JP5282744B2 - 内燃機関の空燃比検出装置 - Google Patents

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Description

この発明は、内燃機関の空燃比検出装置に係り、特に、車両に搭載される内燃機関の筒内の空燃比を検出するのに好適な内燃機関の空燃比検出装置に関する。
従来、例えば特許文献1に開示されるように、筒内に筒内圧センサを備えた内燃機関が知られている。また、本公報には、筒内圧が所定値を超える時点までの時間(燃焼速度に相関する)に基づいて筒内の空燃比を算出することが開示されている。
特開2007−211654号公報 特開2008−121576号公報 特開2009−91920号公報
ところで、筒内の空燃比と燃焼速度との関係は、必ずしも1:1に定まるものではなく、リッチ側の領域においては、筒内の空燃比に対する燃焼速度の関係が上に凸の放物線を描く放物線特性を有する。このような放物線特性を有する領域では、1つの燃焼速度に対して2つの空燃比が想定されることとなる。このため、上記従来の内燃機関において、燃焼速度が放物線特性を有する領域にある場合には、筒内の空燃比を検出する精度が悪化することとなる。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、全領域で筒内の空燃比を精度高く検出することのできる内燃機関の空燃比検出装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の空燃比検出装置であって、
気筒に設けられた筒内圧センサと、
前記筒内圧センサの検出値から燃焼速度を算出する燃焼速度算出手段と、
燃焼速度と筒内の空燃比との関係が記憶された関係記憶手段と、
前記関係から燃焼速度に対応する筒内の空燃比を取得する空燃比取得手段と、を備え、
前記空燃比取得手段は、
燃焼速度がストイキにおける燃焼速度よりも高いリッチ領域において、前記関係燃焼速度に対応する複数の空燃比が存在する場合に、目標空燃比を変更する目標空燃比変更手段と、
前記目標空燃比変更手段により目標空燃比が変更された後の燃焼速度の変化量の正負と、目標空燃比が変更された方向との組み合わせに基づいて、前記複数の空燃比から1つの空燃比を選択する空燃比選択手段と、を備えることを特徴とする。
燃焼速度は、燃焼特性上、空燃比がリッチ側の領域で最大速度となる放物線特性を有する。放物線特性を有する領域では、1つの燃焼速度に対して2つの空燃比が想定されることとなる。第1の発明によれば、燃焼速度に対して複数の空燃比が存在する場合に、目標空燃比を変更し、変更後の燃焼速度の変化量の正負と目標空燃比が変更された方向との組み合わせに基づいて、上記複数の空燃比から1つの空燃比を選択することができる。そのため、放物線特性を有する領域であっても、筒内の空燃比を精度高く取得することができる。また、放物線特性を有しない領域では、1つの燃焼速度に対して1つの空燃比が定まる。そのため、放物線特性を有しない領域でも、筒内の空燃比を精度高く取得することができる。このため、本発明によれば、全領域において筒内の空燃比を精度高く検出することができる。
本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態1の筒内圧センサ24の特性を説明するための図である。 本発明の実施の形態1のシステムにおいて、放物線特性を有する領域aで筒内の空燃比を精度高く検出するための特徴的制御の概要について説明するための図である。 本発明の実施の形態1において、ECU50が実行する制御ルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態2のシステム構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態2の空燃比センサ37の特性を説明するための図である。 本発明の実施の形態2のシステムにおいて、空燃比ずれが生じている気筒を特定するための特徴的制御の概要について説明するための図である。 本発明の実施の形態2において、ECU50が実行する空燃比ばらつき検出ルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態2において、ECU50が実行する気筒特定ルーチンのフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
実施の形態1.
