JP2010130274A - 電子デバイスおよび電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】伝送線路の長さなどにかかわらず、送信部から出力されたシリアルデータを受信部において確実に受信することのできる電子デバイス、および電子機器を提供すること。
【解決手段】電気光学装置100および電子機器1000において、送信部310と受信部670とはシリアル信号伝送線路71、72、73、74で接続されている。また、送信部310と受信部670とはフィードバック用伝送線路77によっても接続されている。このため、送信条件補正部325は、フィードバック用伝送線路77を介して送信されてきた監視結果に基づいて送信部310での送信条件を適正な条件に変更する。
【選択図】図3

Description

本発明は、送信部と受信部との間でシリアルデータを送受信する電子デバイス、および当該電子デバイスを備えた電子機器に関するものである。
液晶装置などの電気光学装置を備えた電子機器において、電気光学パネルと制御装置との間でデータ転送を行なうにあたって、EMIノイズの低減などを目的としたインターフェースとしてLVDS(Low Voltage Differential Signaling)などの高速シリアル転送方式を採用することが注目されている。かかる高速シリアル転送を行なうための高速シリアル受信部(HSSIF/High Speed Serial Interface)は、シリアル化されたデータを差動信号により送信するトランスミッタ回路と、差動信号を差動増幅するレシーバ回路とによって実現される(特許文献1参照)。
また、高速シリアル転送は、配線の本数を減らすことができるという利点がある。このため、折り畳み式の携帯電話機などにおいて、電話番号入力や文字入力を行なうためのボタンが設けられた第1の機器部分と、LCD(Liquid Crystal Display)などの電気光学装置やカメラデバイスが設けられた第2の機器部分とがヒンジなどの連結部分により連結されている場合に、ヒンジなどの連結部分を介して第1の機器部分と第2の機器部分との間でデータ転送を行なうのに適している。
かかる高速シリアル転送を採用するにあたっては、信号特性の向上やノイズの低減という面から高速信号線のインピーダンスコントロールを行い、トランスミッタ回路からレシーバ回路に常に一定の周波数で一定の振幅をもった信号が出力される。
特開2005−257854号公報
しかしながら、高速シリアル転送の場合、比較的低電圧の信号を高周波数で送受信するため、伝送線路の長さなどの影響を受けて、信号の振幅や周波数がシフトすると、レシーバ回路での受信を適正に行なえないという問題点がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、伝送線路の長さなどにかかわらず、送信部から出力されたシリアルデータを受信部において確実に受信することのできる電子デバイス、および当該電子デバイスを備えた電子機器を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る電子デバイスは、シリアル信号をシリアル信号伝送線路に出力する送信部と、前記シリアル信号伝送線路を介して前記シリアル信号を受信する受信部と、前記送信部から前記受信部への前記シリアル信号の送信状態の監視結果を前記送信部に送信するフィードバック用伝送線路と、前記送信部に設けられ、前記フィードバック用伝送線路を介して送信されてきた前記監視結果に基づいて前記送信部での送信条件を変更する送信条件補正部と、を有することを特徴とする。
本発明では、送信部と受信部との間にはフィードバック用伝送線路が構成されており、送信条件補正部は、フィードバック用伝送線路を介して送信されてきた監視結果に基づいて送信部での送信条件を変更する。このため、シリアル信号伝送線路の長さなどによってシリアル信号の送信条件(振幅や周波数)が受信部のスペックから外れそうな場合や外れた場合でも、シリアル信号の送信条件を常に最適な状態に維持することができる。
本発明において、前記シリアル信号伝送線路は、高速シリアル転送を行なう差動信号線を含んでいる場合に適用すると効果的である。差動信号線を用いた高速シリアル転送の場合、振幅が低く、かつ、周波数が高いので、シリアル信号伝送線路の長さなどによってシリアル信号の送信条件(振幅や周波数)がずれやすいが、本発明によれば、かかるずれを確実に回避することができる。
本発明において、前記受信部は、前記送信状態の良否を判定する送信状態判定部を備え、当該送信状態判定部は、前記送信状態の判定結果を前記監視結果として前記フィードバック用伝送線路を介して前記送信部に送信し、前記送信条件補正部は、前記送信状態判定部による前記判定結果に基づいて前記送信部での送信条件を変更する構成を採用することができる。
