JP2010125083A - ボールバランサを有した回転装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ボールバランサシステムを用いて回転体に作用する偏心荷重を打ち消すように構成した回転システムにおいて、共振回転速度付近で生じる過渡振動を、簡単で安価な構成で、しかも確実に抑制する。
【解決手段】水平又は傾斜回転軸C周りに回転可能に支持された、偏心荷重が作用する回転体3と、前記回転体3を回転駆動する電動機4と、前記回転体3に周方向に転動可能に取り付けられて前記偏心荷重によるアンバランスを打ち消す方向に移動する1又は複数のバランス用転動体72と、前記電動機4を駆動して前記回転体72の回転速度を制御する制御手段8とを具備した回転装置において、前記回転体3の回転速度を該回転体3の共振回転数より若干低い回転速度である第1回転速度まで上昇させ、該第1回転速度を一定時間保った後、前記共振回転速度より高い第2回転速度まで上昇させるようにした。
【選択図】 図7
【解決手段】水平又は傾斜回転軸C周りに回転可能に支持された、偏心荷重が作用する回転体3と、前記回転体3を回転駆動する電動機4と、前記回転体3に周方向に転動可能に取り付けられて前記偏心荷重によるアンバランスを打ち消す方向に移動する1又は複数のバランス用転動体72と、前記電動機4を駆動して前記回転体72の回転速度を制御する制御手段8とを具備した回転装置において、前記回転体3の回転速度を該回転体3の共振回転数より若干低い回転速度である第1回転速度まで上昇させ、該第1回転速度を一定時間保った後、前記共振回転速度より高い第2回転速度まで上昇させるようにした。
【選択図】 図7
Description
この発明は、洗濯機の脱水機、遠心分離機など、回転体の偏心荷重および偏心位置が変化する可能性を有する回転システムに関する。
例えば、洗濯機の脱水プロセスにおいて、個々の洗濯物は回転体であるドラムの内周に沿って不均一な状態、すなわちアンバランスな状態にしばしば置かれる。その結果、脱水中に回転軸には偏った力が加わり、振動が発生する。振動の振幅は回転ドラムの回転速度の2乗に比例して増大し、その振動のために洗濯機自身が動いたり、ある回転速度以上では運転することができなくなってしまうなどの問題が発生する。
これに対して従来は、このアンバランスを修正するために、液体バランサが多く用いられている。ところが、液体は比重が小さいためにその効果が限定的である。そこでこの液体を比重の大きい金属球に代えてアンバランスのキャンセル範囲を拡大したものがボールバランサである(特許文献1)。
ボールバランサシステム(図1参照)は、ドラムの内周に取り付けた管状のレース部に回転方向(周方向)に自由度をもつ複数のボールを配置することにより、偏心荷重を生じさせるアンバランス体(ここでは洗濯物(布))に対して自動的にボールが対向位置に移動する力学現象を利用したバランス装置である。図1は、ドラムの前端部及び後端部の2箇所に複数の金属球等の転動体(以下、ボールとも言う)を配置したダブルボールバランサの例を示している。その他に、ドラムの1箇所に金属球を配置したシングルボールバランサも知られており、これらは原理的には同じである。すなわち、脱水過程において経時的に変化する布アンバランス量に刻一刻対応して、複数のボールが位置を変え、自動的にアンバランスを修正できることに、このボールバランサシステムの特長がある。
特開平10−43475
ところで、かかるボールバランサシステムを用いた場合、脱水加速時にドラムを支えるバネやダンパで決まる共振回転速度付近で、過渡的に非常に大きな振動が発生することがある。その原因の1つとして、ボールが過渡状態で長い距離を移動する場合が挙げられる。すなわち、ボールは、前記共振回転速度を超えるときにバランス位置(アンバランス体の対向位置)に移動しようとするが、そのときの移動距離が長いと、その過程で大きな振動が発生する。例えば、図2(c)に示すようにボールが、ほぼ一周、360°に近い移動をする場合には、その振動が最大となる。
この現象は、特に横置きのドラム、すなわち回転体の回転軸が水平又は傾斜したものにおいて顕著に発生する。例えば縦置きのドラムでは、理論的に共振回転速度よりも低い回転速度においてボール群はアンバランス体と同相位置に落ち着くが、横置きのドラムでは、前記共振回転速度よりも低い回転速度において、図3に示すように、ボール群はアンバランス体に対して周期的な相対運動を行う。これは、重力によるすべりが生じているからである。
