JP2010131575A - アクリロニトリル合成用触媒の製造方法およびアクリロニトリルの製造方法 - Google Patents

アクリロニトリル合成用触媒の製造方法およびアクリロニトリルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】流動性に優れ、高い収率でアクリロニトリルを合成できるアクリロニトリル合成用触媒の製造方法およびアクリロニトリルの製造方法を提供する。
【解決手段】モリブデン、ビスマス、鉄を含む複合酸化物、およびシリカを含有するアクリロニトリル合成用触媒を製造する方法であって、平均粒子径が15nm未満の第一の球状粒子シリカ(C)と、ビスマス成分(B)とを混合した第一の混合物に、モリブデン成分(A)を混合して第二の混合物を調製した後、平均粒子径が15nm以上100nm未満の第二の球状粒子シリカ(D)を混合する工程を含むことを特徴とするアクリロニトリル合成用触媒の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、プロピレンを分子状酸素およびアンモニアにより気相接触アンモ酸化してアクリロニトリルを合成する技術に関するもので、特にその合成反応に用いる触媒の製造方法、およびこれにより製造された触媒を用いたアクリロニトリルの製造方法に関する。
現在、アクリロニトリルは、「流動床アンモ酸化プロセス」として広く知られた方法により、工業的に合成されている。
プロピレンの気相接触アンモ酸化によりアクリロニトリルを合成する際に用いる触媒に関しては、これまで数多くの提案がなされている。例えば、特許文献1〜6には、モリブデンおよびビスマスを主成分とする触媒が開示されている。
ところで、流動床アンモ酸化プロセスにおいては、触媒の流動性が悪いと、反応中の反応器内での触媒の流動化状態が悪化するため、アクリロニトリル収率の低下を招くばかりでなく、安定運転が継続できないことがあった。従って、触媒は流動性に優れるほど好ましく、触媒の流動性を向上させる技術が求められている。
触媒の流動化状態を改良する手法としては、反応器の構造および反応操作を改良する方法や、触媒の物性を改良する方法などがある。触媒の物性を改良する手法として、触媒の粒子径に着目した手法が開示されている。
例えば、特許文献7には、酸化アンチモンを含有し、粒子径が1〜500μmのアンモ酸化触媒が開示されている。
また、特許文献8では、粒子径が350μmを超える大きな粒子を含み、かつ、粒子径が350μm以下の粒子の粒径範囲を7つの区分に分けて、各々の区分内の粒子量を特定の比率にすることが提案されている。
さらに、特許文献9には、噴霧乾燥後の球状粒子から、粒径が20μmより小さい極微粒子と、粒径が200μmより大きい粗大粒子を分離する酸化アンチモン含有流動触媒の製造方法が開示されている。特許文献9のように、触媒の粒径分布を調整することにより、反応器内での触媒の損失を低減でき、触媒の流動化状態が向上することによりアクリロニトリル収率を向上できる。
また、特許文献10には、シリカを含有するモリブデン複合酸化物を含有したアクリロニトリル合成用触媒の製造において、平均直径の異なる2種類のシリカゾルを原料として用いる方法が開示されている。特許文献10によれば、直径2〜45nmの範囲と直径55〜100nmの範囲とに、それぞれ極大値があるシリカを用いることで、十分な機械的強度を有し、流動性に優れた触媒が得られるとしている。
さらに、粒子直径の異なる2種類のシリカを用いた触媒に関しては、以下の技術が開示されている。
例えば、特許文献11には、アンチモンを主成分とするアクリロニトリル合成用触媒の製造において、平均直径の異なる2種類のシリカゾルを原料として用いる方法が開示されている。特許文献11によれば、平均粒子径が5〜50nmの範囲で異なる2種類のシリカゾルを原料として用いることで、機械的強度に優れた触媒が得られるとしている。
また、特許文献12には、シリカ原料として、1次粒子の平均粒子直径20〜55nm未満である少なくとも1種のシリカゾルと、1次粒子の平均粒子直径が5nm〜20nm未満である少なくとも1種のシリカゾルを用いた粒状多孔性アンモ酸化触媒が開示されている。特許文献12によれば、上述した2種類のシリカゾルを用いることにより、耐磨耗強度に優れ、精製系の詰まりの原因となるアクロレインなどの生成量が少ない触媒が得られるとしている。
特公昭61−13701号公報 特開昭59−204163号公報 特開平1−228950号公報 特開平10−43595号公報 特開平10−156185号公報 米国特許第5688739号明細書 特公昭50−24941号公報 特公昭60−13746号公報 特開昭52−140490号公報 特開2004−105951号公報 特開昭60−166037号公報 特開2006−61888号公報
