JPH094671A - ダンパ - Google Patents

ダンパ

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Publication number
JPH094671A
JPH094671A JP15616995A JP15616995A JPH094671A JP H094671 A JPH094671 A JP H094671A JP 15616995 A JP15616995 A JP 15616995A JP 15616995 A JP15616995 A JP 15616995A JP H094671 A JPH094671 A JP H094671A
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JP
Japan
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electrode
cylinder
damper
piston
vibration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP15616995A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuto Iwamoto
康人 岩本
Kimio Uchida
公夫 内田
Hiroyuki Yamaya
弘行 山家
Satoshi Kawamata
智 川真田
Yuichi Ishino
裕一 石野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
SWCC Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Showa Electric Wire and Cable Co
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Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp, Showa Electric Wire and Cable Co filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP15616995A priority Critical patent/JPH094671A/ja
Publication of JPH094671A publication Critical patent/JPH094671A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気粘性流体を用いたダンパの電極間のショ
ート及び放電を防止する。 【構成】 絶縁材料で形成されたシリンダー12の内面
に電極板20を設け、このシリンダー12に電気粘性流
体24を貯留する。電気粘性流体24の中にピストン部
14のピストン本体14Aを沈める。ピストン本体14
Aには、外周面にリング状の電極板22を設けると共
に、電極板22の軸方向両端部に接するように環状の張
出部14Dを一体的に形成する。張出部14Dが電極2
0と電極22とが所定寸法以下に接近しないように作用
するため、シリンダー12とピストン部14とが径方向
に相対変位した際の電極間の放電及びショートを防止す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子顕微鏡、精密天秤、
微小寸法・形状・真円度測定器、表面粗さ計、微小硬度
計等の精密機器や精密加工機器等を搭載し、精密機器の
駆動により発生する振動や、床等から受ける振動を除振
する除振台等に使用されるダンパに関する。
【0002】
【従来の技術】精密機器や精密加工器を搭載する除振台
において、剛性が極端に小さく(固有振動数で0.5〜
5Hz 程度)なっている空気ばねや多段積層ゴム等を支
持材に用い、ダッシュポット等のダンパを備え、デシ、
ミクロンオーダと非常に小さい振動に対して除振効果が
得られるパッシブ除振装置や、小さい振動のみでなく振
幅の大きい振動に対応して除振できるように除振機構の
ばね特性を変化させるセミアクティブ除振装置や、定盤
に振動センサを設け、センサからの信号によりフィード
バック制御して、振動と逆位相の力を定盤に付加して振
動を除去するVCM(ボイス・コイル・モータ)、空気
ばね等のアクチュエーターを設け、振動の振幅に応じて
除振できるアクアティブ除振装置があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】パッシブ除振装置は、
床面から受ける振動を絶縁するため、空気ばね等の剛性