したがって、この状態から任意に加速を始めると、タイミングによっては、共振領域通過時におけるボールのアンバランス体に対する相対位置が、バランス位置に至るまでに長い移動を必要とする位置、例えば、振動を最大化するような位置(図2(c))になる場合があることは容易に推測できる。
これを回避するには、ボールとアンバランス体との位相を検知して、共振回転速度の手前で、ボールとアンバランス体とが略対向位置となる図2(a)のように制御すればよく、このことによって、過渡振動を最小にできる。
なお、図2において、
(a)は、共振回転速度を含む過渡振動回転速度領域に入る直前のボール位置が、回転方向に対して、アンバランス体の対向位置の少し手前の場合
(b)は、過渡振動回転速度領域に入る直前のボール位置が、回転方向に対して、アンバランス体と同じ位置の場合
(c)は、過渡振動回転速度領域に入る直前のボール位置が、回転方向に対して、アンバランス体の対向位置の場合を示している。
なお、図2において、
(a)は、共振回転速度を含む過渡振動回転速度領域に入る直前のボール位置が、回転方向に対して、アンバランス体の対向位置の少し手前の場合
(b)は、過渡振動回転速度領域に入る直前のボール位置が、回転方向に対して、アンバランス体と同じ位置の場合
(c)は、過渡振動回転速度領域に入る直前のボール位置が、回転方向に対して、アンバランス体の対向位置の場合を示している。
しかしながら、前述したように、ボールバランサシステムが前後2つある場合などでは、ボールの位相検知が難しくなる。もちろん、特殊なセンサや高性能マイコン等を用いれば、位相検知やそれに係る高精度制御も可能であろうが、そうすると、価格面で製品に適用できないという問題が生じる。
本発明は、かかる問題点を鑑みてなされたものであって、ボールバランサシステムを用いて回転体に作用する偏心荷重を打ち消すように構成した洗濯機等の回転装置において、共振回転速度付近で生じる過渡振動を、簡単で安価な構成で、しかも確実に抑制することその所期課題とするものである。
すなわち、本発明に係る回転装置は、水平又は傾斜回転軸周りに回転可能に支持された、偏心荷重が作用する回転体と、前記回転体を回転駆動する電動機と、前記回転体に周方向に転動可能に取り付けられて前記偏心荷重によるアンバランスを打ち消す方向に移動する1又は複数のバランス用転動体と、前記電動機を駆動して前記回転体の回転速度を制御する制御手段とを具備したものであって、前記制御手段が、前記回転体の回転速度を該回転体の共振回転数より若干低い回転速度である第1回転速度まで上昇させ、該第1回転速度を一定時間保った後、前記共振回転速度より高い第2回転速度まで上昇させることを特徴とする。
ここでの前記第1回転速度とは、共振回転速度以下の回転速度であって、バランス用転動体に作用する遠心力による摩擦力が重力に打ち勝ってその滑り作用を打ち消すことができる回転速度以上の回転速度のことである。
ここでの前記第1回転速度とは、共振回転速度以下の回転速度であって、バランス用転動体に作用する遠心力による摩擦力が重力に打ち勝ってその滑り作用を打ち消すことができる回転速度以上の回転速度のことである。
このようなものであれば、第1回転速度において、転動体に対する重力による滑り作用が無視できるので、回転体の回転軸が鉛直な場合と同様な動作を営む。すなわち、第1回転速度が共振回転速度よりも低い回転速度であることから、前記所定時間の間に、転動体は偏心荷重に対して同相位置に移動してきて、その同相位置を維持する。一方、第2回転速度では、転動体の位置は、偏心荷重に対して対向位置であることから、前記第1回転速度から第2回転速度に上昇する過程での転動体の偏心荷重に対する相対移動距離は、最大180°となる。
したがって、共振回転速度付近を通過するときの転動体の移動距離も、必ず180°よりも小さく抑えることができ、その際の異常振動を確実に抑制できる。特に、第1回転速度から第2回転速度に上昇させるときの加速度を、実験やシミュレーションなどによって適切に設定すれば、転動体の移動距離を最小限にして異常振動をさらに低減させることが可能になる。
本発明に係る回転装置を洗濯機に適用すれば、本発明の効果がより顕著となる。
転動体の具体的な支持態様としては、前記回転体と軸線を一致させて該回転体に取り付けられたリング状をなす管状案内部材を更に具備し、該案内部材の内部に前記転動体が転動可能に収容されたものを挙げることができる。
転動体の反応が速すぎると、転動体の位相が安定しにくくなって逆に振動を引き起こす恐れがある。これを回避するには、前記案内部材の内部に粘性流体を一定量貯留しておくことが好ましい。
