JP2010131636A - 電磁成形装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワークとしての金属管が小径化したときの電磁コイルの破損防止及び所要投入エネルギの増大防止が可能な電磁成形装置を提供する。
【解決手段】ワーク1は、比較的小径(外径Dw)の金属管(アルミニウム合金管)である。電磁コイル3は、比較的大径(外径Dc)のコイルである。これらのワーク1及び電磁コイル3の内部に、コア部材2が挿入されており、コア部材2により、コイル3とワーク1とが磁気的に連結されている。コア部材2は、比透磁率が100以上の強磁性体で成形されている。電磁コイル3への通電により発生する磁束をコア部材2を介してワーク1の内部に誘導することにより、ワーク1を電磁拡管する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ワークとしての金属又は合金管(以下、金属管という)の内部又は外部にコイルを設置し、前記コイルにパルス電流を通電することにより、前記金属管に発生する電磁力により前記金属管を拡管又は縮管成形する電磁成形装置に関する。
電磁成形の分野において、拡管成形及び縮管成形が実用化されている。この電磁拡管成形においては、拡管(又は縮管)すべき金属管の内部(又は外部)に、電磁コイルを配置し、このコイルに急激にパルス電流を通電することにより、相互誘導現象により金属管に大電流を誘起し、その結果、金属管に生じるローレンツ力により、管径を拡大又は縮小させる。このため、電磁コイルは、拡管(縮管)すべき金属管の小径化に伴って、コイルも小径化する必要がある。特に、拡管成形のためのコイルは、拡管すべき金属管よりも小さいことが必要になる。
しかし、コイルを小径化しようとすると、製造性、性能及び耐久性の点で、問題が生じる。先ず、製造性については、導線をコイル形状に成形することが困難になり、導線の材質及び断面形状に対する制限が厳しくなると共に、コイル形状に成形する際に、導線断面が変形するという問題点もある。
また、性能面においては、コイルの小径化に伴い、コイルの性能であるインダクタンスが急激に低下する。これに伴い、コイルと金属管との相互誘導現象の効率が低下し、金属管を成形するために必要な電磁力を発生させるためには、投入エネルギを相対的に増加させる必要が生じる。即ち、コイルを小径化すると、投入エネルギのうち、金属管の塑性加工に消費されるエネルギの割合(成形効率)が急速に低下する。このため、小径の金属管に十分な塑性加工を行うためには、金属管寸法に比して投入エネルギを相対的に増大させる必要があるが、投入エネルギの増加は、通電1回あたりのコイル内部の発熱量の増大、電源の大型化、及びコンデンサの充電時間の増加等を引き起こし、実用性の点で問題となる。そして、金属管に十分な電流を誘起するためには、必然的にコイルにも大電流を流す必要があるが、これにより、導電自身に作用する電磁力が増加し、コイルがより破損しやすくなる。
更にまた、耐久性の点において、コイルの小径化により、小径化する前と同程度の電磁力が導線に作用した場合でも、コイル自身の強度が小径化前より低下しているため、破損しやすくなる。また、小径化前と等しいエネルギを投入した場合でも、コイルの体積が減少しているため、通電1回あたりの温度上昇が大きくなることも、耐久性に悪影響を及ぼす。
特開2006−068775 特開2004−351457
上述のごとく、小型の金属管を電磁成形するために、小型のコイルを用意する方法には、製造性、性能及び耐久性の点で、限界があり、電磁成形の対象を制約してしまうという問題点がある。また、コイルは通電時に強力な電磁力を受けるため、変形防止のため、補強する必要がある。特に、従来の電磁拡管成形方法では、寸法的な問題から、コイル外側への補強量に制限が存在する。即ち、コイル外側の補強量が不十分であるため、コイルの耐久性が低くなるという問題点がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、ワークとしての金属管が小型化したときの電磁コイルの破損防止及び所要投入エネルギの増大防止が可能な電磁成形装置を提供することを目的とする。
本願第1発明に係る電磁成形装置は、管状のワークを電磁力により拡管する電磁成形装置において、前記ワークから離隔して配置され磁場を発生するコイルと、前記ワーク及び前記コイルに内挿された周状の強磁性体からなるコア部材と、を有し、前記コイルへの通電により発生する磁束を前記コア部材を介して前記ワークの内部に誘導し、前記ワークを電磁拡管することを特徴とする。なお、本発明において、強磁性体というときは、比透磁率が100以上のものをいう。