しかしながら、特許文献1〜6に記載の触媒は、主にアクリロニトリル収率の高い触媒を得ることを目的として、触媒の構成元素およびその組成比を規定したものであり、これら公知の方法で得られる触媒では、触媒性能および触媒の物性の点において工業触媒としては必ずしも十分ではなかった。
また、特許文献7〜12に記載された方法を用いて製造された触媒についても、必ずしも工業触媒として十分ではなく、更なる触媒性能の向上が望まれている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、流動性に優れ、高い収率でアクリロニトリルを合成できるアクリロニトリル合成用触媒の製造方法およびアクリロニトリルの製造方法を提供することを目的とする。
本発明のアクリロニトリル合成用触媒の製造方法は、モリブデン、ビスマス、鉄を含む複合酸化物、およびシリカを含有するアクリロニトリル合成用触媒を製造する方法であって、平均粒子径が15nm未満の第一の球状粒子シリカ(C)と、ビスマス成分(B)とを混合した第一の混合物に、モリブデン成分(A)を混合して第二の混合物を調製した後、平均粒子径が15nm以上100nm未満の第二の球状粒子シリカ(D)を混合する工程を含むことを特徴とする。
ここで、前記アクリロニトリル合成用触媒に含まれる全シリカ100質量%中、前記第一の球状粒子シリカ(C)の含有量が10〜90質量%、前記第二の球状粒子シリカ(D)の含有量が10〜90質量%であることが好ましい。
また、前記アクリロニトリル合成用触媒が、下記一般式で示される組成を有することが好ましい。
MoBiFe(SiO)
式中、Mo、Bi、FeおよびOはそれぞれモリブデン、ビスマス、鉄および酸素を表し、Xはナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムおよびタリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、Yは、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、ジルコニウム、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タンタル、リン、ヒ素、アンチモン、ゲルマニウム、スズ、鉛、バナジウム、ニオブ、クロム、タングステン、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、銀、亜鉛、イオウ、セレン、テルル、ランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオジムおよびサマリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、SiOはシリカを表し、a、b、c、d、e、fおよびgは各元素(シリカの場合はケイ素)の原子比を表し、a=12のとき、0.1≦b≦5.0、0.1≦c≦10.0、0.01≦d≦3.0、0≦e≦12、10≦g≦200であり、fはシリカを除く前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素の原子比である。
また、本発明のアクリロニトリルの製造方法は、前記アクリロニトリル合成用触媒の製造方法により製造されたアクリロニトリル合成用触媒を用いて、アクリロニトリルを製造することを特徴とする。
本発明のアクリロニトリル合成用触媒の製造方法によれば、流動性に優れ、高い収率でアクリロニトリルを合成できる触媒が得られる。
また、本発明によれば、高い収率にてアクリロニトリルを合成することができる。
[アクリロニトリル合成用触媒の製造方法]
本発明のアクリロニトリル合成用触媒の製造方法は、必須の触媒成分(触媒を構成する元素)としてモリブデン、ビスマス、鉄を含む複合酸化物、およびシリカを含有するアクリロニトリル合成用触媒(以下、「触媒」と略す場合がある。)を製造する方法である。
本発明の触媒の製造方法は、平均粒子径が15nm未満の第一の球状粒子シリカ(C)と、ビスマス成分(B)とを混合した第一の混合物に、モリブデン成分(A)を混合して第二の混合物を調製した後、平均粒子径が15nm以上100nm未満の第二の球状粒子シリカ(D)を混合する工程を含むことを特徴とする。
モリブデン成分(A)としては、モリブデン元素またはモリブデン元素を含む原料化合物をそのまま使用してもよいが、これらを溶媒に溶解または懸濁させて溶液またはスラリー(A液という)の状態で使用することが好ましい。
A液に用いる溶媒としては、特に限定されないが、水を用いることが好ましい。
