JP2010133501A - トルクリミッタ及び駆動力伝達装置 - Google Patents

トルクリミッタ及び駆動力伝達装置 Download PDF

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Abstract

【課題】好適なトルクリミッタを用いて、駆動力伝達装置においてトルクを逃がす部位を設ける。
【解決手段】駆動力伝達装置のトルクリミッタは、第一のカム面を有し、トルクが入力される第一の回転部材(11)と、第二のカム面を有し、前記第一の回転部材に対して同軸的に対向して設けられる第二の回転部材(13)と、前記第一の回転部材の前記第一のカム面と前記第二の回転部材の前記第二のカム面の間に介挿された複数のボール(15)と、第一の回転部材又は第二の回転部材を押し付けるためのバネ(17)と、を備え、第一のカム面と第二のカム面の少なくとも一方が、軸方向に略垂直な平面に沿って延在する複数の水平部(21)と、前記複数の水平部間に位置し前記複数の水平部に対して窪んだ複数の凹部(22)とを備えることを特徴とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、トルクリミッタ及び駆動力伝達装置に関する。
従来、駆動力伝達装置において、断続機構にワンウェイクラッチを使用したものがある(特許文献1、2参照)。この駆動力伝達装置は、車両の駆動状態に応じて、搭載した電動モータからのトルクを断続機構において断続してトルクの伝達経路を変える。
特開2007−71382号公報 特開2008−32163号公報
しかし、従来の駆動力伝達装置は、車両の走行中に急減速もしくは、サイドブレーキを引くと、トルクを逃がす部位が無いため問題となる。また、トルクを逃がす部位としてトルクリミッタを設けることが考えられるが、従来のトルクリミッタでは、カム半径に対する、カム面の傾斜角やカム溝数の影響が大きく、カムの回転部材と回転部材を押圧する皿バネの設計の自由度が低い。このため、駆動力伝達装置の大きさや設置個所の広さに応じてカム半径を変えた場合に、カム面の傾斜角、カム溝数や皿バネの荷重等も設計し直す必要が生じる。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、好適なトルクリミッタを用いて、駆動力伝達装置においてトルクを逃がす部位を提供することを目的とする。
駆動力伝達装置のトルクリミッタは、第一のカム面を有し、トルクが入力される第一の回転部材と、第二のカム面を有し、前記第一の回転部材に対して同軸的に対向して設けられる第二の回転部材と、前記第一の回転部材の前記第一のカム面と前記第二の回転部材の前記第二のカム面の間に介挿された複数のボールと、第一の回転部材又は第二の回転部材を押し付けるためのバネと、を備え、第一のカム面と第二のカム面の少なくとも一方が、軸方向に略垂直な平面に沿って延在する複数の水平部と、前記複数の水平部間に位置し前記複数の水平部に対して窪んだ複数の凹部とを備えることを特徴とする。
ボールの凹部への落込み深さを大きくすること無く、水平部の長さを調整して凹部の傾斜角を大きく取ることができ、カム推力を小さくできる。カムへの入力トルクに対し、カム推力を小さくできるので、バネ荷重も小さくでき、バネを小型化できる。また、ボールの数を減らすこと、もしくは、ボール径を下げることができる。さらに、水平部の長さを調整することにより、凹部の傾斜角、凹部の数に影響されること無く、カム半径、ボール径の設計自由度が増える。
以下では図面等を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る駆動力伝達装置を説明する。この駆動力伝達装置は、例えば、図1のような車両に用いられる。
図1は、駆動力伝達装置1を備えた電動モータ式4輪駆動車両を示す。この車両において、主動力源としてのエンジン2からの駆動力(トルク)は、トランスアクスル3とドライブシャフト4を介して、左右前輪5へ伝達される。副動力源としての電動モータ6からの駆動力は、減速機7を有する駆動力伝達装置1、およびドライブシャフト8を介して左右後輪9に伝達される。電動モータ6は、車両の前進4輪駆動走行時において、正方向に回転し、車両の後退4輪駆動走行時において、逆方向に回転し、車両の前進2輪駆動走行時において、停止する。
