JP2010127951A - 低屈折率層形成用塗布液及び反射防止層の製造方法 - Google Patents

低屈折率層形成用塗布液及び反射防止層の製造方法 Download PDF

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Kiyoshige Maeda
清成 前田
Yutaka Kitamura
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Abstract

【課題】低反射率で高い全光線透過率を有し、表面の耐擦傷性に優れ、かつ表面の白化がなく、ヘイズが低い、低屈折率層用塗布液及び該塗布液を用いた反射防止層の製造方法を提供する。
【解決手段】 屈折率が1.42以下の低屈折率層を形成するための塗布液であって、
該塗布液が、少なくとも多官能(メタ)アクリレート化合物と有機溶媒を含有し、
前記有機溶媒は、有機溶媒の全量100質量%に対して下記式(1)で示される有機溶媒を1質量%以上50質量%未満含有することを特徴とする、低屈折率層形成用塗布液。
2 − ( O − R1 )n − O − R3 ・・・式(1)
(式(1)中、R1 は、炭素数2〜4のアルキレン基を表し、R2及びR3は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、COCH基のいずれかを表し、nは1〜3の整数を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、低反射率で、全光線透過率が高く、耐擦傷性に優れ、塗膜外観が良好で、かつヘイズが低い反射防止層を製造するために好適に用いられる低屈折率層形成用塗布液、及び該反射防止層の製造方法に関する。
テレビ、パソコンモニター等のディスプレイの表示装置では、太陽光や蛍光灯等の外光が表面に反射ならびに映り込むため、表示画像が見にくくなる問題がある。この問題を解決するために、表面に凹凸を設け外光を乱反射させたり、高屈折率と低屈折率の薄膜を交互に積層して光の反射を防止する方法が行われている。
しかしながら外光を乱反射させる方法では、ディスプレイ上の画像がぼやけて見えるため画像の視認性向上の点で不十分であった。
これを改良する方法として、有機フィルムの表面に、高屈折率粒子を含有するハードコート層と、真空蒸着法による低屈折率層とを設ける方法(特許文献1)が提案されている。 しかしながらこの方法で設けられた反射防止フィルムは、塗液を塗布して膜を形成させるウエット法と比較して生産に劣る。
また、ウエット法で形成させる低屈折率層塗液に沸点100℃以下の溶媒を用いて低屈折率層を設ける方法(特許文献2)が提案されている。しかしながら、この方法では、低沸点溶媒を多く含有するため、塗膜を形成する際、溶媒揮発が早くなり塗膜表面が凹凸になりやすく、さらに塗膜が白化するなどの欠点を生ずる。
また、反射防止層に用いることができる、シロキサン系塗料に、沸点が100〜180℃の溶媒と沸点が100℃未満の溶媒を含有させることが提案されている(特許文献3)。しかしながら、同特許文献には、多官能(メタ)アクリレート化合物を用いた活性線硬化型の低屈折率層、及び該低屈折率層の白化に関する課題は記載されていない。
特開平9−226062号公報 特開2002−148404号公報 WO2005/121265号公報
本発明の目的は、本発明はかかる背景技術に鑑み、低反射率で高い全光線透過率を有し、表面の耐擦傷性に優れ、かつ表面の白化がなく、ヘイズが低い反射防止層を製造するために好適に用いられる低屈折率層形成用塗布液、及び該低屈折率層用塗布液を用いた反射防止層の製造方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の発明によって基本的に達成された。
1) 屈折率が1.42以下の低屈折率層を形成するための低屈折率層形成用塗布液であって、
該塗布液が、少なくとも多官能(メタ)アクリレート化合物と有機溶媒とを含有し、
前記有機溶媒は、有機溶媒の全量100質量%に対して下記式(1)で示される有機溶媒を1質量%以上50質量%未満含有することを特徴とする、低屈折率層形成用塗布液。
2 − ( O − R1 )n − O − R3 ・・・式(1)
(式(1)中、R1 は、炭素数2〜4のアルキレン基を表し、R2及びR3は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、COCH基のいずれかを表し、nは1〜3の整数を表す。)
2) 前記式(1)において、Rが、エチレン基、またはプロピレン基であり、R及びRの少なくとも一方が、炭素数1〜4のアルキル基、またはCOCH基であり、nが1〜2の整数である、前記1)に記載の低屈折率層形成用塗布液。
3) 前記式(1)で示される有機溶媒が、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、及びエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートの中から選ばれる少なくとも1種である、前記2)に記載の低屈折率層形成用塗布液。
4) 式(1)で示される有機溶媒以外の有機溶媒が、少なくとも沸点が60〜130℃の有機溶媒を含有する、前記1)〜3)のいずれかに記載の低屈折率層形成用塗布液。
5) 内部に空洞を有するシリカ系微粒子、及び/又は含フッ素化合物を含有する、前記1)〜4)のいずれかに記載の低屈折率層形成用塗布液。
6) 屈折率が1.5以上の高屈折率層の上に、屈折率が1.42以下の低屈折率層を有する反射防止層の製造方法であって、
前記高屈折率層上に、前記1)〜5)のいずれかに記載の低屈折率層形成用塗布液を塗工した後、活性線を照射して硬化せしめ、低屈折率層を形成することを特徴とする、反射防止層の製造方法。
7) 前記高屈折率層が、アクリル系樹脂および高屈折率粒子を含有するハードコート性の高屈折率層である、前記6)に記載の反射防止層の製造方法。
8) 前記高屈折率粒子が、亜鉛、チタン、アルミニウム、セリウム、イットリウム、ニオブ、ジルコニウム、アンチモン、インジウム、及び錫からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸化物である、前記7)に記載の反射防止層の製造方法。
本発明によれば、低反射率で高い全光線透過率を有し、表面の耐擦傷性に優れ、かつ表面の白化がなく、ヘイズが低い反射防止層を製造するために好適な低屈折率層形成用塗布液、及び該塗布液を用いて製造された反射防止層を提供することができる。本発明の製造方法によって得られた反射防止層は、例えば、プラズマディスプレイのような大画面の平面テレビ前面、液晶テレビ前面などに好適に使用される。
本発明の低屈折率層形成用塗布液は、屈折率が1.42以下の低屈折率層を形成するために用いられる塗布液であり、次の特徴を有する。以下の説明において、低屈折率層形成用塗布液を、単に塗布液と略記し、特に断りのない限り、塗布液とは低屈折率層形成塗布液を意味する。
即ち、本発明の塗布液は、屈折率が1.42以下の低屈折率層を形成するために用いられる塗布液であり、活性線照射により硬化可能となるように、少なくとも多官能(メタ)アクリレート化合物及び有機溶媒を含有し、かつ該有機溶媒は、有機溶媒の全量100質量%に対して下記式(1)の有機溶媒を1質量%以上50質量%未満含有する。
2 − ( O − R1 )n − O − R3 ・・・式(1)
(式(1)中、R1 は、炭素数2〜4のアルキレン基を表し、R2及びR3は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、COCH基のいずれかを表し、nは1〜3の整数を表す。)
そして、上記塗布液は、屈折率が1.5以上の高屈折率層の上に塗工された後、活性線が照射されて硬化され、低屈折率層が形成されることによって、反射防止層が製造される。
本発明の塗布液に含有される多官能(メタ)アクリレート化合物としては、(メタ)アクリロイル基を分子内に2個以上有する多官能(メタ)アクリレート化合物が好ましく、更に(メタ)アクリロイル基を分子内に3個以上有する多官能(メタ)アクリレート化合物が好ましく、特にアクリロイル基を分子内に3〜10個有する多官能(メタ)アクリレート化合物が好ましく用いられる。なお、本発明で低屈折率層とは、屈折率が1.42以下の層を意味し、本発明において高屈折率層とは、屈折率が1.5以上の層を意味する。
