JP2010127258A - エンジンの動弁機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】制御軸の回転位置を調整するアクチュエータに対する要求出力を低減可能なエンジンの動弁機構を提供する。
【解決手段】駆動軸11と、揺動カム16と、動弁30と、駆動カム112と、リンクアーム12と、制御軸13と、揺動アーム14と、リンクロッド15と、アクチュエータと、を備えるエンジンの動弁機構であって、回転する駆動カム112からリンクアーム12が受けるモーメントが、第1の回動支点21を介して揺動アーム14に力として伝わり、当該力が、制御軸13の軸直断面視における、偏心部132の中心と第1の回動支点中心とを結んだ直線と、制御軸中心との間の距離を腕長さとして、制御軸13を回転させようとするモーメントを生じるときに、当該制御軸13を回転させようとするモーメントの向きが動弁30のリフト量又は作動角を大きくする向きとなるように、駆動軸11の回転方向が定められている。
【選択図】図7

Description

この発明は、エンジンの動弁機構に関する。
エンジンの動弁のリフト量及び作動角(動弁の開期間)を変更する動弁機構が提案されている(たとえば特許文献1)。
特開2002−38913号公報
しかしながら、特許文献1の構造では、動弁のリフト量及び作動角を調整するために、制御軸の回転位置を制御するアクチュエータに対して大出力が要求されていた。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、制御軸の回転位置を調整するアクチュエータに対する要求出力を低減することができるエンジンの動弁機構を提供することを目的とする。
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。
本発明は、エンジンに同期回転する駆動軸(11)と、前記駆動軸(11)の回転に応動して揺動する揺動カム(16)と、バルブスプリング(31)を備え、前記揺動カム(16)に押圧されて開弁する動弁(30)と、前記駆動軸(11)に設けられた駆動カム(112)と、前記駆動カム(112)を回転可能に挿通するリンクアーム(12)と、前記駆動軸(11)と平行に設けられ、偏心部(132)を含む制御軸(13)と、前記制御軸(13)の偏心部(132)に回転自在に設けられ、前記リンクアーム(12)に第1の回動支点(21)を介して連係される揺動アーム(14)と、前記制御軸(13)の中心線を含み、かつ、制御軸(13)の軸直断面視において、第1の回動支点中心と制御軸中心とを結んだ直線と垂直な向きの平面に対して、前記第1の回動支点(21)と同一側に位置する第2の回動支点(22)を介して、前記揺動アーム(14)に連係されるとともに、第3の回動支点(23)を介して前記揺動カム(16)に連係されるリンクロッド(15)と、前記制御軸(13)を回転制御するアクチュエータと、を備え、回転する駆動カム(112)からリンクアーム(12)が受けるモーメントが、第1の回動支点(21)を介して揺動アーム(14)に力として伝わり、当該力が、制御軸(13)の軸直断面視における、偏心部(132)の中心と第1の回動支点中心とを結んだ直線と、制御軸中心との間の距離を腕長さとして、前記制御軸(13)を回転させようとするモーメントを生じるときに、当該制御軸(13)を回転させようとするモーメントの向きが前記動弁(30)のリフト量又は作動角を大きくする向きとなるように、前記駆動軸(11)の回転方向が定められている、ことを特徴とする。
本発明によれば、回転する駆動カムからリンクアームが受けるモーメントが、第1の回動支点を介して揺動アームに力として伝わり、当該力が、制御軸の軸直断面視における、偏心部の中心と第1の回動支点中心とを結んだ直線と、制御軸中心との間の距離を腕長さとして、前記制御軸を回転させようとするモーメントを生じるときに、当該制御軸を回転させようとするモーメントが前記動弁のリフト量又は作動角を大きくする向きとなるように、前記駆動軸の回転方向が定められているので、バルブスプリング反力に打ち勝って制御軸を回転させるためのアクチュエータの出力を低減できるのである。
