JP2010130595A - 振動防止支持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 スパイク受けに充填される溶液を改善して振動吸収を図る。
【解決手段】 筒状のスパイク受け1と、スパイク受け1に収納される第1のスパイク10および該第1のスパイク10上に重ねて載置された第2のスパイク20とよりなり、第1のスパイク10と第2のスパイク20は上側の円柱部分11、21と下側の円錐部分12、22とで構成され、スパイク受け1に有機溶剤もしくは液体高分子材料または高分子材料の溶液3を充填する。
【選択図】 図1

Description

本発明は振動防止支持装置に関し、特に、オーディオ機器あるいは顕微鏡などの精密機器を支持する振動防止支持装置に関する。
オーディオ機器は電源トランスなどの振動源を内部に持っていたり、スピーカなどのように振動源を含んでいるため、機器内部に振動エネルギーが発生し、これらの振動が再生音に大きく影響して音質の劣化あるいは音像定位に影響を与えている。さらに、ごく微少な振動発生であるが、回路内の信号電流と周囲磁界による振動など、機器内部に種々の原因によって、振動レベルの大小、帯域幅、振動周波数がさまざまに異なる振動が発生しており、これらの振動によっても再生音に大きく影響して音質の劣化あるいは音像定位に影響を与えている。こうした対策のひとつに、特許第3848987号公報に記載されるように、円錐型スパイクがある。
図11は、従来の円錐型構造のスパイクを用いた振動防止支持装置の構造を示す断面図である。スパイクはスパイク受け111と、スパイク受け111に挿入される第1のスパイク110と、第1のスパイク110に重ねられる第2のスパイク120とスパイク受け111に入れられる液体113とよりなる。
第1のスパイク110上側の円柱部分114と下側の円錐部分115とで構成され、第2のスパイク120は上側の円柱部分121と下側の円錐部分122とで構成され、円錐部分122は第1のスパイク110の円柱部分114の上面で支持されている。そして、第2の円柱部分121の上面に振動を防止するスピーカなどの音響機器が載置される。
このような振動防止支持装置は顕微鏡あるいは精密測定機器などで、外部からの振動を遮蔽するために実用化されている。
しかし円錐形状内の振動伝播特性と端部での反射の影響により伝播特性に暴れが生じ、結果として白色雑音的ノイズは完全には除去されず、振動伝播特性が十分には改善されない。
特許第3848987号公報
前述したように、円錐型構造のスパイクは広く普及してその効果を発揮している。特に、多段構造では液体による振動絶縁を目的とし、副次的効果として振動吸収機能を持たせる液体が利用されている。また、一段構造の円錐スパイクにも、振動抑制オイルとしてスパイク先端が接するスパイク受けに液体を流し込んで、微小な振動吸収機能をもたせ、効果を発揮してきた。
しかし、従来の振動防止支持装置のスパイク受けに流し込む液体としてオイル、シリコン、水などが用いられたが、これら液体は振動絶縁が主たる目的であった。そして、スパイク受けに流し込んだこれらオイル、シリコン、水などの液体は構成分子の分子量が小さく、また粘性があるにしても、弾性による振動あるいは共振現象に至ることがなかったため、振動吸収は副次的で大きな効果はなかった。
スパイク受けに流し込んだオイル、シリコン、水などの液体は蒸発あるいは毛細管現象による沁み出しによって次第に目減りして最後にはなくなって乾燥状態に至り、効果がなくなってしまい、定期的にオイル、シリコン、水などの液体を補充する必要があった。
本発明は、スパイク受けに充填される溶液を改善した振動防止支持装置を実現するものであり、スパイク受けと、該スパイク受けに少なくとも一部分が内部に納められるスパイクよりなり、前記スパイク受けに有機溶剤もしくは液体高分子材料または高分子材料の溶液を充填する振動防止支持装置を提供する。
本発明は、前記スパイクが上面に被載置機器を載置する上側の円柱部分とスパイク受けに収納される下側の円錐部分とで構成される振動防止支持装置を提供する。
