JP2010133259A - 触媒温度制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】触媒を効率的に冷却し、エミッションの低減を図ることができる触媒温度制御装置を提供すること。
【解決手段】エンジン3から排出される排気ガスを浄化する触媒30の温度が高過ぎる場合に触媒30を冷却する触媒温度制御装置1に、触媒30の温度を取得する触媒温度取得部42と、触媒温度取得部42で取得した触媒30の温度が所定の閾値以上の場合に、排気ガスが触媒30に流入する際におけるエンジン3が複数有する気筒10ごとの排気ガスの偏流度に基づいて、気筒10内に供給する燃料の噴射量の気筒10ごとの増量係数を算出する燃料増量係数算出部44と、エンジン3の要求出力に応じて燃料の噴射量を算出すると共に、触媒温度取得部42で取得した触媒30の温度が所定の閾値以上の場合には、燃料増量係数算出部44で算出した増量係数を反映して燃料の噴射量を算出する燃料噴射量算出部45と、を備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、触媒温度制御装置に関するものである。特に、この発明は、触媒の温度が高くなり過ぎた場合に、触媒を冷却する触媒温度制御装置に関するものである。
従来の内燃機関では、排気温度が上昇する高負荷運転領域では排気ガスを浄化する触媒等の排気系部品が過熱して劣化し易くなるため、これを防止するために、高負荷運転領域では燃料の噴射量を増量して排気温度を低下させているものがある。例えば、特許文献1に記載のエンジンの燃料噴射制御装置では、排気温度の閾値として、排気系構成品に熱害を及ぼさないとみなし得る第1の閾値と、第1の閾値よりも温度が高く、排気系構成品への熱害が懸念される第2の閾値とを設定し、排気温度が第1の閾値以下のときは燃料増量を禁止し、排気温度が第1の閾値と第2の閾値との間のときは燃料を漸次増量補正し、排気温度が第2の閾値よりも高いときはエンジンの運転状態に基づいて燃料の増量補正を行っている。
このように、排気系部品の温度を低下させることを目的として燃料を増量する際に、排気温度の閾値を設定し、排気温度と閾値の関係とに応じて燃料を増量させる制御を異ならせることにより、不要な燃料増量を招くことなく、確実に排気系の過熱を防止することができる。
特開2003−65111号公報
ここで、排気ガスが流れる排気通路は、内燃機関が複数の気筒を有している場合は、各気筒に接続される複数の排気通路が接続されて1つの通路に集合しているものが多くなっており、排気ガスを浄化する触媒は、排気通路における、この集合した通路に設けられている場合が多い。これにより、触媒には、複数の気筒の燃焼の順序と同じ順序で、各気筒から排出された排気ガスが順番に流れる。
しかしながら、各気筒から排出される排気ガスは、排気通路の形状や気筒間の排気の干渉等により、触媒に流れる際における状態が異なっている場合がある。つまり、触媒に流れる排気ガスは、触媒に対して均一な状態で流れずに偏った状態で流れ、その際の偏流の度合いが、気筒ごとに異なっている場合がある。
このように、触媒に流れる排気ガスが気筒ごとに異なっている場合において、触媒を冷却することを目的として燃料噴射量を増量する場合、必要以上に燃料を増量する場合があり、効率的な触媒の冷却が行われない場合がある。このように、効率的に触媒の冷却が行われない状態で触媒の冷却を行った場合、必要以上に燃料を増量するので、燃費の悪化を招いたり、エミッションの悪化を招いたりする場合があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、触媒を効率的に冷却し、エミッションの低減を図ることができる触媒温度制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明に係る触媒温度制御装置は、内燃機関から排出される排気ガスを浄化する触媒の温度を取得する触媒温度取得手段と、前記触媒温度取得手段で取得した前記触媒の温度が所定の閾値以上の場合に、前記排気ガスが前記触媒に流入する際における前記内燃機関が複数有する気筒ごとの前記排気ガスの偏流度に基づいて、前記気筒内に供給する燃料の噴射量の前記気筒ごとの増量係数を算出する燃料増量係数算出手段と、前記内燃機関の要求出力に応じて前記燃料の噴射量を算出すると共に、前記触媒温度取得手段で取得した前記触媒の温度が所定の閾値以上の場合には、前記燃料増量係数算出手段で算出した前記増量係数を反映して前記燃料の噴射量を算出する燃料噴射量算出手段と、を備えることを特徴とする。
また、この発明に係る触媒温度制御装置は、内燃機関から排出される排気ガスを浄化する触媒の温度を取得する触媒温度取得手段と、前記触媒温度取得手段で取得した前記触媒の温度が所定の閾値以上の場合に、前記排気ガスが前記触媒に流入する際における前記内燃機関が複数有する気筒ごとの前記排気ガスの偏流度に基づいて、前記気筒ごとの吸気バルブの開度の補正量を算出するバルブ開度補正量算出手段と、前記内燃機関の要求出力に応じて前記吸気バルブの開度を算出すると共に、前記触媒温度取得手段で取得した前記触媒の温度が所定の閾値以上の場合には、前記バルブ開度補正量算出手段で算出した前記補正量を反映して前記吸気バルブの開度を算出するバルブ開度算出手段と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る触媒温度制御装置は、触媒を効率的に冷却し、エミッションの低減を図ることができる、という効果を奏する。
