JP2010132441A - エレベータシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】必要な場合にのみ潤滑油の供給を行うエレベータシステムを提供することである。
【解決手段】エレベータシステム10は、乗りかご20と、乗りかご20の移動を案内するガイドレール16と、ガイドレール16と乗りかごに設けられた被ガイド部材との摺動音が異常音であるか否かを判定する異常音判定手段と、潤滑油を蓄積するタンク部と、ガイドレールに対して潤滑油を噴射するノズル部と、タンク部に蓄積された潤滑油をノズル部に対して供給するポンプ部と、前記摺動音が異常音判定手段によって異常音であると判定されたときにポンプ部に対して電力を供給する電源部と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】エレベータシステム10は、乗りかご20と、乗りかご20の移動を案内するガイドレール16と、ガイドレール16と乗りかごに設けられた被ガイド部材との摺動音が異常音であるか否かを判定する異常音判定手段と、潤滑油を蓄積するタンク部と、ガイドレールに対して潤滑油を噴射するノズル部と、タンク部に蓄積された潤滑油をノズル部に対して供給するポンプ部と、前記摺動音が異常音判定手段によって異常音であると判定されたときにポンプ部に対して電力を供給する電源部と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、エレベータシステムに係り、特に、乗りかごの移動を案内するガイドレールを有するエレベータシステムに関する。
現在、商業施設等の様々な場所においてエレベータシステムが設置されている。エレベータシステムでは、乗りかごがガイドレールに案内されて昇降路内を昇降している。このような乗りかごの昇降動作において、乗りかごのぶれを抑制するために、乗りかごに設けられたガイドシューがガイドレールに摺接されている。そして、これらのガイドシューとガイドレールとの摺動を円滑にしながら異常音等を防止して乗りかごを走行させるために、ガイドレールに摺接し、潤滑油が供給可能な油供給装置が設けられている。例えば、特許文献1には、エレベータのガイドレール給油システムが開示されている。ここでは、昇降路壁に固設されたガイドレールに案内されて乗りかごと釣合いおもりとが昇降し、ガイドレールに摺接して潤滑油が供給可能な油供給装置と、少なくとも乗りかごを診断運転させて保守点検データを取り込む診断運転装置とを備えている。そして、貯留した潤滑油を油供給装置へ送出可能な補給装置を備え、この補給装置が診断運転装置からの補給指令で作動して、診断運転中に油供給装置への潤滑油の補給がなされるように構成されている。
上記特許文献1の構成によれば、ガイドレールに対して潤滑油を供給することができる。しかし、特許文献1の構成では、乗りかごの走行中は異常音等が発生しているか否かにかかわらず油供給装置からガイドレールに対して潤滑油が供給された状態のままのため、すぐに潤滑油がなくなってしまうことがある。そのまま乗りかごの運行を続けると潤滑油を供給する必要のある本来の箇所に給油できない可能性がある。
本発明の目的は、必要な場合にのみ潤滑油の供給を行うエレベータシステムを提供することである。
本発明に係るエレベータシステムは、乗りかごと、乗りかごの移動を案内するガイドレールと、ガイドレールと乗りかごに設けられた被ガイド部材との摺動音が異常音であるか否かを判定する異常音判定手段と、潤滑油を蓄積するタンク部と、ガイドレールに対して潤滑油を噴射するノズル部と、タンク部に蓄積された潤滑油をノズル部に対して供給するポンプ部と、前記摺動音が異常音判定手段によって異常音であると判定されたときにポンプ部に対して電力を供給する電源部と、を備える。
また、本発明に係るエレベータシステムにおいて、異常音判定手段は、前記摺動音が予め定められた音の大きさ、音の高さのうちの少なくとも1つに一致した場合に異常音であると判定することが好ましい。
また、本発明に係るエレベータシステムにおいて、異常音判定手段は、前記摺動音が予め定められた音の大きさの範囲、音の高さの範囲のうちの少なくとも1つの範囲から外れた場合に異常音であると判定することが好ましい。
また、本発明に係るエレベータシステムにおいて、前記摺動音が異常音判定手段によって異常音であると判定されたときに異常音が発生した場所よりも上層階で乗りかごを停止させるとともに、ポンプ部に対して電力を所定の期間供給するように電源部を制御する給油制御手段をさらに備えることが好ましい。
また、本発明に係るエレベータシステムにおいて、前記上層階は、ガイドレールにおいて異常音が発生した箇所の直近の上層階であることが好ましい。
