JP2010126287A - ブーム起伏シリンダ取付構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブームに生じる応力の集中を緩和する。
【解決手段】本発明のブーム起伏シリンダ取付構造は、ブームの下面に略直立した状態で溶接される複数の板材を有し、板材は、ブームの前後方向に延び、ブームの中心軸を挟んでその左右両側に配される一対の縦板と、シリンダの先端部が連結され、ブームの幅方向に延び、縦板の後端につながる後板と、ブームの幅方向に延び、縦板と交差するように配される交差板とを含む。そして、縦板は、互いに平行に延びる本体部と、本体部の前端と一体につながり、本体部の前端から互いの間隔が広がるように傾斜して延びる拡幅部とを備え、本体部は、前側部分と後側部分とに分割され、交差板は、前側部分と後側部分との間を幅方向に貫通するように設けられ、かつ、これら前側部分および後側部分にそれぞれ溶接されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、クレーンのブームを起伏させる油圧シリンダの先端部をブームに対して回動可能に取り付けるためのブーム起伏シリンダ取付構造に関する。
従来、重量物を吊り上げて移動させる起重機として、クレーン車両が知られている。クレーン車両は、図7に示されるように、下部走行体6と、下部走行体6の上部で鉛直軸回りに旋回可能に設けられた上部旋回体5と、上部旋回体5に一端が枢設され、他端でフック7を吊り下げるブーム2と、ブーム2を起伏させる油圧シリンダ(シリンダ)4と、ブーム2に対して油圧シリンダ4の一端を回動可能に取り付けるブラケット(ブーム起伏シリンダ取付構造)3とが備えられている。ブラケット3は、ブーム2に対して溶接により固定されている(特許文献1参照)。
特開2001−151471号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、ブラケットは、ブームの前後方向に延びた1対の板(ブーム側シリンダ枢着ブラケット13)でのみブームに対して接合されているため、ブームとブラケットとの接合部分に応力が集中して発生してしまうという問題がある。
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、ブームに生じる応力の集中を緩和することができるブーム起伏シリンダ取付構造を提供することを目的としている。
前記課題を解決するための手段として、本発明者らは、ブームの前後方向に延びた一対の板のほかに、ブームの幅方向に延びる2枚の板を加えてブームとブーム起伏シリンダ取付構造との接合面積を増大させ、また、ブームの前後方向に延びた一対の板をブームの前方へ向けて互いに離れる方向に折り曲げるように延ばし、接合箇所の偏在を緩和させることに想到した。さらに、ブームの幅方向に延びる2枚の板のうち、ブームの前方側に位置する板をブームの後方側に位置する板の方向に近づけて配置することにより、応力集中がさらに緩和することを見出した。本発明は、このような条件を満たすブーム起伏シリンダ取付構造である。
本発明のブーム起伏シリンダ取付構造は、クレーンのブームの下面に設けられ、前記ブームを起伏させるシリンダの先端部が回動可能に取り付けられるブーム起伏シリンダ取付構造であって、前記ブームの下面に略直立した状態で溶接される複数の板材を有し、前記板材は、前記ブームの前後方向に延び、前記ブームの中心軸を挟んでその左右両側に配される一対の縦板と、前記シリンダの先端部が連結され、前記ブームの幅方向に延び、前記縦板の後端につながる後板と、前記ブームの幅方向に延び、前記縦板と交差するように配される交差板とを含み、前記縦板は、互いに平行に延びる本体部と、該本体部の前端と一体につながり、前記本体部の前端から互いの間隔が広がるように傾斜して延びる拡幅部とを備え、前記本体部は、前側部分と後側部分とに分割され、前記交差板は、前記前側部分と前記後側部分との間を幅方向に貫通するように設けられ、かつ、これら前側部分および後側部分にそれぞれ溶接されていることを特徴とする。
この発明によれば、一対の縦板に加えて、後板と交差板とを含むことにより、ブームとブラケットとの接合面積を増加させることで、ブームに生じる応力を分散させることができ、ブームに生じる応力の集中を緩和することができる。また、本体部の前端から互いの間隔が広がるように傾斜して延びる拡幅部を備えていることにより、接合箇所の偏在を緩和することができ、ブームに生じる応力の集中を緩和することができる。さらに、本体部は、前側部分と後側部分とに分割され、交差板は、前側部分と後側部分との間を幅方向に貫通するように設けられている。つまり、縦板が、交差板を境界として2分割されたような2枚の板材により構成されている。言い換えれば、縦板の分割位置を変えるだけで、交差板の位置をブームの前後方向の所望の位置に位置させることが可能になる。したがって、交差板を後板の側に近づけて、ブームに生じる応力の集中を緩和することができる。