以下に、本発明に係る触媒温度制御装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、本発明の実施例1に係る触媒温度制御装置を備えるエンジンの概略図である。同図に示す触媒温度制御装置1は、内燃機関であるエンジン3に備えられており、このエンジン3は、複数の気筒10を有している。この複数の気筒10は、エンジン3の出力軸として設けられるクランクシャフト(図示省略)から見て気筒10が2方向に向けて形成されており、このように形成された気筒10を有する当該エンジン3は、いわゆるV型のエンジン3となっている。このV型のエンジン3は、3つの気筒10が1つの組となって構成される気筒群であるバンク5を有しており、このバンク5が2つ設けられている。即ち、当該エンジン3は、6つの気筒10を有している。この2つのバンク5のうち、一方のバンク5は第1バンク6となっており、他方のバンク5は第2バンク7となっている。これらのそれぞれのバンク5に設けられる3つの気筒10は、それぞれ1列に配設されている。
このように設けられる6つの気筒10のうち、第1バンク6に設けられる気筒10は、端から順に、第1気筒11、第3気筒13、第5気筒15になっている。また、第2バンク7に設けられる気筒10は、端から順に、第2気筒12、第4気筒14、第6気筒16になっている。また、これらの気筒10は、クランクシャフトの軸方向における位置が、第1気筒11と第2気筒12、第3気筒13と第4気筒14、第5気筒15と第6気筒16で、ほぼ同じ位置になっている。
また、複数形成される気筒10のそれぞれの気筒10には、吸気通路21と排気通路22とが接続されおり、この吸気通路21と排気通路22とは、それぞれ複数設けられる気筒10に対応して分岐している。詳しくは、吸気通路21は、複数の気筒10に対応して分岐し、各気筒10に接続されている。
また、排気通路22は、吸気通路21と同様に各気筒10に接続されている。即ち、排気通路22は、吸気通路21と同様に各気筒10に対応して複数に分岐し、分岐した排気通路22は各気筒10に接続されている。さらに、この排気通路22は、第1バンク6が有する気筒10に接続される排気通路22同士が集合して1つの通路になり、第2バンク7が有する気筒10に接続される排気通路22同士が集合して1つの通路になっている。
これらのように設けられる吸気通路21と排気通路22とのうち、吸気通路21と気筒10との接続部分には吸気バルブ(図示省略)が設けられており、排気通路22と気筒10との接続部分には排気バルブ(図示省略)が設けられている。これらの吸気バルブ及び排気バルブは、共に往復運動をすることにより、吸気通路21と気筒10、または排気通路22と気筒10とを連通または遮断するように設けられている。
また、各気筒10には、それぞれ気筒10内の燃料に対して点火する点火プラグ(図示省略)が設けられている。即ち、このエンジン3は、点火プラグを有し、ガソリンを燃料とするレシプロ式の火花点火式内燃機関となっている。なお、エンジン3は、これ以外の形態であってもよい。エンジン3は、例えば、LPG(Liquefied Petroleum Gas:液化石油ガス)やアルコールを燃料とする火花点火式内燃機関であってもよく、いわゆるロータリー式の火花点火式内燃機関であってもよい。または、点火プラグが設けられておらず、軽油を燃料とするレシプロ式の圧縮点火内燃機関であるディーゼルエンジンであってもよい。
また、吸気通路21には、エンジン3の運転時に使用される燃料を吸気通路21内に噴射する燃料供給手段であるインジェクタ25が設けられている。このインジェクタ25は、吸気通路21における、複数の気筒10に対応して分岐している部分に設けられている。即ち、インジェクタ25は、気筒10ごとに設けられている。このように設けられるインジェクタ25は、エンジン3の運転時に吸気通路21内に燃料を噴射することにより、気筒10に対して燃料を供給可能に設けられている。
また、排気通路22には、排気通路22を流れる排気ガスを浄化する排気ガス浄化手段である触媒30が設けられている。この触媒30は、第1バンク6が有する気筒10に接続される排気通路22同士が集合して1つの通路になっている部分と、第2バンク7が有する気筒10に接続される排気通路22同士が集合して1つの通路になっている部分とに設けられている。即ち、触媒30は、バンク5ごとに設けられている。また、このようにバンク5ごとに設けられたそれぞれの触媒30には、触媒30の温度を検出可能な触媒温度検出手段である触媒温度センサ31が設けられている。
これらのように設けられるインジェクタ25及び触媒温度センサ31は、当該エンジン3を搭載する車両(図示省略)の各部を制御するECU(Electronic Control Unit)40に接続されており、ECU40によって制御可能に設けられている。
図2は、図1に示す触媒温度制御装置の要部構成図である。ECU40には、処理部41、記憶部50及び入出力部51が設けられており、これらは互いに接続され、互いに信号の受け渡しが可能になっている。また、ECU40に接続されているインジェクタ25及び触媒温度センサ31は、入出力部51に接続されており、入出力部51は、これらのセンサ類等との間で信号の入出力を行う。また、記憶部50には、エンジン3を制御するコンピュータプログラムが格納されている。この記憶部50は、ハードディスク装置や光磁気ディスク装置、またはフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ(CD−ROM等のような読み出しのみが可能な記憶媒体)や、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、或いはこれらの組み合わせにより構成することができる。