[実施の形態1のシステム構成]
まず、図1乃至図4を参照しつつ、本発明の実施の形態1について説明する。図1は、本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。図1に示すように、本実施形態のシステムは、車両の動力源として用いられる内燃機関(以下、単に「エンジン」という。)10を備えている。エンジン10には、吸気通路12および排気通路14が接続されている。
エンジン10は、複数の気筒を有しており、図1には、そのうちの一つの気筒の断面が示されている。各気筒には、吸気通路12に連通する吸気ポートと、排気通路14に連通する排気ポートとが設けられている。吸気ポートには、その内部に燃料を噴射するためのインジェクタ16が配置されている。なお、エンジン10は、図示の構成に限らず、燃料を筒内に直接噴射する方式のものでもよい。
また、各気筒には、吸気ポートと燃焼室との間を開閉する吸気バルブ18と、排気ポートと燃焼室との間を開閉する排気バルブ20と、燃焼室内の混合気に点火するための点火プラグ22と、筒内圧を検出する筒内圧センサ24とが設けられている。筒内圧センサ24として、例えばCPS(Combustion Pressure Sensor)が用いられる。
各気筒のピストンの往復運動は、クランク機構を介して、クランク軸26の回転運動に変換される。クランク軸26の近傍には、クランク軸26の回転角を検出するためのクランク角センサ28が取り付けられている。クランク角センサ28の出力によれば、エンジン回転数を検出することもできる。
吸気通路12には、吸入空気量を検出するエアフローメータ30が配置されている。エアフローメータ30の下流には、スロットルバルブ32が配置されている。スロットルバルブ32は、後述するECU50からの指令に従い、スロットルモータ34によって開閉駆動される電子制御式スロットルバルブである。スロットルバルブ32の近傍には、スロットル開度を検出するスロットルポジションセンサ36が配置されている。
また、排気通路14には、排気ガスを浄化するための触媒38が設置されている。触媒38としては、例えば、三元触媒、NOx触媒等が用いられる。
本実施形態のシステムはECU(Electronic Control Unit)50を備えている。ECU50の入力側には、上述の筒内圧センサ24、クランク角センサ28、エアフローメータ30、スロットルポジションセンサ36の他、エンジン10の冷却水の温度を検出する冷却水温センサ52等の各種センサが接続されている。また、ECU50の出力側には、前述のインジェクタ16、点火プラグ22、スロットルモータ34の他等の各種アクチュエータが接続されている。ECU50は、各種センサからの入力情報に基づいて所定のプログラムを実行し、各種アクチュエータを作動させることにより、エンジン10の運転状態を制御する。なお、目標空燃比の基準値として理論空燃比(ストイキ)が設定されているものとする。
[実施の形態1における特徴的制御]
上述したシステムでは、一部の気筒の吸気系・動弁系の経年変化やインジェクタ16の経時劣化などにより、吸入空気量や燃料噴射量が目標量とずれる場合がある。この場合、気筒間に空燃比のばらつきが生じうる。空燃比のばらつきが生じると、触媒浄化性能が低下してエミッション性能の低下を招く。また、気筒間に大きなトルク差が生じるため、ドライバビリティの低下を招く。そのため、各気筒における空燃比を精度高く検出し、一部の気筒の空燃比が大きくストイキから外れているような場合には、車両の警告灯(MIL)等を点灯させて、車両の使用者等に報知することが望まれる。
そこで、本実施形態のシステムでは、筒内圧センサ24の検出値から算出される燃焼速度を用いて各気筒における空燃比を精度高く検出し、一部の気筒の空燃比が大きくストイキから外れているような場合には、車両の警告灯(MIL)等を点灯させることとした。
