JP2010133997A - 潤滑剤供給装置、画像形成装置、潤滑剤供給方法及び潤滑剤 - Google Patents

潤滑剤供給装置、画像形成装置、潤滑剤供給方法及び潤滑剤 Download PDF

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Masanori Kawasumi
正則 川隅
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昌秀 山下
Shigekazu Enoki
繁和 榎木
Ichiro Kadota
一郎 門田
Takashi Yoshida
隆司 吉田
Takuya Suganuma
卓也 菅沼
Yoshinori Nakagawa
悦典 中川
Kazuhisa Sudo
和久 須藤
Naoyuki Ozaki
直幸 尾崎
Shin Kayahara
伸 茅原
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Abstract

【課題】主走査方向に転写残トナー付着量の偏りがあっても、主走査方向において生じ得る潤滑剤の累積付着量のムラを小さくする。
【解決手段】感光体1の表面を一様に帯電処理した後に露光して静電潜像を書き込み、静電潜像部分にトナーを付着させて現像することにより感光体表面上にトナー像を形成する画像形成装置において、粉体状の潤滑剤を所定極性に帯電させた後に、静電潜像が書き込まれた後であって次回の画像形成工程における上記帯電処理を行う前の感光体表面に対して、帯電した粉体状の潤滑剤を供給する潤滑剤塗布装置3を設けた。
【選択図】図2

Description

本発明は、潜像担持体表面を一様に帯電処理した後に露光して静電潜像を書き込み、静電潜像部分にトナーを付着させて現像することにより潜像担持体表面上にトナー像を形成し、該トナー像を最終的に記録材へ転写することにより記録材上に画像を形成する電子写真方式の画像形成装置の潜像担持体表面に潤滑剤を供給するための潤滑剤供給装置、これを備える画像形成装置、潤滑剤供給方法、及び、潤滑剤に関するものである。
電子写真方式の画像形成装置は、一般に、潜像担持体上に形成したトナー像を記録材や中間転写体などの被転写体上へ転写した後、潜像担持体表面に未転写のトナー等(以下、転写残トナー等という。)が残留する。そのため、転写残トナー等が次の画像形成に悪影響を与えないように、通常は、クリーニング装置により潜像担持体表面から転写残トナー等を除去するためのクリーニングを行う。このクリーニング装置としては、一般に、クリーニングブレード等のクリーニング部材で潜像担持体表面に摺擦することで、潜像担持体表面上の転写残トナー等を除去するものが多く利用される。このようなクリーニング装置を利用する場合、経時使用によりクリーニング部材が大きく摩耗すると、欠けや変形等が生じてクリーニング性能が低下する等の不具合が発生しやすくなる。また、潜像担持体表面が大きく摩耗すると、潜像担持体の寿命が短くなる等の不具合が生じる。
従来、潤滑剤供給装置を用いて潜像担持体表面に潤滑剤を供給することにより、潜像担持体表面とこれに対して接触する部材との間で生じる摩擦抵抗を小さくする構成を備えた画像形成装置が提案されている(特許文献1等)。この画像形成装置によれば、クリーニング部材と潜像担持体表面との間に生じる摩擦抵抗も低く抑えることができるので、クリーニング部材や潜像担持体表面の摩耗による上述した不具合を抑制することができる。
また、この画像形成装置によれば、潜像担持体表面に付着する潤滑剤により、トナーに外添される流動化剤や帯電制御剤等がクリーニング部材との当接で潜像担持体表面に膜状に固着する現象(フィルミング現象)の発生を有効に抑制できることが知られている。
更に、この画像形成装置によれば、潜像担持体表面に付着する潤滑剤により、潜像担持体表面上のトナー像を構成するトナーと潜像担持体表面との付着力を低減することができるので、転写性が向上することが知られている。
このように、潜像担持体表面に潤滑剤を供給することにより種々の有効な効果が期待できるのであるが、潜像担持体表面に供給される潤滑剤の量が少なすぎると、十分な効果が得られない。これは、潜像担持体表面への潤滑剤の供給を均一に行うことが困難であるところ、潤滑剤供給量が少なすぎると、潜像担持体表面移動方向に対して直交する方向(主走査方向)において、潜像担持体表面移動方向(副走査方向)における潤滑剤の累積付着量が不十分である部分が存在しやすくなるからである。このように主走査方向で潤滑剤の累積付着量が不十分な部分が存在すると、その部分に対応する箇所で、局所的に、クリーニング不良が発生したり、クリーニング部材や潜像担持体等の摩耗が進行したり、フィルミング現象が発生したり、転写性が落ちたりしやすい。
一方、潜像担持体表面に供給される潤滑剤の量が多すぎると、潜像担持体表面に接触又は近接する帯電ローラ等の部材を潤滑剤で過剰に汚染してしまい、その部材の本来の機能を低下させるおそれがある。また、高湿環境下においては、潜像担持体表面に供給される潤滑剤の量が多すぎると、潜像担持体表面上の潤滑剤が吸湿することにより導電性を帯び、潜像担持体表面上の静電潜像を乱して像流れあるいは画像ボケといった画質劣化を引き起こすおそれもある。
特開2005−140875号公報
潜像担持体表面に適切な量の潤滑剤を安定して供給する技術は、従来から種々提案されているが、近年の電子写真方式の画像形成装置においては、適切な量の潤滑剤を潜像担持体表面に供給できても、主走査方向で潤滑剤の累積付着量にムラが生じてしまう事態が生じ得る。そのため、主走査方向において潤滑剤の累積付着量が不十分な部分が生じて、局所的にクリーニング不良が発生するなどの上述した不具合が起こり得る。その主な理由は次のとおりである。
従来の一般的な潤滑剤供給装置は、ブラシローラ等の潤滑剤供給部材により粉体状の潤滑剤を潜像担持体表面に機械的に塗布するが、このような構成においては潜像担持体表面に塗布される潤滑剤の量が転写残トナーの付着量の多い部分と少ない部分とで異なってくる。通常は、転写残トナーの付着量が多い潜像担持体表面部分には潤滑剤が塗布されにくく、転写残トナーの付着量が少ない潜像担持体表面部分には潤滑剤が塗布されやすい。このため、主走査方向において転写残トナーの付着量が偏るような画像を長期的に形成すると、その偏りに応じて、潤滑剤の累積付着量も主走査方向で偏ることになる。このような潤滑剤の累積付着量の偏り(ムラ)が生じると、主走査方向において潤滑剤の累積付着量が不十分な部分が生じて、上述したとおり、局所的にクリーニング不良が発生するなどの上述した不具合が起こり得る。
また、仮に適切な量の潤滑剤を潜像担持体表面に対してムラ無く供給できたとしても、潜像担持体表面上に付着した潤滑剤は、その潜像担持体表面に多くの転写残トナーが付着していると、その転写残トナーと一緒にクリーニングされるなどして、潜像担持体表面上に長く留まることができない。そのため、主走査方向において転写残トナーの付着量が偏るような画像を長期的に形成すると、その偏りに応じて、潤滑剤の累積付着量も主走査方向で偏ることになる。よって、この場合も、主走査方向において潤滑剤の累積付着量が不十分な部分が生じて、局所的にクリーニング不良が発生するなどの上述した不具合が起こり得る。
以下、図面を用いて詳しく説明する。
図12(a)〜(c)は、潜像担持体である感光体表面上の画像部と非画像部に付着する潤滑剤の状態を説明するための説明図である。なお、図12(a)〜(c)は、説明の都合上、潤滑剤の量と転写残トナーの量との関係は実際のものとは異なっている。実際には、潤滑剤の量よりも転写残トナー量の方が圧倒的に多い。
図12(a)は、転写後であって潤滑剤供給位置に到達する前の感光体表面の様子を示している。このとき、感光体表面上の画像部には多くの転写残トナーが付着し、非画像部には転写残トナーがほとんど付着していない。
図12(b)は、潤滑剤供給位置の通過後であってクリーニング位置に到達する前の感光体表面の様子を示している。上述したとおり、転写残トナーが多く付着している画像部の方が非画像部よりも潤滑剤供給量が少ないので、画像部に付着する潤滑剤の量は非画像部よりも少ない。
図12(c)は、クリーニング位置通過直後の感光体表面の様子を示している。このとき、画像部に付着していた転写残トナーはクリーニング部材によりクリーニングされ、感光体表面に残る潤滑剤の量は、非画像部よりも画像部の方が少ない。しかも、クリーニング時には、転写残トナーだけでなく潤滑剤も多少は感光体から除去される。ただし、画像部に付着している潤滑剤は転写残トナーが存在する関係で上述したように非画像部に付着している潤滑剤よりも除去されやすい。したがって、クリーニング時に除去される潤滑剤量は、非画像部よりも画像部の方が多い。よって、クリーニング位置通過直後に感光体表面に残る潤滑剤量の非画像部と画像部との差は、供給量の差よりも大きいものとなる。
通常、感光体表面に供給された潤滑剤は感光体1回転ごとに完全に消費されて新しい潤滑剤が塗布されるのではなく、感光体表面に残存している感光体1回転以上前に塗布された潤滑剤に新しい潤滑剤を追加供給することになる。したがって、感光体1回転だけで感光体表面上に極端な潤滑剤塗布量の偏差が生じるわけではない。しかし、上述したように、主走査方向において転写残トナーの付着量が偏るような画像を長期的に形成すると、感光体表面上に大きな潤滑剤塗布量の偏差が生じ、上述した不具合が起こり得るのである。
従来、電子写真方式の画像形成装置は、種々の画像を代わる代わる出力するような使い方がなされることが通常であったため、長期的な画像形成により主走査方向に転写残トナー付着量の偏りが生じるような事態は稀であった。そのため、このような転写残トナー付着量の偏りによる潤滑剤の累積付着量のムラに起因した不具合が顕在化することはほとんど無かった。
しかし、近年、高速大量出力に対応した電子写真方式の画像形成装置が製品化されてきたことにより、かかる高速大量出力の画像形成装置を用いて同じ画像を大量に出力するという使い方がなされる機会が多くなってきた。そのような使い方がなされると、転写残トナー付着量の偏りによる潤滑剤の累積付着量のムラが顕著となる。そのため、潤滑剤の累積付着量のムラに起因した不具合が顕在化してきた。
また、かかる高速大量出力の画像形成装置は、画像出力したものを商品として販売するいわゆるコピーショップなどのユーザーが多く、画像品質への要求が一般ユーザーに比べて格段に厳しい。そのため、潤滑剤の累積付着量のムラに起因した不具合への対処が重要な技術課題となってきている。
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、主走査方向に転写残トナー付着量の偏りがあっても、主走査方向において生じ得る潤滑剤の累積付着量のムラを小さくし、上述した不具合の発生を抑制することが可能な潤滑剤供給装置、これを備える画像形成装置、潤滑剤供給方法、及び、潤滑剤を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、潜像担持体表面を一様に帯電処理した後に露光して静電潜像を書き込み、静電潜像部分にトナーを付着させて現像することにより潜像担持体表面上にトナー像を形成し、該トナー像を最終的に記録材へ転写することにより記録材上に画像を形成する画像形成装置の潜像担持体表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置において、粉体状の潤滑剤を所定極性に帯電させた後に、静電潜像が書き込まれた後であって次回の画像形成工程における上記帯電処理を行う前の潜像担持体表面に対して、帯電した粉体状の潤滑剤を供給することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の潤滑剤供給装置において、上記トナーの正規帯電極性と同じ極性に上記粉体状の潤滑剤を帯電させるように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1の潤滑剤供給装置において、上記トナーの正規帯電極性とは逆極性に上記粉体状の潤滑剤を帯電させるように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の潤滑剤供給装置において、上記潤滑剤として、上記所定極性に帯電させるための極性制御剤を含有する潤滑剤を用いることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の潤滑剤供給装置において、上記潤滑剤として、平均炭素数14から20の脂肪酸金属塩を含有する潤滑剤を用いることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の潤滑剤供給装置において、上記脂肪酸金属塩はステアリン酸亜鉛であることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の潤滑剤供給装置において、上記粉体状の潤滑剤を、回転駆動するブラシに付着させて塗布することにより潜像担持体表面に供給する塗布手段を有し、上記ブラシとの摩擦帯電により上記粉体状の潤滑剤が上記トナーの目標帯電量の1/2以上の帯電量まで帯電するように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項7の潤滑剤供給装置において、上記ブラシとして、ナイロン製ブラシを用いることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項7又は8の潤滑剤供給装置において、上記塗布手段は、上記ブラシが固形潤滑剤と潜像担持体表面の両方に接触するように構成され、該固形潤滑剤から削り取った粉体状の潤滑剤を潜像担持体表面に塗布するものであることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の潤滑剤供給装置において、上記粉体状の潤滑剤を所定極性に帯電させる手段は、該粉体状の潤滑剤との摩擦帯電により該粉体状の潤滑剤を該所定極性に帯電させ得る該潤滑剤とは別の粉体を該粉体状の潤滑剤と摺擦させることにより、該粉体状の潤滑剤を該所定極性に帯電させるものであることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項10の潤滑剤供給装置において、上記粉体状の潤滑剤を所定極性に帯電させる手段は、上記別の粉体として磁性体を用い、回転駆動するスリーブ状部材内に設けられた磁界発