また、処理部41は、メモリ及びCPU(Central Processing Unit)により構成されており、少なくとも、触媒温度センサ31での検出結果より触媒30の温度を取得する触媒温度取得手段である触媒温度取得部42と、触媒温度取得部42で取得した触媒30の温度が所定の閾値以上であるか否かに基づいて、気筒10内に供給する燃料の増量要求があるか否かを判定する燃料増量判定手段である燃料増量判定部43と、燃料増量判定部43による判定で燃料の増量要求があると判定された場合に、排気ガスが触媒30に流入する際における気筒10ごとの排気ガスの偏流度に基づいて、気筒10内に供給する燃料の噴射量の気筒10ごとの増量係数を算出する燃料増量係数算出手段である燃料増量係数算出部44と、エンジン3の要求出力に応じてインジェクタ25から噴射する燃料の噴射量を算出すると共に、燃料増量判定部43による判定で燃料の増量要求があると判定された場合には、燃料増量係数算出部44で算出した増量係数を反映して燃料の噴射量を算出する燃料噴射量算出手段である燃料噴射量算出部45と、インジェクタ25を制御することにより、燃料噴射量算出部45で算出した燃料の噴射量をインジェクタ25から噴射させる燃料噴射量制御手段である燃料噴射量制御部46と、気筒10ごとに燃料の噴射量を算出する際に算出する気筒10を決定する算出気筒決定手段である算出気筒決定部47と、を有している。
ECU40によって制御されるエンジン3の制御は、例えば、触媒温度センサ31等による検出結果に基づいて、処理部41が上記コンピュータプログラムを当該処理部41に組み込まれたメモリに読み込んで演算し、演算の結果に応じてインジェクタ25等を作動させることにより制御する。その際に処理部41は、適宜記憶部50へ演算途中の数値を格納し、また格納した数値を取り出して演算を実行する。なお、このようにエンジン3を制御する場合には、上記コンピュータプログラムの代わりに、ECU40とは異なる専用のハードウェアによって制御してもよい。
この実施例1に係る触媒温度制御装置1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。触媒温度制御装置1を備えるエンジン3の運転中は、各気筒10に内設されるピストン(図示省略)が気筒10内で往復運動を繰り返すことにより、吸気行程、圧縮行程、燃焼行程、排気行程を1つのサイクルとしてこのサイクルを繰り返す。つまり、エンジン3の運転中は要求出力に応じた燃料をインジェクタ25から噴射し、吸気行程で燃料と空気との混合気を吸気通路21から気筒10内に吸気する。圧縮行程では、吸気された混合気をピストンの運動により圧縮し、圧縮行程で圧縮した混合気を、燃焼行程で点火する。燃焼後のガスは、排気行程で排気ガスとして気筒10内から排気通路22に排気する。また、これらの行程は、気筒10間で異なるタイミング、或いは行程になるように設定されている。
このように、気筒10内で各行程が繰り返されることにより作動するピストンの往復運動は、回転運動に変換されてクランクシャフトに伝達される。これによりクランクシャフトは回転し、このクランクシャフトの回転が外部に伝達されることにより、エンジン3の動力は出力される。
また、エンジン3の運転時に気筒10内から排出された排気ガスは、排気通路22を流れるが、排気通路22には、触媒30が設けられている。このため、排気通路22を流れる排気ガスは、触媒30に流入し、触媒30を通過する。この触媒30は、排気ガスを浄化する機能を有しているため、触媒30を通過する排気ガスは、通過時に触媒30により浄化される。触媒30によって浄化された排気ガスは、排気通路22を流れる排気ガスの流れ方向における触媒30の下流側に流れ、消音装置(図示省略)で消音された後、大気中に排出される。
また、このように排気ガスが触媒30を通過した場合、通過時に排気ガスの熱が触媒30に伝達され、触媒30の温度は上昇する。このように、排気ガスから熱が伝達されることにより温度が上昇する触媒30の温度は、触媒温度センサ31で検出し、ECU40の処理部41が有する触媒温度取得部42に伝達される。触媒温度取得部42は、触媒温度センサ31から伝達された検出結果より、触媒30の温度を取得する。
触媒温度取得部42で取得した触媒30の温度は、ECU40の処理部41が有する燃料増量判定部43に伝達され、燃料増量判定部43は、触媒温度取得部42から伝達された触媒30の温度が所定の閾値以上であるか否かを判定し、触媒30の温度が所定の閾値以上であると判定した場合には、ECU40の処理部41が有する燃料増量係数算出部44で燃料の噴射量の増量係数を算出する。さらに、ECU40の処理部41が有し、インジェクタ25から噴射する燃料の噴射量を算出する燃料噴射量算出部45は、燃料増量係数算出部44で算出した燃料の噴射量の増量係数を反映して燃料の噴射量を算出する。
ECU40の処理部41が有する燃料噴射量制御部46は、インジェクタ25を制御し、燃料噴射量算出部45で算出した燃料の噴射量をインジェクタ25から噴射させることにより、インジェクタ25から噴射する燃料を、触媒30の温度が閾値未満である場合と比較して増量する。このように燃料を増量し、燃料の噴射量を理論空燃比となる噴射量以上にした場合、燃料が燃焼することによって上昇する燃焼ガスの温度が燃料の気化潜熱で低下するので、これに伴い排気ガスの温度も低下する。これにより、この排気ガスが流れ、排気ガスの熱が伝達される触媒30の温度も低下する。
ここで、エンジン3の運転時には、このように排気通路22を流れる排気ガスが触媒30に流れるが、排気通路22は複数設けられる気筒10に応じて分岐して各気筒10に接続されており、エンジン3の運転時における行程は、気筒10間でタイミングが異なっている。このため、排気ガスが排気通路22に排出されるタイミングも気筒10間で異なっており、これにより、触媒30には、各気筒10から排出された排気ガスが、異なるタイミングで流れる。例えば、第1バンク6に設けられる気筒10に接続される排気通路22には、第1気筒11、第3気筒13、第5気筒15から排出された排気ガスが流れるため、この排気通路22に設けられる触媒30には、これらの気筒10から排出された排気ガスが流れるが、その際に、第1気筒11、第3気筒13、第5気筒15から排出された排気ガスは、異なるタイミングで流れる。