本願第2発明に係る電磁成形装置は、管状のワークを電磁力により拡管する電磁成形装置において、前記ワークに内挿され磁場を発生するコイルと、前記コイルに内挿された強磁性体からなるコア部材と、を有し、前記コイルへの通電により発生する磁束が、前記コア部材により増強されて前記ワークを電磁拡管することを特徴とする。
本願第3発明に係る電磁成形装置は、管状のワークを電磁力により縮管する電磁成形装置において、前記ワークを外嵌するように配置され磁場を発生するコイルと、前記ワークに内挿された強磁性体からなるコア部材と、を有し、前記コイルへの通電により発生する磁束が、前記コア部材により増強されて前記ワークを電磁縮管することを特徴とする。
本願第1発明においては、磁束を発生させるコイル自体は、ワークの内部には配置させない。コイルとワークは離隔して配置しており、両者に内挿された周状の強磁性体からなるコア部材によって磁気的に結合されている。コイルへの通電により発生した磁束は、コア部材の内部を経由してワーク内部に誘導され、ワーク内部に誘導電流とそれに伴う電磁力を生じさせ、電磁拡管させることが可能となる。このコア部材は単に棒材とすることができるので、小型化されたワーク内部にも、容易に挿入することができる。また、コイル自身の小型化は不要なため、コイルの小型化に伴う種々の問題点を回避することができる。
また、本願第2発明及び第3発明においては、ワークの内部にコイルを挿入し、又は、ワークを外嵌するようにコイルを配置し、更に、コイル又はワークの内部に強磁性体からなるコア部材を挿入することにより、コイルのインダクタンスは、強磁性体の形状及び比透磁率に関係して、大きく増加する。また、磁束は磁気抵抗が小さい強磁性体内に集中するという性質から、強磁性体を挿入することにより、磁束の流路が限定され、コイルとワークの磁気的な結合度も向上する。このため、ワークの小径化が進んだとしても、一次回路とコイルの磁気的結合度の低下が抑制され、小径化によって生じる成形効率の低下を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態に係る電磁成形装置について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る電磁成形装置を示す模式図である。成形加工対象のワーク1は、比較的小径(外径Dw)の金属管であり、例えば、アルミニウム合金管である。また、電磁コイル3は、比較的大径(外径Dc)のコイルである。これらのワーク1及び電磁コイル3の内側の形状は、コア部材2の外側の形状よりも大きく、ワーク1及び電磁コイル3の内部に、コア部材2が挿入される。コア部材2は、ワーク1に挿入されるユニット2aと、電磁コイル3に挿入されるユニット2bと、これらのユニット2a、2bの端部同士を磁気的に連結する半円弧状のユニット2c、2dとから構成されており、ユニット2a、2bを夫々ワーク1及び電磁コイル3に挿入した後、ユニット2c、2dをユニット2a、2bに連結することにより、周状に構成されている。コア部材2は、例えば、比透磁率が100以上の強磁性体で成形されている。
図2は、上述のごとく構成された電磁成形装置の等価磁気回路を示す模式図である。磁気回路5がコア部材2の磁気回路を、磁気回路4がワーク1の漏れ磁気回路を、磁気回路6がコイル3の漏れ磁気回路6を夫々表している。このとき、コア部材2の磁気回路5は磁気抵抗Rm,core、ワーク1の漏れ磁気回路4は磁気抵抗Rm,work、コイル3の漏れ磁気回路6は磁気抵抗Rm,coilである。ワーク1のインダクタンスをLwork、電気抵抗をRw、流れる電流をIWとする。コイル3を含む電気回路を一次回路とする。一次回路の電気抵抗をR1、インダクタンスをL1、コンデンサのキャパシタンスをC、流れる電流をI1とする。成形開始直前には、コンデンサには電源V0が印加されているとする。なお、図2においては、これらの記号の多くは図示を省略している。
この図2において、コア部材2は電気抵抗が十分に大きいため電流が流れず、コア部材2を通じて流れる磁束(矢印ハッチング)は一定であると仮定する。図2はトランス(変圧器)の等価磁気回路とも類似しているが、トランスでは変圧が、図2ではワークの成形が目的である点に相違がある。
