JP2010131542A - 有機ハロゲン化物の浄化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機ハロゲン化物の中でも特にシス―1,2―ジクロロエチレンは難分解性であり、鉄粉触媒では分解し難く、さらに水溶性無機塩を添加しても分解速度は改善しなかった。
【解決手段】有機ハロゲン化物で汚染された土壌、排水又は地下水に対し、鉄粉末の内部及び/又は表面にニッケル成分が偏析した部分合金粉末及び硫酸銅を水の存在下で混合することにより、有機ハロゲン化物、特に難分解性のシス−1,2−ジクロロエチレンを短期間に分解浄化する。部分合金粉末の混合量は土壌に対して0.1〜10重量%、硫酸銅の混合量は部分合金粉末に対して0.1〜10重量%の範囲が好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、汚染された土壌、排水又は地下水中の有機ハロゲン化物を分解する浄化方法に関するものである。
近年、TCE(トリクロロエチレン)、PCE(テトラクロロエチレン)、ジクロロメタン、PCB(ポリ塩化ビフェニル)及びダイオキシン類等の有機ハロゲン化合物による環境汚染問題が大きな問題となっており、これら有機ハロゲン化物により汚染された土壌、排水、地下水等の浄化方法が検討されている。
従来、これらの汚染に対する浄化方法としては、土壌ガス吸引法、土壌掘削法、地下水揚水法等が知られている。土壌ガス吸引法は汚染物質を強制的に吸引する方法であり、ポンプで汚染物質を土壌ガスとして回収除去する方法である。土壌掘削法は汚染土壌を掘削し、乾燥、加熱処理などを施して回収除去する方法である。地下水揚水法は汚染地下水を揚水して汚染物質を除去する方法である。
しかし土壌ガス吸引法地下水揚水法では、広範囲の土壌を対象とする場合、複数の吸引井戸や大掛かりな地上設備が必要であり、土壌掘削法では、掘削した土壌の熱処理などが高コストである。これに対し、汚染土壌を直接浄化する方法として鉄を使用した原位置浄化法が提案されている。しかし通常、鉄粉を単独で使用した場合、汚染の浄化に長時間を要するという課題があった。
それに対して鉄粉と同時に水溶性金属塩(具体的には鉄以外の異種金属の塩化物等)を混合して用いる方法(特許文献1)、異種金属を含有させて粒子内に局部電池構造を構成させた鉄粉を用いる方法が提案されている(例えば非特許文献1、特許文献2〜6)。しかし、前者では大量の水溶性金属塩の添加が必要であり、後者では有機ハロゲン化物の種類によっては分解に長時間を要する、或いは分解しない場合があり、十分な分解速度が得られないという問題があった。
先崎ら、工業用水、VOL391,(1991),29. 特開2005−111312 特開2003−80220 特開2003−136051 特開2002−309229 特開2003−105313 特開2004−57881 特開2008−142963
本発明は、複雑な工程や装置を必要とせず、なおかつ従来から分解が困難であった有機ハロゲン化物を短時間に分解する方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、鉄粉末の内部及び/又は表面にニッケル成分が偏析した部分合金粉末及び硫酸銅を水の存在下で混合することにより、有機ハロゲン化物を短時間に分解でき、特に難分解性のシス−1,2−ジクロロエチレン(cis−1,2−DCE)を短期間に分解できることを見出し、本発明を完成するに到ったものである。
以下本発明について詳細に説明する。
本発明は、有機ハロゲン化物で汚染された土壌、排水又は地下水に対し、鉄粉末の内部及び/又は表面にニッケル成分が偏析した部分合金粉末及び硫酸銅を水の存在下で混合する有機ハロゲン化物の浄化方法である。
本発明における有機ハロゲン化物としては、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、cis−1,2−ジクロロエチレン、trans−1,2−ジクロロエチレン、1,1−ジクロロエチレン、塩化ビニルなどの不飽和ハロゲン化炭化水素、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタンなどの飽和ハロゲン化炭化水素が挙げられるが、本発明の方法は従来の浄化方法では分解し難いcis−1,2−ジクロロエチレンの分解性能に特に優れるものである。