図3−1〜図3−3は、図1のA−A断面図であり、触媒に流入する排気ガスの偏流度の一例を示している。このうち、図3−1は、第1気筒から排出される排気ガスの偏流度、図3−2は、第3気筒から排出される排気ガスの偏流度、図3−3は、第5気筒から排出される排気ガスの偏流度を示している。また、各気筒10から触媒30までの排気通路22の形状は、気筒10間で同じ形状にはなっておらず、また、排気通路22には、複数の気筒10から異なるタイミングで排気ガスが排出されるため、排気時に排気ガス同士が干渉する場合がある。このため、各気筒10から排出される排気ガスは、排気通路22内を流れる際の流れ方が異なっており、これにより、各気筒10から排出された排気ガスが触媒30に流入する場合、排気ガスの流れ方向に直交する方向の断面において濃度が偏った状態で流入する。つまり、各気筒10から排気通路22に排出され、排気通路22を流れる排気ガスは、気筒10ごとに偏りの箇所や偏りの度合いが異なっている。このため、排気ガスは気筒10ごとに異なって偏流した状態で排気通路22内を流れ、偏流した状態で触媒30に流入する。
例えば、第1気筒11、第3気筒13、第5気筒15から排出され、触媒30に流れる場合について説明すると、第1気筒11から排出され、触媒30に流入する排気ガスは、図3−1に示すように、排気ガスの流れ方向に直交する方向の断面における温度分布が大きく偏っており、温度が局所的に高くなっている。なお、図3−1〜図3−3中の各曲線は等温度線となっており、隣り合う等温度線同士の間の領域は、領域内における温度が同程度であることを示しており、等温度線を跨いで隣り合う領域同士は、温度が異なっていることを示している。このように、第1気筒11から排出されて触媒30に流入する排気ガスは、大きく偏流しており、偏流度が高くなっている。
また、第3気筒13から排出され、触媒30に流入する排気ガスは、図3−2に示すように、第1気筒11から排出される排気ガスよりも温度分布の偏りが小さくなっており、第1気筒11から排出される排気ガスよりも偏流度が低くなっている。また、第5気筒15から排出され、触媒30に流入する排気ガスは、図3−3に示すように、第1気筒11及び第3気筒13から排出される排気ガスよりも温度分布の偏りがさらに小さくなっており、第1バンク6に設けられる気筒10の中では、排気ガスの偏流度が最も低くなっている。
触媒30に流入する排気ガスは、このように排気ガスを排出する気筒10ごとに偏流度が異なっているが、触媒30の温度が所定の閾値以上であることにより、インジェクタ25から噴射する燃料を増量する場合には、偏流度に応じて気筒10ごとに増量の度合いを異ならせる。具体的には、排気ガスの偏流度が低い気筒10に燃料を供給するインジェクタ25から噴射する燃料は、増量の度合いを大きくし、排気ガスの偏流度が高い気筒10に燃料を供給するインジェクタ25から噴射する燃料は、増量の度合いを小さめにする。即ち、排気ガスの偏流度が低い気筒10になるに従って、インジェクタ25から噴射する燃料の増量の度合いを大きくする。
図4は、実施例1に係る触媒温度制御装置の処理手順を示すフロー図である。次に、実施例1に係る触媒温度制御装置1で触媒30の温度を制御する場合における制御方法、即ち、触媒30の温度を制御する場合における処理手順について説明する。この処理手順では、まず、燃料増量要求があるか否かを判定する(ステップST101)。この判定は、ECU40の処理部41が有する燃料増量判定部43で行う。燃料増量判定部43は、触媒温度センサ31での検出結果より触媒温度取得部42で取得した触媒30の温度が所定の閾値以上であるか否かを判定し、触媒温度取得部42で取得した触媒30の温度が所定の閾値以上の場合には、触媒30を冷却するための燃料増量要求があると判定する。
なお、この判定に用いる触媒30の温度の閾値は、触媒30の温度が高くなり過ぎることにより生じる触媒30の劣化等の不具合が発生し易くなるか否かを判定する温度の閾値として予め設定され、ECU40の記憶部50に記憶されている。燃料増量判定部43での判定により、触媒温度取得部42で取得した触媒30の温度が所定の閾値未満であり、燃料増量要求はないと判定された場合には、この処理手順から抜け出る。
これに対し、燃料増量判定部43での判定(ステップST101)により、燃料増量要求があると判定した場合には、次に、気筒10を示す変数nに1を代入する(ステップST102)。この代入は、ECU40の処理部41が有する算出気筒決定部47で行う。算出気筒決定部47は、制御を行う気筒10を示す変数として設定されるnに1を代入する。即ち、算出気筒決定部47は、n=1を実行し、1を代入したnを記憶部50に記憶する。
次に、#n気筒の増量係数Kcylnを算出する(ステップST103)。この算出は、ECU40の処理部41が有する燃料増量係数算出部44で算出する。燃料増量係数算出部44は、車両の走行中の他の制御で用いられるエンジン3の回転数と負荷とを取得し、取得した回転数と負荷とを用いて、予めECU40の記憶部50に記憶されている増量係数Kcylnのマップを参照することにより、増量係数Kcylnを算出する。なお、この増量係数Kcylnのマップは、気筒10ごとに、エンジン3の回転数と負荷とに対する増量係数Kcylnが気筒10の偏流度に基づいて予め設定されて記憶部50に記憶されている。
燃料増量係数算出部44で増量係数Kcylnを算出する場合は、エンジン3の回転数と負荷を用いて、#n気筒用のエンジン3の回転数と負荷とに対する増量係数Kcylnのマップを参照することにより、#n気筒の増量係数Kcylnを算出する。その際に、記憶部50に記憶されたマップでは、偏流度が高い気筒10ほど、エンジン3の回転数と負荷とに対する増量係数Kcylnが大きくなっているため、偏流度が高い気筒10ほど、燃料増量係数算出部44で算出する増量係数Kcylnは大きくなる。