かかる多官能(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジイルジメチレンジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルの両末端(メタ)アクリル酸付加物、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エチレン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス−(2−ヒドロキシエチル)−イソシアヌル酸エステルトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、本発明において「・・・(メタ)アクリ・・・」とは、「・・・アクリ・・・または・・・メタアクリ・・・」を略して表示したものである。
多官能(メタ)アクリレート化合物の含有量は、塗布液の塗工性及び形成された低屈折率層の被膜強を高めるという観点から、塗布液全量100質量%に対して、0.2〜10質量%の範囲が好ましく、0.5〜8質量%の範囲がより好ましく、特に1〜5質量%の範囲が好ましい。
また、本発明の塗布液を塗工、硬化されて形成された低屈折率層において、該低屈折率層の全成分(有機溶媒を含まない)100質量%に対して、多官能(メタ)アクリレート化合物の含有量は、20〜90質量%の範囲が好ましく、30〜80質量%の範囲がより好ましい。低屈折率層の全成分(有機溶媒を含まない)100質量%に対する多官能(メタ)アクリレート化合物の含有量が、20質量%未満となると、低屈折率層の硬度が不十分となることがあり、一方、90質量%を越えると低屈折率層の屈折率を低下させることができない場合がある。
本発明にかかる塗布液は有機溶媒を含有することが重要である。そして該有機溶媒としては、有機溶媒の全量100質量%に対して前記式(1)の有機溶媒を1質量%以上50質量%未満含有することが重要である。かかる前記式(1)の有機溶媒としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールブチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ピロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジピロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールジアセテート、3−メトキシー1−プロパノール、3−エトキシー1−プロパノール、3−プロポキシー1−プロパノール等が挙げられる。
上記式(1)で示される有機溶媒の中でも、Rが、エチレン基、またはプロピレン基であり、R及びRの少なくとも一方が、炭素数1〜4のアルキル基、またはCOCH基であり、nが1〜2の整数である、化合物が好ましい。かかる、式(1)の中でも好ましい有機溶媒の具体例を以下に示す。
上記式(1)で示される有機溶媒の好ましい例として、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が挙げられ、これらの有機溶媒は特に塗膜の白化の改良に有益である。なおこれらの溶媒は、1種類のみを用いることも、2種類以上を混合して用いることも可能である。
前述のように、上記の式(1)で示される有機溶媒の含有量は、塗布液中の有機溶媒の全量100質量%に対して、1質量%以上50質量%未満であり、好ましくは1質量%以上40質量%以下であり、さらに好ましくは3質量%以上30質量%以下であり、特に4質量%以上20質量%以下の範囲が好ましい。式(1)の有機溶媒の含有量が、塗布液中の有機溶媒の全量100質量%に対して1質量%未満の場合、塗布面状態が悪化し白化を生じ良好な塗膜を得ることができない。一方、同添加量が50質量%以上の場合、塗布膜厚にムラを生じ良好な塗膜を得ることができない。
本発明の塗布液は、式(1)で示される有機溶媒以外の有機溶媒も含有するが、かかる他の有機溶媒としては、従来から公知の各種有機溶媒を使用することができる。例えば、沸点が30〜200℃の有機溶媒が挙げられる。沸点が30〜200℃の有機溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、1−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、オクタン、トルエン、キシレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、ジオキサン、ジブチルエーテル、シクロヘキサノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
上記で例示した他の有機溶媒の中でも、塗布液の粘度の安定性、乾燥性の観点から沸点が60〜130℃の有機溶媒が好ましい。かかる有機溶媒としては、具体的には、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、tert―ブタノールなどのアルコール類、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチルなどのエステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、トルエン、シクロヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素類等が好適に用いられる。これらは単一で使用(ここで単一で使用とは、式(1)で示される有機溶媒以外の他の有機溶媒を単一として、これを式(1)で示される有機溶媒と混合して、合計2種類以上の有機溶媒とすることを意味する。)してもよく、2種類以上を混合(ここで2種類以上を混合とは、式(1)で示される有機溶媒以外の他の有機溶媒を2種類以上として、これを式(1)で示される有機溶媒と混合して、3種類以上の有機溶媒とすることを意味する。)して用いてもよい。
本発明の塗布液は、有機溶媒として、前記式(1)で示される有機溶媒と、前記式(1)で示される有機溶媒以外の有機溶媒として前記した沸点が60〜130℃の有機溶媒を組み合わせて用いることが好ましい。また、両者の合計量(前記式(1)で示される有機溶媒、並びに、式(1)で示される有機溶媒以外の有機溶媒であり、沸点が60〜130℃の有機溶媒の合計量)は、低屈折率層の白化の防止、塗布液の粘度の安定性、及び乾燥性の観点から、塗布液中の有機溶媒全量100質量%に対して、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、更に90質量%以上が好ましく、特に95質量%以上が好ましい。同上限は100質量%である。
本発明にかかる塗布液中における有機溶媒の総含有量は、塗布液全量100質量%に対して70〜99質量%の範囲が適当であり、好ましくは、80〜98質量%の範囲であり、より好ましくは90〜98質量%の範囲である。
本発明の塗布液には、低屈折率層の屈折率を下げて屈折率を1.42以下とするため、あるいは低屈折率層の表面硬度や耐擦傷性を上げるため、または高屈折率層との密着性を上げるために、シリカ系微粒子を含むことが好ましい。
かかるシリカ系微粒子としては、平均粒子径1nm〜200nmのシリカ系微粒子であることが、低屈折率層を形成する多官能(メタ)アクリレート化合物等と十分に結合して良好な硬度が得られる上、粒子を多く導入して生じる粒子間の空隙が多く発生し、低屈折率化を実現できることから好ましく、特に好ましくは、平均粒子径1nm〜70nmである。
さらに、かかるシリカ系微粒子の中でも、内部に空洞を有するシリカ系微粒子(中空シリカ微粒子)が、低屈折率層の屈折率を低下させることができるために、特に好ましく使用される。
かかる内部に空洞を有するシリカ系微粒子とは、外殻によって包囲された空洞部を有するシリカ系微粒子、多数の空洞部を有する多孔質のシリカ系微粒子等が用いられ、いずれも好適に用いられる。このような例としては例えば、特許第3272111号公報に開示されている方法によって製造できる。また、該微粒子自体の屈折率は、1.20〜1.40であるのが好ましく、1.20〜1.35であるのがより好ましい。かかる屈折率の測定方法は、後述しているが、特開2001−233611公報に開示されている方法によっても測定することができる。このようなシリカ系微粒子としては、例えば特開2001−233611号公報に開示されているものや、特許第3272111号公報等の一般に市販されているものを用いることができる。
上記したシリカ系微粒子の含有量は、塗布液の塗工性及び形成される低屈折率層の屈折率を低下させるという観点から、塗布液全量100質量%に対して0.2〜10質量%の範囲が好ましく、0.5〜5質量%の範囲がより好ましい。
また、本発明の塗布液を塗工、硬化させて形成された低屈折率層において、該低屈折率層の全成分(有機溶媒を含まない)100質量%に対して、シリカ系微粒子の含有量は20〜90質量%であることが好ましい。上記シリカ微粒子の含有量が、20質量%未満では低屈折率化の効果が小さく、一方、90質量%を超えると得られる膜の各種物理的や化学的強度が低下するので好ましくない。