また、前記拡幅部と前記前側部分とが単一の板材からなり、前記拡幅部と前記前側部分とが、前記板材の曲げ加工により形成されることが好ましい。
この発明によれば、拡幅部と本体部の前側部分とが、板材の曲げ加工により形成される。したがって、拡幅部と本体部とを接合する作業が不要で、また、接合により、拡幅部と本体部との境界位置において強度が低下するのを回避することができる。
また、前記後板に、前記ブームの後方側へ突出するように、前記シリンダの端部を枢設するためのシリンダ枢設部が設けられていることが好ましい。
この発明によれば、シリンダの端部を枢設するためのシリンダ枢設部が、後板に、ブームの後方側へ突出するように設けられていることにより、シリンダの端部をブーム起伏シリンダ取付構造の後方に連結し、ブームの起伏時に生じる荷重をブーム起伏シリンダ取付構造の前方側で効率よくブームに伝達することができる。
また、前記交差板が、前記一対の拡幅部に内接し、前記一対の本体部の前端を通過する円の外側であって、前記ブームの後方側に設置されることが好ましい。
この発明によれば、交差板が、一対の拡幅部に内接し、一対の本体部の前端を通過する円の外側であって、ブームの後方側に設置されることにより、応力が集中して生じる部分を回避させることができる。
また、本発明の別のブーム起伏シリンダ取付構造は、クレーンのブームの下面に設けられ、前記ブームを起伏させるシリンダの先端部が回動可能に取り付けられるブーム起伏シリンダ取付構造であって、前記ブームの周面に略直立した状態で溶接される複数の板材を有し、前記板材は、前記ブームの前後方向に延び、前記ブームの中心軸を挟んでその左右両側に配される一対の縦板と、前記シリンダの先端部が連結され、前記ブームの幅方向に延び、前記縦板の後端につながる後板と、前記ブームの幅方向に延び、前記縦板と交差するように配される交差板とを含み、前記縦板は、互いに平行に延びる本体部と、該本体部の前端と一体につながり、前記本体部の前端から互いの間隔が広がるように傾斜して延びる拡幅部とを備え、前記交差板は、中間部と左右両側部とに分割され、前記縦板の前記本体部は、前記中間部と前記左右両側部との間を前記ブームの前後方向に貫通するように設けられ、前記本体部と前記中間部および前記左右両側部とが互いに溶接されていることを特徴とする。
この発明によれば、一対の縦板に加えて、後板と交差板とを含むことにより、ブームとブラケットとの接合面積を増加させることで、ブームに生じる応力を分散させることができ、ブームに生じる応力の集中を緩和することができる。また、本体部の前端から互いの間隔が広がるように傾斜して延びる拡幅部を備えていることにより、接合箇所の偏在を緩和することができ、ブームに生じる応力の集中を緩和することができる。さらに、交差板は、中間部と左右両側部とに分割され、縦板の本体部は、中間部と左右両側部との間をブームの前後方向に貫通するように設けられている。つまり、交差板が、2枚の縦板を境界として3分割されたような3枚の板材により構成されているので、交差板の位置をブームの前後方向の所望の位置に位置させることが可能になる。したがって、交差板を後板の側に近づけて、ブームに生じる応力の集中を低減することができる。
また、前記縦板が単一の板材からなり、前記拡幅部と前記本体部とが、前記板材の曲げ加工により形成されることが好ましい。
この発明によれば、縦板が単一の板材からなり、拡幅部と本体部とが、板材の曲げ加工により形成される。したがって、拡幅部と本体部とを接合する作業が不要で、また、接合により、拡幅部と本体部との境界位置において強度が低下するのを回避することができる。
また、前記後板に、前記ブームの後方側へ突出するように、前記シリンダの端部を枢設するためのシリンダ枢設部が設けられていることが好ましい。
この発明によれば、シリンダの端部を枢設するためのシリンダ枢設部が、後板に、ブームの後方側へ突出するように設けられていることにより、シリンダの端部をブーム起伏シリンダ取付構造の後方に連結し、ブームの起伏時に生じる荷重をブーム起伏シリンダ取付構造の前方側で効率よくブームに伝達することができる。