生手段の磁界によって該磁性体を該スリーブ状部材の表面に穂立ちさせ、これにより形成される磁気ブラシを固形潤滑剤に接触させることで該固形潤滑剤から上記粉体状の潤滑剤を削り取るとともに、該磁性体と該粉体状の潤滑剤とを摺擦させるものであることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項11の潤滑剤供給装置において、上記粉体状の潤滑剤を所定極性に帯電させる手段は、上記磁気ブラシが上記固形潤滑剤と潜像担持体表面の両方に接触するように構成され、該固形潤滑剤から削り取った粉体状の潤滑剤を潜像担持体表面に塗布するものであることを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の潤滑剤供給装置において、帯電した粉体状の潤滑剤を潜像担持体表面上へ移動させるための電界を形成するための電界形成手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項13の潤滑剤供給装置において、上記電界形成手段は、潜像担持体表面上の静電潜像が書き込まれた静電潜像部分と、潜像担持体表面上の静電潜像が書き込まれていない非静電潜像部分との両方に対して、帯電した粉体状の潤滑剤を移動させるための電界を形成することを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項13の潤滑剤供給装置において、上記電界形成手段は、潜像担持体表面上の静電潜像が書き込まれた静電潜像部分に対しては帯電した粉体状の潤滑剤を該静電潜像部分側へ移動させるための電界を形成し、潜像担持体表面上の静電潜像が書き込まれていない非静電潜像部分に対しては帯電した粉体状の潤滑剤を該非静電潜像部分から離れる側へ移動させるための電界を形成することを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、請求項13の潤滑剤供給装置において、上記電界形成手段は、潜像担持体表面上の静電潜像が書き込まれていない非静電潜像部分に対しては帯電した粉体状の潤滑剤を該非静電潜像部分側へ移動させるための電界を形成し、潜像担持体表面上の静電潜像が書き込まれた静電潜像部分に対しては帯電した粉体状の潤滑剤を該静電潜像部分から離れる側へ移動させるための電界を形成することを特徴とするものである。
また、請求項17の発明は、潜像担持体表面を一様に帯電処理した後に露光して静電潜像を書き込み、静電潜像部分にトナーを付着させて現像することにより潜像担持体表面上にトナー像を形成し、該トナー像を最終的に記録材へ転写することにより記録材上に画像を形成する画像形成装置において、潜像担持体表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置を有し、該潤滑剤供給装置として、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の潤滑剤供給装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項18の発明は、請求項17の画像形成装置において、潜像担持体表面上のトナー像を転写した後であって該潜像担持体表面から転写残トナーを除去するためのクリーニングを行う前の潜像担持体表面に対して、上記帯電した潤滑剤を上記潤滑剤供給装置により供給することを特徴とするものである。
また、請求項19の発明は、請求項17の画像形成装置において、潜像担持体表面から転写残トナーを除去するためのクリーニングを行った後の潜像担持体表面に対して、上記帯電した潤滑剤を上記潤滑剤供給装置により供給することを特徴とするものである。
また、請求項20の発明は、請求項17乃至19のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記潤滑剤供給装置として、請求項13乃至16のいずれか1項に記載の潤滑剤供給装置を用い、潜像担持体表面上の静電潜像が書き込まれた静電潜像部分及び潜像担持体表面上の静電潜像が書き込まれていない非静電潜像部分の少なくとも一方の電位を、潤滑剤供給前に検知する電位検知手段と、該電位検知手段の検知結果に基づいて、上記潤滑剤供給装置の上記電界形成手段が形成する電界を制御する制御手段とを有することを特徴とするものである。
また、請求項21の発明は、請求項20の画像形成装置において、上記制御手段は、所定の開始条件が満たされたときに、上記潜像担持体表面上に通常の画像形成プロセスにより所定の調整用静電潜像を書き込み、少なくとも該所定の調整用静電潜像の電位を上記電位検知手段で検知した結果に基づいて電界目標値を決定し、決定した電界目標値となるように上記電界形成手段が形成する電界を制御することを特徴とするものである。
また、請求項22の発明は、請求項21の画像形成装置において、画像濃度調整用静電潜像を現像することにより得られる画像濃度調整用トナー像の濃度を検知するためのトナー濃度検知手段を有し、上記制御手段は、所定の画像濃度調整開始条件が満たされたときに、潜像担持体表面上に通常の画像形成プロセスにより所定の画像濃度調整用静電潜像を書き込み、該画像濃度調整用静電潜像を現像することにより得られる画像濃度調整用トナー像の濃度を上記トナー濃度検知手段で検知し、その検知結果に基づいて画像濃度調整処理を行うものであり、上記電位検知手段を、上記所定の画像濃度調整用静電潜像の電位を検知可能な位置に配置し、該所定の画像濃度調整用静電潜像を上記所定の調整用静電潜像として利用することを特徴とするものである。
また、請求項23の発明は、請求項17乃至22のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記潤滑剤供給装置として、請求項13乃至16のいずれか1項に記載の潤滑剤供給装置を用い、当該画像形成装置の内部又は周囲の温度を検知する温度検知手段と、該温度検知手段の検知結果に基づいて、上記潤滑剤供給装置の上記電界形成手段が形成する電界を制御する制御手段とを有することを特徴とするものである。
また、請求項24の発明は、請求項17乃至23のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記潤滑剤供給装置として、請求項13乃至16のいずれか1項に記載の潤滑剤供給装置を用い、潜像担持体が駆動を開始してから駆動を終了するまでの間の画像形成枚数を計測するための計測手段と、該計測手段の計測結果に基づいて、上記潤滑剤供給装置の上記電界形成手段が形成する電界を制御する制御手段とを有することを特徴とするものである。
また、請求項25の発明は、請求項17乃至24のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記潤滑剤供給装置として、請求項13乃至16のいずれか1項に記載の潤滑剤供給装置を用い、潜像担持体表面上の静電潜像を構成する画素数を、潤滑剤供給前に検出するための画素数検出手段と、該画素数検出手段の検出結果に基づいて、上記潤滑剤供給装置の上記電界形成手段が形成する電界を制御する制御手段とを有することを特徴とするものである。
また、請求項26の発明は、潜像担持体表面を一様に帯電処理した後に露光して静電潜像を書き込み、静電潜像部分にトナーを付着させて現像することにより潜像担持体表面上にトナー像を形成し、該トナー像を最終的に記録材へ転写することにより記録材上に画像を形成する画像形成装置の潜像担持体表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給方法において、粉体状の潤滑剤を所定極性に帯電させた後に、静電潜像が書き込まれた後であって次回の画像形成工程における上記帯電処理を行う前の潜像担持体表面に対して、帯電した粉体状の潤滑剤を供給することを特徴とするものである。
また、請求項27の発明は、潜像担持体表面を一様に帯電処理した後に露光して静電潜像を書き込み、静電潜像部分にトナーを付着させて現像することにより潜像担持体表面上にトナー像を形成し、該トナー像を最終的に記録材へ転写することにより記録材上に画像を形成する画像形成装置の潜像担持体表面に供給される潤滑剤であって、当該潤滑剤を所定極性に帯電させるための極性制御剤を含有することを特徴とするものである。
本発明によれば、潜像担持体表面上に供給される潤滑剤が所定極性に帯電するので、潜像担持体表面との間に形成される電界の作用により潤滑剤を静電的に潜像担持体表面上へ移動させることができる。そして、潜像担持体表面上の各箇所へ静電的に移動する潤滑剤の量は、それぞれの箇所の電位によって変わってくる。したがって、本発明によれば、潜像担持体表面上における静電潜像部分へ供給される潤滑剤の量と非静電潜像部分へ供給される潤滑剤の量とを異ならせることができる。
静電潜像部分はトナーが付着する箇所であり、従来一般的に用いられている供給方法である塗布により潤滑剤を供給する場合には、トナーがほとんど付着しない非静電潜像部分と比べて、供給される潤滑剤の量が相対的に少ない。そのため、静電潜像部分に対する潤滑剤の付着量は、非静電潜像部分に比べて相対的に少ない。また、潜像担持体表面上の転写残トナー付着量の違いによっては潤滑剤の供給量が変わらないような供給方法を用いる場合であっても、転写残トナーが多く付着している静電潜像部分に供給された潤滑剤はすぐに感光体表面から離脱してしまうので、静電潜像部分に対する潤滑剤の付着量は非静電潜像部分に比べて相対的に少なくなる。
本発明によれば、例えば、潤滑剤としての機能を持たない通常のトナーを使用する場合には、非静電潜像部分よりも静電潜像部分へより多く静電的に移動できるような極性に潤滑剤を帯電させることで、非静電潜像部分と静電潜像部分との間における潤滑剤付着量のムラを少なくできる。その結果、上述した不具合が顕著となる、転写残トナーの付着量が主走査方向で偏るような画像を長期的に形成する場合であっても、潤滑剤の累積付着量のムラが少なくなるので、これにより生じ得る不具合を軽減することができる。
また、本発明によれば、例えば、潤滑剤としての機能を持つ特殊なトナーを使用する場合には、静電潜像部分よりも非静電潜像部分へより多く静電的に移動できるような極性に潤滑剤を帯電させてもよい。すなわち、このような特殊なトナーを使用する場合、潤滑剤として機能するトナーを含む全体の潤滑剤付着量は、通常のトナーを使用する場合とは逆に、静電潜像部分の方が非静電潜像部分よりも多くなることがある。このような場合には、静電潜像部分よりも非静電潜像部分へより多く静電的に移動できるような極性に潤滑剤を帯電させることで、非静電潜像部分と静電潜像部分との間における潤滑剤付着量のムラを少なくでき、上述した不具合を軽減できる。
なお、本発明において、潤滑剤の供給方法は、従来一般的に用いられている塗布に限られない。
本発明によれば、主走査方向に転写残トナー付着量の偏りがあっても、主走査方向において生じ得る潤滑剤の累積付着量のムラを小さくし、上述した不具合の発生を抑制することが可能となるという優れた効果が得られる。
〔実施形態1〕
以下に、本発明を、電子写真方式の画像形成装置であるプリンタに適用した一実施形態(以下、本実施形態を「実施形態1」という。)について説明する。
図1は、本実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。
このプリンタは、その内部の略中央に像担持体である中間転写体としての中間転写ベルト56を備えている。中間転写ベルト56は、ポリイミドやポリアミド等の耐熱性材料からなり、中抵抗に調整された基体からなる無端状ベルトで、4つのローラ52,53,54,55に掛け渡して支持され、図中矢印A方向に回転駆動される。中間転写ベルト56の下方にはイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色トナーに対応した4つの作像ユニットが中間転写ベルト56のベルト面に沿って並んでいる。
図2は、4つの作像ユニットのうちの1つを示す拡大図である。
いずれの作像ユニットも同様の構成であるので、ここでは、色の区別を示すY、M、C、Kの添え字を省略する。各作像ユニットは、潜像担持体としての感光体1を有し、各感光体1の周りには、感光体表面を所望電位(マイナス極性)となるように一様に帯電させる帯電手段としての帯電装置2、感光体表面に形成された静電潜像をマイナス極性に帯電された各色トナーで現像してトナー像とする現像手段としての現像装置4、感光体表面に潤滑剤を塗布により供給する潤滑剤供給装置である潤滑剤塗布装置3、トナー像転写後の感光体表面のクリーニングを行うクリーニング装置8がそれぞれ配置されている。
また、図1を参照すると、4つの作像ユニットの下方には、帯電した各感光体表面に各色の画像データに基づいて露光して露光部分の電位を落とし、静電潜像を書き込む静電潜像形成手段としての露光装置9が備えられている。また、中間転写ベルト56を挟んで、各感光体1と対向する位置には、感光体1上に形成されたトナー像を中間転写ベルト56上に一次転写する転写手段としての一次転写ローラ51がそれぞれ配置されている。一次転写ローラ51は、図示しない電源に接続されており、所定の電圧が印加される。
中間転写ベルト56のローラ52で支持された部分の外側には、二次転写手段としての二次転写ローラ61が圧接されている。二次転写ローラ61は、図示しない電源に接続されており、所定の電圧が印加される。二次転写ローラ61と中間転写ベルト56との接触部が二次転写部であり、中間転写ベルト56上のトナー像が記録材としての転写紙に転写される。中間転写ベルト56のローラ55で支持された部分の外側には、二次転写後の中間転写ベルト56の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーニング装置57が設けられている。二次転写部の上方には、転写紙上のトナー像を転写紙に定着させる定着装置70が備えられている。定着装置70は、内部にハロゲンヒータを有する加熱ローラ72及び定着ローラ73に巻き掛けられた無端の定着ベルト71と、定着ベルト71を介して定着ローラ73に対向、圧接して配置される加圧ローラ74とから構成されている。プリンタの下部には、転写紙を載置し、二次転写部に向けて転写紙を送り出す給紙装置20が備えられている。