以上の前提のもとに、ワーク1を円管に限定すれば、ワーク1に作用する磁気圧力Prは、下記数式1にて概算される。
Figure 2010131636
この数式1において、rpipeはワーク1の半径、hpipeはワーク1の長さ、Lpipe、0はコア挿入前のコイル3の自己インダクタンス、Ipはワーク1に流れる誘導電流であり、πは円周率、∂は偏微分記号である。Ipは、図1の等価電磁気回路の回路方程式を導くことから計算できる。
図1において、ワーク1は、高さが40mm、肉厚が0.5mm、半径が15mmの円管であり、材質が導電率50%IACS、耐力50MPaのアルミニウム合金管であると仮定する。コイル3は巻数が20回、半径が30mm、高さが200mmであると仮定する。強磁性体からなるコア部材2は、長さが600mm、半径が13mm、比透磁率が100であり、2mmのギャップがあると仮定する。また、一次回路は、抵抗値が0.02Ω、コンデンサ容量が400μFであると仮定する。このときの、ワークの生じる磁気圧力Prを数式1を使用して算出する。なお、ワーク1に生じる磁気圧力の最大値をPr、maxと、ワーク1が塑性変形するために必要となる最小磁気圧力をPcrとする。
図3は、Pr,max/Pcrの投与電圧依存性を示すグラフ図である。この図3に示されているように、Pr,max/Pcrが1を超えると、ワーク1は塑性変形を開始する。この条件下では、Pr,max/Pcrが約3以上になれば、円管を大きく変形されることが可能となる。この条件下においては、1300V程度を印加すれば、十分な拡管成形が可能となる。
このように、本実施形態の電磁成形装置によれば、磁束を発生するコイル3自体は、ワーク1の内部に配置されず、コイル3とワーク1の双方に内挿された強磁性体からなるコア部材2を介して、コイル3とワーク1が磁気的に結合されている。よって、ワーク1の外側に成形すべき型(図示せず)を設け、コイル3にパルス電流を通電することにより、コイル3に発生した磁束は、コア部材2により著しく増幅され、磁気抵抗が小さいコア部材2の中を集中して流れる。コア部材2を流れる磁束はワーク1の内部まで誘導され、ワーク1には磁束変化による誘導電流と、それにともなうローレンツ力(電磁力)が発生し、ワーク1は所定の形状まで拡管成形される。このコア部材2は図1に示すように、単なる棒材とすることができるので、ワーク1が小型化されても、容易にワーク1の内部に挿入することができる。また、コイル自体は小型化しなくてもよいので、コイルの小型化に伴う種々の問題点を回避することができる。更に、コイルの外側の補強も十分に行うことができる。
電磁成形は相互誘導現象であるため、一次回路(コイル側回路)とワークとの磁気的な結合度が成形効率に大きく影響する。即ち、漏れ磁束をいかに減少させることができるかが、重要である。本実施形態の場合は、例えば、比透磁率が100以上の強磁性体を使用して、コア部材2を構成しているので、この強磁性体の透磁率は非磁性体の透磁率の100〜1000倍になるため、コイル電流により発生する磁界で生じる磁束は、強磁性体内に集中して流れることになる。よって、本実施形態においては、コイル電流により発生する磁束は、強磁性体を通して、ワーク内部に導かれる。従って、ワーク1がコイル3と離れているにも拘わらず、コイル1とワーク3との磁気的な結合度の低下は小さく、ワークの電磁成形が可能となる。
次に、本件発明の第1実施形態の変形例について説明する。図4に示す電磁成形装置は、直線状の棒からなるユニット2a、2bの両端部を、同様に直線状の棒からなるユニット2e、2fで連結した構造を有する。このように、ユニット2a、2bと、ユニット2e、2fとは、直角に交差するが、図1の電磁成形装置と同様にワーク1とコイル3とを磁気的に結合する磁気回路が形成される。この図4に示す電磁成形装置は、コア部材の形状が簡素で、製造コストが低いという利点がある。
図5に示す電磁成形装置は、ワーク1及びコイル3を挿通する直線部のユニット2g、2hが、ユニット2a、2bよりも長く、1本のユニット2hにワーク1とコイル3とが外嵌されるものである。このように、ワーク1及びコイル3を設置する位置は、任意であり、ワーク1をコイル3の近傍に設置することもできる。
図6に示す電磁成形装置は、ユニット2aに2個のワーク1,1aが外嵌され、同時に2個のワーク1,1aを電磁拡管成形するものである。このように、同じに、2個又は3個以上の複数個のワークを同時に電磁拡管成形することにより、生産性の向上及び装置コストの低減が可能となる。