本発明において、前記受信部は、受信した前記シリアル信号を前記監視結果として前記フィードバック用伝送線路を介して前記送信部に送信し、前記送信部は、前記送信状態の良否を判定する送信状態判定部を備え、前記送信条件補正部は、前記送信状態判定部による前記判定結果に基づいて前記送信部での送信条件を変更する構成を採用してもよい。
本発明において、前記送信状態判定部は、例えば、前記送信状態として、前記フィードバック用伝送線路を介して送信されてきた前記シリアル信号の振幅および周波数のうちの少なくとも一方が適正であるか否かを判定する。
本発明において、前記送信条件補正部は、前記送信部での送信条件として、例えば、前記シリアル信号の振幅および周波数のうちの少なくとも一方を変更する。
本発明を適用した電子デバイスは、携帯電話機、カーナビゲーション、パーソナルコンピュータなどの各種の電子機器に用いることができる。
かかる電子機器において、前記受信部は、例えば、電子機器の表示部を構成する電気光学パネルの側に配置され、前記送信部は、前記電気光学パネルでの表示を制御する表示用制御装置の側に配置されている構成を採用する。
以下、本発明の好適な実施の形態として、送信部と受信部との間でシリアル転送を行なう電子デバイスとして、液晶装置コントローラと、電気光学パネルに実装された集積回路装置との間で高速シリアル転送を行う電気光学装置を説明する。なお、以下の説明で参照する図においては、各領域を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、縮尺などを異ならしめてある。また、電極や配線の数についても簡素化して示してある。
[実施の形態1]
(電気光学装置の全体構成)
図1(a)、(b)は各々、本発明を適用した電気光学装置(液晶装置)をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図、およびそのH−H′断面図である。図1(a)、(b)において、本形態の電気光学装置100(電子デバイス)は、TN(Twisted Nematic)モード、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モード、VAN(Vertical Aligned Nematic)モードのアクティブマトリクス型の液晶装置である。この電気光学装置100では、矩形の素子基板10(電気光学装置用基板)と矩形の対向基板20とがシール材22を介して貼り合わされた電気光学パネル30(液晶パネル)を有しており、素子基板10と対向基板20との間に液晶1fが保持されている。
シール材22は、素子基板10と対向基板20とをそれらの周辺で貼り合わせるための光硬化樹脂や熱硬化性樹脂などからなる接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバー、あるいはガラスビーズ等のギャップ材が配合されている。シール材22には、その途切れ部分によって液晶注入口25が形成され、液晶1fを注入した後、封止材27により封止されている。
素子基板10において、シール材22で囲まれた領域内は、画素電極2aや画素トランジスタ2cがマトリクス状に配列された画素配列領域10aになっており、画素電極2aの表面には配向膜19が形成されている。対向基板20には、シール材22の内側領域に遮光性材料からなる額縁26(図1(b)では図示を省略)が形成され、その内側が画像表示領域1aになっている。対向基板20には、図示を省略するが、各画素の縦横の境界領域と対向する領域にブラックマトリクス、あるいはブラックストライプなどと称せられる遮光膜が形成され、その上層側には、共通電極28および配向膜29が形成されている。また、対向基板20において、素子基板10の各画素に対向する領域には、RGBのカラーフィルタ(図示せず)がその保護膜とともに形成され、それにより、電気光学装置100をモバイルコンピュータ、携帯電話機、液晶テレビなどといった電子機器のカラー表示装置として用いることができる。なお、電気光学装置100がIPS(In Plane Switching)モードやFFS(Fringe Field Switching)モードのアクティブマトリクス型の液晶装置である場合、共通電極28は、素子基板10の側に形成される。
素子基板10は対向基板20よりも大きく、素子基板10は、シール材22の外側で対向基板20の端部から張り出した張り出し領域15を備えている。張り出し領域15にはIC実装領域1sが形成されており、このIC実装領域1sには、走査ドライバ(走査線駆動回路)およびデータドライバ(ソース線駆動回路)などを内蔵する集積回路装置60(半導体集積装置)がCOG(Chip On Glass)実装されている。