図2は、筒内圧センサ24の特性を説明するための図である。図2の横軸には1つの気筒について筒内の空燃比が示されており、縦軸には筒内の空燃比に応じた燃焼速度が示されている。図2に示すように、筒内圧センサ24の検出値に基づく燃焼速度は、燃焼特性上、リッチ側の領域aで最大速度となる放物線特性を有する。
放物線特性を有する領域aよりも燃焼速度の低い領域、即ち、ストイキよりも僅かにリッチ側の弱リッチ領域〜リーン領域では、筒内の空燃比がリーン寄りであるほど燃焼速度は低くなる関係を有し、1つの燃焼速度に対して1つの空燃比が定まる。そのため、弱リッチ領域〜リーン領域では燃焼速度から筒内の空燃比を精度高く算出することができる。
一方、放物線特性を有する領域aでは、異なる空燃比で同一の燃焼速度が得られる。換言すれば、1つの燃焼速度に対して2つの空燃比が想定されることとなる。そのため、簡単には燃焼速度から筒内の空燃比を算出することはできない。図2に示すようにMIL点灯領域が領域a内に設定される場合には、燃焼速度CSxに対する実際の筒内の空燃比が、MIL点灯領域内のAF1なのか、MIL点灯領域外のAF2なのか区別できないという問題が生じる。
そこで、次にこの課題に対して、本実施形態のシステムが実施する特徴的制御の概要について説明する。図3は、放物線特性を有する領域aで筒内の空燃比を精度高く検出するための特徴的制御の概要について説明するための図である。放物線特性を有する領域aにおいては、1つの燃焼速度CSxに対して2つの空燃比AF1、AF2が想定される。この場合、目標空燃比を所定量リーン側にスライドさせる。その結果、空燃比AF1、AF2はリーン側(図3の右矢印方向)にスライドすることとなる。
このとき、スライド前の実際の筒内の空燃比がAF1である場合には、領域aの最大速度に近づくため燃焼速度は高くなる。一方、スライド前の実際の筒内の空燃比がAF2である場合には、領域aの最大速度から遠くなるため燃焼速度は低くなる。即ち、目標空燃比をスライドさせた後の燃焼速度が高くなる場合にはAF1が、低くなる場合にはAF2がスライド前の実際の筒内の空燃比であると判断することができる。このように、目標空燃比を所定量リーン側にスライドさせて燃焼速度の変化量の正負を算出することで、放物線特性を有する領域aにおいても筒内の空燃比を精度高く算出することができる。
図4は、上述の動作を実現するために、ECU50が実行する制御ルーチンのフローチャートである。図4に示すルーチンでは、まず、ステップ110において、気筒間の空燃比ばらつきを検出するための条件が成立しているか否かが判定される。例えば、エンジン回転数、スロットル開度、冷却水の温度等に基づいて、暖機後かつ中負荷定常状態であることを判定条件とする。条件不成立と判定された場合には、本ルーチンの処理は終了される。
一方、条件成立と判定された場合には、次にステップ120において、気筒毎に燃焼速度CSが算出される。燃焼速度CSは、例えば式(1)と式(2)から算出される。式(1)に示すkは比熱比、Vは筒内の容積であり予めECU50に記憶されている。Pは筒内の燃焼圧であり、筒内圧センサ24により気筒毎に検出される。また、式(2)に示すfは予め実験により求められた関数であり、熱発生率dQ、点火時期Tsa、エンジン回転数Neをパラメータとする。
熱発生率 dQ(θ)=1/(k-1)*(k*P(θ)dV(θ)+V(θ)dP(θ) …(1)
燃焼速度 CS=f(dQ,Tsa,Ne) …(2)
続いて、ステップ130において、所定のサイクル数が経過しているか否かが判定される。所定のサイクル数として例えば50サイクルが設定される。所定のサイクル数が未だ経過していないと判定された場合には、本ルーチンの処理は終了され、ステップ110の処理から再度実行される。
所定のサイクル数が経過していると判定された場合には、ステップ120により所定サイクル数分の燃焼速度CSが算出されている。ステップ140では、燃焼速度CSの平均値である平均燃焼速度CSaveが気筒毎に算出される。