が極端に小さく、除振効果が得られる振動振幅もおよそ
デシ・ミクロンオーダであり、搭載機器自身の駆動によ
り発生する振動等の大きい振動等の大きい振動振幅に対
しては殆ど減衰効果が無く、一度発生した大きい振動が
デシ・ミクロンオーダの振幅に収束して除振効果が得ら
れるまでには長時間を要し、作業効率は非常に悪いもの
であった。このため、大きい振動を短時間に減衰しよう
としてダンパの減衰常数を大きくすると、振動の高周波
成分が効果的に減衰しなくなり、総合的に除振性能が悪
化するという欠点があった。
【0004】また、セミアクティブ除振装置は、振動の
振幅に対応して除振を行うものとして満足のいくものが
得られておらず、さらに、アクティブ除振装置において
は、振幅に対応して短時間で振動を収束することが出来
るが、各空気ばねに応じてエアータンクを設ける必要が
あるため、その設置スペースが非常に大きくなり、高価
であり、また、VCMを用いたアクチュエータは応答性
は優れたものであるが、重量物を載置した定盤を支持す
る為には大きなVCMが必要であり、装置も複雑であ
り、非常に高価になってしまった。
【0005】一方、近年では、電圧を印加することによ
り粘度が瞬時に変化する電気粘性流体を用いた流体機器
が提案されている。
【0006】例えば、実開平1−98938号公報に
は、電気粘性流体を用いたロック装置が開示されてい
る。
【0007】このロック装置は、防振・除振・免震装置
に用いられており、精密機器が載置され空気ばねにより
弾性支持される被支持部をロック可能となっている。
【0008】しかし、このロック装置では、被支持部2
が大きく変位した際に、筒状体11と摺動体15とが接
触したり、非常に接近することで、ショートまたは放電
をおこすという問題がある。
【0009】本発明は、上記事実を考慮し、上記の問題
を解決することのできるダンパを提供することが目的で
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のダンパ
は、電圧を印加することにより粘度が変化する電気粘性
流体を収納するシリンダーと、前記粘性流体中に配置さ
れるピストンと、前記シリンダーに設けられ前記電気粘
性流体に電圧を印加する第1の電極と、前記ピストンに
設けられ前記第1の電極と対向して前記電気粘性流体に
電圧を印加する第2の電極と、前記シリンダー及び前記
ピストンの少なくとも一方に連結され、前記第1の電極
と前記第2の電極とが所定寸法以下に接近することを防
止する接近防止手段と、を有することを特徴としてい
る。
【0011】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載のダンパにおいて、前記第1の電極は前記シリン
ダーの内周面に設けられ、前記第2の電極は前記ピスト
ンの外周面に設けられ、前記接近防止手段は絶縁体で形
成され、かつ前記第1の電極及び前記第2の電極の少な
くとも一方の端部の近傍に突出していることを特徴とし
ている。
【0012】
【作用】請求項1に記載のダンパは、シリンダー及びピ
ストンの何れか一方を例えば除振台の定盤等の制振すべ
き振動対象物に連結し、他方を床等の振動受部に連結す
る。第1の電極と第2の電極との間に所望の電圧を印加
し、電気粘性流体の粘度を所望の値とすることにより、
振幅に対応してダンパの減衰定数を瞬時に変化させるこ
とができ、振幅に応じて短時間で制振を行うことができ
る。例えば、振動の振幅が大きい時には電気粘性流体に
電圧を印加して粘度を増し、その後振動の振幅が小さく
なった際には、電圧を下げて(又は電圧の印加を停止し
て)電気粘性流体の粘度を低くして制振を行うことで、
短時間で制振を行うことができる。
【0013】さらに、第1の電極と第2の電極とが所定
寸法以下に接近することを防止する接近防止手段が設け
られているため、シリンダーとピストンとが接触した
り、非常に接近することで、ショートまたは放電をおこ
すという問題を防止することができる。
【0014】また、請求項2に記載のダンパでは、第1
の電極と第2の電極との間に所望の電圧を印加すると、
ピストンの径方向外側の電気粘性流体の粘度が変化す
る。絶縁体で形成された接近防止手段を電極の端部の近
傍に突出させることにより、電極の端部から生じやすい
放電を防止することが出来る。
【0015】
【実施例】
[第1実施例]本発明の第1実施例を図1乃至図5にし
たがって説明する。
【0016】図1に示すように、ダンパ10は、合成樹
脂等の絶縁材料(例えば、ナイロン、ポリアセタール樹
脂等)で形成されたシリンダー12と、同じく合成樹脂
等の絶縁材料で形成されたピストン部14を備えてい
る。
【0017】シリンダー12は、円筒部12A、円筒部
12Aの下部を閉塞する底部12Bを備えている。