以下では図面等を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明によるエンジン動弁機構の一実施形態を示す斜視図である。図2は、三面図であり、図2(A)は平面図、図2(B)は左側面図、図2(C)は正面図である。
本発明の動弁機構10は、駆動軸11と、リンクアーム12と、リフト量作動角制御軸13と、揺動アーム14と、リンクロッド15と、揺動カム16と、を備える。駆動軸11及びリフト量作動角制御軸13は不図示の軸受に回転自在に支持される。
駆動軸11は、エンジン前後方向に沿ってシリンダヘッド上部に回転自在に支持される。駆動軸11は、エンジンのクランク軸からトルクが伝達されて回転する。駆動軸11は、駆動軸本体111と駆動カム112とを含む。駆動軸本体111は中空状である。駆動軸11は、高強度材で形成される。駆動カム112は、駆動軸本体111に固定される。駆動カム112は駆動軸本体111の軸心から偏倚した偏心回転カムである。駆動カム112は駆動軸本体111と一体回転する。駆動カム112は、耐摩耗材によって形成される。駆動カム112は、カムボディ112aとボス部112bとから構成される。カムボディ112aとボス部112bとは一体形成されている。カムボディ112aの軸心は駆動軸本体111の軸心から径方向へ所定量オフセットする。駆動カム112は、連結ピンによって駆動軸本体111に連結固定される。なおこの連結構造については後述する。
リンクアーム12は、大端部12aと小端部12bとから構成される。大端部12aに駆動カム112(カムボディ112a)が回転可能なように挿通される。駆動軸の回転によって駆動カム112(カムボディ112a)がリンクアーム12の大端部12a内側を回転すると、リンクアームは大端部周りの(大端部中心を中心とした)モーメントを受ける。本実施形態においては、リンクアーム12の大端部12aと駆動カム112(カムボディ112a)は互いに油潤滑によって摺動接触しており、リンクアーム12は摺動摩擦によってモーメントを受ける。小端部12bはピン21(第1の回動支点)を介して揺動アーム14に連結される。
リフト量作動角制御軸13は、駆動軸11と平行に配置される。リフト量作動角制御軸13は、メインジャーナル131と、ウェブプレート133と、メインジャーナル131から偏心した偏心部に相当するクランクピン132と、から構成されるクランクシャフトである。リフト量作動角制御軸13はアクチュエータによって所定回転角度範囲内で回転するように制御される。アクチュエータは、クランク角センサやエアフロメータ、水温センサ等の各種センサからの検出信号から検出されたエンジンの現在の運転状態に基づいてリフト量作動角制御軸13を回転制御する。リフト量作動角制御軸13が回転制御されると、クランクピン132の偏倚位置が調整され、クランクピン132に取り付けられた揺動アーム14の揺動中心が変更される。すると動弁のリフト量及び作動角が変化する。詳細は後述する。
リンクアーム12と連結された揺動アーム14は、駆動軸11の回転に応動して揺動する。揺動アーム14は、アームボディ141とキャップ142とを備える。キャップ142は、クランクピン132を挟むようにアームボディ141にボルト結合される。これによって揺動アーム14はクランクピン132に対して回転自在に設けられている。
リンクロッド15は、揺動アーム14及び揺動カム16を連結する。リンクロッド15は、断面コ状であって内側に揺動アーム14(アームボディ141)の先端付近を配置してピン22(第2の回動支点)を介して相対回転可能に結合する。すなわち、リンクロッド15は、リフト量作動角制御軸13の中心線を含み、かつ、リフト量作動角制御軸13の軸直断面で見たときに、ピン21(第1の回動支点)の中心とリフト量作動角制御軸13の中心とを結んだ直線と垂直な向きの平面に対して、ピン21(第1の回動支点)と同一側に位置するピン22(第2の回動支点)を介して、揺動アーム14に連係されている。本実施形態においては、ピン22は、ピン21よりもクランクピン132の軸心から離れている。