素子基板10の張り出し領域15には、IC実装領域1sに隣接する端部に基板接続領域1tが形成されており、この基板接続領域1tには、配線基板としてのフレキシブル配線基板70が接続されている。フレキシブル配線基板70には、各種配線パターンが形成されており、集積回路装置60と液晶装置コントローラ300側との電気的な接続が行なわれている。このように構成した電気光学装置100は、図5を参照して例示する電子機器1000に搭載される。
素子基板10では、画素配列領域10aからIC実装領域1sに向けて、画素配列領域10aの外側領域1bを通って、後述する走査線3aやデータ線6aから延在する引き回し配線16、17が形成されており、かかる引き回し配線16、17の端部は、集積回路装置60を実装するためのパッドになっている。
また、素子基板10において、IC実装領域1sと基板接続領域1tとの間には、液晶装置コントローラ300からフレキシブル配線基板70を介して出力された定電位や信号を集積回路装置60に供給するための配線群11が形成されている。
(電気光学装置の電気的構成)
図2は、本発明を適用した電気光学装置100の電気的構成を示す説明図である。本形態の電気光学装置100において、電気光学パネル30に用いた素子基板10には、複数のデータ線6a(ソース線)と、データ線6aと交差する方向に延在する複数の走査線3a(ゲート線)と、データ線6aおよび走査線3aの交差に対応する複数の画素10bとが構成され、かかる複数の画素10bがマトリクス状に配列された領域によって画素配列領域10aが構成されている。
複数の画素10bの各々には、画素電極2a、および画素電極2aを制御するための画素トランジスタ2c(電界効果型トランジスタ)が形成されている。データ線6aは、画素トランジスタ2cのソースに電気的に接続されており、走査線3aは、画素トランジスタ2cのゲートに電気的に接続されている。画素電極2aは、画素トランジスタ2cのドレインに電気的に接続されており、電気光学装置100では、画素トランジスタ2cを一定期間だけそのオン状態とすることにより、データ線6aから供給される画像信号を各画素10bの液晶容量に所定のタイミングで書き込む。液晶容量に書き込まれた所定レベルの画像信号は、素子基板10に形成された画素電極2aと、対向基板20の共通電極28(図1(b)参照)との間で一定期間保持される。画素電極2aには保持容量2eが付加されており、画素電極2aの電圧は、例えば、ソース電圧が印加された時間よりも3桁も長い時間だけ保持される。これにより、電荷の保持特性は改善され、コントラスト比の高い表示を行うことのできる電気光学装置100が実現される。本形態では、保持容量2eを構成するにあたって、走査線3aと並行するように容量線3bが形成されているが、前段の走査線3aとの間に保持容量2eが形成される場合もある。
(集積回路装置60の構成)
本形態の電気光学装置100において、集積回路装置60には複数の回路ブロックが構成されている。また、集積回路装置60において画素配列領域10aが位置する側の端部は、画素配列領域10aから延在する引き回し配線16、17の端部に接続するバンプの配列領域66、67になっている。集積回路装置60において基板接続領域1tが位置する側の端部は、配線群11の端部からなるパッドに接続するバンプの配列領域68になっている。
本形態において、集積回路装置60では、回路ブロックによって、走査ドライバ610、データドライバ620、電源回路630、階調電圧生成回路640、ロジック回路680、メモリ(図示せず)などが構成されている。メモリは、RAMなどにより構成されており、少なくとも1フレーム(1画面)分の画像データ(表示データ)を記憶する。
ロジック回路680には制御回路および表示タイミング制御回路などが形成されており、ロジック回路680において、制御回路は、各種制御信号を生成する機能を担う他、装置全体の制御を行う。具体的には、制御回路は、階調電圧生成回路640に対して階調特性(γ特性)を調整するための階調調整データ(γ補正データ)を出力する機能や、電源回路630に対して電源電圧を調整するための電源調整データを出力する機能を担っている。また、制御回路は、メモリへのライト/リード処理を制御する機能も担っている。表示タイミング制御回路は表示タイミングを制御するための各種の制御信号を生成し、メモリから電気光学パネル30への画像データの読み出しを制御する。
