JP2010130070A - ループゲイン推定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハウリング発生を未然に防ぐために、閉ループの環境が変化してもループゲインを推定することができるループゲイン推定装置を提供する。
【解決手段】疑似ノイズ重畳部7は、マイク11が収音した音声に疑似ノイズ(M系列)を重畳し、増幅系統に出力する。演算部5は、マイク11が収音した音声と上記疑似ノイズの相関計算を行う。演算部5は、疑似ノイズ重畳部7が疑似ノイズを出力してから最初に算出した所定レベル以上の相関値を直接波の成分としてループゲインを推定する。
【選択図】図1

Description

この発明は、閉ループのゲインを推定するループゲイン推定装置に関する。
従来、講演、コンサート等の拡声システムにおいて、ハウリングを防止するための技術が種々提案されている。一般的なハウリング抑制手法は、ハウリングの発生を検出したときに、ハウリングの原因となる周波数帯域をフィルタで減衰するものである。
また、非特許文献1には、M系列ノイズの同期加算を用いたハウリングキャンセラが提案されている。非特許文献1のハウリングキャンセラは、事前に高レベルのM系列ノイズを放音して、適応型フィルタのトレーニングを行い、運用中には微弱なレベルでM系列ノイズを放音して適応フィルタを更新し続けるものである。また、非特許文献1のハウリングキャンセラは、話者がしゃべり続けたり、楽器が鳴り続けたりして外乱が大きくなると、適応フィルタの更新を阻害することになるため、マイク入力レベルが大きい場合、外乱が大きいとみなして適応フィルタの更新を停止している。
伊丹 誠、羽鳥 光俊、"音響系におけるハウリング除去に関する検討"、電子情報通信学会技術研究報告、1989年、EA89−4
しかし、一般的なフィルタによる減衰手法では、ハウリングが発生した周波数帯域を抑制する手法であるため、一旦ハウリングが発生した後でなければ抑制することができない。
また、講演やコンサートでは、マイクの位置が移動することが多く、閉ループの環境は、マイクの位置等の変化で刻一刻と変化する。閉ループの環境が変化し、ループゲインが変化すると、非特許文献1に記載されているような適応フィルタでは、フィルタ係数の更新が追いつかず、ハウリングを抑制することができない。さらに、非特許文献1のように、マイク入力レベルが大きい場合に適応フィルタの更新を停止すると、ハウリングを抑止できなくなる可能性がある。
また、いずれもハウリング発生原因となる周波数帯域を抑制する手法に過ぎず、ループゲインを推定するものではなく、ハウリング発生を未然に防ぐことができるものではない。
そこで、この発明は、ハウリング発生を未然に防ぐために、閉ループの環境が変化してもループゲインを推定することができるループゲイン推定装置を提供することを目的とする。
この発明のハウリング防止装置は、音声信号を入力する入力部、疑似ノイズを生成するノイズ生成部、音声信号に疑似ノイズを重畳する重畳部、相関計算部、およびループゲイン推定部を備えている。相関計算部は、入力された音声信号と前記ノイズ生成部が生成する疑似ノイズの相関を求める。ループゲイン推定部は、前記相関計算部が算出した相関のピークのから、閉ループのゲインを推定する。ループゲイン推定の手法は、例えば以下の様である。
(1)ループゲイン推定部は、ノイズ生成部が疑似ノイズを出力してから最初に相関計算部で所定レベル以上の相関値を算出した場合、当該最初に算出した時間帯における相関値である直接波成分に基づいて、閉ループのゲインを推定する。
疑似ノイズがループすると、相関計算部で所定レベル以上の相関値が算出される。所定レベルは、定常ノイズのレベルに応じて設定する。疑似ノイズを出力してから最初に算出する所定レベル以上の相関値は、疑似ノイズがループした直接音(直接波)とみなすことができる。そこで、最初に所定レベル以上の相関値を算出した場合、当該算出した時間帯の相関値に基づいて(例えばこの時間帯の相関値の総和から)ループゲインを推定する。また、当該時間帯における最も高レベルの相関値のみに基づいてループゲインを推定してもよい。ハウリング発生に影響するのは直接波の成分が大きいため、ループゲインを推定することができる。