揺動カム16は、パイプ17に固設された一対の部材である。パイプ17は、駆動軸11を挿通し、駆動軸11を中心として揺動自在である。一方の揺動カム16が、リンクロッド15に対してピン23(第3の回動支点)を介して相対回転可能に連結される。揺動カム16は上下動して動弁を開閉する。動弁は、バルブスプリングのバネ力によって常時閉状態である。揺動カム16が下がれば、バルブスプリングのバネ力に抗して動弁が開弁する。揺動カム16が上がれば、バルブスプリングのバネ力によって動弁が閉弁する。
図3は、動弁の作動角(又はリフト量(以下同様))が大きい状態の動弁機構を示す図であり、図3(A)は閉弁状態を示し、図3(B)は開弁状態(最大リフト状態)を示す。
図中、偏心部であるクランクピン132の軸心P1を通る破線は、制御範囲内における軸心P1の軌跡を示している。動弁の作動角、すなわち動弁の開期間を大きくするときは、リフト量作動角制御軸13を図3に示す位置まで回転駆動する。これにより、軸心P1(揺動アーム14の揺動中心)は、図3に示すようにメインジャーナル131の軸心Pの上方(略直上)に保持される。この状態で駆動軸11を回転駆動すると、その駆動力がリンクアーム12→揺動アーム14→リンクロッド15→揺動カム16と伝達し、動弁を開閉する。
閉弁状態では、図3(A)に示すように、揺動カム16の基円部16aがバルブリフタ18に当接する。
開弁状態では、図3(B)に示すように、揺動カム16は大きく揺動し、揺動カム16の基円部16aからカムノーズ16cにかけてのリフト部16bがバルブリフタ18に当接する。このためバルブリフタ18の移動量L1が大きい。
図4は、動弁の作動角が小さい状態の動弁機構を示す図である。
動弁の作動角を小さくするときは、リフト量作動角制御軸13を図4に示す位置まで回転駆動する。これにより軸心P1は、図4に示すようにメインジャーナル131の軸心Pに対して左上に保持される。この状態で駆動軸11を回転駆動すると、その駆動力がリンクアーム12→揺動アーム14→リンクロッド15→揺動カム16と伝達し、動弁を開閉する。このとき揺動アーム14が全体的に左上方向(駆動軸11から離れる方向)へ移動しているので、揺動カム16は、基円部16aからカムノーズ16cにかけてのリフト部16bの途中までしかバルブリフタ18を押圧しない。このため、リフト量L2は図3に示したリフト量L1に比べて小さい(図4)。
このようにリフト量作動角制御軸13の回転位置(姿勢)を調整することで、動弁の作動角及びリフト量が連続的に変化する。本実施形態によれば、図5に示すように動弁の作動角を大きくすると、バルブリフト量も大きくなる。
ここで本発明の解決課題を説明する。本発明の動弁機構の基本構造は、上述の通りであり、揺動カム16が下がれば、バルブスプリングのバネ力に抗して動弁が開弁する。揺動カム16が上がれば、バルブスプリングのバネ力によって動弁が閉弁する。揺動カム16には常時、動弁側からバルブスプリングのバネ力(動弁を押し上げて閉弁しようとする力)を受けている。その力(図6に矢印F1で示す)が、揺動カム16→リンクロッド15→揺動アーム14を介して、リフト量作動角制御軸13のクランクピン132に伝達する(図6に矢印F2で示す)。この力F2がリフト量作動角制御軸13を回そうと作用する。
したがってリフト量作動角制御軸駆動用アクチュエータは、この力F2に抗してリフト量作動角制御軸13の回転位置(姿勢)を調整する必要があり、大出力でなければならない。そのため大形のアクチュエータを使用しなければならない。
そこで発明者らは、アクチュエータに対する要求出力を低減することについて鋭意研究を進め、本発明を完成するに至ったのである。
図7は、駆動軸の回転が、作動角(又はリフト量)を変化させるため、リフト量作動角制御軸を駆動するときの駆動力に与える影響を説明する図であり、図7(A)は小作動角状態、図7(B)は大作動角状態を示す。