次に、燃料増量係数算出部44で算出した増量係数Kcylnを、燃料の噴射量に反映する(ステップST104)。この増量係数Kcylnの反映は、ECU40の処理部41が有する燃料噴射量算出部45で行う。燃料噴射量算出部45は、アクセルペダル(図示省略)の開度等に基づいて、エンジン3で要求出力を発生するのに必要となる気筒10ごとの燃料の噴射時間を燃料の噴射量tauとして算出し、この噴射量tauに増量係数Kcylnを乗ずることにより、増量係数Kcylnを反映する。つまり、燃料噴射量算出部45は、噴射量tau_n=tau×Kcylnを演算し、燃料増量要求がある場合における#n気筒の燃料の噴射量tau_nを算出する。
次に、n=気筒数であるか否かを判定する(ステップST105)。この判定は、算出気筒決定部47で行う。算出気筒決定部47は、記憶部50に記憶され、気筒10を示す変数nが、エンジン3の気筒数であるか否かを判定する。例えば、実施例1に係る触媒温度制御装置1が備えられるエンジン3は、気筒数は6であるため、この場合は、算出気筒決定部47はn=6であるか否かを判定する。n=気筒数であると判定された場合には、この処理手順から抜け出る。
これに対し、算出気筒決定部47での判定(ステップST105)により、n=気筒数ではないと判定された場合には、n=n+1を演算する(ステップST106)。この演算は、増量した燃料の噴射量を算出した気筒10とは別の気筒10の燃料の噴射量を演算するために算出気筒決定部47でn=n+1を演算し、気筒10を示す変数nの値を変更する。
n=n+1を演算した後は、ステップST103に戻って増量係数Kcylnを算出し(ステップST103)、算出した増量係数Kcylnを燃料の噴射量に反映して(ステップST104)#n気筒の燃料の噴射量tau_nを算出することを、全ての気筒分行うまで繰り返す。これにより、触媒30の温度が所定の閾値以上になった場合に増量する燃料の気筒10ごとの噴射量tau_nを、全ての気筒分算出する。
この処理手順で、気筒10ごとの噴射量tau_nを算出した後は、燃料を噴射する行程でECU40の処理部41が有する燃料噴射量制御部46で、噴射量tau_nに対応する#n気筒のインジェクタ25を制御し、当該インジェクタ25から噴射量tau_nの燃料を噴射させる。これにより、#n気筒には、偏流度に応じた燃料が増量され、排気ガスは、偏流度に応じて温度が低下した状態で触媒30に流入する。これにより、高温になった触媒30の温度は低下する。
以上の触媒温度制御装置1は、触媒30の温度が閾値以上の場合、即ち、触媒30が高温になっている場合は、気筒10ごとに排気ガスの偏流度に基づいて増量係数Kcylnを算出し、この増量係数Kcylnを反映させて気筒10ごとに燃料の噴射量tau_nを算出する。これにより、触媒30の高温時に触媒30を冷却することを目的として燃料の噴射量を増量する場合に、各気筒10の排気ガスの偏流度に応じて気筒10ごとに燃料を増量できるので、気筒10ごとに偏流度に応じて排気ガスの温度を低下させることができる。このため、排気ガスの偏流度が低いことにより、燃料の噴射量を増量した際における触媒30の温度を低下させる効果が大きい気筒10に噴射する燃料は、より多くの燃料を増量することにより、効果的に触媒30を冷却することができる。これに対し、排気ガスの偏流度が高いことにより、燃料を増量しても触媒30の温度を低下させる効果が小さい気筒10に噴射する燃料は、燃料をあまり増量させないことにより、未燃焼ガスを低減することができる。
従って、燃料の噴射量を増量することによる触媒30の冷却効果が大きい気筒10には、より多くの燃料を増量し、燃料の噴射量を増量することによる触媒30の冷却効果が小さい気筒10には、燃料をあまり増量しないので、冷却効果が大きい気筒10になるに従って燃料の噴射量を増量して触媒30を冷却し、冷却効果が小さい気筒の燃料はあまり増量せず、未燃焼ガスを低減することができる。このため、エミッションを低下させることができる。この結果、触媒30を効率的に冷却し、エミッションの低減を図ることができる。
また、このように燃料の噴射量を増加しても触媒30の冷却効果が小さい気筒10の燃料はあまり増量しないため、燃料の消費量を抑えることができる。この結果、燃料の噴射量を増量することにより触媒30を冷却する際における燃費の悪化を抑制することができる。
また、触媒30を効率的に冷却することができるため、触媒30を冷却する際に、短時間で冷却することができる。これにより、触媒30を冷却することを目的として燃料の噴射量を増加させる時間を短くすることができるため、燃料の噴射量を抑えることができる。この結果、燃料の噴射量を増量することにより触媒30を冷却する際における燃費の悪化を抑制することができる。
また、触媒30を冷却する際に、触媒30に流入する排気ガスの偏流度に応じて気筒10ごとに燃料の増量係数を算出し、この増量係数を燃料の噴射量に反映させて燃料を増量して噴射することにより、触媒30に供給する供給熱量を気筒10ごとに異ならせることができる。換言すると、実施例1に係る触媒温度制御装置1では、触媒30に供給する供給熱量を、触媒30に流入する排気ガスの偏流度に応じて気筒10ごとに異ならせることを目的として、気筒10ごとに燃料噴射量の増量の度合いを異ならせている。このため、触媒30に流入する排気ガスの偏流度が、排気ガスを排出する気筒10ごとに異なっている場合に、燃料噴射量の増量の度合いが多い気筒10になるに従って触媒30を冷却することができるので、より確実に触媒30を冷却する度合いを気筒10ごとに異ならせることができ、より確実に、効果的に触媒30の冷却を行うことができる。この結果、より確実に触媒30を効率的に冷却し、エミッションの低減を図ることができる。