データドライバ620は、電気光学パネル30のデータ線6aを駆動するためのデータ信号を生成する回路である。具体的にはデータドライバ620は、メモリから画像データ(階調データ)を受け、階調電圧生成回路640から複数(例えば256段階)の階調電圧(基準電圧)を受ける。そして、これらの複数の階調電圧の中から、画像データに対応する電圧を選択して、データ信号(データ電圧)として電気光学パネル30のデータ線6aに出力する。
走査ドライバ610は電気光学パネル30の走査線3aを駆動するための走査信号を生成する回路である。具体的には、走査ドライバ610では、内蔵するシフトレジスタにおいて信号を順次シフトし、このシフトされた信号をレベル変換した信号を、走査信号として電気光学パネル30の各走査線3aに出力する。
電源回路630は各種の電源電圧を生成する回路である。具体的には、入力電源電圧や内部電源電圧を、内蔵する昇圧回路が含む昇圧用キャパシタや昇圧トランジスタを用いてチャージポンプ方式で昇圧する。そして昇圧により得られた電圧を、データドライバ620、走査ドライバ610、階調電圧生成回路640などに供給する。
階調電圧生成回路(γ補正回路)640は階調電圧を生成してデータドライバ620に供給する回路である。
(データ転送のための構成)
図3は、本発明の実施の形態1に係る電気光学装置100および電子機器1000において、高速シリアル転送のための構成などを示す説明図である。
図2および図3に示すように、集積回路装置60には、受信部として、インターフェース速度が比較的遅いクロック同期のシリアルインターフェース、あるいはパラレルインターフェースを行なう第1受信部660が構成されている。また、集積回路装置60には、受信部として、高速シリアル転送を行なう第2受信部670が構成されている。
本形態において、第1受信部660はパラレルインターフェースであり、液晶装置コントローラ300から出力されたライト信号、リード信号、リセット信号、チップセレクト信号などのコマンドを受信する。ここで、ライト信号、リード信号、リセット信号、チップセレクト信号は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)レベルよりも振幅が大きな信号である。なお、第1受信部660に対応する信号として、図3などには、ライト信号、リード信号、リセット信号、チップセレクト信号を例示してあるが、第1受信部660に対応する信号として、上記のコマンドの他、アドレスやスタンバイなどに対応する信号を例示することができる。また、本形態では、液晶装置コントローラ300から集積回路装置60に対して、グランド電位および駆動電位が供給される。
第2受信部670は、シリアルバスを介した高速シリアル転送を実現するインターフェースである。具体的には、シリアルバスの差動信号線を電流駆動あるいは電圧駆動することにより、液晶装置コントローラ300との間で高速シリアル転送が実現される。かかる第2受信部670には、CMOSレベル(差動信号)の振幅が小さな信号が入力される。より具体的には、図3に示すように、第2受信部670には、小振幅の差動データ信号DP、DMや、小振幅の差動クロック信号CKP、CKMが入力され、差動データ信号DP、DMの差動増幅や、差動クロック信号CKP、CKMの差動増幅を行って、液晶装置コントローラ300からのデータを受信する。ここで、差動データ信号DP、DMには、電気光学装置100で表示される画像データが含まれている。差動データ信号DP、DMは、互いに反転差動信号の関係にあり、差動クロック信号CKP、CKMは、互いに反転差動信号の関係にある。
かかる高速シリアル転送を行なうことを目的に、第2受信部670は、クロック用レシーバ回路671、データ用レシーバ回路672、シリアル−パラレル変換回路673、PLL回路674などを備えている。
また、液晶装置コントローラ300側は送信部310を備えており、かかる送信部310は、クロック用トランスミッタ回路301、データ用トランスミッタ回路302、パラレル−シリアル変換回路303およびPLL回路304を備えたインターフェース回路305と、制御部320とを備えている。制御部320は、各種データをインターフェース回路305に出力する表示制御部(図示せず)の他、インターフェース回路305に供給する駆動電圧Vdを生成する駆動電圧生成回路321と、クロック信号CKを生成するクロック信号生成回路323とを備えている。かかる送信部310では、クロック信号生成回路323からPLL回路304にクロック信号CKが出力され、PLL回路304から出力されるクロック信号に基づいて、クロック用トランスミッタ回路301およびデータ用トランスミッタ回路302が動作する。従って、クロック用トランスミッタ回路301およびデータ用トランスミッタ回路302から出力される差動データ信号DP、DMや、差動クロック信号CKP、CKMの周波数は、クロック信号生成回路323から出力されるクロック信号CKにより規定される。また、クロック用トランスミッタ回路301およびデータ用トランスミッタ回路302から出力される差動データ信号DP、DMの振幅は、駆動電圧生成回路321から出力される駆動電圧Vdにより規定される。