この実施形態においては、リフト量作動角制御軸13の中心Pは、クランクピン132(偏心部)の中心P1の軌跡(破線)よりも、駆動軸111側にある。リフト量作動角制御軸駆動用アクチュエータは、作動角を大きくする場合、動弁30からの力に抗して、図7の矢印Tのようにリフト量作動角制御軸13に回転力を付与して、リフト量作動角制御軸13の姿勢を制御する。
本実施形態では、駆動軸11を回転したときに駆動カム112からリンクアーム12→揺動アーム14を介してリフト量作動角制御軸13のクランクピン132に作用する力Fの方向が、アクチュエータの力発生方向と同じになるように、駆動軸11を矢印A方向に回転するようにした。すなわち、回転する駆動カム112から(摺動摩擦等により)リンクアーム12が受けるモーメントが、ピン21(第1の回動支点)を介して揺動アーム14に力として伝わり、当該力が、リフト量作動角制御軸13の軸直断面視(図7紙面)における、クランクピン132(偏心部)の中心P1とピン21(第1の回動支点)の中心とを結んだ直線と、リフト量作動角制御軸13の中心Pとの間の距離を腕長さとして、リフト量作動角制御軸13を回転させようとするモーメントを生じるときに、当該リフト量作動角制御軸13を回転させようとするモーメントの向きが動弁の作動角(又はリフト量)を大きくする向きとなるように、駆動軸11の回転方向が定められている。リフト量作動角制御軸13の中心Pが、クランクピン132(偏心部)の中心P1の軌跡(破線)よりも、駆動軸111側にある本実施形態においては、駆動軸11は、作動角(又はリフト量)を大きくするリフト量作動角制御軸13の回転方向と同方向へ回転する。
このようにすることで、駆動軸11の回転力がアクチュエータをアシストすることとなり、アクチュエータの出力を低減できるのである。なお、このような作用は、動弁の作動角(又はリフト量)が大きくなる側へリフト量作動角制御軸13が回転したときのクランクピン132(偏心部)の動きが、駆動軸11の軸直断面において、前記駆動軸11の中心に視点を置いて見た場合に、駆動軸表面の動く向きと同じ向きに動くように設定することで達成できる。したがって、クランクピン132(偏心部)の中心P1の軌跡が、リフト量作動角制御軸の中心Pよりも、駆動軸111側にある場合においては、駆動軸11は、作動角(又はリフト量)を大きくするリフト量作動角制御軸13の回転方向と逆方向へ回転させればよい。
また、リフト量作動角制御軸13の軸心Pとクランクピン132の軸心P1とを結んだ線Lと、駆動カム112からリンクアーム12を介してリフト量作動角制御軸13に伝達する力Fの方向と、がなす角度θは、図7(A)に示すように動弁30の作動角が最小のときに最小となり、図7(B)に示すように動弁30の作動角が最大のときに略直角になるようにした。
本発明の動弁機構は、上述のように、動弁30の作動角が大きくなるとリフト量も大きくなり、動弁30の作動角が小さくなるとリフト量も小さくなる。したがって、動弁30がバルブスプリング31から受ける力も、動弁作動角が大きいほど、大きくなる。本実施形態では、動弁の作動角(又はリフト量)が最大のときには、リフト量作動角制御軸13の中心Pとクランクピン132(偏心部)の中心P1とを結んだ線と、クランクピン132(偏心部)の中心P1とピン21(第1の回動支点)とを結んだ線と、がなす角度θが、略直角になる。たとえば、作動角(又は最大リフト量)が最大のときに、揺動カムが揺動する途中、なす角度θが少なくとも90度を通過する(90度になるタイミングがある)ように設定する。このようにすると、反力が大きく厳しい条件である大作動角(又は大リフト量)のときに、アクチュエータのアシストが十分に得られるので望ましい。さらに、動弁の作動角(又はリフト量)が最小のときに、なす角度θが最小になれば、あるいは、動弁の作動角(又はリフト量)が最小のときに、なす角度θを、動弁の作動角(又はリフト量)が最大のときに比べて小さくすれば、反力が小さく必ずしも厳しい条件ではない小作動角(又は小リフト量)以外で、アクチュエータのアシストが十分に得られるとともに、最小作動角(又は最小リフト)から最大作動角(又は最大リフト)までの作動角変化量を大きくとって、最大作動角(又は最大リフト)をより大きくすることができる。