図7(a)、(b)に示す電磁成形装置は、図7(a)に示すように、コア部材2の上端部及び下端部に配置されるユニット2i、2jが円板状をなし、図7(b)に示すように、円板状のコア部材ユニット2i、2jの周縁部間に垂直に延びる直線状の6個のユニット2a,2b等が6等配の位置に連結されている。そして、これらの6個のユニット2a,2b等に、夫々、ワーク1,1a等が外嵌されている。また、ユニット2i,2jの中心部に、垂直に延びる直線状のユニット2kが連結されている。そして、この中央のユニット2kに、コイル3が外嵌されている。
このように構成された電磁成形装置においては、1個の電源及びコイル3で、6個のワーク1を、並列的に、一度に電磁拡管成形することができる。図6のように、複数個のワーク1,1aを直列に連結したものとは異なり、図7の場合は、ユニット2a、2b等の並列関係にあるユニットの形状を相互に異なるものにすることが容易であり、形状及び寸法が異なるワークを同時に成形することも容易である。なお、同時に成形するワークの数量は、適宜決定できる。この図7(a)、(b)に示す電磁成形装置では、複数のさまざまな形状のワークを同時に成形することにより、生産性の飛躍的な向上、装置コストの低減、電磁成形装置の汎用性の向上が可能となる。
図8に示す電磁成形装置において、ワーク1a、1b、1cの形状は夫々異なり、それに応じてワーク1a、1b、1cへ挿入するコア部材2a、2b、2cの形状も変更されるが、コイル3、コア部材2d、2e、2fからなるコイル側は変更を必要としない。図8では、装置全体をコイル側とワーク側で分離し、ワーク形状の変更をワーク側のコア部材の変更のみで対応することにより、装置の汎用化が可能となる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は本願第2発明についてのものである。図9は本発明の第2実施形態に係る電磁成形装置を示す模式図である。成形加工対象のワーク11は、例えば、比較的小径のアルミニウム合金管である。また、電磁コイル12は、電磁成形用コイルであるが、比較的小径で、小径のワーク11の内部に挿入可能な外径を有している。そして、このコイル12の内部に、例えば、比透磁率が100以上の強磁性体からなるコア部材13が挿入されている。なお、コア部材13は、上述のように棒状に限らず、中空の管状であってもよい。
上述の如く構成された電磁成形装置においては、コイル12に大電流を通電すると、主にコア部材13により磁束が増強されることで、ワーク11に誘起される誘導電流及び発生する電磁力が、コア部材13を設置しない状態に比べ大きく増加する。従って、ワーク11を少ない投入エネルギで電磁拡管成形することができる。本発明は、ワークがより小型になるほど、その効果を発揮するものである。
従来のワークの小型化に伴い、コイルを小径化すると、投入エネルギのうち、ワークの塑性加工に消費されるエネルギの割合(成形効率)が急速に低下する。成形効率の低下の主な原因として、コイル側回路(一次回路)と、ワークとの磁気的な結合度が大幅に低下することがあげられる。この磁気的な結合度低下の原因として2つあげられる。その一つは,コイル性能の指標であるインダクタンスの一次回路全体のインダクタンスに占める割合の低下であり、他の一つは、コイルとワークとの間の磁気的な結合度(結合係数)の低下である。
コイルインダクタンスが一次回路全体のインダクタンスに占める割合が低下する要因については、以下のように考えられる。コイルインダクタンスは、コイル径の2乗にほぼ比例する性質がある。一次回路には、コイルとは別に、配線部及び電源部などにも一定のインダクタンスが存在するため、一次回路全体のインダクタンスに占めるコイルインダクタンスの割合は、コイル小径化に伴って急速に低下することになる。
コイルとワークとの間の磁気的な結合度(結合係数)が低下する要因については、以下のように考えられる。コイル導線とワーク内壁との間には、ワークの着脱を容易にするための空間が必要であり、また、コイル導線に対しては、変形を防止するため、外側に一定の厚さの補強を行う必要がある。従って、コイル導線とワーク内壁との間には一定の間隔が必要である。このため、コイルを小型化することにより、コイル導線とワーク内壁との間の距離のコイル径に対する比率が相対的に増加し,コイルとワークとの間の磁気的な結合度が低下する。