さらに、本形態において、受信部670は、I/O回路676および送信状態判定部677を備えている。また、送信部310は、インターフェース回路305にI/O回路306を備え、制御部320に送信条件補正部325を備えている。かかるI/O回路306、676、送信状態判定部677、および送信条件補正部325の機能については後述する。
このように構成した送信部310および受信部670において、クロック用トランスミッタ回路301は、差動クロック信号CKP、CKMを出力し、クロック用レシーバ回路671は、この差動クロック信号CKP、CKMの差動増幅を行い、得られたクロック信号を後段の回路に出力する。また、データ用トランスミッタ回路302は、差動データ信号DP、DMを出力し、データ用レシーバ回路672は、この差動データ信号DP、DMの差動増幅を行い、得られたデータ信号を後段の回路に出力する。
本形態の電気光学装置100および電子機器1000において、上記の高速シリアル転送は、図1、図2および図3に示すように、液晶装置コントローラ300と電気光学パネル30とを接続するフレキシブル配線基板70に形成された配線パターン、および素子基板10に形成された配線群11からなるシリアル信号伝送線路71、72、73、74より行なわれる。かかるシリアル信号伝送線路71、72、73、74において、シリアル信号伝送線路71、72は、2本一組で高速シリアル転送用の差動信号線対を構成し、シリアル信号伝送線路73、74は、2本一組で高速シリアル転送用の差動信号線対を構成している。
(送信条件の補正のための構成)
このように構成した電気光学装置100および電子機器1000において、高速シリアル転送を採用した場合、パラレル転送と違って、信号特性の向上やノイズの低減という面から、シリアル信号伝送線路71、72、73、74のインピーダンスが各配線の延在方向の全体にわたって整合させてある。但し、高速シリアル転送の場合、振幅の小さな差動信号を高周波数で転送するため、フレキシブル配線基板70の長さ寸法、すなわち、シリアル信号伝送線路71、72、73、74の長さ寸法によっては、クロック用レシーバ回路671およびデータ用レシーバ回路672において適正な受信を行なえないことがある。
そこで、本形態では、まず、フレキシブル配線基板70および素子基板10には、フィードバック用伝送線路77を構成するための配線が形成されている。
また、受信部670には、フィードバック用伝送線路77の一方端に接続するI/O回路676、および送信状態判定部677が構成されており、シリアル信号伝送線路71、72、73、74のうち、シリアル信号伝送線路73、74を介して送信されてくる差動データ信号DP、DM(シリアル信号)は、データ用レシーバ回路672および送信状態判定部677の双方に入力される。ここで、送信状態判定部677は、シリアル信号伝送線路73、74を介して送信されてきた差動データ信号DP、DMの振幅および周波数を受信部670のスペックと比較し、差動データ信号DP、DMの振幅および周波数が受信部670のスペックから外れている場合、あるいは外れそうである場合、その旨の判定結果を監視信号としてI/O回路676を介してフィードバック用伝送線路77に出力する。
また、送信部310は、I/O回路306および送信条件補正部325を備えており、受信部670の送信状態判定部677から出力された監視結果は、フィードバック用伝送線路77およびI/O回路306を介して送信条件補正部325に入力される。ここで、送信条件補正部325は、補正条件が格納されたメモリ326を備えており、送信状態判定部677から出力された監視結果に基づいて、駆動電圧生成回路321で生成する駆動電圧Vdの値、およびクロック信号生成回路323で生成するクロック信号CKの周波数を補正する。
(動作)
本形態の電気光学装置100および電子機器1000において、駆動電圧生成回路321で生成する駆動電圧Vdの値、およびクロック信号生成回路323で生成するクロック信号CKの周波数は、初期的には、送信部310の送信条件(振幅や周波数)が受信部670のスペックの中央値になるように設定されている。従って、電気光学装置100および電子機器1000の検査時、送信部310および受信部670は、初期設定された条件(目標値)で動作する。