図8は、動弁の作動角とアシスト率との関係を示す図である。
駆動軸11からリフト量作動角制御軸13のクランクピン132に作用するトルクのうち、アクチュエータをアシストするように作用するトルクの割合を、以下ではアシスト率と称する。
本実施形態では、図8(A−1)に示すように、駆動軸11は、作動角を大きくするリフト量作動角制御軸13の回転方向と同方向へ回転する。このようなリンクジオメトリにすると、図8(A−2)に示すように、作動角が小さいときにアシスト率も小さく、作動角が大きくなるとアシスト率も大きくなる。
仮に、作動角を大きくするリフト量作動角制御軸13の回転方向と逆方向へ、駆動軸11が回転する、図8(B−1)に示すようなリンクジオメトリにすると、図8(B−2)に示すように、作動角が小さいときにアシスト率は大きく、作動角が大きくなるとアシスト率は小さくなる。
アクチュエータをアシストするように作用するトルク(以下「アシストトルク」という)は、駆動軸11からリフト量作動角制御軸13のクランクピン132に作用するトルクにアシスト率を乗じて求まる。
したがってアシスト率が大きいと、動弁側からの力によるトルクよりもアシストトルクが大きくなってしまう可能性がある。するとリフト量作動角制御軸のトルクが正方向及び負方向に交番してしまう。交番しては、リフト量作動角制御軸を回転制御するアクチュエータのギアのバックラッシュなどから異音が発生するおそれがある。
しかしながら本実施形態では、作動角を大きくするリフト量作動角制御軸13の回転方向と同方向へ駆動軸11が回転するようなリンクジオメトリにしたので、作動角が小さいときにアシスト率も小さく、作動角が大きくなるとアシスト率も大きくなる(図8(A−2))。
図9は、作動角が変化したときに、駆動軸の回転角度に対するリフト量作動角制御軸に作用するトルクを説明する図であり、図9(A)は小作動角状態、図9(B)は大作動角状態を示す。
上述のように、仮に作動角が小さいときにアシストトルクが大きいと、動弁側からの力によるトルクよりもアシストトルクが大きくなってしまう。するとリフト量作動角制御軸のトルクが正方向及び負方向に交番してしまう。交番しては、リフト量作動角制御軸を回転制御するアクチュエータのギアのバックラッシュなどから異音が発生するおそれがある。
しかしながら本実施形態では、上述のように、作動角が小さいときにアシストトルクが小さくなるようにしたので、図9(A)に示すように、リフト量作動角制御軸のトルクは常に一方向であり(図9(A)では負方向のみ)、交番しない。
そして作動角が大きいときにアシストトルクが大きくなるようにした。この場合は、図9(B)に示すように、リフト量作動角制御軸のトルクが正方向及び負方向に交番するが、上述のように、作動角が大きいときは高回転高負荷運転であるので、エンジン音も大きい。したがって、アクチュエータのギアのバックラッシュなどから異音があっても、エンジン音によってマスキングされる。
図10は、作動角とリンクに作用する平均トルクとの関係を示す図である。
本実施形態のようなリンクジオメトリにすると、動弁側からリフト量作動角制御軸を回そうと作用する力は、図10のラインAのように変化する。すなわち、作動角が50degCA程度よりも小さいときは、作動角が大きくなるにつれて大きくなる。作動角が50degCA程度を越えると、作動角が大きくなるにつれて小さくなる。
またエンジンは、高回転高負荷運転で駆動軸11が高回転になるとともに、作動角も大きくなる。そのため駆動軸11からリフト量作動角制御軸13のクランクピン132に作用するトルクは、図10のラインBのように変化する。すなわち、作動角が大きくなるにつれて大きくなる。なおトルクの作用方向が、ラインAとは逆向きであるので、負のトルクである。なおこのトルクはミクロ的に見れば図9に示されているように駆動軸11の回転角度によって変動するが、図10では平均トルクをプロットしてある。