感光体1は、有機感光体であり、ポリカーボネート系の樹脂で表面保護層が形成されている。帯電装置2は、帯電部材として導電性芯金の外側に中抵抗の弾性層を被覆して構成される帯電ローラ2aを備える。帯電ローラ2aは、図示しない電源に接続されており、所定の電圧が印加される。帯電ローラ2aは、感光体1に対して微小な間隙をもって配設される。この微小な間隙は、例えば、帯電ローラ2aの両端部の非画像形成領域に一定の厚みを有するスペーサ部材を巻き付けるなどして、スペーサ部材の表面を感光体1表面に当接させることで、設定することができる。また、帯電ローラ2aには、帯電ローラ2a表面に接触してクリーニングする帯電クリーニング部材2bが設けられている。
現像装置4は、感光体1と対向する位置に、内部に磁界発生手段を備える現像剤担持体としての現像スリーブ4aが配置されている。現像スリーブ4aの下方には、図示しないトナーボトルから投入されるトナーを現像剤と混合し、攪拌しながら現像スリーブ4aへ汲み上げるための2つのスクリュー4bが備えられている。現像スリーブ4aによって汲み上げられるトナーと磁性キャリアからなる現像剤は、ドクターブレード4cによって所定の現像剤層の厚みに規制され、現像スリーブ4aに担持される。現像スリーブ4aは、感光体1との対向位置において同方向に移動しながら、現像剤を担持搬送し、トナーを感光体1上の静電潜像部分に供給する。なお、図1においては、二成分現像方式の現像装置4の構成を示したが、これに限るものではなく、一成分現像方式の現像装置であっても適用可能である。
潤滑剤塗布装置3は、固定されたケースに収容された固形潤滑剤3bと、固形潤滑剤3bから削り取った粉体状の潤滑剤を感光体1の表面に塗布する塗布手段を構成する潤滑剤供給部材としてのブラシローラ3aとを備える。なお、本実施形態のブラシローラ3aは、固形潤滑剤3bから削り取る機能と感光体1の表面へ塗布する機能とを併せ持つものであるが、これらの機能を別々の部材によって実現する構成であってもよい。固形潤滑剤3bは、直方体状に形成されており、加圧部材3cによってブラシローラ3a側に付勢されている。加圧部材3cは、板バネ、圧縮バネ等のバネがよく、特に図に示すように圧縮バネを好適に用いることができる。固形潤滑剤3bはブラシローラ3aによって削り取られ消耗し、経時的にその厚みが減少するが、加圧部材3cで加圧されているために常時ブラシローラ3aに当接している。ブラシローラ3aは、回転しながら削り取った潤滑剤を感光体表面に塗布する。
クリーニング装置8は、クリーニング部材としてのクリーニングブレード8a、支持部材8b、トナー回収コイル8c、ブレード加圧スプリング8dを備える。クリーニングブレード8aは、ウレタンゴム、シリコーンゴム等のゴムを板状に形成してなり、そのエッジが感光体1表面に当接するようにして設けられ、転写後に残留する感光体1上のトナーを除去する。クリーニングブレード8aは、金属、プラスチック、セラミック等からなる支持部材8bに貼着されて支持され、感光体1表面に対し所定の角度で設置される。また、ブレード加圧スプリング8dによって所定の当接圧、食い込み量で感光体1表面に当接する。なお、クリーニング部材としては、クリーニングブレードのほか、クリーニングブラシなどの公知のものを広く利用することができる。
本実施形態において、潤滑剤塗布装置3は、感光体1が一次転写手段51と対向する位置(一次転写部)よりも感光体表面移動方向下流側で、クリーニング装置8よりも上流側に配置される。これにより、潤滑剤塗布装置3によって感光体表面に塗布された潤滑剤を、その後にクリーニングブレード8aが感光体表面を摺擦することで引き延ばし、感光体表面に塗布された潤滑剤の塗布ムラをおおまかに均すことができる。なお、感光体1がクリーニング装置8と対向する位置(クリーニング位置)よりも感光体表面移動方向下流側で、感光体1が帯電装置2と対抗する位置(帯電位置)よりも上流側に配置するようにしてもよい。この場合、帯電装置2での帯電処理前に感光体表面を除電する除電手段を備えているときには、感光体1が除電手段と対抗する位置(除電位置)よりも上流側に配置する。
また、本実施形態では、潤滑剤塗布装置3をクリーニング装置8の内部に設けている。これにより、感光体1を摺擦したときにブラシローラ3aに付着するトナーを固形潤滑剤3b又は図示しないフリッカーで振り落とし、クリーニングブレード8aによって回収されるトナーと共に、トナー回収コイル8cによって容易に回収することができる。
潤滑剤塗布装置3についてより詳細に説明する。
図3は、潤滑剤塗布装置3の固形潤滑剤3bの構成を示す図であり、長手方向を正面として見た図である。
本実施形態の固形潤滑剤3bには、脂肪酸金属塩、フッ素系樹脂等の潤滑作用が高い材料を主成分としたものが使用されるが、特に平均炭素数14から20の脂肪酸金属塩を主成分としたものが好ましい。脂肪酸金属塩としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸マグネシウム、オレイン酸亜鉛、オレイン酸マンガン、オレイン酸鉄、オレイン酸コバルト、オレイン酸鉛、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸銅や、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸コバルト、パルミチン酸銅、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸アルミニウム、パルミチン酸カルシウム、カプリル酸鉛、カプロン酸鉛、リノレン酸亜鉛、リノレン酸コバルト、リノレン酸カルシウム、及びリコリノレン酸カドミウムなどが好ましく、特に、ステアリン酸亜鉛が好ましい。
また、本実施形態においては、感光体表面に塗布されるときに十分な帯電量で所定極性(本実施形態ではトナーと同極性であるマイナス極性)に帯電できる潤滑剤であれば、どのような材料からなる潤滑剤であってもよい。ただし、従来広く使用されている潤滑剤では十分な帯電量で所望の極性に帯電させることが困難である。そこで、本実施形態では、所定極性に帯電させるための極性制御剤を含有させた潤滑剤を用いる。
マイナス極性に帯電させるための極性制御剤としては、例えば、有機金属化合物、キレート化合物が有効に利用できる。具体的には、例えば、アルミニウムアセチルアセトナート、鉄(II)アセチルアセトナート、3,5−ジターシャリーブチルサリチル酸クロム等であり、特にアセチルアセトン金属錯体、モノアゾ金属錯体、ナフトエ酸あるいはサリチル酸系の金属錯体または塩が好ましく、特にサリチル酸系金属錯体、モノアゾ金属錯体またはサリチル酸系金属塩が好ましい。中でも、サリチル酸誘導体の金属塩は、脂肪酸金属塩と共存させやすく、潤滑剤を感光体表面へ供給する際の帯電性にばらつきが少なく最も好ましい。
上記サリチル酸誘導体の金属塩は、CLARK,J.L.Kao,H(1948)J.Amer.Chem.Soc.70,2151に記載された方法によって容易に合成することができる。例えば、溶媒中に2モルのサリチル酸ナトリウム塩(サリチル酸誘導体のナトリウム塩を含む)と、1モルの塩化亜鉛とを添加し混合し、加温して攪拌することにより亜鉛塩として得ることができる。この金属塩は白色を呈する結晶であり、潤滑剤中に分散または溶解させた場合にも着色を示さないものである。金属塩が亜鉛塩以外のものについても、上記の方法に準じて製造することができる。上記サリチル酸誘導体の金属塩中、特に好ましい化合物の具体例の化学式を以下に示す。
Figure 2010133997
なお、プラス極性に帯電させるための極性制御剤としては、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、オルトオキサジン、メタオキサジン、パラオキサジン、オルトチアジン、メタチアジン、パラチアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−オキサジアジン、1,3,4−オキサジアジン、1,2,6−オキサジアジン、1,3,4−チアジアジン、1,3,5−チアジアジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、1,2,4,6−オキサトリアジン、1,3,4,5−オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン等のアジン化合物;アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダークグリーンBH/C、アジンディープブラックEW、アジンディープブラック3RL等のアジン系直接染料;ニグロシン、ニグロシン塩、ニグロシン誘導体などのニグロシン化合物や、ニグロシンBK、ニグロシンNB、ニグロシンZなどのニグロシン系酸性染料;ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、アルキルアミド、及びベンジルメチルヘキシルデシルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウムクロライドなどの第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
極性制御剤としては、特に、無色、白色、または淡色のものが、好ましく用いられる。無色淡色の極性制御剤としては、第4級アンモニウム塩:BONTORON P−51(オリエント化学工業製)、TP−302(保土谷化学製)、FCA−77PR(藤倉化成製)FCA−201PS(藤倉化成製)、ベンズイミダゾール:FF4102(BASF製)、TRIBLOX PC−100(デュポン製)、VPSN−4001(バイエル)などの市販品を用いることができる。
極性制御剤の使用量は、潤滑剤に用いる脂肪酸金属塩等の主成分の種類、潤滑剤製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくは潤滑剤総量中に、0.01〜10重量%の範囲、好ましくは0.2〜5重量%の範囲で用いられる。0.01重量%未満では、感光体表面に塗布される粉体状の潤滑剤の帯電量が不足し、潤滑剤を帯電させることによる十分な効果が得られないおそれがある。また、10重量%を超える場合には、潤滑剤主成分(脂肪酸金属塩等)による潤滑効果を十分に得られないおそれがある。
また、潤滑剤は、潤滑剤を帯電させることによる効果を阻害しない範囲で、他の材料を含有してもよい。例えば、感光体表面の潤滑性を補助するため、あるいは、感光体表面の保護のため、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、オオバ油、みつろう、ラノリンなどのワックス類や、マイカ、窒化ホウ素、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、タルク、カオリン、モンモリロナイト、フッ化カルシウム、グラファイトなどの自己潤滑性微粒子を用いることができる。例えば、窒化ホウ素は、原子がしっかりと組み合った六角網面が、広い間隔で重なり、層と層とをつなげるのは、弱いファンデルワールス力のみであるため、その層間は容易に劈開し、潤滑する。なお、このような自己潤滑性微粒子は、溶融・分散後に冷却して棒状の固形保護剤とし、これをブラシローラ3aで削り取りながら潤滑剤と共に塗布するようにしてもよい。
本実施形態では、上記のような脂肪酸金属塩に上記のような極性制御剤を添加したものを直方体状に成型した固形潤滑剤3bを、潤滑剤保持部材3dに固定する。潤滑剤保持部材3dには固形潤滑剤3bをブラシローラ3a側に付勢する複数の加圧部材3c−1,3c−2が、長手方向(主走査方向)に並んで設けられている。そして、加圧部材3cの加圧力は、長手方向端部領域に位置する加圧部材3c−1よりも中央領域に位置する加圧部材3c−2の加圧力を小さくするようにする。図3のように加圧部材3cとして圧縮バネを用いる場合は、加圧部材3c−1と加圧部材3c−2とでバネ圧を変える。
このように、加圧部材3cを複数設け、加圧部材3c−1と加圧部材3c−2との加圧力を変えるのは以下のような理由からである。まず、加圧部材3cが1つのみであると、潤滑剤を長手方向で均一に塗布することができない。また、複数の加圧部材3cの加圧力がいずれも同じであると、長手方向端部領域に位置する加圧部材3c−1の加圧力が外側に逃げやすいため、固形潤滑剤3bは長手方向中央領域の方が大きい圧力を受けることになり、潤滑剤の塗布ムラを招くことになる。当然のことながら、固形潤滑剤3bの長手方向端部領域に位置する加圧部材3c−1の加圧力よりも中央領域に位置する加圧部材3c−2の加圧力を大きくすると、固形潤滑剤3bの中央領域ばかりがブラシローラ3aによって削り取られ、均一な塗布が不可能になる。したがって、長手方向端部領域に位置する加圧部材3c−1よりも中央領域に位置する加圧部材3c−2の加圧力を小さくするようにし、固形潤滑剤3bの長手方向で圧バランスをとって均一な圧力でブラシローラ3aと当接し、感光体1表面への潤滑剤の均一な塗布を狙う。
なお、図3では加圧部材3cを4つ設けた例を示したが、2つ以上、より好ましくは3つ以上の加圧部材3cを設けるのがよい。加圧部材3cが2つの場合、例えば長手方向両端部に加圧部材3cをそれぞれ配置すると、中央領域に位置する加圧部材3cがないために、長手方向の圧バランスが十分にとれず、感光体1長手方向中央領域に塗布ムラを生じやすくなる。したがって、3つ以上の加圧部材3cを長手方向に並べて設けることで、長手方向全域で圧バランスをとり、潤滑剤のより均一な塗布が可能となる。
本実施形態においては、感光体1の線速に対してブラシローラ3aの線速が少し速くなるように、具体的には1.1〜1.5倍となるように設定されている。これは、ブラシローラ3aの線速を感光体1の線速と同じにすると、潤滑剤の塗布ムラがそのまま感光体表面に現われてしまうからである。本実施形態のようにブラシローラ3aの線速を感光体1の線速よりも少し速くすることで、この潤滑剤塗布ムラは緩和される。本実施形態では、感光体線速が150〜300[mm/sec]であり、ブラシローラ3aの線速は感光体線速に対して1.08倍に設定されている。
このような設定の下において、固形潤滑剤3bのブラシローラ3aへの加圧力は、複数の加圧部材3c(図3においては、3c−1及び3c−2)の加圧力の総圧で200〜1000[mN]の範囲になるようにするのが好ましい。総圧が200mN未満では、ブラシローラ3aで十分に固形潤滑剤3bの掻き取りが行われず、感光体1表面への潤滑剤塗布量が不足する。これにより、クリーニングブレード8aや感光体1表面の摩耗を促進し、転写残トナー等のクリーニング不良が発生しやすくなる。また、総圧が1000mNを超えると、感光体1表面への潤滑剤塗布量が過多となる。これは、固形潤滑剤3bの消耗が早まるばかりでなく、感光体1表面が、吸湿性の脂肪酸金属塩等からなる潤滑剤が過剰に塗布されることで湿度の影響を受けて、静電潜像が流れ、画像ボケを発生するという不具合の要因となる。したがって、固形潤滑剤3bは、ブラシローラ3aに対し総圧200〜1000[mN]で加圧されるのが好ましい。