その際、送信部310からシリアル信号伝送線路73、74を介して送信されてきた差動データ信号DP、DMの振幅や周波数が初期設定された条件(目標値)からずれていた場合、送信状態判定部677は、その旨の信号をI/O回路676、フィードバック用伝送線路77、I/O回路676を介して送信条件補正部325に出力する。その結果、送信条件補正部325は、かかるずれを補正するように、駆動電圧生成回路321およびクロック信号生成回路323に指令する。
例えば、送信条件補正部325が、送信部310からシリアル信号伝送線路73、74を介して送信されてきた差動データ信号DP、DMの振幅が小さすぎる場合、送信条件補正部325は、駆動電圧生成回路321に指令し、駆動電圧Vdを1段階高い値に変更させる。その結果、送信部310からシリアル信号伝送線路73、74を介して送信されてきた差動データ信号DP、DMの振幅が適正な状態になれば、この状態を維持する。これに対して、1段階の変更では、送信部310からシリアル信号伝送線路73、74を介して送信されてきた差動データ信号DP、DMの振幅が適正化できない場合、送信条件補正部325は、再度、駆動電圧生成回路321に指令し、駆動電圧Vdをさらに1段階、変更させるなどの処理を行なう。
また、送信条件補正部325が、送信部310からシリアル信号伝送線路73、74を介して送信されてきた差動データ信号DP、DMの周波数が高すぎる場合、送信条件補正部325は、クロック信号生成回路323に指令し、クロック信号CKの周波数を1段階低い値に変更させる。その結果、送信部310からシリアル信号伝送線路73、74を介して送信されてきた差動データ信号DP、DMの周波数が適正な状態になれば、この状態を維持する。これに対して、1段階の変更では、送信部310からシリアル信号伝送線路73、74を介して送信されてきた差動データ信号DP、DMの周波数数が適正化できない場合、送信条件補正部325は、再度、クロック信号生成回路323に指令し、クロック信号CKの周波数をさらに1段階、変更させるなどの処理を行なう。
なお、送信部310からシリアル信号伝送線路73、74を介して送信されてきた差動データ信号DP、DMの振幅が大きすぎる場合や、周波数が低すぎる場合、上記と反対の補正が行なわれる。
かかる監視および補正は、その後、電気光学装置100および電子機器1000の電源をオンした際に行なわれる、また、電気光学装置100および電子機器1000の電源をオンした後、一定時間が経過する毎に行なわれる。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の電気光学装置100および電子機器1000では、送信部310と受信部670との間にフィードバック用伝送線路77が構成され、送信条件補正部325は、フィードバック用伝送線路77を介して送信されてきた監視結果に基づいて送信部310での送信条件を変更する。このため、シリアル信号伝送線路73、74の長さなどによってシリアル信号の送信条件(振幅や周波数)が受信部670のスペックから外れそうな場合や外れた場合でも、シリアル信号の送信条件を常に最適な状態に維持することができる。
また、本形態においては、受信部670側に送信状態判定部677を設け、その判定結果をフィードバック用伝送線路77によって送信部310側にフィードバックしている。そのため、シリアル信号伝送線路73、74を分岐させた配線を直接フィードバック用の伝送線路として用いる必要がないため、シリアル信号伝送線路73、74にて伝送される信号特性の劣化が少ないという利点がある。
[実施の形態2]
図4は、本発明の実施の形態2に係る電気光学装置100および電子機器1000において、高速シリアル転送のための構成などを示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通の機能を担う部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
図4に示すように、本形態の電気光学装置100(電子デバイス)および電子機器1000でも、実施の形態1と同様、集積回路装置60には、受信部として、高速シリアル転送を行なう第2受信部670が構成されており、第2受信部670は、クロック用レシーバ回路671、データ用レシーバ回路672、シリアル−パラレル変換回路673、PLL回路674などを備えている。また、液晶装置コントローラ300において、送信部310は、クロック用トランスミッタ回路301、データ用トランスミッタ回路302、パラレル−シリアル変換回路303およびPLL回路304を備えたインターフェース回路305と、制御部320とを備えている。かかる送信部310と受信部670との間の高速シリアル転送は、フレキシブル配線基板70に形成された配線パターン、および素子基板10に形成された配線群11からなるシリアル信号伝送線路71、72、73、74より行なわれる。かかるシリアル信号伝送線路71、72、73、74において、シリアル信号伝送線路71、72は、2本一組で高速シリアル転送用の差動信号線対を構成し、シリアル信号伝送線路73、74は、2本一組で高速シリアル転送用の差動信号線対を構成している。