【0018】シリンダー12には、上面に環状溝16が
形成されており、この環状溝16にはゴム等の弾性体か
らなるシール部材としてのオーリング18が嵌め込まれ
ている。なお、オーリング18は、一部がシリンダー1
2の上面よりも突出している。
【0019】シリンダー12の内壁面には、円筒部12
Aの高さ方向中間部分にリング状に形成された薄肉の金
属板からなる電極板20が設けられている。なお、電極
20の内周面は、円筒部12Aの内周面と面一にされて
いる。
【0020】シリンダー12には、電気粘性流体24が
貯留されている。電気粘性流体24は、疎水性の微粒子
を電気絶縁油に分散・懸濁させたもので、電圧を印加す
ると電圧に応じて極めて速やかに粘度が上昇し、且つ、
可逆的に粘度が下降するものである。粘度を変化させる
には直流のみでなく、交流によっても変化させることが
でき、少ない消費電力で液体からほぼ固体状態近くまで
変化させることができるものである。電気粘性流体24
に電圧を印加すると、粒子中の電荷が電圧により移動
し、粒子が分極することにより粒子同士に引力が生じ、
電極間に粒子が数珠状に繋がるために粘度が上昇するこ
とになる。このような粘度変化は、電場の強さに応じて
ミリ秒単位で変化し、センサからの検出信号に応答良く
粘度が変化し、温度変化に対しても粘度の変化は一定で
あり、−50°〜+150°の温度に対して用いること
ができる。
【0021】本実施例のピストン部14は、電気粘性流
体24の中に沈められる円柱状のピストン本体14Aと
閉塞手段としてのフランジ14Bとがピストン本体14
Aよりも細径のピストンロッド14Cで連結されてい
る。
【0022】ピストン本体14Aの外周面には、リング
状に形成された薄肉の金属板からなる電極板22が設け
られている。また、ピストン本体14Aには、電極板2
2の軸方向両端部に接するように環状の接近防止手段と
しての張出部14Dが一体的に形成されている。この張
出部14Dは、電極20と電極22との接触を防止し、
かつ所定寸法以下に近接させないための径方向のストロ
ークストッパの役目をしている。
【0023】図1及び図2に示すように、ピストン部1
4のフランジ14Bには、ねじ穴26及びねじ穴28が
形成されている。ねじ穴26は定盤等との接続に用いら
れ、ねじ穴28は後述するスライダ部60との接続に用
いられる。
【0024】図1に示すように、シリンダー12の外周
には、フランジ60Aを備えた円筒状のスライダ部60
がスライド可能に外装されている。スライダ部60のフ
ランジ60Aには、ピストン部14のねじ穴28に対応
する位置に丸孔29が穿孔されている。
【0025】スライダ部60の筒状本体部分には、上面
から所定寸法下の位置に外周方向に沿って複数の丸孔5
4が穿孔されている。
【0026】一方、シリンダー12には、図1に示すよ
うにスライダ部60の上面とシリンダー12の上面とを
面一にした際にスライダ部60の丸孔54に対応する位
置にねじ穴56が形成され、図3に示すようにスライダ
部60のフランジ60Aをピストン部14のフランジ1
4Bにビス50で固定して電極20と電極22とが軸方
向中心部を対向させた際にスライダ部60の丸孔54に
対応する位置にねじ穴58が形成されている。
【0027】ところで、このダンパ10は、例えば、除
振台に用いることができる。図4に示すように、除振台
30は精密機器32を搭載する定盤34を備え、定盤3
4は床38に設置されるフレーム39に取り付けられた
空気ばね36によって支持されている。
【0028】空気ばね36は、ベローズタイプ型、ダイ
ヤフラムタイプ型等の何れであても良い。図4では、空
気ばね36は1箇所のみ示してあるが、適宜所望の個
数、例えば定盤34の4隅に各々対応するように設けて
も良い。空気ばね36は振幅の小さい振動、例えば振動
数0.5〜5Hz 程度の振動を性能良く除振することが
できるようなばね定数を有するものであり、精密機器3
2を搭載する定盤34が床38から受ける振動を短時間
で収束するものである。
【0029】定盤34には、定盤34の振動または変位
を検出するセンサ40が取り付けられている。センサ4
0は、変位センサ或いは加速度センサや速度センサ等の
振動センサ等何れであっても良い。なお、センサ40
は、定盤34に設置せずに精密機器32自体に搭載する
ようにしてもよい。センサ40は、図4では1箇所のみ
を示してあるが、センサの数はこれに限定されない。
【0030】センサ40及びダンパ10の電極20,2
2は、図示しない配線を介して駆動部42に接続されて
いる。駆動部42にはセンサ40からの検出信号を入力
しパルスを整形するオン・オフ回路44、オン・オフ回
路44からの出力信号を増幅する増幅回路46、増幅回
路46で増幅されたパルスを入力してダンパ10の電極