また、前記交差板が、前記一対の拡幅部に内接し、前記一対の本体部の前端を通過する円の外側であって、前記ブームの後方側に設置されることが好ましい。
この発明によれば、交差板が、一対の拡幅部に内接し、一対の本体部の前端を通過する円の外側であって、ブームの後方側に設置されることにより、応力が集中して生じる部分を回避させることができる。
本発明によれば、ブームに生じる応力の集中を緩和することができる。
以下で、本発明のブーム起伏シリンダ取付構造について、図面を用いて詳細に説明する。
(実施の形態1)
ブーム起伏シリンダ取付構造は、クレーンのブーム21の下面に設けられるものである。そして、このブーム起伏シリンダ取付構造を介して、ブーム21を起伏させる油圧シリンダの先端部が回動可能に取り付けられる。以下では、ブームの前後方向という場合には、ブームの長手方向を意味している。また、ブームの前方という場合には、ブームの先端側を意味し、ブームの後方という場合には、ブームの基端側を意味している。また、ブームの幅方向という場合には、ブームの軸線方向に対して略垂直な方向を意味している。
図1は、実施の形態1のブラケット(ブーム起伏シリンダ取付構造)3がブーム21の下面に固定された状態を示す斜視図である。実施の形態1のブラケット3は、ブーム21の下面に略直立した状態で溶接される複数の板材を有する。板材としては、図1に示されるように、荷重をブーム21の前後方向に分散させるための縦板34と、荷重をブーム21の幅方向に分散させるための後板31と、後板31よりブーム21の前方側に配設され、荷重をブーム21の幅方向にさらに分散させるための交差板32と、ブーム21を起伏させるための油圧シリンダの先端部をブーム21に対して回動可能に取り付けるための油圧シリンダ枢設部35と、ブラケット3の剛性を確保するための底板33とを備えている。
図2は、実施の形態1のブラケット3の平面図である。図3は、実施の形態1のブラケット3の正面図である。図4は、実施の形態1のブラケット3の側面図である。
縦板34は、ブーム21の前後方向に延び、ブーム21の中心軸を挟んでその左右両側に配される1対の部材である。縦板34は、ブーム21の中心軸に対して平行に設けられた本体部34aと、本体部34aの前方端に設けられ、ブーム21の前方へ向かって互いに離れる方向に延びる拡幅部34bとを含む。以下では、拡幅部34bの後端と本体部34aの前方端との境界位置を折れ曲り点P1という。
本体部34aは、2つに分割された板材により構成されている。具体的には、本体部34aは、ブーム21の前方側に位置する第1本体部(前側部分)34a1と、第1本体部34a1よりブーム21の後方側に位置する第2本体部(後側部分)34a2とから構成されている。第1本体部34a1と第2本体部34a2との境界部分には、交差板32が、第1本体部34a1と第2本体部34a2とを隔てるように設けられる。
拡幅部34bは、前述したように、折れ曲り点P1からブーム21の前方へ向けて他方の縦板34の拡幅部34bから離れる方向に延びている部分である(図2参照)。このように、1対の拡幅部34bの間隔が、ブーム21の前方へ向かって広がるように設けられていることにより、ブラケット3のブーム21に対する接合箇所の偏在を緩和することができる。
また、拡幅部34bと第1本体部34a1とは単一の板材から構成されている。そして、縦板34の拡幅部34bと第1本体部34a1とは、図2および図3の折り曲げ点P1において、板材に曲げ加工を施して形成されたものである。したがって、拡幅部34bと第1本体部34a1とを接合する作業が不要で、また、接合により、拡幅部34bと第1本体部34a1との境界位置において強度が低下するのを回避することができる。
したがって、本実施の形態の縦板34は、拡幅部34bおよび第1本体部34a1からなる1対の板材、ならびに、1対の第2本体部34a2、つまり、合わせて4枚の板材によって構成される。
後板31は、ブーム21の幅方向(ブーム21の軸線方向に対して略直角な方向)に延び、縦板34の後端につながる。図4に示されるように、後板31は、その上縁部がブーム21の周面に沿った形状を呈している。本実施の形態では、横断面が略長円状を呈したブーム21の周面に沿うように、後板31の上縁部は、略U字状に凹んだ形状を呈している。また、後板31は、縦板34から外方へ突出してブーム21の周面に溶接される。そして、この縦板34から外方へ突出してブーム21の周面に溶接される部分が長いほど、ブーム21に発生する応力を分散させることができる。後板31と縦板34とは、互いに、交差する部分で、溶接によって接合される。