ステップ150において、各気筒について平均燃焼速度CSaveが閾値よりも大きいか否かが判定される。閾値は、上述した図3に示す領域a(異なる空燃比で同一の燃焼速度となるリッチ領域)とそれ以外の領域の境界を示す値である。また、ECU50には、上述した図3の燃焼速度と筒内の空燃比との関係を示す「燃焼速度‐筒内空燃比関係マップ」も記憶されている。
平均燃焼速度CSaveが閾値よりも大きいと判定される場合には、燃焼速度‐筒内空燃比関係マップから平均燃焼速度CSaveに対する筒内の空燃比が2つ取得されることとなる。これらから実際の筒内の空燃比を選択するために、ステップ160において、当該気筒の目標空燃比を所定量リーン側にスライドさせる。所定量とは、予め実験等で定めた燃料噴射量の減少量や吸入空気量の増加量であり、燃焼速度の変化が検出できる程度の微細な変化量である。
その後、ステップ170において、当該気筒についてステップ110〜ステップ140の処理が実行される。そして、当該気筒の目標空燃比をリーン側にスライドさせる前と後の平均燃焼速度CSaveに差に基づいて、スライド前の筒内の空燃比がMIL点灯領域にあったか否かが判定される(ステップ180)。MIL点灯領域は、放物線特性を有する領域a内に定めた警告値よりもリッチ側の領域である。
具体的には、スライド後の平均燃焼速度CSaveからスライド前の平均燃焼速度CSaveを引いた値が正値である場合には、スライド前の筒内の空燃比は、図3の領域aの最高速度に応じた空燃比よりもリッチ側にあると判定され、実際の筒内の空燃比として選択される(例えば、図3の空燃比AF1)。空燃比AF1は、警告値よりもリッチ側にありMIL点灯領域にあると判定される。
一方、スライド後の平均燃焼速度CSaveからスライド前の平均燃焼速度CSaveを引いた値が負値である場合には、スライド前の筒内の空燃比は、図3の領域aの最高速度に応じた空燃比よりもリーン側にあると判定され、実際の筒内の空燃比として選択される(例えば、図3の空燃比AF2)。空燃比AF2は、警告値よりもリーン側にありMIL点灯領域にはないと判定される。
スライド前の筒内の空燃比がMIL点灯領域にあると判定された場合には、本ルーチン終了後、他のルーチンにおいて車両の警告灯(MIL)等が点灯される。一方、スライド前の筒内の空燃比がMIL点灯領域にないと判定された場合は、本ルーチン終了後、他のルーチンにおいて車両の警告灯(MIL)等は消灯される。
なお、ステップ150において、平均燃焼速度CSaveが閾値以下であると判定された場合には、燃焼速度‐筒内空燃比関係マップから、平均燃焼速度CSaveに対する筒内の空燃比が1つ取得される。
以上説明したように、図4に示すルーチンによれば、平均燃焼速度CSaveが閾値以下の場合には、燃焼特性上、1の燃焼速度に応じた1の空燃比が定まるため、筒内圧センサ24の検出値から算出される燃焼速度から、各気筒の空燃比を精度高く算出することができる。また、平均燃焼速度CSaveが閾値よりも大きい場合には、燃焼特性上、1の燃焼速度に応じた2の空燃比が想定されるが、目標空燃比をリーン側に変更し、変更後の燃焼速度の正負から1の空燃比を選択することができる。そのため、各気筒の空燃比を精度高く算出することができる。
これらより、本実施形態のシステムによれば、全領域において各気筒の空燃比を精度高く検出することができる。そのため、MIL点灯領域が放物線特性を有するリッチ側の領域a内に設定されている場合であっても、適切に車両の警告灯(MIL)等を点灯し、車両の使用者等に報知することができる。また、MIL点灯領域が他の領域、例えばリーン側の領域にも設定されている場合であっても、同様である。
ところで、上述した実施の形態1のシステムにおいては、ステップ160において、当該気筒の目標空燃比を所定量リーン側にスライドさせることとしているが、目標空燃比を所定量リッチ側にスライドさせることとしてもよい。この場合、ステップ180における処理では、スライド後の平均燃焼速度CSaveからスライド前の平均燃焼速度CSaveを引いた値が負値である場合に、スライド前の筒内の空燃比が、図3の領域aの最高速度に応じた空燃比よりもリッチ側にあると判定される。また、スライド後の平均燃焼速度CSaveからスライド前の平均燃焼速度CSaveを引いた値が正値である場合に、スライド前の筒内の空燃比が、図3の領域aの最高速度に応じた空燃比よりもリーン側にあると判定される。