20及び電極22に駆動信号を送出するドライバ48が
設けられている。なお、本実施例では、電極22が陽極
とされ、電極20が陰極とされている。
【0031】センサ40で検出された定盤34の振動ま
たは変位は適宜処理され、検出された値が一定値以上の
場合に検出信号を出力する。なお、センサ40が速度セ
ンサの場合に、検出値を微分して加速度を得ることもで
き、センサ40が加速度センサの場合に、検出値を積分
して速度を得ることもできる。
【0032】ダンパ10はセンサ40にそれぞれ対応し
て設けられても、また、2個のセンサに対して1つ設け
られる等、複数のセンサから送出される検出信号を入力
するものであっても良い。また、1個のセンサにて複数
個のダンパ10をコントロールしても良い。
【0033】次に、ダンパ10を保管又は輸送する際の
状態を説明する。このような場合には、図5に示すよう
に、スライダ部60をビス50でピストン部14のフラ
ンジ14Bに固定し、ねじ穴56にビス59を螺合させ
てスライダ部60をシリンダー12に固定する。これに
より、オーリング18が所定量潰されて内部が完全密閉
され、輸送時等に電気粘性流体24の流出を防止するこ
とができ、保管時に塵や埃等の異物が電気粘性流体24
へ進入することを防止することができる。
【0034】次に、ダンパ10の取り付け手順を説明す
る。ダンパ10を除振台30に組付ける際には、先ず、
ビス59を一旦外し、スライダ部60を持ち上げて、ス
ライダ部60の丸孔54とシリンダー12のねじ穴58
とを合わせ、ねじ穴58にビス59を螺合させて図3に
示すような状態とする。これにより、電極20の軸方向
中心と電極22の軸方向中心とが対向する。
【0035】次に、精密機器32を搭載した定盤34の
高さを調整して定盤34とフレーム39との間に図3に
示す状態のダンパ10が挿入できるようにし、図1に示
すように、ピストン部14のフランジ14Bをボルト4
1で定盤34の下面に取り付け、シリンダー12を図示
しないボルト等でフレーム39に取り付ける。なお、ダ
ンパ10の使用時には、図1に示すようにスライダ部6
0を下げておく。
【0036】このように、スライダ部60を取り付け用
の治具として用いることにより、容易な方法で電極20
の軸方向中心と電極22の軸方向中心とを正しく対向さ
せてダンパ10を取り付けることができ、ダンパ10を
適正な状態で作動させることができる。
【0037】次に、本実施例の作用を説明する。定盤3
4が床38等の設置面あるいは搭載する精密機器32自
体から生じる振動により振動すると、センサ40により
定盤34の振動あるいは変位が検知され、一定値以上の
振動あるいは変位が検出されると、センサ40から駆動
部42へ検出信号が送出される。
【0038】検出信号はオン・オフ回路44によりパル
スに整形され増幅回路46で増幅されてドライバ48か
ら駆動信号が出力され、ドライバ48によりダンパ10
の電極20及び電極22に所望の電圧が印加される。
【0039】これによりシリンダー12内の電圧の印加
された電気粘性流体24の粘度が増し、ダンパ10の減
衰定数が大きくなる。このため、振幅の大きい振動は短
時間で制振され、効率的に制振される。
【0040】また、センサ40で検出される振動または
変位が一定値以下になると、検出信号の送出が停止さ
れ、ダンパ10の電極20及び電極22に電圧が印加さ
れなくなる。そして振幅が小さくなった振動は、電圧の
印加されない電気粘性流体24の減衰定数におけるダン
パ10及び空気ばね36で減衰される。このため、振幅
の小さい振動も短時間で減衰することができる。
【0041】また、本実施例のダンパ10は、動作状態
においてシリンダー12とピストン部14とが電気粘性
流体24以外のものを介して連結されていないため、床
38等の設置面の振動を定盤34へ伝達させることがな
い。
【0042】なお、センサ40で検知される検知信号を
一定値以上になった場合に電圧を印加させるのみなら
ず、センサ40で検知される振動の振幅を2段階あるい
は3段階等の所定値として分割し各所定値になったと
き、駆動部42へ検知信号を出力し、電極20及び電極
22に印加する電圧を変化させ、電気粘性流体24を印
加電圧に応じて所望の粘度に変化せることにより減衰を
可変させて効率良く減衰を行うようにしても良い。
【0043】本実施例のダンパ10では、張出部14D
が電極20と電極22とが所定寸法以下に接近しないよ
うに作用するため、シリンダー12とピストン部14と
が径方向に相対変位した際(例えば、定盤34が水平方
向に大きく動いた時等)の電極間の放電及びショートを
防止することができる。
【0044】なお、放電は、エッジ部分から生じ易いた
め、本実施例のように電極22の端部に絶縁体の突起を
設けることが有効である。なお、電極22の端部を張出