本発明は、前記スパイクが第1のスパイクと、該第1のスパイク上に重ねて載置された第2のスパイクとよりなり、前記第1のスパイクと第2のスパイクは上側の円柱部分と下側の円錐部分とで構成される振動防止支持装置を提供する。
本発明は、前記スパイクが上面に被載置機器を載置する上側の円柱部分と双曲線又は指数関数曲線を持つ回転曲面形状を有する下側のホーン部分とで構成される振動防止支持装置を提供する。
本発明は、前記第1のスパイクと第2のスパイクは上側の円柱部分と下側の双曲線又は指数関数曲線を持つ回転曲面形状を有する下側のホーン部分とで構成される振動防止支持装置を提供する。
本発明は、前記スパイクを円柱に形成し、スパイク受けに充填された有機溶剤もしくは液体高分子材料または高分子材料の溶液に浮いた状態にした振動防止装置を提供する。
本発明は前記スパイク受けの内部空間の上方とスパイク間にオイルシールを設けたこと振動防止装置を提供する。
本発明は、底が浅い容器状に形成したスパイク受けと、前記スパイク受けの内部に収納した載台の下面に形成したスパイクとよりなり、前記スパイク受けに有機溶剤もしくは液体高分子材料または高分子材料の溶液を充填する振動防止支持装置を提供する。
本発明は、前記スパイク受けおよび載台はナイロンで四角に形成し、前記載台と一体にスパイクを形成した振動防止装置を提供する。
本発明に依れば、スパイク受けに有機溶剤もしくは液体高分子材料または高分子材料の溶液を充填したので、高分子材料の原子間の共有結合により分子構造を保持する力および原子結合部の回転による柔軟性が生じ、これらが、外力による変形に対する復元力(剛性)を生み出して分子の質量と関連して振動子となり、更に、分子間の摩擦が大きく作用して、振動減衰の効果を拡大して効果的に振動吸収ができる。
また、本発明に依れば、スパイク受けに常温で液状の高分子材料または常温で液状の高分子材料の溶剤を充填したので、蒸発を防ぎ、かつ高分子材料のため毛細管現象がほとんどなく、沁み出すことがない。したがってスパイク受け皿に充填しても蒸発あるいは漏れ出すこともなく、長期にわたって振動防止効果を持続できる。
更に、本発明に依れば、オーディオ機器の解像力が大幅に上がり、音質、音像表現の改善ができ、これまでの技術では録音環境の細かな余韻や楽器の音色の細かな特徴を表現し切れなかった繊細さまで表現できるよう改善できている。
特に、高域での雑音抑制、高調波歪抑制ができ、再生音の音質を向上させるとともに、音像がよりシャープになり、音の解像度が格段に向上している。
スパイク受けを底が浅い容器状に形成し、スパイク受けの内部に収納した載台の下面に形成したスパイクを形成することにより、ノートパソコンなどの振動防止装置としても便利に使用できる。
図1は本発明の円錐型構造のスパイクを用いた振動防止支持装置である。
スパイクはスパイク受け1と、スパイク受け1の内壁に接するように挿入された第1のスパイク10と、第1のスパイク10に重ねられる第2のスパイク20とスパイク受け1に入れられる有機溶剤もしくは常温で液体高分子材料3または常温で高分子材料の溶液3とよりなる。
第1のスパイク10上側の円柱部分11と下側の円錐部分12とで構成され、第2のスパイク20は上側の円柱部分21と下側の円錐部分22とで構成され、円錐部分22は第1のスパイク10の円柱部分11の上面で支持されている。そして、第2のスパイク20の円柱部分21の上面に振動を防止するスピーカなどの音響機器が載置される。
本発明では、特に、高分子材料のうち紐状に重合された高分子材料を用いる。例えば、ポリエチレングリコール(PEG)など、液状もしくは固体を水に溶かした水溶液または液状のPEGに固体状のPEGを溶かした溶液が用いられる。
高分子材料の原子間の共有結合により分子構造を保持する力と結合部分での回転による柔軟性の相互作用により広い変形範囲を持つ剛性(弾性)を生み出し、分子および分子周囲に付着する水など溶剤の分子の質量との相互作用で振動子を構成している。更に、分子間および分子周囲に付着する水など溶剤の分子間の摩擦が大きく作用して、振動減衰の効果を拡大して効果的に振動吸収ができる。
また、スパイク受けに常温で液状の高分子材料または常温で液状の高分子材料の溶剤を充填したので、蒸発を防ぎ、かつ高分子材料のため毛細管現象がほとんどなく、沁み出すことがない。従って、スパイク受け皿に充填しても蒸発あるいは漏れ出すこともなく、長期にわたって振動防止効果を持続できる。