また、上述した実施の形態1のシステムにおいては、ステップ110における条件を、特定の運転領域であることとしているが、例えば、定常状態において常時検出することとしても良い。
また、上述した実施の形態1のシステムにおいては、ステップ150及びステップ170における処理を、平均燃焼速度CSaveを用いて実行することとしているが、例えば、ステップ140の処理を省略し、ステップ150及びステップ170の処理を、サイクル毎の燃焼速度CSを用いて実行することとしてよい。
また、上述した実施の形態1のシステムにおいては、筒内圧センサ24の検出値から算出される燃焼速度CSを用いて筒内の空燃比を算出することとしているが、燃焼速度CSに限らず、筒内圧センサ24の検出値から算出される筒内状態を表現する状態量から筒内の空燃比を算出することとしてもよい。
尚、上述した実施の形態1においては、筒内圧センサ24が前記第1の発明における「筒内圧センサ」に、ECU50が前記第1の発明における「関係記憶手段」に、燃焼速度‐筒内空燃比関係マップが、前記第1の発明における「関係」に、それぞれ相当している。また、ここでは、ECU50が、上記ステップ150〜ステップ180の処理を実行することにより前記第1の発明における「空燃比取得手段」が、上記ステップ160の処理を実行することにより前記第1の発明における「目標空燃比変更手段」が、上記ステップ180の処理を実行することにより前記第1の発明における「空燃比選択手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態2.
[実施の形態2のシステム構成]
次に、図5〜図9を参照して本発明の実施の形態2について説明する。本実施形態のシステムは後述する図5に示す構成において、ECU50に後述する図8及び図9のルーチンを実施させることで実現することができる。
図5は、本発明の実施の形態2のシステム構成を説明するための図である。図1に示すように、本実施形態のシステム構成は、図1に示す筒内圧センサ24に代えて、各気筒に連通する排気通路14の合流部の下流であって触媒38の上流に、排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサ37が設けられている点を除いて、図1に示すシステム構成と同一である。なお、ECU50の入力側には空燃比センサ37が接続されている。
[実施の形態2における特徴的制御]
上述した実施の形態1では、各気筒に設けられた筒内圧センサ24によって検出できる筒内の空燃比の領域を拡大することで、気筒間の空燃比のばらつきを好適に検出することができる。これに対して、本実施の形態では、排気通路の合流部の下流に設けられた1つの空燃比センサ37を用いて、空燃比のばらつきの要因となっている気筒を特定する点に特徴を有する。
図6は、空燃比センサ37の特性を説明するための図である。図6の横軸には1つの気筒についての筒内の空燃比が示されている。縦軸には排気通路14の合流部の下流に設けられた空燃比センサ37の検出値について1サイクル内の変動幅が示されている。全気筒の目標空燃比がストイキに設定されている場合に、一部の気筒の吸気系・動弁系の経年変化やインジェクタ16の経時劣化などにより、吸入空気量や燃料噴射量が目標量とずれ(以下、単に「空燃比ずれ」という。)が生じれば、空燃比センサ37の検出値の変動幅は大きな値となる。変動幅はストイキからリッチ側又はリーン側に大きくなるほど大きくなる。MIL点灯領域はリッチ側の変動幅が大きい領域とする。
ところで、空燃比センサ37は排気通路14の合流部の下流に1つ設けられているのみであるため、気筒間の空燃比のばらつきが、いずれの気筒の空燃比ずれに起因して生じているかを特定することが求められる。
