑剤供給装置。 - 請求項1乃至12のいずれか1項に記載の潤滑剤供給装置において、
帯電した粉体状の潤滑剤を潜像担持体表面上へ移動させるための電界を形成するための電界形成手段を有することを特徴とする潤滑剤供給装置。 - 請求項13の潤滑剤供給装置において、
上記電界形成手段は、潜像担持体表面上の静電潜像が書き込まれた静電潜像部分と、潜像担持体表面上の静電潜像が書き込まれていない非静電潜像部分との両方に対して、帯電した粉体状の潤滑剤を移動させるための電界を形成することを特徴とする潤滑剤供給装置。 - 請求項13の潤滑剤供給装置において、
上記電界形成手段は、潜像担持体表面上の静電潜像が書き込まれた静電潜像部分に対しては帯電した粉体状の潤滑剤を該静電潜像部分側へ移動させるための電界を形成し、潜像担持体表面上の静電潜像が書き込まれていない非静電潜像部分に対しては帯電した粉体状の潤滑剤を該非静電潜像部分から離れる側へ移動させるための電界を形成することを特徴とする潤滑剤供給装置。 - 請求項13の潤滑剤供給装置において、
上記電界形成手段は、潜像担持体表面上の静電潜像が書き込まれていない非静電潜像部分に対しては帯電した粉体状の潤滑剤を該非静電潜像部分側へ移動させるための電界を形成し、潜像担持体表面上の静電潜像が書き込まれた静電潜像部分に対しては帯電した粉体状の潤滑剤を該静電潜像部分から離れる側へ移動させるための電界を形成することを特徴とする潤滑剤供給装置。 - 潜像担持体表面を一様に帯電処理した後に露光して静電潜像を書き込み、静電潜像部分にトナーを付着させて現像することにより潜像担持体表面上にトナー像を形成し、該トナー像を最終的に記録材へ転写することにより記録材上に画像を形成する画像形成装置において、
潜像担持体表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置を有し、
該潤滑剤供給装置として、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の潤滑剤供給装置を用いることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項17の画像形成装置において、
潜像担持体表面上のトナー像を転写した後であって該潜像担持体表面から転写残トナーを除去するためのクリーニングを行う前の潜像担持体表面に対して、上記帯電した潤滑剤を上記潤滑剤供給装置により供給することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項17の画像形成装置において、
潜像担持体表面から転写残トナーを除去するためのクリーニングを行った後の潜像担持体表面に対して、上記帯電した潤滑剤を上記潤滑剤供給装置により供給することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項17乃至19のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記潤滑剤供給装置として、請求項13乃至16のいずれか1項に記載の潤滑剤供給装置を用い、
潜像担持体表面上の静電潜像が書き込まれた静電潜像部分及び潜像担持体表面上の静電潜像が書き込まれていない非静電潜像部分の少なくとも一方の電位を、潤滑剤供給前に検知する電位検知手段と、
該電位検知手段の検知結果に基づいて、上記潤滑剤供給装置の上記電界形成手段が形成する電界を制御する制御手段とを有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項20の画像形成装置において、
上記制御手段は、所定の開始条件が満たされたときに、上記潜像担持体表面上に通常の画像形成プロセスにより所定の調整用静電潜像を書き込み、少なくとも該所定の調整用静電潜像の電位を上記電位検知手段で検知した結果に基づいて電界目標値を決定し、決定した電界目標値となるように上記電界形成手段が形成する電界を制御することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項21の画像形成装置において、
画像濃度調整用静電潜像を現像することにより得られる画像濃度調整用トナー像の濃度を検知するためのトナー濃度検知手段を有し、
上記制御手段は、所定の画像濃度調整開始条件が満たされたときに、潜像担持体表面上に通常の画像形成プロセスにより所定の画像濃度調整用静電潜像を書き込み、該画像濃度調整用静電潜像を現像することにより得られる画像濃度調整用トナー像の濃度を上記トナー濃度検知手段で検知し、その検知結果に基づいて画像濃度調整処理を行うものであり、
上記電位検知手段を、上記所定の画像濃度調整用静電潜像の電位を検知可能な位置に配置し、該所定の画像濃度調整用静電潜像を上記所定の調整用静電潜像として利用することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項17乃至22のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記潤滑剤供給装置として、請求項13乃至16のいずれか1項に記載の潤滑剤供給装置を用い、
当該画像形成装置の内部又は周囲の温度を検知する温度検知手段と、
該温度検知手段の検知結果に基づいて、上記潤滑剤供給装置の上記電界形成手段が形成する電界を制御する制御手段とを有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項17乃至23のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記潤滑剤供給装置として、請求項13乃至16のいずれか1項に記載の潤滑剤供給装置を用い、
潜像担持体が駆動を開始してから駆動を終了するまでの間の画像形成枚数を計測するための計測手段と、
該計測手段の計測結果に基づいて、上記潤滑剤供給装置の上記電界形成手段が形成する電界を制御する制御手段とを有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項17乃至24のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記潤滑剤供給装置として、請求項13乃至16のいずれか1項に記載の潤滑剤供給装置を用い、
潜像担持体表面上の静電潜像を構成する画素数を、潤滑剤供給前に検出するための画素数検出手段と、
該画素数検出手段の検出結果に基づいて、上記潤滑剤供給装置の上記電界形成手段が形成する電界を制御する制御手段とを有することを特徴とする画像形成装置。 - 潜像担持体表面を一様に帯電処理した後に露光して静電潜像を書き込み、静電潜像部分にトナーを付着させて現像することにより潜像担持体表面上にトナー像を形成し、該トナー像を最終的に記録材へ転写することにより記録材上に画像を形成する画像形成装置の潜像担持体表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給方法において、
粉体状の潤滑剤を所定極性に帯電させた後に、静電潜像が書き込まれた後であって次回の画像形成工程における上記帯電処理を行う前の潜像担持体表面に対して、帯電した粉体状の潤滑剤を供給することを特徴とする潤滑剤供給方法。 - 潜像担持体表面を一様に帯電処理した後に露光して静電潜像を書き込み、静電潜像部分にトナーを付着させて現像することにより潜像担持体表面上にトナー像を形成し、該トナー像を最終的に記録材へ転写することにより記録材上に画像を形成する画像形成装置の潜像担持体表面に供給される潤滑剤であって、
当該潤滑剤を所定極性に帯電させるための極性制御剤を含有することを特徴とする潤滑剤。
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