モリブデン元素を含む原料化合物としては、三酸化モリブデン等の酸化モリブデン類、パラモリブデン酸アンモニウム、ジモリブデン酸アンモニウム等のモリブデン酸塩類等が挙げられる。溶解性の面から、パラモリブデン酸アンモニウム、ジモリブデン酸アンモニウム等のモリブデン酸アンモニウム類を用いることが好ましい。
A液には、微量であれば、モリブデン以外の触媒成分(ビスマス成分、鉄成分、シリカ、およびこれら以外の他の成分)を含んでも良いが、これらの元素の含有量は少ないほど好ましく、実質的に含まないことが好ましい。
ビスマス成分(B)としては、ビスマス元素またはビスマス元素を含む原料化合物をそのまま使用してもよいが、これらを溶媒に溶解または懸濁させて溶液またはスラリー(B液という)の状態で使用することが好ましい。
B液に用いる溶媒としては、特に限定されないが、硝酸または水を用いることが好ましい。
B液には、触媒の反応成績の面から、ビスマス以外に、モリブデン、およびシリカ以外の残りの触媒成分(鉄成分および他の成分)を含むことが好ましいが、これらは必ずしもB液に混合しなくてもよく、一部の成分に限っては、例えば、第一の混合物、第二の混合物、または、第二の混合物に第二の球状粒子シリカ(D)を混合した第三の混合物に混合したり、第三の混合物を乾燥した後の固形物(乾燥粒子)、または該固形物を焼成して得られる触媒に含浸などの手法により混合してもよい。
ビスマス元素を含む原料化合物、鉄成分、他の成分としては特に限定されず、各元素の硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、アンモニウム塩、酸化物、ハロゲン化物等を組み合わせて使用することができる。
このB液には、微量であれば、モリブデン成分、およびシリカを含んでもよいが、これらの元素の含有量は少ないほど好ましく、実質的に含まないことが好ましい。
本発明において、触媒成分であるシリカの原料としては球状粒子シリカを用いる。ここで、「球状」とは、粒子の形状が実質的にほぼ球形であることを意味する。ただし、著しくない程度の若干の変形は差し支えない。
また、すべてのシリカが球状であることが好ましいが、全シリカの10質量%未満の範囲内において、著しくない程度に偏平したり欠けたりして球状でないシリカを含んでいてもよい。
このようなシリカの原料としては、コロイダルシリカを用いることが好ましい。コロイダルシリカは市販のものから適宜選択して用いることができる。コロイダルシリカ中のシリカの含有量については特に限定はないが、10〜50質量%が特に好ましい。
また、本発明においては、シリカとして、平均粒子径が15nm未満の第一の球状粒子シリカ(C)と、平均粒子径が15nm以上100nm未満の第二の球状粒子シリカ(D)の2種類のシリカを用いる。2種類のシリカの平均粒子径が、いずれも15nm以上の時は、活性低下に伴いアクリロニトリル収率が低減したり、機械的強度が低下したりするなどして好ましくない。また、いずれも15nm未満の時は、触媒の流動性低下に伴いアクリロニトリル収率が低減するので好ましくない。
なお、球状粒子シリカの平均粒子径は、電子顕微鏡法やBET法など種々の方法で求めることができるが、本発明における球状粒子シリカの平均粒子径とは、BET法により、球状粒子シリカの表面に吸着された窒素の吸着量から求めた値である。
具体的には、コロイダルシリカの場合、100〜200℃の温度で分散媒である水を蒸発させ、シリカ粉体とした後に、液体窒素温度で窒素を飽和吸着させ、室温に戻した時の窒素の脱離量より、粉体の比表面積S(m/g)を算出する。
そして、シリカの1次粒子を全て同一直径d(nm)の球形と仮定し、コロイダルシリカ中のシリカ粒子(アモルファスシリカ)の比重(ρ)を2.2とし、1g当たりのシリカの1次粒子の個数をnとすると、直径d(nm)は下記式により求めることができる。
1/ρ=4/3×π×(d×10−7/2)×n
S=4×π×(d×10−9/2)×n
従って、d=6000/(ρ×S)
本発明においは、上述のようにして求めたd値を球状粒子シリカの平均粒子径とする。
第一の球状粒子シリカ(C)の含有量の下限は、触媒に含まれる全シリカ100質量%中、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましい。一方、上限は90質量%以下が好ましく、85質量%以下がより好ましく、80質量%以下がさらに好ましい。
第一の球状粒子シリカ(C)の含有量が10質量%未満であると、触媒の機械的強度が著しく低下することがある。一方、含有量が90質量%を超えると、触媒の流動性が著しく低下することがある。従って触媒の流動性を向上させ、安定運転を継続させるには、第一の球状粒子シリカ(C)の含有量が上記範囲内であることが好ましい。
一方、第二の球状粒子シリカ(D)の含有量の下限は、全シリカ100質量%中、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましい。一方、上限は90質量%以下が好ましく、85質量%以下がより好ましく、80質量%以下がさらに好ましい。