上述した形態ではダブルスパイクについて説明したが、単一のスパイクでも適用ができる。
図2は本発明の指数型構造のスパイクを用いた振動防止支持装置である。
本発明の振動防止支持装置はスパイク受け30とスパイク40とよりなる。スパイク受け30は底部32を有する円筒状の筒で構成され、内径はちょうどスパイク40が挿入される大きさになっている。スパイク受け30の底部32の中央に円錐台形の窪み33が設けられている。
スパイク40は円柱部分41と双曲線または指数関数曲線を稜線に持つ回転曲面形状を有するホーン部分42とよりなる。スパイク40の円柱部分41はOリング45でスパイク受け30の内径に接している。ホーン部42の先端部はスパイク30の底部32にある窪み33に嵌合している。
なお、図2ではスパイク40は1段であるが、図1と同様に、スパイク40は2段に積み重ねても良い。
スパイク受け30の内部には前述と同様に、有機溶剤もしくは常温で液体高分子材料3または常温で高分子材料の溶液3が充填されている。
高分子材料は1次元構造、さらに複雑な2次元構造、3次元構造と各種構造で重合した物質であり、共有結合力で、これらの構造を維持する性質を持っている。そのため振動などの外力により変形させられたとき元に戻る復元力を発生し、質量による慣性力とあいまって外力と同じ周波数の振動を発生する。この振動による内部摩擦により振動エネルギーが吸収される。溶液の場合はさらに分子の周りに水の分子など液体の分子が付着して1つの分子の質量が増加し,かつこれらの分子を振動させることで振動エネルギーの吸収効果が高まる。さらに、1次元構造の端を2また3次元的に結合させた2または3次元の網目構造も作ることができ、この網目の内部に水などの分子を取り込ませて振動吸収性能をさらに向上させることも可能である。
また、有機溶剤もしくは高分子材料には、分極モーメントの効果が大きいものがあり、電磁波により構成分子が回転し、電磁エネルギーを吸収する効果を持つ。この効果により、回路や回路基板に生じる電磁界による振動発生の抑制が見込まれる。
例えば、分子量100万のポリエチレングリコール(PEG)では、炭素Cと水素H2および酸素Oの単位(−CH2−CH2−O−)が7万個以上も直列に共有結合して鎖状の構造をしており、CとCの結合は約110度の角度で結合し180°の角度で結合するOをはさんで長さ約1.5mm程度の非常に細長い紐状になっていると考えられる。この紐は、これらの共有結合の角度を保とうとする硬い性質を持っている。一方で、各結合は結合の軸を中心に回転しうる柔軟な構造となっている。水溶液とした場合、この紐は部分的に他の紐と絡まりあって内部に水の分子を取り込んでいる。このためこれらの紐が相互にまたは間に水などの分子を付着させて取り込む形で複雑に絡み合うことにより、部分的に拘束されて弾性力のある紐となっており、バネを形成していると考えられる。一方、分子量が大きくさらに水などの分子が付着することで1本の紐の質量は大きくなって、バネと各分子の質量の相互関係により振動系を形成している。したがって、外力によって液内部に振動を生じ外部振動の周波数が固有振動数と一致する場合、共振により大きく振動して、紐と紐の間および紐の周りに付着している水などの溶液の分子との間の摩擦により振動エネルギーが吸収される、一種のバネ−ダンパ−マス系を構成して振動吸収効果を大きくしている。溶液3として利用できる有機溶剤もしくは高分子材料としては、ジメチルスルホキサイド(DMSO)、アセトン、アセトニトリル、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMEU)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP) 、HMPA、スルホラン(SF)、ジメチルスルホン(MSM)、ポリエチレングリコール(PEG)、エポキシ樹脂、ポリスチレン、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、などが挙げられる。