本形態では、送信部310には、インターフェース回路305には送信状態判定部330が構成され、制御部320に送信条件補正部325が構成されている。また、フレキシブル配線基板70および素子基板10には、2つのフィードバック用伝送線路771、772を構成するための配線が形成されている。さらに、受信部670には、シリアル信号伝送線路71、72、73、74のうち、シリアル信号伝送線路73、74をフィードバック用伝送線路771、772に接続するための配線781、782が形成されている。このため、シリアル信号伝送線路73、74を介して送信されてきた差動データ信号DP、DMは、フィードバック用伝送線路771、772を介して送信部310に監視結果として転送される。その結果、シリアル信号伝送線路73、74を介して送信されてきた差動データ信号DP、DMは、配線781、782およびフィードバック用伝送線路771、772を介して送信部310の送信状態判定部330に入力される。
ここで、送信状態判定部330は、電気光学装置100および電子機器1000の検査時、あるいは一定期間毎に、シリアル信号伝送線路73、74を介して送信されてきた差動データ信号DP、DMの振幅および周波数を受信部670のスペックと比較する。そして、送信状態判定部330は、差動データ信号DP、DMの振幅および周波数が受信部670のスペックから外れている場合、あるいは外れそうである場合、その旨の判定結果を監視信号として送信条件補正部325に出力する。従って、送信条件補正部325は、メモリ326に格納されている補正条件に基づいて、駆動電圧生成回路321で生成する駆動電圧Vdの値、およびクロック信号生成回路323で生成するクロック信号CKの周波数を補正する。
それ故、本形態の電気光学装置100および電子機器1000でも、実施の形態1と同様、シリアル信号伝送線路73、74の長さなどによってシリアル信号の送信条件(振幅や周波数)が受信部670のスペックから外れそうな場合や外れた場合でも、シリアル信号の送信条件を常に最適な状態に維持することができる。
また、本形態においては、シリアル信号伝送線路73、74を分岐させて、フィードバック用伝送線路771、772として用い、送信側に設けた送信状態判定部330に接続している。そのため、受信部670側には、何らの特別な回路を構成する必要がないという利点がある。
[その他の構成]
上記実施形態において、送信状態判定部330、677は、シリアル信号伝送線路73、74を介して送信されてきた差動データ信号DP、DMの振幅および周波数が適正か否かを判定したが、差動クロック信号CKP、CKMの振幅および周波数が適正か否かを判定してもよい。また、送信状態判定部330、677は、シリアル信号伝送線路73、74を介して送信されてきた差動データ信号DP、DM、および差動クロック信号CKP、CKMの双方について振幅および周波数が適正か否かを判定してもよい。
上記実施形態では、電気光学装置100として、液晶装置を例示したが、有機エレクトロルミネッセンス装置やプラズマ表示装置に本発明を適用してもよい。
[電子機器への搭載例]
次に、上述した実施形態に係る電気光学装置100を適用した電子機器について説明する。図5(a)に、電気光学装置100を備えたモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す。パーソナルコンピュータ2000は、表示ユニットとしての電気光学装置100と本体部2010を備える。本体部2010には、電源スイッチ2001及びキーボード2002が設けられている。図5(b)に、電気光学装置100を備えた携帯電話機の構成を示す。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001及びスクロールボタン3002、並びに表示ユニットとしての電気光学装置100を備える。スクロールボタン3002を操作することによって、電気光学装置100に表示される画面がスクロールされる。図5(c)に、電気光学装置100を適用した情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)の構成を示す。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001及び電源スイッチ4002、並びに表示ユニットとしての電気光学装置100を備える。電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が電気光学装置100に表示される。