交差板32は、ブーム21の幅方向に延び、縦板34と交差するように配される。交差板32は、後板31と略平行に設けられる。交差板32も、後板31と同様に、縦板34から外方へ突出してブーム21の周面に溶接される。そして、この縦板34から外方へ突出してブーム21の周面に溶接される部分が長いほど、ブーム21に発生する応力を分散させることができる。交差板32と縦板34とは、互いに、交差する部分で、溶接によって固定される。
また、交差板32は、前述の縦板34の第1本体部34a1と第2本体部34a2との間に配置される。したがって、第1本体部34a1の長さおよび第2本体部34a2の長さのバランスによって、交差板32のブーム21の前後方向(ブーム21の長手方向)の配置位置が定まる。本実施の形態では、交差板32を、一対の拡幅部34bに内接し、一対の本体部34aの前端(すなわち、一対の第1本体部34a1の前端であって、拡幅部34bの後端)を通過する円の外側であって、ブーム21の後方側に設置させている。これにより、交差板32を、ブーム21における応力がとくに集中して生じる部分から回避させて配置することができる。
油圧シリンダ枢設部35は、後板31の後方側の面に、ブーム21の後方側に突出するように2組取り付けられている。各油圧シリンダ枢設部35は、後板31の後方面であって、縦板34の延長線上に設けられる1対の第1枢設板35aと、1対の第1枢設板35aの内方に第1枢設板35aから所定の間隔を空けて設けられる1対の第2枢設板35bと、後板31を介して第2枢設板35bの延長線上に設けられる補強板35cとを含む。第1枢設板35aには、円形状を呈した装着孔35a1が形成され、第2枢設板35bにも同様に、円形状を呈した装着孔35b1が形成されている。そして、各装着孔35a1と装着孔35b1とが互いに向かい合うように位置している。この装着孔35a1および装着孔35b1には、油圧シリンダの先端部を回動可能に保持する枢軸が挿入される。補強板35cは、第2枢設板35bによって伝達される力を受けて後板31が変形するのを防ぐ目的で設けられている。補強板35cは、その一方の端を後板31に、他方の端を交差板32に接合された状態で、縦板34の第2本体部34a2に対して略平行に設けられる。
油圧シリンダの先端部は、1組の油圧シリンダ枢設部に一つずつ取り付けられる。すなわち、本実施の形態のブラケット3には、2組の油圧シリンダ枢設部35が設けられているので、2つの油圧シリンダが取り付けられる。油圧シリンダの先端部が、各油圧シリンダ枢設部35の第1枢設板35aと第2枢設板35bとの間に介装されると、枢軸(図示しない)が、第1枢設部35aに形成された装着孔35a1、油圧シリンダの先端部に形成された挿通孔、第2枢設部35bに形成された装着孔35b1、第2枢設部35bに形成された装着孔35b1、油圧シリンダの先端部に形成された挿通孔、第1枢設部35aに形成された装着孔35a1の順に貫通した状態で固定される。このようにして、各油圧シリンダの先端部は、ブラケット3に対して、枢軸周りに回動可能に取り付けられる。
上述したように、油圧シリンダの端部を枢設するための油圧シリンダ枢設部35が、後板31に、ブーム21の後方側へ突出するように設けられていることにより、油圧シリンダの端部をブラケット3の後方に連結し、ブーム21の起伏時に生じる荷重をブラケット3の前方側で効率よくブーム21に伝達することができる。
底板33は、縦板34、後板31、交差板32、油圧シリンダ枢設部35の下端に固着され、ブラケット3の下側を部分的に覆うように設けられる。底板33には、開口33a、33bが形成されている。このような開口33a、33bが形成されていることにより、底板33でブラケット3の剛性を確保しながらも、ブラケット3の軽量化を図ることができる。
図5は、本実施の形態のブラケット3をブーム21に溶接する際の溶接線L1〜L4を説明するための図である。図5に示されるように、ブラケット3がブーム21に溶接固定されると、一対の縦板34は、それぞれ溶接線L1またはL2に沿うようにブーム21の下面に溶接固定される。また、後板31は溶接線L3に沿うようにブーム21の下面に溶接固定され、交差板32は溶接線L4に沿うようにブーム21の下面に溶接固定される。このように、ブラケット3は、ブラケット3を構成する各板材の上縁部が直接ブーム21の下面に溶接固定されることにより、ブーム21に対して取り付けられる。