また、本発明に係るエレベータシステムにおいて、給油制御手段によって乗りかごと電源部とを制御した後、その異常音が発生した同じ箇所で前記摺動音が異常音判定手段によって再び異常音であると判定されたときに、給油制御手段によって繰り返し乗りかごと電源部とを制御する繰り返し手段を有することが好ましい。
また、本発明に係るエレベータシステムにおいて、繰り返し手段は、繰り返し回数が所定の数を超えたときに、情報センタに通報することが好ましい。
上記構成のエレベータシステムによれば、乗りかごとガイドレールとの摺動音が異常音判定手段によって異常音であると判定されたときにポンプ部に対して電力を供給している。そして、ポンプ部に電力が供給されたときにタンク部から潤滑油がくみ上げられて、ガイドレールに対して潤滑油が噴射される。これにより、必要な場合にのみ潤滑油の噴射を行うことができる。
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。また、この説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等にあわせて適宜変更することができる。
図1は、本発明の一実施形態であるエレベータシステム10を示す図である。エレベータシステム10は、巻上機6と、滑車7と、主ロープ8と、つり合い錘9と、制御部12と、ガイドレール16と、乗りかご20と、給油装置24とを含んで構成される。ガイドレール16は、昇降路において乗りかご20の両側に立設される部材であり、乗りかご20の昇降移動を案内する機能を有する。ガイドレール16の断面(乗りかご20の昇降方向に垂直となる方向の断面)は、略凸部形状をなしている。乗りかご20は、乗客が乗るための箱型形状の構造物である。乗りかご20には、移動方向に対して水平となる方向へのぶれが起こらないようにするために複数のガイドシュー18が設けられている。ガイドシュー18は、その断面(乗りかご20の昇降方向に垂直となる方向の断面)が略凹部形状をなしてガイドレール16と嵌合されて摺接状態とすることで、ガイドレール16にガイドされる被ガイド部材である。
主ロープ8は、その一方端部が乗りかご20のかご上22に取り付けられ、巻上機6と滑車7を介して、その他方端部がつり合い錘9に取り付けられている。つり合い錘9は、全体の形状は扁平で縦に長く、非常に重たい鉄の塊であり、主ロープ8の両端部におけるバランスをとるために設けられている。巻上機6は、機械室14に設置され、主ロープ8を巻き戻して乗りかご20とつり合い錘9とを昇降させる機能を有する。制御部12は、巻上機6や給油装置24を制御する制御装置であり、詳細な説明は後述する。
図2は、給油装置24の各要素を示した図である。給油装置24は、乗りかご20のかご上22に取り付けられる装置である。給油装置24は、ガイドレール16に対して潤滑油244aを噴射する機能を有する。給油装置24は、電源部242と、聴音部243と、タンク部244と、吸引管246と、ポンプ部248と、ノズル部249とを含んで構成される。
電源部242は、エレベータシステム10を駆動している電力を受け取って適当な電圧になるように昇降圧する電源回路である。また、電源部242は、制御部12の制御によってポンプ部248に対して電力を供給する機能を有する。聴音部243は、ガイドシュー18の上に取り付けられ、ガイドレール16とガイドシュー18との摺動音を収集し制御部12に伝える機能を有する。
タンク部244は、乗りかご20に設けられたガイドシュー18をガイドレール16上に円滑に摺動させるための潤滑油244aを蓄積するための部材である。吸引管246は、ポンプ部248によって潤滑油244aを吸い上げる際に潤滑油244aが通過する管である。ポンプ部248は、タンク部244に蓄積された潤滑油244aを吸引する機能を有する。ポンプ部248によって吸い上げられた潤滑油244aは、ノズル部249に対して供給される。ノズル部249は、ノズル口249aがガイドレール16においてガイドシュー18と摺動する領域に向かうように設置されて、その領域に対して潤滑油244aを噴射する機能を有している。