実施例2に係る触媒温度制御装置60は、実施例1に係る触媒温度制御装置1と略同様の構成であるが、触媒30の冷却を、エンジン3の吸入空気量を気筒10ごとに調節することにより行っている点に特徴がある。他の構成は実施例1と同様なので、その説明を省略すると共に、同一の符号を付す。図5は、実施例2に係る触媒温度制御装置の要部構成図である。実施例2に係る触媒温度制御装置60を備えるエンジン3は、実施例1に係る触媒温度制御装置1を備えるエンジン3と同様に、複数の気筒10に接続される排気通路22同士が集合して1つの通路になり、この1つの通路になっている部分に触媒30が設けられている(図1参照)。また、吸気バルブ65と排気バルブ66は公知の電磁駆動弁により構成されており、共にECU70で制御することによってバルブ開度を調整可能に設けられている。
このように設けられる触媒温度制御装置60は、実施例1に係る触媒温度制御装置1と同様にECU70によって制御可能に設けられている。実施例2に係る触媒温度制御装置60が有するECU70は、実施例1に係る触媒温度制御装置1が有するECU40と同様に処理部41と記憶部50と入出力部51とを有しており、処理部41は、触媒温度取得部42と、燃料噴射量算出部45と、燃料噴射量制御部46と、算出気筒決定部47と、を有している。
さらに、処理部41は、触媒温度取得部42で取得した触媒30の温度が所定の閾値以上であるか否かに基づいて、気筒10内へ吸入させる空気の増量要求があるか否かを判定する吸入空気量増量判定手段である吸入空気量増量判定部71と、吸入空気量増量判定部71による判定で吸入空気量の増量要求があると判定された場合に、排気ガスが触媒30に流入する際における気筒10ごとの排気ガスの偏流度に基づいて、気筒10ごとの吸気バルブ65の開度の補正量を算出するバルブ開度補正量算出手段であるバルブ開度補正量算出部72と、エンジン3の要求出力に応じて吸気バルブ65の開度を算出すると共に、吸入空気量増量判定部71による判定で吸入空気量の増量要求があると判定された場合には、バルブ開度補正量算出部72で算出した補正量を反映して吸気バルブ65の開度を算出するバルブ開度算出手段であるバルブ開度算出部73と、吸気バルブ65や排気バルブ66の開閉の制御を行うバルブ制御手段であるバルブ制御部74と、を有している。
この実施例2に係る触媒温度制御装置60は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。実施例2に係る触媒温度制御装置60では、エンジン3の運転時に触媒温度取得部42で取得した触媒30の温度は、ECU70の処理部41が有する吸入空気量増量判定部71に伝達され、吸入空気量増量判定部71は、触媒温度取得部42から伝達された触媒30の温度が所定の閾値以上であるか否かを判定し、触媒30の温度が所定の閾値以上であると判定した場合には、ECU70の処理部41が有するバルブ開度補正量算出部72で吸気バルブ65のバルブ開度の補正量を算出する。さらに、ECU70の処理部41が有し、吸気バルブ65や排気バルブ66のバルブ開度を算出するバルブ開度算出部73は、バルブ開度補正量算出部72で算出した吸気バルブ65のバルブ開度の補正量を反映して、吸気バルブ65のバルブ開度を算出する。
ECU70の処理部41が有するバルブ制御部74は、吸気バルブ65を制御し、バルブ開度算出部73で算出したバルブ開度で吸気バルブ65の開閉を制御することにより、吸気行程で開く吸気バルブ65のバルブ開度を、触媒30の温度が閾値未満である場合と比較して大きくする。これにより、各気筒10で吸入する吸入空気量を、触媒30の温度が閾値未満である場合と比較して増量する。このように吸入空気量を増量し、吸入空気量を理論空燃比における空気量以上にした場合、燃料の燃焼時に上昇する熱は、多量の空気によって分散されるので、気筒10内から排出された排気ガスの単位容積あたりの温度は、吸入空気量を増量しない場合と比較して低下する。これにより、この排気ガスが流れ、排気ガスの熱が伝達される触媒30の温度も低下する。
実施例2に係る触媒温度制御装置60では、触媒30の温度が所定の閾値以上の場合には、このように吸気バルブ65のバルブ開度を大きくすることにより吸入空気量を増量するが、吸気バルブ65のバルブ開度を大きくする場合には、気筒10から排出される排気ガスの偏流度に応じて気筒10ごとにバルブ開度を大きくする度合いを異ならせる。具体的には、排気ガスの偏流度が低い気筒10の吸気バルブ65のバルブ開度は、バルブ開度を大きくする度合いを大きくし、排気ガスの偏流度が高い気筒10の吸気バルブ65のバルブ開度は、バルブ開度を大きくする度合いを小さめにする。これにより、排気ガスの偏流度が低い気筒10の吸入空気量は、増量の度合いが大きくなり、排気ガスの偏流度が高い気筒10の吸入空気量は、増量の度合いが小さめになる。即ち、排気ガスの偏流度が低い気筒10になるに従って、吸気バルブ65のバルブ開度を大きくする度合いを大きくし、吸入空気量を増量させる度合いを大きくする。
図6は、実施例2に係る触媒温度制御装置の処理手順を示すフロー図である。次に、実施例2に係る触媒温度制御装置60で触媒30の温度を制御する場合における制御方法、即ち、触媒30の温度を制御する場合における処理手順について説明する。この処理手順では、まず、吸入空気量の増量要求があるか否かを判定する(ステップST201)。この判定は、ECU70の処理部41が有する吸入空気量増量判定部71で行う。吸入空気量増量判定部71は、触媒温度センサ31での検出結果より触媒温度取得部42で取得した触媒30の温度が、ECU70の記憶部50に記憶されている所定の閾値以上であるか否かを判定し、触媒温度取得部42で取得した触媒30の温度が所定の閾値以上の場合には、触媒30を冷却するための吸入空気量増量要求があると判定する。吸入空気量増量判定部71での判定により、触媒温度取得部42で取得した触媒30の温度が所定の閾値未満であり、吸入空気量増量要求はないと判定された場合には、この処理手順から抜け出る。