駆動軸11からリフト量作動角制御軸13のクランクピン132に作用するトルクのうち、アクチュエータをアシストするように作用するトルクの割合(アシスト率)は、リンクのジオメトリによって定まり、図10のラインCのように変化する。本実施形態では、上述の通り、動弁の作動角が大きくなるにつれてアシスト率が大きくなる。
そして駆動軸11からリフト量作動角制御軸13のクランクピン132に作用するトルクのうち、アクチュエータをアシストするように作用するアシストトルクは、駆動軸11からリフト量作動角制御軸13のクランクピン132に作用するトルクにアシスト率を乗じて求まる。アシストトルクは、図10のラインDのように変化する。すなわちアシストトルクは、作動角が大きくなるにつれて大きくなる。
そしてラインAからラインDを差し引いたトルクが、アクチュエータに実際に要求される出力トルクであり、図10のラインEのように変化する。すなわち最大作動角では、アクチュエータの出力トルクは、略ゼロになる。
このように本実施形態のように構成することで、作動角が大きい状態において、アクチュエータの出力トルクを小さくできるのである。
図11は、リフト量作動角制御軸の回転中心と、リフト量作動角制御軸のクランクピンの移動軌跡と、の位置関係を説明する図である。
仮に、図11(B−1)に示すように、リフト量作動角制御軸13の回転中心Pが、リフト量作動角制御軸13のクランクピン132の中心P1の移動軌跡よりも、駆動軸11から離れるようにすると、図11(B−2)のように、中間作動角においてアシスト率は小さくなる。このようになっては、アクチュエータの消費エネルギの低減効果が小さい。
しかしながら、本実施形態では、図11(A−1)に示すように、リフト量作動角制御軸13の回転中心Pが、リフト量作動角制御軸13のクランクピン132の中心P1の移動軌跡よりも、駆動軸11に近づくようにした。このようにすれば、図11(A−2)のように、中間作動角において大きなアシスト率を得ることができる。中間作動角は使用頻度が高いので、中間作動角におけるアシスト率を大きくしておくことで、アクチュエータの消費エネルギの低減効果が大きいのである。
以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれることが明白である。
本発明によるエンジン動弁機構の一実施形態を示す斜視図である。 本発明によるエンジン動弁機構の一実施形態を示す三面図である。 動弁の作動角が大きい状態の動弁機構を示す図である。 動弁の作動角が小さい状態の動弁機構を示す図である。 動弁の作動角とバルブリフト量との関係を示す図である。 本発明の解決課題を説明する図である。 作動角が変化したときに、駆動軸の回転力のリフト量作動角制御軸への作用を説明する図である。 動弁の作動角とアシスト率との関係を示す図である。 作動角が変化したときに、駆動軸の回転角度に対するリフト量作動角制御軸に作用するトルクを説明する図である。 作動角とリンクに作用する平均トルクとの関係を示す図である。 リフト量作動角制御軸の回転中心と、リフト量作動角制御軸のクランクピンの移動軌跡と、の位置関係を説明する図である。
符号の説明
10 動弁機構
11 駆動軸
111 駆動軸本体
112 駆動カム
12 リンクアーム
12a 大端部
12b 小端部
13 リフト量作動角制御軸
132 偏心部
14 揺動アーム
15 リンクロッド
16 揺動カム
21 ピン(第1の回動支点)
22 ピン(第2の回動支点)
23 ピン(第3の回動支点)

Claims (8)

  1. エンジンに同期回転する駆動軸と、
    前記駆動軸の回転に応動して揺動する揺動カムと、
    バルブスプリングを備え、前記揺動カムに押圧されて開弁する動弁と、
    前記駆動軸に設けられた駆動カムと、
    前記駆動カムを回転可能に挿通するリンクアームと、
    前記駆動軸と平行に設けられ、偏心部を含む制御軸と、
    前記制御軸の偏心部に回転自在に設けられ、前記リンクアームに第1の回動支点を介して連係される揺動アームと、
    前記制御軸の中心線を含み、かつ、制御軸の軸直断面視において、第1の回動支点中心と制御軸中心とを結んだ直線と垂直な向きの平面に対して、前記第1の回動支点と同一側に位置する第2の回動支点を介して、前記揺動アームに連係されるとともに、第3の回動支点を介して前記揺動カムに連係されるリンクロッドと、