(2)ループゲイン推定部は、直接波成分に加えて、相関計算部で直接波成分の相関値を算出してから、その後の所定時間長における所定レベル以上の相関値である間接波成分に基づいて閉ループのゲインを推定する。
最初のピークを算出したタイミングから所定時間長(次の直接波までの時間)が経過するまでの所定レベル以上の相関値は、壁などの反射波(間接波)とみなすことができる。なお、所定時間長は、疑似ノイズを出力してから最初に所定レベル以上の相関値を算出するまでの時間に応じて設定する。ループゲイン推定部は、これら直接波および反射波の成分に基づいて(例えばこれらの相関値の総和から)、閉ループのゲインを推定する。このように、ループゲイン推定部は、ハウリングに影響する直接波の帰還成分および反射波の帰還成分から推定する処理を行うため、より高精度にループゲインを推定することができる。
(3)ループゲイン推定部は、前記直接波成分の相関値のピーク値と、前記間接波成分のピーク値との総和から閉ループのゲインを推定する。なお、ここで言うピークとは、所定レベル以上の成分のうち、ある時間帯の中で最も高レベルの相関値を示すものを言う。ハウリング発生に影響するのはピーク成分である場合が多いため、このように、直接波および反射波の各ピーク成分の相関値の和に基づいてループゲイン推定を行ってもよい。
以上のように推定したループゲインから、ハウリング発生を未然に防止するための各種対処を行う。例えば、推定したループゲインの値にしきい値を設定しておき、ループゲインがしきい値に近づいた場合に音声信号のゲインを抑制し、ハウリングを未然に防止する。
また、ループゲインがしきい値に近づいた場合に警告(LEDを点灯させる、ディスプレイに警告を表示する等)してもよい。この場合、音声信号のゲインを抑制しつつ、さらに警告を行うようにしてもよい。
この発明によれば、閉ループの環境が変化してもループゲインを推定することができるため、ハウリングが発生する前に種々の対処を行うことができる。
図1(A)は、本実施形態の拡声装置の全体構成を示すブロック図であり、同図(B)は、本発明のループゲイン推定装置を内蔵したミキサの構成を示すブロック図である。なお、本実施形態の説明においては、特に記載がない限り音声信号は全てデジタル信号とし、A/D変換、D/A変換の構成は省略する。
ミキサ1は、マイク11(収音部)が収音した音声信号を入力する演算部5および疑似ノイズ重畳部7を備えている。疑似ノイズ重畳部7は、マイク11が収音した音声信号に疑似ノイズを重畳する。なお、ミキサ1は、実際には複数の入力チャンネルおよび出力チャンネルを有しているが、本実施形態では説明を容易にするために1チャンネルの系統のみ示している。
疑似ノイズ重畳部7で疑似ノイズが重畳された音声信号は、後段の増幅系統(アンプ)で増幅され、スピーカ3から放音される。スピーカ3から放音された音声は、マイク11に帰還し、閉ループが形成される。
ミキサ1は、上記演算部5において、閉ループのゲインを推定する。ミキサ1は、推定したループゲインが所定のしきい値に近づいた場合、音声信号のゲインを抑制したり、警告を行ったりすることで、ハウリングを未然に防止することができるものである。
図1(B)に示すように、ミキサ1は、LPF12、音声信号用ボリューム13、重畳部14、M系列発生器15、N倍オーバーサンプリング部16、HPF17、疑似ノイズ用ボリューム18、HPF19、相関計算部20、タイマ21、ループゲイン推定部22、およびゲイン制御部23を備えている。
演算部5は、M系列発生器15、HPF19、相関計算部20、タイマ21、およびループゲイン推定部22により構成される。疑似ノイズ重畳部7は、音声信号用ボリューム13、重畳部14、M系列発生器15、N倍オーバーサンプリング部16、HPF17、疑似ノイズ用ボリューム18、およびゲイン制御部23により構成される。