本発明の低屈折率層は、低屈折率層の屈折率を下げて屈折率1.42以下とするために、含フッ素化合物を含有することが好ましい。かかる含フッ素化合物としては、含フッ素モノマー、含フッ素高分子化合物が挙げられる。
含フッ素モノマーとしては、例えば、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレートなどのフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。
含フッ素高分子化合物としては、例えば、含フッ素モノマーと架橋性基付与のためのモノマーを構成単位とする含フッ素共重合体が挙げられる。含フッ素モノマー単位の具体例としては、例えばフルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等)、(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル誘導体類(例えばビスコート6FM(大阪有機化学製)やM−2020(ダイキン製)等)、完全または部分フッ素化ビニルエーテル類等である。架橋性基付与のためのモノマーとしてはグリシジルメタクリレートのように分子内にあらかじめ架橋性官能基を有する(メタ)アクリレートモノマーの他、カルボキシル基やヒドロキシル基、アミノ基、スルホン酸基等を有する(メタ)アクリレートモノマー(例えば(メタ)アクリル酸、メチロール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアクリレート等)が挙げられる。
上記した含フッ素化合物の含有量は、塗布液の塗工性及び形成される低屈折率層の屈折率を低下させるという観点から、塗布液全量100質量%に対して0.2〜10質量%の範囲が好ましく、0.5〜5質量%の範囲がより好ましい。
また、本発明の塗布液を塗工、硬化させて形成された低屈折率層において、該低屈折率層の全成分(有機溶媒を含まない)100質量%に対して、含フッ素化合物の含有量は5〜90質量%であることが好ましい。上記含フッ素化合物の含有量が、5質量%未満では低屈折率化の効果が小さく、一方、90質量%を超えると得られる膜の各種物理的や化学的強度が低下するので好ましくない。
上述したように、本発明の塗布液には、形成される低屈折率層の屈折率を1.42以下に下げるという観点から、内部に空洞を有するシリカ系微粒子、及び/又は含フッ素化合物を含有することが好ましく、特に、内部に空洞を有するシリカ系微粒子と含フッ素化合物とを併用することが好ましい。
本発明の塗布液には、活性線照射による硬化を促進するために、従来から公知の各種光重合開始剤を含有させることが好ましい。かかる光重合開始剤としては、具体的には、ソジウムメチルジチオカーバメイトサルファイド、ジフェニルモノサルファイド、ジベンゾチアゾイルモノサルファイド及びジサルファイド等のサルファイド類や、チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン誘導体や、ヒドラゾン、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物や、ベンゼンジアゾニウム塩等のジアゾ化合物や、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾフェノン、ジメチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジルアントラキノン、t−ブチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−クロロアントラキノン等の芳香族カルボニル化合物や、p−ジメチルアミノ安息香酸メチル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、D−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、p−ジエチルアミノ安息香酸イソプロピル等のジアルキルアミノ安息香酸エステルや、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物や、9−フェニルアクリジン、9−p−メトキシフェニルアクリジン、9−アセチルアミノアクリジン、ベンズアクリジン等のアクリジン誘導体や、9,10−ジメチルベンズフェナジン、9−メチルベンズフェナジン、10−メトキシベンズフェナジン等のフェナジン誘導体や、6,4’,4”−トリメトキシ−2、3−ジフェニルキノキサリン等のキノキサリン誘導体や、2,4,5−トリフェニルイミダゾイル二量体、2−ニトロフルオレン、2,4,6−トリフェニルピリリウム四弗化ホウ素塩、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、3,3’−カルボニルビスクマリン、チオミヒラーケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等を使用することができる。
光重合開始剤の含有量は、多官能(メタ)アクリレート化合物100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、1.0〜15.0質量部の範囲がより好ましい。
また、本発明の塗布液には、上記光重合開始剤の、酸素阻害による感度の低下を防止するために、光重合開始剤にアミン化合物を共存させてもよい。このようなアミン化合物としては、例えば、脂肪族アミン化合物や、芳香族アミン化合物等の不揮発性のものであれば、特に限定されないが、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン等が適切である。
以下、上述した塗布液を用いた、反射防止層の製造方法について説明する。本発明にかかる反射防止層の製造方法は、屈折率が1.5以上の高屈折率層の上に屈折率が1.42以下の低屈折率層を有する反射防止層の製造方法であり、屈折率が1.5以上の高屈折率層の上に、上述した本発明の低屈折率層形成用塗布液を塗工した後、活性線を照射して硬化せしめて、低屈折率層を形成することを特徴とする。
本発明の塗布液を、屈折率が1.5以上の高屈折率層上に塗工する際の、塗工に用いられるコーティング方法としては、各種の塗布方法、例えば、リバースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、バーコート法、ダイコート法、スプレーコート法などが用いられ、いずれも好適に用いることができるが、塗工精度の点からリバースコート法、特に小径グラビアロールを用いたリバースコートが好ましい。
本発明の塗布液が高屈折率層上に塗工された後、活性線が照射されて硬化せしめて、低屈折率層が形成される。かかる活性線としては、紫外線、電子線および放射線(α線、β線、γ線など)などが挙げられ、実用的には、紫外線が簡便であり好ましい。紫外線源としては、紫外線蛍光灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン灯、炭素アーク灯などを用いることができる。また、活性線を照射するときに、低酸素濃度下で照射を行なうと、効率よく硬化させることができる。また、電子線照射方式は、装置が高価で不活性気体下での操作が必要ではあるが、塗布液中に光重合開始剤や光増感剤などを含有させなくてもよい点で有利である。
本発明の製造方法においては、高屈折率層上に塗布液が塗工された後で、かつ活性線照射の前に、塗工された塗布液の有機溶媒を蒸発させるための乾燥工程を設けることが好ましい。乾燥手段としては、70〜120℃程度の熱風を塗布膜に当てることによって乾燥する方法を用いることができる。
上述した本発明の塗布液、及び製造方法によって形成された低屈折率層の屈折率は、1.42以下であることが重要であるが、低屈折率層の屈折率は好ましくは1.40以下であり、より好ましくは1.38以下である。低屈折率層の屈折率の下限は、1.25程度である。
また、低屈折率層の厚みは特に限定されないが、0.01〜0.4μmの範囲が好ましく、0.02〜0.2μmの範囲がより好ましく、特に0.04〜0.15μmの範囲が好ましい。
本発明において、高屈折率層上に、前述した低屈折率層形成用塗布液が塗工されるが、以下に高屈折率層について詳細に説明する。かかる高屈折率層の屈折率は1.5以上であることが重要である。高屈折率層の屈折率の上限は1.75程度である。また、本発明の高屈折率層は、単一層であっても2層以上の積層構成であってもよい。