ブラシローラ3aの材料は、使用する潤滑剤に対して潤滑剤を所定極性(マイナス極性)に摩擦帯電させることが可能な材料、具体的には、摩擦帯電系列上で潤滑剤よりもマイナス極性側に位置する材料を用いる。本実施形態では、ブラシローラ3aとの摩擦帯電により潤滑剤がトナーの目標帯電量(本実施形態では−20[μC]程度)の1/2以上の帯電量まで帯電できるような材料を選定するのが好ましい。本実施形態のように潤滑剤をマイナス極性に帯電させる場合、摩擦帯電系列上最もマイナス極性側に位置するナイロンが好ましい。一方、潤滑剤をプラス極性に帯電させる場合には、摩擦帯電系列上最もプラス極性側に位置するテフロン(登録商標)が好ましい。
ブラシローラ3aのブラシ繊維の太さは、3〜8[デニール]が好ましく、ブラシ繊維の密度は2万〜10万[本/inch2]が好ましい。ブラシ繊維の太さが細すぎると、ブラシローラ3aが固形潤滑剤3bや感光体表面に当接したときに毛倒れを起こしやすくなり、逆にブラシ繊維が太すぎると繊維の密度を高くすることができなくなって潤滑剤の塗布ムラが生じやすくなる。また、ブラシ繊維の密度が低いと、潤滑剤の塗布ムラが生じやすくなり、逆にブラシ繊維の密度が高すぎると繊維と繊維の隙間が小さくなり、固形潤滑剤3bから削り取った粉体状の潤滑剤の保持量が減るため、塗布量不足に陥りやすい。
ブラシローラ3aの回転方向は、感光体表面移動方向に対して連れ回り方向であることが好ましい。ブラシローラ3aの回転方向を感光体表面移動方向に対してカウンター方向にすると、ブラシローラ3aのブラシ繊維に付着した潤滑剤の粉体が、感光体表面に当接した衝撃ではじき飛ばされてしまい、均一で効率的な塗布を行うことが困難となる。
本実施形態で使用するブラシローラ3aの一具体例について説明する。
本実施形態で使用するブラシローラ3aは、直径6mm、全長355mmのSUSローラを導電性ブラシ支持体とし、このブラシ支持体上の感光体表面に対向する310mmの領域に導電性ナイロン繊維をパイル地にしたテープをスパイラル状に巻き付けてロール状ブラシとしたものであるが、製造方法や具体的な寸法等はこれに限られない。導電性ナイロン繊維は、ナイロン繊維にカーボンブラックを分散させて抵抗調整したものであり、繊維束の太さは、333[デシテックス](=6.7[デシテックス]×50フィラメント)、300[デニール](=6[デニール]×50フィラメント)とした。ブラシの繊維の長さは、3[mm]、ブラシ繊維束の径φは約0.11[mm]、ブラシ繊維の密度は10万[本/inch2]とした。本実施形態では、このようなブラシローラ3aを感光体表面に対して1[mm]食い込むように配置した。
本実施形態においては、感光体1上に形成されたトナー像が中間転写ベルト56に転写された後に、数%のトナーが転写後も感光体上に転写残トナーとして残る。そのため、ブラシローラ3aから潤滑剤が塗布される感光体表面には、転写した画像の画像部であった部分(以下、単に「画像部」という。)に、非画像部であった部分(以下、単に「非画像部」という。)よりも、多くの転写残トナーが付着している。その結果、ブラシローラ3aによる塗布により感光体表面に機械的に付着する潤滑剤の量は、非画像部(非静電潜像部分)よりも画像部(静電潜像部分)の方が少なくなってしまう。従来は、これが原因で塗布ムラが生じる場合があった。
本実施形態では、ブラシローラ3aと潤滑剤との摺擦により潤滑剤がトナーと同極性に摩擦帯電する。転写後の感光体表面において、画像部の電位や非画像部の電位は、転写電界により多少小さくなっているものの、これらの間の電位差は転写前に近い電位差に保持されている。そのため、画像部(静電潜像部分)に対して帯電したトナーを静電的に付着させる現像プロセスと同様に、転写後の画像部に対して帯電した粉体状の潤滑剤を静電的に付着させることができる。その結果、塗布による機械的な潤滑剤供給だけでは画像部に対する潤滑剤供給量が相対的に少なくなる分を、静電的な潤滑剤供給により補うことができる。これにより、画像部と非画像部との間で生じ得る潤滑剤付着量のムラを小さくすることができる。その結果、感光体表面に付着する潤滑剤付着量(副走査方向の累積付着量)の主走査方向ムラが小さくなり、局所的に、クリーニング不良が発生したり、クリーニング部材や潜像担持体等の摩耗が進行したり、フィルミング現象が発生したり、転写性が落ちたりするといった不具合が軽減される。
次に、本実施形態で使用する潤滑剤の一具体例について説明する。
ステアリン酸亜鉛(GF−200)の粉末39.2[g]を、蓋付きのガラス製容器に入れ、180℃に温度制御したスターラーにより、攪拌しつつ溶融した。十分に溶融したところで、極性制御剤として、上記化1の化学式(1)で示したジターシャルブチルサリチル酸亜鉛の粉末0.8[g]を投入し、温度を維持したまま10分間攪拌した。予め140[℃]に加熱した内寸法12[mm]×7[mm]×250[mm]のアルミニウム製の金型を満たすように、溶融した潤滑剤を流し込み、表面温度が80[℃]になるまで除冷した後、35[℃]まで室温雰囲気中で放冷した。冷却後、潤滑剤の固形物を型から外し、7[mm]×7[mm]×237[mm]に切削成型して、金属製支持体に両面テープで貼り付け、固形潤滑剤3bを作成した。このようにして作成された潤滑剤を実施例1とする。
〔試験例1〕
この固形潤滑剤3bを感光体を取り外したリコー製カラープリンターSPC411用のプロセスカートリッジのクリーニング部に組み込み、次のような試験(以下、本試験を「試験例1」という。)を行った。
固形潤滑剤3bと当接したブラシローラ3aを回転駆動させて約5分間潤滑剤を削り、ブラシローラ3a上に保持された粉末状の潤滑剤の帯電量を吸引法により測定した。帯電量の測定は、エレクトロメーターに接続した、重量既知の吸引冶具(フィルター内蔵)にて吸引し、観測される電荷量と、吸引プローブの重量増加量(吸引した潤滑剤の量)とから、潤滑剤単位重量あたりの電荷量を算出した。吸引する範囲はブラシローラの外周に位置する部分で約5[cm2]とした。
また、このプロセスカートリッジに感光体の代わりにアルミニウム素管を配設し、潤滑剤を保持した状態のブラシローラ3aとの間に電位差をつけたところ、トナーが現像される方向の電界を加えたときに、より多くの潤滑剤がブラシローラ3aからアルミニウム素管側へ移転した。本試験例1では、電位差に応じて移転状態が変化する様子も観察した。
この試験例1は、上記実施例1の潤滑剤以外に、潤滑剤主成分や、潤滑剤主成分と極性制御剤との重量比等が異なる他の潤滑剤(実施例2〜8及び比較例1)についても行った。なお、実施例2〜8及び比較例1の製造方法は実施例1のものと同様である。
この試験結果を下記の表1に示す。
Figure 2010133997
〔試験例2〕
また、上記実施例1、上記実施例8及び上記比較例1の潤滑剤をそれぞれ組み込んだプロセスカートリッジを用意し、リコー製カラープリンターSPC411にて、室温環境下で、縦帯(副走査方向に延びる帯)状の画像チャート(A4サイズ版、画像面積率が50%、縦帯状のベタ画像が5cm幅で主走査方向へ連続した原稿)を用いて、連続通紙試験(以下、本試験を「試験例2」という。)を行った。この試験例2では、1万枚ごとに25%全面ハーフトーン画像を採取し、その画像を評価した。実施例1及び実施例8の潤滑剤を組み込んだプロセスカートリッジでは、それぞれ7万枚、5万枚まで初期画像と遜色のない高品質の画像が維持できた。これに対し、比較例1の潤滑剤を組み込んだプロセスカートリッジでは、1万枚の時点で、上記画像チャートの画像部と非画像部に対応した縞模様の濃淡が発生し、2万枚の時点では、クリーニングブレードの磨耗によって、画像部に対応する箇所でクリーニング不良が発生した。
本実施形態のプリンタにおいて、現像装置4で使用するトナーは、体積平均粒径3〜8[μm]であり、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあることが好ましい。小粒径のトナーを用いることで、静電潜像に対して緻密にトナーを付着させることができる。しかしながら、体積平均粒径が小さすぎると、二成分現像剤では現像装置における長期の攪拌において磁性キャリアの表面にトナーが融着し、磁性キャリアの帯電能力を低下させ、一成分現像剤として用いた場合には、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着を発生させやすくなる。逆に、トナーの体積平均粒径が大きすぎると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒径の変動が大きくなる場合が多い。また、粒径分布を狭くすることで、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、転写率を高くすることができる。しかしながら、Dv/Dnが1.40を超えると、帯電量分布が広くなり、解像力も低下するため好ましくない。なお、トナーの平均粒径及び粒度分布は、コールターカウンターTA-II、コールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)を用いて測定することができる。本実施形態においてはコールターカウンターTA-II型を用い個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科技研社製)及びパーソナルコンピュータ(PC9801:NEC社製)に接続し、測定した。
上記のようなトナーは、トナーに内添、あるいは外添されている離型性を向上させるためのワックスや、流動性を向上させるための無機微粒子等がトナー中に占める割合が、小粒径化されたことで従来のトナーに比べ高くなっている。そして、これらの添加剤が感光体1上に発生する付着物質の要因となっている。そこで、本実施形態の潤滑剤塗布装置3を搭載することにより、感光体表面全域にわたって潤滑剤の薄膜を形成させ、これらの付着物質の感光体表面への付着力を低減させることができる。また、感光体表面とクリーニング装置8のクリーニングブレード8aとの間に働く摩擦力を低減させてクリーニングを良好に行うことができる。
また、現像装置4で使用するトナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にあることが好ましい。図4は、形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4)・・・式(1)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100π/4)・・・式(2)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナーあるいはトナーと感光体1との接触が点接触に近くなるために、トナー同士の吸着力は弱くなり従って流動性が高くなり、また、トナーと感光体1との吸着力も弱くなって、転写率は高くなる。一方、球形トナーはクリーニングブレード8aと感光体1との間隙に入り込みやすいため、トナーの形状係数SF−1又はSF−2はある程度大きい方がよい。また、SF−1とSF−2が大きくなると、画像上にトナーが散ってしまい画像品位が低下する。このために、SF−1とSF−2は180を越えない方が好ましい。なお、形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
また、本実施形態に係るトナーの形状は略球形状であり、以下の形状規定によって表すことができる。図5は、本実施形態に係るトナーの形状を模式的に示す図である。図5において、略球形状のトナーを長軸r1、短軸r2、厚さr3(但し、r1≧r2≧r3とする。)で規定するとき、本実施形態のトナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)(図5(b)参照)が0.5〜1.0で、厚さと短軸との比(r3/r2)(図5(c)参照)が0.7〜1.0の範囲にあることが好ましい。長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、真球形状から離れるためにドット再現性及び転写効率が劣り、高品位な画質が得られなくなる。また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近くなり、球形トナーのような高転写率は得られなくなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となり、トナーの流動性を向上させることができる。なお、r1、r2、r3は、走査型電子顕微鏡(SEM)で、視野の角度を変えて写真を撮り、観察しながら測定した。
以上のトナーは、磁性キャリアを使用しない1成分系の磁性トナー或いは、非磁性トナーとしても用いることができる。また、2成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いれば良く、磁性キャリアとしては、鉄、マグネタイト、Mn、Zn、Cu等の2価の金属を含むフェライトであって、体積平均粒径20〜100[μm]が好ましい。平均粒径が20[μm]未満では、現像時に感光体1にキャリア付着が生じやすく、100[μm]を越えると、トナーとの混合性が低く、トナーの帯電量が不十分で連続使用時の帯電不良等を生じやすい。また、Znを含むCuフェライトが飽和磁化が高いことから好ましいが、本プリンタのプロセスにあわせて適宜選択することができる。磁性キャリアを被覆する樹脂としては、特に限定されないが、例えばシリコーン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、含フッ素樹脂、オレフィン樹脂等がある。その製造方法は、コーティング樹脂を溶媒中に溶解し、流動層中にスプレーしコア上にコーティングしても良く、また、樹脂粒子を静電気的に核粒子に付着させた後に熱溶融させて被覆するものであってもよい。被覆される樹脂の厚さは、0.05〜10[μm]、好ましくは0.3〜4[μm]がよい。