ここで、交差板32の溶接位置とブーム21に生じる最大応力との関係について説明する。ブーム21には、折れ曲り点P1の付近から折れ曲り点P1の前方にかけて、極めて高い応力が生じることが分かっている。このような、応力が集中して発生している箇所に交差板32を配置すると、その最大応力は益々大きくなり、ブーム21の変形や、材料に繰り返し応力が働いて材料の強さが低下するいわゆる疲労などが生じやすくなってしまう。そこで、本実施の形態では、交差板32を、折れ曲り点P1よりブーム21の後方側に配置することにより、図5に示されるような、溶接線L4に沿うようにブラケット3の交差板32をブーム21に対して接合することを実現し、応力が局所的に集中して発生するのを回避している。
実施の形態1によれば、本体部34aは、第1本体部34a1と第2本体部34a2とに分割され、交差板32は、第1本体部34a1と第2本体部34a2との間を幅方向に貫通するように設けられている。つまり、縦板34が、交差板32を境界として2分割されたような2枚の板材により構成されている。言い換えれば、縦板34の分割位置を変えるだけで、交差板32の位置をブーム21の前後方向の所望の位置に位置させることが可能になる。したがって、交差板32を後板31の側に近づけて、ブーム21に生じる応力の集中を緩和することができる。
(実施の形態2)
図6は、実施の形態2のブラケット3の平面図である。実施の形態1のブラケット3は、縦板34の本体部34aが第1本体部34a1と第2本体部34a2とに分割されているのに対し、実施の形態2のブラケット3は、図6に示されるように、交差板32が、一対の左右両側部32aと中間部32bとに3分割されており、縦板34の本体部34aは、分割されていない。すなわち、実施の形態2の各縦板34は、それぞれ単一の板材で構成されている。
具体的には、一対の左右両側部32aは、それぞれ、縦板34の本体部34aの外側面に溶接により固定され、本体部34aの外側面から外方へ突出するように設けられる。また、左右両側部32aは、ブラケット3の周面に沿ってブラケット3の下面側から上面側へ向けて延びるような形状を呈しており、その上縁部は、ブラケット3の周面に溶接固定される。
また、中間部32bは、左右両側部32aの延長線上に縦板34の本体部34aを介して設けられる。したがって、中間部32bは、一対の本体部34aの内側面にその両端が溶接固定され、また、その上縁部は、ブラケット3の下面に溶接固定される。
以上の実施の形態2によれば、交差板32は、中間部32bと左右両側部32aとに分割され、縦板34の本体部34aは、中間部32bと左右両側部32aとの間をブーム21の前後方向に貫通するように設けられている。つまり、交差板32が、2枚の縦板34を境界として3分割されたような3枚の板材により構成されているので、交差板32の位置をブーム21の前後方向の所望の位置に位置させることが可能になる。したがって、交差板32を後板31の側に近づけて、ブーム21に生じる応力の集中を緩和することができる。
なお、上記実施の形態では、縦板34に曲げ加工を施して、本体部34aと拡幅部34bとを形成した形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。それぞれ別個の板材からなる本体部34aと拡幅部34bとを用いて縦板34を構成する形態であってもよい。この場合、本体部34aの前端と拡幅部34b後端とが溶接により接合される。
伸縮自在の2段式のブーム21(以下、後端側のブームを基本ブーム21a、先端側に伸びるブームを伸縮ブーム21bという)に、図9に示されるような拘束条件および荷重条件で、有限要素法を用いて基本ブーム21aに生じる応力を求めた。
ここで、拘束条件について詳しく説明すると、基本ブーム21aの後端は、水平軸周りにのみ回動可能に取り付けられている。また、油圧シリンダ4の基端部についても同様に、基本ブーム21aの後端の回動の中心となる水平軸に平行な水平軸周りにのみ回動可能に取り付けられている。
また、荷重条件については、伸縮ブーム21bの先端側に、ブーム21の自重および吊荷重により生ずる反力を入力した。
ブラケット3の構造については、実施の形態1と同様に、縦板34の本体部34aが第1本体部34a1と第2本体部34a2との2つに分割され、第1本体部34a1と第2本体部34a2との間に交差板32がブーム21の幅方向に貫通するように設けられた形態を採用した(図2参照)。そして、図9に示されるように、交差板32の位置(折れ曲り点P1からの距離L)を変化させて解析を行った。
解析結果を表1に示す。
Figure 2010126287