高屈折率層が、単一層の場合は、その屈折率は1.5〜1.75の範囲が好ましく、1.55〜1.70の範囲がより好ましい。高屈折率層が2層構成の場合は、屈折率が1.61〜1.75の高屈折率層(A)と屈折率が1.50〜1.60の高屈折率層(B)の積層構成が好ましい。積層構成の場合は、高屈折率層(B)の上に低屈折率層が形成される。
本発明の製造方法に用いられる高屈折率層は、反射防止層に硬度、耐久性および反射特性を付与するためにアクリル系樹脂と高屈折率粒子を主成分とすることが特に好ましい。ここでいう主成分とは、アクリル系樹脂および高屈折率粒子の合計量が、高屈折率層の全成分(有機溶媒を除く)100質量%に対して50質量%以上であることを意味する。
高屈折率層に好ましく含有されるアクリル系樹脂としては、活性線硬化型のアクリル系化合物を硬化させた樹脂、または熱硬化型のアクリル系化合物を硬化させた樹脂が挙げられるが、好ましくは、活性線硬化型のアクリル系化合物を硬化させた樹脂である(つまり、高屈折率層を形成するために用いられる高屈折率層形成用塗布液には、活性線硬化型のアクリル系化合物または熱硬化型のアクリル系化合物を含有することが好ましく、より好ましくは、活性線硬化型のアクリル系化合物を含有した態様である。)。活性線硬化型のアクリル系化合物の中でも、多官能(メタ)アクリレート系化合物が、活性線照射によりラジカル重合し易くて、形成される膜の耐溶媒性や硬度を向上させる効果を奏するのでよい。
上記の活性線硬化型のアクリル系化合物を硬化させた樹脂を含む高屈折率層を形成するために高屈折率層形成用塗布液には、アクリル系化合物として(メタ)アクリロイル基が分子内に2個以上の多官能(メタ)アクリレート化合物を含有することが、耐溶媒性等が向上すると言う観点から好ましい。かかる多官能(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジイルジメチレンジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルの両末端(メタ)アクリル酸付加物、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エチレン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス−(2−ヒドロキシエチル)−イソシアヌル酸エステルトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、ここで「・・・(メタ)アクリ・・・」とは、「・・・アクリ・・・または・・・メタアクリ・・・」を略して表示したものである。
また、高屈折率層用塗布液には、高屈折率粒子の分散性を向上させるため、カルボキシル基や、リン酸基、スルホン酸基等の酸性官能基を有する(メタ)アクリレート化合物(例えばモノマー)を使用することができる。具体的には、酸性官能基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸などの不飽和カルボン酸、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、ジフェニル−2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート等のリン酸(メタ)アクリル酸エステル、2−スルホエステル(メタ)アクリレート等が用いられる。その他、アミド結合、ウレタン結合、エーテル結合などの極性を持った結合を有する(メタ)アクリレート化合物を使用することができる。さらに、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー等の、ウレタン結合を有している樹脂であれば、極性も高く粒子の分散性がよくなるので特に好ましい。
高屈折率層形成用塗布液には、硬化を進めるために開始剤を含有させてもよい。該開始剤としては、塗布したアクリル樹脂を、ラジカル反応、アニオン反応、カチオン反応等による重合および/または架橋反応を開始あるいは促進せしめるものであり、従来から公知の各種光重合開始剤が使用可能である。かかる光重合開始剤としては、具体的には、ソジウムメチルジチオカーバメイトサルファイド、ジフェニルモノサルファイド、ジベンゾチアゾイルモノサルファイド及びジサルファイド等のサルファイド類や、チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン誘導体や、ヒドラゾン、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物や、ベンゼンジアゾニウム塩等のジアゾ化合物や、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾフェノン、ジメチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジルアントラキノン、t−ブチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−クロロアントラキノン等の芳香族カルボニル化合物や、p−ジメチルアミノ安息香酸メチル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、D−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、p−ジエチルアミノ安息香酸イソプロピル等のジアルキルアミノ安息香酸エステルや、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物や、9−フェニルアクリジン、9−p−メトキシフェニルアクリジン、9−アセチルアミノアクリジン、ベンズアクリジン等のアクリジン誘導体や、9,10−ジメチルベンズフェナジン、9−メチルベンズフェナジン、10−メトキシベンズフェナジン等のフェナジン誘導体や、6,4’,4”−トリメトキシ−2、3−ジフェニルキノキサリン等のキノキサリン誘導体や、2,4,5−トリフェニルイミダゾイル二量体、2−ニトロフルオレン、2,4,6−トリフェニルピリリウム四弗化ホウ素塩、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、3,3’−カルボニルビスクマリン、チオミヒラーケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等を使用することができる。
光重合開始剤の量は、高屈折率層形成用塗布液中のアクリル系化合物100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは1.0〜15.0質量部の範囲で添加される。0.1質量部未満では、光重合が遅くなり、硬度及び耐擦過性を満足させるために長時間の光照射を必要とする傾向にあり、時には未硬化となり易い。一方、20質量部を超えて添加すると、塗膜の帯電防止性、耐摩耗性、耐候性等の機能が低下し易い。
また、高屈折率層形成用塗布液には、上記開始剤の、酸素阻害による感度の低下を防止するために、光重合開始剤にアミン化合物を共存させてもよい。このようなアミン化合物としては、例えば、脂肪族アミン化合物や、芳香族アミン化合物等の不揮発性のものであれば、特に限定されないが、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン等が適切である。
本発明の高屈折率層は、屈折率を増大させて(屈折率を1.5以上にして)反射防止性能を高めるために、アクリル系樹脂と共に高屈折率粒子を含有することが好ましい。
高屈折率粒子としては、金属や金属酸化物の粒子が挙げられる。かかる粒子として、例えば、亜鉛、チタン、アルミニウム、セリウム、イットリウム、ニオブ、ジルコニウム、アンチモン、インジウム、錫からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸化物の粒子が挙げられる。具体的には、ZnO、TiO2、CeO2、SbO2、Y23、La23、ZrO2、Al23などが挙げられる。
さらに、高屈折率層に帯電防止性の付与を図る上で、高屈折粒子として湿度依存性および加工条件による変動が少なく、透明性が高いという利点を有する導電性金属酸化物粒子を用いることができる。
導電性金属酸化物粒子としては、インジウム、錫、亜鉛、アンチモンから選ばれる一つあるいは二つ以上の酸化物の粒子を用いることができる。例えば、錫含有酸化アンチモン粒子(ATO)、亜鉛含有酸化アンチモン粒子、錫含有酸化インジウム粒子(ITO)、酸化亜鉛/酸化アルミニウム粒子、酸化アンチモン粒子等があげられる。