なお、電気光学装置100が適用される電子機器としては、図5に示すものの他、デジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、銀行端末などの電子機器などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示部として、前述した電気光学装置100が適用可能である。
(a)、(b)は各々、本発明を適用した電気光学装置(液晶装置)をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図、およびそのH−H′断面図である。 本発明を適用した電気光学装置の電気的構成を示す説明図である。 本発明の実施の形態1に係る電気光学装置および電子機器において、高速シリアル転送のための構成などを示す説明図である。 本発明の実施の形態2に係る電気光学装置および電子機器において、高速シリアル転送のための構成などを示す説明図である。 本発明に係る電気光学装置を用いた電子機器の説明図である。
符号の説明
10・・素子基板(電気光学装置用基板)、20・・対向基板、30・・電気光学パネル、60・・集積回路装置、70・・フレキシブル配線基板(配線基板)、71、72、73、74・・シリアル信号伝送線路(差動信号線)、77・・フィードバック用伝送線路、100・・電気光学装置(電子デバイス)、1000・・電子機器、310・・送信部、325・・送信条件補正部、330、677・・送信状態判定部、660・・第1受信部、670・・第2受信部

Claims (8)

  1. シリアル信号をシリアル信号伝送線路に出力する送信部と、
    前記シリアル信号伝送線路を介して前記シリアル信号を受信する受信部と、
    前記送信部から前記受信部への前記シリアル信号の送信状態の監視結果を前記送信部に送信するフィードバック用伝送線路と、
    前記送信部に設けられ、前記フィードバック用伝送線路を介して送信されてきた前記監視結果に基づいて前記送信部での送信条件を変更する送信条件補正部と、
    を有することを特徴とする電子デバイス。
  2. 前記シリアル信号伝送線路は、高速シリアル転送を行なう差動信号線を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
  3. 前記受信部は、前記送信状態の良否を判定する送信状態判定部を備え、
    当該送信状態判定部は、前記送信状態の判定結果を前記監視結果として前記フィードバック用伝送線路を介して前記送信部に送信し、
    前記送信条件補正部は、前記送信状態判定部による前記判定結果に基づいて前記送信部での送信条件を変更することを特徴とする請求項1または2に記載の電子デバイス。
  4. 前記受信部は、受信した前記シリアル信号を前記監視結果として前記フィードバック用伝送線路を介して前記送信部に送信し、
    前記送信部は、前記送信状態の良否を判定する送信状態判定部を備え
    前記送信条件補正部は、前記送信状態判定部による前記判定結果に基づいて前記送信部での送信条件を変更することを特徴とする請求項1または2に記載の電子デバイス。
  5. 前記送信状態判定部は、前記送信状態として、前記フィードバック用伝送線路を介して送信されてきた前記シリアル信号の振幅および周波数のうちの少なくとも一方が適正であるか否かを判定することを特徴とする請求項3または4に記載の電子デバイス。
  6. 前記送信条件補正部は、前記送信部での送信条件として、前記シリアル信号の振幅および周波数のうちの少なくとも一方を変更することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の電子デバイス。
  7. 請求項1乃至6の何れか一項に記載の電子デバイスを備えていることを特徴とする電子機器。
  8. 前記受信部は、電子機器の表示部を構成する電気光学パネルの側に配置され、
    前記送信部は、前記電気光学パネルでの表示を制御する表示用制御装置の側に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の電子機器。
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