マイク11が収音した音声信号は、疑似ノイズ重畳部7のLPF12および演算部5のHPF19に入力される。図2を参照して、疑似ノイズ重畳部7の構成、機能について説明する。各構成部の下欄には、各構成部が出力する信号の波形を示している。
疑似ノイズ重畳部7のLPF12には、マイク11が収音した音声信号が入力される。なお、マイク11の下欄に示す信号の波形は一例であり、実際には種々の波形を有した信号がLPF12に入力される。
LPF12は、この収音した音声信号から高域をカットし、音声信号用ボリューム13に出力する(同図LPF12の下欄波形を参照)。
音声信号用ボリューム13は、ゲイン制御部23により設定されたゲインで、マイク11の収音した信号を重畳部14に出力する。
M系列発生器15は、本発明のノイズ生成部に相当し、疑似ノイズとしてPN符号(M系列)のような自己相関性の高い信号を定期的に生成し、N倍オーバーサンプリング部16に出力する(同図M系列発生器15の下欄波形を参照、ただし、最下欄の波形は時間軸を表す)。なお、M系列に限らず、Gold系列など、他の乱数を用いてもよい。
なお、疑似ノイズの出力周期は、後述のループゲイン推定部22においてループゲイン推定処理ができるように、反射波(間接波)の成分が所定レベル以上に低下するまでの時間(音響伝達系におけるインパルス応答の収束時間)よりも長く設定されている。
N倍オーバーサンプリング部16は、疑似ノイズをオーバーサンプリングする。例えば、16倍オーバーサンプリングを行い、PN符号の各ビットの符号周期を拡大し、疑似ノイズ長を16倍とする(同図N倍オーバーサンプリング部16の下欄波形を参照、ただし、最下欄の波形は時間軸を表す)。N倍オーバーサンプリング部16は、このオーバーサンプリングした信号をHPF17に出力する。
HPF17は、N倍オーバーサンプリング部16から入力された信号の低域をカットする(同図HPF17の下欄波形を参照、ただし、最下欄の波形は時間軸を表す)。カットオフ周波数は、例えば10kHzに設定される。
なお、LPF12およびHPF17は、本発明において必須ではない。ただし、HPF17により、疑似ノイズの高域以外の音がカットされるため、スピーカ3から放音されたとしても聴感上違和感がなくなる(ノイズが聞えにくくなる)。また、LPF12により、一度マイクに入力された高域の疑似ノイズが再び増幅系統に出力されることがなくなり、疑似ノイズのループ現象を抑えることもできる。なお、LPF12およびHPF17を省く場合、マイク11が収音した音声信号から、疑似ノイズ成分を減算してから増幅系統に出力することで、疑似ノイズのループ現象を抑えるようにしてもよい。
なお、N倍オーバーサンプリング部16によるオーバーサンプリングも本発明において必須ではない。ただし、オーバーサンプリングを行うことで疑似ノイズの時間的冗長性が増し、相関算出の精度を向上させることができる。実際には、必要となる精度と疑似ノイズの符号長に応じてオーバーサンプリングの有無を設定すればよい。
HPF17から出力された信号は、疑似ノイズ用ボリューム18に入力される。疑似ノイズ用ボリューム18は、ゲイン制御部23により設定されたゲインで、HPF17の出力信号を重畳部14に出力する。疑似ノイズのレベルは、聴感上違和感のない微弱なレベルとすればよいが、疑似ノイズ相関のピーク値を検出できる程度のレベルを確保する。
重畳部14は、音声信号用ボリューム13から出力された音声信号にHPF17から出力された信号(疑似ノイズ)を重畳し、増幅系統に出力する。
次に、図3を参照して、演算部5の構成、機能について説明する。各構成部の下欄には、各構成部が出力する信号の波形を示している。M系列発生器15は、N倍オーバーサンプリング部16に出力したものと同じ疑似ノイズを相関計算部20に出力する(同図M系列発生器15の下欄波形を参照、ただし、当該波形は時間軸を表す)。また、この疑似ノイズを出力した後、出力タイミングを示す信号(タイミング信号)をタイマ21に送信する。タイマ21は、タイミング信号を受信すると、タイムカウントを開始し、ループゲイン推定部22に、カウント時間を示すタイマ信号を送信する。なお、タイマ21は、本発明において必須ではない。