上記した高屈折率粒子は、平均粒子径(JIS R1626に示されるBET法により測定される球相当径(JIS Z8819−1にて定義される))が、好ましくは0.5μm以下、より好ましくは、0.001〜0.3μm、特に好ましくは0.005〜0.2μmの粒子径の粒子が好適に使用される。該平均粒子径が、0.5μmを超えると生成される被膜の透明性を低下させ、0.001μm未満では、該粒子が凝集し易く、生成被膜のヘイズ値が増大し、いずれの場合も、所望のヘイズ値を得ることが困難になる。
本発明の高屈折率層において、高屈折率粒子のアクリル系樹脂の100質量部に対する割合は、好ましくは20〜90質量部、より好ましくは30〜80質量部の範囲である。高屈折率粒子が20質量%未満では、高屈折率化の効果が達成できず得られる膜の反射率が高くなるなど好ましくない。90質量%を越えると得られる膜の各種物理的、化学的強度が悪くなる傾向や、ヘイズ値が高くなり透明性が低下する傾向があり好ましくない。
本発明では高屈折率層の構成成分に、低屈折率層との接着性を向上させることを目的にシランカップリング剤を含有させることもできる。特にシランカップリング剤の加水分解物は、温度や湿度変化が生じた後の高屈折率層と低屈折率層の接着性を向上させるために用いられる。
シランカップリング剤としては、メトキシ基、エトキシ基等の加水分解可能なアルコキシ基と、ビニル基、アクリル基、メタクリル基、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基等の反応性官能基とを有する化合物が挙げられる。
これらの反応性官能基を有するシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどがあげられる。
シランカップリング剤の加水分解物としては、上記シランカップリング剤のアルコシキ基を加水分解することによって行うことができる。加水分解には公知の方法を採用することができる。
本発明の高屈折率層には、表面硬度の向上を目的として、コロイダルシリカ、乾式シリカ、湿式シリカ、酸化チタン等の無機粒子、コロイド状に分散したシリカ微粒子等を、さらに含有させることもできる。
本発明の高屈折率層の厚み(合計の厚み)は、0.05〜20μmの範囲が適当であり、0.1〜15μmの範囲が好ましい。高屈折率層は、ハードコート層としての役目も併せ持ったハードコート性高屈折率層であることが好ましく、この場合の厚みは、0.3〜20μmの範囲が好ましく、0.5〜15μmの範囲が好ましく、特に1〜10μmの範囲が好ましい。
ここで言う、ハードコート性高屈折率層のハードコート性とは、JIS K5600−5−4(1999年)で定義される鉛筆硬度が、H以上であることを意味し、該鉛筆硬度が2H以上であることが好ましい。上限は9H程度である。
上述した高屈折率層の塗工形成に際し、上述の各成分を有機溶媒で溶解あるいは分散した高屈折率層用塗布液を調整して、塗工、乾燥、硬化させることが好ましい。かかる有機溶剤としては、樹脂成分を溶解するものであれば、従来から公知の各種有機溶媒を使用することができる。特に、組成物の粘度の安定性、乾燥性の観点から沸点が60〜180℃の有機溶媒が好ましい。かかる有機溶媒としては、具体的には、例えば、メタノールや、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、tert―ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、イソプロピルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジアセチルアセトン、アセチルアセトン等が好適に用いられる。これらは単一で使用してもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。上記した有機溶媒の添加量は、高屈折率層用塗布液100質量%に対して、40〜95質量%の範囲が好ましい。
高屈折率層用塗布液の塗工に用いられるコーティング方法としては、各種の塗布方法、例えば、リバースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、バーコート法、ダイコート法、スプレーコート法などが用いられ、いずれも好適に用いることができるが、塗工精度の点からリバースコート法、特に小径グラビアロールを用いたリバースコートが好ましい。
上記した高屈折率層用塗布液が基材フィルム等の上に塗布された後は、例えば、70〜120℃程度の熱風で乾燥され、次いで、活性線が照射されて硬化される。ここで、活性線としては、紫外線、電子線および放射線(α線、β線、γ線など)などが挙げられ、実用的には、紫外線が簡便であり好ましい。紫外線源としては、紫外線蛍光灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン灯、炭素アーク灯などを用いることができる。また、活性線を照射するときに、低酸素濃度下で照射を行なうと、効率よく硬化させることができる。
本発明の反射防止層の製造方法において、基材フィルム等に予め形成された高屈折率層上に低屈折率層用塗布液が塗工される態様の他に、基材フィルム等の上に高屈折率層用塗布液と低屈折率層用塗布液とを同時に重層塗布する態様が挙げられる。
本発明の高屈折率層と低屈折率層で構成される反射防止層は、基材フィルム上に高屈折率層及び低屈折率層がこの順に設けられることによって、反射防止フィルムが得られる。かかる反射防止フィルムとしては、全光線透過率が85%以上、ヘイズが1.5%以下であることが好ましく、より好ましくは全光線透過率が87%以上、ヘイズが1.2%以下である。光線透過率の上限値は99.5%程度まで、またヘイズ値の下限値は0.1%程度までが実用的な範囲である。
上記の反射防止フィルムを得るための基材フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン等のポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アートン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂等で形成されるフィルムが挙げられる。これらの中でも、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂及びセルロース樹脂で形成されるフィルムが好ましく、特にポリエステル樹脂で形成されるフィルムが好ましく用いられる。基材フィルムの厚みとしては、50〜300μmの範囲が適当であり、80〜250μmの範囲が好ましい。
上記基材フィルムは、2層以上の積層構造の複合体フィルムであっても良い。複合体フィルムとしては、例えば、内層部に実質的に粒子を含有せず、表層部に粒子を含有させた層を設けた複合体フィルム、内層部に粗大粒子を有し、表層部に微細粒子を含有させた複合体フィルム、および内層部が微細な気泡を含有した層を有する複合体フィルムなどが用いられる。また、上記複合体フィルムは、内層部と表層部を構成するポリマーが、化学的に異種のポリマーであっても同種のポリマーであっても良い。
本発明に用いることができる基材フィルムは、反射防止層との密着性を向上させる目的で易接着層を有する基材フィルムであることが好ましい。かかる易接着層は、1.52〜1.66の屈折率を有するものであることが好ましく、さらには(易接着層の屈折率)={(基材フィルムの屈折率)×(易接着層上に積層された層の屈折率)}1/2±0.02を満たすものであることが、易接着層上に積層した際に発生する干渉縞を低減させることができるので好ましい。かかる易接着層は、易接着層上に積層された層との密着性に優れ、上記屈折率を有するものであれば特に限定されるものではないが、水分散性ポリエステル系樹脂、水分散性ポリウレタン系樹脂が好ましく用いられる。また、かかる易接着層は製膜工程の途中で塗工され、製膜と同時に形成する方法が好ましく用いられ、その厚みは、好ましくは0.08〜0.20μmである。
本発明の高屈折率層と低屈折率層とで構成される反射防止層は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等のディスプレイの前面に配置されるディスプレイ用フィルターに適用することができる。かかるディスプレイ用フィルターは、本発明の反射防止層の他に、電磁波遮蔽層や近赤外線遮蔽層等の機能層を有することが好ましい。
上記ディスプレイ用フィルターとして、基材フィルム上に反射防止層を有する反射防止フィルムと、基材フィルム上に電磁波遮蔽層を有する電磁波遮蔽フィルムとが粘着剤層で貼合されたものが一般的に知られている。
また、上記ディスプレイ用フィルターとして、導電性メッシュを有する電磁波遮蔽層上に、反射防止層が直接に塗工形成されたものが知られている。