図2を参照すると、駆動力伝達装置1は、トルクリミッタ10と、伝達経路切換装置30、減速機7を有し、これらは、ケーシング70内に収納される。カム式のトルクリミッタ10には、電動モータ6からトルクが入力される。トルクリミッタ10は、電動モータ6と伝達経路切換装置30のワンウェイクラッチ31、32の間に設けられる。トルクリミッタ10からの出力トルクは、伝達経路切換装置30を介して、ディファレンシャルギヤ装置50等から構成される減速機7に伝達される。
電動モータ6からの入力トルクが制限値未満では、トルクリミッタ10は非作動状態であり、トルクリミッタ10を介して伝達経路切換装置30のワンウェイクラッチ31、32にトルクが伝達される。この場合、トルクリミッタ10の第一の回転部材11と第二の回転部材13は同じ回転速度で回転している。電動モータ6からの入力トルクが制限値以上になると、トルクリミッタ10は作動して、伝達経路切換装置30のワンウェイクラッチ31、32にトルクが伝達されることを防止する。この場合、第一の回転部材11と第二の回転部材13が互いに相対的に回転している。
前進ワンウェイクラッチ31は、内輪31aと、外輪31bと、これら内外輪間に介在させたスプラグ31cとよりなる。後退ワンウェイクラッチ32は、内輪32aと、外輪32bと、これら内外輪間に介在させたスプラグ32cとよりなる。なお、前進ワンウェイクラッチ31の外輪31bと後退ワンウェイクラッチ32の外輪32bは、一体的に形成されている。前進ワンウェイクラッチ31は、トルクリミッタ10から外輪31b、32bへ入力されるトルクが前進方向(正方向)のものである場合にロック(係合)状態となって、この前進方向の(正方向)トルクを内輪31aへ伝達する。また、後退ワンウェイクラッチ32は、トルクリミッタ10から外輪31b、32bへ入力されるトルクが後退方向(逆方向)のものである場合にロック状態となって、この後退方向(逆方向)の駆動力を内輪32aへ伝達する。
車両の前進4輪駆動走行時において、前進ワンウェイクラッチ31は係合する。この時、電動モータ6からのトルクが、前進ワンウェイクラッチ31、伝達経路切換装置30の出力軸35、ディファレンシャルギヤ装置50を介して左右後輪9を前進方向へ回転させる。車両の前進2輪駆動時において、電動モータ6は停止し、前進ワンウェイクラッチ31は非係合であるため、左右後輪9の前進方向への回転は出力軸35、ディファレンシャルギヤ装置50を介して内輪31aに伝達されるが、内輪31aは外輪31bに対して空転する。又、車両の前進2輪駆動時において、トルクカム機構33は、非係合であり、左右後輪9の前進方向への回転は後退ワンウェイクラッチ32の内輪32aに伝達されない。車両の後退4輪駆動時において、後退ワンウェイクラッチ32は係合する。この時、電動モータ6からのトルクが、後退ワンウェイクラッチ32、係合状態のトルクカム機構33、出力軸35、ディファレンシャルギヤ装置50を介して左右後輪9を後退方向へ回転させる。
トルクリミッタ10から伝達経路切換装置30にトルクが伝達されるとき、及び、伝達経路切換装置30からディファレンシャルギヤ装置50にトルクが伝達されるとき、トルクは増幅される。トルクリミッタ10の出力軸19に設けられた出力歯車と、前進/後進ワンウェイクラッチ31、32の外輪歯車の歯数比に応じて、トルクが増幅される。トルクは、伝達経路切換装置30の出力軸35に設けられた出力歯車37からディファレンシャルギヤ装置50のリングギア39に伝達される。減速機7は、ディファレンシャルギヤ装置50のリングギア39と伝達経路切換装置30の出力歯車37も含み、これらの歯数比に応じて、トルクが増幅される。トルクリミッタ10が、トルクが増幅されて大きくなる前段階の位置、即ち前進/後進ワンウェイクラッチ31、32と電動モータ6との間に設けられているため、トルクリミッタ10の入力トルク制限値を小さくすることができ、トルクリミッタ10のカム半径や皿バネ17の荷重を小さくできる。即ち、トルクリミッタ10を小型化できる。
なお、伝達経路切換装置30とディファレンシャルギヤ装置50の詳細は、特許文献2に記載されているため説明を省略する。
図3を参照して、トルクリミッタ10を詳細に説明する。図3にトルクリミッタ10の部分拡大図を示す。
トルクリミッタ10は、第一の回転部材(入力側回転部材)11と、第二の回転部材(出力側回転部材)13、複数のボール15と、皿バネ17と、出力軸19を具備する。第一の回転部材11は、電動モータ6に結合されトルクが入力される入力軸として機能する。第一の回転部材11と出力軸19は、軸受によりケーシング70に回転自在に支持される。第二の回転部材13は、第一の回転部材11に対して同軸的に対向して設けられ、第一の回転部材11と第二の回転部材13は、略同一の回転軸の周りで回転する。通常、この回転軸は、回転部材の軸16にも一致する。第一の回転部材11の端面28には、第一のカム溝(入力側カム溝)12が設けられ、第二の回転部材11の端面29には、第二のカム溝(出力側カム溝)14が設けられる。