    前記制御軸を回転制御するアクチュエータと、
    を備え、
    回転する駆動カムからリンクアームが受けるモーメントが、第1の回動支点を介して揺動アームに力として伝わり、当該力が、制御軸の軸直断面視における、偏心部の中心と第1の回動支点中心とを結んだ直線と、制御軸中心との間の距離を腕長さとして、前記制御軸を回転させようとするモーメントを生じるときに、当該制御軸を回転させようとするモーメントの向きが前記動弁のリフト量又は作動角を大きくする向きとなるように、前記駆動軸の回転方向が定められている、
    ことを特徴とするエンジンの動弁機構。
  2. エンジンに同期回転する駆動軸と、
    前記駆動軸の回転に応動して揺動する揺動カムと、
    バルブスプリングを備え、前記揺動カムに押圧されて開弁する動弁と、
    前記駆動軸に設けられた駆動カムと、
    前記駆動カムを回転可能に挿通するリンクアームと、
    前記駆動軸と平行に設けられ、偏心部を含む制御軸と、
    前記制御軸の偏心部に回転自在に設けられ、前記リンクアームに第1の回動支点を介して連係される揺動アームと、
    前記制御軸の中心線を含み、かつ、制御軸の軸直断面視において、第1の回動支点中心と制御軸中心とを結んだ直線と垂直な向きの平面に対して、前記第1の回動支点と同一側に位置する第2の回動支点を介して、前記揺動アームに連係されるとともに、第3の回動支点を介して前記揺動カムに連係されるリンクロッドと、
    前記制御軸を回転制御するアクチュエータと、
    を備え、
    前記動弁のリフト量又は作動角が大きくなる側へ制御軸が回転したときの偏心部は、駆動軸の軸直断面において前記駆動軸の中心に視点を置いて見た場合に、駆動軸表面の動く向きと同じ向きに動く、
    ことを特徴とするエンジンの動弁機構。
  3. 前記制御軸の中心は、前記偏心部の中心の移動軌跡よりも、前記駆動軸側にあり、
    前記駆動軸は、リフト量又は作動角を大きくする制御軸の回転方向と同方向へ回転する、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエンジンの動弁機構。
  4. 前記偏心部の中心の移動軌跡は、前記制御軸の中心よりも、前記駆動軸側にあり、
    前記駆動軸は、リフト量又は作動角を大きくする制御軸の回転方向と逆方向へ回転する、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエンジンの動弁機構。
  5. 動弁のリフト量又は作動角が最大のときに、制御軸中心と偏心部中心とを結んだ線と、偏心部中心と第1の回動支点とを結んだ線と、がなす角度が、略直角になる、
    ことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のエンジンの動弁機構。
  6. 動弁のリフト量又は作動角が最小のときに、制御軸中心と偏心部中心とを結んだ線と、偏心部中心と第1の回動支点とを結んだ線と、がなす角度が、最小になる、
    ことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のエンジンの動弁機構。
  7. 動弁のリフト量又は作動角が最小のときに、制御軸中心と偏心部中心とを結んだ線と、偏心部中心と第1の回動支点とを結んだ線と、がなす角度が、動弁のリフト量又は作動角が最大のときに比べて小さい、
    ことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のエンジンの動弁機
  8. 前記駆動カムとリンクアームは摺動接触する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のエンジンの動弁機構。
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