本発明の反射防止層の製造方法は、導電性メッシュを有する電磁波遮蔽層上に、直接に反射防止層(高屈折率層及び低屈折率層)を塗工形成する場合にも好適である。この場合、反射防止層を構成する高屈折率層は、ハードコート層を兼ねるハードコート性の高屈折率層であることが好ましい。
導電性メッシュを有する電磁波遮蔽層上に、反射防止層を直接に塗工形成する態様において、導電性メッシュの厚みは、反射防止層の塗工性の観点から、8μm以下が好ましく、6μm以下がより好ましく、特に3μm以下が好ましい。導電性メッシュの厚みの下限は、十分な電磁波遮蔽性能を得るという観点から、0.5μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましい。
導電性メッシュを有する電磁波遮蔽層は、基材フィルム上に接着剤や粘着剤を介在せずに形成されることが好ましい。かかる導電性メッシュを形成する方法として、1)金属薄膜をエッチング加工する方法、2)印刷パターン上にメッキする方法、3)感光性銀塩を用いる方法、4)印刷パターン上に金属膜積層後に現像する方法、及び5)金属薄膜をレーザーアブレーションする方法が挙げられる。以下にそれぞれの方法を詳細に説明する。
1)金属薄膜をエッチング加工する方法は、基材フィルム上に粘着材あるいは接着材からなる接着層を介さずに金属薄膜を形成し、この金属薄膜をフォトリソグラフ法あるいはスクリーン印刷法等を利用してエッチングレジストパターンを作製した後、金属薄膜をエッチングする方法である。金属薄膜の形成は、金属(例えば銀、金、パラジウム、銅、インジウム、スズ、あるいは銀とそれ以外の金属の合金など)をスパッタリング、イオンプレーティング、真空蒸着、あるいはメッキ等の公知の方法を用いて行うことができる。
上記フォトリソグラフ法は、金属薄膜に紫外線等の照射により感光する感光層を設け、この感光層にフォトマスク等を用いて像様露光し、現像してレジスト像を形成し、次に、金属薄膜をエッチングして導電性メッシュを形成し、最後にレジストを剥離する方法である。
上記スクリーン印刷法は、金属薄膜表面にエッチングレジストインクをパターン印刷し、硬化させた後エッチング処理により導電性メッシュを形成し、この後レジストを剥離する方法である。
エッチングする方法としては、ケミカルエッチング法等がある。ケミカルエッチングとは、エッチングレジストで保護された導体部分以外の不要導体をエッチング液で溶解し、除去する方法である。エッチング液としては、塩化第二鉄水溶液、塩化第二銅水溶液、アルカリエッチング液等がある。
2)印刷パターン上にメッキする方法は、基材フィルムに触媒インク等でメッシュパターンを印刷し、これに金属メッキを施す方法である。この1つの方法として、パラジウムコロイド含有ペーストからなる触媒インクを用いてメッシュパターンに印刷し、これを無電解銅メッキ液中に浸漬して無電解銅メッキを施し、続いて電解銅メッキを施し、さらにNi−Sn合金の電解メッキを施して導電性メッシュパターンを形成する方法がある。
3)感光性銀塩を用いる方法は、ハロゲン化銀などの銀塩乳剤層を基材フィルムにコーティングし、フォトマスク露光あるいはレーザー露光の後、現像処理して銀のメッシュを形成する方法である。形成された銀メッシュは更に銅、ニッケル等の金属でメッキするのが好ましい。この方法は、WO2004/7810、特開2004−221564号、特開2006−12935号公報等に記載されており、参照することができる。
4)印刷パターン上に金属膜形成後に現像する方法は、基材フィルム上に剥離可能な樹脂でメッシュパターンとは逆パターンの印刷を施し、その印刷パターン上に金属薄膜を上記1)と同様の方法で形成した後、現像して樹脂とその上の金属膜を剥離して金属のメッシュパターンを形成する方法である。剥離可能な樹脂として、水、有機溶剤あるいはアルカリに可溶な樹脂やレジストを用いることができる。この方法は、特開2001−185834号、特開2001−332889号、特開2003−243881号、特開2006−140346号、特開2006−156642号公報等に記載されており、参照することができる。
5)金属薄膜をレーザーアブレーションする方法は、上記1)と同様の方法で基材フィルム上に形成された金属薄膜をレーザーアブレーション方式で金属メッシュを作製する方法である。
レーザーアブレーションとは、レーザー光を吸収する固体表面へエネルギー密度の高いレーザー光を照射した場合、照射された部分の分子間の結合が切断され、蒸発することにより、照射された部分の固体表面が削られる現象である。この現象を利用することで固体表面を加工することが出来る。レーザー光は直進性、集光性が高い為、アブレーションに用いるレーザー光の波長の約3倍程度の微細な面積を選択的に加工することが可能であり、レーザーアブレーション法により高い加工精度を得ることが出来る。
かかるアブレーションに用いるレーザーは金属が吸収する波長のあらゆるレーザーを用いることが出来る。例えばガスレーザー、半導体レーザー、エキシマレーザー、または半導体レーザーを励起光源に用いた固体レーザーを用いることが出来る。また、これら固体レーザーと非線形光学結晶を組み合わせることにより得られる第二高調波光源(SHG)、第三高調波光源(THG)、第四高調波光源(FHG)を用いることが出来る。
かかる固体レーザーの中でも、基材フィルムを加工しないという観点から、波長が254nmから533nmの紫外線レーザーを用いることが好ましい。中でも好ましくはNd:YAG(ネオジウム:イットリウム・アルミニウム・ガーネット)などの固体レーザーのSHG(波長533nm)、さらに好ましくはNd:YAG などの固体レーザーのTHG(波長355nm)の紫外線レーザーを用いることが好ましい。
かかるレーザーの発振方式としてはあらゆる方式のレーザーを用いることが出来るが,加工精度の点からパルスレーザーを用い,さらに望ましくはパルス幅がns以下のQスイッチ方式のパルスレーザーを用いることが好ましい。
金属薄膜の上(視認側)に更に0.01〜0.1μmの金属酸化物層を形成した後に、金属薄膜と金属酸化物層とをレーザーアブレーションするのが好ましい。金属酸化物としては銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、金、銀、ステンレス、クロム、チタン、すずなどの金属酸化物を用いることができるが、価格や膜の安定性などの点から銅酸化物が好ましい。金属酸化物の形成方法は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレート法、化学蒸着法、無電解および電解めっき法等を用いることができる。
上述した1)〜5)の方法は、基材フィルム上に接着層を介在せずに導電性メッシュを形成することができ、また、厚みが8μm以下の導電性メッシュを作製することができるので、反射防止層を導電性メッシュを有する電磁波遮蔽層上に直接に塗工形成するのに好適である。
本発明に用いることができる導電性メッシュのメッシュパターンとしては、格子状パターン、5角形以上の多角形からなるパターン、円形パターン、あるいはこれらの複合パターンが挙げられ、更にランダムパターンも好ましく用いられる。
本発明において、導電性メッシュは黒化処理するのが好ましい。黒化処理は、酸化処理や黒色印刷により行うことができる。例えば、特開平10−41682号、特開2000−9484号、2005−317703号公報等に記載の方法を用いることができる。黒化処理は、導電性メッシュの視認側の表面と両側面を行うのが好ましく、更に導電性メッシュの両面及び両側面を黒化処理するのが好ましい。
また、ディスプレイ用フィルターを連続生産ラインで効率よく製造するためには、導電性メッシュは連続メッシュであることが好ましい。連続メッシュとは、メッシュパターンが途切れることなく形成されていることであり、例えば、導電性メッシュを有する導電層を少なくとも有する積層体を、長尺ロール状で製造した場合に、ロールの巻き方向にメッシュが連続的に形成されていることである。このような連続メッシュを用いることにより、ロール状の積層体をカットして、シート状のディスプレイ用フィルターを製造するときに、歩留まり及び生産性が向上する。また、導電性メッシュが連続メッシュであると、様々なサイズのディスプレイへの対応が容易であること、及び、ディスプレイ用フィルターの製造過程において欠陥が発生した場合は、欠陥部分のみの限られた量の廃棄ですむこと等の利点がある。
上記のディスプレイ用フィルターに用いられる基材フィルムとしては、前述の反射防止フィルムに用いられる基材フィルムを用いることができる。
上記のディスプレイ用フィルターは、近赤外線遮蔽層を有することが好ましい。かかる近赤外線遮蔽層は、近赤外線吸収色素を高分子樹脂中に分散させた塗料を塗工することによって形成することができる。また、後述する接着層に近赤外線吸収色素を含有させることによって、接着層に近赤外線遮蔽機能を付与することができる。