このように構成した本発明によれば、バランス用転動体によって偏心荷重を打ち消すように構成した回転装置において、回転体の回転速度を上昇させる過程で、共振回転速度よりも若干低い第1回転速度に一旦維持するだけで、共振回転速度付近での異常振動を大きく低減させることが可能になる。しかも、本発明の実現にあたって、特に特殊な部材や複雑なソフトウェアが必要となるわけではなく、単に回転速度さえ検知して回転体を制御すればよいだけであるため、簡単で安価な構成による実現が可能となる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図4は、本実施形態に係るドラム式洗濯機100の概略内部構造を示した縦断面図である。同図中、符号1は中空のボディであり、このボディ1の使用端側(以下、前側とも言う)には、洗濯物を投入するための投入口11と、前記投入口11を閉じるための開閉可能な蓋12とが設けてある。また、ボディ1の内部には、水槽2が配設されており、当該水槽2のさらに内部にはドラム3が設けられている。
水槽2は、後端面が底板21によって閉塞され、前端部が開口する概略円筒状をなすものであり、その中心軸Cを水平又は水平から傾斜させ、前側が後側よりも若干高くなる姿勢で、ダンパDや弾性体Sによって揺動可能に支持されている。
ドラム3は、水槽2よりも一回り小さい円筒状をなすもので、水槽2と同様、その後端面が底板31によって閉塞され、その前端面は開口している。このドラム3には、厚み方向に貫通する多数の孔33が設けられていて、この孔33を介して水槽2からドラム3内に水が浸入自在に構成されている。
このドラム3の前端部及び後端部には、ボールバランサシステム7が付加されている。このボールバランサシステム7は、ドラム3の側周部に周回して取り付けられた管状をなす案内部材71と、この案内部材71の内部に略ガタなく嵌まり込んで転動する転動体たる複数の金属製ボール72からなるものである。なお、図5に示すように、前記案内部材71の内部には、ボール72の急激な移動を抑制するための油等の粘性流体73が貯留してある。
前記水槽2における底板21の外側には、例えばドラム3を回転駆動するための電動機4が取り付けられており、前記電動機4の回転軸41が軸受42を介して当該底板21を貫通し、ドラム3の底板32に固定されている。
なお、図4に示す符号5は、洗濯水を供給する給水機構5であり、符号6は、水槽2及びドラム3内の洗濯水を外部に排出するための排水機構である。
これらの構成に加えて、この洗濯機100は、電動機4等の回転速度を制御して、ドラム内の洗濯物の重量を算出し、洗い工程や脱水工程を自動で行う制御手段8を、ボディ1の内部における適宜箇所に備えている。
この制御手段8は、ハードウェア構成として、CPU、メモリ、I/Oチャネル、ADコンバータ、各種ドライバ回路などを具備した電気回路であり、前記メモリに記憶させたプログラムに従って、前記CPUや周辺機器が協動することで種々の機能を発揮する。
しかしてこの実施形態での特徴は、該制御手段8による脱水工程でのドラムの回転速度制御にある。そこで、その制御動作について以下に説明する。
脱水工程において制御手段8は、まず、停止状態からドラム3の回転速度を徐々に上昇させる。回転速度については、例えば電動機4に取り付けられた回転速度センサ(図示しない)からの出力によって得る。この回転速度センサは、例えばホールICなどを利用したものであるが、その他の方式でも構わない。
次に制御手段8は、ドラム3の共振回転速度を算出する。共振回転速度は、ドラム重量、ドラム内径、ばね定数、ダンパ定数などから既知の数式によって算出することができる。なお、前記数式により求めた理論上の共振回転速度の上下一定幅に亘る回転速度領域において、過渡的な振動が生じる。そこで、制御手段8は、前記理論共振回転速度に上下の幅を付加して過渡振動回転速度領域も定める。この領域幅は実験やシミュレーションで予め求められた振動が、製品のスペック上、無視できない振動以上になる領域幅となるように予め定められている。かかる共振回転速度や過渡振動回転速度領域は、制御手段8による算出ではなく、別途算出しておいてその値を予めメモリに記憶させておいてもよい。
その後、制御手段8は、ドラム3の回転速度を、前記共振回転速度よりも若干低い第1回転速度、より具体的には前記過渡振動回転速度領域の下限まで上昇させ、この第1回転速度を一定時間保つ。その後、前記共振回転速度よりも高い第2回転速度、より具体的には過渡振動回転速度領域の上限を超えた回転速度にまで上昇させて脱水する。
このことによって、脱水工程におけるドラム3の振動、特に過渡振動回転速度領域で生じる振動を可及的に抑制することができる。次にその理由について詳述する。
横置きのボールバランサシステム、つまりドラム回転軸が鉛直の場合は、理論的に共振速度以下の回転速度ではボールと偏心荷重は同相位置に固定される。