図7は、空燃比ずれが生じている気筒を特定するための特徴的制御の概要について説明するための図である。この制御では、空燃比に大きな変動幅が生じた場合に、1気筒ずつ順番に目標空燃比をリーン側にスライドさせる。
このとき、当該気筒が空燃比ずれを生じている異常気筒である場合には、筒内の空燃比がストイキ側にスライドすることとなるため、検出される空燃比の変動幅は小さくなる。一方、当該気筒がストイキで運転されている正常気筒である場合には、筒内の空燃比がストイキからリーン側にスライドすることとなるため、検出される空燃比の変動幅は大きい状態を維持する。このように、1気筒ずつ順番に目標空燃比を所定量リーン側にスライドさせて、空燃比センサ37に検出される空燃比の変動幅が小さくなる気筒を探索することで、空燃比ずれが生じている気筒を特定することができる。
上述の動作を実現する制御ルーチンについて図8〜図9を用いて説明する。図8は、ECU50が実行する空燃比ばらつき検出ルーチンのフローチャートである。図8に示すルーチンでは、まず、ステップ210において、気筒間の空燃比ばらつきを検出するためのモニタ条件が成立しているか否かが判定される。例えば、エンジン回転数、スロットル開度、冷却水の温度等に基づいて定常状態であることを判定条件とする。条件不成立と判定された場合には、本ルーチンの処理は終了される。
一方、条件成立と判定された場合には、次にステップ220において、全気筒が1サイクルする間に、空燃比センサ37により検出された空燃比の変動幅AFaを算出する。変動幅AFaは、例えば式(3)から算出される。式(3)に示すAFmaxとAFminは、それぞれ1サイクル内の最大空燃比と最小空燃比である。なお、全気筒が1サイクルする間のクランク軸26の回転角は、クランク角センサ28により検出される。
変動幅 AFa=AFmax−AFmin …(3)
続いて、ステップ230において、所定のサイクル数が経過しているか否かが判定される。所定のサイクル数として例えば50サイクルが設定される。所定のサイクル数が未だ経過していないと判定された場合には、本ルーチンの処理は終了され、ステップ210の処理から再度実行される。
所定のサイクル数が経過していると判定された場合には、ステップ220により所定サイクル数分の変動幅AFaが算出されている。ステップ230では、変動幅AFaの平均値である平均変動幅AFaaveが算出される。
ステップ240において、平均変動幅AFaaveが閾値よりも大きいか否かが判定される。閾値は、上述した図7に示すリッチ側のMIL点灯領域とそれ以外の領域の境界を示すOBD規制値である。また、ECU50には、空燃比センサ37の検出値の1サイクル内の変動幅と筒内の空燃比との関係(図7)を示す「変動幅‐筒内空燃比関係マップ」も記憶されている。
平均変動幅AFaaveが閾値よりも大きいと判定される場合には、気筒間に空燃比のばらつきが生じていると判断できる。そのため、ステップ250において、車両の警告灯(MIL)等を点灯させる。その後、本ルーチンの処理は終了される。
図9は、本発明の実施の形態2において、ECU50が実行する気筒特定ルーチンのフローチャートである。気筒特定ルーチンは、図8に示す空燃比ばらつき検出ルーチンの処理後に実行される。
まず、ステップ310において、車両の警告灯(MIL)等が点灯中であるか否かが判定される。気筒特定ルーチンにおいてステップ250の処理が実行されている場合には、車両の警告灯(MIL)等が点灯中である。消灯中であると判定された場合には本ルーチンの処理は終了される。
一方、車両の警告灯(MIL)等が点灯中であると判定された場合には、次にステップ320において、#N気筒(例えば、4気筒の場合には#1〜#4のいずれかの気筒)の目標空燃比を所定量リーン側にスライドさせる。所定量とは、予め実験等で定めた燃料噴射量の減少量や吸入空気量の増加量であり、上述したMIL点灯領域の閾値からストイキまで変化させる程度の変化量である。