本発明の浄化方法では、有機ハロゲン化物の分解用処理剤として、鉄粉末の内部及び/又は表面にニッケル成分が偏析した部分合金粉末及び硫酸銅を用いる。
鉄粉末の内部及び/又は表面にニッケル成分が偏析した部分合金粉末は、鉄とニッケルの混合粉末を強粉砕によるメカニカルアロイング法によって得られる。完全合金化した場合、分解活性が低下するため、部分合金化(一部非合金が残存すること)したものを用いることが好ましい。
鉄粉末の内部及び/又は表面にニッケル成分が偏析した部分合金粉末は、鉄100重量部に対しニッケル0.01〜2重量部からなる混合物をメカニカルアロイング法により得た部分合金粉末を用いることが好ましい。
鉄とニッケルの部分合金の存在部位としては、合金部分が鉄粒子の表面全体を占めるものでなく、鉄粉表面においてニッケル部位および合金化部位が夫々存在することが好ましい。鉄粉表面全体を合金が覆っていると、局部電池作用が起こり難く、有機塩素化物の分解が起こり難い。部分合金化はEPMA(電子線マイクロアナライザ−)、TEM(透過型電子顕微鏡)及びX線装置を用いて、合金層(ニッケルの拡散層)を確認することができる。
本発明で用いる部分合金粉末中にはさらに鉄と炭素の合金部が存在することが望ましい。一般に鉄粉としては純鉄、鋼、鋳鉄、または銑鉄等を用いることができるが、これら鉄粉内に存在する鉄部分およびセメンタイト等の鉄炭素合金部分も活性点として作用し得る。鉄粉中の炭素量は、鋳鉄粉を用いた場合2〜3%、又還元鉄粉では0.01〜0.05%の範囲が例示できる。
部分合金鉄粉の粉末形状は特に限定するものではなく、球形状、樹枝状、片状、針状、角状、積層状、ロッド状、板状、海綿状等が含まれる。また分解用鉄粉の比表面積は0.05m/g以上、好ましくは0.2〜10m/gでは、分解反応速度や接触確率を向上させることができ、粗粒を用いる上で有効である。
部分合金鉄粉の粒度も特に限定されないが、粒度53μm未満が50重量%以上では危険物第2類に該当し、着火性等の危険性があるため、粒度53μm以上が40重量%未満で危険物第2類に該当しないものであることが好ましい。
本発明では、部分合金鉄粉と硫酸銅を分解剤として用いるものである。本発明で用いる硫酸銅は、鉄粉と混合することでシス−1,2−ジクロロエチレンの分解能は変化しないが、鉄粉末内及び/又は表面にニッケル成分が偏析した部分合金粉末に混合して用いると、少量の添加によっても有機ハロゲン化物の中で特にシス−1,2−ジクロロエチレンの分解能が特段に向上するものである。
本発明の方法では、部分合金粉末の土壌等に対する混合量は0.1〜10重量%の範囲、特に1〜3重量%の範囲が好ましい。また硫酸銅の混合量は部分合金鉄粉に対して0.1〜10重量%、特に0.3〜3重量%、さらに1重量%以下の範囲が好ましい。いずれの成分の混合量も少なすぎると土壌等との均一な混合が困難であり、混合量が多すぎても分解速度は頭打ちとなり、また経済的でない。
硫酸銅は、結晶または粉末の状態で使用しても良く、また、あらかじめ水に溶解したものを使用しても良い。
本発明において浄化する対象が土壌の場合、土壌中には水が存在することが必要である。土壌中の水分量としては、土壌100重量部に対して10重量部以上、特に20〜60重量部の範囲が好ましい。
本発明の方法では、ニッケルと部分合金化した鉄粉にニッケルを含有しない通常鉄粉又は酸化鉄で希釈して用いることができる。部分合金(A)と通常鉄又は酸化鉄(B)の混合比は特に限定されないがA/Bが9/1〜1/3の範囲で用いることが好ましい。
用いる酸化鉄は特に限定されないが、酸化第一鉄、酸化第二鉄、マグネタイト、ベルドライト等、さらに具体的には一般的に入手が容易な砂鉄、鉄鉱物が用いられる。