第一の回転部材11の第一のカム溝12と第二の回転部材13の第二のカム溝14の間には、複数の球状のボール15が介挿される。ここで、ボール15が通過する第一の回転部材11の表面を第一のカム面と称し、ボール15が通過する第二の回転部材13の表面を第二のカム面と称する。第一と第二のカム溝12、14と複数のボール15が、カム機構を構成する。なお、必要に応じて、ボール15のカム機構からの脱落を防止するよう複数のボール15を穴部に保持する保持器を第一の回転部材11の端面28と第二の回転部材11の端面29の間に設けてもよい。保持器は、リング状の形状を有し、第一の回転部材11と第二の回転部材11と同軸に配置され、ボール15間の距離を一定に保つようにボール15を保持するものである。
トルクリミッタ10の出力軸19は、第一と第二の回転部材11、13に対して同軸的に設けられ、第一と第二の回転部材11、13を介して伝達されたトルクを伝達経路切換装置30側に出力する。リング状の第二の回転部材13の内周面は、歯が付けられ、出力軸19とスプライン結合する。従って、第二の回転部材13は出力軸19に対して軸方向に摺動可能である。リング状の皿バネ17には、出力軸19の先端部が貫通する。皿バネ17は、第二の回転部材13と出力軸19の袴部20との間に介挿され、第二の回転部材13をボール15側に押し付ける。出力軸19からのトルクは、伝達経路切換装置30の前進ワンウェイクラッチ31又は後進ワンウェイクラッチ32に入力され、伝達経路切換装置30からディファレンシャルギヤ装置50に伝達される。
次に、図4、図5を参照して、カム溝又はカム面の形状について説明する。図4は、第一又は第二の回転部材11、13の概略端面図を示す。図5は、カム溝の半径方向内の底部を通る断面(図4の一点鎖線)での、カム機構の円周方向の断面図を示す。ここでは、第一の回転部材11の第一のカム溝12と第二の回転部材13の第二のカム溝14は、同形とする。
通常、第一と第二のカム溝12、14は、図6に示す形状であるが、本実施形態では、水平部21をもった図5に示す形状としている。第一と第二のカム溝12、14(又は第一と第二のカム面)は、それぞれ、軸16の方向に略垂直な平面に沿って延在する複数の水平部21、及び、複数の水平部21間に位置する複数の凹部22を備える。本実施形態では、複数の水平部21は、軸16に対して略円周方向に沿って延在している。凹部22は、水平部21より溝深さdが深く、水平部21対して窪んでいる。第一と第二のカム溝12、14の半径方向の断面は、簡単のため矩形として説明するが、U字形状、円弧状等の他の形状であってもよい。本実施形態では、凹部22は、対向する2つの傾斜部23から構成される。傾斜部23は、円周方向に対する傾斜角(カム角)としてゼロでない角度θを有する。このため、凹部22の最深部に向かって、溝深さdが増加する。
電動モータ6からトルクリミッタ10へ入力される入力トルクが制限値未満では、トルクリミッタ10は非作動状態である。この時、皿バネ17の荷重により、各ボール15は凹部22内で軸方向の最下位置で固定されており、第一の回転部材11と第二の回転部材13は同じ回転速度で回転し、第一の回転部材11から第二の回転部材13へトルクが伝達される。電動モータ6からの入力トルクが制限値以上になると、トルクリミッタ10は作動状態になる。この時、各ボール15は、凹部22内で最下位置から凹部22の外部に向かって傾斜部23を転動して移動する。このため、第一の回転部材11と第二の回転部材13が互いに相対的に回転し、第一の回転部材11から第二の回転部材13へトルクが伝達されなくなる。
図7を参照して、トルクリミッタ10が作動する条件を説明する。図7は、カム機構の釣り合いを示す。トルクリミッタ10への作動開始時の入力トルクをT1、カム半径をLc、カム溝のカム角をθ、皿バネ初期荷重をFsとすると、トルクリミッタ10の作動開始時には、下記の数式(1)の条件を満たす必要がある。
T1/(Lc×tanθ)> Fs ・・・・・・(1)
なお、カム半径とは、第一の回転部材11又は第二の回転部材13において、その軸16からボール15の中心(又は、カム溝の半径方向の中心)までの距離である。また、式(1)の左辺は、カム機構の推力(スラスト荷重)を表す。