これに対し、吸入空気量増量判定部71での判定(ステップST201)により、吸入空気量増量要求があると判定した場合には、次に、算出気筒決定部47で、気筒10を示す変数nに1を代入する(ステップST202)。
次に、#n気筒のバルブ開度補正量tacyln_nを算出する(ステップST203)。この算出は、ECU70の処理部41が有するバルブ開度補正量算出部72で算出する。バルブ開度補正量算出部72は、車両の走行中の他の制御で用いられるエンジン3の回転数と負荷とを取得し、取得した回転数と負荷とを用いて、予めECU70の記憶部50に記憶されている、吸気バルブ65のバルブ開度の補正量tacyln_nのマップを参照することにより、補正量tacyln_nを算出する。なお、このバルブ開度の補正量tacyln_nのマップは、気筒10ごとに、エンジン3の回転数と負荷とに対する補正量tacyln_nが気筒10の偏流度に基づいて予め設定されて記憶部50に記憶されている。
バルブ開度補正量算出部72でバルブ開度の補正量tacyln_nを算出する場合は、エンジン3の回転数と負荷を用いて、#n気筒用のエンジン3の回転数と負荷とに対する補正量tacyln_nのマップを参照することにより、#n気筒の補正量tacyln_nを算出する。その際に、記憶部50に記憶されたマップでは、偏流度が高い気筒10ほど、エンジン3の回転数と負荷とに対する補正量tacyln_nが大きくなっているため、偏流度が高い気筒10ほど、バルブ開度補正量算出部72で算出するバルブ開度の補正量tacyln_nは大きくなる。
次に、バルブ開度補正量算出部72で算出したバルブ開度の補正量tacyln_nを、吸気バルブ65のバルブ開度に反映する(ステップST204)。このバルブ開度の補正量tacyln_nの反映は、ECU70の処理部41が有するバルブ開度算出部73で行う。バルブ開度算出部73は、アクセルペダルの開度等に基づいて、エンジン3で要求出力を発生するのに必要となる、吸気バルブ65が開いている時間をバルブ開度ta_nとして算出し、このバルブ開度ta_nに補正量tacyln_nを加えることにより、補正量tacyln_nを反映する。つまり、バルブ開度算出部73は、バルブ開度ta_n=ta_n+tacyln_nを演算し、吸入空気量増量要求がある場合における#n気筒の吸気バルブ65のバルブ開度ta_nを算出する。
次に、n=気筒数であるか否かを、算出気筒決定部47判定する(ステップST205)。算出気筒決定部47での判定により、n=気筒数であると判定された場合には、この処理手順から抜け出る。これに対し、算出気筒決定部47での判定(ステップST205)により、n=気筒数ではないと判定された場合には、算出気筒決定部47でn=n+1を演算する(ステップST206)。
n=n+1を演算した後は、ステップST203に戻ってバルブ開度の補正量tacyln_nを算出し(ステップST203)、算出した補正量tacyln_nを吸気バルブ65のバルブ開度に反映して(ステップST204)#n気筒の吸気バルブ65のバルブ開度ta_nを算出することを、全ての気筒分行うまで繰り返す。これにより、触媒30の温度が所定の閾値以上になった場合に、吸気バルブ65の開度を大きくすることにより吸入空気量を増加させる気筒10ごとのバルブ開度ta_nを、全ての気筒分算出する。
この処理手順で、気筒10ごとのバルブ開度ta_nを算出した後は、吸気行程でECU70の処理部41が有するバルブ制御部74で、バルブ開度ta_nに対応する#n気筒の吸気バルブ65を制御し、当該吸気バルブ65のバルブ開度をバルブ開度ta_nにして吸気バルブ65を開かせ、吸気行程で吸気させる。これにより、#n気筒では、吸入空気量が偏流度に応じて増量され、排気ガスは、偏流度に応じて温度が低下した状態で触媒30に流入する。これにより、高温になった触媒30の温度は低下する。
以上の触媒温度制御装置60は、触媒30の温度が閾値以上の場合は、気筒10ごとに排気ガスの偏流度に基づいて吸気バルブ65のバルブ開度の補正量tacyln_nを算出し、この補正量tacyln_nを反映させて気筒10ごとに吸気バルブ65のバルブ開度ta_nを算出する。これにより、触媒30の高温時に触媒30を冷却することを目的として吸入空気量を増量する場合に、各気筒10の排気ガスの偏流度に応じて気筒10ごとに吸入空気量を増量できるので、気筒10ごとに偏流度に応じて排気ガスの温度を低下させることができる。このため、排気ガスの偏流度が低いことにより、吸入空気量を増量した際における触媒30の温度を低下させる効果が大きい気筒10の吸気バルブ65のバルブ開度は、より大きくすることにより、吸入空気量をより増量することができ、効果的に触媒30を冷却することができる。これに対し、排気ガスの偏流度が高いことにより、燃料を増量しても触媒30の温度を低下させる効果が小さい気筒10の吸気バルブ65のバルブ開度は、あまり大きくしないことにより、吸入空気量はあまり増量しないので、排気ガスの発生量を抑えることができる。
従って、吸入空気量を増量することによる触媒30の冷却効果が大きい気筒10は、吸気バルブ65のバルブ開度をより大きくし、吸入空気量を増量することによる触媒30の冷却効果が小さい気筒10は、吸気バルブ65のバルブ開度をあまり大きくしないので、冷却効果が大きい気筒10になるに従って、吸入空気量を増量して触媒30を冷却し、冷却効果が小さい気筒は吸入空気量をあまり増量しないことにより、排気ガスの発生量を抑えることができる。このため、エミッションを低下させることができる。この結果、触媒30を効率的に冷却し、エミッションの低減を図ることができる。
また、高温になった触媒30の冷却時に、吸気バルブ65のバルブ開度を大きくして吸入空気量を増加させることにより冷却しているので、燃焼の消費量が増加することなく、触媒を冷却することができる。この結果、触媒30を冷却する際における燃費の悪化を抑制することができる。