一方、本実施形態の洗濯機100のように回転軸Cが水平又は傾斜したドラムでは、「発明が解決しようとする課題」欄で述べたように、重力によるすべりの影響から、前記共振回転速度よりも低い回転速度において、図3に示すようにボール群が偏心荷重である洗濯物に対して相対運動する。
しかし、ボール72の重量や案内部材71との間での摩擦係数などを適切に設定することで、共振回転速度よりも低い回転速度において、遠心力による摩擦力によって前記重力によるすべりを防止することができる。この状態では、重力の作用を考えなくてよいから、ドラムの回転軸が鉛直の場合と同様、ボール72を偏心荷重と同相に固定することができる。
ボール72を同相位置で停止させる条件は、速度ωが(数1)式の条件を満たせばよい。
左辺はボール72が真横に来たときの重力と静止摩擦力のバランスを示し、右辺は理論的な共振回転速度である。
この範囲よりも低い回転速度では重力が勝って、ボール72は案内部材71内をすべり、結果としてアンバランスと相対速度をもつことになる。一方、この範囲以上の回転速度では共振回転速度領域に入ることになり、ボール72は、偏心荷重を生じさせるアンバランス体(ドラム3内の洗濯物)の対向位置へ移動する。
したがって、この範囲内の回転速度に前記第1回転速度を定めればよく、この第1回転速度を維持する一定時間としては、ボール72が相対移動している状態から偏心荷重と同相位置に移動して固定されるのに必要な時間を設定すればよい。
具体的な数値例を挙げると、
1) r=0.3,μ=0.1のとき、ω>18.1(rad/s)=172(rpm)で、ボール72がアンバランス体と同相位置で停止する。
2) k=200N/m,M=25kgのとき、ω<21.8(rad/s)=207(rpm)で、共振回転速度よりも低くなる。
したがってこのとき、172rpm<ω<207rpm の範囲内でドラム3の回転速度を制御することになる。
1) r=0.3,μ=0.1のとき、ω>18.1(rad/s)=172(rpm)で、ボール72がアンバランス体と同相位置で停止する。
2) k=200N/m,M=25kgのとき、ω<21.8(rad/s)=207(rpm)で、共振回転速度よりも低くなる。
したがってこのとき、172rpm<ω<207rpm の範囲内でドラム3の回転速度を制御することになる。
次に、その同相位置停止状態から加速すると、ボール72が自動的にアンバランスの対向位置に移動するように動く。これが自動バランシングの原理である。この実施形態では、大きな過渡振動を抑制するために、前述したように、ボール72を粘性流体(500〜1000cst)に浸してあるので、ボール72は早い移動をすることができない。もしも急加速させるならば、強制的にボール72が対向位置に移動はするが、逆に不安定となり振動が増大する。
図6に、加速度と振動の関係を示す。洗濯機では通常、排水・脱水能力が間に合うようにしなければならないので、20rpm/s以上には設定しない。したがって、より小さい加速度でなければ、不安定な振動を抑制できないことになる。結局、ボール72の移動度(油の粘度、移動距離、転がり摩擦など)を考慮して、加速度合いを決定する必要があるが、通常、図5のようなデータ(振動と加速度の関係)を測定することで実験的に求めることになる。
図7には、過渡振動を抑制するための速度プロファイル例を記載する。
本実施形態のポイントはこれまで述べてきたように、
1)第1回転速度において回転速度を維持すると、ボール72とアンバランス体が同相位置で固定される。もしくは、同相位置に固定されるように、パラメータ設計(バネ、ドラム重量、静止摩擦係数(案内部材71の表面粗さとボール72の表面との関係)、ドラム回転半径等)を行う。その設計指針は式(数1)に従う。
2)過渡振動回転速度領域への加速は急加速ではなく、比較的に小さな加速度で加速し、徐々に加速度を上げていく。この加速度合いはボール72を浸している粘性流体の粘度に依存するが、500〜1000cstの場合1〜5rpm/sec程度が適当である(図6)。この場合、10〜20sec程度の時間を使ってボール72をアンバランス体の対向位置に移動させることになり、振動・騒音を減少させることができる。
本実施形態のポイントはこれまで述べてきたように、
1)第1回転速度において回転速度を維持すると、ボール72とアンバランス体が同相位置で固定される。もしくは、同相位置に固定されるように、パラメータ設計(バネ、ドラム重量、静止摩擦係数(案内部材71の表面粗さとボール72の表面との関係)、ドラム回転半径等)を行う。その設計指針は式(数1)に従う。