近赤外線吸収色素としては、例えば、ジイモニウム塩系化合物、含フッ素フタロシアニン系化合物、チオニッケル錯体系化合物、アミニウム系化合物、シアニン系化合物、アゾ系化合物、ポリメチン系化合物、キノン系化合物、ジフェニルメタン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、メルカプトナフトール系化合物などが用いられ、単独または混合系のいずれも好適に使用できる。
近赤外線吸収色素を高分子樹脂中に分散させた場合、高分子樹脂としては、例えば、ポリエステル系、アクリル系、セルロース系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリカーボネート、フェノール系、ウレタン系樹脂などが用いられる。高分子樹脂100質量部に対し、1〜10質量部の近赤外線吸収色素を分散させることが好ましい。また、近赤外線吸収色素と併せて、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系などの紫外線吸収剤を含有させることによって、近赤外線吸収色素の耐光性劣化を抑制することができる。
また、近赤外線遮蔽層に、色調調整機能を付与することが好ましい。かかる色調調整機能は、ディスプレイから発光される特定波長の光を吸収して色純度や白色度を向上させるための機能である。特に赤色発光の色純度を低下させるオレンジ光を遮蔽するのが好ましく、波長580〜620nmの範囲に吸収極大を有する色素を含有させるのが好ましい。更に、白色度を向上させるために波長480〜500nmに吸収極大を有する色素を含有させるのが好ましい。
上述した、反射防止フィルムあるいはディスプレイ用フィルターは、ディスプレイに直接、あるいはガラス板、アクリル板、ポリカーボネート板等の公知の高剛性基板を介して装着することができる。反射防止フィルムあるいはディスプレイ用フィルターには、ディスプレイあるいは高剛性基板に貼り付けるための接着層を設けるのが好ましい。
接着層には、公知の接着材あるいは粘着材を用いることができる。粘着材としては、アクリル、シリコーン、ウレタン、ポリビニルブチラール、エチレン−酢酸ビニルなどが挙げられる。接着材としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、テトラヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシン型エポキシ樹脂、ポリオレフィン型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリ−1、2−ブタジエン、ポリイソブテン、ポリブテン、ポリ−2−ヘプチル−1、3−ブタジエン、ポリ−1、3−ブタジエンなどの(ジ)エン類、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルヘキシルエーテルなどのポリエーテル類、ポリビニルアセテート、ポリビニルプロピオネートなどのポリエステル類、ポリウレタン、エチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、ポリスルフォン、フェノキシ樹脂などが挙げられる。
本発明の反射防止層の製造方法が適用される反射防止フィルム、及びディスプレイ用フィルターの構成を以下に例示するが、本発明はこれらに限定されない。下記例示において、左側に記載の構成要素が、ディスプレイ側となる。
(反射防止フィルムの例示)
a)基材フィルム/ハードコート層/高屈折率層/低屈折率層
b)基材フィルム/ハードコート層/高屈折率層(A)/高屈折率層(B)/低屈折率層
c)基材フィルム/ハードコート性高屈折率層/低屈折率層
d)基材フィルム/ハードコート性高屈折率層(A)/高屈折率層(B)/低屈折率層
(ディスプレイ用フィルターの例示)
e)基材フィルム/電磁波遮蔽層/粘着剤層/近赤外線遮蔽層/上記反射防止フィルムの例示のいずれか
f)基材フィルム/電磁波遮蔽層/近赤外線遮蔽機能を有する粘着剤層/上記反射防止フィルムの例示のいずれか
g)近赤外線遮蔽層/基材フィルム/電磁波遮蔽層/粘着剤層/上記反射防止フィルムの例示のいずれか
h)近赤外線遮蔽層/基材フィルム/電磁波遮蔽層/ハードコート層/高屈折率層/低屈折率層
i)近赤外線遮蔽層/基材フィルム/電磁波遮蔽層/ハードコート層/高屈折率層(A)/高屈折率層(B)/低屈折率層
j)近赤外線遮蔽層/基材フィルム/ハードコート性高屈折率層/低屈折率層
k)近赤外線遮蔽層/基材フィルム/ハードコート性高屈折率層(A)/高屈折率層(B)/低屈折率層
上記g)〜k)の構成例において、近赤外線遮蔽層は、近赤外線遮蔽機能が付与された粘着剤層に代えることができる。
[特性の測定方法および効果の評価方法]
本発明における特性の測定方法および効果の評価方法は、次のとおり定義する。
(1)高屈折率層の鉛筆硬度の評価
高屈折率層が塗工形成された面の鉛筆硬度を、HEIDON(新東科学株式会社製)を用いて、JIS K5600−5−4(1999年)に従って測定した。
(2)耐擦傷性;スチールウール硬度評価
耐擦傷性は、反射防止フィルムの反射防止面を#0000のスチールウールに250gの荷重をかけて、ストローク幅10cm、速度30mm/secで10往復摩擦した後、表面を目視で観察し、傷の付き方を次の5段階で評価した。
5級:傷が全く付かない。
4級:傷が1本以上5本以下。
3級:傷が6本以上10本以下。
2級:傷が11本以上。
1級:全面に無数の傷。
画像表示装置用として使用する場合、3級、4級、5級のいずれかであれば合格レベルである。
(3) 塗膜外観
塗膜外観は、反射防止フイルムあるいはディスプレイ用フィルターの反射防止層の面を上にして置き、3波長蛍光灯下で反射防止層の面を目視にて観察し次の4段階で評価した。
◎ : どの角度から見ても、透明で白化等の濁りが全く見られない
○ : 見る角度によっては、白化等の濁りが僅かに見られる。
△ : 一部白化や塗膜ムラが見られる
× : 全面に白化や塗膜ムラが見られる
透明で白化等の濁りがなく、また塗膜ムラ等が見られないものが望ましい。
(4)全光線透過率およびヘイズ測定
JIS K 7105に基づき、日本電色工業(株)製濁度計NDH 2000を用い、反射防止層面から光を当てて測定を行った。全光線透過率は85%以上、ヘイズ値は1.5%以下であることが望ましい。
(5)反射率測定
測定面(反射防止層を設けた側の面)の反対側表面を、60℃光沢度(JIS Z 8741)が10以下になるように320〜400番の耐水サンドペーパーで均一に粗面化した後、可視光線透過率が5%以下となるように黒色塗料を塗布して着色した。測定面を島津製作所製の分光光度計(UV−3150)にて、測定面から5度の入射角で、波長領域380nm〜800nmにおける絶対反射スペクトルを測定し、波長400nmおよび700nmでの反射率および400nm〜700nmの領域での最低の反射率を求めた。
なお、測定した反射スペクトルにうねりのある場合は、うねりの山(極大点)と谷(極小点)の中間地点を結んでいった曲線からそれぞれの反射率を求めた。最小反射率は値が低いほど反射防止機能が高く良好であり、1.1%以下が好ましい。
(6)屈折率測定
被測定塗料をシリコンウエハー上にスピンコーターにて塗工形成した塗膜(厚み約2μm)について、25℃の温度条件下で位相差測定装置(ニコン(株)製:NPDM−1000)で633nmの屈折率を測定した。
(実施例1)
以下の要領で反射防止フィルムを作成した。
市販の光学用両面易接着ポリエステルフィルム(東レ製 ルミラー(登録商標)U46、厚み100μm)の一方の面に、平均粒径約50nmの五酸化アンチモン微粒子27質量%およびウレタンアクリレートを含む塗料(東洋インキ製造(株)製 TYS63:屈折率1.63、固形分濃度40質量%)を小径グラビアロールを用いたリバースコート法で塗工し、90℃で乾燥後、紫外線400mJ/cmを照射して硬化させ、厚み約2μmの高屈折率層(ハードコート性高屈折率層)を設けた。
次に、この高屈折率層上に、下記の低屈折率層形成用塗布液を、小径グラビアロールを用いたリバースコート法で塗工し、90℃で乾燥後、紫外線400mJ/cmを照射して硬化させ、厚み約100nmの低屈折率層を形成した。得られた反射防止フィルムの評価結果を表1に示す。
<低屈折率層用塗布液>
市販の低屈折率塗料(JSR(株)製TU2180:屈折率1.37:フッ素系ポリマー、多官能(メタ)アクリレート化合物、中空シリカ微粒子、光重合開始剤、及び有機溶媒(組成比=メチルイソブチルケトン/メチルエチルケトン/イソプロピルアルコール=86/2/2;質量比)を含む、固形分濃度10質量%)に、更にメチルイソブチルケトンと式(1)の有機溶媒であるプロピレングリコールモノブチルエーテルを加えて、固形分濃度が3質量%の低屈折率層形成用塗布液を調製した。この低屈折率層形成用塗布液に含まれる全有機溶媒の組成及び質量比は、メチルイソブチルケトン/メチルエチルケトン/イソプロピルアルコール/プロピレングリコールモノブチルエーテル=90/2/2/6;質量%である。