トルクリミッタ10への最大作動時の入力トルクをT2、ボールの落込み深さをh、皿バネ許容撓み最大値をt、皿バネ最大撓み時の皿バネ荷重をFs_maxとすると、トルクリミッタ最大作動時(ボール15が凹部22を越える時)には、下記の数式(2)(3)の条件を満たす必要がある。
t≧2×h ・・・・・・(2)
T2/(Lc×tanθ)≦Fs_max ・・・・・・(3)
ここで、ボールの落込み深さhとは、ボール15が凹部内で最下位置にある時のボール15の軸方向最下表面と、カム溝の水平部21における底部との間の距離である。
カム溝形状を図5の形状にして水平部21を設けることで、ボールの落込み深さhを維持して大きくすること無く、カム角θを大きく取ることができる。従って、カム機構への入力トルクに対し、カム推力を小さくできるので、皿バネ荷重も小さくでき、皿バネを小型化できる。また、凹部やボールの数を減らすこと、もしくは、ボール径を下げることができる。更に凹部の数もしくは、ボール数が減ることで、トルクリミッタ最大作動時にボールが、カム山(水平部)を乗り越える数が減るので、振動、騒音を低減できる。また、カム溝に水平部を持つことで、カム角、凹部の数に影響されること無く、カム半径、ボール径の設計自由度が増える。
なお、上記において、第一のカム溝12と第二のカム溝14は、同形であるが、これに限定されるものではなく、第一のカム溝12と第二のカム溝14は異なる形状とすることもできる。即ち、カム溝又はカム面の一方のみに水平部を設けてもよい。
作用効果
第一のカム溝(カム面)と第二のカム溝(カム面)の少なくとも一方が、軸方向に略垂直な平面に沿って延在する複数の水平部と、前記複数の水平部間に位置して前記複数の水平部に対して窪んだ(水平部より溝深さの深い)複数の凹部とを備える。これにより、ボールの凹部への落込み深さを大きくすること無く、凹部のカム角(傾斜角)θを大きく取ることができ、カム推力を小さくできる。カム機構への入力トルクに対し、カム推力を小さくできるので、皿バネ荷重も小さくでき、皿バネを小型化できる。また、ボールの数を減らすこと、もしくは、ボール径を下げることができる。さらに、カム面のカム角θ、凹部の数に影響されること無く、水平部の長さを調整することにより、カム半径、ボール径の設計自由度が増える。
このような小型化可能なカム機構を有するトルクリミッタを前進/後進ワンウェイクラッチと電動モータとの間に設けることにより、トルクリミッタのトルク制限値が小さくても良くなるため、さらにトルクリミッタの小型化を進めることができる。
<第1実施形態の変形例>
図8において、第1実施形態の変形例を示す。図3において、皿バネ17は、第二の回転部材13と出力軸19の袴部20との間に介挿され、第二の回転部材13をボール15側に押しつける構成とした。しかし、トルクリミッタの構成を部材の配置を他のものにしてもよい。例えば、図8のように、第一の回転部材11を入力軸25と分離して設けて、皿バネ17は、第一の回転部材11と入力軸25の袴部26との間に介挿され、第一の回転部材11をボール15側に押しつける構成としてもよい。この変形例でも、第1実施形態の作用効果が得られる。
<第2実施形態>
図9を参照して、第2実施形態を説明する。なお以下では前述した内容と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して重複する説明を適宜省略する。
第2実施形態では、カム溝又はカム面の凹部22の数を、ボール15の数より多くする。第1実施形態に対し、水平部21の長さを短くし、水平部21の間にカム溝を設ける。このカム溝形状にすることにより、ボール数に対し、凹部22の数を多くできる。他の構成は、第1実施形態と同様である。
第2実施形態では、一ヶ所の凹部の使用頻度が減るので、カム溝の耐久性が向上する。これにより、第一と第二の回転部材11、13に強度、耐久性が低い(コストが安い)材料を使用できる。さらに、第一実施形態と同様に、カム溝に水平部を持つことで、カム角、凹部の数に影響されること無く、カム円周径、ボール径の設計自由度が増える。
<第3実施形態>
図10を参照して、第3実施形態を説明する。なお以下では前述した内容と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して重複する説明を適宜省略する。