部14Dで覆うようにしても良い。
【0045】また、図1に示すような動作状態では、電
気粘性流体24の液面はシリンダー12の上面よりも所
定寸法下側に位置しており、シリンダー12とピストン
ロッド14Cとの間には、大容量の液溜部64が設けら
れている。この液溜部64を設けることにより、ピスト
ン部14が上下に大きく変位したとき等に、電気粘性流
体24がシリンダー12の外へこぼれることを防止する
ことができる。
【0046】なお、シリンダー12を透明な樹脂で形成
し、電気粘性流体24が見えるようにてもよい。 [第2実施例]本発明の第2実施例を図6及び図7にし
たがって説明する。なお、前述した実施例と同一構成に
関しては同一符号を付し、その説明は省略する。
【0047】図6に示すように、本実施例のダンパ10
では、ピストン部14に設けた環状の張出部14Dが滑
らかなラウンド形状とされている。また、ピストン部1
4は、下端が曲率半径の大きなラウンド形状とされ、ピ
ストンロッド14Cの中間部分(動作状態における電気
粘性流体24の液面付近)が円弧状に窪んでいる。
【0048】ピストン部14をこのような形状とするこ
とにより、ピストン部14が電気粘性流体24内で軸方
向(図6の上下方向)に動く際の抵抗を低減することが
できる。
【0049】また、保管時や輸送時には、図7に示すよ
うに、スライダ部60をビス50でピストン部14のフ
ランジ14Bに固定し、ねじ穴56にビス59を螺合さ
せてスライダ部60をシリンダー12に固定する。
【0050】なお、その他のダンパ10の作用・効果に
関しては、第1実施例と同様である。 [第3実施例]本発明の第3実施例を図8及び図9にし
たがって説明する。なお、前述した実施例と同一構成に
関しては同一符号を付し、その説明は省略する。
【0051】本実施例のダンパ10は、径方向のストロ
ークのみならず軸方向のストロークをも制限できるよう
に構成されている。
【0052】図8に示すように、本実施例のピストン部
14は、軸方向に長いピストン本体14Aがフランジ1
4Bに一体的に連結されている。
【0053】また、ピストン部14のフランジ14Bの
下面には、筒状の塵進入防止手段としてのストッパ66
がビス止めされている。
【0054】ストッパ66の下端には径方向内側へ向け
て延びるストッパフランジ66Aが形成されている。
【0055】一方、シリンダー12の外周には、雄ねじ
68が形成されており、上側には上方ストッパ70、下
側には下方ストッパ72がねじ込まれている。
【0056】上方ストッパ70の上端には、径方向外側
へ延びるフランジ70Aが形成されている。このフラン
ジ70Aの外径は、ストッパ66のストッパフランジ6
6Aの外径よりも大きく設定されており、ストッパ66
の筒状本体部分の内径よりも所定寸法小さく設定されて
いる。
【0057】また、ストッパフランジ66Aの内径は、
上方ストッパ70の筒状本体部分の外径よりも所定寸法
大きく設定されている。
【0058】本実施例では、ストッパフランジ66Aの
内面が上方ストッパ70の外面に当接すること、あるい
は上方ストッパ70のフランジ70Aがストッパ66の
内周面に当接することで、シリンダー12とピストン部
14との径方向の相対変位量を制限しており、これによ
り電極20と電極22とが所定寸法以下に接近すること
が防止され、電極間の放電及びショートを防止すること
ができるようになっている。
【0059】また、電極20の軸方向中心と電極22の
軸方向中心とが対向した際に、上方ストッパ70のフラ
ンジ70Aとストッパ66のストッパフランジ66Aと
の間、及びストッパフランジ66Aと下方ストッパ72
との間に、所定寸法の間隔が設けられるように上方スト
ッパ70及び下方ストッパ72の位置が調整されてい
る。
【0060】これにより、シリンダー12とピストン部
14との軸方向の相対変位量が制限され、電気粘性流体
24の液面の上下動を所定量以下に制限して、電気粘性
流体24がシリンダー12外へ溢れ出ることを防止する
ことができ、かつ電極22が電気粘性流体24の液面よ
りも上へ露出することを防止できる。なお、ピストン部
14の上下のストロークは、上方ストッパ70及び下方
ストッパ72の位置を変えることで、任意に調整するこ
とができる。
【0061】また、本実施例では、シリンダー12の開
口部分がストッパ66で覆われているため、電気粘性流
体24に塵や埃等の異物が入り難く、電気粘性流体24
の特性が安定する。
【0062】なお、下方ストッパ72には丸孔73が、
ストッパ66のストッパフランジ66Aにはねじ孔75
が形成されており、保管、輸送時等には、図9に示すよ
うに丸孔73に差し込んだ長いビス77をねじ孔75に
ねじ込み、ピストン部14のフランジ14Bをシリンダ