また、触媒30を冷却する際に、触媒30に流入する排気ガスの偏流度に応じて気筒10ごとに吸気バルブ65のバルブ開度の補正量を算出し、この補正量を吸気バルブ65のバルブ開度に反映させて吸気バルブ65を制御することにより、触媒30に供給する供給熱量を気筒10ごとに異ならせることができる。換言すると、実施例2に係る触媒温度制御装置60では、触媒30に供給する供給熱量を、触媒30に流入する排気ガスの偏流度に応じて気筒10ごとに異ならせることを目的として、気筒10ごとに吸気バルブ65のバルブ開度を大きくする度合いを異ならせている。このため、触媒30に流入する排気ガスの偏流度が、排気ガスを排出する気筒10ごとに異なっている場合に、吸気バルブ65のバルブ開度が大きい気筒10になるに従って吸入空気量が増加し、触媒30を冷却することができる。従って、より確実に触媒30を冷却する度合いを気筒10ごとに異ならせることができ、より確実に、効果的に触媒30の冷却を行うことができる。この結果、燃費の悪化を抑制しつつ、より確実に触媒30を効率的に冷却し、エミッションの低減を図ることができる。
なお、実施例2に係る触媒温度制御装置60では、吸気バルブ65のバルブ開度を排気ガスの偏流度に応じて気筒10ごとに異ならせるために、吸気バルブ65が開いている時間を補正量で補正しているが、バルブ開度は、吸気バルブ65が開いている時間以外を補正することにより気筒10ごとに異ならせてもよい。例えば、吸気バルブ65が開く際のストローク量を補正してもよく、または、ストローク量と時間との双方を補正してもよい。バルブ開度は、吸入空気量を排気ガスの偏流度に応じて気筒10ごとに異ならせることができる手法であれば、その手法は問わない。
また、上述した触媒温度制御装置1、60では、触媒温度取得部42で触媒30の温度を取得する際に、触媒温度センサ31での検出結果より取得しているが、触媒30の温度は、触媒温度センサ31で検出すること以外によって取得してもよい。例えば、エンジン3の回転数や負荷などに基づいて排気ガスの温度の推定値を算出し、算出した排気ガスの温度の推定値より、触媒30の温度の推定値を算出してもよい。触媒温度取得部42で触媒の温度を取得する場合は、触媒30の劣化等が生じるか否かを判断できる触媒の温度が取得できればよく、この判断ができる温度であれば、触媒温度センサ31以外により取得してもよい。
また、上述した触媒温度制御装置1、60では、燃料の噴射量、または吸気バルブ65のバルブ開度を算出する気筒10を算出気筒決定部47で決定し、全ての気筒10におけるこれらの値を算出した後、インジェクタ25から燃料を噴射したり吸気バルブ65を開かせたりしているが、気筒10ごとのインジェクタ25からの燃料の噴射時、または、吸気バルブ65を開く際に、気筒10ごとにこれらを算出してもよい。インジェクタ25から噴射する燃料の噴射量や吸気バルブ65のバルブ開度が、触媒30に流入する気筒10ごとの排気ガスの偏流度に応じて算出され、制御可能に設けられていれば、算出するタイミングは問わない。
以上のように、本発明に係る触媒温度制御装置は、エンジンから排出される排気ガスを浄化する触媒の温度を低減する場合に有用であり、特に、エンジンが複数の気筒を有しており、複数の気筒から排出される排気ガスが1つの触媒に流入する場合に適している。
本発明の実施例1に係る触媒温度制御装置を備えるエンジンの概略図である。 図1に示す触媒温度制御装置の要部構成図である。 図1のA−A断面図であり、第1気筒から排出されて触媒に流入する排気ガスの偏流度を示す説明図である。 図1のA−A断面図であり、第3気筒から排出されて触媒に流入する排気ガスの偏流度を示す説明図である。 図1のA−A断面図であり、第5気筒から排出されて触媒に流入する排気ガスの偏流度を示す説明図である。 実施例1に係る触媒温度制御装置の処理手順を示すフロー図である。 実施例2に係る触媒温度制御装置の要部構成図である。 実施例2に係る触媒温度制御装置の処理手順を示すフロー図である。
符号の説明
1、60 触媒温度制御装置
3 エンジン
10 気筒
21 吸気通路
22 排気通路
30 触媒
44 燃料増量係数算出部
45 燃料噴射量算出部
72 バルブ開度補正量算出部
73 バルブ開度算出部

Claims (2)

  1. 内燃機関から排出される排気ガスを浄化する触媒の温度を取得する触媒温度取得手段と、
    前記触媒温度取得手段で取得した前記触媒の温度が所定の閾値以上の場合に、前記排気ガスが前記触媒に流入する際における前記内燃機関が複数有する気筒ごとの前記排気ガスの偏流度に基づいて、前記気筒内に供給する燃料の噴射量の前記気筒ごとの増量係数を算出する燃料増量係数算出手段と、
    前記内燃機関の要求出力に応じて前記燃料の噴射量を算出すると共に、前記触媒温度取得手段で取得した前記触媒の温度が所定の閾値以上の場合には、前記燃料増量係数算出手段で算出した前記増量係数を反映して前記燃料の噴射量を算出する燃料噴射量算出手段と、
    を備えることを特徴とする触媒温度制御装置。
  2. 内燃機関から排出される排気ガスを浄化する触媒の温度を取得する触媒温度取得手段と、
    前記触媒温度取得手段で取得した前記触媒の温度が所定の閾値以上の場合に、前記排気ガスが前記触媒に流入する際における前記内燃機関が複数有する気筒ごとの前記排気ガスの偏流度に基づいて、前記気筒ごとの吸気バルブの開度の補正量を算出するバルブ開度補正量算出手段と、
    前記内燃機関の要求出力に応じて前記吸気バルブの開度を算出すると共に、前記触媒温度取得手段で取得した前記触媒の温度が所定の閾値以上の場合には、前記バルブ開度補正量算出手段で算出した前記補正量を反映して前記吸気バルブの開度を算出するバルブ開度算出手段と、
    を備えることを特徴とする触媒温度制御装置。
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