第二の球状粒子シリカ(D)の含有量が10質量%未満であると、触媒の流動性が著しく低下することがある。一方、含有量が90質量%を超えると、触媒の機械的強度が著しく低下することがある。従って触媒の流動性を向上させ、安定運転を継続させるには、第二の球状粒子シリカ(D)の含有量が上記範囲内であることが好ましい。
なお、第一の球状粒子シリカ(C)および第二の球状粒子シリカ(D)には、微量であれば、シリカ以外の触媒成分(モリブデン成分、ビスマス成分、鉄成分、および他の成分)を含んでも良いが、これらの成分の含有量は少ないほど好ましく、実質的に含まないことが好ましい。
ここで、本発明の触媒の製造方法の一例について具体的に説明する。
まず、第一の球状粒子シリカ(C)と、ビスマス成分(B)とを混合して第一の混合物を調製する。(C)と(B)の混合方法としては、(C)に(B)を添加する方法、(B)に(C)を添加する方法、(C)と(B)を同時に混合する方法などが挙げられる。混合時間については特に制限されず、用いる原料の種類によって適宜設定すればよい。
なお、上述したように、(B)としてはビスマス元素またはビスマス元素を含む原料化合物を溶媒に溶解または懸濁させて、B液の状態にして用いるのが好ましい。
次いで、第一の混合物に、モリブデン成分(A)を混合して第二の混合物を調製する。第一の混合物と(A)の混合方法としては、第一の混合物に(A)を添加する方法、(A)に第一の混合物を添加する方法、第一の混合物と(A)を同時に混合する方法などが挙げられる。混合時間については特に制限されず、用いる原料の種類によって適宜設定すればよい。
なお、上述したように、(A)としてはモリブデン元素またはモリブデン元素を含む原料化合物を溶媒に溶解または懸濁させて、A液の状態にして用いるのが好ましい。
次いで、第二の混合物に第二の球状粒子シリカ(D)を混合して、第三の混合物(触媒原料を含む溶液またはスラリー)を調製する。第二の混合物と(D)の混合方法としては、第二の混合物に(D)を添加する方法、(D)に第二の混合物を添加する方法、第二の混合物と(D)を同時に混合する方法などが挙げられる。混合時間については特に制限されず、用いる原料の種類によって適宜設定すればよい。
なお、第三の混合物は、必要に応じて70〜105℃の範囲において熟成、濃縮等の加熱処理を施してもよい。
次いで、このようにして得られた第三の混合物を乾燥することで固形物を得る。特に、流動層反応によるアクリロニトリル合成に用いる場合には、噴霧乾燥により球状の乾燥粒子とすることが好ましい。その際に使用する噴霧乾燥機としては、例えば加圧ノズル式、二流体ノズル式、回転円盤式などが挙げられる。
噴霧乾燥機乾燥室内に流通させる熱風の温度としては、乾燥室内への導入口付近における温度の下限は130℃以上が好ましく、140℃以上がより好ましい。一方、上限は350℃以下が好ましく、300℃以下がより好ましい。
また、乾燥室出口付近における温度の下限は100℃以上が好ましく、110℃以上がより好ましい。一方、上限は200℃以下が好ましく、180℃以下がより好ましい。
更には、導入口付近における温度と乾燥室出口付近における温度との差が20〜120℃に保たれていることが好ましく、30〜110℃に保たれていることがより好ましい。
上記の各温度が所定の範囲にない場合には目的生成物の収率や活性が低下したり、かさ密度、機械的強度等が低下したりする等の問題が生じる場合がある。
次いで、固形物(乾燥粒子)を焼成して、アクリロニトリル合成用触媒を得る。
焼成温度の下限は500℃以上が好ましく、520℃以上がより好ましい。一方、上限は700℃以下が好ましく、680℃以下がより好ましい。焼成温度が下限より低いと、十分な触媒性能が発現せず、目的生成物(アクリロニトリル)の収率が低下する場合がある。一方、焼成温度が上限より高いと、目的生成物の収率が低下したり、触媒の活性が低減したりする場合がある。
焼成時間の下限は0.1時間以上が好ましく、0.5時間以上がより好ましい。焼成時間が下限より短くなると、十分な触媒性能が発現せず、目的生成物の収率が低下する場合がある。
焼成時間の上限については特に制限はないが、必要以上に時間を延長しても得られる効果は一定以上にはならないため、通常20時間以内である。
また、焼成に先立ち、固形物を200〜490℃の範囲で仮焼成することが好ましい。これにより、アクリロニトリル収率がより高い触媒が得られやすくなる。
焼成および仮焼成には汎用の焼成炉を用いることができるが、均一な焼成ができることから、ロータリーキルン、流動焼成炉等が特に好ましく用いられる。