表1から明らかなように、塗膜外観が良好で耐摩擦性、耐擦傷性、全光線透過率、ヘイズ、波長400〜700nmにおける最低反射率とも非常に良好であった。
(実施例2)
低屈折率層形成用塗布液に含まれる有機溶媒組成を、(メチルイソブチルケトン/メチルエチルケトン/イソプロピルアルコール/式(1)の有機溶媒としてジエチレングリコールジメチルエーテル=90/2/2/6;質量%)に変更する以外は、実施例1と同様の方法で反射防止フィルムを製造した。得られた反射防止フィルムの評価結果を表1に示す。
表1から明らかなように、塗膜外観は良好で耐摩擦性、耐擦傷性、全光線透過率、ヘイズ、波長400〜700nmにおける最低反射率とも非常に良好であった。
(実施例3)
低屈折率層形成用塗布液に含まれる有機溶媒組成を、(メチルイソブチルケトン/メチルエチルケトン/イソプロピルアルコール/式(1)の有機溶媒としてエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート=90/2/2/6;質量%)に変更する以外は、実施例1と同様の方法で反射防止フィルムを製造した。得られた反射防止フィルムの評価結果を表1に示す。
表1から明らかなように、塗膜外観は良好で耐摩擦性、耐擦傷性、全光線透過率、ヘイズ、波長400〜700nmにおける最低反射率とも非常に良好であった。
(実施例4)
低屈折率層形成用塗布液に含まれる有機溶媒組成を、(組成比、メチルイソブチルケトン/メチルエチルケトン/イソプロピルアルコール/式(1)の有機溶媒としてプロピレングリコールモノブチルエーテル=66/2/2/30;質量%)に変更する以外は、実施例1と同様の方法で反射防止フィルムを製造した。得られた反射防止フィルムの評価結果を表1に示す。
表1から明らかなように、塗膜外観は良好で耐摩擦性、耐擦傷性、全光線透過率、ヘイズ、波長400〜700nmにおける最低反射率とも良好であった。
(比較例1)
低屈折率層形成用塗布液に含まれる有機溶媒組成を、(メチルイソブチルケトン/メチルエチルケトン/イソプロピルアルコール=96/2/2;質量%)に変更する以外は、実施例1と同様の方法で反射防止フィルムを製造した。得られた反射防止フィルムの評価結果を表1に示す。
表1から明らかなように、耐擦傷性など合格レベルに達しており、他にも良好な値を示す特性が一部あるものの、塗膜に白化が見られヘイズが高くなるなど使用に適さないものとなった。
(比較例2)
低屈折率層形成用塗布液に含まれる有機溶媒組成を、(メチルイソブチルケトン/メチルエチルケトン/イソプロピルアルコール/式(1)の有機溶媒としてプロピレングリコールモノブチルエーテル=40/2/2/56;質量%)に変更する以外は、実施例1と同様の方法で反射防止フィルムを製造した。得られた反射防止フィルムの評価結果を表1に示す。
表1から明らかなように、耐擦傷性など合格レベルに達しており、他にも良好な値を示す特性が一部あるものの、塗膜に凹凸ムラが見られ使用に適さないものとなった。
Figure 2010127951
(実施例5)
下記の要領で、プラズマディスプレイ用フィルターを作製した。
<導電性メッシュを有する電磁波遮蔽層の作製>
光学用両面易接着ポリエステルフィルム(東レ(株)製のルミラー(登録商標)U426、厚み100μm)の片面に、常温にて3×10−3Paの真空下で、真空蒸着法によりニッケル層(厚み0.02μm)を形成した。さらにその上に、同じく常温にて3×10−3Paの真空下で、真空蒸着法により銅層(厚み2μm)を形成した。その後、この銅層側の表面にフォトレジスト膜を積層し、格子状メッシュパターンのマスクを介してフォトレジスト膜を露光、現像し、次いでエッチング処理を施して、導電性メッシュを作製した。さらに、導電性メッシュに黒化処理(酸化処理)を施した。この導電性メッシュは、線幅が13μm、ピッチが300μm、厚みが2μmであった。
<反射防止層の形成>
上記で作製した電磁波遮蔽層の上に、実施例1と同様にして高屈折率層と低屈折率層をそれぞれ形成した。但し、高屈折率層の厚みを5μmに変更した。
<近赤外線遮蔽層の作製>
近赤外線吸収色素として、日本化薬(株)製 KAYASORB(登録商標) IRG−050を14.5質量部、日本触媒(株)製 イーエクスカラー(登録商標) IR−10Aを8質量部、さらに593nmに主吸収ピークを有する有機色素として、山田化学工業(株)製TAP−2を2.9質量部、メチルエチルケトン2000質量部に攪拌混合して溶解させた。この溶液を透明高分子樹脂バインダー溶液として、日本触媒(株)製 ハルスハイブリッド(登録商標) IR−G205(固形分濃度29%溶液)2000質量部と攪拌混合して塗料を作製した。
電磁波遮蔽層及び反射防止層とは反対側の光学用易接着ポリエステルフィルム面に、ダイコーターを用いて上記塗料を塗工し、120℃で乾燥して、厚み10μmの近赤外線遮蔽層を作製した。
<色補正層用粘着剤層の作製>
有機系色補正色素を含有するアクリル系透明粘着剤層を厚みが25μmとなるように、近赤外線遮蔽層の上に積層した。上記有機色素の添加量は最終的なディスプレイ用フィルターの全光線透過率が60%になるように調整した。
<評価>
上記のようにして得られたディスプレイ用フィルターの反射防止層は、実施例1と同様な性能を有していた。
本発明の低屈折率層は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、あるいは有機ELディスプレイ等のディスプレイの前面に装着される反射防止フィルムやディスプレイ用フィルターとして好適である。

Claims (8)

  1. 屈折率が1.42以下の低屈折率層を形成するための低屈折率層形成用塗布液であって、
    該塗布液が、少なくとも多官能(メタ)アクリレート化合物と有機溶媒とを含有し、
    前記有機溶媒は、有機溶媒の全量100質量%に対して下記式(1)で示される有機溶媒を1質量%以上50質量%未満含有することを特徴とする、低屈折率層形成用塗布液。
    2 − ( O − R1 )n − O − R3 ・・・式(1)
    (式(1)中、R1 は、炭素数2〜4のアルキレン基を表し、R2及びR3は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、COCH基のいずれかを表し、nは1〜3の整数を表す。)
  2. 前記式(1)において、Rが、エチレン基、またはプロピレン基であり、R及びRの少なくとも一方が、炭素数1〜4のアルキル基、またはCOCH基であり、nが1〜2の整数である、請求項1に記載の低屈折率層形成用塗布液。
  3. 前記式(1)で示される有機溶媒が、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、及びエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートからなる郡より選ばれる少なくとも1種である、請求項2に記載の低屈折率層形成用塗布液。
  4. 式(1)で示される有機溶媒以外の有機溶媒が、少なくとも沸点が60〜130℃の有機溶媒を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の低屈折率層形成用塗布液。
  5. 内部に空洞を有するシリカ系微粒子、及び/又は含フッ素化合物を含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の低屈折率層形成用塗布液。
  6. 屈折率が1.5以上の高屈折率層の上に、屈折率が1.42以下の低屈折率層を有する反射防止層の製造方法であって、
    前記高屈折率層上に、請求項1〜5のいずれかに記載の低屈折率層形成用塗布液を塗工した後、活性線を照射して硬化せしめ、低屈折率層を形成することを特徴とする、反射防止層の製造方法。
  7. 前記高屈折率層が、アクリル系樹脂および高屈折率粒子を含有するハードコート性の高屈折率層である、請求項6に記載の反射防止層の製造方法。
  8. 前記高屈折率粒子が、亜鉛、チタン、アルミニウム、セリウム、イットリウム、ニオブ、ジルコニウム、アンチモン、インジウム、及び錫からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸化物である、請求項7に記載の反射防止層の製造方法。
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