本発明の浄化方法は地下水揚水法などで集めた汚染水や、河川の水などの処理にも適用することができるが、土壌または地下水に注入する方法に対して特に好ましく適用することができる。本発明の方法は、複雑な処理工程や設備を必要とせず、汚染源を直接簡便に浄化することが可能である。
本発明の有機ハロゲン化物の浄化方法は、トリクロロエチレンの分解性能が高いだけでなく、難分解性のシス−1,2−ジクロロエチレンの分解速度を向上することができる。
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
実施例1
鋳鉄粉(炭素2.3重量%含有)にNiを0.3重量%混合し、振動ミル(中央化工機(株)製、商品名V−MILL,BM−3、1200vpm,6.6Lポット)を用いて、部分合金化粉末(以下「合金粉」という)を得た。(振動数600vpm、窒素ガス流量40ml/分、粉砕時間2時間)得られた粉末が部分合金であることをEPMAによって確認した。
当該部分合金鉄粉1重量部に対して鋳鉄粉を2重量部混合して評価に供する混合部分合金粉を調製した。
シス−1,2−ジクロロエチレン(環境基準0.04mg/L)を含有するシルト質の実汚染土壌300g(含水率20%)を1,000mLの高機密性のステンレス容器に充填し、当該混合部分合金粉を各6g添加した。別の容器には、予め6mLの純水に当該混合部分合金粉に対しCuとして0.5%及び1%に相当する硫酸銅を溶解させたCu水溶液を添加した。その後、バイブロミキサーで1分間機械混合の後、混合土壌を50mLのメディウム瓶に約40gずつを封入し、20℃に保持された恒温水槽中で静置し、一定期間経過後の有機ハロゲン化物の濃度を公定法(環境省告示46号及び18号)に準拠し測定した。尚、ブランクとして当該混合部分合金粉及びCu水溶液を含有しない汚染土壌中のシス−1,2−ジクロロエチレンの濃度は約0.7ppmであった。
シス−1,2−ジクロロエチレンの濃度変化を表1及び図1に示す。
シス−1,2−ジクロロエチレンの分解速度は、混合部分合金粉にCuを添加すると著しく向上し0.5%添加では凡そ12日で、また、1%添加では5日で環境基準値となった。
Figure 2010131542
比較例1
ニッケルの部分合金鉄粉の代わりに鋳鉄粉(実施例1の混合粉)を用い、硫酸銅を添加した場合と添加しない場合におけるシス−1,2−ジクロロエチレンの分解挙動を測定した。試験方法及び測定法は実施例1と同様とした。結果を表2及び図2に示す。
鋳鉄粉はシス−1,2−ジクロロエチレンを分解しなかった。また、鋳鉄粉に硫酸銅を添加しても分解能は発現しなかった。
Figure 2010131542
ニッケルと部分合金化した鉄粉に硫酸銅を混合した場合のシス−1,2−ジクロロエチレン(cis−1,2−DCE)の分解性能向上を示す図である。 鋳鉄粉、及び鋳鉄粉に硫酸銅を混合した場合のシス−1,2−ジクロロエチレン(cis−1,2−DCE)の分解性能を示す図である。

Claims (6)

  1. 有機ハロゲン化物で汚染された土壌、排水又は地下水に対し、鉄粉末の内部及び/又は表面にニッケル成分が偏析した部分合金粉末及び硫酸銅を水の存在下で混合する有機ハロゲン化物の浄化方法。
  2. 有機ハロゲン化物が、シス−1,2−ジクロロエチレンを含んでなる請求項1に記載の浄化方法。
  3. 鉄粉末内及び/又は表面にニッケル成分が偏析した部分合金粉末が、鉄100重量部に対しニッケル0.01〜2重量部からなる混合物をメカニカルアロイング法による部分合金粉末からなる請求項1乃至2に記載の浄化方法。
  4. 部分合金粉末の混合量が土壌に対して0.1〜10重量%の範囲である請求項1乃至3に記載の浄化方法。
  5. 硫酸銅の混合量が部分合金粉末に対して0.1〜10重量%の範囲である請求項1乃至4に記載の浄化方法。
  6. ニッケルを含まない鉄粉及び/又は酸化鉄をさらに混合してなる請求項1乃至5に記載の浄化方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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