焼成時のガス雰囲気は、酸素を含んだ酸化性ガス雰囲気でもよく、例えば窒素等の不活性ガス雰囲気でもよいが、コストや作業性の観点から空気を用いるのが好ましい。
このように、本発明によれば、触媒を製造する過程においてシリカの混合の時機を定めることで、すなわち、ビスマス成分(B)とモリブデン成分(A)を混合する前に、平均粒子径が15nm未満の第一の球状粒子シリカ(C)と、ビスマス成分(B)を混合し、かつ、前記モリブデン成分(A)を混合した後に、平均粒子径が15nm以上100nm未満の第二の球状粒子シリカ(D)を混合することで、驚くべきことに、流動性に優れるアクリロニトリル合成用触媒が得られる。該触媒は、流動性に優れるので、アクリロニトリル収率の低下を抑制できる。
なお、触媒の流動性は、理想的には得られた触媒を工業的規模の流動層反応器に投入して、その流動状態を確認することが望まれる。しかしながら、そのような確認実験は経済的見地から非現実的であるため、本発明においては、触媒の安息角を測定し、これを触媒の流動性の指標とする。通常、安息角が小さくなるほど流動性が高くなる傾向にあり、安息角が大きくなるほど流動性が低下する傾向にある。
[触媒の組成]
本発明の触媒の製造方法により製造される触媒は、モリブデン、ビスマス、鉄を含む複合酸化物およびシリカを含有することが重要であるが、その他の成分(元素)が適宜含まれていてもよく、特に下記一般式で示される組成であることが好ましい。触媒が下記一般式で示される組成であれば、アンモ酸化反応におけるアクリロニトリル収率がより向上する。
MoBiFe(SiO)
式中、Mo、Bi、FeおよびOはそれぞれモリブデン、ビスマス、鉄および酸素を表し、Xはナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムおよびタリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、Yは、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、ジルコニウム、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タンタル、リン、ヒ素、アンチモン、ゲルマニウム、スズ、鉛、バナジウム、ニオブ、クロム、タングステン、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、銀、亜鉛、イオウ、セレン、テルル、ランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオジムおよびサマリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、SiOはシリカを表す。
また、式中、a、b、c、d、e、fおよびgは各元素(シリカの場合はケイ素)の原子比を表し、a=12のとき、0.1≦b≦5.0、0.1≦c≦10.0、0.01≦d≦3.0、0≦e≦12、10≦g≦200であり、fはシリカを除く前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素の原子比である。
触媒を前記組成にするためには、例えば、スラリーを調製する際の触媒原料の添加量を適宜選択する方法や、スラリーの調製から焼成までの工程で添加する原料の添加量を適宜選択する方法などが挙げられる。
また、焼成後の触媒にさらに触媒原料を含浸させて、前記範囲にしてもよい。
触媒の粒径は、5〜200μmの範囲であることが好ましく、10〜150μmの範囲であることがより好ましい。触媒の粒径がこの範囲であれば、反応使用時の触媒の飛散が少なく、かつ良好な流動性を有する触媒とすることができる。
[アクリロニトリルの製造方法]
本発明のアクリロニトリルの製造方法は、上述した触媒の製造方法により製造された触媒を用いて、アクリロニトリルを製造することを特徴とする。
具体的には、上記触媒の存在下、流動層にて、プロピレンを分子状酸素(以下、「酸素」と略す。)およびアンモニアにより気相接触アンモ酸化して、アクリロニトリルを製造する。
酸素源としては空気が工業的には有利である。必要に応じて純酸素を加えることによって酸素を富化した空気でもよい。
アクリロニトリルの製造方法においては、プロピレンとアンモニアと酸素を含む原料ガスを触媒に供給することが好ましい。
原料ガス中のプロピレンの濃度は、広い範囲で変えることができ、1〜20容量%が適当であり、3〜15容量%が特に好ましい。
原料ガス中のプロピレンと酸素とのモル比(プロピレン:酸素)は、1:1.5〜1:3が好ましい。また、反応ガス中のプロピレンとアンモニアとのモル比(プロピレン:アンモニア)は、1:1〜1:1.5が好ましい。
また、原料ガスは、不活性ガス、水蒸気等で希釈してもよい。