制御部12は、機械室14に設置され、エレベータシステム10全般を制御する制御装置である。制御部12は、ガイドレール16と乗りかご20に設けられたガイドシュー18との摺動音が異常とされる音の大きさと音の高さを予め記録している。そして、制御部12は、聴音部243から伝えられたガイドレール16とガイドシュー18との摺動音が異常とされる音の大きさと音の高さとうちのいずれか一つに一致すれば、その摺動音が異常であり異常音が発生していると判定する機能を有する。なお、制御部12における異常音の判定は、ガイドレール16と乗りかご20に設けられたガイドシュー18との摺動音が正常音とされる音の大きさの範囲、音の高さの範囲をそれぞれ記録し、摺動音がその範囲から外れた場合には、その摺動音が異常であり、異常音が発生していると判定するものとしてもよい。また、制御部12は、ガイドレール16において異常音が発生した箇所を記録する機能を有している。
さらに制御部12は、給油装置24と巻上機6とを制御する機能を有する。具体的には、制御部12は、乗りかご20を昇降させるために巻上機6を制御するが、ガイドレール16とガイドシュー18との摺動音が異常であり、異常音が発生していると判定したときは、異常音が発生した箇所の直近の上層階に乗りかご20を停止させるように巻上機6を制御する。そして、制御部12は、異常音が発生したと判定したときはポンプ部248に対して所定の期間必要な電力を供給するように電源部242を制御する機能を有する。このように、制御部12は、異常音が発生している箇所の直近の上層階で乗りかご20を停止してポンプ部248に電力を供給するという給油制御手段に従った制御をエレベータシステム10の運行中に繰り返して行っている。
続いて、上記構成からなるエレベータシステム10の作用について、図1〜図3を参照して説明する。図3は、エレベータシステム10においてガイドレール16とガイドシュー18との摺動音が異常であると判断したときの対応手順を示すフローチャートである。制御部12は、ガイドレール16と乗りかご20に設けられたガイドシュー18との摺動音が異常音か否かを判定する(S10)。具体的には、聴音部243から伝えられたガイドレール16とガイドシュー18との摺動音が予め異常音として記録される音の大きさ、音の高さのうちいずれか1つに一致すれば異常音であると判定される。異常音でないと判定された場合には、再びS10へと戻る。
異常音であると判定された場合には、ガイドレール16において異常音が発生している箇所を記録する(S12)。次に、乗りかご20の位置がガイドレール16において異常音の発生している箇所より直近の上層階であるか否かを判定する(S14)。乗りかご12の位置が異常音の発生している箇所よりも直近の上層階でなければ、再びS14へと戻る。
乗りかご20の位置が異常音の発生している箇所よりも直近の上層階であれば、乗りかご20を停止するように巻上機6に対して指令を与える(S16)。そして、ポンプ部248に対して所定の期間必要な電力を供給するように電源部242に対して指令を与える(S18)。その後リターン処理を行う。このように、エレベータシステム10によれば、ガイドレール16と乗りかご20に設けられたガイドシュー18の摺動音が異常音と判定すれば、その異常音が発生している箇所を記録し、その箇所の直近の上層階で乗りかご20を停止してポンプ部248に対して電力を供給する。これにより、ガイドレール16に対して潤滑油244aが噴射される。そして、その噴射された潤滑油244aが重力によりガイドレール16に沿って下層階側へ流れ、異常音が発生している箇所にも行き渡る。したがって、ガイドレール16とガイドシュー18とが円滑に摺動するから異常音を抑制することができる。
次に、本発明の一実施形態の変形例のエレベータシステム11について説明する。図4は、エレベータシステム11を示す図である。ここで、エレベータシステム11は、上記一実施形態のエレベータシステム10とほぼ同様の構成を有するため、同一構成要素には同一符号を付して重複することとなる説明を援用によって省略し、異なる構成およびその作用について説明する。
制御部12は、インターネット30を介して情報センタ40に接続されている。制御部12は、異常音の発生している箇所が同じであっても、その同じ箇所に対して給油制御手段に従った制御を所定の回数まで繰り返して行う機能を有する。そして、その繰り返し回数が所定の回数を超えた場合には、インターネット30を介して情報センタ40に通報する機能を有する。
続いて、上記構成からなるエレベータシステム11の作用について、図4,5を用いて説明する。図5は、エレベータシステム11においてガイドレール16とガイドシュー18との摺動音が異常であると判断したときの対応手順を示すフローチャートである。S10,S12については、エレベータシステム10と同様の処理が行われる。その後S13へと進む。
制御部12は、ガイドレール16の同じ箇所に対して給油制御手段に従った制御が所定の回数以上繰り返されたか否かを判定する(S13)。同じ箇所に対して給油制御手段に従った制御が所定の回数以上繰り返されていないと判断すれば、エレベータシステム10と同様にS14,S16,S18の順番に処理が行われる。S18の処理が終わった後は、再びS10へと戻る。