なお、本実施形態の潤滑剤塗布装置3を、感光体1と、帯電装置2、現像装置4及びクリーニング装置8から選択される任意の手段とを含んで一体に支持し、プリンタ本体に着脱自在に形成したプロセスカートリッジとすることができる。プロセスカートリッジ内における潤滑剤塗布装置3の設置位置は、クリーニング装置8と一体とする場合は、既に説明したように、クリーニング装置8よりも感光体1移動方向上流側とするのが好ましい。
〔実施形態2〕
次に、本発明を、上記実施形態1と同様、電子写真方式の画像形成装置であるプリンタに適用した他の実施形態(以下、本実施形態を「実施形態2」という。)について説明する。
上記実施形態1では、ブラシローラ3aに電圧を印加しないで、帯電した潤滑剤を感光体上の画像部(静電潜像部分)に静電的に付着させる。そのため、上記実施形態1では、潤滑剤の帯電量を十分に大きくさせないと、画像部への静電的な移動量を十分に確保することができず、画像部と非画像部との間で生じ得る潤滑剤付着量のムラを小さくする効果が有効に得られないおそれがある。特に、潤滑剤の帯電量は使用環境等によっても変動するため、使用環境等によっては潤滑剤の帯電量を十分に大きくすることが困難な状況も想定される。
そこで、本実施形態2では、潤滑剤塗布装置3のブラシローラ3aに対して電圧を印加し、帯電した粉体状の潤滑剤を感光体表面上へ移動させるための電界を積極的に形成することで、画像部への静電的な移動量を十分に確保することとしている。
以下の説明では、上記実施形態1とは異なる点についてのみ説明する。
本実施形態2において、感光体表面に塗布される潤滑剤は、上記実施形態1で説明したように、ブラシローラ3aとの摩擦帯電により潤滑剤に添加される極性制御剤が作用してマイナス極性に帯電する。ここで、転写後における画像部(静電潜像部分)の電位(マイナス極性)をV1とし、非画像部(非静電潜像部分)の電位(マイナス極性)をV2とし、ブラシローラ3aに印加する電圧をV3としたとき、本実施形態2では、図6に示すようにV3<V1<V2の関係が成り立つような電圧V3をブラシローラ3aに印加する。
本実施形態2によれば、マイナス極性に帯電された粉体状の潤滑剤は、ブラシローラ3aに印加した電圧V3により形成される電界により、画像部だけでなく非画像部にも静電的に移動する。よって、塗布のみによる機械的な潤滑剤供給よりも、感光体表面に供給される量が全面で増加する。ただし、ブラシローラ3aに印加した電圧V3により形成される電界は、画像部と非画像部とで大きさが異なる。具体的には、ブラシローラ3aに印加した電圧V3との電位差が大きい画像部の方が、非画像部よりも強い電界が形成される。その結果、静電的に移動する潤滑剤の量は、非画像部よりも画像部の方が多くなる。
図7(a)〜(c)は、本実施形態における、感光体表面上の画像部と非画像部に付着する潤滑剤の状態を説明するための説明図である。
図7(a)は、転写後であってブラシローラ3aと対向する潤滑剤供給位置に到達する前の感光体表面の様子を示している。このとき、感光体表面上の画像部には多くの転写残トナーが付着し、非画像部には転写残トナーがほとんど付着していない。
図7(b)は、潤滑剤供給位置の通過後であってクリーニングブレード8aと対向するクリーニング位置に到達する前の感光体表面の様子を示している。本実施形態2では、上述したとおり、画像部と非画像部の両方に潤滑剤が付着するが、非画像部よりも画像部の方が付着量が多い。
図7(c)は、クリーニング位置通過直後の感光体表面の様子を示している。このとき、画像部に付着していた転写残トナーはクリーニングブレード8aによりクリーニングされている。クリーニング時には、転写残トナーだけでなく潤滑剤も多少は感光体から除去される。ただし、画像部に付着している潤滑剤は転写残トナーが存在する関係で非画像部に付着している潤滑剤よりも除去されやすい。したがって、クリーニング時に除去される潤滑剤量は、非画像部よりも画像部の方が多い。しかし、本実施形態2では、潤滑剤の供給量が非画像部よりも画像部の方が多いので、結果として、クリーニング位置通過直後の感光体表面上では、図7(c)に示すように、画像部と非画像部との間の潤滑剤付着量のムラが少なくなる。
なお、図7(a)〜(c)に示した感光体表面上における潤滑剤の様子は、全体的な付着量を少なくすれば、ブラシローラ3aに電圧を印加しない実施形態1でも同様である。
以上のように、本実施形態2においては、潤滑剤塗布装置3のブラシローラ3aに対して上記のような電圧V3を印加することにより、潤滑剤の帯電量が不足気味であっても、画像部への静電的な移動量を十分に確保して、画像部と非画像部との間で生じ得る潤滑剤付着量のムラを小さくすることができ、上述した各種不具合が軽減される。
ここで、一般に、感光体表面に供給する潤滑剤の適切な量は、形成される画像の画像面積に起因する転写残トナーの量や使用環境などによって異なる。
例えば、経時使用等により感光体の画像部電位V1(マイナス極性)や非画像部電位V2(マイナス極性)が大きくなると、ブラシローラ3aの電圧V3との電位差が小さくなり、ブラシローラ3aから感光体表面へ静電的に移動する潤滑剤の総量が少なくなる。
そこで、本実施形態2では、感光体表面の電位を検知し、その検知結果に応じてブラシローラ3aに印加する電圧V3の設定値を調整するようにしている。
図8は、本実施形態2におけるトナー濃度センサ58と電位センサ34の配置を説明するための概略斜視図であり、図9は、感光体軸方向から見た正面図である。なお、図8及び図9には、位置関係がわかりやすいように、中間転写ベルト56上に転写されたトナーパッチTP1と転写後に感光体1上に残留したトナーパッチの転写残トナーTP2が図示してある。
本実施形態2においては、所定のタイミング(例えば、感光体走行距離が予め決められた距離に達する毎、前回の画像濃度調整モード実行時からの累積画像形成枚数が予め決められた枚数に達する毎等)で、公知の画像濃度調整処理(プロセスコントロール)を行う画像濃度調整モードを実行する。この画像濃度調整モードでは、通常の画像形成プロセスで、画像濃度調整用静電潜像を各感光体1上に形成し、これを各色トナーで現像することにより画像濃度調整用トナー像(トナーパッチ)を感光体1上に形成する。そして、各色のトナーパッチを中間転写ベルト56上に転写し、その中間転写ベルト56に対向配置されているトナー濃度検知手段としてのトナー濃度センサ(光学センサ)58により、トナーパッチの濃度を検知する。そして、このように検知した結果を利用し、帯電装置2の帯電バイアス、現像装置4の現像バイアス、露光装置9の露光量等を調整する。
本実施形態2においては、画像濃度調整モードの実行時に、上記画像濃度調整用静電潜像を、ブラシローラ3aに印加する電圧V3を調整するための調整用静電潜像として利用する。具体的には、少なくとも感光体表面上の画像部の電位V1を検知する電位検知手段としての電位センサ34を、転写後のトナーパッチ部分の電位を検知可能な位置に配置する。したがって、本実施形態2では、図8に示すように、電位センサ34の副走査方向位置は、上記トナー濃度センサ58の副走査方向位置と一致することになる。
本実施形態2においては、画像濃度調整モードの実行中に、電位センサ34にて感光体表面上のトナーパッチ部分の電位を画像部電位V1として検知する。本実施形態2では、電位センサ34にて画像部電位V1を検知したら、正のパラメータ値Pを用いて、V3=V1−Pとなるように電圧V3の設定値を決定する。V3の設定値は、V1を新しく読み込むごとに更新される。
本実施形態2では、基準の使用環境下において感光体走行距離(あるいは累積画像形成枚数)に対応するPの値をあらかじめ実験にて求めておき、プリンタのROM内にテーブルとして保持してある。Pの値の上限は、例えば、帯電ローラ2aの潤滑剤による汚染が生じないように決定される。一方、Pの値の下限は、例えば、感光体表面の潤滑性の悪化度合、一次転写率の悪化度合、地汚れの悪化度合、クリーニングブレード8aにおけるトナーすり抜けの悪化度合等に基づいて決定される。このようにして各感光体走行距離におけるPの値の上下限を実験から求めたら、例えば、その中央値をその感光体走行距離におけるPの値とし、これをプリンタのROM内に記憶する。そして、本実施形態2では、画像濃度調整モード実行時に、その時点における感光体走行距離のデータを読み出し、その感光体走行距離に対応するPの値をテーブルから読み出して使用する。
潤滑剤供給量は、例えばステアリン酸亜鉛を主成分とした潤滑剤として用いて長手方向300[mm]にわたって潤滑剤を供給する場合には、非画像部への供給量が感光体走行距離1[km]当たり0.1[g]程度となるようにPの値を決めるのが望ましい。ただし、潤滑剤の主成分の種類が異なる場合や、感光体表面へ供給される粉体状の潤滑剤の粒径が異なる場合などにおいては、潤滑剤の適正な供給量自体が異なってくる。また、ここでは、設定を簡単化するため、非画像部に対する潤滑剤供給量が一定となるようにPの値を設定する場合について説明したが、より望ましくは感光体表面の潤滑性が使用環境や使用時間(感光体走行距離等)に対して一定となるようにPの値を設定するのがよい。
Pの値は、使用環境、1回のジョブ(ここでは、感光体が駆動を開始してから駆動を停止するまでの期間を意味するものとする。)中における画像形成枚数、形成画像の画素数などによって適宜補正することが望ましい。以下、Pの値を補正する場合の具体例について説明する。
まず、使用環境に応じてPの値を補正する一例について説明する。
温度に関しては、一般に、低温環境では帯電ローラ2aに印加される帯電バイアスが増加する傾向にある。これは、低温環境では帯電ローラ2aの抵抗が上昇するため、感光体表面を目標帯電量まで帯電させるために必要なバイアスが高くなるからである。帯電バイアスが大きくなると、感光体表面に対するハザードが大きくなり、その表面に付着している潤滑剤の高分子鎖が切れ、潤滑剤による感光体保護機能が低下し、潤滑剤フィルミング等の感光体表面異物付着の現象が発生しやすくなる。よって、低温環境下では、高温環境下よりも多くの潤滑剤を感光体表面へ供給することが望まれる。
また、低温環境では潤滑剤の供給量が低下する傾向にある。これは、低温環境では固形潤滑剤の硬さが増し、ブラシローラ3aによる削り取り量が少なくなる結果、感光体表面に塗布される潤滑剤量が減るからである。よって、低温環境下では、ブラシローラ3aによる削り取り量の減少も考慮する必要があり、高温環境下よりも多くの潤滑剤が感光体表面へ供給されるようにする必要がある。
また、湿度に関しては、一般に、湿度が低いほど、固形潤滑剤の硬さが増し、ブラシローラ3aによる削り取り量が少なくなる結果、感光体表面に塗布される潤滑剤量が減る。よって、低湿環境下では、ブラシローラ3aによる削り取り量の減少も考慮する必要があり、高湿環境下よりも多くの潤滑剤が感光体表面へ供給されるようにする必要がある。
本実施形態2では、図示しない公知の温湿度センサを用いて本プリンタの使用環境(温度と相対湿度)を検知し、その検知結果から絶対湿度を算出し、算出した絶対湿度に応じたPの値を、テーブルから読み出して使用する。なお、使用環境(温度と相対湿度)の検知結果とPの値との対応関係がテーブルに記述されていれば、絶対湿度を算出せずに、使用環境(温度と相対湿度)の検知結果から直接的にPの値をテーブルから読み出して使用してもよい。
下記の表2は、温度及び相対湿度から得られる絶対湿度と、Pの値との関係の一例を示す表である。
Figure 2010133997
この表2は、A〜Eの5つの領域に区分され、各領域A〜Eについてそれぞれ適切なPの値が関連付けられている。Pの値は、領域A〜Eの順に高い値となる。温度が40℃以上の場合には、絶対湿度に関係なく、一律に領域Eに関連付けられたPの値を用いる。なお、ここでは、Pの値を5種類の使用環境に応じてそれぞれ用意した場合であるが、使用環境の分類はこれよりも少ない種類又は多い種類でもよい。
次に、1回のジョブ(ここでは、感光体が駆動を開始してから駆動を停止するまでの期間を意味するものとする。)中の画像形成枚数に応じて、Pの値を補正する一例について説明する。
感光体走行距離が同じであっても、1回のジョブ中の画像形成枚数が少ない場合と多い場合とでは、感光体表面上の潤滑剤付着量が異なってくる。これは次の理由による。ジョブ立ち上げ期間中とジョブ立ち下げ期間中においては、感光体表面に転写残トナーが無いので、転写残トナーが無い状態の感光体表面に対して潤滑剤を塗布することができる。そのため、上述したとおり、感光体表面に機械的に供給される潤滑剤の量が多く、またクリーニング時に除去されてしまう潤滑剤の量が少ないので、感光体表面に付着する潤滑剤の総量が相対的に多い。よって、例えば、感光体を100回転させる間に、画像形成枚数が少ないジョブを複数回繰り返した場合と、その間ずっと1回のジョブで画像形成を行った場合とでは、後者は転写残トナーが無い状態の感光体表面に対して潤滑剤を塗布する機会が前者に比べて少ないことから、前者の方が後者よりも感光体表面に付着させることができる潤滑剤の量が多くなる。よって、感光体走行距離が同じ場合でも、1回のジョブ中の画像形成枚数が多い使われ方がされたときには、1回のジョブ中の画像形成枚数が少ない使われ方がされたときよりも、多くの潤滑剤を感光体表面に供給することが望まれる。また、別の言い方をすれば、累積した画像形成枚数が同じ場合でも、1回のジョブ中の画像形成枚数が多い使われ方がされたときには、1回のジョブ中の画像形成枚数が少ない使われ方がされたときよりも、多くの潤滑剤を感光体表面に供給することが望まれる。
本実施形態2では、前回の画像濃度調整モード実行時からの累積画像形成枚数が予め決められた枚数に達するたびに、画像濃度調整モードを実行する。本実施形態2では、前回の画像濃度調整モード実行時から今回の画像濃度調整モード実行時までの間に行われた各ジョブの画像形成枚数をカウントする。そして、今回の画像濃度調整モード実行時に、カウントした結果を用いて、前回の画像濃度調整モード実行時から今回の画像濃度調整モード実行時までの間に行われたジョブの平均画像形成枚数を算出する。ジョブの平均画像形成枚数に対応するPの補正値は、それぞれ実験にてあらかじめ求めておき、これをプリンタのROM内にテーブルで保持しておく。そして、算出したジョブの平均画像形成枚数に応じたPの補正値をテーブルから読み出し、その補正値を用いてPの値を補正する。