ー12の上面に密着させる。
【0063】また、本実施例では、ストッパ66又は上
方ストッパ70が本発明の接近防止手段に相当してい
る。
【0064】なお、その他のダンパ10の作用・効果に
関しては、第1実施例と同様である。 [第4実施例]本発明の第4実施例を図10及び図11
にしたがって説明する。なお、前述した実施例と同一構
成に関しては同一符号を付し、その説明は省略する。
【0065】図10及び図11に示すように、本実施例
のピストン部14には、フランジ14Bの下面に下方へ
延びる塵進入防止手段としての筒部14Fが一体形成さ
れている。
【0066】筒部14Fは、本発明の接近防止手段に相
当しており、内径がシリンダー12の外径よりも所定寸
法大きく設定されており、径方向のストッパーの役目を
している 本実施例では、筒部14Fとシリンダー12とが当接す
ることで、シリンダー12とピストン部14との径方向
の相対変位量を制限しており、これにより電極20と電
極22とが所定寸法以下に接近することが防止され、電
極間の放電及びショートを防止することができるように
なっている。
【0067】なお、筒部14Fの内面にはフランジ14
B側の基部に雌ねじ84が形成されており、シリンダー
12の外面には、上部に雄ねじ86が形成されている。
このため、ダンパ10を搬送する際には、図11に示す
ように、雌ねじ84と雄ねじ86とを螺合させることで
内部を密閉することができる。
【0068】また、本実施例のダンパ10には、筒部1
4Fとシリンダー12との間の隙間を覆う、塵進入防止
膜としての蛇腹88が設けられている。蛇腹88は、上
端が筒部14Fの溝14Gに嵌め込まれており、下端が
シリンダー12の溝12Dに嵌め込まれている。なお、
ねじを締めたり、緩めたりする際には、蛇腹88の何れ
か一端を外せば蛇腹88が捩じれることはない。
【0069】本実施例のダンパ10も、蛇腹88によっ
て内部が完全に外部を遮断されているため、電気粘性流
体24に異物等が一切混入することが無く、長期に渡り
特性が安定する。
【0070】なお、その他のダンパ10の作用・効果に
関しては、第1実施例と同様である。 [第5実施例]本発明の第5実施例を図12及び図13
にしたがって説明する。なお、前述した実施例と同一構
成に関しては同一符号を付し、その説明は省略する。
【0071】図12に示すように、本実施例のピストン
部14は、底部及びピストン本体14Aとピストンロッ
ド14Cとの接続部分がテーパー状に形成されている。
【0072】また、ピストン部14の上面には、取付用
のねじ穴90の形成されたフランジ板92が固着されて
いる。
【0073】シリンダー12の外周には、円筒状のスラ
イダ部94がスライド可能に設けられている。スライダ
部94には、外周方向に沿って等間隔で穿孔された4個
の丸孔96が軸方向に4列設けられている。
【0074】本実施例のダンパ10は、保管時や輸送時
に、図13に示すように、フランジ14Bがシリンダー
12の上面に密着され、一番上の列の丸孔96に挿通さ
れたビス100がピストン部14のフランジ14Bに形
成されたねじ穴98にねじ込まれることでスライダ部9
4がフランジ14Bに固定され、上から2列目の丸孔9
6にビス102が挿通され、このビス102が円筒部1
2Aのねじ穴104にねじ込まれることでスライダ部9
4がシリンダー12に固定される。
【0075】一方、ダンパ10を除振台30に取り付け
る際には、図12に示すように、上から3列目(或いは
4列目)の丸孔96にビス102を挿通し、このビス1
02を円筒部12Aのねじ穴104にねじ込んで、ピス
トン部14を固定する。本実施例では、このときに電極
20と電極22とが対向するようになっている。
【0076】また、動作時には、ビス100,102を
取り除き、図12の想像線(2点鎖線)で示すようにス
ライダ部94を下に降ろしておくことにより、床38等
の設置面の振動が定盤34へ伝達することはない。
【0077】なお、その他のダンパ10の作用・効果に
関しては、第1実施例と同様である。
【0078】また、前記実施例では、ピストン部14に
張出部14Dを設けて電極間の放電及びショートを防止
したが、これに限らず、図14に示すように電極20を
円筒部12Aの内周面よりも半径方向外側へ配置した
り、図15に示すように電極20の両端近傍に、半径方
向内側に突出するリング(例えば、ゴムのオーリング
等)106を配置しても電極間の放電及びショートを防
止することができる。
【0079】また、図16に示すように、電極22の両
端部を絶縁材料で覆っても良く、これによって放電防止
効果を高めることができる。なお、図示はしないが、電
極22の両端部を絶縁材料で覆っても良いのは勿論であ