マイク11には、疑似ノイズが含まれた音声が収音される。演算部5のHPF19には、マイク11が収音した音声信号が入力される。HPF19は、マイク11が収音した音声信号から低域をカットし、相関計算部20に出力する(同図HPF19の下欄波形を参照、ただし、当該波形は周波数軸を表す)。カットオフ周波数は、上記HPF17に対応して決定される(例えば10kHz)。
相関計算部20は、M系列発生器15から入力された疑似ノイズと、HPF19の出力信号の相関を求める。M系列の符号は非常に高い自己相関性を有しているため、HPF19の出力信号に同じM系列の疑似ノイズが含まれていると、同図の波形に示すように、相関値のレベルが高くなる。相関計算部20は、高レベルの相関値を算出したタイミング(受信タイミング)およびそのときの相関値をループゲイン推定部22に出力する。
ループゲイン推定部22は、受信を入力すると、タイマ21からのタイマ信号を参照し、疑似ノイズを出力したタイミングから受信タイミングまでの時間差を求める。この時間差が、閉ループの遅延時間に相当する。なお、閉ループの遅延時間を測定しない(タイマ21がない場合)、相関計算部20の受信タイミングの出力は必須ではない。
ループゲイン推定部22は、ループゲインを推定する処理を行う。ループゲインの推定手法は、種々の態様が考えられるが、例えば以下のような態様で行われる。
まず、第1の推定手法について、図4を用いて説明する。図4は、相関の時間軸特性を模式的に表した図である。
ループゲイン推定部22は、疑似ノイズを出力したタイミングから最初に所定レベル以上の相関値を算出した場合、当該最初に算出した時間帯における相関値を直接波とみなし、直接波のピーク成分を求める。すなわち、ループゲイン推定部22は、所定レベル以上の相関値を算出した場合、その後所定時間帯t1の相関値をメモリ(不図示)に一時記憶し、所定時間帯t1の中で最も高レベルの相関値を抽出し、ピーク値a0とする。なお、所定レベルは、定常ノイズのレベルに応じて設定する。ピーク値を抽出する所定時間帯t1は、相関値算出の精度(疑似ノイズの符号長等)やHPF19の有無、およびカットオフ周波数等に応じて設定する。
そして、ループゲイン推定部22は、最初に所定レベル以上の相関値を算出してから上記所定時間帯t1が経過した後に再び所定レベル以上の相関値を算出した場合、当該相関値を反射波とみなし、反射波のピーク成分を求める。上記と同様、ループゲイン推定部22は、所定レベル以上の相関値を算出した場合、その後所定時間帯t1の相関値をメモリに一時記憶し、最も高レベルの相関値を抽出し、ピーク値a1とする。以下、同様にして反射波のピーク値(a1,a2,・・・)を所定時間長t2だけ抽出する。なお、ここで言う所定時間長t2は、疑似ノイズの出力周期に相当する。なお、室内の残響時間がある程度判明している場合、時間t2は予め設定しておいてもよいし、ユーザが手動で入力するようにしてもよい。
そして、ループゲイン推定部22は、抽出した直接波および反射波のピーク値の絶対値(|a1|,|a2|,・・・)を求め、各絶対値の総和からループゲインを推定する。このように、ループゲイン推定部22は、ハウリングに影響する直接波の帰還成分および反射波の帰還成分からループゲインを推定する処理を行うため、高精度にループゲインを推定することができる。第1の推定手法は、ハウリング発生に影響するのはピーク成分である場合が多いとみなし、直接波および反射波の各ピーク成分の相関値の和に基づいてループゲイン推定を行うものである。
次に、第2の手法について図5を用いて説明する。図5は、相関の時間軸特性を模式的に表した図である。