使用環境と1回のジョブ中の画像形成枚数との両方に応じてPの値を補正する場合、前者の補正値をH1とし、後者の補正値をH2としたとき、ブラシローラ3aに印加する電圧V3は、V3=V1−P×H1×H2により算出される。なお、ここでは、Pの値に対する補正として説明したが、補正前の電圧V3に対して補正する場合には、V3=(V1−P)×H1×H2となる。なお、高温高湿環境下で1回のジョブ中の平均画像形成枚数が少ない場合に、感光体表面に付着する潤滑剤量が最も多くなり、逆に、低温低湿環境下で1回のジョブ中の平均画像形成枚数が多い場合に、感光体表面に付着する潤滑剤量が最も少なくなる。
次に、形成画像の画素数に応じてPの値を補正する一例について説明する。
画像面積率が高い画像や画像濃度が高い画像を形成する場合、転写残トナーの量が多いので、画像面積率や画像濃度が低い画像を形成する場合よりも、感光体表面に付着させることができる潤滑剤の量が少なくなる。画像面積率の高さや画像濃度の高さは、画像データの画素数によって判断することができるので、本実施形態2では、画素数が多い画像を形成する場合には、画素数が少ない画像を形成する場合よりも、多くの潤滑剤を供給するように調整する。
本実施形態2では、前回の画像濃度調整モード実行時から今回の画像濃度調整モード実行時までの間に形成された各画像の画素数をカウントする。そして、今回の画像濃度調整モード実行時に、カウントした結果を用いて、前回の画像濃度調整モード実行時から今回の画像濃度調整モード実行時までの間に形成された画像の平均画素数を算出する。平均画素数に対応するPの補正値は、それぞれ実験にてあらかじめ求めておき、これをプリンタのROM内にテーブルで保持しておく。そして、算出した平均画素数に応じたPの補正値をテーブルから読み出し、その補正値を用いてPの値を補正する。なお、画素数に応じた補正は、あまり細かい補正が必要なものではなく、3分類くらいの大きな区分で補正すればよい。例えば、少画素数はA4版の画像面積率で5%以下、中画素数はA4版の画像面積率で5〜20%、多画素数はA4版の画像面積率で20%以上とし、それぞれについて適切な補正値を実験により求めておく。
Pの値の補正を行うタイミングは、画像濃度調整モード実行時に限らず、任意に設定することができる。例えば、適宜予め決められた画像形成枚数ごと、予め決められた時間ごと、電源がONされるごとのようなタイミングで、補正を行うようにしてもよい。特に、1回のジョブ中の画像形成枚数に応じた補正は、比較的頻度が低くてもよく、例えば画像濃度調整モードを実行する際に行うようにし、使用環境に応じた補正は、もっと高い頻度で行うように、例えばジョブ開始時に行うようにしてもよい。
なお、上記画像濃度調整用静電潜像を利用せずに、専用の調整用静電潜像を形成し、その電位を検知してブラシローラ3aに印加する電圧V3を調整するようにしてもよい。
また、本実施形態2では、4つの感光体1それぞれに電位センサ34を設け、電圧V3を感光体ごとに調整可能となっているが、4つの感光体1のうちの一部の感光体にだけ電位センサ34を設け、その検知結果に応じて他の感光体についての電圧V3を調整するようにしてもよい。
また、本実施形態2では、電圧V3の調整を、画像形成動作を行っていない画像濃度調整モードの実行中に実施する場合について説明したが、画像形成動作を行っている最中に実施してもよい。この場合、電圧V3の調整を実施するに当たって用いるパラメータは、画像部電位V1のみ、非画像部電位V2のみ、あるいはその両方の電位V1,V2を用いることができる。
〔変形例〕
次に、上記実施形態2の変形例について説明する。
本変形例も、ブラシローラ3aに電圧を印加するが、その電圧が上記実施形態2とは異なっている。すなわち、上記実施形態2では、V3<V1<V2の関係が成り立つように電圧V3を設定するが、本変形例では、V1<V3<V2の関係が成り立つように電圧V3を設定する。
本変形例において、マイナス極性に帯電している粉体状の潤滑剤には、感光体表面の画像部に対しては上記実施形態2の場合と同様にブラシローラ3aから感光体1へ向かう静電力が作用するので、潤滑剤付着量が不足する画像部に対しては潤滑剤が静電的に供給されることになる。一方、本変形例では、非画像部に対しては、感光体1からブラシローラ3aへ戻る方向の静電力が働くことになる。ただし、非画像部において、潤滑剤は塗布による機械的な供給により非静電的付着力によって感光体表面に付着し、本変形例2の場合でも、非画像部に対して付着する潤滑剤がゼロになることはない。もともと、非画像部に付着する潤滑剤は上述したようにクリーニングされ難いので、非画像部に対してはごく少量の潤滑剤を供給すれば十分である。よって、非画像部には塗布により機械的に供給される潤滑剤だけでも十分であるので、上記実施形態2の場合のように非画像部に対しても積極的に静電力を用いて潤滑剤を供給すると、かえって潤滑剤の供給過多になる場合がある。また、場合によっては、非画像部については、機械的に供給される分だけでも、潤滑剤の供給過多になることも想定される。
本変形例では、V1<V3<V2の関係が成り立つように電圧V3を設定することで、潤滑剤付着量が不足する画像部に対しては静電力によって積極的に潤滑剤を供給する一方、供給過多となり得る非画像部に対しては静電力による積極的な潤滑剤供給は行わず、むしろ塗布により機械的に供給される潤滑剤の一部を僅かに感光体表面から回収するようにしている。これにより、塗布による機械的な供給により非画像部への潤滑剤の供給過多となるような状況であっても、画像部と非画像部との間で生じ得る潤滑剤付着量のムラを小さくしつつ、感光体表面全体に適正な量の潤滑剤を付着させることができる。
本変形例においては、画像濃度調整モードの実行中に、電位センサ34にて感光体表面上の地肌部分(非画像部)の電位を非画像部電位V2として検知する。本変形例では、電位センサ34にて非画像部電位V2を検知したら、正のパラメータ値Pを用いて、V3=V2−Pとなるように電圧V3の設定値を決定する。V3の設定値は、V2を新しく読み込むごとに更新される。
このPの値も、上記実施形態2の場合と同様、使用環境や感光体走行距離等によって適宜変更することが望ましい。各使用環境及び各感光体走行距離におけるPの値の上限は、感光体表面の潤滑性の悪化度合、一次転写率の悪化度合、地汚れの悪化度合、クリーニングブレード8aにおけるトナーすり抜けの悪化度合等に基づいて決定される。一方、下限は、帯電ローラ2aの潤滑剤による汚染が生じないように決定される。このようにして各使用環境及び各感光体走行距離におけるPの値の上下限を実験から求めたら、例えば、その中央値をその使用環境及び感光体走行距離におけるPの値とし、これをプリンタのROM内に記憶する。
なお、このようにPの値の上下限を決定するにあたっては、感光体表面の潤滑性の悪化度合等の各評価項目について、それぞれの誤差因子(例えば、環境、感光体走行距離、感光体走行距離に対するクリーニング部分へのトナー突入量など。)を振って各評価項目の評価を行わなければならず、非常に面倒である。よって、クリーニングブレード通過後における、非画像部に付着する潤滑剤の高さと画像部に付着する潤滑剤の高さとの差が10nm程度となるように調整してもよい。10nmという値は、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を用いる場合に一般的な適正な量である。もちろん潤滑剤の材質が異なる場合は値を設定する。
上述した実施形態2(変形例を含む。)では、電位センサ34によって画像部電位V1や非画像部電位V2を検知し、その検知結果に応じてブラシローラ3aに印加する電圧V3を調整するため、電位センサ34を搭載しなければならず、その分コストアップとなる。電位センサ34を搭載しないでブラシローラ3aに印加する電圧V3を調整する方法としては、例えば、複数の帯電バイアス、現像バイアス及び一次転写電流に対応する画像部電位V1及び非画像部電位V2を実験にて計測しておき、プリンタのROM内にテーブルとして保持しておく。テーブルとして保持しておくデータは、例えば、帯電バイアスについては−600[V]、−800[V]、−1000[V]の3点、現像バイアスについては帯電バイアス+150[V]、転写電流については15[μA]、25[μA]、35[μA]の3点で、それぞれ画像部電位V1及び非画像部電位V2を計測しておき、一次式で内挿、外挿して、それぞれのバイアスに対応する画像部電位V1及び非画像部電位V2を計算するようにしてもよい。
〔実施形態3〕
次に、本発明を、上記実施形態1及び上記実施形態2と同様、電子写真方式の画像形成装置であるプリンタに適用した更に他の実施形態(以下、本実施形態を「実施形態3」という。)について説明する。
上記実施形態1及び上記実施形態2では、塗布手段としてナイロン製のブラシローラ3aを用いて潤滑剤を供給する構成であったが、潤滑剤に対する摺擦が不十分で、潤滑剤の帯電量を十分に大きくすることが難しい場合がある。この場合、画像部と非画像部との間で生じ得る潤滑剤付着量のムラを小さくする効果が有効に得られないおそれがある。
そこで、本実施形態3では、潤滑剤塗布装置3のブラシローラ3aに代えて、磁気ブラシローラを用いることとしている。
図10は、本実施形態3の潤滑剤塗布装置30を感光体軸方向から見たときの説明図である。
図11は、磁力分布を示す説明図である。
本実施形態3は、回転駆動するスリーブ状部材としての磁性粉担持スリーブ31内に設けられた磁界発生手段としての固定磁石32の磁界によって粉体状の磁性体(磁性粉体)を磁性粉担持スリーブ31の表面に穂立ちさせ、これにより形成される磁気ブラシを固形潤滑剤3bに接触させることで、固形潤滑剤3bから粉体状の潤滑剤を削り取るとともに、磁性粉体と粉体状の潤滑剤とを摺擦させる。よって、本実施形態3において、粉体状の潤滑剤を帯電させる手段は、磁性粉体を粉体状の潤滑剤に摺擦させることで粉体状の潤滑剤を摩擦帯電させるものである。上記実施形態1や2で使用されていたブラシローラ3aと、本実施形態3の磁気ブラシローラとを比較すると、粉体状の潤滑剤と接触し得るブラシの表面積は、本実施形態3の磁気ブラシローラの方が圧倒的に多い。その結果、粉体状の潤滑剤が固形潤滑剤3bから削り取られてから感光体表面へ供給されるまでの間に摩擦帯電される機会が大幅に増加する。その結果、感光体表面に供給される粉体状の潤滑剤を効果的に帯電させることができる。
本実施形態3において、磁性粉担持スリーブ31の内部に配置される固定磁石32は4つの磁極を備えており、それらの磁極による磁力分布によって磁性粉担持スリーブ31の表面には磁気ブラシが形成される。固形潤滑剤3bと対向する磁性粉担持スリーブ31の表面上における法線方向磁束密度は、1000×10-4[T]以上となるように設定するのが好ましく、本実施形態では1200×10-4[T]となるように設定している。ここの法線方向磁束密度が1000×10-4[T]より小さい場合は、磁気ブラシが固形潤滑剤3bと接触する際に衝撃によって飛散してしまうおそれが高くなる。磁性粉担持スリーブ31が回転すると、これに伴って搬送される磁性粉担持スリーブ31上の磁性粉体は固形潤滑剤3bと対向する箇所で穂立ちして磁気ブラシとなる。そして、この磁気ブラシで固形潤滑剤3bが削られると同時に、削り取られた粉体状の潤滑剤と磁性粉体との間で摩擦帯電が行われ、粉体状の潤滑剤が帯電した状態で、磁性粉体上に付着する。なお、磁性粉体と粉体状の潤滑剤とは静電的付着力によって付着しているため、磁性粉担持スリーブ31の回転による遠心力によって潤滑剤が飛散することはない。
本実施形態3において、磁性粉担持スリーブ31上の磁性粉体の担持量は、30〜50[mg/cm2]の範囲内であるのが好ましく、本実施形態3では40[mg/cm2]に設定している。担持量が30[mg/cm2]よりも少ないと、潤滑剤を十分に削り取ることができず、それによって感光体表面への塗布量も少なくなり、感光体表面上で潤滑剤付着量の不足が生じるおそれがある。また、担持量が50[mg/cm2]より多くなると、潤滑剤を削り取りすぎる状態になり、感光体表面への塗布量が多くなり、潤滑剤の供給過多になってしまう。また、本実施形態3において、加圧部材3cの加圧力は総圧で200〜1000[mN]であるのが好ましく、本実施形態3では700[mN]に設定している。200[mN]より小さい場合は、磁性粉体で十分に潤滑剤を削り取れず、感光体表面への塗布量が不足しやすい。また、1000[mN]より大きい場合は、磁性粉体によって削り取られすぎとなり、感光体表面への塗布量が過多になってしまう。
本実施形態3においては、磁性粉担持スリーブ31の線速が感光体1の線速に対して1.2倍となるように設定されている。具体的には、感光体1の線速を200[mm/sec]とし、磁性粉担持スリーブ31の線速を220[mm/sec]としている。本実施形態3によれば、磁性粉担持スリーブ31上の磁気ブラシで潤滑剤を削り取りながら摩擦帯電によって帯電させることによって、潤滑剤は、−20[μC/g]程度まで帯電された状態で感光体表面に塗布される。
なお、上記実施形態1や2のようなブラシローラ3aであれば、フリッカー等を使ってブラシに付着した転写残トナーを取り除くことが容易であるが、本実施形態3のように磁気ブラシローラを用いる場合には、磁性粉体に付着した転写残トナーを取り除くことが困難となる。よって、本実施形態3では、好ましくは、潤滑剤塗布装置30をクリーニング装置8に対して感光体表面移動方向下流側に配置する。
次に、本実施形態3で使用可能な磁性粉体について説明する。
本実施形態3の磁性粉体としては、二成分現像剤で使用される公知の磁性キャリアを用いることができる。ただし、磁性粉体のコーティング材料は、摩擦帯電系列上において、潤滑剤よりも本実施形態3ではマイナス極性側に位置するものとする。
具体的には、磁性粉体のコア材としては、特に材料が限定されることはないが、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ヒドリンゴム、ニトリルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム等のゴム類やポリオレフィン系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリメタクリレート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂等の樹脂類のうち、比較的低硬度の重合体が好適に使用できる。磁性粉体は、このコア材に磁性粒子を分散したものを使用できる。
コア材に分散する磁性粒子としては、従来から公知のものが使用でき、例えば、鉄、コバルト、ニッケル等の金属;マグネタイト、ヘマタイト、フェライトなどの合金や化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの磁性粒子は、1〜5[μm]程度の大きさの粒子を含むことが好ましい。