図3は本発明の指数型構造のスパイクを用いた振動防止支持装置を被載置機器に使用した側面図、図4はその上面図である。
被載置機器としてスピーカ50を使用している。スピーカ50はトゥイータ51とウーハ52を有し、メインアンプからの入力信号によりコーン紙などの振動板を振動して音を再生する。スピーカの下には本発明の振動防止支持装置100が置かれており、スピーカからの振動を吸収する。
図4に示すように、振動防止支持装置100はスピーカ50の前方下面に1個、後方下面に2個置かれている。
また、溶液3として、ポリエチレングリコール(PEG)およびその水溶液など高分子材料溶液を用いた。
表1に、図3に示すように本発明の指数型構造のスパイクを用いた振動防止支持装置を被載置機器に使用した場合と、同様にして溶液に従来のシリコン10(信越シリコン社製)とを用いたものを比較した結果を示す。
なお、試聴したCDは箏曲(六段の調べ)、ヴィヴァルディ:調和の霊感(演奏:イタリア合奏団)、ワーグナー:楽劇「指輪」より第2夜「ワルキューレ第1幕」(バイロイト音楽祭ライブ64’)である。
Figure 2010130595

表に示すように、本発明の指数型構造のスパイクを用いた振動防止支持装置を用いることにより、音の立ち上がりのきつさが取れ、心地よい音になった。うるさくなく、しっとりした伸びのある音で、楽器の存在感が明確になった。あるいは音に深み・真実味が出てきて、楽器の存在感が明確になり、「サー」と言う高周波域の雑音が無く、透明感のある音となった。一つ一つの音の余韻や音の伸びが表現され、楽器周辺の空間の広がりや残響感を感じ取れるようになり、音像の奥行き方向への配置の間隔が広がって分かりやすくなる等多くの効果が得られた。
図5は、図3に示すような形態で、本発明の指数型構造のスパイクを用いた振動防止支持装置を被載置機器に使用した場合と、同様にして溶液に従来のシリコン10(信越シリコン社製)とを用いた振動防止支持装置を被載置機器に使用した場合の音像定位について比較した結果を示す。
また、図5はワーグナーの曲の例を示している。
図5(B)(D)は本発明の振動防止支持装置を用いた音像定位で、図5(A)(C))は従来の溶液にシリコン10を用いた振動防止支持装置を用いた音像定位である。
図5(A)(B)は被験者SとスピーカPとを上から見た平面図で、音像定位の前後と左右の変化を示す。
図5(C)(D)は被験者SとスピーカPとを平面図から見た正面図で、音像定位の上下と左右の変化を示す。
なお、各楕円はスピーカPから放射された音により認識した音像認識位置を示すもので、Tはティンパニの音像位置、Cはチェロの音像位置、Mは金管楽器の音像位置、TNはテノール(ソロ)の音像位置を示す。
本発明の高分子材料溶液を用いた振動防止支持装置は従来のシリコン10を用いた振動防止支持装置に比較して、音像位置が上下方向および前後の距離感において明確に認識できる。
表2および図6は、円錐型構造のスパイクを用い、本発明の高分子材料溶液を用いた振動防止支持装置と従来の水を用いた振動防止支持装置および振動防止支持装置を使用しない場合を比較した。
ファリャ作曲のバレエ組曲「三角帽子」を試聴し、ヴォーカル、カスタネット、トランペット、ティンパニの音像位置および全体的音質の変化を調べた。
表2に、被験者は4名で、音質の評価は1から5点の5段階評価とし、各項目について比較を行った結果を示す。各項目は、2チャンネルステレオ装置が備えるべき音場再現能力、音の分解能(解像度)、忠実性、低雑音性能などを評価する用語であり、評価1は最悪な状態、評価5は最良の状態を意味する。評価の点数は、被験者個人の主観に寄るが、概ね、演奏会場など実音場での経験を基準に、上記の評価ポイントが非常に優れている(理想状態に近い)場合5、それから離れるにしたがって点数が下がっていく。
Figure 2010130595

表2に示すように、振動防止支持装置を使用しない場合の評価が最低であるのに対し、水を充填したスパイクを用いることで音質が改善されることが示される。更に、充填溶液としてPEGを用いるなら、更にすべての項目において評価点が1以上増加しており、PEG溶液が非常に有効であることが示される。
