JP2010126374A - 酸化マグネシウム−スピネル複合酸化物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の酸化マグネシウム−スピネル複合酸化物の製造方法は、所定の低純度範囲であるが酸化アルミニウムを含まないスピネルと酸化マグネシウムとを混合して混合原料を得る混合工程と、混合した混合原料を成形して焼成する成形焼成工程と、を含むものである。また、原料であるスピネルは、酸化マグネシウムを過剰に含んでいてもよい。この酸化マグネシウムの過剰量は、5重量%以下であることが好ましい。また、混合工程では、酸化マグネシウムと、酸化アルミニウムを含まないスピネルとを有機溶媒中で混合することが好ましい。
【選択図】なし
Description
酸化マグネシウム−スピネル複合酸化物の製造方法であって、
所定の低純度範囲であるが酸化アルミニウムを含まないスピネルと、酸化マグネシウムとを混合して混合原料を得る混合工程と、
前記混合した混合原料を成形して焼成する成形焼成工程と、
とを含むものである。
所定の低純度範囲であり酸化アルミニウムを含まず酸化マグネシウムを過剰に含み、酸化マグネシウム−スピネル複合酸化物の原料として用いられるものである。
本発明の混合工程では、所定の低純度範囲であるが酸化アルミニウムを含まないスピネルと、酸化マグネシウムとを混合して混合原料を得る。こうすれば、スピネルに含まれる酸化マグネシウムとが反応して新たなスピネルが生成してしまうのを抑制することができ、それに伴う体積変化を抑制することができる。ここで、「スピネルの所定の低純度範囲」とは、例えば、スピネルの純度の上限が99重量%未満のものや96重量%以下のものや90重量%以下のものとしてもよいしスピネルの純度の下限が80重量%以上のものとしてもよい。このスピネルは、基本組成式がMgAl2O4で示される結晶である。このスピネルは、酸化アルミニウムを含まないものであればよく、酸化マグネシウムを過剰に含むものとしてもよい。スピネルはアルミニウムとマグネシウムとを混合したものを加熱して合成することがあるが、マグネシウムを過剰とすれば、より容易に酸化アルミニウムを含まないスピネルを合成することができる。スピネルに酸化マグネシウムが過剰に含まれていても、酸化マグネシウム−スピネル複合酸化物の製造時に体積変化が起きにくいため、不良品の発生をより抑制する効果に影響を与えにくい。このスピネルは、5重量%以下の酸化マグネシウムを含むものとするのが好ましく、2重量%以下の酸化マグネシウムを含むものとするのがより好ましい。スピネルに含まれる酸化マグネシウムが5重量%以下であれば、目的とする組成比からのずれを、より小さいものとすることができる。ここで、材料の含有量について、マグネシウム成分の含有量は、日本セラミックス協会規格JCRS106−2000の「9.酸化マグネシウムの定量方法」に記載された炭酸アルカリ溶融・EDTA滴定法による測定値をいう。また、アルミニウム成分の含有量は、JIS−R1675の「6.アルミニウムの定量方法」に記載されたシクロヘキサンジアミン四酢酸−亜鉛逆滴定法による測定値をいう。
本発明の成形焼成工程では、混合した混合原料を成形して成形体を作製し、この作製した成形体を焼成して焼成体を得る処理を行う。成形処理は、例えば、金型プレス成形やホットプレス成形、冷間等方成形(CIP)、熱間等方成形(HIP)などにより任意の形状に行うことができる。また、混合原料を坏土やスラリーとして得た場合には、成形方法は、押出成形や塗布成形などにより行うことができる。焼成処理は、例えば1400℃以上1900℃以下の範囲の温度で行うことができる。
スピネルの含有量が98.4重量%であり、酸化マグネシウム(MgO)が0.8重量%、その他微量成分が0.8重量%であるスピネル粉体と、酸化マグネシウム粉体とを重量比で、93:7となるように秤量し、ポットミルに入れ有機溶媒としてエタノールを加えて3時間、混合粉砕した。なお、スピネルの含有量は、上述したJCRS106−2000の炭酸アルカリ溶融・EDTA滴定法によるマグネシウム成分の含有量と、JIS−R1675のシクロヘキサンジアミン四酢酸−亜鉛逆滴定法によるアルミニウム成分の含有量と、により求めた値である。混合粉砕した原料を80℃で24時間乾燥したあと乳鉢で粉砕し、篩を用いて150μm以下の粒度に分級して混合原料粉体を得た。この混合原料粉体を10MPaで35mm×20mm×5mmの形状に金型プレス成形を行ったのち、400MPaの条件でCIP処理を行い成形体を得た。この成形体を200℃/hの昇温速度、1500℃で2時間保持する焼成を行い、得られた酸化マグネシウム−スピネル複合酸化物の焼成体を実施例1とした。この実施例1のスピネルと酸化マグネシウムとの重量比、スピネルに含まれる酸化物の割合、焼成体の評価を表1に示す。この表1には、後述する実施例2,3及び比較例1〜6についても示した。