しかし、本実施形態のように、強磁性体からなるコア部材13をコイル12の内部に挿入することにより、コイルインダクタンスは、その強磁性体の形状及び比透磁率に応じて大きく増加する。一般的には、コイルのインダクタンスは、強磁性体を挿入することにより、強磁性体を挿入しない場合に比して、5倍程度まで増加させることができる。従って,一次回路全体のインダクタンスに占めるコイルのインダクタンスを100%に近づけることができる。
また、強磁性体をコイルに挿入することにより、磁束は強磁性体内に集中するため、磁束の流れが限定化される。これによって、コイルとワークとの磁気的な結合度が大幅に増加し、その結合係数は90%以上にまで増加させることが可能となる。
以上の2点の原理により、コイルの小径化に伴う一次回路とコイルとの磁気的結合度の低下を抑制でき、成形効率を大幅に向上させることができる。
次に、本発明の第2実施形態において、成形効率の向上の度合いを試算する。図10に示すように、ワーク11の外径が58.4mm、長さが73mm、コイル12の外径が46mm、長さが120mm、コア部材13の外径が30mm、長さが140mmであるとしたときの電磁場解析を実施した。解析ソフトは、株式会社神戸製鋼所製の定常電磁場解析ソフトMAGFIS(商標)である。図10のモデルに対し,コイルに強制電流(周期2500Hz)を与え,強磁性体コア(比透磁率100)の有無で、ワークに作用する電磁力がどのように変化するかを調査した。その結果を図11に示す。図11は、横軸にワーク高さ方向の位置をとり、縦軸に電磁力比(強磁性体コアがない場合を1とした任意単位)をとって、両者の関係を示すグラフ図である。図11に示すように,ワークの高さ方向の各位置に作用する半径方向の電磁力Frは、全てのワーク位置において、コア部材13が存在しない場合の2.5倍以上の半径方向電磁力Frが得られた。
このようにして、本実施形態によれば、小型化されたワークを成形するために、コイルを小径化しても、成形効率は高いまま推移する。つまり、投入エネルギを増大させずに、小径のワークを電磁成形することができる。従って、電源への負荷及び1通電あたりのコイル内部の温度上昇を低減することができる。また、コアの寸法を工夫することにより、コイル導線に作用する電磁力を、低減することができるので、コイルの破損を防止でき、又は破損防止のためのコイル補強を軽減することができる。
次に、本実施形態の変形例について説明する。図12は図9と同様の構造を有し、コア部材13として、中実の強磁性体を使用したものである。
図13は、コア部材13として、中空部15を有する管14からなる強磁性体を使用したものである。
図14は、コア部材13aとして、可及的に大きな径を有する強磁性体を使用したものである。このように、コア部材13aの周面とコイル12の内面とを接近させることにより、コイル導線に作用する電磁力を低減することができ、コイル12の破損を抑制することができる。また、コア部材13aの断面積が大きくなり、磁気抵抗を低減することができ、コア部材13aを挿入することによる成形効率の向上効果が、より一層高まる。
図15は、コア部材13bの両端部に、円輪状のコア部材13c、13dを嵌合させて、これらのコア部材13c、13dがコイル12の蓋となるように,コア部材を組み立てたものである。このようにすることにより、コア部材13bを通る磁束は、コア部材13c、13dを通ることができ、磁気抵抗をさらに小さくできる。従って、コア部材13c、13dがない場合に比して、一層の成形効率の向上が可能となる。但し、ワークを設置し、また取出できるように、コア部材13bと、コア部材13c又は13dとは、脱着可能であることが必要である。
図16は、コア部材13eに対し,その上下端部に円板状のコア部材13f、13gをコア部材13eに対して垂直に取り付け、更に,ワーク11を取り囲むように、円筒状のコア部材13hをコア部材13f、13gの周縁部に取り付けたものである。このように、コイル12を、強磁性体からなるコア部材13e、13f、13g、13hで取り囲むことにより、磁気抵抗は飛躍的に軽減することができる。このため、コア部材によるコイルインダクタンスの増強効果は著しく高くなる。但し,この場合も、ワークを設置し、また取出できるように、コア部材13eと、コア部材13f及び13hと、コア部材13g及び13hとは、脱着可能であることが必要である。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態は本願第3発明についてのものであり、電磁縮管用の成形装置である。本実施形態においては、管状のワーク21に対し、その長さより長いコイル22がワーク21の全域を覆うように、外嵌されている。