第1実施形態では、カム溝の一部として溝状の水平部を設ける構成としたが、第3実施形態では、溝状の水平部でなく単なる水平面として水平部41を設ける。第一の回転部材の水平な端面28又は第二の回転部材の水平な端面29の一部は、そのままカム面の水平部41になっている。このように、第一の回転部材11上でボール15が通過する第一のカム面、及び、第二の回転部材13上でボール15が通過する第二のカム面は、水平部(水平面)41と複数の凹部42を備える。水平部(水平面)41は、軸方向に略垂直な平面に沿って延在する。複数の凹部42は、複数の水平部41間に位置し、複数の水平部41に対して窪んだ形状を取る。
なお、水平面41上にボールが移動したときにボールが脱落するのを防止するため、図11のようにトルクリミッタ10のカム機構に、複数のボール15を保持するリング状の保持器43を適宜設けることが好ましい。
第3実施形態でも、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。その他、カム面の水平部41として、第一の回転部材の水平な端面28又は第二の回転部材の水平な端面29の一部をそのまま利用するため、カム面の形成が容易になる。
以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれることが明白である。
例えば、カム機構に荷重を与える部品として皿バネ17を例に挙げているが、コイルバネなど、荷重を与えられて軸方向にストロークできる部品(弾性体)を代わりに使用してもよい。また、実施形態では、駆動力伝達装置は、クラッチ機構としてワンウェイクラッチを有するが、ツーウェイクラッチなど他のクラッチを有しても良い。
駆動力伝達装置を搭載した車両の概略構成図である。 第1実施形態に係る駆動力伝達装置の断面側面図である。 第1実施形態に係るトルクリミッタの部分拡大図である。 第1実施形態に係る回転部材の概略端面図である。 第1実施形態に係るカム機構の円周方向断面図である。 従来のカム機構の円周方向断面図である。 トルクリミッタの作動条件を説明する図である。 第1実施形態の変形例に係るトルクリミッタの部分拡大図である。 第2実施形態に係るカム機構の円周方向断面図である。 第3実施形態に係る回転部材の概略端面図である。 第3実施形態に係るカム機構の円周方向断面図である。
符号の説明
1 駆動力伝達装置
10 トルクリミッタ
11 第一の回転部材
12 第一のカム溝(第一のカム面)
13 第二の回転部材
14 第二のカム溝(第二のカム面)
15 ボール
17 バネ(皿バネ)
21 水平部
22 凹部
31 前進ワンウェイクラッチ
32 後退ワンウェイクラッチ
41 水平部(水平面)
42 凹部

Claims (4)

  1. 第一のカム面を有し、トルクが入力される第一の回転部材と、
    第二のカム面を有し、前記第一の回転部材に対して同軸的に対向して設けられる第二の回転部材と、
    前記第一の回転部材の前記第一のカム面と前記第二の回転部材の前記第二のカム面の間に介挿された複数のボールと、
    第一の回転部材又は第二の回転部材を押し付けるためのバネと、を備え、
    第一のカム面と第二のカム面の少なくとも一方が、軸方向に略垂直な平面に沿って延在する複数の水平部と、前記複数の水平部間に位置し前記複数の水平部に対して窪んだ複数の凹部とを備えることを特徴とする、駆動力伝達装置のトルクリミッタ。
  2. 第一のカム溝を有し、トルクが入力される第一の回転部材と、
    第二のカム溝を有し、前記第一の回転部材に対して同軸的に対向して設けられる第二の回転部材と、
    前記第一の回転部材の前記第一のカム溝と前記第二の回転部材の前記第二のカム溝の間に介挿された複数のボールと、
    第一の回転部材又は第二の回転部材を押し付けるためのバネと、を備え、
    第一のカム溝と第二のカム溝の少なくとも一方が、軸方向に略垂直な平面に沿って延在する複数の水平部と、前記複数の水平部間に位置し前記複数の水平部より溝深さの深い複数の凹部とを備えることを特徴とする、駆動力伝達装置のトルクリミッタ。
  3. 前記複数の凹部の数が、前記ボールの数より多いことを特徴とする請求項1又は2に記載のトルクリミッタ。
  4. モータからトルクが入力される駆動力伝達装置であって、
    請求項1又は2に記載のトルクリミッタと、
    前記モータから前記トルクリミッタを介してトルクが伝達されるクラッチと、
    前記クラッチから伝達されるトルクを増幅する減速機と、を備え、
    前記トルクリミッタが、前記クラッチと前記モータとの間に設けられていることを特徴とする駆動力伝達装置。
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