ループゲイン推定部22は、疑似ノイズを出力したタイミングから所定時間長t2が経過するまで、所定レベル以上の相関値を全て抽出し、これらの絶対値の総和を求める(積分値を求める)。なお、この場合の所定レベルも、定常ノイズのレベルに応じて設定する。所定時間長t2についても、疑似ノイズの出力周期に相当する。
このように、第2の手法は、直接波および間接波の全ての成分を総和することで高精度にループゲイン推定を行うものである。
次に、第3の手法について図6を用いて説明する。図6(A)は、相関の時間軸特性(絶対値)を示した図であり、同図(B)は、当該時間軸特性を模式化したものである。
ループゲイン推定部22は、まず上記第1の手法で示したように、直接波のピーク値を抽出し、その絶対値|a0|を取得する。そして、ループゲイン推定部22は、当該ピークからさらに時間t3が経過したときの相関の絶対値|b0|を取得する。時間t3は、疑似ノイズを出力したタイミングから最初に相関のピークを算出するタイミングまでの時間(閉ループの遅延時間)で求められる。(この手法においては、タイマ21は必須である。)なお、絶対値|b0|は、最初のピークから時間t3が経過したタイミングの値に限らず、時間t3経過後で、かつその付近(例えば数十μsec前後)で最も相関の絶対値が大きいときの値としてもよい。そして、ループゲイン推定部22は、絶対値|a0|と絶対値|b0|の比(|b0|/|a0|)をループゲインと推定する。
第3の手法は、最初に直接波のピーク成分を抽出してから、さらに時間t3が経過したタイミング周辺の波形を、スピーカ3から出力された疑似ノイズが再度ループした直接波と判断し、ループゲインを推定するものである。
なお、第3の手法の変形例として、単に最初に抽出した直接波のピーク成分をループゲインとして推定してもよい。ハウリング発生に影響するのは直接波の成分が大きいため、簡易的にループゲインを推定することができる。
なお、上記第1の手法、第2の手法、第3の手法ともに、疑似ノイズの出力周期が音響伝達系におけるインパルス応答の収束時間よりも長く設定されているため、疑似ノイズを出力した後、次に疑似ノイズを出力するまで、ダミーノイズを出力し、無音区間を無くすようにしてもよい。常にノイズ音を出力することで、疑似ノイズが目立たなくなり、聴感上の違和感がなくなる。
以上のようにしてループゲイン推定部22が推定したループゲインは、ゲイン制御部23に出力される。ゲイン制御部23は、推定したループゲインが所定のしきい値thに近づいた場合、ハウリング発生の可能性が高いとして、音声信号用ボリューム13のゲインを抑制するよう指示する。また、ゲイン制御部23は、ループゲインがしきい値に近づいた場合に警告(LEDを点灯させる、ディスプレイに警告を表示する等)を行ってもよい。なお、ゲイン抑制の処理および警告の処理は、いずれか一方のみ行ってもよく、音声信号のゲインを抑制しつつ、さらに警告を行うようにしてもよい。また、最初に警告を行い、その後ゲイン抑制処理を行う、という態様であってもよい。
ここで、所定のしきい値thはループゲインの推定手法により異なる。所定のしきい値thは、どのような値であってもよいが、ある程度のマージンを設定しておく。例えば、実際に使用時より前に、ユーザがゲインを上げ下げする動作を行い、ハウリングが発生した時、ミキサ1の操作部(不図示)でハウリング発生を入力する動作を行う。あるいは、ミキサ1のいずれかの処理部において、音声信号の周波数特性を解析し、所定時間以上単一周波数成分が高レベルとなったとき、ハウリング発生として検出する。ゲイン制御部23は、このときに入力されているループゲインの推定値をしきい値の最大値thmaxとし、ある係数α(0<α≦1)を用いてth=α×thmaxとする。
以上のようにして、演算部5は、閉ループのゲインを推定し、推定したループゲインが所定のしきい値に近づいた場合に、音声信号のゲインを抑制する処理や警告を行う処理をし、ハウリング発生を未然に防止することができるものである。
本実施形態のミキサ1は、推定したループゲインに基づいてハウリング発生を予測することができるため、プレゼンテーションやライブ演奏のようなマイクの位置が移動することが多い場合であっても、好適にハウリングを防止することができる。