また、ワーク21の内部には、強磁性体からなる棒材であるコア部材23が配置されている。この縮管装置においても、コア部材23により、コイル22のインダクタンス増強効果及びコイル22とワーク21の結合係数の向上が可能となり、比較的少ない投入エネルギで、ワーク21に大きな電磁力を作用させることが可能となり、その成形効率を高めることができる。
コア部材2、13、23を構成する強磁性体材料の特性としては、まず、飽和磁束密度が高いこと、比透磁率が高いこと、電気抵抗が非常に高いことが要求される。また、コア内には磁束密度に由来するマクスウェル応力と、電流が無視できないほど誘起される場合には電磁力も生じうるため、機械的強度も高いことが望ましい。
例えば、コア部材2、13、23には焼結フェライトを使用することができる。又は、電磁鋼板(珪素鋼板)を積層させたものも使用することができる。これらは、比透磁率が高く、ヒステリシス及び過電流による損失が小さいことから、コア部材用の強磁性体として適している。焼結フェライトは加工性の面で、珪素鋼板は機械的強度の面で優れたものである。
また、コア部材2、13、23に生じる電磁力が大きい場合においては、コア部材の外側又は内側への補強を行なうことが必要である。
なお、本発明が適用されるワークは、円管に限らず、楕円管及び四角形管若しくは多角形管等の管状をなすものであれば適用することができる。また、コイル外形も、円筒状に限らず、楕円筒状及び四角形筒状若しくは多角形筒状等の種々の形状のものを利用することができる。
本発明の第1実施形態に係る電磁成形装置を示す模式図である。 電磁成形装置の等価磁気回路を示す模式図である。 ワークに生じる磁気圧力の最大値Pr,maxと、ワークが塑性変形するための最小磁気圧力Pcrとの比Pr,max/Pcrの投与電圧依存性を示すグラフ図である。 本発明の第1実施形態の変形例を示す模式図である。 本発明の第1実施形態の変形例を示す模式図である。 本発明の第1実施形態の変形例を示す模式図である。 本発明の第1実施形態の変形例を示す模式図である。 本発明の第1実施形態の変形例を示す模式図である。 本発明の第2実施形態に係る電磁成形装置を示す模式図である。 電磁場解析の条件を示す模式図である。 横軸にワーク高さ方向の位置をとり、縦軸に電磁力比(強磁性体コアがない場合を1とした任意単位)をとって、両者の関係を示すグラフ図である。 本発明の第2実施形態の変形例を示す模式図である。 本発明の第2実施形態の変形例を示す模式図である。 本発明の第2実施形態の変形例を示す模式図である。 本発明の第2実施形態の変形例を示す模式図である。 本発明の第2実施形態の変形例を示す模式図である。 本発明の第3実施形態に係る電磁成形装置を示す模式図である。
符号の説明
1、11:ワーク
2、12:コア部材
2a、2b、2c、2d、2e、2f、2g、2h、2i、2j、2k:ユニット
3、13:コイル
14:管
15:中空部
13a,13b、13c、13d、13e、13f、13g、13h:コア部材

Claims (3)

  1. 管状のワークを電磁力により拡管する電磁成形装置において、前記ワークから離隔して配置され磁場を発生するコイルと、前記ワーク及び前記コイルに内挿された周状の強磁性体からなるコア部材と、を有し、前記コイルへの通電により発生する磁束を前記コア部材を介して前記ワークの内部に誘導し、前記ワークを電磁拡管することを特徴とする電磁成形装置。
  2. 管状のワークを電磁力により拡管する電磁成形装置において、前記ワークに内挿され磁場を発生するコイルと、前記コイルに内挿された強磁性体からなるコア部材と、を有し、前記コイルへの通電により発生する磁束が、前記コア部材により増強されて前記ワークを電磁拡管することを特徴とする電磁成形装置。
  3. 管状のワークを電磁力により縮管する電磁成形装置において、前記ワークを外嵌するように配置され磁場を発生するコイルと、前記ワークに内挿された強磁性体からなるコア部材と、を有し、前記コイルへの通電により発生する磁束が、前記コア部材により増強されて前記ワークを電磁縮管することを特徴とする電磁成形装置。
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