更に、表面コート層としては、可撓性を保持し得る材料であれば、何ら限定されること無く使用できるが、表面部分での環境安定性、潤滑剤との摩擦帯電性等から、被覆層を形成する樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、アクリル(例えばポリメチルメタクリレート)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビリケトン等のポリビニル及びポリビニリデン系樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;オルガノシロキサン結合からなるシリコーン樹脂またはその変成品(例えばアルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン等による変成品);パーフルオロアルキルエーテル、ポリフルオロビニル、ポリフルオロビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等の弗素樹脂;ポリアミド;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート;尿素−ホルムアルデヒド樹脂等のアミノ樹脂;エポキシ樹脂や、これらの複合樹脂等が挙げられる。中でも、より潤滑剤成分の固着を防止する点で被覆層用の材料として好ましいのはシリコーン樹脂またはその変成品、弗素樹脂、特にはシリコーン樹脂またはその変成品である。
シリコーン樹脂としては、従来から知られているシリコーン樹脂の内、本実施形態のキャリア粒子としてヌープ硬度及び可撓性を持つものであれば良く、下記式で示されるオルガノシロキサンを含む線状/非線状シリコーン樹脂をアルキド、ポリエステル、エポキシ、ウレタンなどで変成したシリコーン樹脂等が挙げられる。
本実施形態3で用いている磁性粉体は、以下の通りである。
ジメチルジエトキシシラン/メチルトリエトキシシランの1モル/1モル共縮重合物を60部、メチルエチルケトキシムシランを1部、γ−(2アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランを3部、カーボンブラックを2部、ジブチルチンジアセテートを2部、トルエンを540部からなるコート液を、重量平均粒子径が50[μm]の球形マグネタイト粒子(同和鉄粉製)からなるコア材5000部に対し、流動層スプレーコートにより塗布し、熱乾燥後、焼成し、表面にコート層を持つ磁性粉体を作成した。スプレーコート時の乾燥温度は80℃とした。樹脂層を形成したコア材は、電気炉にて大気雰囲気中で、焼成温度=320±3℃、焼成時間=60分間の条件で焼成した後、開き目90[μm]の篩を通した。
以上、上述した各実施形態によれば、潜像担持体としての感光体1の表面を一様に帯電処理した後に露光して静電潜像を書き込み、静電潜像部分にトナーを付着させて現像することにより感光体表面上にトナー像を形成し、該トナー像を最終的に記録材としての転写足へ転写することにより転写紙上に画像を形成する画像形成装置としてのプリンタに、粉体状の潤滑剤を所定極性(各実施形態ではトナーと同極性であるマイナス極性)に帯電させた後に、静電潜像が書き込まれた後であって次回の画像形成工程における上記帯電処理を行う前の感光体表面に対して、帯電した粉体状の潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置としての潤滑剤塗布装置3を設けている。これにより、感光体表面上に供給される粉体状の潤滑剤がトナーと同じマイナス極性に帯電するので、感光体表面上における転写後の画像部(静電潜像部分)へ供給される潤滑剤の量と転写後の非画像部(非静電潜像部分)へ供給される潤滑剤の量とを異ならせることができる。そして、いずれの実施形態においても、塗布による機械的な潤滑剤供給だけでは非画像部に対して潤滑剤付着量が少なくなる画像部については、非画像部よりも静電的に供給される潤滑剤の量が多くなる。したがって、画像部と非画像部との間で生じ得る潤滑剤付着量のムラを小さくすることができ、潤滑剤付着量のムラに起因する各種不具合を軽減することができる。
また、各実施形態では、トナーの正規帯電極性(マイナス極性)と同じ極性に粉体状の潤滑剤を帯電させる構成について説明したが、粉体状の潤滑剤を帯電させる目的によっては、逆に、トナーの正規帯電極性とは逆極性に粉体状の潤滑剤を帯電させるように構成してもよい。例えば、潤滑剤としての機能を持つ特殊なトナーを使用する場合には、画像部(静電潜像部分)よりも非画像部(非静電潜像部分)へより多く静電的に移動できるように潤滑剤を帯電させることが好ましい場合がある。この場合、潤滑剤のトナーとは逆極性のプラス極性に帯電させることで、画像部よりも非画像部へより多くの潤滑剤を静電的に移動させることができる。
また、各実施形態で使用される潤滑剤には、所定極性(マイナス極性)に安定かつ有効に帯電させるために極性制御剤を含有させているが、ブラシ材料を工夫するなど他の方法により潤滑剤を所定極性(マイナス極性)に安定かつ有効に帯電させることができるのであれば、必ずしも極性制御剤を含有させる必要はない。ただし、このような極性制御剤を含有させないと、所望の極性に十分な帯電量で潤滑剤を帯電させることが困難であることから、極性制御剤を含有させるのが望ましい。
また、潤滑剤としては、平均炭素数14から20の脂肪酸金属塩を含有する潤滑剤を用いるのがよく、その脂肪酸金属塩としてはステアリン酸亜鉛であるのが好ましい。
また、各実施形態では、粉体状の潤滑剤を、回転駆動するブラシに付着させて塗布することにより感光体表面に供給する塗布手段としてのブラシローラ3a又は磁気ブラシローラを設け、そのブラシとの摩擦帯電により粉体状の潤滑剤がトナーの目標帯電量の1/2以上の帯電量まで帯電するように構成されている。これにより、感光体表面の画像部と非画像部との電位の差に応じて潤滑剤の静電的な移動量の差を安定して得ることがようになる。
特に、実施形態1及び2では、ブラシローラ3aのブラシとして、ナイロン製ブラシを用いているので、潤滑剤をマイナス極性に十分かつ安定して摩擦帯電させることができる。
また、実施形態1及び2では、ブラシローラ3aのブラシが固形潤滑剤3bと感光体表面の両方に接触するように構成され、固形潤滑剤3bから削り取った粉体状の潤滑剤を感光体表面に塗布する構成を採用している。これにより、固形潤滑剤3bからの削り取りと感光体表面への潤滑剤塗布とを別の部材で実現する場合に比べて、省スペース化、低コスト化を実現できる。
一方、実施形態3では、粉体状の潤滑剤を所定極性(マイナス極性)に帯電させる手段として、ブラシローラ3aではなく、粉体状の潤滑剤との摩擦帯電により粉体状の潤滑剤をマイナス極性に帯電させ得る磁性粉体(潤滑剤とは別の粉体)を粉体状の潤滑剤と摺擦させることにより、粉体状の潤滑剤をマイナス極性に帯電させる構成を採用している。本実施形態3の磁気ブラシローラによれば、上記実施形態1や2で使用されていたブラシローラ3aと比較して、粉体状の潤滑剤と接触し得るブラシの表面積(総接触面積)が圧倒的に多くなる。その結果、粉体状の潤滑剤が固形潤滑剤3bから削り取られてから感光体表面へ供給されるまでの間に摩擦帯電される機会が大幅に増加する結果、感光体表面に供給される粉体状の潤滑剤を効果的に帯電させることができる。
しかも、実施形態3では、回転駆動するスリーブ状部材としての磁性粉担持スリーブ31に設けられた磁界発生手段としての固定磁石32の磁界によって磁性粉体を磁性粉担持スリーブ31の表面に穂立ちさせ、これにより形成される磁気ブラシを固形潤滑剤3bに接触させることで固形潤滑剤3bから粉体状の潤滑剤を削り取るので、磁気ブラシローラにより、粉体状の潤滑剤の摩擦帯電だけでなく、固形潤滑剤3bからの削り取りも実現している。これにより、これらを別々の部材によって実現する場合に比べて省スペース化、低コスト化を実現できる。
更に、実施形態3では、磁気ブラシが固形潤滑剤3bと感光体表面の両方に接触するように構成され、固形潤滑剤3bから削り取った粉体状の潤滑剤を感光体表面に塗布する構成を採用している。これにより、固形潤滑剤3bからの削り取りと感光体表面への潤滑剤塗布とを別の部材で実現する場合に比べて、省スペース化、低コスト化を実現できる。
また、実施形態2では、帯電した粉体状の潤滑剤を感光体表面上へ移動させるための電界を形成するための電界形成手段として、ブラシローラ3aに電圧V3を印加する構成を採用している。これにより、潤滑剤の帯電量が不足気味であっても、画像部への静電的な移動量を十分に確保して、画像部と非画像部との間で生じ得る潤滑剤付着量のムラを小さくすることができ、上述した各種不具合が軽減される。
また、実施形態2(変形例を除く。)では、感光体表面上の静電潜像が書き込まれた静電潜像部分(画像部)と、感光体表面上の静電潜像が書き込まれていない非静電潜像部分(非画像部)との両方に対して、帯電した粉体状の潤滑剤を移動させるための電界を形成するような電圧V3が設定される。これにより、画像部だけでなく非画像部にも潤滑剤が静電的に移動するので、感光体表面に付着する潤滑剤付着量を全体的に多くすることができる。
一方、実施形態2の変形例では、感光体表面上の静電潜像が書き込まれた静電潜像部分(画像部)に対しては帯電した粉体状の潤滑剤を画像部側へ移動させるための電界を形成し、感光体表面上の静電潜像が書き込まれていない非静電潜像部分(非画像部)に対しては帯電した粉体状の潤滑剤を非画像部から離れる側へ移動させるための電界を形成する。これにより、潤滑剤付着量が不足する画像部に対しては静電力によって積極的に潤滑剤を供給する一方、供給過多となり得る非画像部に対しては静電力による積極的な潤滑剤供給は行わず、むしろ塗布により機械的に供給される潤滑剤の一部を僅かに感光体表面から回収することができる。これにより、塗布による機械的な供給により非画像部への潤滑剤の供給過多となるような状況であっても、画像部と非画像部との間で生じ得る潤滑剤付着量のムラを小さくしつつ、感光体表面全体に適正な量の潤滑剤を付着させることができる。
なお、各実施形態では、画像部に対して非画像部よりも多くの潤滑剤を静電的に移動させる場合について説明したが、例えば、潤滑剤としての機能を持つ特殊なトナーを使用するような場合のように、非画像部に対して画像部よりも多くの潤滑剤を静電的に移動させたい場合もある。このような場合には、非画像部に対しては帯電した粉体状の潤滑剤を非画像部側へ移動させるための電界を形成し、画像部に対しては潤滑剤を画像部から離れる側へ移動させるための電界を形成するようにしてもよい。これにより、塗布による機械的な供給により画像部に付着する潤滑剤(トナーが潤滑剤としての機能をもつ場合にはそのトナーを含む。)に多くなり過ぎるような状況であっても、画像部と非画像部との間で生じ得る潤滑剤付着量のムラを小さくしつつ、感光体表面全体に適正な量の潤滑剤を付着させることができる。
また、各実施形態においては、感光体表面上のトナー像を転写した後であって感光体表面から転写残トナーを除去するためのクリーニングを行う前の感光体表面に対して、帯電した潤滑剤を潤滑剤塗布装置3,30により供給する。これにより感光体表面に供給された粉体状の潤滑剤をクリーニング時に均すことが可能となり、多少の供給ムラは解消される。
なお、感光体表面から転写残トナーを除去するためのクリーニングを行った後の感光体表面に対して、帯電した潤滑剤を上記潤滑剤塗布装置により供給するようにしてもよい。この場合でも、クリーニングし切れなかった転写残トナーが画像部に残っているので、クリーニング前に供給する場合と同様の不具合が生じるので、本発明が有効である。
また、実施形態2では、画像部と非画像部の少なくとも一方の電位を電位検知手段としての電位センサ34で潤滑剤供給前に検知し、電位センサ34の検知結果に基づいて潤滑剤塗布装置3の電界形成手段が形成する電界を制御手段としての図示しないプリンタ制御部で制御する。帯電した潤滑剤の感光体表面への静電的な移動量は、感光体表面の画像部電位や非画像部電位によって変化する。感光体表面の画像部電位や非画像部電位は、経時的にあるいは環境変動などによって変動し得るので、このような変動が生じた場合、電界が一定であると感光体表面への潤滑剤供給量が目標量から変化してしまうおそれがある。実施形態2によれば、感光体表面の画像部電位や非画像部電位が変動した場合でも、その変動に応じて電界を制御することができるので、潤滑剤供給量が目標量から変化してしまうのを抑制することが可能となる。
また、実施形態2では、画像濃度調整モードが実行されるという所定の開始条件が満たされたときに、感光体表面上に通常の画像形成プロセスにより所定の調整用静電潜像を書き込み、少なくともその調整用静電潜像の電位を電位センサ34で検知した結果に基づいて電界目標値を決定し、決定した電界目標値となるように潤滑剤塗布装置3の電界形成手段が形成する電界を制御する。このように電界制御のために予め決まっている調整用静電潜像を用いることで、例えばユーザーにより任意に形成される画像の静電潜像を用いる場合に比べて、適正な電界制御が容易となる。
特に、実施形態2では、画像濃度調整用静電潜像を現像することにより得られる画像濃度調整用トナー像(トナーパッチ)の濃度を検知するためのトナー濃度検知手段としてのトナー濃度センサ58を設け、所定の画像濃度調整開始条件が満たされたときに、感光体表面上に通常の画像形成プロセスにより所定の画像濃度調整用静電潜像を書き込み、その画像濃度調整用静電潜像を現像することにより得られるトナーパッチの濃度をトナー濃度センサ58で検知し、その検知結果に基づいて画像濃度調整処理(プロセスコントロール)を行う。そして、電位センサ34を、所定の画像濃度調整用静電潜像の電位を検知可能な位置に配置し、その画像濃度調整用静電潜像を上記所定の調整用静電潜像として利用する。これにより、画像濃度調整処理(プロセスコントロール)を含めた全体の制御あるいは処理が容易となる。
また、実施形態2では、プリンタの内部又は周囲(本実施形態では周囲)の温度を検知する温度検知手段しての図示しない温湿度センサを設け、その温湿度センサの検知結果に基づいて潤滑剤塗布装置3の電界形成手段が形成する電界を制御する。温度や湿度が変化すると、上述したように、感光体表面への潤滑剤供給量が変化するので、電界が一定であると潤滑剤供給量が目標量から変化してしまうおそれがある。実施形態2によれば、温度や湿度の変化に応じて電界を制御できるので、温度や湿度の変化により潤滑剤供給量が目標量から変化してしまうのを抑制することが可能となる。