なお、ゲイン制御部23は、音声信号用ボリューム13のゲインを抑制するように指示するとともに、疑似ノイズ用ボリューム18のゲインも抑制するように指示する。ただし、必ず疑似ノイズ相関の最初のピークを検出できるように、所定値以上のゲインを保持するものとする。この所定値については、予め実験室等で測定した値を用いてもよいし、設置環境において実際の使用時より前にテストを行い、相関のピークを算出できる限界のゲインを求め、ある程度のマージンを見た値を設定してもよい。
なお、M系列発生器15が生成する疑似ノイズのパターンを複数用意しておき、これらのパターンを切り替えるようにしてもよい。例えば、マイク毎(入力チャンネル毎)に疑似ノイズのパターンを切り替えることで、複数のマイクを同時に使用する場合であっても、互いの疑似ノイズが干渉することなく、高精度に相関を算出することができる。マイク毎に個別に閉ループのループゲインを推定することができるため、複数のマイクを同時に使用した場合であっても好適にハウリングを防止することができる。
特に、疑似ノイズとしてGold系列を用いる場合、符号生成回路(シフトレジスタ)のタップ位置を切り替えることにより、多種類の符号系列を生成することが可能であるため、大規模なPAシステムにも対応することができる。
なお、演算部5および疑似ノイズ重畳部7は、ミキサ1ではなく、マイクに内蔵されていてもよい。また、演算部5および疑似ノイズ重畳部7を内蔵したアダプタを構成し、アダプタの入力部(入力インタフェイス)にマイクを接続し、入力部から入力された信号を演算部5および疑似ノイズ重畳部7に供給する構成としてもよい。いずれにしてもアンプ装置等の増幅系統の前段に備えていればよい。
ハウリング防止装置の構成を示したブロック図である。 疑似ノイズ重畳部の構成および処理内容を示したブロック図である。 演算部の構成および処理内容を示したブロック図である。 相関の時間軸特性を示した図である。 相関の時間軸特性を示した図である。 相関の時間軸特性を示した図である。
符号の説明
1−ミキサ
3−スピーカ
5−演算部
7−疑似ノイズ重畳部
11−マイク

Claims (6)

  1. 音声信号を入力する入力部と、
    疑似ノイズを生成するノイズ生成部と、
    前記入力部が入力した音声信号に前記疑似ノイズを重畳して増幅系統に出力する重畳部と、
    前記入力部が入力した音声信号と前記ノイズ生成部が生成する疑似ノイズの相関を求める相関計算部と、
    前記相関計算部が算出した相関値から、閉ループのゲインを推定するループゲイン推定部と、
    を備えたループゲイン推定装置。
  2. 前記ループゲイン推定部は、前記ノイズ生成部が疑似ノイズを出力してから最初に前記相関計算部で所定レベル以上の相関値を算出した場合、当該最初に算出した時間帯における相関値である直接波成分に基づいて、閉ループのゲインを推定する請求項1に記載のループゲイン推定装置。
  3. 前記ループゲイン推定部は、前記直接波成分に加えて、前記相関計算部で前記直接波成分の相関値を算出してから、その後の所定時間長における所定レベル以上の相関値である間接波成分に基づいて閉ループのゲインを推定する請求項2に記載のループゲイン推定装置。
  4. 前記ループゲイン推定部は、前記直接波成分の相関値のピーク値と、前記間接波成分のピーク値との総和から閉ループのゲインを推定する請求項3に記載のループゲイン推定装置。
  5. 前記閉ループのゲインが所定のしきい値に近づいた場合に、前記音声信号のゲインを抑制するゲイン制御部を備えた請求項1〜4のいずれかに記載のループゲイン推定装置。
  6. 前記閉ループのゲインが所定のしきい値に近づいた場合に、警告を行う警告部を備えた請求項1〜5のいずれかに記載のループゲイン推定装置。
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