原料配合において、スピネル粉体と、酸化マグネシウム粉体とを重量比で、85:15となるように秤量した以外は実施例1と同様の工程を経て得られた酸化マグネシウム−スピネル複合酸化物の焼成体を実施例2とした。また、原料配合において、スピネル粉体と、酸化マグネシウム粉体とを重量比で、79:21となるように秤量した以外は実施例1と同様の工程を経て得られた酸化マグネシウム−スピネル複合酸化物の焼成体を実施例3とした。
原料配合において、JCRS106−2000の炭酸アルカリ溶融・EDTA滴定法及びJIS−R1675のシクロヘキサンジアミン四酢酸−亜鉛逆滴定法によるMg,Al含有量から求めたスピネルの含有量が94.9重量%であり、酸化アルミニウム(Al2O3)が5.1重量%であるスピネル粉体を用いた以外は実施例1と同様の工程を経て得られた酸化マグネシウム−スピネル複合酸化物の焼成体を比較例1とした。また、原料配合において、比較例1のスピネル粉体を用いた以外は実施例2と同様の工程を経て得られた酸化マグネシウム−スピネル複合酸化物の焼成体を比較例2とした。また、原料配合において、比較例1のスピネル粉体を用いた以外は実施例3と同様の工程を経て得られた酸化マグネシウム−スピネル複合酸化物の焼成体を比較例3とした。
原料配合において、JCRS106−2000の炭酸アルカリ溶融・EDTA滴定法及びJIS−R1675のシクロヘキサンジアミン四酢酸−亜鉛逆滴定法によるMg,Al含有量から求めたスピネルの含有量が93.4重量%であり、酸化アルミニウム(Al2O3)が5.9重量%、その他微量成分が0.7重量%であるスピネル粉体を用いた以外は実施例1と同様の工程を経て得られた酸化マグネシウム−スピネル複合酸化物の焼成体を比較例4とした。また、原料配合において、比較例4のスピネル粉体を用いた以外は実施例2と同様の工程を経て得られた酸化マグネシウム−スピネル複合酸化物の焼成体を比較例5とした。また、原料配合において、比較例4のスピネル粉体を用いた以外は実施例3と同様の工程を経て得られた酸化マグネシウム−スピネル複合酸化物の焼成体を比較例6とした。
比較例1〜6の焼成体では、その表面にクラックが多数みられたが、実施例1〜3の焼成体では、その表面にクラックはみられなかった。この結果より、酸化マグネシウム−スピネル複合酸化物の原料として、純度が低いスピネルを用いた際に、そのスピネルに酸化アルミニウムが含有していると、成形体の焼成時にクラックが入りやすいことがわかった。これは、焼成時に酸化アルミニウムと酸化マグネシウムとが反応し、新たなスピネルが生成すると共に体積変化が起き、これによりクラックが入っているものと推察された。これに対して、酸化マグネシウムを含むスピネルを用いた実施例1〜3では、スピネル生成の体積変化がないため、すべての試料でクラックはみられなかった。即ち、純度が低いスピネルを用いるときは、酸化アルミニウムがリッチであるものではなく酸化マグネシウムがリッチであるものを原料とすべきであることが明らかとなった。
Claims (4)
- 酸化マグネシウム−スピネル複合酸化物の製造方法であって、
所定の低純度範囲であるが酸化アルミニウムを含まないスピネルと、酸化マグネシウムとを混合して混合原料を得る混合工程と、
前記混合した混合原料を成形して焼成する成形焼成工程と、
を含む酸化マグネシウム−スピネル複合酸化物の製造方法。 - 前記混合工程では、酸化マグネシウムを過剰に含むスピネルを用いる、請求項1に記載の酸化マグネシウム−スピネル複合酸化物の製造方法。
- 前記混合工程では、5重量%以下の酸化マグネシウムを含むスピネルを用いる、請求項2に記載の酸化マグネシウム−スピネル複合酸化物の製造方法。
- 前記混合工程では、前記酸化マグネシウムと前記酸化アルミニウムを含まないスピネルとを有機溶媒中で混合する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の酸化マグネシウム−スピネル複合酸化物の製造方法。
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