表1に示されるように、折れ曲り点P1から交差板32までの距離Lが大きくなるほど、交差板32に沿ってブーム21に発生する最大応力が小さくなっていることが分かる。
実施の形態1のブラケットがブームの下面に固定された状態を示す斜視図である。 実施の形態1のブラケットの平面図である。 実施の形態1のブラケットの正面図である。 実施の形態1のブラケットの側面図である。 実施の形態1のブラケットをブームに溶接する際の溶接線を説明するための図である。 実施の形態2のブラケットの平面図である。 クレーン車両を説明するための図である。 実施例における、有限要素法による解析の解析条件を説明するための図である。 実施例における、交差板の設置位置を説明するためのブラケットの平面の概略図である。
符号の説明
3 ブラケット(ブーム起伏シリンダ取付構造)
31 後板
32 交差板
32a 左右両側部
32b 中間部
34 縦板
34a 本体部
34a1 第1本体部(前側部分)
34a2 第2本体部(後側部分)
34b 拡幅部
35 油圧シリンダ枢設部(シリンダ枢設部)
4 油圧シリンダ(シリンダ)

Claims (8)

  1. クレーンのブームの下面に設けられ、前記ブームを起伏させるシリンダの先端部が回動可能に取り付けられるブーム起伏シリンダ取付構造であって、
    前記ブームの下面に略直立した状態で溶接される複数の板材を有し、
    前記板材は、
    前記ブームの前後方向に延び、前記ブームの中心軸を挟んでその左右両側に配される一対の縦板と、
    前記シリンダの先端部が連結され、前記ブームの幅方向に延び、前記縦板の後端につながる後板と、
    前記ブームの幅方向に延び、前記縦板と交差するように配される交差板とを含み、
    前記縦板は、互いに平行に延びる本体部と、該本体部の前端と一体につながり、前記本体部の前端から互いの間隔が広がるように傾斜して延びる拡幅部とを備え、
    前記本体部は、前側部分と後側部分とに分割され、
    前記交差板は、前記前側部分と前記後側部分との間を幅方向に貫通するように設けられ、かつ、これら前側部分および後側部分にそれぞれ溶接されていることを特徴とするブーム起伏シリンダ取付構造。
  2. 前記拡幅部と前記前側部分とが単一の板材からなり、前記拡幅部と前記前側部分とが、前記板材の曲げ加工により形成される請求項1記載のブーム起伏シリンダ取付構造。
  3. 前記後板に、前記ブームの後方側へ突出するように、前記シリンダの端部を枢設するためのシリンダ枢設部が設けられている請求項1または2記載のブーム起伏シリンダ取付構造。
  4. 前記交差板が、前記一対の拡幅部に内接し、前記一対の本体部の前端を通過する円の外側であって、前記ブームの後方側に設置される請求項1〜3のいずれか1項に記載のブーム起伏シリンダ取付構造。
  5. クレーンのブームの下面に設けられ、前記ブームを起伏させるシリンダの先端部が回動可能に取り付けられるブーム起伏シリンダ取付構造であって、
    前記ブームの周面に略直立した状態で溶接される複数の板材を有し、
    前記板材は、
    前記ブームの前後方向に延び、前記ブームの中心軸を挟んでその左右両側に配される一対の縦板と、
    前記シリンダの先端部が連結され、前記ブームの幅方向に延び、前記縦板の後端につながる後板と、
    前記ブームの幅方向に延び、前記縦板と交差するように配される交差板とを含み、
    前記縦板は、互いに平行に延びる本体部と、該本体部の前端と一体につながり、前記本体部の前端から互いの間隔が広がるように傾斜して延びる拡幅部とを備え、
    前記交差板は、中間部と左右両側部とに分割され、
    前記縦板の前記本体部は、前記中間部と前記左右両側部との間を前記ブームの前後方向に貫通するように設けられ、前記本体部と前記中間部および前記左右両側部とが互いに溶接されていることを特徴とするブーム起伏シリンダ取付構造。
  6. 前記縦板が単一の板材からなり、前記拡幅部と前記本体部とが、前記板材の曲げ加工により形成される請求項5記載のブーム起伏シリンダ取付構造。
  7. 前記後板に、前記ブームの後方側へ突出するように、前記シリンダの端部を枢設するためのシリンダ枢設部が設けられている請求項5または6記載のブーム起伏シリンダ取付構造。
  8. 前記交差板が、前記一対の拡幅部に内接し、前記一対の本体部の前端を通過する円の外側であって、前記ブームの後方側に設置される請求項5〜7のいずれか1項に記載のブーム起伏シリンダ取付構造。
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