同じ箇所に対して給油制御手段に従った制御が所定の回数以上繰り返されていると判断すれば、S20へと進む。S20においては、制御部12は、インターネット30を介して情報センタ40に通報する。その後エンド処理が行われる。このように、同じ箇所で異常音が発生していても、再度給油制御手段に従った制御を行うことによって、その異常音が発生している箇所に対して潤滑油244aを行き渡らせることで前回の潤滑油244aの噴射量が不足していた場合に対応することができる。そして、同じ箇所に対して給油制御手段に従った制御を所定の回数以上繰り返した場合には、情報センタ40に通報することで保守作業員が迅速に処置を行う等の対応することができる。
なお、上記エレベータシステム10,11の給油制御手段は、異常音が発生している箇所の直近の上層階で乗りかご20を停止してポンプ部248に電力を供給するものとして説明したが、乗りかご20が異常音が発生している箇所に直接潤滑油244aを噴射できるような位置にあるときに、ポンプ部248に電力を供給するものとしてもよい。この場合、より少ない潤滑油244aの量で、ガイドレール16と乗りかご20に設けられたガイドシュー18とを円滑に摺動させて異常音を抑制することができる。
6 巻上機、7 滑車、8 主ロープ、9 つり合い錘、10,11 エレベータシステム、12 制御部、14 機械室、16 ガイドレール、18 ガイドシュー、20 乗りかご、22 かご上、24 給油装置、30 インターネット、40 情報センタ、242 電源部、243 聴音部、244 タンク部、244a 潤滑油、246 吸引管、248 ポンプ部、249 ノズル部、249a ノズル口。
Claims (7)
- 乗りかごと、
乗りかごの移動を案内するガイドレールと、
ガイドレールと乗りかごに設けられた被ガイド部材との摺動音が異常音であるか否かを判定する異常音判定手段と、
潤滑油を蓄積するタンク部と、
ガイドレールに対して潤滑油を噴射するノズル部と、
タンク部に蓄積された潤滑油をノズル部に対して供給するポンプ部と、
前記摺動音が異常音判定手段によって異常音であると判定されたときにポンプ部に対して電力を供給する電源部と、
を備えるエレベータシステム。 - 請求項1に記載のエレベータシステムにおいて、
異常音判定手段は、
前記摺動音が予め定められた音の大きさ、音の高さのうちの少なくとも1つに一致した場合に異常音であると判定することを特徴とするエレベータシステム。 - 請求項1に記載のエレベータシステムにおいて、
異常音判定手段は、
前記摺動音が予め定められた音の大きさの範囲、音の高さの範囲のうちの少なくとも1つの範囲から外れた場合に異常音であると判定することを特徴とするエレベータシステム。 - 請求項1から請求項3のいずれか1に記載のエレベータシステムにおいて、
前記摺動音が異常音判定手段によって異常音であると判定されたときに異常音が発生した場所よりも上層階で乗りかごを停止させるとともに、ポンプ部に対して電力を所定の期間供給するように電源部を制御する給油制御手段をさらに備えることを特徴とするエレベータシステム。 - 請求項4に記載のエレベータシステムにおいて、
前記上層階は、ガイドレールにおいて異常音が発生した箇所の直近の上層階であることを特徴とするエレベータシステム。 - 請求項4または請求項5に記載のエレベータシステムにおいて、
給油制御手段によって乗りかごと電源部とを制御した後、その異常音が発生した同じ箇所で前記摺動音が異常音判定手段によって再び異常音であると判定されたときに、給油制御手段によって繰り返し乗りかごと電源部とを制御する繰り返し手段を有することを特徴とするエレベータシステム。 - 請求項6に記載のエレベータシステムにおいて、
繰り返し手段は、
繰り返し回数が所定の数を超えたときに、情報センタに通報することを特徴とするエレベータシステム。
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JP2020147395A (ja) * | 2019-03-12 | 2020-09-17 | 三菱電機ビルテクノサービス株式会社 | エレベーターの給油装置 |
CN114127003A (zh) * | 2019-08-16 | 2022-03-01 | 通力股份公司 | 用于生成电梯绳索表示的方法、控制单元和用于执行该方法的计算机程序产品 |
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