また、実施形態2では、感光体が駆動を開始してから駆動を終了するまでの間(1回のジョブ)の画像形成枚数を計測するための計測手段を設け、その計測手段の計測結果に基づいて潤滑剤塗布装置3の電界形成手段が形成する電界を制御する。1回のジョブ中の画像形成枚数が異なると、上述したように、感光体表面への潤滑剤供給量が変化するので、電界が一定であると潤滑剤供給量が目標量から変化してしまうおそれがある。実施形態2によれば、1回のジョブ中の画像形成枚数の違いにより潤滑剤供給量が目標量から変化してしまうのを抑制することが可能となる。
また、実施形態2では、感光体表面上の静電潜像を構成する画素数を潤滑剤供給前に検出するための画素数検出手段を設け、その画素数検出手段の検出結果に基づいて潤滑剤塗布装置3の電界形成手段が形成する電界を制御する。静電潜像の画素数が異なると、上述したように、感光体表面への潤滑剤供給量が変化するので、電界が一定であると潤滑剤供給量が目標量から変化してしまうおそれがある。実施形態2によれば、画素数の違いにより潤滑剤供給量が目標量から変化してしまうのを抑制することが可能となる。
実施形態1に係るプリンタを示す概略構成図である。 4つの作像ユニットのうちの1つを示す拡大図である。 潤滑剤塗布装置の固形潤滑剤の構成を示す図である。 形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。 トナーの形状を模式的に示す図である。 トナーの形状を模式的に示す別の図である。 (a)〜(c)は、実施形態2における、感光体表面上の画像部と非画像部に付着する潤滑剤の状態を説明するための説明図である。 実施形態2におけるトナー濃度センサと電位センサの配置を説明するための概略斜視図である。 図8の構成を感光体軸方向から見た正面図である。 実施形態3の潤滑剤塗布装置を感光体軸方向から見たときの説明図である。 同潤滑剤塗布装置の磁力分布を示す説明図である。 (a)〜(c)は、従来の、感光体表面上の画像部と非画像部に付着する潤滑剤の状態を説明するための説明図である。
符号の説明
1 感光体
2 帯電装置
3,30 潤滑剤塗布装置
3a ブラシローラ
3b 固形潤滑剤
3c 加圧部材
3d 潤滑剤保持部材
4 現像装置
8 クリーニング装置
8a クリーニングブレード
9 露光装置
31 磁性粉担持スリーブ
32 固定磁石
34 電位センサ
56 中間転写ベルト
58 トナー濃度センサ

Claims (27)

  1. 潜像担持体表面を一様に帯電処理した後に露光して静電潜像を書き込み、静電潜像部分にトナーを付着させて現像することにより潜像担持体表面上にトナー像を形成し、該トナー像を最終的に記録材へ転写することにより記録材上に画像を形成する画像形成装置の潜像担持体表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置において、
    粉体状の潤滑剤を所定極性に帯電させた後に、静電潜像が書き込まれた後であって次回の画像形成工程における上記帯電処理を行う前の潜像担持体表面に対して、帯電した粉体状の潤滑剤を供給することを特徴とする潤滑剤供給装置。
  2. 請求項1の潤滑剤供給装置において、
    上記トナーの正規帯電極性と同じ極性に上記粉体状の潤滑剤を帯電させるように構成したことを特徴とする潤滑剤供給装置。
  3. 請求項1の潤滑剤供給装置において、
    上記トナーの正規帯電極性とは逆極性に上記粉体状の潤滑剤を帯電させるように構成したことを特徴とする潤滑剤供給装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の潤滑剤供給装置において、
    上記潤滑剤として、上記所定極性に帯電させるための極性制御剤を含有する潤滑剤を用いることを特徴とする潤滑剤供給装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の潤滑剤供給装置において、
    上記潤滑剤として、平均炭素数14から20の脂肪酸金属塩を含有する潤滑剤を用いることを特徴とする潤滑剤供給装置。
  6. 請求項5の潤滑剤供給装置において、
    上記脂肪酸金属塩はステアリン酸亜鉛であることを特徴とする潤滑剤供給装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の潤滑剤供給装置において、
    上記粉体状の潤滑剤を、回転駆動するブラシに付着させて塗布することにより潜像担持体表面に供給する塗布手段を有し、
    上記ブラシとの摩擦帯電により上記粉体状の潤滑剤が上記トナーの目標帯電量の1/2以上の帯電量まで帯電するように構成したことを特徴とする潤滑剤供給装置。
  8. 請求項7の潤滑剤供給装置において、
    上記ブラシとして、ナイロン製ブラシを用いることを特徴とする潤滑剤供給装置。
  9. 請求項7又は8の潤滑剤供給装置において、
    上記塗布手段は、上記ブラシが固形潤滑剤と潜像担持体表面の両方に接触するように構成され、該固形潤滑剤から削り取った粉体状の潤滑剤を潜像担持体表面に塗布するものであることを特徴とする潤滑剤供給装置。
  10. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の潤滑剤供給装置において、
    上記粉体状の潤滑剤を所定極性に帯電させる手段は、該粉体状の潤滑剤との摩擦帯電により該粉体状の潤滑剤を該所定極性に帯電させ得る該潤滑剤とは別の粉体を該粉体状の潤滑剤と摺擦させることにより、該粉体状の潤滑剤を該所定極性に帯電させるものであることを特徴とする潤滑剤供給装置。
  11. 請求項10の潤滑剤供給装置において、
    上記粉体状の潤滑剤を所定極性に帯電させる手段は、上記別の粉体として磁性体を用い、回転駆動するスリーブ状部材内に設けられた磁界発生手段の磁界によって該磁性体を該スリーブ状部材の表面に穂立ちさせ、これにより形成される磁気ブラシを固形潤滑剤に接触させることで該固形潤滑剤から上記粉体状の潤滑剤を削り取るとともに、該磁性体と該粉体状の潤滑剤とを摺擦させるものであることを特徴とする潤滑剤供給装置。
  12. 請求項11の潤滑剤供給装置において、
    上記粉体状の潤滑剤を所定極性に帯電させる手段は、上記磁気ブラシが上記固形潤滑剤と潜像担持体表面の両方に接触するように構成され、該固形潤滑剤から削り取った粉体状の潤滑剤を潜像担持体表面に塗布するものであることを特徴とする潤滑剤供給装置。
  13. 請求項1乃至12のいずれか1項に記載の潤滑剤供給装置において、
    帯電した粉体状の潤滑剤を潜像担持体表面上へ移動させるための電界を形成するための電界形成手段を有することを特徴とする潤滑剤供給装置。
  14. 請求項13の潤滑剤供給装置において、
    上記電界形成手段は、潜像担持体表面上の静電潜像が書き込まれた静電潜像部分と、潜像担持体表面上の静電潜像が書き込まれていない非静電潜像部分との両方に対して、帯電した粉体状の潤滑剤を移動させるための電界を形成することを特徴とする潤滑剤供給装置。
  15. 請求項13の潤滑剤供給装置において、
    上記電界形成手段は、潜像担持体表面上の静電潜像が書き込まれた静電潜像部分に対しては帯電した粉体状の潤滑剤を該静電潜像部分側へ移動させるための電界を形成し、潜像担持体表面上の静電潜像が書き込まれていない非静電潜像部分に対しては帯電した粉体状の潤滑剤を該非静電潜像部分から離れる側へ移動させるための電界を形成することを特徴とする潤滑剤供給装置。
  16. 請求項13の潤滑剤供給装置において、
    上記電界形成手段は、潜像担持体表面上の静電潜像が書き込まれていない非静電潜像部分に対しては帯電した粉体状の潤滑剤を該非静電潜像部分側へ移動させるための電界を形成し、潜像担持体表面上の静電潜像が書き込まれた静電潜像部分に対しては帯電した粉体状の潤滑剤を該静電潜像部分から離れる側へ移動させるための電界を形成することを特徴とする潤滑剤供給装置。
  17. 潜像担持体表面を一様に帯電処理した後に露光して静電潜像を書き込み、静電潜像部分にトナーを付着させて現像することにより潜像担持体表面上にトナー像を形成し、該トナー像を最終的に記録材へ転写することにより記録材上に画像を形成する画像形成装置において、
    潜像担持体表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置を有し、
    該潤滑剤供給装置として、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の潤滑剤供給装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
  18. 請求項17の画像形成装置において、
    潜像担持体表面上のトナー像を転写した後であって該潜像担持体表面から転写残トナーを除去するためのクリーニングを行う前の潜像担持体表面に対して、上記帯電した潤滑剤を上記潤滑剤供給装置により供給することを特徴とする画像形成装置。
  19. 請求項17の画像形成装置において、
    潜像担持体表面から転写残トナーを除去するためのクリーニングを行った後の潜像担持体表面に対して、上記帯電した潤滑剤を上記潤滑剤供給装置により供給することを特徴とする画像形成装置。
  20. 請求項17乃至19のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    上記潤滑剤供給装置として、請求項13乃至16のいずれか1項に記載の潤滑剤供給装置を用い、
    潜像担持体表面上の静電潜像が書き込まれた静電潜像部分及び潜像担持体表面上の静電潜像が書き込まれていない非静電潜像部分の少なくとも一方の電位を、潤滑剤供給前に検知する電位検知手段と、
    該電位検知手段の検知結果に基づいて、上記潤滑剤供給装置の上記電界形成手段が形成する電界を制御する制御手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
  21. 請求項20の画像形成装置において、
    上記制御手段は、所定の開始条件が満たされたときに、上記潜像担持体表面上に通常の画像形成プロセスにより所定の調整用静電潜像を書き込み、少なくとも該所定の調整用静電潜像の電位を上記電位検知手段で検知した結果に基づいて電界目標値を決定し、決定した電界目標値となるように上記電界形成手段が形成する電界を制御することを特徴とする画像形成装置。
  22. 請求項21の画像形成装置において、
    画像濃度調整用静電潜像を現像することにより得られる画像濃度調整用トナー像の濃度を検知するためのトナー濃度検知手段を有し、
    上記制御手段は、所定の画像濃度調整開始条件が満たされたときに、潜像担持体表面上に通常の画像形成プロセスにより所定の画像濃度調整用静電潜像を書き込み、該画像濃度調整用静電潜像を現像することにより得られる画像濃度調整用トナー像の濃度を上記トナー濃度検知手段で検知し、その検知結果に基づいて画像濃度調整処理を行うものであり、
    上記電位検知手段を、上記所定の画像濃度調整用静電潜像の電位を検知可能な位置に配置し、該所定の画像濃度調整用静電潜像を上記所定の調整用静電潜像として利用することを特徴とする画像形成装置。
  23. 請求項17乃至22のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    上記潤滑剤供給装置として、請求項13乃至16のいずれか1項に記載の潤滑剤供給装置を用い、
    当該画像形成装置の内部又は周囲の温度を検知する温度検知手段と、
    該温度検知手段の検知結果に基づいて、上記潤滑剤供給装置の上記電界形成手段が形成する電界を制御する制御手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
  24. 請求項17乃至23のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    上記潤滑剤供給装置として、請求項13乃至16のいずれか1項に記載の潤滑剤供給装置を用い、
    潜像担持体が駆動を開始してから駆動を終了するまでの間の画像形成枚数を計測するための計測手段と、
    該計測手段の計測結果に基づいて、上記潤滑剤供給装置の上記電界形成手段が形成する電界を制御する制御手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
  25. 請求項17乃至24のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    上記潤滑剤供給装置として、請求項13乃至16のいずれか1項に記載の潤滑剤供給装置を用い、
    潜像担持体表面上の静電潜像を構成する画素数を、潤滑剤供給前に検出するための画素数検出手段と、
    該画素数検出手段の検出結果に基づいて、上記潤滑剤供給装置の上記電界形成手段が形成する電界を制御する制御手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
  26. 潜像担持体表面を一様に帯電処理した後に露光して静電潜像を書き込み、静電潜像部分にトナーを付着させて現像することにより潜像担持体表面上にトナー像を形成し、該トナー像を最終的に記録材へ転写することにより記録材上に画像を形成する画像形成装置の潜像担持体表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給方法において、
    粉体状の潤滑剤を所定極性に帯電させた後に、静電潜像が書き込まれた後であって次回の画像形成工程における上記帯電処理を行う前の潜像担持体表面に対して、帯電した粉体状の潤滑剤を供給することを特徴とする潤滑剤供給方法。
  27. 潜像担持体表面を一様に帯電処理した後に露光して静電潜像を書き込み、静電潜像部分にトナーを付着させて現像することにより潜像担持体表面上にトナー像を形成し、該トナー像を最終的に記録材へ転写することにより記録材上に画像を形成する画像形成装置の潜像担持体表面に供給される潤滑剤であって、
    当該潤滑剤を所定極性に帯電させるための極性制御剤を含有することを特徴とする潤滑剤。
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