その後、ステップ330において、#N気筒について上述したステップ210〜ステップ230の処理を実施させる。そして、#N気筒の目標空燃比をリーン側にスライドさせた後の平均変動幅AFaaveが閾値よりも小さいか否かが判定される(ステップ340)。なお、ステップ340における閾値は、上述したステップ240における閾値と同じであっても異なっていてもよい。
#N気筒の目標空燃比をリーン側にスライドさせた後の平均変動幅AFaaveが閾値よりも小さいと判定された場合には、#N気筒は空燃比ずれを生じている気筒であり、気筒間の空燃比ばらつきの要因となっている気筒であると確定する(ステップ350)。その後、本ルーチンの処理は終了される。
一方、#N気筒の目標空燃比をリーン側にスライドさせた後の平均変動幅AFaaveが閾値以上であると判定される場合には、#N気筒の目標空燃比のスライドは解除される(ステップ360)。その後、再び本ルーチンが実施され、次のステップ320では、順序付けされた次の気筒の目標空燃比がリーン側にスライドされる。
以上説明したように、図9に示すルーチンによれば、1気筒ずつ順番に目標空燃比をリーン側にスライドさせる。そして、スライド後の平均変動幅AFaaveが閾値よりも小さいと判定される場合には、リッチ側に空燃比のばらつきを生じさせている気筒がストイキに補正されて閾値を下回ったと判断できる。そのため、本実施形態のシステムによれば、空燃比センサの検出値に基づいて、空燃比のばらつきを生じさせている気筒を特定することができる。
ところで、上述した実施の形態2のシステムにおいては、空燃比センサ37の検出値から算出される変動幅AFaを用いて、気筒間の空燃比のばらつきを算出することとしているが、変動幅AFaに限らず、空燃比センサ37の検出値を情報処理したものから、気筒間の空燃比のばらつきを算出することとしてもよい。
また、上述した実施の形態2のシステムにおいては、筒内圧センサ24を併用することとしてもよい。この場合、ステップ340におけるスライド後の判定変数は、筒内圧センサ24から算出される変数(例えば、燃焼速度)でも良い。なお、筒内圧センサ24を併用する場合においては、空燃比のばらつきを生じさせている気筒の特定に、ステップ320における目標空燃比のスライドをさせなくても検出可能な場合が多いが、全気筒が同一の燃焼速度(図2のCSx)となる場合もある。そのため、目標空燃比のスライドさせる処理は、空燃比のばらつきを生じさせている気筒の特定の検出性を高めるために好適である。
10 エンジン
14 排気通路
16 インジェクタ
22 点火プラグ
24 筒内圧センサ
28 クランク角センサ
30 エアフローメータ
32 スロットルバルブ
36 スロットルポジションセンサ
37 空燃比センサ
38 触媒
50 ECU
52 冷却水温センサ
AF1、AF2 筒内の空燃比
AFa 変動幅
CS、CSx 燃焼速度

Claims (1)

  1. 気筒に設けられた筒内圧センサと、
    前記筒内圧センサの検出値から燃焼速度を算出する燃焼速度算出手段と、
    燃焼速度と筒内の空燃比との関係が記憶された関係記憶手段と、
    前記関係から燃焼速度に対応する筒内の空燃比を取得する空燃比取得手段と、を備え、
    前記空燃比取得手段は、
    燃焼速度がストイキにおける燃焼速度よりも高いリッチ領域において、前記関係燃焼速度に対応する複数の空燃比が存在する場合に、目標空燃比を変更する目標空燃比変更手段と、
    前記目標空燃比変更手段により目標空燃比が変更された後の燃焼速度の変化量の正負と、目標空燃比が変更された方向との組み合わせに基づいて、前記複数の空燃比から1つの空燃比を選択する空燃比選択手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の空燃比検出装置。
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