気相接触アンモ酸化を行う際の反応圧力は、常圧〜500kPaの範囲が好ましい。
気相接触アンモ酸化を行う際の反応温度は、400〜500℃の範囲が好ましい。
本発明によれば、上述した流動性に優れたアクリロニトリル合成用触媒を用いてアクリロニトリルを合成するので、反応中の反応器内での触媒の流動化状態が良好である。従って、高いアクリロニトリル収率にてアクリロニトリルを合成できると共に、安定運転を継続できる。
以下、本発明を実施例、比較例により具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、下記実施例、比較例中の「部」は質量部を意味する。
ここで、各実施例、比較例で用いたコロイダルシリカ(I)〜(VI)中に含まれる球状粒子シリカの平均粒子径、およびコロイダルシリカ中の球状粒子シリカの含有量を表1に示す。
なお、球状粒子シリカの平均粒子径は、BET法により、球状粒子シリカの表面に吸着された窒素の吸着量から前記のようにして算出した。
Figure 2010131575
[評価]
各実施例、比較例で得られた触媒について、活性試験(アクリロニトリル収率)、および流動性の評価を行った。評価方法は次の通りである。
(1)触媒の活性試験:
プロピレンのアンモ酸化によるアクリロニトリルの合成反応を塔径2インチの流動床反応器を用いて実施した。この際、プロピレン/アンモニア/空気/水蒸気=1/1.2/9.5/0.5(モル比)の混合ガスをガス線速度18cm/秒で反応器内に導入し、反応温度は440℃、反応圧力は200KPaとした。
反応試験分析はガスクロマトグラフィーにより行った。
なお、接触時間およびアクリロニトリルの収率は以下のように定義される。
接触時間(秒)=かさ密度基準の触媒容積(L)/反応条件に換算した供給ガス流量(L/秒)
アクリロニトリルの収率(%)=B/A×100
ここで、Aは供給したプロピレンのモル数、Bは生成したアクリロニトリルのモル数を表す。
(2)触媒の流動性の評価:
活性試験に供した触媒について、円筒回転式安息角測定器(筒井理化学器械社製)を用いて、安息角を測定した。
具体的には、外径95mm、高さ75mmのガラス製円筒容器内に触媒粉150mLを入れ、該安息角測定器の台車上に設置し、2rpmにてまず5分間回転させた後、回転を停止し、そのときの触媒粉の安息角を付属の分度器で測定した。次いで、2rpmにて1分間回転させた後、回転を停止し、そのときの触媒粉の安息角を分度器で測定した。以降この方法での測定を繰り返し、合計10点の測定値を得た。これら10点の測定値の平均値をその触媒の安息角とした。
[実施例1]
純水800部に、パラモリブデン酸アンモニウム400.0部を溶解してA液を調製した。
別途、17質量%硝酸水溶液400部に、硝酸ビスマス55.0部、硝酸鉄(III)219.7部、硝酸カリウム3.4部、硝酸マグネシウム145.2部、硝酸コバルト19.8部、硝酸ニッケル158.1部、硝酸銅16.4部、テルル酸5.2部および硝酸セリウム29.5部を溶解させ、B液を調製した。
B液に、表1に示すコロイダルシリカ(I)1225.0部を混合して、第一の混合物を得た。次いで、この第一の混合物に、A液を混合して、第二の混合物を得た。この第二の混合物に、コロイダルシリカ(IV)306.2部、純水20部にメタバナジン酸アンモニウム2.7部を含む水溶液を順次混合し、全ての触媒原料を含む水性スラリー(第三の混合物)を得た。
得られた水性スラリーをスプレー乾燥機にて乾燥し、球状の乾燥粒子を得た。
得られた乾燥粒子を250℃で2時間、次いで450℃で3時間静置焼成した後、560℃で2時間流動焼成し、触媒を得た。
得られた触媒の酸素以外の組成は、原料の仕込み量から以下のように算出された。
Mo10Bi0.5Fe2.40.15Mg2.50.1Co0.3Ni2.4Cu0.3Te0.1Ce0.3(SiO36
得られた触媒について、(1)に示した条件で活性試験を行った。なお接触時間を2.8秒とした。また、活性試験後の触媒について、(2)に示した流動性の評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例2]
実施例1と同様にしてA液を調製した。
別途、17質量%硝酸水溶液400部に、硝酸ビスマス87.9部、硝酸鉄(III)119.0部、硝酸カリウム1.8部、硝酸ルビジウム2.0部、硝酸マグネシウム87.1部、硝酸ジルコニル6.1部、硝酸アルミニウム8.5部、硝酸鉛7.5部、硝酸クロム45.3部、硝酸マンガン19.5部、硝酸コバルト5.3部、硝酸ニッケル296.5部、硝酸亜鉛67.4部、硝酸セリウム39.4部および硝酸サマリウム10.1部を溶解させ、B液を調製した。