2)過渡振動回転速度領域への加速は急加速ではなく、比較的に小さな加速度で加速し、徐々に加速度を上げていく。この加速度合いはボール72を浸している粘性流体の粘度に依存するが、500〜1000cstの場合1〜5rpm/sec程度が適当である(図6)。この場合、10〜20sec程度の時間を使ってボール72をアンバランス体の対向位置に移動させることになり、振動・騒音を減少させることができる。
したがって、このように構成した本実施形態によれば、脱水工程におけるドラム回転速度上昇途中において、過渡振動回転領域手前の速度である第1回転速度で一定時間、ドラムの回転速度を一定に維持し、ボール72とアンバランス体(洗濯物)の相対関係が同相で停止するように設計しているので、その後のゆるやかな加速時に、過渡振動回転領域通過時の振動を、常に図2(b)の状態に制御することができ、図2(c)を避けることができる。
図8は、本実施形態によるドラム3の振動・騒音と従来のものとを比較した、振動及び騒音の相関グラフである。本実施形態によるものを×点、従来のものを◆点として表す。このグラフから明らかなように、本実施形態によれば、振動・騒音を大幅に抑制できている。
さらに、本実施形態によれば、振動を抑制するパラメータを回転速度のみに絞ることができるので、回転速度プロファイルを設定するだけで実現できる。つまり、新たなセンサ等の専用機器や複雑なソフトウェアを必要とすることなく、低価格のマイコンでドラム3の振動抑制や静音化を簡単に実現することができるという効果をも奏し得る。
なお、本発明は、前記図示例に限定されるものではない。例えば、洗濯機のドラムの他に、遠心分離器などのように偏心荷重が作用する回転体に本発明を適用して前記実施形態と同様の効果を奏し得る。その他、数値等の設定など、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
C・・・回転軸
3・・・回転体(ドラム)
4・・・電動機
71・・・案内部材
72・・・バランス用転動体(ボール)
73・・・粘性流体
8・・・制御手段
3・・・回転体(ドラム)
4・・・電動機
71・・・案内部材
72・・・バランス用転動体(ボール)
73・・・粘性流体
8・・・制御手段
Claims (4)
- 水平又は傾斜回転軸周りに回転可能に支持された、偏心荷重が作用する回転体と、前記回転体を回転駆動する電動機と、前記回転体に周方向に転動可能に取り付けられて前記偏心荷重によるアンバランスを打ち消す方向に移動する1又は複数のバランス用転動体と、前記電動機を駆動して前記回転体の回転速度を制御する制御手段とを具備した回転装置であって、
前記制御手段が、前記回転体の回転速度を該回転体の共振回転数より若干低い回転速度である第1回転速度まで上昇させ、該第1回転速度を一定時間保った後、前記共振回転速度より高い第2回転速度まで上昇させることを特徴とする回転装置。 - 前記回転体が洗濯機のドラムであり、前記偏心荷重がドラム内に収容された洗濯物によって生じるものである請求項1記載の回転装置。
- 前記回転体と軸線を一致させて該回転体に取り付けられたリング状をなす管状案内部材を更に具備し、該案内部材の内部に前記転動体が転動可能に収容してある請求項1又は2記載の回転装置。
- 前記案内部材の内部に粘性流体を貯留してある請求項3記載の回転装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008303271A JP2010125083A (ja) | 2008-11-27 | 2008-11-27 | ボールバランサを有した回転装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO2016091215A1 (zh) * | 2014-12-12 | 2016-06-16 | 海尔亚洲株式会社 | 脱水机 |
JP2016123860A (ja) * | 2014-12-26 | 2016-07-11 | 三星電子株式会社Samsung Electronics Co.,Ltd. | 洗濯機の脱水時における振動低減方法 |
CN114059279A (zh) * | 2020-07-30 | 2022-02-18 | 广东美的白色家电技术创新中心有限公司 | 控制方法、家用电器及计算机可读存储介质 |
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2008
- 2008-11-27 JP JP2008303271A patent/JP2010125083A/ja active Pending
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