図6は特性図で表したもので、本発明の高分子材料溶液を用いた振動防止支持装置そしてスパイクを使用しないもので音質の比較をした結果を示す。■の線が本発明の高分子材料溶液を用いた振動防止支持装置、◆の線が従来の水を用いた振動防止支持装置、×の線が振動防止支持装置を使用しないものである。
本発明の高分子材料溶液を用いた振動防止支持装置がすべての項目において、従来の水を用いた振動防止支持装置に比較して評価点が高く、PEG溶液の効果が非常に有効であり、解像力、奥行、広がり、音質など全ての点において、本発明の高分子材料溶液を用いた振動防止支持装置は振動防止支持装置を用いないもの、あるいは従来の水を用いた振動防止支持装置に比して優れていることを示している。
図7は本発明の高分子溶液を円錐型構造のスパイクに用いた振動防止支持装置を被載置機器に使用した場合と、従来の水に円錐型構造のスパイクを用いた振動防止支持装置を被載置機器に使用した場合の音像定位について比較した結果を示す。
図7(B)(D)は本発明の振動防止支持装置で、図7(A)(C)は従来の溶液に水を用いた振動防止支持装置で、スピーカPの下に適用した結果を示す。
図7(A)(B)は被験者SとスピーカPとを上から見た平面図で、音像定位の前後と左右の変化を示す。
図7(C)(D)は被験者SとスピーカPとを平面図から見た正面図で、音像定位の上下と左右の変化を示す。
なお、各楕円はスピーカPから放射された音により認識した音像認識位置を示すもので、Cはカスタネットの音像位置、Vはヴォーカルの音像位置、Tはトランペットの音像位置、Tiはティンパニの音像位置を示す。
本発明の高分子材料溶液を用いた振動防止支持装置は従来の水を用いた振動防止支持装置に比較して、音像位置が上下方向および前後の距離感において明確に認識されている。
本発明の振動防止支持装置に示すように、スパイク受け1に充填する溶液3に高分子材料を用いることで、オーディオ機器の解像力が大幅に上がり、音質、音像表現の改善が出来、これまでの技術では録音環境の細かな余韻や楽器の音色の細かな特徴を表現し切れなかった繊細さまで表現できるよう改善できている。これは、高分子材料が持つ巨大分子内の固い結合(共有結合による形状維持)および分子間結合の回転による柔軟性と長い繊維状の構造による弾性力と分子質量の共振による振動吸収が主たる原因と考えられる。これにより、振動吸収が効率よく行われ、しかも、分子量のバラツキにより共振周波数の帯域が広くなっており、振動吸収効果が広帯域に及んで、雑音の低減などに結びついたと考えられる。
これらの結果より、スパイク受け1内に充填する液体の効果は十分にあり、かつ、PEGを用いるとその効果を非常に大きくし、音像定位、録音現場での状況の再現性、音質の改善性能が非常に良くなることが言える。特に、高域での雑音抑制、高調波歪抑制ができ、再生音の音質を向上させるとともに、音像がよりシャープになり、音の解像度が格段に向上している。スパイクのみでの使用に対し、溶液の使用により著しい改善が見られる。
図8は本発明の振動防止支持装置の他の実施例の構造を示す断面図であり、図9は本発明の振動防止支持装置の他の実施例の構造を示す平面図である。
円形のスパイク受け50の内部には円柱状の空間が形成され、その空間の下方には常温で液体高分子材料3または常温で高分子材料の溶液3が充填されている。また空間部には円柱のスパイク51がOリング52でスパイク受け50の内径に接しており、スパイク51はスパイク溶液3に浮いた状態にされている。スパイク受け50の内部空間の上方にはオイルシール53が設けられて、溶液3が漏れないようにしている。
なお、スパイク51を貫いて溶液3の注入パイプ54が設けられている。
スパイク51の上面には前述と同様に、オーディオ機器あるいは精密機器が載せられる。載せられたオーディオ機器あるいは精密機器は溶液3により振動が吸収されるようにしている。
図10は本発明の振動防止支持装置の他の実施例の構造を示す断面図である。
スパイク受け50はナイロンで底が浅い四角の容器状に形成されており、内部空間には
常温で液体高分子材料3または常温で高分子材料の溶液3が充填されている。またスパイク受け50の内部にはナイロンで形成された四角の載台61が収納され、載台61の下面四箇所には溶液3に浸るようにスパイク62、62が形成されている。載台61の周囲とスパイク受け60間にはコーキング剤63が設けられている。