B液に、表1に示すコロイダルシリカ(II)1225.1部を混合して、第一の混合物を得た。次に、この第一の混合物に、A液を混合して、第二の混合物を得た。この第二の混合物に、コロイダルシリカ(V)245.0部、50質量%濃度メタタングステン酸アンモニウム水溶液42.0部を順次混合し、全ての触媒原料を含む水性スラリー(第三の混合物)を得た。
得られた水性スラリーを実施例1と同様にして乾燥、および焼成処理を施し、触媒を製造し、各評価を行った。結果を表2に示す。
なお、得られた触媒の酸素以外の組成は、原料の仕込み量から以下のように算出された。
Mo10Bi0.8Fe1.30.08Rb0.06Mg1.5Zr0.1Al0.1Pb0.1Cr0.50.4Mn0.3Co0.08Ni4.5Zn1.0Ce0.4Sm0.1(SiO36
[実施例3]
コロイダルシリカ(V)245.0部の代わりに、コロイダルシリカ(IV)306.3部を用いた以外は、実施例2と同様にして触媒を製造し、各評価を行った。結果を表2に示す。
なお、得られた触媒の酸素以外の組成は、実施例2の触媒と同一であった。
[実施例4]
実施例1と同様にしてA液を調製した。
別途、17質量%硝酸水溶液400部に、硝酸ビスマス131.9部、硝酸鉄(III)73.2部、硝酸ルビジウム4.0部、硝酸マグネシウム29.0部、リン酸7.8部、硝酸クロム90.7部、硝酸マンガン45.5部、硝酸ニッケル329.4部、硝酸銅16.4部、硝酸亜鉛13.5部および硝酸セリウム49.2部を溶解させ、B液を調製した。
B液に、表1に示すコロイダルシリカ(III)571.6部を混合して、第一の混合物を得た。次に、この第一の混合物に、A液を混合して、第二の混合物を得た。この第二の混合物に、コロイダルシリカ(VI)1061.6部を混合し、全ての触媒原料を含む水性スラリー(第三の混合物)を得た。
得られた水性スラリーを実施例1と同様にして乾燥、および焼成処理を施し、触媒を製造し、各評価を行った。結果を表2に示す。
なお、得られた触媒の酸素以外の組成は、原料の仕込み量から以下のように算出された。
Mo10Bi1.2Fe0.8Rb0.12Mg0.50.3Cr1.0Mn0.7Ni5.0Cu0.3Zn0.2Ce0.5(SiO36
[実施例5]
コロイダルシリカ(III)の配合量を1061.6部、コロイダルシリカ(VI)の配合量を571.6部に変更した以外は、実施例4と同様にして触媒を製造し、各評価を行った。結果を表2に示す。
なお、得られた触媒の酸素以外の組成は、実施例4の触媒と同一であった。
[比較例1]
まず、コロイダルシリカ(I)とコロイダルシリカ(IV)を混合して混合物(CD)を調製した。次いで、実施例1と同様にして調製したB液に、先の混合物(CD)を混合し、これに実施例1と同様にして調製したA液を混合して、全ての触媒原料を含む水性スラリーを調製した以外は、実施例1と同様にして触媒を製造し、各評価を行った。結果を表2に示す。
なお、得られた触媒の酸素以外の組成は、実施例1の触媒と同一であった。
[比較例2]
まず、コロイダルシリカ(I)とコロイダルシリカ(IV)を混合して混合物(CD)を調製した。次に、実施例1と同様にして調製したA液とB液を混合し、混合物(AB)を調製した後、この混合物(AB)に先の混合物(CD)を混合して、全ての触媒原料を含む水性スラリーを調製した以外は、実施例1と同様にして触媒を製造し、各評価を行った。結果を表2に示す。
なお、得られた触媒の酸素以外の組成は、実施例1の触媒と同一であった。
[比較例3]
コロイダルシリカ(II)1225.1部の代わりに、コロイダルシリカ(V)735.1部を用いた以外は、実施例2と同様にして触媒を製造し、各評価を行った。結果を表2に示す。
なお、得られた触媒の酸素以外の組成は、実施例2の触媒と同一であった。
[比較例4]
コロイダルシリカ(V)245.0部の代わりに、コロイダルシリカ(III)408.4部を用いた以外は、実施例2と同様にして触媒を製造し、各評価を行った。結果を表2に示す。
なお、得られた触媒の酸素以外の組成は、実施例2の触媒と同一であった。
[比較例5]
コロイダルシリカ(III)571.6部の代わりに、コロイダルシリカ(VI)1633.3部を用い、コロイダルシリカ(VI)の配合量を0部に変更した以外は、実施例4と同様にして触媒を製造し、各評価を行った。結果を表2に示す。
なお、得られた触媒の酸素以外の組成は、実施例4の触媒と同一であった。
[比較例6]
コロイダルシリカ(III)の配合量を1633.3部、コロイダルシリカ(VI)の配合量を0部に変更した以外は、実施例4と同様にして触媒を製造し、各評価を行った。結果を表2に示す。
なお、得られた触媒の酸素以外の組成は、実施例4の触媒と同一であった。
[比較例7]
コロイダルシリカ(III)の配合量を0部、コロイダルシリカ(VI)の配合量を1633.3部に変更した以外は、実施例4と同様にして触媒を製造し、各評価を行った。結果を表2に示す。