る。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
ダンパは上記の構成としたので、以下の(1)及び
(2)の効果が得られる。 (1) 電気粘性流体を用いたことにより、応答性良く
振動を短時間で減衰可能である。また、ダンパの小型化
を図ることができ、大がかりな装置を必要としない。 (2) 振動の振幅が大きくても電極間で放電及びショ
ートが生じない。
【0081】請求項2に記載のダンパは上記の構成とし
たので、電極端部から生じやすい放電を防止することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】除振台に取り付けた第1実施例に係るダンパの
断面図である。
【図2】ピストン部のフランジの平面図である。
【図3】除振台に取り付けた第1実施例に係るダンパの
断面図である。
【図4】除振台の構成図である。
【図5】密閉した第1実施例に係るダンパの断面図であ
る。
【図6】除振台に取り付けた第2実施例に係るダンパの
断面図である。
【図7】密閉した第2実施例に係るダンパの断面図であ
る。
【図8】除振台に取り付けた第3実施例に係るダンパの
断面図である。
【図9】密閉した第3実施例に係るダンパの断面図であ
る。
【図10】除振台に取り付けた第3実施例に係るダンパ
の断面図である。
【図11】密閉した第3実施例に係るダンパの断面図で
ある。
【図12】除振台に取り付けた第4実施例に係るダンパ
の断面図である。
【図13】密閉した第4実施例に係るダンパの断面図で
ある。
【図14】他の実施例に係るダンパの断面図である。
【図15】更に他の実施例に係るダンパの断面図であ
る。
【図16】更に他の実施例に係るダンパのピストンの断
面図である。
【符号の説明】
10 ダンパ 12 シリンダー 14A ピストン本体 14D 張出部(接近防止手段) 20 電極(第1の電極) 22 電極(第2の電極) 24 電気粘性流体 14F 筒部(接近防止手段)
フロントページの続き (72)発明者 内田 公夫 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目1番1 号 昭和電線電纜株式会社内 (72)発明者 山家 弘行 東京都小平市小川東町3−1−1 株式会 社ブリヂストン東京工場内 (72)発明者 川真田 智 東京都小平市小川東町3−1−1 株式会 社ブリヂストン東京工場内 (72)発明者 石野 裕一 東京都小平市小川東町3−1−1 株式会 社ブリヂストン東京工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電圧を印加することにより粘度が変化す
    る電気粘性流体を収納するシリンダーと、 前記粘性流体中に配置されるピストンと、 前記シリンダーに設けられ前記電気粘性流体に電圧を印
    加する第1の電極と、 前記ピストンに設けられ前記第1の電極と対向して前記
    電気粘性流体に電圧を印加する第2の電極と、 前記シリンダー及び前記ピストンの少なくとも一方に連
    結され、前記第1の電極と前記第2の電極とが所定寸法
    以下に接近することを防止する接近防止手段と、 を有することを特徴とするダンパ。
  2. 【請求項2】 前記第1の電極は前記シリンダーの内周
    面に設けられ、 前記第2の電極は前記ピストンの外周面に設けられ、 前記接近防止手段は絶縁体で形成され、かつ前記第1の
    電極及び前記第2の電極の少なくとも一方の端部の近傍
    に突出していることを特徴とする請求項1に記載のダン
    パ。
JP15616995A 1995-06-22 1995-06-22 ダンパ Pending JPH094671A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AT408782B (de) * 2000-01-27 2002-03-25 Blum Gmbh Julius Dämpfungseinrichtung für bewegbare möbelteile
JP2010130595A (ja) * 2008-12-01 2010-06-10 Kryna & Pluton Inc 振動防止支持装置
JP2020002980A (ja) * 2018-06-27 2020-01-09 日立オートモティブシステムズ株式会社 シリンダ装置

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JP2010130595A (ja) * 2008-12-01 2010-06-10 Kryna & Pluton Inc 振動防止支持装置
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