載台61にはA4タイプのパソコン本体あるいは周辺機器が載せられる。載せられたパソコンあるいは周辺機器は溶液3にて振動が吸収される。
本発明の振動防止支持装置の構造を示す断面図である。 本発明の振動防止支持装置の構造を示す他の実施例の断面図である。 本発明の振動防止支持装置を適用したスピーカを示す側面図である。 本発明の振動防止支持装置を適用したスピーカを示す平面図である。 スピーカに振動防止支持装置を用いた音像定位置の比較を示す模型図で、図5(A)は従来の振動防止支持装置を用いた平面図、図5(B)は本発明の振動防止支持装置を用いた平面図である。図5(C)は従来の振動防止支持装置を用いた正面図、図5(D)は本発明の振動防止支持装置を用いた正面図である。 本発明の振動防止支持装置と従来の振動防止支持装置の音改善の比較を示す特性図である。 スピーカに振動防止支持装置を用いた音像定位置の比較を示す模型図、図7(A)は従来の振動防止支持装置を用いた平面図、図7(B)は本発明の振動防止支持装置を用いた平面図である。図7(C)は従来の振動防止支持装置を用いた正面図、図7(D)は本発明の振動防止支持装置を用いた正面図である。 本発明の振動防止支持装置の構造を示す他の実施例の断面図である。 本発明の振動防止支持装置の構造を示す他の実施例の平面図である。 本発明の振動防止支持装置の構造を示す他の実施例の断面図である。 従来の振動防止支持装置の構造を示す断面図である。
符号の説明
1 スパイク受け
3 液体高分子材料または高分子材料の溶液
10 第1スパイク
11 円柱部分
12 円錐部分
20 第2スパイク
30 スパイク受け
40 スパイク
42 ホーン部分
50 スパイク受け


Claims (10)

  1. スパイク受けと、該スパイク受けに納められるスパイクとよりなり、
    前記スパイク受けに有機溶剤もしくは液体高分子材料または高分子材料の溶液を充填することを特徴とする振動防止支持装置。
  2. 前記有機溶剤もしくは高分子材料としてジメチルスルホキサイドあるいはポリエチレングリコールを用いることを特徴とする請求項1に記載の振動防止支持装置。
  3. 前記スパイクは上面に被載置機器を載置する上側の円柱部分とスパイク受けに収納される下側の円錐部分とで構成されることを特徴とする請求項1に記載の振動防止支持装置。
  4. 前記スパイクは第1のスパイクと、該第1のスパイク上に重ねて載置された第2のスパイクとよりなり、
    前記第1のスパイクと第2のスパイクは上側の円柱部分と下側の円錐部分とで構成されることを特徴とする請求項3に記載の振動防止支持装置。
  5. 前記スパイクは上面に被載置機器を載置する上側の円柱部分と双曲線又は指数関数曲線を持つ回転曲面形状を有する下側のホーン部分とで構成されることを特徴とする請求項1に記載の振動防止支持装置。
  6. 前記スパイクは第1のスパイクと、該第1のスパイク上に重ねて載置された第2のスパイクとよりなり、
    前記第1のスパイクと第2のスパイクは上側の円柱部分と下側の双曲線又は指数関数曲線を持つ回転曲面形状を有する下側のホーン部分とで構成されることを特徴とする請求項5に記載の振動防止支持装置。
  7. 前記スパイクを円柱に形成し、スパイク受けに充填された有機溶剤もしくは液体高分子材料または高分子材料の溶液に浮いた状態にしたことを特徴とする請求項1に記載の振動防止装置。
  8. 前記スパイク受けの内部空間の上方とスパイク間にオイルシールを設けたことを特徴とする請求項7に記載の振動防止装置。
  9. 底が浅い容器状に形成したスパイク受けと、
    前記スパイク受けの内部に収納した載台の下面に形成したスパイクとよりなり、
    前記スパイク受けに有機溶剤もしくは液体高分子材料または高分子材料の溶液を充填することを特徴とする振動防止支持装置。
  10. 前記スパイク受けおよび載台はナイロンで四角に形成し、前記載台と一体にスパイクを形成したこと特徴とする請求項9に記載の振動防止装置。
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