なお、得られた触媒の酸素以外の組成は、実施例4の触媒と同一であった。
[比較例8]
コロイダルシリカ(III)の配合量を0部に変更し、コロイダルシリカ(VI)1061.6部の代わりに、コロイダルシリカ(III)1633.3部を用いた以外は、実施例4と同様にして触媒を製造し、各評価を行った。結果を表2に示す。
なお、得られた触媒の酸素以外の組成は、実施例4の触媒と同一であった。
Figure 2010131575
表2から明らかなように、各実施例で得られたアクリロニトリル合成用触媒は、安息角が比較例のものと比べて小さかった。これより、比較例に比べて流動性に優れることが示唆される。また、各実施例の触媒を用いた場合、アクリロニトリルの収率はいずれも80%以上であり、高いアクリロニトリル収率にてアクリロニトリルを合成できた。
一方、比較例1、2、4、6、8で得られたアクリロニトリル合成用触媒は、安息角が実施例のものと比べて大きかった。これより、実施例に比べて流動性に劣ることが示唆される。また、これら比較例の触媒を用いた場合、アクリロニトリルの収率はいずれも80%未満であり、実施例に比べてアクリロニトリル収率が低かった。
比較例3、5、7で得られたアクリロニトリル合成用触媒は、実施例と同程度の流動性ではあったが、触媒活性が低く、アクリロニトリル収率が実施例に比べて低かった。
本発明によれば、プロピレンを分子状酸素およびアンモニアにより気相接触アンモ酸化してアクリロニトリルを製造するための、流動性に優れ、高いアクリロニトリル収率を有する触媒を製造することができる。
また、この触媒により、高いアクリロニトリル収率にてアクリロニトリルを合成できることから、その工業的価値は大きい。

Claims (4)

  1. モリブデン、ビスマス、鉄を含む複合酸化物、およびシリカを含有するアクリロニトリル合成用触媒を製造する方法であって、
    平均粒子径が15nm未満の第一の球状粒子シリカ(C)と、ビスマス成分(B)とを混合した第一の混合物に、モリブデン成分(A)を混合して第二の混合物を調製した後、平均粒子径が15nm以上100nm未満の第二の球状粒子シリカ(D)を混合する工程を含むことを特徴とするアクリロニトリル合成用触媒の製造方法。
  2. 前記アクリロニトリル合成用触媒に含まれる全シリカ100質量%中、前記第一の球状粒子シリカ(C)の含有量が10〜90質量%、前記第二の球状粒子シリカ(D)の含有量が10〜90質量%であることを特徴とする請求項1に記載のアクリロニトリル合成用触媒の製造方法。
  3. 前記アクリロニトリル合成用触媒が、下記一般式で示される組成を有することを特徴とする請求項1または2に記載のアクリロニトリル合成用触媒の製造方法。
    MoBiFe(SiO)
    (式中、Mo、Bi、FeおよびOはそれぞれモリブデン、ビスマス、鉄および酸素を表し、Xはナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムおよびタリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、Yは、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、ジルコニウム、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タンタル、リン、ヒ素、アンチモン、ゲルマニウム、スズ、鉛、バナジウム、ニオブ、クロム、タングステン、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、銀、亜鉛、イオウ、セレン、テルル、ランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオジムおよびサマリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、SiOはシリカを表し、a、b、c、d、e、fおよびgは各元素(シリカの場合はケイ素)の原子比を表し、a=12のとき、0.1≦b≦5.0、0.1≦c≦10.0、0.01≦d≦3.0、0≦e≦12、10≦g≦200であり、fはシリカを除く前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素の原子比である。)
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のアクリロニトリル合成用触媒の製造方法により製造されたアクリロニトリル合成用触媒を用いて、アクリロニトリルを製造することを特徴とするアクリロニトリルの製造方法。
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